JP2023122300A - 工具ユニット取付構造、及び、工具ユニット - Google Patents

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大亮 鈴木
Daisuke Suzuki
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【課題】工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを取り付ける作業を容易にさせる。【解決手段】ワークW1を加工する工具T0を保持する工具ユニット50を工作機械(1)の機械本体(10)の下面12bに取り付けるための工具ユニット取付構造2において、工具ユニット50は、ユニット本体51と、機械本体(10)に向かって突出した突出部52と、を備える。機械本体(10)は、下面12bに突出部52を挿入可能な差込穴14hを有する差込部14を備える。工具ユニット取付構造2は、ユニット本体51が下面12bに固定されていない状態において差込穴14hに挿入された突出部52が差込穴14hから脱落しないように差込部14に引っ掛かる仮止め構造3と、突出部52が差込部14に引っ掛かっている状態においてユニット本体51を下面12bに固定するための固定構造4と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを取り付けるための工具ユニット取付構造、及び、工具ユニットに関する。
工作機械として、刃物台本体に取り付けられている工具ユニットに保持されている工具でワークを加工するNC(数値制御)旋盤等が知られている。工具ユニットは、刃物台本体の下面にぶら下がるように配置されることがあり、刃物台本体の下面にねじで取り付けられることがある。
参考として、特許文献1には、主軸装置の鉛直面に取り付けられる工具ユニットが示されている。
特開2020-82319号公報
刃物台本体の下面に工具ユニットをねじで取り付ける際、オペレーターは、一方の手で工具ユニットを支えながら他方の手でねじ回しを操作する必要がある。このように、刃物台本体の下面に工具ユニットをねじで取り付ける作業は、両手を使用することが必須である。
尚、上述のような問題は、旋盤に限らず、マシニングセンター等、種々の工作機械に存在する。
本発明は、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを取り付ける作業を容易にさせることが可能な技術を開示するものである。
本発明の工具ユニット取付構造は、ワークを加工する工具を保持する工具ユニットを工作機械の機械本体の下面に取り付けるための工具ユニット取付構造であって、
前記工具ユニットは、ユニット本体と、前記機械本体に向かって突出した突出部と、を備え、
前記機械本体は、前記下面に前記突出部を挿入可能な差込穴を有する差込部を備え、
前記工具ユニット取付構造は、
前記ユニット本体が前記下面に固定されていない状態において前記差込穴に挿入された前記突出部が前記差込穴から脱落しないように前記差込部に引っ掛かる仮止め構造と、
前記突出部が前記差込部に引っ掛かっている状態において前記ユニット本体を前記下面に固定するための固定構造と、を備える、態様を有する。
また、本発明の工具ユニットは、ワークを加工する工具を保持し、工作機械の機械本体の下面に取り付けられる工具ユニットであって、
前記機械本体は、前記下面に差込穴を有する差込部を備え、
前記工具ユニットは、ユニット本体と、前記機械本体に向かって突出した突出部と、を備え、
前記突出部は、前記ユニット本体が前記機械本体の前記下面に固定されていない状態において前記差込穴に挿入されると前記差込穴から脱落しないように前記差込部に引っ掛かり、
前記ユニット本体は、前記突出部が前記差込部に引っ掛かっている状態において前記機械本体の前記下面に固定可能である、態様を有する。
本発明によれば、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを取り付ける作業を容易にさせる技術を提供することができる。
工作機械の構成例を模式的に示す正面図である。 工作機械の例を模式的に示す斜視図である。 工具ユニット取付構造の例を模式的に示す右側面部である。 工具ユニット取付構造の例を模式的に示す分解斜視部である。 工具ユニットの例を模式的に示す斜視図である。 工具ユニット取付構造の例を模式的に示す斜視部である。 工具ユニット取付構造の断面の例を模式的に示す断面部である。 突出部の状態が切り替わる例を模式的に示す平面図である。 機械本体の下面の例を模式的に示す底面部である。 工具ユニット取付構造の断面の別の例を模式的に示す断面部である。 工具ユニットの別の例を模式的に示す斜視図である。 突出部が第一の状態である工具ユニットの例を模式的に示す斜視図である。 突出部が第二の状態に変化した工具ユニット取付構造の例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1~13に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。
[態様1]
本技術の一態様に係る工具ユニット取付構造2は、ワークW1を加工する工具T0を保持する工具ユニット50を工作機械(例えば旋盤1)の機械本体(例えば刃物台本体10)の下面12bに取り付けるための工具ユニット取付構造2である。前記工具ユニット50は、ユニット本体51と、前記機械本体(10)に向かって突出した突出部52と、を備える。前記機械本体(10)は、前記下面12bに前記突出部52を挿入可能な差込穴14hを有する差込部14を備える。本工具ユニット取付構造2は、前記ユニット本体51が前記下面12bに固定されていない状態において前記差込穴14hに挿入された前記突出部52が前記差込穴14hから脱落しないように前記差込部14に引っ掛かる仮止め構造3を備える。また、本工具ユニット取付構造2は、前記突出部52が前記差込部14に引っ掛かっている状態において前記ユニット本体51を前記下面12bに固定するための固定構造4(例えばねじ挿通穴14t,51tとねじ穴51s,14sとねじSC1)を備える。
上記態様では、オペレーターが工具ユニット50の突出部52を機械本体(10)の差込穴14hに挿入すると、突出部52が差込穴14hから脱落しないように差込部14に引っ掛かるので、ユニット本体51が機械本体(10)の下面12bに仮止めされる。ユニット本体51は、突出部52が差込部14に引っ掛かっている状態において固定構造4により機械本体(10)の下面12bに固定される。
工具ユニット50が機械本体(10)の下面12bに仮止めされるので、オペレーターは、工具ユニット50を手で支えなくてもユニット本体51を機械本体(10)の下面12bに固定する作業を行うことができる。従って、上記態様は、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを取り付ける作業を容易にさせる工具ユニット取付構造を提供することができる。その結果、工具ユニットの交換時には工具ユニットを交換する作業を効率化させることができる。
ここで、工具には、動力源により加工軸を中心として自ら回転する回転工具、非回転工具、等が含まれる。回転工具には、回転ドリル、エンドミル、ポリゴンカッター、等が含まれる。非回転工具には、バイト、ドリル、リーマ、タップ、等が含まれる。
突出部は、ユニット本体から機械本体に向かって突出していてもよいし、ユニット本体の側面から鉤状に機械本体に向かって突出していてもよい。
上述した付言は、以下の態様においても適用される。
[態様2]
図3,4,9等に例示するように、前記機械本体(10)は、前記下面12bに沿った所定方向D2において前記ユニット本体51を位置決めするための位置決め溝14gを前記下面12bに有していてもよい。前記工具ユニット50は、前記位置決め溝14gに挿入可能な位置決め凸部53を備えていてもよい。前記差込穴14hは、前記位置決め溝14gに開口していてもよい。前記突出部52は、前記位置決め凸部53から前記差込穴14hに挿入可能に突出していてもよい。
以上の場合、オペレーターが工具ユニット50の突出部52を機械本体(10)の位置決め溝14gに開口している差込穴14hに挿入すると、工具ユニット50の位置決め凸部53が機械本体(10)の位置決め溝14gに入ることによりユニット本体51が所定方向D2において位置決めされる。この状態で、突出部52が差込穴14hから脱落しないように差込部14に引っ掛かることにより工具ユニット50が機械本体(10)の下面12bに仮止めされる。従って、上記態様は、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを本固定する作業を容易にさせることができる。
ここで、機械本体の下面に設けられた位置決め溝に開口している差込穴は、機械本体の下面に設けられているといえる。この付言は、以下の態様においても適用される。
尚、上記態様2には含まれないが、機械本体の下面において位置決め溝から離れて差込穴が設けられ、且つ、工具ユニットに位置決め凸部から離れて突出部が設けられることも、本技術に含まれる。
[態様3]
図4~8等に例示するように、前記突出部52は、前記突出部52の突出方向D1に沿った突出部中心線AX3を中心として回転可能な回転部64を含んでいてもよい。前記回転部64は、前記突出部52が前記差込穴14hに挿入された状態において、前記差込部14に引っ掛からない第一の回転位置P1と、前記差込部14に引っ掛かる第二の回転位置P2と、を有するように前記突出部中心線AX3を中心として回転可能でもよい。
以上の場合、工具ユニット50の回転部64を第一の回転位置P1にすることにより工具ユニット50の突出部52を機械本体(10)の差込穴14hに挿入することができ、回転部64を第二の回転位置P2にすることによりユニット本体51を機械本体(10)の下面12bに仮止めすることができる。従って、上記態様は、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを取り付ける作業を簡単な構造で容易にさせることができる。
ここで、回転部は、手で操作される部位でもよいし、突出部が差込穴に挿入されると自動的に第一の回転位置から第二の回転位置に回転してもよい。
本願における「第一」、「第二」、…は、類似点を有する複数の構成要素に含まれる各構成要素を識別するための用語であり、順番を意味しない。
上述した付言は、以下の態様においても適用される。
[態様4]
図5,7,10等に例示するように、前記突出部52は、前記機械本体(10)に向かって突出した突出部本体60をさらに備えていてもよい。前記突出部本体60は、前記突出部中心線AX3を中心として前記回転部64を貫通した軸部61、及び、前記回転部64が前記突出方向D1へ抜けることを防ぐ先端部62を含んでいてもよい。前記回転部64は、前記軸部61を中心として回転可能でもよい。前記突出部52は、前記回転部64を前記突出部本体60の前記先端部62の方へ力を加えるばね68をさらに備えていてもよい。
以上の場合、回転部64がばね68により突出部本体60の先端部62の方へ押されることにより、回転部64が不用意に回ることが抑制される。従って、上記態様は、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを取り付ける作業をさらに容易にさせることができる。
[態様5]
図10~13に例示するように、本工具ユニット取付構造2は、前記突出部52が前記差込穴14hに挿入されると前記差込部14に引っ掛からない第一の状態S1から前記差込部14に引っ掛かる第二の状態S2に変化させる状態変化機構5をさらに備えていてもよい。
以上の場合、工具ユニット50の突出部52を機械本体(10)の差込穴14hに挿入すると、突出部52が第一の状態S1から第二の状態S2に変化することにより自動的に差込部14に引っ掛かる。従って、上記態様は、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを仮止めする作業をさらに容易にさせることができる。
例えば、前記状態変化機構5は、前記回転部64が前記第一の状態S1としての前記第一の回転位置P1にある前記突出部52が前記差込穴14hに挿入されると、前記回転部64を前記第一の回転位置P1から前記第二の状態S2としての前記第二の回転位置P2に回転させてもよい。
また、前記状態変化機構5は、前記突出部52が前記差込穴14hに挿入されると前記差込部14に引っ掛からない前記第一の状態S1としての圧縮状態から前記差込部14に引っ掛かる前記第二の状態S2としての復元状態に変化させてもよい。
[態様6]
また、本技術の一態様に係る工具ユニット50は、ワークW1を加工する工具T0を保持し、工作機械(1)の機械本体(10)の下面12bに取り付けられる工具ユニット50であって、ユニット本体51と、前記機械本体(10)に向かって突出した突出部52と、を備える。前記機械本体(10)は、前記下面12bに差込穴14hを有する差込部14を備える。前記突出部52は、前記ユニット本体51が前記機械本体(10)の前記下面12bに固定されていない状態において前記差込穴14hに挿入されると前記差込穴14hから脱落しないように前記差込部14に引っ掛かる。前記ユニット本体51は、前記突出部52が前記差込部14に引っ掛かっている状態において前記機械本体(10)の前記下面12bに固定可能である。
上記態様は、工作機械の機械本体の下面に取り付ける作業を容易にさせる工具ユニットを提供することができる。
(2)工具ユニット取付構造を備える工作機械の構成の具体例:
図1は、工具ユニット取付構造を備える工作機械の例として旋盤1の構成を模式的に例示する正面図である。図1には、ワークW1の手前に存在する刃物台8の位置が二点鎖線で示されている。図2は、工具ユニット取付構造2を備える旋盤1を模式的に例示する斜視図である。図3は、旋盤1に含まれる工具ユニット取付構造2を模式的に例示する右側面部である。図3には、オペレーターが工具ユニット50から手を離した時における工具ユニット50の位置が二点鎖線で示されている。図4は、工具ユニット取付構造2を構成する刃物台本体10(機械本体の例)及び工具ユニット50を模式的に例示する分解斜視部である。図4では、工具ユニット50のユニット本体51に設けられる工具(例えばドリル)の刃の図示が省略されている。図5は、工具ユニット50の要部を模式的に例示する斜視図である。図6は、工具ユニット取付構造2を模式的に例示する斜視部である。図7は、工具ユニット取付構造の断面を模式的に例示する断面部である。図7の上部には、工具ユニット取付構造の要部の拡大図が示され、回転部64の第一の回転位置P1が二点鎖線で示され、回転部64の第二の回転位置P2が実線で示されている。図7の下部の断面図では、断面を示すハッチングの図示が省略されている。図8は、工具ユニット50の突出部52の状態が切り替わる様子を模式的に例示する平面図である。図9は、刃物台本体10の下面12bを模式的に例示する底面部である。
図1~9において、符号D81は上方向を示し、符号D82は下方向を示し、符号D83は左方向を示し、符号D84は右方向を示し、符号D85は手前方向を示し、符号D86は奥方向を示している。尚、これらの方向は、図1に示す旋盤1を見る方向を基準としている。旋盤1の制御軸は、「X」で示されるX軸、「Y」で示されるY軸、及び、「Z」で示されるZ軸を含んでいる。Z軸方向は、ワークW1の回転中心となる主軸中心線AX0に沿った水平方向である。X軸方向は、Z軸と直交する水平方向である。Y軸方向は、Z軸と直交する鉛直方向である。尚、Z軸とX軸とは交差していれば直交していなくてもよく、Z軸とY軸とは交差していれば直交していなくてもよく、X軸とY軸とは交差していれば直交していなくてもよい。また、本明細書において参照される図面は、本技術を説明するための例を示しているに過ぎず、本技術を限定するものではない。各部の位置関係の説明は、例示に過ぎない。従って、左右を逆にしたり、回転方向を逆にしたり等することも、本技術に含まれる。方向や位置等の同一は、厳密な一致に限定されず、誤差により厳密な一致からずれることを含む。
図1に示す旋盤1は、把持部32を有する主軸31を設けた主軸台30、主軸台駆動部33、ガイドブッシュ34の取付穴36を有する支持台35、刃物台8、刃物台駆動部37、NC装置40、等を備えるNC旋盤である。NC装置40は、オペレーターにより作成された加工プログラムを解釈して実行することにより、ワークW1の加工を制御する。ここで、主軸台30は、正面主軸台30Aと、対向主軸台とも呼ばれる背面主軸台30Bとを総称している。正面主軸台30Aには、コレット等といった把持部32Aを有する正面主軸31Aが組み込まれている。背面主軸台30Bには、コレット等といった把持部32Bを有する背面主軸31Bが組み込まれている。主軸31は、正面主軸31Aと、対向主軸とも呼ばれる背面主軸31Bとを総称している。把持部32は、把持部32Aと把持部32Bを総称している。主軸台駆動部33は、Z軸に沿って正面主軸台30Aを移動させる正面主軸台駆動部33Aと、少なくともZ軸に沿って背面主軸台30Bを移動させる背面主軸台駆動部33Bとを総称している。NC装置40は、主軸中心線AX0を中心とした主軸31の回転、把持部32の把持状態、主軸台駆動部33の駆動状態、刃物台駆動部37の駆動状態、等を制御する。図1に示す旋盤1は、正面主軸31AがZ軸方向へ移動する主軸移動型旋盤である。
正面主軸31Aは、不図示の給材機により後方から挿入された棒状のワークW1を把持部32Aにより解放可能に把持し、ワークW1とともに主軸中心線AX1を中心として回転可能である。正面主軸31Aの前端31aは背面主軸31Bに対向し、正面主軸31Aの後端31bは給材機に対向している。尚、正面主軸31Aについての前方は、ワークW1が正面主軸31Aから押し出される方向を意味し、図1に示す例では右方向D84である。正面主軸31Aは、主軸中心線AX1に沿って貫通した貫通穴31hを有している。貫通穴31hには、後方からワークW1が挿入される。尚、加工前のワークW1が短い材料である場合、正面主軸31Aの前端31aから把持部32AにワークW1が供給されてもよい。正面主軸台駆動部33Aは、NC装置40からの指令に従って正面主軸台30AをZ軸方向へ移動させる。従って、正面主軸31Aに把持されているワークW1は、Z軸方向へ移動する。
尚、棒状のワークW1は、長尺な円柱状材料といった中実の材料に限定されず、長尺な円筒状材料といった中空の材料でもよい。
背面主軸31Bの前端31cは、正面主軸31Aの前端31aと対向している。背面主軸31Bは、正面主軸31Aの前端31aから前方へ出ている加工途中のワークW1を把持部32Bにより解放可能に把持し、ワークW1とともに主軸中心線AX2を中心として回転可能である。背面主軸台駆動部33Bは、NC装置40からの指令に従って、背面主軸台30BをZ軸方向へ移動させ、さらに、X軸方向又はY軸方向へ移動させる。正面主軸31Aと背面主軸31Bの両方がワークW1を把持する時、主軸中心線AX2は主軸中心線AX1に合わせられる。ここで、主軸中心線AX0は、主軸中心線AX1と主軸中心線AX2とを総称している。尚、背面主軸31Bについての前方は、背面主軸31Bが正面主軸31Aの方へ向かう方向を意味し、図1に示す例では左方向D83である。
支持台35は、Z軸方向において正面主軸台30Aと背面主軸台30Bとの間にあり、Z軸方向へ貫通した取付穴36を有している。図1に示すようなガイドブッシュ使用時、ガイドブッシュ34が取付穴36に挿入されて支持台35に取り外し可能に取り付けられる。ガイドブッシュ34は、正面主軸31Aの貫通穴31hから前方へ突出したワークW1をZ軸方向へ摺動可能に支持する。ワークW1のうちガイドブッシュ34から背面主軸31Bの方(右方向D84)へ突出した部分が工具T0(例えば図2参照)により加工される。ガイドブッシュ不使用時、正面主軸31Aの前部が取付穴36に挿入され、ワークW1のうち正面主軸31Aから前方(右方向D84)へ突出した部分が工具により加工される。
刃物台8は、工具ユニット50等、工具T0が取り付けられた構造物を備えている。刃物台駆動部37は、NC装置40からの指令に従って、刃物台8を少なくともX軸方向及びY軸方向へ移動させる。従って、刃物台8に設けられている工具T0は、X軸方向及びY軸方向へ移動する。刃物台8は、正面主軸31Aに把持されたワークW1の正面加工を工具T0で行い、正面主軸31Aと背面主軸31Bの両方に把持された正面加工後のワークW1の切断を突っ切りバイト(工具T0の例)で行う。また、刃物台8は、背面主軸31Bに把持された突っ切り後のワークW1の背面加工を工具T0で行ってもよい。これにより、ワークW1から製品が形成される。
図示していないが、旋盤1は、背面加工専用の刃物台等、図1に示す刃物台8以外の刃物台を備えていてもよい。
図2には、工具ユニット取付構造2を備える刃物台8が示されている。図2に示す刃物台8は、刃物台本体10、本技術の一実施形態に係る工具ユニット50、手前側の工具ユニット81、奥側の旋回ユニット82、手前側のバイトホルダー83、奥側のバイトホルダー84、及び、スリーブホルダー85を備えている。図2に示す例において、刃物台本体10と工具ユニット50は、ワークW1を加工する工具T0を保持する工具ユニット50を刃物台本体10の下面12bに取り付けるための工具ユニット取付構造2を構成する。図2に示す刃物台8は、複数の工具T0がくし歯状に並べられたくし形刃物台である。
刃物台本体10は、X軸方向及びY軸方向へ移動可能な刃物台テーブル11、この刃物台テーブル11の上部に取り付けられた桟部材12、工具回転駆動モーター25、及び、旋回駆動モーター26を備えている。刃物台駆動部37は、NC装置40からの指令に従って、刃物台テーブル11をX軸方向及びY軸方向へ移動させる。
桟部材12は、刃物台テーブル11から右方向D84へ向かう位置にあり、長手方向をX軸方向(手前方向D85及び奥方向D86)に向けて刃物台テーブル11にねじで固定されている。桟部材12の上面12aには、工具回転駆動モーター25と旋回駆動モーター26がねじで固定されている。図2に示す桟部材12の下面12bには、工具ユニット50、回転工具T2(例えば回転ドリル)、及び、手前側の工具ユニット81がねじで固定されている。桟部材12において下面12bに含まれる接続部12cは、工具ユニット81が取り付けられる部分である。また、桟部材12の下面12bには、Y軸方向(上方向D81及び下方向D82)に沿った旋回軸(不図示)を中心として旋回可能に旋回ユニット82が設けられている。桟部材12において下面12bに含まれる接続部12dは、旋回ユニット82が取り付けられる部分である。さらに、桟部材12は、Z軸方向(左方向D83及び右方向D84)へ貫通した開口12oを有している。オペレーターは、開口12oに手を入れて桟部材12に工具ユニット50等を取り付ける作業を行うことができる。工具ユニット50等を取り付けるための差込部14は、桟部材12において開口12oよりも下側にある。
尚、桟部材12や工具ユニット50や工具T0等の主要部は、例えば金属で形成することができる。
工具回転駆動モーター25は、NC装置40からの指令に従って、工具ユニット50、手前側の工具ユニット81、及び、奥側の旋回ユニット82に設けられている回転工具T2を回転駆動する。桟部材12には、工具回転駆動モーター25の回転駆動力を回転工具T2に伝える動力伝達機構が組み込まれている。旋回駆動モーター26は、NC装置40からの指令に従って、旋回ユニット82を旋回駆動する。桟部材12には、旋回駆動モーター26の旋回駆動力を旋回ユニット82に伝える旋回動力駆動機構が組み込まれている。
手前側のバイトホルダー83は、工具ユニット81の下に配置されている。奥側のバイトホルダー84、及び、スリーブホルダー85は、旋回ユニット82の下に配置されている。バイトホルダー83,84には、固定工具T1としてのバイトが取り付けられる。スリーブホルダー85には、図2に示すように固定工具T1(例えばドリル)が取り付けられてもよいし、電気やエアーといった動力を供給して駆動させる回転工具T2(例えばパワードリル)が取り付けられてもよい。ここで、工具T0は、電気やエアーといった動力源により加工軸を中心として自ら回転する回転工具T2、及び、回転しない固定工具T1を総称している。回転工具T2が設けられる工具ユニットには、回転ドリルユニット、エンドミルユニット、多角柱形成用のポリゴンカッターユニット、ねじ切り用のスレッドワーリングユニット、すりわり形成用のスロッティングユニット、等が含まれる。
図3,6等に示すように、工具ユニット50は、ワークW1の正面加工を行う複数の回転工具T2、及び、ワークW1の背面加工を行う複数の回転工具T2が設けられ、桟部材12の下面12bに対してぶら下がるように取り付けられる。工具ユニット50は、桟部材12から取り外し可能であるため、交換可能である。図2~4等に示すように、工具ユニット50は、ユニット本体51、突出部52、位置決め凸部53、及び、回転駆動力伝達部54を備えている。
ユニット本体51は、工具ユニット50において複数の回転工具T2が取り付けられる部分であり、桟部材12よりも下側に配置される。図7に示すように、ユニット本体51には、X軸方向に向いた回転軸51aが組み込まれている。回転軸51aは、手前側の端部に傘歯車51bを備えている。また、図3~5に示すように、ユニット本体51は、ねじSC1に螺合する平面視円形のねじ穴51sを上面51cに複数有し、ねじSC1を通す平面視円形のねじ挿通穴51tを複数有している。図4に示す例では、ユニット本体51の上面51cにねじ穴51sが2箇所あり、Y軸方向においてユニット本体51を貫通したねじ挿通穴51tが2箇所ある。ただし、図4では、ねじ挿通穴51tにねじSC1が通された状態が1箇所のみ示され、ねじSC1が突き出ている部分にねじ挿通穴51tの引き出し線が付されている。
突出部52は、ユニット本体51の上面51cに設けられた位置決め凸部53から突出部中心線AX3に沿って上方向D81へ突出している。従って、突出部52の突出方向D1は上方向D81であり、突出部52は位置決め凸部53を介してユニット本体51から刃物台本体10に向かって突出している。図7に示すように、位置決め凸部53は、先端53aから凹んだ雌ねじ53bを有している。雌ねじ53bは、突出部52の軸部61に螺合する。回転駆動力伝達部54は、ユニット本体51の上面51cから上方向D81へ突出し、桟部材12に設けられた平面視円形の動力伝達用貫通穴14a(図9参照)に挿入される。図7に示すように、回転駆動力伝達部54には、Y軸方向に向いた回転軸54aが組み込まれている。回転軸54aは、ユニット本体51側の傘歯車51bと噛み合っている傘歯車54bを下端に備えている。工具回転駆動モーター25からの回転駆動力は、回転軸54a,51aを経て回転工具T2に伝えられる。
動力伝達用貫通穴14aを有する桟部材12は、図2~4,8,9等に示すように、開口12oの下において、下面12bに突出部52を挿入可能な差込穴14hを有する差込部14を備えている。差込穴14hは、Y軸方向へ貫通し、平面視において角が丸い略長方形状である。略長方形状の差込穴14hにおいて、Z軸方向における長さは、X軸方向における長さよりも長い。
差込部14において、差込穴14hの近傍には、ユニット本体51の各ねじ穴51sの位置に合わせられた位置に平面視円形のねじ挿通穴14tが設けられている。各ねじ挿通穴14tには、ねじSC1を通すことが可能である。差込部14において、動力伝達用貫通穴14aの近傍には、ユニット本体51の各ねじ挿通穴51tの位置に合わせられた位置に平面視円形のねじ穴14sが設けられている。各ねじ穴14sは、ねじSC1に螺合する。オペレーターは、差込部14のねじ挿通穴14tに通したねじSC1をユニット本体51のねじ穴51sに螺合させ、ユニット本体51のねじ挿通穴51tに通したねじSC1を差込部14のねじ穴14sに螺合させることにより、ユニット本体51を桟部材12の下面12bに固定することができる。ここで、ねじ挿通穴14t,51t、ねじ穴51s,14s、及び、ねじSC1は、突出部52が差込部14に引っ掛かっている状態においてユニット本体51を下面12bに固定するための固定構造4を構成する。
また、桟部材12は、下面12bに沿った所定方向D2においてユニット本体51を位置決めするための位置決め溝14gを下面12bに有している。図9に示すように、差込穴14hは、位置決め溝14gに開口している。位置決め溝14gは、Z軸方向に向いている。所定方向D2は、Z軸方向と交差するX軸方向である。工具ユニット50の位置決め凸部53は位置決め溝14gに挿入可能であり、工具ユニット50の突出部52は位置決め凸部53から差込穴14hに挿入可能に突出している。位置決め凸部53は、位置決め溝14gに挿入されると、X軸方向において位置決めされる。図9に示すように、位置決め溝14gから左方向D83には、動力伝達用貫通穴14aがある。従って、Z軸方向における位置決め溝14gの位置は、回転駆動力伝達部54が動力伝達用貫通穴14aに挿入されることにより決まる。
差込穴14hに挿入される突出部52は、図5等に示すように、突出部本体60、回転部64、及び、ばね68を備えている。
突出部本体60は、突出部中心線AX3を中心として回転部64を貫通した軸部61、及び、回転部64が突出方向D1へ抜けることを防ぐ先端部62を含み、位置決め凸部53から刃物台本体10に向かって突出している。突出部本体60の突出方向D1は、突出部中心線AX3に沿った上方向D81である。突出部本体60には、位置決め凸部53の雌ねじ53bに螺合するボルトを用いることができる。この場合、雌ねじ53bに螺合する雄ねじを軸部61が有し、先端部62がボルトの頭部に対応する。突出部中心線AX3を中心として軸部61の外側には、回転部64とばね68が配置されている。
回転部64は、図7に示すように、突出部52の突出方向D1に沿った突出部中心線AX3に沿って貫通した貫通穴64hを有し、貫通穴64hを通り抜けている軸部61を中心として回転可能である。言い換えると、回転部64は、軸部61の外側に配置され、突出部中心線AX3を中心として回転可能である。貫通穴64hの内径は、軸部61の外径よりも大きく、先端部62の外径よりも小さく、位置決め凸部53の外径よりも小さい。これにより、回転部64は、軸部61の外側において位置決め凸部53と先端部62との間で突出部中心線AX3に沿って移動可能であり、先端部62から突出方向D1へ抜けない。回転部64に外力が加えられていない状態において、回転部64の上端64cは、先端部62の下面62bに突き当たっている。
図5,8等に示すように、回転部64は、突出部中心線AX3を中心として略長方形状の差込穴14hの短辺よりも長くなるように張り出した2箇所の張り出し部64a、及び、前述の短辺よりも短くなるように形成された2箇所の平面部64bを有している。図8の上段に示すように張り出し部64a同士を結ぶ方向が略長方形状の差込穴14hの長辺に沿ったZ軸方向である場合、回転部64は、Y軸方向において差込穴14hを通り抜けることができる。一方、図8の下段に示すように張り出し部64a同士を結ぶ方向が略長方形状の差込穴14hの短辺に沿ったX軸方向である場合、回転部64は、Y軸方向において差込穴14hを通り抜けることができない。尚、張り出し部64a同士を結ぶ方向が差込穴14hの長辺に沿ったZ軸方向からずれた方向である場合、回転部64は、Y軸方向において差込穴14hを通り抜けることができない。
以上より、張り出し部64a同士を結ぶ方向が差込穴14hの長辺に沿ったZ軸方向である場合、回転部64は、突出部52が差込穴14hに挿入された状態において差込部14に引っ掛からない第一の回転位置P1にある。第一の回転位置P1は、差込部14に引っ掛からない第一の状態S1である。一方、張り出し部64a同士を結ぶ方向が差込穴14hの短辺に沿ったX軸方向である場合、回転部64は、突出部52が差込穴14hに挿入された状態において差込部14に引っ掛かる第二の回転位置P2にある。第二の回転位置P2は、差込部14に引っ掛かる第二の状態S2である。回転部64は、突出部52が差込穴14hに挿入された状態において、第一の回転位置P1と第二の回転位置P2とを有するように突出部中心線AX3を中心として回転可能である。
オペレーターは、回転部64を第一の回転位置P1にすることにより工具ユニット50の突出部52を差込穴14hに挿入することができ、回転部64を第二の回転位置P2にすることによりユニット本体51を刃物台本体10の下面12bに仮止めすることができる。従って、回転部64を備える突出部52、及び、差込穴14hを有する差込部14は、ユニット本体51が下面12bに固定されていない状態において差込穴14hに挿入された突出部52が差込穴14hから脱落しないように差込部14に引っ掛かる仮止め構造3を構成する。
各張り出し部64aは、突出部中心線AX3に沿って先端部62に近付くほど突出部中心線AX3に近付くテーパー部64tを先端部62側に有している。回転部64が第一の回転位置P1にある状態において突出部52が差込穴14hに挿入される時、テーパー部64tが回転部64を差込穴14hに誘導する機能を発揮する。従って、テーパー部64tを有する突出部52は、差込穴14hに挿入する作業をし易い。
図5,7等に示すように、軸部61の外側にあるばね68は、位置決め凸部53と回転部64との間ある。ばね68には、圧縮された状態である圧縮コイルばねを用いることができる。ばね68の内径は、軸部61の外径よりも大きく、位置決め凸部53の外径よりも小さい。これにより、ばね68は、回転部64を突出部本体60の先端部62の方へ力を加え、回転部64の上端64cを先端部62の下面62bに押し当てる。
突出部52にばね68が無い場合、回転部64が先端部62から離れてしまい、差込穴14hに挿入された第一の回転位置P1の回転部64を第二の回転位置P2に回す時に回転部64を引き上げる必要がある。また、回転部64が先端部62から離れると、突出部中心線AX3を中心として回転部64が不用意に回ってしまうことがある。ばね68に押された回転部64が突出部本体60の先端部62に接触していることにより、先端部62から回転部64に摩擦力が加わり、突出部中心線AX3を中心として回転部64が不用意に回ることが抑制される。
(3)機械本体の下面に対して工具ユニットを着脱する作業例:
次に、刃物台本体10の下面12bに対して工具ユニット50を着脱する作業の具体例を説明する。
図4に示すようにユニット本体51が桟部材12の下面12bに固定されていない状態において、まず、オペレーターは、回転部64を第一の回転位置P1に合わせる。そのうえで、オペレーターは、手で工具ユニット50を持って、回転駆動力伝達部54を動力伝達用貫通穴14aに挿入し、突出部52を差込部14に挿入し、位置決め凸部53を位置決め溝14gに挿入する。これにより、ユニット本体51が位置決めされた状態で回転部64が差込穴14hを通り過ぎた状態となる。この状態において、図8に示すようにオペレーターが回転部64を第一の回転位置P1から第二の回転位置P2まで回すことにより、オペレーターが工具ユニット50から手を離しても突出部52が差込穴14hから脱落しないように差込部14に引っ掛かる。このような仮止め構造3により、ユニット本体51が桟部材12の下面12bに仮止めされる。図3には、オペレーターが工具ユニット50から手を離した時における工具ユニット50の位置が二点鎖線で示されている。
次に、オペレーターは、桟部材12の下面12bにユニット本体51をねじSC1で固定する作業を行えばよい。この時、オペレーターは、差込部14のねじ挿通穴14tにねじSC1を通してユニット本体51のねじ穴51sに螺合させ、ユニット本体51のねじ挿通穴51tにねじSC1を通して差込部14のねじ穴14sに螺合させる。工具ユニット50が桟部材12の下面12bに仮止めされているので、突出部52が差込部14に引っ掛かっている状態においてユニット本体51が固定構造4により桟部材12の下面12bに固定される。このような固定構造4により、ユニット本体51が桟部材12の下面12bに本固定される。この状態が図2,3,6に示されている。工具ユニット50が刃物台本体10の下面12bに一旦、仮止めされることにより、オペレーターは、工具ユニット50を手で支えなくてもユニット本体51を刃物台本体10の下面12bに固定する作業を行うことができる。
桟部材12から工具ユニット50を取り外す場合、まず、オペレーターは、ねじSC1を外す作業を行えばよい。この時、オペレーターは、ユニット本体51のねじ穴51sからねじSC1を外して差込部14のねじ挿通穴14tから引き抜き、差込部14のねじ穴14sからねじSC1を外してユニット本体51のねじ挿通穴51tから引き抜く。ここで、仮止め構造3に含まれる回転部64が第二の回転位置P2にあるので、突出部52が差込穴14hから脱落しないように差込部14に引っ掛かる。このような仮止め構造3により、ユニット本体51は桟部材12の下面12bにぶら下がる仮止め状態となる。この状態において、オペレーターは、図8に示すように回転部64を第二の回転位置P2から第一の回転位置P1まで回すことにより、差込穴14hから突出部52を引き抜くことができ、桟部材12から工具ユニット50を完全に取り外すことができる。その後、オペレーターは、新しい工具ユニット50を上述した手順に従って桟部材12に取り付けることができる。
以上説明したように、本具体例は、旋盤1の刃物台本体10の下面12bに工具ユニット50を取り付ける作業を容易にさせることができる。その結果、工具ユニット50の交換時には工具ユニット50を交換する作業を効率化させることができる。
(4)変形例:
本技術は、種々の変形例が考えられる。
例えば、旋盤1は、Z軸方向において正面主軸31Aが移動しない主軸固定型旋盤でもよい。
本技術を適用可能な工作機械は、旋盤に限定されず、マシニングセンター等でもよい。
工具ユニット取付構造2は、上述した刃物台8に設けられることに限定されず、背面加工用の刃物台等に設けられてもよい。
本技術を適用可能な工具ユニットは、上述した工具ユニット50に限定されず、図2に示す工具ユニット81や旋回ユニット82等でもよい。
突出部52の突出方向D1は、上方向D81に限定されず、水平方向よりも上側の方向であれば上方向D81からずれた方向でもよい。
突出部52は、位置決め凸部53から刃物台本体10に向かって突出していることに限定されず、位置決め凸部53とは別にユニット本体51の上面51c又は側面から刃物台本体10に向かって突出していてもよい。
図10~13に例示するように、工具ユニット取付構造2は、突出部52が差込穴14hに挿入されると差込部14に引っ掛からない第一の状態S1から差込部14に引っ掛かる第二の状態S2に変化させる状態変化機構5を備えていてもよい。尚、図10~13において、図1~9に示す要素と同じ要素には、同じ符号が付されている。また、図10~13に示す要素の内、図1~9に示す要素と構成が同じである要素については、詳しい説明を省略する。
図10は、工具ユニット取付構造の断面の別の例を模式的に示す断面部である。図10に示す工具ユニット取付構造2Aの概念は上述した工具ユニット取付構造2に含まれ、図10に示す工具ユニット50Aの概念は上述した工具ユニット50に含まれる。図10でには、回転部64の第一の回転位置P1(第一の状態S1)が二点鎖線で示され、回転部64の第二の回転位置P2(第二の状態S2)が実線で示されている。
工具ユニット50Aの突出部52は、先端部62の下面62bが水平面から傾いた突出部本体60、上端64cが水平面から傾いた回転部64、及び、回転部64を先端部62の方へ力を加えるばね68を備えている。先端部62の下面62bは、右側となるほど高くなる傾斜面を有している。回転部64が差込部14に引っ掛かる第二の回転位置P2にある場合、回転部64の上端64cは、右側となるほど高くなる傾斜面を有している。回転部64に外力が加わっていない場合、ばね68が回転部64を突出部本体60の先端部62の方へ力を加えることにより、回転部64は図10に実線で示される第二の回転位置P2となる。オペレーターは、第二の回転位置P2にある回転部64を差込部14に引っ掛からない第一の回転位置P1に回すと、回転部64の上端64cの傾斜面が先端部62の下面62bの傾斜面に誘導されて回転部64がばね68の力に抗して下方へ移動する。従って、オペレーターは、回転部64を第一の回転位置P1に回すことにより、突出部52を差込穴14hに挿入することができる。回転部64は、差込穴14hを通り抜けると、外力が加えられていない状態になる。この状態において、回転部64は、ばね68により突出方向D1へ押されることにより第一の回転位置P1から第二の回転位置P2まで自動的に回転し、上方へ移動する。従って、工具ユニット50Aに含まれる突出部52は、第一の状態S1から第二の状態S2に自動的に変化させる状態変化機構5を備えている。
以上より、オペレーターは、回転部64を第一の回転位置P1にして突出部52を差込穴14hに挿入すると、差込穴14hを通り抜けた回転部64が第一の回転位置P1から第二の回転位置P2まで自動的に回転する。このようにして、突出部52が自動的に差込部14に引っ掛かり、ユニット本体51が桟部材12の下面12bに仮止めされる。これにより、オペレーターは、工具ユニット50を手で支えなくてもユニット本体51を刃物台本体10の下面12bに固定する作業を行うことができる。従って、図10に示す例は、刃物台本体10の下面12bに工具ユニット50を仮止めする作業をさらに容易にさせることができ、刃物台本体10の下面12bに工具ユニット50を取り付ける作業をさらに容易にさせることができる。
図11~13は、工具ユニットの別の例を模式的に示す斜視図である。図11~13に示す工具ユニット取付構造2Bの概念は上述した工具ユニット取付構造2に含まれ、図11~13に示す工具ユニット50Bの概念は上述した工具ユニット50に含まれる。図11は、突出部52が差込部14に引っ掛かる第二の状態S2である工具ユニット50Bを模式的に例示している。図12は、突出部52が差込部14に引っ掛からない第一の状態S1である工具ユニット50Bを模式的に例示している。図13は、突出部52が第一の状態S1から第二の状態S2に変化した工具ユニット取付構造2Bを模式的に例示している。
工具ユニット50Bの突出部52は、位置決め凸部53から刃物台本体10に向かって突出した突出部本体60、及び、突出部本体60の軸部61に対して移動しないように固定された板ばね74を備えている。板ばね74は、軸部61に固定された上端74cを有し、突出部中心線AX3を中心として略長方形状の差込穴14hの短辺(図8参照)よりも長くなるように張り出した2箇所の張り出し部74aを有している。張り出し部74a同士を結ぶ方向は、略長方形状の差込穴14hの短辺に沿ったX軸方向である。各張り出し部74aは、突出部中心線AX3に沿って先端部62に近付くほど突出部中心線AX3に近付くテーパー部74tを先端部62側に有している。
板ばね74は、外力が加えられていない場合、図11に示すように張り出し部74a同士が離れていることにより差込部14に引っ掛かる第二の状態S2としての復元状態である。板ばね74は、差込穴14hの途中に配置されると、図12に示すように張り出し部74a同士が近付くことにより差込部14に引っ掛からない第一の状態S1としての圧縮状態となる。板ばね74は、差込穴14hを通り過ぎている場合、図13に示すように張り出し部74a同士が離れていることにより差込部14に引っ掛かる第二の状態S2としての復元状態である。従って、板ばね74を備える突出部52、及び、差込穴14hを有する差込部14は、仮止め構造3を構成する。
オペレーターが手で工具ユニット50を持って突出部52を差込穴14hに挿入する時、板ばね74は、テーパー部74tに誘導されて差込穴14hに入り、図11に示す復元状態から図12に示す圧縮状態に自動的に変化する。板ばね74は、差込穴14hを通り過ぎると、図13に示すように、圧縮状態から復元状態に自動的に変化する。従って、工具ユニット50Bに含まれる突出部52は、第二の状態S2から第一の状態S1に自動的に変化させた後に第一の状態S1から第二の状態S2に自動的に変化させる状態変化機構5を備えている。状態変化機構5により、オペレーターが突出部52を第二の状態S2から第一の状態S1に切り替える操作を行わなくても差込穴14hに挿入することができ、板ばね74が差込穴14hを通り過ぎると突出部52が自動的に差込部14に引っ掛かる。これにより、ユニット本体51が桟部材12の下面12bに仮止めされる。オペレーターは、工具ユニット50を手で支えなくてもユニット本体51を刃物台本体10の下面12bに固定する作業を行うことができる。次に、オペレーターは、桟部材12の下面12bにユニット本体51をねじSC1で固定する作業を行えばよい。
桟部材12から工具ユニット50を取り外す場合、まず、オペレーターは、ねじSC1を外す作業を行えばよい。ここで、仮止め構造3に含まれる板ばね74が第二の状態S2であるので、突出部52が差込穴14hから脱落しないように差込部14に引っ掛かる。このような仮止め構造3により、ユニット本体51は桟部材12の下面12bにぶら下がる仮止め状態となる。この状態において、オペレーターは、指で摘まむ等して張り出し部74a同士を近付けて板ばね74を圧縮状態にすることにより、差込穴14hから突出部52を引き抜くことができ、桟部材12から工具ユニット50を完全に取り外すことができる。
図11~13に示す例は、刃物台本体10の下面12bに工具ユニット50を仮止めする作業をさらに容易にさせることができ、刃物台本体10の下面12bに工具ユニット50を取り付ける作業をさらに容易にさせることができる。
尚、図10に示す工具ユニット取付構造2Aも、回転部64のテーパー部64tを螺旋形状等にすることにより、突出部52が差込穴14hに挿入されると差込部14に引っ掛かる第二の状態S2から差込部14に引っ掛からない第一の状態S1に変化させることが可能である。この場合、状態変化機構5は、第二の回転位置P2から第一の回転位置P1に自動的に変化させた後に第一の回転位置P1から第二の回転位置P2に自動的に変化させることになる。
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、工作機械の機械本体の下面に工具ユニットを取り付ける作業を容易にさせる技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…旋盤(工作機械の例)、2…工具ユニット取付構造、
3…仮止め構造、4…固定構造、5…状態変化機構、
8…刃物台、10…刃物台本体(機械本体の例)、
12…桟部材、12a…上面、12b…下面、12o…開口、
14…差込部、14a…動力伝達用貫通穴、14g…位置決め溝、14h…差込穴、
14s…ねじ穴、14t…ねじ挿通穴、
25…工具回転駆動モーター、26…旋回駆動モーター、
50…工具ユニット、
51…ユニット本体、51c…上面、51s…ねじ穴、51t…ねじ挿通穴、
52…突出部、
53…位置決め凸部、53a…先端、53b…雌ねじ、
54…回転駆動力伝達部、
60…突出部本体、61…軸部、62…先端部、62b…下面、
64…回転部、64a…張り出し部、64b…平面部、64t…テーパー部、
68…ばね、
74…板ばね、74a…張り出し部、74t…テーパー部、
AX0,AX1,AX2…主軸中心線、AX3…突出部中心線、
D1…突出方向、D2…所定方向、
P1…第一の回転位置、P2…第二の回転位置、
S1…第一の状態、S2…第二の状態、
SC1…ねじ、
T0…工具、T1…固定工具、T2…回転工具、
W1…ワーク。

Claims (6)

  1. ワークを加工する工具を保持する工具ユニットを工作機械の機械本体の下面に取り付けるための工具ユニット取付構造であって、
    前記工具ユニットは、ユニット本体と、前記機械本体に向かって突出した突出部と、を備え、
    前記機械本体は、前記下面に前記突出部を挿入可能な差込穴を有する差込部を備え、
    前記工具ユニット取付構造は、
    前記ユニット本体が前記下面に固定されていない状態において前記差込穴に挿入された前記突出部が前記差込穴から脱落しないように前記差込部に引っ掛かる仮止め構造と、
    前記突出部が前記差込部に引っ掛かっている状態において前記ユニット本体を前記下面に固定するための固定構造と、を備える、工具ユニット取付構造。
  2. 前記機械本体は、前記下面に沿った所定方向において前記ユニット本体を位置決めするための位置決め溝を前記下面に有し、
    前記工具ユニットは、前記位置決め溝に挿入可能な位置決め凸部を備え、
    前記差込穴は、前記位置決め溝に開口し、
    前記突出部は、前記位置決め凸部から前記差込穴に挿入可能に突出している、請求項1に記載の工具ユニット取付構造。
  3. 前記突出部は、前記突出部の突出方向に沿った突出部中心線を中心として回転可能な回転部を含み、
    前記回転部は、前記突出部が前記差込穴に挿入された状態において、前記差込部に引っ掛からない第一の回転位置と、前記差込部に引っ掛かる第二の回転位置と、を有するように前記突出部中心線を中心として回転可能である、請求項1又は請求項2に記載の工具ユニット取付構造。
  4. 前記突出部は、前記機械本体に向かって突出した突出部本体をさらに備え、
    前記突出部本体は、前記突出部中心線を中心として前記回転部を貫通した軸部、及び、前記回転部が前記突出方向へ抜けることを防ぐ先端部を含み、
    前記回転部は、前記軸部を中心として回転可能であり、
    前記突出部は、前記回転部を前記突出部本体の前記先端部の方へ力を加えるばねをさらに備える、請求項3に記載の工具ユニット取付構造。
  5. 前記突出部が前記差込穴に挿入されると前記差込部に引っ掛からない第一の状態から前記差込部に引っ掛かる第二の状態に変化させる状態変化機構をさらに備える、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の工具ユニット取付構造。
  6. ワークを加工する工具を保持し、工作機械の機械本体の下面に取り付けられる工具ユニットであって、
    前記機械本体は、前記下面に差込穴を有する差込部を備え、
    前記工具ユニットは、ユニット本体と、前記機械本体に向かって突出した突出部と、を備え、
    前記突出部は、前記ユニット本体が前記機械本体の前記下面に固定されていない状態において前記差込穴に挿入されると前記差込穴から脱落しないように前記差込部に引っ掛かり、
    前記ユニット本体は、前記突出部が前記差込部に引っ掛かっている状態において前記機械本体の前記下面に固定可能である、工具ユニット。
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