JP2023122302A - 超音波探触子および超音波診断装置 - Google Patents

超音波探触子および超音波診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型化等への対応が容易な、より簡易な構成で、ノイズの発生を抑制することができる超音波探触子、およびこれを用いた超音波診断装置を提供すること。【解決手段】上記超音波探触子は、超音波を送受信するための超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデューサを収納する筐体と、前記筐体内に充填され、電気的に接地された充填材と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、超音波探触子および超音波診断装置に関する。
超音波探触子は、超音波診断装置に接続され、または超音波診断装置と通信可能に構成されたものを、体表に当てるか、または、体内へ挿入するという簡単な操作で、生体組織の形状および動きなどを診断画像として得るために用いられる。
上記診断画像は、超音波探触子から生体に超音波を照射し、生体から反射される超音波を受信することで得ることができる。具体的には、超音波探触子に含まれる超音波トランスデューサが、超音波診断装置からの電気信号を超音波に変換して生体に超音波を照射し、生体から反射された超音波を電気信号に変換する。そして、変換された電気信号が超音波診断装置に入力されて処理されることで上記診断画像が得られる。
上記のように用いられる超音波探触子は、外部からの衝撃が筐体内の超音波トランスデューサ、およびケーブル等に伝わり、破損してしまうことがある。これらの問題を生じにくくするため、筐体内に充填材を充填させることが知られている。
例えば、特許文献1には、ハウジング(筐体)内に圧電振動部を収納し、上記ハウジング内に充填材としてポリウレタン樹脂等の発泡材が充填された超音波探触子が開示されている。
ところで、超音波トランスデューサと超音波診断装置とが、電気信号を送受信する際、電気信号どうしの電磁的な干渉の影響を受け、または外部からの不要な信号の影響を受けて、ノイズが発生する問題があった。
具体的には、超音波トランスデューサと、超音波診断装置(または超音波診断装置と無線通信するための通信素子)との間で電気信号を通過させる、複数のケーブル内に、隣接するケーブルから漏れた電磁波が透過して電気信号が乱れ、ノイズが発生してしまう。または、外部からの電磁波が上記ケーブル内に透過して電気信号が乱れ、ノイズが発生してしまう。これらにより診断画像の精度が低下してしまう問題があった。
診断画像の精度を確保するため、上記ノイズの発生を抑制することが望ましい。例えば、特許文献2では、ノイズの発生を抑制するための、銅やアルミ等を用いたシールド板を有する超音波探触子が記載されている。なお、特許文献2では、ケース内に充填したモールド材(充填材)として、熱伝導率を向上させるための金属材を混入させたエポキシ樹脂や発泡ウレタン樹脂を用いている。この金属材としては、密度を低下させるために、中空のものを用いている。そして、上記シールド板は、モールド材の熱をケーブルのシールド線に逃がす役割も備えている、とされている。
特開2016-123536号公報 特開2006-204622号公報
しかしながら、特許文献2に記載の超音波探触子は、フレキシブルプリント基板(FPC)と略同形状のシールド板を用いるため、超音波探触子のプローブ径を小さくすることが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、小型化等への対応が容易な、より簡易な構成で、ノイズの発生を抑制することができる超音波探触子、およびこれを用いた超音波診断装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための、本発明の一実施形態に係る超音波探触子は、超音波を送受信するための超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデューサを収納する筐体と、前記筐体内に充填され、電気的に接地された充填材と、を有する。
上記課題を解決するための、本発明の一実施形態に係る超音波診断装置は、上記超音波探触子を有する。
本発明により、ノイズの発生を抑制することができる超音波探触子、およびこれを用いた超音波診断装置が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波探触子の全体構造の一例を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る超音波探触子の全体構造の一例を示す断面図である。 図3は、上記超音波探触子に含まれる超音波トランスデューサの構成を示す断面図である。 図4は、図1におけるA-A線断面図である。 図5は、本発明の一実施形態の変形例1に係る超音波探触子の全体構造の一例を示す断面図である。 図6は、本発明の一実施形態の変形例1に係る超音波探触子の全体構造の一例を示す断面図である。 図7は、本発明の一実施形態の変形例2に係る超音波探触子の全体構造の一例を示す断面図である。 図8は、本発明の一実施形態の変形例3に係る超音波探触子の全体構造の一例を示す断面図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
1.超音波探触子
図1、図2は、本発明の一実施形態に係る超音波探触子100の全体構造の一例を示す断面図である。
図1に示されるように、超音波探触子100は、超音波トランスデューサ110と、筐体120と、充填材130と、ケーブル140と、を有する。本実施形態において、超音波探触子100は、通信基板150をさらに有し、超音波診断装置と超音波トランスデューサとが、ワイヤレス通信できるような構成であってもよい。
1-1.超音波トランスデューサ
図3は、超音波トランスデューサ110の構成を示す断面図である。なお、本実施形態において、図1、2、5~9に示される超音波トランスデューサ110は、複数個の超音波トランスデューサを含んでおり、図3に示される超音波トランスデューサ110は、複数個のうちの1個について示したものである。
超音波トランスデューサ110は、超音波を送受信するための部材である。図3に示されるように、超音波トランスデューサ110は、バッキング材111と、フレキシブルプリント基板(FPC)と、圧電材113と、音響整合層114と、音響レンズ115と、を有する。
(バッキング材)
バッキング材111は、超音波を減衰させるための部材である。後述する圧電材113は、体積振動することにより、超音波を送信する方向に超音波を発振するほか、超音波を送信する方向とは、逆向きの方向に対しても、わずかに超音波を発振する。バッキング材111は、圧電材113から発せられた、上記逆向きの方向の超音波を減衰させるための部材である。
なお、本明細書において、「超音波を送信する方向」とは、圧電材113から音響レンズ115に向かう方向(図2におけるZ方向)のことを指す。
本実施形態では、バッキング材111が一層で構成されているが、バッキング材111は、複数の層の積層体であってもよい。
バッキング材111の材料は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂である。バッキング材111は、超音波を減衰させる機能を調整するために、シリコーンゴム粒子などの有機粒子を含んでもよい。
(フレキシブルプリント基板)
フレキシブルプリント基板(以下、FPCと称する。)112は、後述する圧電材113に信号電極116a、116bを介して信号を伝えたり、圧電材113から信号電極116a、116bを介して信号を受信したりするための部材である。本実施形態では、フレキシブルプリント基板112は、バッキング材111と、圧電材113との間に配置され、外部の電源や超音波診断装置等とケーブル140を介して電気的に接続される。なお、フレキシブルプリント基板の代わりに硬質基板を用いても良い。
(圧電材)
圧電材113は、FPC112と電気的に接続されるように配置された、超音波を送受信するための部材である。
上記圧電材料113aの例には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系等の圧電セラミック;マグネシウム酸ニオブ酸鉛・チタン酸鉛固溶体(PMN-PT)、亜鉛酸ニオブ酸鉛・チタン酸鉛固溶体(PZN-PT)等の圧電単結晶;およびこれらの材料と高分子材料を複合した複合圧電材;などが含まれる。
また、圧電材113の両面に配置される複数の信号電極116aおよび116bは、圧電材113に電圧を印加するための電極である。信号電極116aおよび116bは、上述のFPC112と電気的に接続され、かつ十分に圧電材113との間で信号を授受可能であれば特に限定されず、例えば、金や銀、銅等からなる層とすることができる。
(音響整合層)
音響整合層114は、圧電材113と音響レンズ115との間の音響インピーダンスを調整するための部材である。本実施形態では、音響整合層114は、圧電材113と音響レンズ115との間に配置されている。音響整合層114は、一層で構成されていてもよいし、音響インピーダンスが異なる複数層から構成されていてもよい。
音響整合層114は、樹脂を含むことが好ましい。これにより、音響整合層114の密度を調整しやすくして、音響インピーダンスを調整しやすくすることができる。音響整合層114に含まれる樹脂の例には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂などが含まれる。また、音響整合層114は、これらの樹脂を硬化させる硬化剤を含んでもよい。
音響整合層114の音響インピーダンスは、各層を構成する成分の種類や量を変更することで、適宜調整できる。
(音響レンズ)
音響レンズ115は、圧電材113から送波された超音波を集束させるための部材である。図3に示されるように、本実施形態では、音響レンズ115は、図2のZ方向に突出するシリンドリカル型の音響レンズである。また、当該音響レンズ115では、圧電材113が発振する超音波をZ方向に集束させて超音波トランスデューサ110の外部に出射させる。
音響レンズ115は、被検査対象、例えば生体に適した音響特性を有する材料で構成されている。例えば、音響レンズ115は、シリコーンゴム等、被検査対象に比較的近い音響インピーダンスを有する材料で構成されることが好ましい。
1-2.筐体
筐体120は、超音波トランスデューサ110と、充填材130とを収納する部材である。
筐体120は、超音波を送信する方向の端部に、超音波トランスデューサ110の音響レンズ115を露出させるための開口部121を有する。また、超音波探触子100がケーブル140を有するとき、筐体120は、上記方向とは逆方向の端部に、ケーブル140を挿入するための挿通孔122を有してもよい。本実施形態では、筐体120は、挿通孔122に挿入されたケーブル140の一部を収納している。
筐体120の形状は、超音波トランスデューサ110と、充填材130とを収納することができれば特に限定されない。また、筐体120の大きさは、超音波探触子の大きさに応じて適宜設定される。
筐体120の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレートである。これらのうち、耐薬品性の観点から、ポリフェニレンエーテルやポリブチレンテレフタレートが好ましい。
1-3.充填材
充填材130は、筐体120内に充填され、電気的に接地されている。
上述のように、特許文献2に記載の超音波探触子は、超音波探触子のプローブ径を小さくすることが困難であった。
そこで本発明者は、超音波探触子の小型化に対応できるように、特許文献2のようにシールド板を用いずにノイズの発生を抑制する方法を検討した。また、本発明者は、ノイズの発生を抑制するために、ケーブル内の電気信号を乱す電磁波をケーブルの周囲から取り除く必要があると考えた。
本発明者は検討の末、筐体内に充填される充填材を介して、電気信号を乱す電磁波を外部へ逃がすことで、超音波探触子の小型化への対応が容易で、かつ、ノイズの発生を抑制することができると考えた。そして、本発明者は、充填材を電気的に接地することで、充填材を介して上記電磁波を外部へ逃がしてノイズの発生を抑制できることを見出した。
充填材を介して、上記電磁波を外部へ逃がすことで、特許文献2のようなシールド板を用いずにノイズ発生を抑制することができる。これにより、筐体内に充填材を充填して、充填材を電気的に接地するだけでノイズの発生を抑制できるため、超音波探触子の小型化に対応でき、より簡易な構成とすることができる。
また、充填材は、筐体内に充填されてケーブルの周りを覆っているため、外部からの電磁波を、ケーブル周囲に存在する充填材を介して探触子の外部へ逃がし、上記電磁波によってケーブル内の電気信号が乱れることを抑制してノイズ発生を抑制することができる。
接地の方法は特に限定されない。例えば、外部の接地線と接続するシールド線を設けて、充填材とシールド線とを電気的に接続することで、電気信号を乱す電磁波を充填材から接地線へと逃がすことができる。これによりノイズの発生を抑制することができる。また、超音波探触子と、超音波診断装置とを接続するケーブルを用いずに、ワイヤレス通信により電気信号を送受する超音波探触子においても、充填材を電気的に接地することで、上記電磁波を外部へ逃がして上記ノイズの発生を抑制することができる。
接地によるノイズの発生をより抑制する観点からは、充填材130は、導電性を有することが好ましい。本明細書において、「導電性を有する」とは、充填材130の電気抵抗率が1000μΩ・m以下であることをいう。
充填材130の電気抵抗率は、1000μΩ・m以下であることが好ましく、100μΩ・m以下であることがより好ましい。上記電気抵抗率が、1000μΩ・m以下であると、充填材130の導電性をより高めて、上記電気信号を乱す電磁波をケーブルの周囲から超音波探触子100の外部に逃がしやすくして、ノイズの発生をより抑制することができる。上記電気抵抗率の下限値は、特に限定されないが、0.01μΩ・m以上であることが好ましい。上記電気抵抗率は、例えば、JIS R 7609:2007に準じた方法によって測定することができる。
充填材130は、圧縮強度が0.1MPa以上であることが好ましく、20MPa以上であることがより好ましい。上記圧縮強度が0.1MPa以上であると、充填材130の機械的強度をより向上させて、超音波探触子100の外部からの衝撃による耐衝撃性をより向上させることができる。上記圧縮強度の上限値は、特に限定されないが、200MPa以下であることが好ましい。上記圧縮強度は、JIS K 7076:1991に準じた方法よって測定することができる。
充填材130の密度は、4.5g/cm以下であることが好ましく、1.5g/cm以下であることがより好ましい。また、4.5g/cm以下であると、超音波探触子100をより軽量化させることができ、超音波探触子100の操作性をより向上させることができる。上記密度の下限値は、特に限定されないが、0.1g/cm以上であることが好ましい。上記密度は、JIS Z 8807:2012によって測定することができる。
ノイズの発生をより抑制し、超音波探触子100の耐衝撃性を高め、かつ超音波探触子100をより軽量化する観点から、充填材130は、多孔質黒鉛、または発泡炭素を含むことが好ましい。これらは、いずれか単独で充填材130に含まれてもよいし、これらが組み合わされて充填材130に含まれてもよい。ノイズの発生をさらに抑制する観点から、充填材130は、多孔質黒鉛を含むことがより好ましい。
上記多孔質黒鉛は、固体状の黒鉛(炭素)が賦活化処理されることで製造される。具体的には、固体状の黒鉛(炭素)と、二酸化炭素または水蒸気とが反応し、固体炭素がガス化することで、炭素表面が虫食いされるようにして細孔が形成されて、製造される。
一方で、発泡炭素は、黒鉛を練り込んだ樹脂を発泡させた導電性発泡体、もしくは、フェノール樹脂またはポリウレタン樹脂の発泡体を、空気(酸素)を遮断した環境下で焼成したものである。
上記黒鉛を練り込んだ樹脂の例には、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂などが含まれる。
充填材130に多孔質黒鉛が含まれる場合、多孔質黒鉛の空孔率は、30%以上90%以下であることが好ましく、70%以上90%以下であることがより好ましい。上記空孔率が、30%以上であると、充填材130の密度をより低くして、超音波探触子100をより軽量化させることができる。また、90%以下であると、充填材130の圧縮強度が過剰に低下することを抑制して、超音波探触子100の耐衝撃性をより高めることができる。上記空孔率は、例えば、下記式(1)によって求めることができる。式(1)において、ρbulkは多孔質黒鉛の密度を表し、ρparticleは、空隙を有さないと仮定したときの同じ体積の黒鉛の密度を表す。
(1-ρbulk/ρparticle)×100 (1)
多孔質黒鉛の平均空孔径は、0.3μm以上4.0μm以下であることが好ましい。上記平均空孔径が0.3μm以上であると、充填材130の空孔率を高めて超音波探触子100を軽量化しやすくすることができる。また、4.0μm以下であると、空孔率が高まりすぎずに、超音波探触子100の耐衝撃性をより高めることができる。上記平均空孔径は、顕微鏡を用いて、100μm×100μmの観察範囲に存在する空孔の径を空孔の数で平均することで求めることができる。
本実施形態において、多孔質黒鉛は、粒子の状態で充填されていてもよいし、充填材130が充填される領域の形状に成型されたバルクの状態で充填されていてもよい。ノイズの発生をより抑制する観点から、充填材130は、バルクの状態で充填されていることが好ましい。
多孔質黒鉛が粒子の状態で充填される場合、粒子の粒径は、400μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。400μm以下であることで、筐体120内により多くの多孔質黒鉛を充填して、超音波探触子100の耐衝撃性をより高めることができる。上記粒径の好ましい下限値は、特に限定されないが、1μm以上であることが好ましい。
多孔質黒鉛の市販品の例には、Porous Carbon(低透過)、Porous Carbon(高透過)(いずれも株式会社タンケンシールセーコウ製)、カーボン多孔体(三菱鉛筆株式会社製)などが含まれる。
充填材130として発泡炭素を用いる場合、発泡炭素の空孔率は、30%以上90%以下であることが好ましく、70%以上90%以下であることがより好ましい。上記空孔率が、30%以上であると、充填材130の密度をより低くして、超音波探触子100をより軽量化させることができる。また、90%以下であると、充填材130の圧縮強度が過剰に低下することを抑制して、超音波探触子100の耐衝撃性をより高めることができる。上記空孔率は、多孔質黒鉛の空孔率と同様にして求めることができる。
発泡炭素の市販品の例には、Grafoam FPA-30(グラフテック社製)が含まれる。
本実施形態では、充填材130は、後述するケーブル140に含まれるシールド線143を介して、超音波診断機の接地線に接続され、電気的に接地されている。超音波探触子100がケーブル140を有さず、超音波診断機と後述する通信基板150との間でワイヤレス通信を行う場合、通信基板150のグランド部(後述)と充填材130とを電気的に接続し、上記グランド部と接地線とを接続して、接地することができる。
なお、充填材130は超音波トランスデューサ110のグランド部(不図示)と電気的に接続されていてもよい。
1-4.ケーブル
本実施形態において、超音波探触子100は、超音波トランスデューサ110と、外部の装置(超音波診断装置)とを接続するためのケーブル140を有してもよい。
ケーブル140は、超音波トランスデューサと電気的に接続されており、超音波診断機からの信号を超音波トランスデューサに対して電気信号を送信したり、超音波トランスデューサからの信号を超音波診断機に対して送信したりするための部材である。本実施形態では、ケーブル140は、筐体120の挿通孔122に挿入され、その一部が筐体120内に収納されている。また、本実施形態では、ケーブル140は、その一端が超音波トランスデューサ110と接続されており、他端が外部の超音波診断装置に接続されている。
図4は、図1におけるA-A線断面図である。図4に示されるように、ケーブル140は、複数の信号線141と、信号線141の周囲を覆う樹脂材142と、樹脂材142の外周を覆うシールド線143と、被覆材144とを有する。
信号線141は、超音波トランスデューサ110に対して電気信号を送受するための配線である。樹脂材142は、複数の信号線141を、それぞれ電気的に分離するための部材である。
シールド線143は、導電性を有する充填材130と電気的に接続されるとともに、超音波診断装置の接地線に接続されている。これにより、電気信号を乱す電磁波を超音波探触子100の外部に逃がして、ノイズの発生を抑制することができる。シールド線143の材料は、例えば、銅、アルミなどである。
シールド線は、上記のような電磁波から、信号線を保護するために用いられることが知られているが、本発明者の検討によると、シールド線を用いただけでは、十分にノイズの発生を抑制できなかった。
本実施形態では、充填材130を用いて、シールド線143と電気的に接続して接地することで、電気信号を乱す電磁波を超音波探触子100の外部に逃がしやすくすることができる。
被覆材144は、シールド線143を保護するための部材である。被覆材144の材料は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンなどである。
1-5.通信基板
図2に示されるように、超音波探触子100は、外部の超音波診断装置とワイヤレス通信を行うための通信基板150を有してもよい。
通信基板150は、外部の超音波診断装置からの電気信号を受信し、超音波トランスデューサからの電気信号を、外部の超音波診断装置へ送信する通信素子(不図示)を含む。
本実施形態において、通信基板150は、接続ケーブル151を介して超音波トランスデューサ110と接続されている。これにより、超音波診断装置から受信した電気信号を超音波トランスデューサ110に伝達することができ、超音波トランスデューサ110からの電気信号を通信素子に伝達することができる。接続ケーブル151の構成は、ケーブル140と同様のものとすることができる。
通信基板150は、グランド部(不図示)を含む。グランド部は、通信基板150内の電流が流れる回路において、基準となる電位を有する部分であり、導電性を有する。
図2に示された構成において、充填材130は、上記グランド部と電気的に接続される。そして、上記グランド部が接地線に接続されることで、充填材130は電気的に接地される。これにより、電気信号を乱す電磁波を外部へ逃がしてノイズの発生を抑制することができる。
1-6.超音波探触子の大きさ
超音波探触子100のプローブ径(図1における矢印A)は、超音波探触子をより小型化する観点から、30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましい。プローブ径が30mm以下であることで、超音波探触子100を体内に挿入させやすくすることができる。上記プローブ径の下限値は特に限定されないが、1mm以上であることが好ましい。本明細書において、「超音波探触子のプローブ径」とは、超音波探触子の、超音波を送信する方向における最下流側の表面における最大幅のことをいう。
[変形例1]
図5、図6は、本実施形態の変形例1に係る超音波探触子100の全体構造の一例を示す断面図である。
図5、図6に示されるように、本実施形態において、超音波探触子100は、充填材130と筐体120の内壁との間に配置された第1補強部材170を有してもよい。これにより、超音波探触子の機械的強度をさらに向上させ、耐衝撃性をより高めることができる。
第1補強部材170は、図5のように、筐体120の内側面全体に沿うように配置されていてもよいし、図6のように、内壁面の一部に沿うように配置されていてもよい。また、第1補強部材170は、筐体120の内壁との間に充填材130がさらに存在するように配置されてもよい。
第1補強部材170の材料は、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、および銅、アルミなどの金属である。これらのうち、超音波探触子100の機械的強度をより向上させる観点から、上記材料は、銅、アルミなどの金属であることが好ましい。
従来は、超音波探触子の機械的強度を向上させるために、金属などの導電体の補強部材を筐体内に配置させると、補強部材自身が外部からの不要な電磁波を受信してノイズが発生してしまうため、上記補強部材に絶縁処理を施して上記電磁波の受信を抑制するか、または上記補強部材を電気的に接地させて上記電磁波を外部に逃がす必要があった。
一方で、本実施形態では、第1補強部材170が導電体であっても、第1補強部材170は導電性を有する充填材130と電気的に接続することができる。そして、充填材130は電気的に接地されているため、外部からの電磁波を、充填材130を介して超音波探触子100の外部へ逃がして、ノイズの発生を抑制することができる。
第1補強部材170の形状および大きさは、超音波探触子100の形状、大きさに応じて適宜調整することができる。
[変形例2]
図7は、本実施形態の変形例2に係る超音波探触子100の全体構造の一例を示す断面図である。
超音波探触子100は、超音波トランスデューサ110の、筐体120内に収納された表面に配置された第2補強部材180を有してもよい。
第2補強部材180は、超音波トランスデューサ110の耐久性を向上させるために部材である。
第2補強部材180の材料は、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、および銅、アルミなどの金属である。これらのうち、超音波トランスデューサ110の機械的強度をより向上させる観点から、上記材料は、銅、アルミなどの金属であることが好ましい。
上述のように、金属などの導電体の補強部材を筐体内部に配置させると、補強部材自身が外部からの不要な電磁波を受信してしまうため、上記補強部材に絶縁処理を施すか、または上記補強部材を電気的に接地する必要がある。
一方で、本実施形態では、充填材130が電気的に接地されているため、第2補強部材180が導電体であっても、これと電気的に接続された充填材130により、上記電磁波を超音波探触子100の外部へ逃がして、ノイズの発生を抑制することができる。
第2補強部材180は、超音波トランスデューサ110の、筐体120内に収納された表面に配置される限りにおいて、特に限定されない。本実施形態では、第2補強部材180は、超音波トランスデューサ110の、ケーブル140が配置されている側の表面に配置されている。
第2補強部材180の形状および大きさは、超音波探触子100の形状、大きさに応じて適宜調整することができる。
[変形例3]
図8は、本実施形態の変形例3に係る超音波探触子100の全体構造の一例を示す断面図である。
超音波探触子100は、超音波トランスデューサ110と、ケーブル140との間に配置され、超音波トランスデューサ110と、ケーブル140とを電気的に接続するための接続基板190を有してもよい。
接続基板190は、ケーブル140(または接続ケーブル151)の信号線141を接続させるための端子(不図示)、およびフレキシブルプリント基板(FPC)112に接続するための配線(不図示)を有する。これにより、超音波トランスデューサ110と、ケーブル140とを電気的に接続することができる。
また、接続基板190はグランド部(GND)を有する(不図示)。グランド部は、電流が流れる回路において、基準となる電位を有する部分であり、導電性を有する。これにより、上記グランド部(GND)と、電気的に接地されている充填材130と、を電気的に接続させることができ、ケーブル内の電気信号を乱す電磁波を超音波探触子100の外部へ逃がして、ノイズの発生をより抑制することができる。
接続基板190の形状および大きさは、超音波探触子100の形状、大きさに応じて適宜調整することができる。
2.超音波診断装置
図9は、本実施形態に係る超音波診断装置200の構成を示す図である。
図9に示されるように、超音波診断装置200は、超音波探触子100と、本体部210と、コネクタ部220と。ディスプレイ230と、を備え、超音波探触子100と本体部210とが、ケーブル140およびコネクタ部220を介して接続されている。図8における超音波探触子100は、説明の便宜上、図1、2、図5~8の超音波探触子100とは縮尺を変更して示している。
超音波診断装置200は、超音波探触子100を含んでいればよく、ケーブル140によって、超音波探触子100と接続されずに、超音波探触子100の超音波トランスデューサ110とワイヤレス通信可能な構成であってもよい。
本体部210からの電気信号(送信信号)は、ケーブル140を通じて超音波探触子100の圧電材に送信される。この送信信号は、圧電材によって超音波に変換され、被検査対象内に送波される。送波された超音波は被検査対象内で反射される。そして、当該反射波の一部が圧電材によって受波され、電気信号(受信信号)に変換され、本体部210に送信される。受信信号は、超音波診断装置200の本体部210において画像データに変換されディスプレイ230に表示される。
本実施形態では、超音波診断装置200は、接地線(不図示)を有しており、上記接地線は、ケーブル140のシールド線143を介して、超音波探触子100の充填材130と電気的に接続されている。これにより、電気信号を乱す電磁波を超音波探触子100の外部へ逃がし、ノイズの発生を抑制することができるため、超音波診断装置200を用いて、より正確な診断を行うことが可能となる。
本発明に係る超音波探触子は、小型化に対応でき、より簡易な構成で、ノイズの発生を抑制することができる。そのため、超音波診断の分野などにおいて、より多様かつ正確な診断を行うのに有用である。
100 超音波探触子
110 超音波トランスデューサ
111 バッキング材
112 フレキシブルプリント基板
113 圧電材
114 音響整合層
114a 第1の音響整合層
114b 第2の音響整合層
114c 第3の音響整合層
114d 第4の音響整合層
115 音響レンズ
116a、116b 信号電極
120 筐体
130 充填材
140 ケーブル
200 超音波診断装置
210 本体部
220 コネクタ部
230 ディスプレイ

Claims (9)

  1. 超音波を送受信するための超音波トランスデューサと、
    前記超音波トランスデューサを収納する筐体と、
    前記筐体内に充填され、電気的に接地された充填材と、
    を有する、超音波探触子。
  2. 前記充填材は、多孔質黒鉛を含む、請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記充填材は、発泡炭素を含む、請求項1または2に記載の超音波探触子。
  4. 前記充填材と、前記筐体の内壁との間に配置された第1補強部材をさらに有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  5. 前記第1補強部材は導電体であり、前記充填材と電気的に接続される、請求項4に記載の超音波探触子。
  6. 前記超音波トランスデューサの、前記筐体内に収納された表面に配置された第2補強部材をさらに有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  7. 前記超音波トランスデューサと、外部の装置とを接続するためのケーブルをさらに有する、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  8. 前記超音波トランスデューサと、前記ケーブルとの間に配置され、前記超音波トランスデューサと、前記ケーブルとを電気的に接続するための接続基板をさらに有する、請求項7に記載の超音波探触子。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の超音波探触子を有する、超音波診断装置。

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