JP4193352B2 - 水中音響送受波器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響受波器または音響送波器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば水中の音響受波器として、周波数が数百KHz帯で、単一指向性を有する受波器についての公知例としては、例えば下記の公知文献1,2がある。
公知文献1:特公昭58−51477号“超音波受波器アレイ”
公知文献2:日本音響学会講演論文集、昭和54年10月、鎌田、“音響不整合層でバッキングされたトランスジューサの前後比”、p.13-14
【0003】
図4は前記公知文献1に示された音響受波器の構造と水圧印加時の説明図である。
図4の(a)は音響受波器の側面断面図であり、図の21は、個々の圧電子(振動子)であり、この例では、16個の圧電子が同一面上に4行、4列の2次元に配列されアレイ構成となっている。22はキルクゴムであり、内部に気泡を含んでいる。このキルクゴム22は、音波のバッフル材(baffle,音波の伝搬を阻止する材料)として使用され、各圧電子21の後面と側面をすべて包むように設けられる。但し各圧電子21の前面方向は音波の受波方向のためキルクゴム22は設けない。また各圧電子21の電極は、信号引出線24を介してケーブル23に接続され、受波時の出力信号が取り出される。そしてこの音響受波器は水中で使用されるため、圧電子21の前面からケーブル23の一端までの全体を水密モールド材25で水密モールドした構造になっている。
【0004】
図4では、水中音波の受波器として使用するので、この場合の音場媒質は水である。そして各素子の音響インピーダンスを比較すると、到来する音波の受波素子である圧電子21は水の約20倍の音響インピーダンスを有し、またキルクゴム22は水の約1/3程度の音響インピーダンスである。
図4の(a)のように構成された音響受波器が、水中を伝搬する音波を受けた場合、アレイの配列面と平行な方向からの入射音波はキルクゴム22のバッフル材により打ち消され、図示後面方向からの入射音波はキルクゴム22のバッフル材によりほぼ遮音され、図示前面方向からの入射音波のみを受信するので、単一指向特性の受波器となる。
【0005】
図5は前記公知文献2に示された音響受波器の構造とその問題点の説明図である。
図5の(a)は音響受波器の側面断面図であり、図の21は個々の圧電子である。
図5の圧電子21も、図4の場合と同様に、複数の圧電子が2次元に配列されアレイ構成となっている。また各圧電子21の電極は、信号引出線24を介してケーブル23に接続される。25は水密モールド材であり、図4の場合と同様に、圧電子21の前面からケーブル23の一端までの全体を水密モールドした構造になっている。
図5の(a)が図4の(a)と相違する構成素子は、26のゴム材料層と27の金属層であり、2次元に配列された各圧電子21の後面(back side)には、ゴム材料層26と金属層27からなる2層構造の音響不整合層が設けられている。
なお音響不整合層を用いた音響受波器には、図5の(a)のようにゴム材料層26と金属層27の両方に信号引出線24の貫通穴をあける代りに、ゴム材料層26のみに穴をあけ、金属層27には穴をあけずに、信号引出線24は金属層27を回避してケーブル23と接続させる構造のものも存在する。
【0006】
図5の場合も音場媒質は水であり、各素子の音響インピーダンスを比較すると、圧電子21の音響インピーダンスは水の約20倍であり、各圧電子21の後面に設けられるゴム材料層26は水とほぼ近似の音響インピーダンスであり、金属層27は例えば鋼の場合、水の約30倍の音響インピーダンスである。このようにゴム材料層26と金属板27は音響インピーダンスが30倍程度異なり、この2層構造の音響不整合層によるバッキング(backing 裏あて)により、音響トランスジューサの受波感度の前面と後面との比が音波の中心周波数で30dB程度得られる。
従って図5の(a)の構造の音響受波器でも、2層構造の音響不整合層により図示の後面方向からの入射音はほぼ遮音され、図示の前面方向から入射された音波のみを受信するので、単一指向性が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記公知文献1における音響受波器では、バッフル材としてキルクゴムの材料を用いているが、これらの材料は内部に気泡を含んでおり、圧力を受けるとこの気泡がつぶされ容易に圧縮される。従ってこの音響受波器を例えば深海で使用する場合、周囲からの水圧によりキルクゴムは圧縮され、その音響インピーダンスが変化するので後面方向からの入射音に対する遮音性を喪失する。その結果、受波信号が圧電子の前面と後面のいずれの方向からの到来音波によるものが判別できなくなる。
またキルクゴム等が圧縮されることで、受波器全体を覆う水密モールド材に亀裂が生じ水密性が損われたり、信号引出線が断線する場合がある(図4の(b)を参照)。
【0008】
また前記公知文献2における音響受波器では、ゴム材料層に水圧による圧縮歪量が小さく、且つ音響インピーダンスの低い材料を用いれば、かなりの水深においても圧縮破壊を生じることなく、後面方向からの入射音に対する遮音性は保持できる。
しかしながら図5の(b)に示すように、圧電子が小形の場合には、その後面の面積の大部分は電極取付部により占められ、音響不整合層による遮音効果は余り得られない。
また複数の圧電子を配列してアレイを構成し、それぞれの圧電子から信号引出線を取出す場合に、ゴム材料層と金属層にそれぞれ個別の信号引出線を通すための穴が必要となる。この信号引出線の貫通穴の加工は、圧電子が小形になるに従い困難になると共に、貫通穴を多数設けることで、音響不整合層の面積が減少し、遮音効果も減少する。
また金属層に穴をあけずに、これを回避して信号引出線を設ける方式では、2次元アレイのように圧電子の数が多くなると、配線の引きまわしが困難であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る水中音響受波器は、圧電子の前方からの到来音波を主として受波する、圧電子と該圧電子の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響受波器において、前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定することにより音響受波感度の前後比が所定の値となるように構成したものである。
【0010】
また本発明に係る水中音響受波器は、各圧電子の前方からの到来音波を各々主として受波する、複数の圧電子と該複数の圧電子の各電極と信号出力ケーブルの各導線間を内部パターン配線を介して相互に接続する信号取出基板と、該信号取出基板の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響受波器において、前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定することにより音響受波感度の前後比が所定の値となるように構成したものである。
【0011】
また本発明に係る水中音響送波器は、圧電子の前方へ主として音波を送波する、圧電子と該圧電子の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響送波器において、前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定することにより音響送波感度の前後比が所定の値となるように構成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施形態1
実施形態1は、本発明を2次元の音響受波器アレイに適用した実施例である。
図1は本発明の実施形態1を示す音響受波器の構造図であり、図は音響受波器の側面断面図である。
図1において、1は個々の圧電子であり、この例では、複数の圧電子1が平面状の信号取出基板2上に2次元に配列、取付けられアレイ構成になっている。
【0013】
2は信号取出基板であり、この例では平面形状の基板で、この基板の一方の面には各圧電子の電極を接続する端子(ここでは入力側端子という)が、この基板の他方の面にはケーブル3の各導線を接続する端子(ここでは出力側端子という)が、この基板の内部には前記入力側端子と出力側端子とを電気的に接続するパターン配線がそれぞれ設けられている。
従って複数の各圧電子1の各電極(正極及び負極の両極)は、例えば半田付けなどで信号取出基板2の前記入力側端子に接続され、この入力側端子から内部のパターン配線を通った信号取出基板2の前記出力側端子にケーブル3の各チャネル毎の導線が接続される。
また複数の各圧電子1は例えばエポキシ樹脂6等により数個づつまとめられた状態で信号取出基板2へ固定される。
【0014】
図1の4はゴム材料層であり、この材料としては、圧力を受けたときの圧縮歪量が小さく、所定圧力印加時に圧縮破壊を起こすこともなく、且つこの材料層を音波が伝搬媒質として通過するときの減衰係数(dB/m)が大きな材料が選択される。この例では、ウレタン系のゴム材料を用いている。
このゴム材料層4は、信号取出基板2の後面に形成されるが、上記ウレタン系のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値になるようにゴム材料層の厚さを決定する。その結果、音響受波感度の前後比が所定の値(例えば図2に示す30dB程度)となるように構成することができる。
【0015】
またウレタン系のゴム材料層4は、この材料を用いて構成した音響受波器を深海で使用するような場合にも、周囲からの水圧により圧縮される歪量が小さく、また所定圧力(例えば図2で説明する39MPa程度)の印加時に圧縮破壊を起すことがない。
なお、このゴム材料層4の内部をケーブル3は貫通するが、このための穴は1箇所のみ設ければよいのいで、この貫通穴によって音波の減衰材としての機能が損われることはほとんどない。
そして圧電子1の前面からケーブル3の一端までの全体を水密モールド材5で水密モールドした構造になっている。
【0016】
図1の音響受波器の動作を説明する。
図1の図示の前面方向からの入射音波は、2次元に配列された各圧電子1によりそれぞれ受波され、電気信号に変換され、各圧電子の出力信号毎に信号取出基板2のパターン配線を経由してケーブル3から各チャネル毎に受波器の外部へ取出される。なお、圧電子の表面及び受波器全体は水密されており、電気的な絶縁性を有している。
ここで信号取出基板2は、例えばガラスエポキシ系基板の場合、その音響インピーダンスは水の2倍程度で、ゴム材料層4の音響インピーダンスは、水に近い値であるから、図示の前面方向からの入射音波の一部は信号取出基板2及びゴム材料量4を通過するが、この通過時にゴム材料層4により減衰を受ける。
【0017】
いま音響受波器の後方に音波の反射物体が存在する場合、前方から入射され受波器内部のゴム材料層4の通過路(往路)において減衰を受けた音波が、前記反射物体により反射され、再び音響受波器に入射されると、この後方から反射され受波器内部のゴム材料層4の通過路(復路)において再び減衰を受けるため、圧電子1には余り影響を及ぼさない。
同様に図示の後面方向から直接入射される音波は、ゴム材料層4と信号取出基板2を通過して圧電子1に到達するが、ゴム材料層4を通過する際の所定の減衰量を確保してあるので、圧電子1により電気信号に変換されるレベルは、前面方向からの入射音波の場合に比較してきわめて小さくなる(所定の前後比となる)。
即ち音響受波器の前面と後面との受波感度の比が所定の値となるように構成できる。
【0018】
図2は図1の音響受波器の指向特性の測定例を示す図である。
図2の測定例では、ゴム材料層4及び水密モールド材5にはウレタン系ゴムを使用した。またゴム材料層4の厚さ(ケーブル3の貫通方向の厚さ)は約60mmとした。なお水中音波の測定周波数は500KHzとし、無響水槽を用いて測定した。
測定結果として、図2のように単一指向性で、音響受波感度の前後比は30dB程度が得られた。
なお図1の音響受波器を静水圧で試験をした結果、約39.2MPa(MPaはメガパスカル、旧単位の400kgf/cm2に相当)までの圧力に耐えることが確認できた。
【0019】
図1の構成の音響受波器は、例えば水中音響映像装置の2次元受波器アレイ(音響カメラ)に適用することができ、特に耐水圧が要求される深海等においても支障なく使用することができる。
なお周波数として数百KHzの音響波を単一指向性により受波する耐水圧性能を有する図1の構成の受波器としては、上記水中音響映像用のほか、音響測深用、海底探査用等にも適用することができる。
【0020】
実施形態2
実施形態2は、本発明を音響送波器に適用した実施例である。
図3は本発明の実施形態2を示す音響送波器の構造図であり、図は音響送波器の側面断面図である。
図3において、16は筐体であり、材質は例えば黄銅等の金属により下記の形状に形成される。即ち筐体16の先端部は半球状に、この半球状先端の後部は円筒状に、全体としては砲弾形状の容器で、後方は開口に形成される。
【0021】
11は音波送波用の単一の圧電子である。圧電子11の形状は、前記筐体16の先端部の半球の一部を切取った切取部分と同一形状の球面状に形成される。従って筐体16の先端部の半球の一部を切取った際の開口部に圧電子11をはめ込んで(但し、圧電子11と筐体16とは電気的には絶縁された状態にはめ込んで)、送波器の外形を砲弾形状とすることができる。
【0022】
圧電子11の形状を球状としたのは、単一の圧電子で送波ビームを所望の指向性とするためであり、筐体16を砲弾形状としたのは、圧電子11の後側の筐体を球バッフルとして使用するためである。
圧電子11の両電極(正極と負極)は、信号接続線14を経由してケーブル13の各導線に接続される。
【0023】
12はゴム材料層であり、ゴム材料層12は、実施形態1の場合と同様に、材料は圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料(例えば前記ウレタン系ゴム材料)を使用し、この使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを決定する。これはゴム材料層12の厚さが、音波の減衰量として十分な厚さになるように、筐体16の円筒部の長さを設計するということであり、結果として砲弾形状の外形となったのである。
【0024】
図3では、ゴム材料層12として前記ウレタン系ゴム材料を用い、圧電子11の電極とケーブル13の各信号接続線14との接続後に、この材料を圧電子11の後面からケーブル13の一端までの筐体16の内部のすべてに充填した。その結果、前後の送波感度の比が所定の値となるように構成することができる。
また圧電子11が電気的に絶縁されるように、圧電子11の前面及び端面は水密モールド材15で覆われ、この水密モールド材15は筐体16の先端部に接着される構造とした。
【0025】
図3の音響送波器の動作を説明する。
外部からケーブル13及び信号接続線14を経由して圧電子11に励振電圧が加えられると圧電子11は振動して音波を発生する。
圧電子11から図示の送波器前面方向に放射される音波は水密モールド材15(例えばゴム材)を通過するが、この水密モールド材15の厚さは薄いので減衰量は小さく、大部分は前面方向へ伝搬する。
他方圧電子11から図示の送波器後面方向に放射される音波は、十分な減衰量が得られるように十分な厚さに設けられたゴム材料層12を通過することにより減衰され、通過量はきわめて少ない。従って前後の送波感度の比を所定の値とすることができる。
【0026】
図3の音響送波器の構造における特徴を従来技術によるものと比較して説明する。
従来、この種の単一指向性の音響送波器では、圧電子の後面に金属層によるバッキング層を設け、後面へ音波が出ないようにすると共に、その分前面へより大きな振幅で送波する構造が用いられている。
しかし図3のように圧電子11の後面の形状が平面でない場合には、適切な厚さで金属層を圧電子に密着させることが困難であり、密着させられなかった部分はバッキング効果が得られない等で、送波器の単一指向性の性能を劣化させる原因となっていた。さらにこの密着させられなかった部分は空気室となって送波器に内在することになるので、深海等の圧力がかかる環境では、この空気室が圧縮され、送波器が圧力破壊を起すという問題があった。
【0027】
これに比較して、図3の構成では、音波を減衰させると共に、圧力印加による圧縮歪量が小さなウレタン系ゴム等のゴム材料層12を圧電子11の後面に密着させて十分な厚さだけ後方に設けているので、図3の送波器を深海等で使用しても水圧による圧力破壊を生じることはなく、且つ圧電子11から後方への放射音波は十分に減衰され、一方、前方への放射音波は減衰しないので、音響送波感度の前後比が十分に大きな送波器を構成することができる。
さらに従来のように圧電子後面に金属板を使用しないので、圧電子11の形状は平面に限定されることがなく、送波感度及び指向性を最適化するため、曲面等を含む任意の形状の圧電子を設計できる自由度を有する。
【0028】
図3の構成の音響送波器は、例えば水中映像装置の音響源(光学的な光源に相当する)に適用することができ、さらに耐水圧が要求される深海等においても支障なく使用することができる。
特に送波感度や指向性を最適化するため平面でない曲面等の圧電子を用いて送波器を構成する場合に、図3の構成は有効である。
なお周波数として数百KHzの音響波を単一指向性により送波する耐水圧性能を有する図3の構成の送波器としては、上記水中音響映像用のほかにも海底探査用等にも適用することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、圧電子と、該圧電子の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響受波器において、前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定するようにしたので、音響受波感度の前後比が所定の値となるように構成することができる。
【0030】
また本発明によれば、複数の圧電子と、該複数の圧電子の各電極と信号出力ケーブルの各導線間を内部パターン配線を介して相互に接続する信号取出基板と、該信号取出基板の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響受波器において、前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定するようにしたので、音響受波感度の前後比が所定の値となるように構成できると共に、指向性のパターンを所望の形状とすることができる。
【0031】
また本発明によれば、圧電子と、該圧電子の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響送波器において、前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定するようにしたので、音響送波感度の前後比が所定の値となるように構成できると共に、送波感度及び指向性を最適化するため音波を送波する圧電子を任意な形状にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す音響受波器の構成図である。
【図2】図1の音響受波器の指向特性の測定例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態2を示す音響送波器の構成図である。
【図4】公知文献1に示された音響受波器の構造と水圧印加時の説明図である。
【図5】公知文献2に示された音響受波器の構造とその問題点の説明図である。
【符号の説明】
1,11,21 圧電子
2 信号取出基板
3,13,23 ケーブル
4,12,26 ゴム材料層
5,15,25 水密モールド材
6 エポキシ樹脂
14 信号接続線
16 筐体
22 キルクゴム
24 信号引出線
27 金属層
Claims (8)
- 圧電子の前方からの到来音波を主として受波する、圧電子と該圧電子の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響受波器において、
前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定することにより音響受波感度の前後比が所定の値となるように構成したことを特徴とする水中音響受波器。 - 各圧電子の前方からの到来音波を各々主として受波する、複数の圧電子と該複数の圧電子の各電極と信号出力ケーブルの各導線間を内部パターン配線を介して相互に接続する信号取出基板と、該信号取出基板の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響受波器において、
前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定することにより音響受波感度の前後比が所定の値となるように構成したことを特徴とする水中音響受波器。 - 前記ゴム材料層の材料は、ウレタン系ゴム材料とすることを特徴とする請求項1または2記載の水中音響受波器。
- 前記圧電子または各圧電子が受波する到来音波は、周波数が数百KHz帯の音波であることを特徴とする請求項1から3までのいずれかの請求項に記載の水中音響受波器。
- 圧電子の前方へ主として音波を送波する、圧電子と該圧電子の後側に設置されるゴム材料層とを有する水中音響送波器において、
前記ゴム材料層の材料は、圧力印加時の圧縮歪量が小さく且つ音波伝搬時の減衰係数の大きな材料を使用し、該使用される材料のゴム材料層内を音波が伝搬する際の減衰量が所定の値となるようにゴム材料層の厚さを設定することにより送波感度の前後比が所定の値となるように構成したことを特徴とする水中音響送波器。 - 前記ゴム材料層の材料は、ウレタン系ゴム材料とすることを特徴とする請求項5記載の水中音響送波器。
- 前記音波を送波する圧電子は、音波の送波面が平面ではない面によって形成されたことを特徴とする請求項5または6記載の水中音響送波器。
- 前記圧電子が送波する音波は、周波数が数百KHz帯の音波であることを特徴とする請求項5から7までのいずれかの請求項に記載の水中音響送波器。
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