JP2023122060A - ポリマー、該ポリマーを含有するレジスト組成物、それを用いたデバイスの製造方法。 - Google Patents

ポリマー、該ポリマーを含有するレジスト組成物、それを用いたデバイスの製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】感度に優れたレジスト組成物に用いるポリマーを提供することを課題とする。当該ポリマーを含有するレジスト組成物、該レジスト組成物を用いたデバイスの製造方法を提供する。【解決手段】オニウム塩構造を有するユニットAを含むポリマーであって、前記ユニットAが下記式(1)で示されるユニットであるポリマーとする。JPEG2023122060000103.jpg59153(式(1)中、R1、L、Sp、X1-、およびM1+は特定の構造をとる)【選択図】なし

Description

本発明のいくつかの態様は、レジスト組成物に用いられるポリマーに関する。また、本発明のいくつかの態様は、上記ポリマーを含有するレジスト組成物及び該レジスト組成物を用いたデバイスの製造方法に関する。
近年、フォトレジストを用いるフォトリソグラフィ技術を駆使して、液晶ディスプレイ(LCD)及び有機ELディスプレイ(OLED)等の表示装置の製造並びに半導体素子の形成が盛んに行われている。上記の電子部品や電子製品のパッケージ等には、活性エネルギー線として波長365nmのi線、それより長波長のh線(405nm)及びg線(436nm)等の光が広く用いられている。
デバイスの高集積化が進み、リソグラフィ技術の微細化に対する要求が高まっており、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、極短紫外線(EUV、波長13.5nm)及び電子線(EB)のような非常に波長の短い光が照射に使用される傾向にある。これらの波長の短い光、特にEUV又は電子線を用いたリソグラフィ技術はシングルパターニングでの製造が可能であることから、EUV又は電子線等に対し高い感応性を示すレジスト組成物の必要性は、今後更に高まると考えられる。
露光光源の短波長化に伴い、レジスト組成物には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性のリソグラフィ特性の向上が求められている。このような要求を満たすレジスト組成物として化学増幅型レジストが知られている(特許文献1)。
特開平9-90637号公報
本発明のいくつかの態様は、粒子線又は電磁波、特に電子線又はEUV等の照射により酸発生剤から生じる酸を利用するだけではなく、酸触媒反応と同時に電子線又はEUV等の照射により起こる反応を直接利用することで、感度に優れたレジスト組成物に用いるポリマーを提供することを課題とする。
本発明のいくつかの態様は、上記ポリマーを含有するレジスト組成物、該レジスト組成物を用いたデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、アセタール部位又はチオアセタール部位を有する特定のオニウム塩構造を有するユニットAを含むポリマーをレジスト組成物のポリマーとして用いることで、高感度であることを見出し、本発明のいくつかの態様を完成するに至った。特に、上記組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射する工程と、上記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、上記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法に用いるレジスト組成物用ポリマーとすることで、第2活性エネルギー線によりレジスト組成物のポリマーにおける上記オニウム塩構造を有するユニットAの分解が促進されるため、高感度であることを見出した。
上記課題を解決するための本発明のひとつの態様は、特定のオニウム塩構造を有するユニットAを含むポリマーである。
上記ユニットAは下記式(1)で示されるユニットである。
上記一般式(1)中、Rは、水素原子;直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルキル基;及び、直鎖、分岐又は環状の炭素数2~6のアルケニル基;からなる群より選択されるいずれかであり、該R中の上記アルキル基及びアルケニル基中の少なくとも1つの水素原子が置換基で置換されていてもよい。
Lは、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、フェニレンジイル基、ナフタレンジイル基、フェニレンジイルオキシ基、ナフタレンジイルオキシ基、フェニレンジイルカルボニルオキシ基、ナフタレンジイルカルボニルオキシ基、フェニレンジイルオキシカルボニル基及びナフタレンジイルオキシカルボニル基からなる群より選択されるいずれかである。
Spは、直接結合;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルキレン基;及び置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数2~6のアルケニレン基;のいずれかであり、上記Sp中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
は、1価のアニオンである。
上記式(1)中のM が、下記一般式(2)及び下記一般式(3)から選択されるいずれかで表される。
上記式(2)中、R11及びR12は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数2~12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかである。
上記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
上記R11及びR12中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
13及びR14は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルキレンオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキレンオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、かつ、これらは置換基を有していてもよい。
1つのR14が、直接結合、メチレン基、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基からなる群より選択されるいずれかを介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成していてもよい。
15及びR16は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数2~12のアルケニル基;置換基を有してもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかである。
上記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに結合して環構造を形成してもよい。
上記R15及びR16中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
は、直接結合;直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキレン基;炭素原子数2~12のアルケニレン基;炭素原子数6~14アリーレン基;炭素原子数4~12のヘテロアリーレン基;及びこれらの基が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子含有基を介して結合した基;からなる群より選択されるいずれかである。
は、直接結合、メチレン基、硫黄原子、窒素原子含有基及び酸素原子からなる群より選択される。
Yは酸素原子又は硫黄原子である。
hは1~2の整数であり、iは1~3の整数である。
jは、hが1のとき0~3、hが2のとき0~5の整数である。
kは、iが1のとき0~4、iが2のとき0~6、iが3のとき0~8の整数である。
11、R12及びR14の中のいずれかの1つの水素並びにR14が結合するアリール環上の水素原子が、上記式(1)中のSpとの結合に置き換えられる。
上記式(3)中、R11~R16、L及びY及は独立して各々に、上記式(2)のR11~R16、L及びY各々と同じ選択肢から選択される。
hは1~2の整数であり、iは1~3の整数である。
jは、hが1のとき0~4、hが2のとき0~68の整数である。
kは、iが1のとき0~5、iが2のとき0~7、iが3のとき0~9の整数である。
及びLは独立して各々に、直接結合、炭素原子数が2のアルケニレン基、炭素原子数が2のアルキニレン基、及びカルボニル基からなる群より選択されるいずれかである。
また、本発明のひとつ態様のポリマーは、酸触媒反応により脱水する構造を有するユニットB;及び金属原子を有する有機金属化合物含有ユニットC;の少なくともいずれかのユニットをさらに含む。
上記ユニットBは、下記一般式(I)又は(II)で示される化合物のいずれかの位置で下記式(4)のSp基と結合したユニットである。
上記一般式(I)中、R2及びR3は、それぞれ独立に、電子供与性基;及び電子吸引性基;からなる群より選択されるいずれかである。
Eは、直接結合;酸素原子;硫黄原子;及びメチレン基;からなる群より選択されるいずれかである。
1は、0又は1の整数である。
及びnは、それぞれ1~2の整数であり、n+nは2~4である。
が1のときnは0~4の整数であり、nが2のときnは0~6の整数である。
が1のときnは0~4の整数であり、nが2のときnは0~6の整数である。
が2以上でR2が電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのR2が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよい。
3が2以上でR3が電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのR3が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよい。
上記一般式(II)中、Rは、それぞれ独立に、電子供与性基;及び電子吸引性基;からなる群より選択されるいずれかである。
のうち少なくとも一つは上記電子供与性基である。
5aは、水素原子;置換基を有してもよい第1級アルキル基;及び置換基を有してもよい第2級アルキル基;からなる群より選択されるいずれかであり、上記R5a中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
5bは、水素原子;置換基を有してもよいアルキル基;及び置換基を有してもよいアルケニル基;からなる群より選択されるいずれかであり、上記R5b中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、上記Rは該R5bを有するヒドロキシメチレン基が結合したベンゼン環と共に環構造を形成してもよい。
は0~7の整数である。
は1又は2であり、nが1のときnは0~5の整数であり、nが2のときnは0~7の整数である。
が2以上でRが電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのRが、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよい。
上記式(4)中、R、L及びSpは、それぞれ上記一般式(1)のR、L及びSpと同じ選択肢から選択され、*は上記一般式(I)又は(II)で示される化合物との結合部位を示す。
上記有機金属含有ユニットCの上記金属は、Sn、Sb、Ge、Bi、Te、Al、Ni、Zn、Zr及びHfからなる群より選択されるいずれかであることが好ましい。
上記課題を解決するための本発明のひとつの態様は、上記ポリマーを含有するレジスト組成物である。
また、本発明の他の態様は、上記組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射する工程と、上記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、上記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明のいくつかの態様によれば、粒子線又は電磁波等の第1活性エネルギー線と、紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線と、を用いるリソグラフィプロセスのレジスト組成物として好適に用いられる感度に優れるオニウム塩構造を有するポリマーを提供できる。また、粒子線又は電磁波、特に電子線又は極端紫外線等の第1活性エネルギー線及び紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線の2段照射に対して高感度のレジスト組成物、及び、それを用いたデバイスの製造方法を提供できる。
本発明において、「粒子線又は電磁波」とは、電子線(EB)及び極端紫外線(EUV)だけでなく、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光等の紫外線を含む。
また、本発明において、「粒子線又は電磁波照射」とは、上記ポリマーの少なくとも一部を粒子線又は電磁波で照射することである。
以下、本発明について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<1>ポリマー
本発明のいくつかの態様のポリマーは、オニウム塩構造を有し、粒子線又は電磁線の照射により酸を発生するユニットAを含むポリマーである。上記ユニットAのオニウム塩は、アセタール又はチオアセタール等の特定の構造を有することで、紫外線又は可視光等の上記第2活性エネルギー線に顕著な吸収を持たない。一方で、粒子線又は電磁波等の上記第1活性エネルギー線により発生した酸により、上記オニウム塩は光酸発生剤として機能を損なうことなく、上記オニウム塩のアセタール又はチオアセタール等が脱保護し上記オニウム塩はケトン誘導体へ変換される。該ケトン誘導体は、上記第1活性エネルギー線及び第2活性エネルギー線に吸収を持つ。
そのため、本発明のいくつかの態様のポリマーは、レジスト組成物として用いたときに、粒子線又は電磁波等の第1エネルギー線を照射することで、上記ユニットAのオニウム塩構造が分解しイオン性から非イオン性となる大きな極性変換が起こり、酸が発生する。さらに、上記第1活性エネルギー線が照射された上記組成物中の上記ユニットAのオニウム塩構造は、酸により構造変化することで第2活性エネルギー線に吸収を持つケトン誘導体へ変換される。上記ケトン誘導体が生成した上記組成物に、紫外線又は可視光等の第2活性エネルギー線を照射することで高効率で酸が発生するため、上記組成物は高感度化及びLWR等のパターン特性に優れる。このことから、本発明のいくつかの態様のポリマーは、上記第1活性エネルギー線の照射後、上記第1活性エネルギー線の照射した部分に上記第2活性エネルギー線の照射を行う2段照射を有する工程に用いることが好ましい。上記ケトン誘導体は、レジスト膜中、上記第1活性エネルギー線を照射した照射部に生成しているため、第2活性エネルギー線をさらに照射することで上記第1活性エネルギー線による照射部で酸発生量を増大させることができる。
ユニットAより生じた第1ラジカルは、第1ラジカル同士が結合を形成し、上記ユニットA同士で分子内架橋反応が起こり得る。
本発明のいくつかの態様に係るポリマーを用いてパターンを形成すると、感度及びラインエッジラフネス(LWR)の特性に優れる。
また、本発明のいくつかの態様に係るポリマーは、任意ユニットとして、上記酸触媒反応により脱水する構造を有するユニットB及び上記有機金属化合物含有ユニットCの少なくともいずれかのユニットを含む。
本発明のいくつかの態様のポリマーが上記ユニットBを有する場合は、上記ユニットAのオニウム塩構造の分解により生じた酸により、上記ユニットBの分子内、上記ユニットAと上記ユニットBとの間、上記ユニットB同士、及び、ユニットBと該ユニットBと異なるユニットとの間の少なくともいずれかで脱水反応が起こる。そのため、上記ユニットAと上記ユニットBとを含むポリマーは、ポリマーの少なくとも一部に粒子線又は電磁波で照射することで、上記ユニットAの還元により上記ユニットAからアニオンと第1ラジカルとが発生する。発生したアニオンの一部はプロトンと結合することで酸となる。酸が触媒となって、上記ユニットAと上記ユニットBとの間の反応によりエーテル又はチオエーテル化することで架橋反応が起こり得る。そのため、本発明のいくつかの態様に係るポリマーは、ユニットBを有することが好ましい。
また、本発明のいくつかの態様のポリマーが上記ユニットCを有する場合は、金属のルイス酸性により上記ユニットAの分解により生じる酸の活性低下又は失活が起こり得る。これにより酸拡散制御剤として作用することから、本発明のいくつかの態様に係るポリマーは、ユニットCを有することが好ましい。
(ユニットA)
上記ユニットAとしては、特定のオニウム塩構造を有する。詳しくは、該オニウム塩構造は、ポリマーの少なくとも一部に粒子線又は電磁波に照射することにより極性変換するものであり、上記一般式(2)又は(3)で表されるオニウム塩構造である。具体的には、下記式(1)で示されるものが挙げられる。
本発明において、「極性変換」とは、粒子線又は電磁波の照射により、直接的に又は間接的に、イオン性から非イオン性に極性が変化することを示す。
上記式(1)中のM が、下記一般式(2)及び下記一般式(3)から選択されるいずれかで表される。アセタール部位又はチオアセタール部位を有する特定のオニウム塩構造のユニットAと、酸触媒反応により脱水する構造を有するユニットBと、を含む第1のポリマーをレジスト組成物のポリマーとして用いることで、高感度であり且つラインワイズラフネス(LWR)を抑制できる。
上記式(2)中、R11及びR12は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数2~12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかである。
上記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
上記R11及びR12中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。上記2価のヘテロ原子含有基としては、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-NHCO-、-CONH-、-NH-CO-O-、-O-CO-NH-、-NH-、-N(RSp)-、-N(ArSp)-、-S-、-SO-及び-SO2 等からなる群より選ばれる1種又はその組み合わせが挙げられるが、これに限定されない。ただし、-O-O-、-S-S-及び-O-S-等のヘテロ原子の連続した繋がりを有しないことが好ましく、上記R11及びR12中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されているR11及びR12としては、例えばグリコール鎖やチオグリコール鎖を有する基が挙げられる。
上記窒素原子含有基としては、上記2価のヘテロ原子含有基のうち、窒素原子を含有する基が挙げられる。
上記RSpとしては、直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキル基が挙げられ、ArSpとしては、フェニル基及びナフチル基等の炭素数12以下のアリール基が挙げられる。
11及びR12における置換基(以下、「第1の置換基」ともいう)としては、ヒドロキシ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシ基、アルキル基(-Re)、アルコキシ基(-ORe)、アシル基(-CORe)、アルコキシカルボニル基(-COORe)、アリール基(-Ar)、アリーロキシ基(-OAr)、アミノ基、アルキルアミノ基(-NHRe)、ジアルキルアミノ基(-N(Re)、アリールアミノ基(-NHAr)、ジアリールアミノ基(-N(Ar))、N-アルキル-N-アリールアミノ基(-NReAr)ホスフィノ基、シリル基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基(-Si-(Re)、該トリアルキルシリル基のアルキル基の少なくとも1つがArで置換されたシリル基、アルキルスルファニル基(-SRe)及びアリールスルファニル基(-SAr)等を挙げることができるが、これらに制限されない。
e及びArについては以下に説明する。
上記第1の置換基中の上記Reは、炭素原子数1以上のアルキル基であることが好ましい。また、炭素原子数20以下であることがより好ましい。炭素原子数1以上のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基及びn-デシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、2-エチルエキシル基等の分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタン-1-イル基、アダマンタン-2-イル基、ノルボルナン-1-イル基及びノルボルナン-2-イル基等の脂環式アルキル基;これらの水素の1つがトリメチルシリル基、トリエチルシリル基及びジメチルエチルシリル基等のトリアルキルシリル基で置換されたシリル基置換アルキル基;これらの水素原子の少なくとも1つがシアノ基又はフルオロ基等で置換されたアルキル基;等が好ましく挙げられる。上記アルキル基中の炭素-炭素一重結合が、炭素-炭素二重結合に置き換わっていてもよい。
上記第1の置換基中のArは、アリール基又はヘテロアリール基であることが好ましい。ヘテロアリール基とは、環構造中にヘテロ原子を1つ以上含むアリール基であることが好ましい。上記アリール基又はヘテロアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クアテルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ペンタレニル基、インデニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基、フラニル基、チエニル基、ピラニル基、スルファニルピラニル基、ピロリル基、イミダゾイル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾイル基、ピリジル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾフラニル基、イソクロメニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾイル基、キサンテニル基、アクアジニル基、カルバゾイル基、フラン基、チオフェン基、ピロール基、イミダゾール基、ピラン基、ピリジン基、ピリミジン基及びピラジン基等の炭素原子数20以下のものが好ましく挙げられる。
上記第1の置換基は、さらに第1の置換基を有する基としてもよく、該基はさらに第1の置換基を有してもよい。R11及びR12のアルキル基等が上記第1の置換基を有する場合、R11及びR12の炭素原子数は第1の置換基の炭素原子数も含めて炭素原子数1~20であることが好ましい。第1の置換基がさらに第1の置換基を有する場合又は上記基がさらに第1の置換基を有する場合においてR11及びR12の炭素原子数は、複数の第1の置換基を含めて炭素原子数1~20であることが好ましい。R11及びR12が第1の置換基を有し、該第1の置換基がさらに第1の置換基を有する場合のR11及びR12としては、例えばグリコール鎖やチオグリコール鎖を有する基が挙げられる。
13及びR14は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルキレンオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキレンオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、かつ、これらは置換基を有していてもよい。
1つのR14が、直接結合、メチレン基、酸素原子、硫黄原子及び上記窒素原子含有基からなる群より選択されるいずれかを介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成していてもよい。
13及びR14における置換基(以下、「第2の置換基」ともいう)としては、上記第1の置換基と同様のものが挙げられる。
13及びR14のアルキル基等が上記第2の置換基を有し、且つオニウム塩が低分子化合物である場合、R13及びR14の炭素原子数は第2の置換基の炭素原子数も含めて炭素原子数1~20であることが好ましい。
13及びR14のアルキル基を有するとき、該アルキル基のメチレン基の少なくとも1つが上記2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。ただし、-O-O-、-S-S-及び-O-S-等のヘテロ原子の連続した繋がりを有しないことが好ましい。該メチレン基の少なくとも1つが上記2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよいR13及びR14としては、例えば、2-メトキシエトキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ基、2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ基、2-メトキシプロポキシ基及び3-メトキシプロポキシ基等のポリアルキレンオキシ基;2-メチルチオエチルチオ及び2-エチルチオエチルチオ基等のポリアルキレンチオ基;及び2-メチルチオエトキシ基及び2-エトキシエチルチオ基等のポリアルキレンオキシチオ基;等が挙げられる。しかしながら、本発明のいくつかの態様はこれに限定されない。
好ましいR14としては、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、上記第1の置換基を有するアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等であることが、ケトン誘導体となった際の第2活性エネルギー線の吸収が大きくなるため酸発生効率の観点から好ましい。
14がアリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、上記第1の置換基を有するアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基であるときのR14はアセタール部位又はチオアセタール部位の結合位置に対しパラ位であることが好ましい。これらの置換基がパラ位であるとき、ケトン誘導体となった際に第2活性エネルギー線の吸収が大きくなる傾向がある。
15及びR16は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数2~12のアルケニル基;置換基を有してもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されることが好ましい。
上記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに結合して環構造を形成してもよく、
上記R15及びR16中の少なくとも1つのメチレン基が上記2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
15及びR16における置換基は、上記第1の置換基と同様のものが挙げられる。
は、直接結合;直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキレン基;炭素原子数2~12のアルケニレン基;炭素原子数6~14アリーレン基;炭素原子数4~12のヘテロアリーレン基;及びこれらの基が酸素原子、硫黄原子又は上記窒素原子含有基を介して結合した基;からなる群より選択されることが好ましい。
は、直接結合、メチレン基、硫黄原子、上記窒素原子含有基、及び酸素原子からなる群より選択されることが好ましい。
Yは酸素原子又は硫黄原子である。
hは1~2の整数であり、iは1~3の整数である。
jは、hが1のとき0~3、hが2のとき0~5の整数である。
kは、iが1のとき0~4、iが2のとき0~6、iが3のとき0~8の整数である。
本発明のいくつかの態様において、ユニットAにおけるオニウム塩構造はモノカチオンであることが好ましい。すなわち、上記一般式(2)及び上記一般式(3)中のhが1~2のとき全てにおいて、スルホニウムカチオンはモノカチオンであることが好ましい。上記一般式(2)中のLは、hが1~2のそれぞれにおいて、下記一般式(2-a)~(2-b)の矢印で示すアリーレン上の任意の1つの水素原子と置き換わる。上記一般式(3)中のLも同様に、hが1~2のそれぞれにおいて、下記一般式(3-a)~(3-b)の矢印で示すアリーレン上の任意の1つの水素原子と置き換わる。
11、R12及びR14の中のいずれかの1つの水素並びにR14が結合するアリール環上の水素原子が、上記式(1)中のSpとの結合に置き換えられる。
上記式(3)中、R11~R16、L及びY及は独立して各々に、上記式(2)のR11~R16、L及びY各々と同じ選択肢から選択される。
hは1~2の整数であり、iは1~3の整数である。
jは、hが1のとき0~4、hが2のとき0~6の整数である。
kは、iが1のとき0~5、iが2のとき0~7、iが3のとき0~9の整数である。
及びLは独立して各々に、直接結合、炭素原子数が2のアルケニレン基、炭素原子数が2のアルキニレン基、及びカルボニル基からなる群より選択されるいずれかである。
本発明のいくつかの態様においてユニットAに含まれるオニウム塩構造は、下記に示すスルホニウムカチオンを有するものが例示できる。下記に示すスルホニウムカチオン中の波線は、上記式(1)中のSpと結合部位を示し、同一構造中に複数の波線を有する場合はいずれかが上記Spと結合することが好ましい。しかしながら、本発明のいくつかの態様はこれに限定されない。
1は、水素原子;直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルキル基;及び、直鎖、分岐又は環状の炭素数2~6のアルケニル基;からなる群より選択されるいずれかであり、該R1中の上記アルキル基及びアルケニル基中の少なくとも1つの水素原子が置換基で置換されていてもよい。Rにおける置換基(以下、「第3の置換基」ともいう)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;直鎖又は環状の炭素数1~12のアルキル基;該アルキル基の少なくとも1つのメチレン基に代えて上記ヘテロ原子含有基を骨格に含んだアルキル基;アリール基;及びヘテロアリール基等が挙げられる。
1の炭素数1~6の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基及びn-ヘキシル基等が挙げられる。
1の炭素数1~6の分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、基等が挙げられる。
1の炭素数1~6の環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
1の直鎖、分岐又は環状の炭素数2~6のアルケニル基としては、上記に示す直鎖アルキル基、分岐アルキル基及び環状アルキル基の炭素-炭素一重結合の少なくとも1つが、炭素-炭素二重結合に置換されたものが挙げられる。
また、R1の上記アルキル基及びアルケニル基中の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置換されたフッ化アルキル基及びフッ化アルケニル基であってもよい。全部の水素原子が上記第3の置換基で置換されたものであってもよい。フッ化アルキル基としては、トリフルオロメチル基等が好ましい。
Lは、ポリマーを構成する主鎖と上記オニウム塩構造とを結合できれば特に制限はないが、例えば、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、フェニレンジイル基、ナフタレンジイル基、フェニレンジイルオキシ基、ナフタレンジイルオキシ基、フェニレンジイルカルボニルオキシ基、ナフタレンジイルカルボニルオキシ基、フェニレンジイルオキシカルボニル基及びナフタレンジイルオキシカルボニル基からなる群より選択されるいずれかが挙げられる。
Lとしては、容易に合成できる点から直接結合又はカルボニルオキシ基等が好ましい。
Spは、上記Lと上記オニウム塩とのスペーサーとなり得るものであれば特に制限はないが、例えば、直接結合;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルキレン基;及び置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数2~6のアルケニレン基;のいずれかが挙げられ、上記Sp中の少なくとも1つのメチレン基が上記2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
Spの炭素数1~6の直鎖アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基及びn-ヘキシレン基等が挙げられる。
Spの炭素数1~6の分岐アルキレン基としては、イソプロピレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、tert-ペンチレン基等が挙げられる。
Spの炭素数1~6の環状のアルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基等が挙げられる。
Sp中の少なくとも1つのメチレン基が上記2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。なお、上記Spのアルキレン基の炭素数は、Spが有してもよい置換基の炭素数は含まない。
Spにおける置換基としては、上記第3の置換基と同様のものが挙げられる。
Spの第3の置換基としてのアルキル基、上記2価のヘテロ原子含有基を骨格に含んだアルキル基としては、上記Spのアルキレン基が1価となったアルキル基が挙げられる。
Spの第3の置換基としてのアリール基としては、上記ArSpと同様のものが挙げられる。
Spの第3の置換基としてのヘテロアリール基としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン及びピラジン等の骨格を有する基が挙げられる。
Spは、直接結合でもよいが、ユニットA同士がラジカル再結合する点及びユニットB同士が架橋反応する点等から、分子が動きやすいようにスペーサー構造となるものが好ましい。好ましくは、アルキレン基、アルキレンオキシ基及びアルキレンカルボニルオキシ基等が挙げられる。
上記Mは、上記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、上記窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよいが、該環構造を形成しなくてもよい。環構造を形成する場合のMとしてはフェニルジベンゾチオフェニウム骨格、10-フェニル-9H-チオキサンテン-10-イン骨格及び10-フェニルフェノキサチイン-10-イウム骨格等が挙げられるが、これに限定されない。
は、1価のアニオンであれば特に制限はない。X はヒドロキシル基及びスルファニル基を有する有機基をアニオン構造中に含んでもよいが、含まなくてもよい。
本発明のひとつの態様のユニットAは、上記Mがフェニルジベンゾチオフェニウム骨格等の環構造を有さず、且つ、上記X がアニオン構造中にヒドロキシル基及びスルファニル基を有する有機基を有しないオニウム塩構造であることが好ましい。
としては、アルキルサルフェートアニオン、アリールサルフェートアニオン、アルキルスルホネートアニオン、アリールスルホネートアニオン、アルキルカルボキシレートアニオン、アリールカルボキシレートアニオン、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフォネートアニオン、ジアルキルスルホニルイミドアニオン、トリアルキルスルホネートメチドアニオン、テトラキスフェニルボレートアニオン、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン、1価の金属オキソニウムアニオン、及び、これを含む水素酸アニオンからなる群より選択されるいずれかが挙げられる。X 中のアルキル基及びアリール基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されていてもよい。また、X 中のアルキル基及びアリール基は置換基として、カチオンにジベンゾチオフェニウム骨格を有する場合はヒドロキシル基又はスルファニル基を含まないことが好ましい。
金属オキソニウムアニオンとしては、NiO 及びSbO 等が挙げられる。また、VO 3-、SeO 2-、SeO 2-、MoO 2-、SnO 2-、TeO 2-、TeO 2-、TaO 2-及びWO 2-等の2~3価のものに対し、H、スルホニウムイオン、ヨードニウムイオン及び1~2価の金属カチオン等を適宜付加して価数を1価としたものであってもよい。上記1~2価の金属カチオンとしては、通常のものでよく、例えばNa、Sn2+、Ni2+等が挙げられる。
なお、X が金属オキソニウムアニオンであるとき、該金属が、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、I、Xe、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn及びRaからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。理由としては、粒子線また電磁波に対する感度が向上するからである。金属オキソニウムアニオンとして具体的には、SbF 、SbO 、Sb(OH) 、HWO 等が好ましく挙げられる。
上記ユニットAのアニオンは、フォトレジストパターン形成においてコントラストを向上する点から親水性の高いものであることが好ましい。具体的には、アルキルサルフェートアニオン、アリールサルフェートアニオン、アルキルスルホネートアニオン、アリールスルホネートアニオン、アルキルカルボキシレートアニオン、アリールカルボキシレートアニオン等が挙げられる。これらアニオンは、ヒドロキシル基及びスルファニル基を含まないことが好ましい。
本発明の一つの態様は、上記ポリマー中に上記ユニットAを2種以上有してもよい。例えば、1つは光酸発生剤ユニットA(以下、「ユニットA1」ともいう)として、もう一方は光崩壊性塩基ユニットA(以下、「ユニットA2」ともいう)として使用することも好ましい。上記光崩壊性塩基ユニットA2のX は、アルキルカルボキシレートアニオン、アリールカルボキシレートアニオンであることが好ましい。上記光崩壊性塩基ユニットA2は、上記光酸発生剤ユニットA1と組み合わせて使用することが好ましい。なお、上記ポリマーがユニットA2を有することでLWRが小さくなる効果を有するため、高い解像度が求められる場合に有効である。
本発明のいくつかの態様に係るユニットAが含まれるオニウム塩構造は上記式(2)及び(3)で表される構造であり、365nmのモル吸光係数が1.0×10cm/mol未満であることが好ましく、1.0×10cm/mol未満であることがより好ましい。
また、本発明のいくつかの態様に係るユニットAに含まれるオニウム塩構造のアセタール又はチオアセタールが脱保護したケトン誘導体は、365nmのモル吸光係数が1.0×10cm/mol以上であることが好ましく、1.0×10cm/mol以上であることがより好ましい。
上記ケトン誘導体の365nmのモル吸光係数は、本発明のいくつかの態様に係るユニットAに含まれるオニウム塩構造の365nmのモル吸光係数が5倍以上となることが好ましく、10倍以上となることがより好ましく、20倍以上となることがさらに好ましい。
上記特性とするには、上記式(2)又は(3)で表されるオニウム塩とすればよい。
(ユニットA用モノマーの合成方法)
本発明のひとつの態様であるポリマーに係るユニットAに含まれるスルホニウム塩構造の合成方法について説明する。本発明においてはこれに限定されない。
本発明のひとつの態様であるポリマーに係るユニットAの合成方法としては、例えば、下記に示す合成方法が挙げられる。まず、任意のR17基及びR18基を有するジフェニルスルフィドと任意にR14基を有するベンゾイルクロリド(下記式においてi=1である)とをルイス酸を用いてフリーデル・クラフツ反応させ、ベンゾフェノン誘導体を得る。次いで、スルフィドを酸化してスルホキシドとした後にヒドロキシル基を有するベンゼンとブレンステッド酸をフリーデル・クラフツ反応によりスルホニウムとし、酸触媒を用いてアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化する。次いで、塩基性触媒と(メタ)アクリル酸クロライドを用いて目的のするオニウム塩を得る。この場合、上記R14、R15、R17及びR18は、ここに例示した以外の置換基であっても上述したR14、R15、R17及びR18の範囲であれば同様に得ることができる。
本発明のひとつの態様であるポリマーに係るユニットAの別の合成方法として、例えば、下記に示す合成方法が挙げられる。まず、任意のR17基及びR18基を有するジフェニルスルフィドと任意にR14基を有するベンゾイルクロリド(下記式においてi=1である)とをルイス酸を用いてフリーデル・クラフツ反応させ、ベンゾフェノン誘導体を得る。次いで、スルフィドを酸化してスルホキシドとした後にヒドロキシル基を有するベンゼンとブレンステッド酸をフリーデル・クラフツ反応によりスルホニウムとした後に酸触媒を用いてアルコール(R15OH)を用いてカルボニル基をアセタール化する。次いで、グリニャール試薬を用いてスルホニウム塩構造とした後、対応するアニオンを有する塩を用いて塩交換することにより目的のスルホニウム塩構造を得る。
(ユニットB)
上記ユニットBは、酸触媒反応により脱水する構造を有し、下記一般式(I)又は(II)で示される化合物が該化合物のいずれかの位置で上記式(4)のSp基と結合したユニットが好ましい。該ユニットBは、上記ユニットAとは異なるものである。
下記一般式(I)又は(II)で示される化合物の少なくともいずれかが、該化合物のいずれかの位置で下記式(4)の*部分に結合したものをユニットBとしてポリマーに含む。上記ポリマーが上記ユニットBを含有することで、粒子線又は電磁波に対する感度を向上させることが可能となる。ただし、下記式(4)の*部分に結合する位置としては、下記一般式(I)又は(II)中のヒドロキシ基の位置での結合は除く。
上記一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立に、電子供与性基;及び電子吸引性基;からなる群より選択されるいずれかである。R及びRのうち少なくとも一つは上記電子供与性基であると、酸反応性が向上するため好ましい。
Eは、直接結合;酸素原子;硫黄原子;及びメチレン基;からなる群より選択されるいずれかであることが好ましい。
は、0又は1の整数である。n及びnは、それぞれ1~2の整数である。n+nは2~4である。
が1のときnは0~4の整数である。nが2のときnは0~6の整数である。
が1のときnは0~4の整数である。nが2のときnは0~6の整数である。
が2以上でRが電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのRが、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよい。
が2以上でRが電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのRが、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよい。
上記式(I)において環構造を形成するための2価の窒素原子含有基は、上記2価のヘテロ原子含有基のうち、窒素原子を含有する基が挙げられる。
上記一般式(II)中、Rは、それぞれ独立に、電子供与性基;及び電子吸引性基;からなる群より選択されるいずれかである。Rのうち少なくとも一つは上記電子供与性基であり、上記電子供与性基とすることで酸反応性が向上する。
5aは、水素原子;置換基を有してもよい第1級アルキル基;及び置換基を有してもよい第2級アルキル基;からなる群より選択されるいずれかであり、前記R5a中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
5bは、水素原子;置換基を有してもよいアルキル基;及び置換基を有してもよいアルケニル基;からなる群より選択されるいずれかであり、上記R5b中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
また、R5bは該R5bを有するヒドロキシメチレン基が結合したベンゼン環と共に環構造を形成してもよい。
5aの第1級アルキル基又は第2級アルキル基としては、結合点の炭素が第1級炭素又は第2級炭素を有するアルキル基であればよいが、炭素数1~12の直鎖、分岐又は環状の第1級アルキル基又は第2級アルキル基が好ましく挙げられる。具体的にはR1と同様のアルキル基の中で第1級アルキル基及び第2級アルキル基であるものを挙げることができる。
5bのアルキル基としては炭素数1~12の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。具体的にはR1と同様のアルキル基を上げることができる。
5bのアルケニル基としては炭素数1~12の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。具体的にはR1と同様のアルケニル基を上げることができる。
5a及びR5bが有する置換基としては、上記Rが有する上記第3の置換基と同様のものが挙げられる。
は0~7の整数であり、
は1又は2である。nが1のときn6は0~5の整数である。nが2のときnは0~7の整数である。
が2以上でRが電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのRが、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよい。
上記式(II)において環構造を形成するための2価の窒素原子含有基は、上記2価のヘテロ原子含有基のうち、窒素原子を含有する基が挙げられる。
上記一般式(I)又は(II)で示される化合物として、例えば具体的に下記に示されるものが挙げられる。
上記ユニットBにおいて、上記一般式(I)又は(II)で示される化合物の少なくともいずれかは、該化合物のいずれかの位置で下記式(4)の*部分に結合する。
上記式(4)中、R、L及びSpは、上記一般式(1)と同様である。
、R及びRの電子供与性基としては、アルキル基(-R13);該アルキル基(-R13)の炭素-炭素一重結合の少なくとも1つが炭素-炭素二重結合に置換されたアルケニル基;並びに、水酸基が結合するメチン炭素が結合した芳香環の位置に対してオルト位又はパラ位に結合するアルコキシ基(-OR13)及びアルキルチオ基(-SR13);等が挙げられる。
上記R13は、炭素数1以上のアルキル基であることが好ましい。炭素数1以上のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基及びn-デシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、2-エチルエキシル基等の分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタン-1-イル基、アダマンタン-2-イル基、ノルボルナン-1-イル基及びノルボルナン-2-イル基等の脂環式アルキル基;これらの水素の1つがトリメチルシリル基、トリエチルシリル基及びジメチルエチルシリル基等のトリアルキルシリル基で置換されたシリル基置換アルキル基;上記アルキル基において、上記化合物(I)又は(II)が有する芳香環に直接結合していない炭素原子が持つ水素原子の少なくとも1つがシアノ基又はフルオロ基等で置換されたアルキル基;等が好ましく挙げられる。上記R13は炭素数が4以下であることが好ましい。
、R及びRの電子吸引性基としては、-C(=O)R13a(R13aは置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキル基である。);-C(=O)R13b(R13bは置換基を有していてもよい炭素数6~14のアリール基である。);-C(=O)OR13a;-SO13a;-SO13b;ニトロ基;ニトロソ基、トリフルオロメチル基、水酸基に対してメタ位に置換された-OR13a;水酸基に対してメタ位に置換された-OR13b;水酸基に対してメタ位に置換された-SR13a;水酸基に対してメタ位に置換された-SR13b;及び上記-C(=O)R13a、-C(=O)OR13a、-SO13a及び-SR13a中の炭素-炭素一重結合の少なくとも1つが炭素-炭素二重結合に置換された基又は炭素-炭素三重結合に置換された基;等が挙げられる。
13aとR13bが有してもよい置換基としては、上記Rが有する上記第3の置換基と同様のものが挙げられる。
13aとR13bが置換基を有する場合、R13aの炭素原子数は、置換基の炭素原子数も含めて炭素原子数1~12であることが好ましく、R13bの炭素原子数は、置換基の炭素原子数も含めて炭素原子数6~14であることが好ましい。
本発明の一つの態様のポリマーは、上記一般式(I)又は(II)で表される化合物のいずれかが、該化合物のいずれかの位置で上記式(4)の*部分に結合したユニットBとしてポリマーに含まれた態様である。その場合、上記式(4)の*部分に結合する位置は、R、R及びRのいずれかが好ましい。例えば、上記一般式(I)で表される化合物の場合、R中の1つのHに代えて、上記式(4)の*部分に結合する結合手を有することが好ましい。本発明の一つの態様のポリマーは、R、R及びRのいずれかが結合するアリール環上の炭素原子が上記式(4)の*部分に結合していることが好ましい。
上記ユニットBとして好ましくは、上記式(4)においてRが水素原子又は直鎖のアルキル基であり、Lは、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基又はフェニレンジイル基であるものが挙げられる。
また、上記ユニットBとして、Lが、直接結合、カルボニルオキシ基又はカルボニルアミノ基であり、Spが直接結合であり、Rがメチル基であり、且つ、該メチル基が上記第3の置換基のうち、炭素数1~4アルキル基、ハロゲン原子及びアリール基の少なくともいずれか1つ以上を有するユニットはLWRの観点から好ましい。上記第3の置換基を有するRとして特に好ましいのは、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ハロゲン化メチル基(フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等)及びベンジル基等が挙げられる。
本発明の一つの態様は、上記ポリマー中に上記ユニットBを2種以上有してもよい。
(ユニットC)
上記ユニットCは、Sn、Sb、Ge、Bi、Te、Al、Ni、Zn、Zr及びHfからなる群より選択される金属原子を有する有機金属化合物含有ユニットである。
上記ユニットCに含有される金属原子は、EUV等の第1活性エネルギー線に対して高い吸収を有するものであれば特に限定はされず、上記金属原子以外に周期表第10~16属の原子であってもよい。
上記ユニットCとしては、アルキル及びアリールスズ、アルキル及びアリールアンチモニー、アルキル及びアリールゲルマン、又はアルキル及びアリールビスムチン構造が該構造のいずれかの位置で上記式(4)の*部分に結合したユニットであることが好ましい。該ユニットCは、上記ユニットA及びBとは異なるものである。
ユニットCは、EUV等の第1活性エネルギー線照射による2次電子発生効率が高く上記ユニットA及び任意に含むユニットBの分解効率を上げることが出来る。ユニットCとしては、EUV等の第1活性エネルギー線を高い効率で吸収する上記金属原子を含んでいれば特に制限はないが、例えば具体的には下記に示されるユニットが挙げられる。
上記一般式中、R12aの各々は、独立して、アルキル基からなる群より選択されるいずれかであることが好ましい。R12aとしてのアルキル基は置換基を有していてもよい。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ブチル基、ペンチル基等の炭素数1~5の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記アルキル基が有しても良い置換基としては、ヒドロキシ基、スルホニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
上記式において、2つ以上のR12aが存在するとき、2つのR12aは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、上記2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
は0~4の整数であり、n10は1~5の整数であり、n+n10は5以下の整数である。n10は1~3であることが好ましい。
上記一般式中、R12bは、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素数2~6のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素数6~14のアリール基;及び置換基を有していてもよい炭素数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかである。
12bの直鎖、分岐又は環状のアルキル基としては、上記R1のアルキル基と同様のものが挙げられる。
12bの直鎖、分岐又は環状のアルケニル基としては、上記R1のアルケニル基と同様のものが挙げられる。
12bの炭素数6~14のアリール基としては、上記R11のアリール基と同様のものが挙げられる。R12bの炭素数4~12のヘテロアリール基としては、上記R11のヘテロアリール基と同様のものが挙げられる。
2つ以上のR12bは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、上記2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
また、3つのR12bのうちのいずれか2つが互いに結合して、これらが結合している金属原子と共に環構造を形成してもよい。
12aとR12bが有してもよい置換基としては、上記Rが有する上記第3の置換基と同様のものが挙げられる。
ユニットCとして具体的には、4-ビニルフェニル-トリフェニルスズ、4-ビニルフェニル-トリブチルスズ、4-イソプロペニルフェニル-トリフェニルスズ、4-イソプロペニルフェニル-トリメチルスズ、アクリル酸トリメチルスズ、アクリル酸トリブチルスズ、アクリル酸トリフェニルスズ、メタクリル酸トリメチルスズ、メタクリル酸トリブチルスズ、メタクリル酸トリフェニルスズ、4-ビニルフェニル-ジフェニルアンチモニー、4-イソプロペニルフェニル-ジフェニルアンチモニー、4-ビニルフェニル-トリフェニルゲルマン、4-ビニルフェニル-トリブチルゲルマン、4-イソプロペニルフェニル-トリフェニルゲルマン及び4-イソプロペニルフェニル-トリメチルゲルマン等の構造を含むモノマーから構成されるユニットが挙げられる。
上記ポリマーが上記ユニットCを含有することで、粒子線又は電磁波等の第1活性エネルギー線を照射した際に2次電子の発生効率を向上させることが可能となる。
上記ユニットCとして好ましくは、上記式(4)においてRが水素原子又は直鎖のアルキル基であり、Lは、直接結合、カルボニルオキシ基又はフェニレンジイル基であるものが挙げられる。
また、ユニットCとして、Lが、直接結合、カルボニルオキシ基又はカルボニルアミノ基であり、Spが直接結合であり、Rがメチル基であり、且つ、該メチル基が上記第3の置換基のうち、炭素数1~4アルキル基、ハロゲン原子及びアリール基の少なくともいずれか1つ以上を有するユニットはLWRの観点から好ましい。上記第3の置換基を有するRとして特に好ましいのは、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ハロゲン化メチル基(フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等)及びベンジル基等が挙げられる。
本発明の一つの態様は、上記ポリマー中に上記ユニットCを2種以上有してもよい。
(ユニットD)
本発明の一つの態様におけるポリマーは、上記ユニットA及びB~Cの他に、アリールオキシ基を有するユニット(以下、「ユニットD」ともいう)をさらに含有することも好ましい。上記ユニットDとしては、フェノール構造が該構造のいずれかの位置で上記式(4)の*部分に結合したユニットが好ましい。
ユニットDは、上記ユニットAが発生した酸の発生効率を向上させることができれば特に制限はないが、例えば具体的には、下記に示されるユニットが挙げられる。
上記一般式中、Rの各々は、独立して、アルキル基からなる群より選択されるいずれかであることが好ましい。Rとしてのアルキル基は置換基を有していてもよい。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ブチル基、ペンチル基等の炭素数1~5の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記アルキル基が有しても良い置換基としては、シアノ基等及び上記Rが有する上記第3の置換基と同様のものが挙げられる。
上記式において、2つ以上のRが存在するとき、2つのRは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、上記2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、環構造を形成してもよい。
は0~4の整数である。
ユニットDとして具体的には、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等のモノマーから構成されるものが挙げられる。
上記ポリマーが上記ユニットDを含有することで、酸の発生効率を向上させることが可能となる。
上記ユニットDとして好ましくは、上記式(4)においてRが水素原子又は直鎖のアルキル基であり、Lは、直接結合、カルボニルオキシ基又はフェニレンジイル基であるものが挙げられる。
また、ユニットDとして、Lが、直接結合、カルボニルオキシ基又はカルボニルアミノ基であり、Spが直接結合であり、Rがメチル基であり、且つ、該メチル基が上記第3の置換基のうち、炭素数1~4アルキル基、ハロゲン原子及びアリール基の少なくともいずれか1つ以上を有するユニットはLWRの観点から好ましい。上記第3の置換基を有するRとして特に好ましいのは、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ハロゲン化メチル基(フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等)及びベンジル基等が挙げられる。
本発明の一つの態様は、上記ポリマー中に上記ユニットDを2種以上有してもよい。
(ユニットE)
本発明の一つの態様におけるポリマーは、ハロゲン原子を有する下記式(5)で示されるユニットEをさらに有することが好ましい。該ユニットEは、上記ユニットA及びB~Dとは異なるものである。
上記一般式(5)中、R、L及びSpは、それぞれ上記一般式(4)のR、L及びSpと同じ選択肢から選択されることが好ましい。
は、置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキル基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキレンオキシ基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数2~12のアルケニル基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数2~12のアルケニレンオキシ基;置換基を有していても良い炭素数6~14のアリール基;及び置換基を有していてもよい炭素数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかであり、且つ、炭素原子に置換している水素原子の一部又は全てが、フッ素原子又はヨウ素原子に置換され
ている。
のアルキル基、アルケニル基、アルキレンオキシ基のアルキレン基、アルケニレンオキシ基のアルケニレン基、アリール基及びヘテロアリール基は、上記Spと同様のものが挙げられる。
また、Rの置換基もRの置換基が有する第3の置換基と同様の基が挙げられる。
ユニットEとして具体的には、下記に示すモノマーから得られるユニットが挙げられる。
上記ユニットEとして好ましくは、上記式(5)においてRが水素原子又は直鎖のアルキル基であり、Lは、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基又はフェニレンジイル基であるものが挙げられる。
また、ユニットEとして、Lが、直接結合、カルボニルオキシ基又はカルボニルアミノ基であり、Spが直接結合であり、Rがメチル基であり、且つ、該メチル基が上記第3の置換基のうち、炭素数1~4アルキル基、ハロゲン原子及びアリール基の少なくともいずれか1つ以上を有するユニットはLWRの観点から好ましい。上記第3の置換基を有するRとして特に好ましいのは、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ハロゲン化メチル基(フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等)及びベンジル基等が挙げられる。
本発明の一つの態様は、上記ポリマー中に上記ユニットEを2種以上有してもよい。
(その他のユニット)
本発明の一つの態様におけるポリマーは、上記ユニットA及びB~Eの他に、本発明の効果を損なわない範囲で、レジスト組成物として通常用いられるユニットを有していてもよい。
例えば、上記式(4)の*部分にエーテル基、ラクトン骨格、エステル基、ヒドロキシ基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基等を含有する骨格を有するユニット(以下、「ユニットF」ともいう)が挙げられる。該ユニットFは、上記ユニットA及びB~Eとは異なるものである。
また、上記式(4)の*部分にアルコール性ヒドロキシ基を有する骨格を有するユニット(以下、「ユニットG」ともいう)が挙げられる。該ユニットGは、上記ユニットA及びB~Fとは異なるものである。上記ユニットGが上記ポリマーに含まれることで分子内架橋反応の割合が高まる傾向があるため好ましい。
エポキシ基、グリシジル基及びオキセタニル基等を含有する骨格を有するユニットは、上記ユニットAから発生する酸が強酸を用いた場合、カチオン重合も起こり得るため好ましい。
本発明の一つの態様におけるポリマーは、下記一般式(6)で示されるユニットHを有していてもよい。ユニットHは上記ユニットA及びB~Gとは異なるユニットである。本発明の一つの態様におけるポリマーがユニットHを有することで、粒子線又は電磁波の照射により発生するラジカルの作用でポリマー主鎖が切断されやすくなり、照射境界のポリマー鎖を短くすることができ、LWRを小さくできる効果を有する。
上記一般式(6)中、各置換基は以下であることが好ましい。
10が直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルキル基;及び、直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルケニル基;からなる群より選択されるいずれかであり、該R中の上記アルキル基及びアルケニル基中の少なくとも1つの水素原子が置換基で置換されていてもよく、L10は直接結合であり、Rは上記第3の置換基を有していてもよい炭素数6~12のアリール基であるもの。R10の炭素数1~6のアルキル基及び炭素数1~6のアルケニル基は上記Rの炭素数1~6のアルキル基及び炭素数1~6のアルケニル基と同様の選択肢から選択される。
あるいは、R10がメチル基であり、且つ、該メチル基が上記第3の置換基のうち、炭素数1~4アルキル基、ハロゲン原子及びアリール基の少なくともいずれかを有し、Lが、直接結合、カルボニルオキシ基又はカルボニルアミノ基であり、Rが水素原子又は上記第3の置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキル基であるもの。
また、Lが、直接結合、カルボニルオキシ基又はカルボニルアミノ基であり、Rが水素原子又は直鎖、分岐若しくは環状の炭素数1~6のアルキル基であり、R10がメチル基であり、且つ、該メチル基が上記第3の置換基のうち、炭素数1~4アルキル基、ハロゲン原子及びアリール基の少なくともいずれかを有するもの。上記第3の置換基を有するR10として特に好ましいのは、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ハロゲン化メチル基(フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等)及びベンジル基等が挙げられる。
なお、上記ユニットHは、上記ユニットA及びB~Gとは異なるユニットである。
上記ユニットHは、例えば、α-メチルスチレン誘導体、2-エチルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-ベンジルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-プロピルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-イソプロピルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-ブチルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-sec-ブチルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-フルオロメチルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-クロロメチルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-ブロモメチルアクリル酸及びそのエステル誘導体、2-ヨードメチルアクリル酸及びそのエステル誘導体等のモノマーから誘導され
たユニットが挙げられる。
上記ユニットHとして具体的には、下記に示すモノマー由来のものが挙げられる。
本発明の一つの態様におけるポリマーは、下記一般式(7)で示されるユニットIを有していてもよい。
上記式(7)中、R、L及びSpは、それぞれ上記一般式(4)のR、L、及びSpと同じ選択肢から選択される。
は、置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキルシリル基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキルオキシシリル基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルケニルシリル基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルケニルオキシシリル基;から選択される。炭素原子の一部がケイ素原子及び酸素原子に置換されることで、結合する水素又は炭素が酸素に置き換わったシロキサン結合を含んでいても良い。
が有してもよい置換基としては、上記Rが有する上記第3の置換基と同様のものが挙げられる。
上記ユニットIは、ケイ素を含むことで酸素プラズマのエッチング耐性を高めることができる。さらにポリマー中にユニットIとしてシラン構造を有する場合、上記ユニットBが酸触媒存在下で反応することで水が生じ、該水によりユニットIが加水分解してシラノールとなりシロキサン結合を形成して架橋することで感度や基板密着性を向上できる効果を有するため好ましい。
なお、上記ユニットIは、上記ユニットA及びB~Hとは異なるユニットである。
ユニットIは、例えば、4-トリメチルシリルスチレン、4-トリメトキシシリルスチレン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、8-メタクリルオキシオクチルトリメトキシシラン、3-(3,5,7,9,11,13,15-ヘプタイソブチルペンタサイクリック[9,5,13,9,15,15,17,13]オクタシロキサン-1-イル)プロピルメタクリレート、3-アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、8-アクリルオキシオクチルトリメトキシシラン、3-(3,5,7,9,11,13,15-ヘプタイソブチルペンタサイクリック[9,5,13,9,15,15,17,13]オクタシロキサン-1-イル)プロピルメタクリレート等のモノマーから誘導されたユニットが挙げられる。
本発明の一つの態様におけるレジスト組成物は、粒子線又は電磁波の照射により分子内架橋反応が起こることを特徴とする。そのため、ユニットA以外のオニウム塩構造を有するユニットJを含んでいてもよい。ユニットJとしては、上記ユニットA以外のカチオン構造と、任意のアニオンと、からなるオニウム塩構造が挙げられる。アニオンは特に限定はないが、ユニットJのカチオンとしては下記が挙げられる。
上記ユニットJのカチオンは、上記ユニットA以外のカチオン構造であれば特に制限はないが1価のオニウムカチオンが好ましく、硫黄(S)又はヨウ素(I)からなる群より選択されるいずれかの原子がオニウムカチオンであることが好ましい。
硫黄(S)原子を有するオニウムカチオンとしては、下記一般式(8)に示すスルホニウムカチオンが挙げられる。
上記式(8)中、Ra1~Ra3はそれぞれ独立して、第1の置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状アルキル基、第1置換基を有してもよい直鎖、分岐又は環状アルケニル基、第1置換基を有してもよいアリール基及び第1置換基を有してもよいヘテロアリール基等が挙げられる。
a1~Ra3のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びヘテロアリール基は、上記R11及びR12としてのアルキル基、アルケニル基、アリール基及びヘテロアリール基と同様のものが挙げられる。また、Ra1~Ra3のうちのいずれか2つが、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合している硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
上記2価の窒素原子含有基としては、上記2価のヘテロ原子含有基のうち、窒素原子を含有するものが挙げられる。
上記式(8)中、Ra1~Ra3がアルキル基の場合、炭素原子数は1~15が好ましく、炭素原子数2~10がより好ましい。
上記Ra1~Ra3の直鎖、分岐又は環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基及びn-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、2-エチルエキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記式(8)中、Ra1~Ra3がアルケニル基の場合、炭素原子数は2~15が好ましく、炭素原子数2~10がより好ましい。
上記Ra1~Ra3の直鎖、分岐又は環状のアルケニル基としては、上記に示す直鎖アルキル基、分岐アルキル基及び環状アルキル基の炭素-炭素一重結合の少なくとも1つが、炭素-炭素二重結合に置換されたものが挙げられる。
また、Ra1~Ra3の上記アルキル基及びアルケニル基中の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置換されたフッ化アルキル基及びフッ化アルケニル基であってもよい。全部の水素原子が上記第1の置換基で置換されたものであってもよい。フッ化アルキル基としては、トリフルオロメチル基等が好ましい。
上記式(8)中、Ra1~Ra3がアリール基の場合、炭素原子数は5~14が好ましく、炭素原子数5~10がより好ましい。
上記式(8)中、Ra1~Ra3がヘテロアリール基の場合、炭素原子数は3~14が好ましく、炭素原子数3~10がより好ましい。
上記Ra1~Ra3のヘテロアリール基としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、プリン、キノリン、イソキノリン、クロメン、チアントレン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン及びカルバゾール等の骨格を有する1価の基等が挙げられる。
ヨウ素(I)原子を有するオニウムカチオンとしては、下記式(10)に示すヨードニウムカチオンが挙げられる。
上記式中、Ra4~Ra5は、上記Ra1~Ra3と同様のものが挙げられる。
上記ユニットJは、上記一般式(8)又は(9)で示されるオニウムカチオンのいずれかの位置で上記式(4)中の*で表される結合部位と結合する。
本発明の一つの態様は、上記ポリマー中に上記ユニットJを2種以上有してもよい。
本発明の一つの態様におけるポリマーは、上記ユニットAに対して、モル比でそれぞれ、上記ユニットBが0.2~5であることが好ましく、上記ユニットCが0~2であることが好ましく、上記ユニットDが0~2であることが好ましく、上記ユニットEが0~2であることが好ましく、上記ユニットFが0~2であることが好ましく、上記ユニットGが0~2であることが好ましく、上記ユニットHが0~0.5であることが好ましく、上記ユニットIが0~4であることが好ましく、上記ユニットJが0~2であることが好ましい。
<2>レジスト組成物
本発明の一つの態様のレジスト組成物は、上記ポリマーを含有することを特徴とする。
上記ポリマー以外に、多置換アルコール化合物、有機金属化合物及び有機金属錯体等の成分を任意に含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
レジスト組成物中の上記ポリマーの配合量は、固形分全体で70~100質量%であることが好ましい。
(多置換アルコール化合物)
本発明の一つの態様のレジスト組成物は、上記ポリマーのみ含有する構成であってもよいが、上記ポリマーに加えて、その他の成分、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エリトリトール、アラビトール、1,4-ベンゼンジメタノール及び2,3,5,6-テトラフルオロ-1,4-ベンゼンジメタノール等分子内に2つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物をさらに含有してもよい。レジスト組成物にこれらを含有することで、架橋反応の効率が向上し、粒子線又は電磁波に対する感度を高めることができる。
(有機金属化合物及び有機金属錯体)
本発明の一つの態様のレジスト組成物は、有機金属化合物及び有機金属錯体のいずれかをさらに含有することが好ましい。
上記金属は、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、I、Xe、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn及びRaからなる群より選択される少なくとも1種であることが、上記ユニットA及び上記ユニットBを増感できることから好ましい。
上記有機金属化合物としては、テトラアリール錫、テトラアルキル錫、ビス(アルキルホスフィン)白金等が挙げられる。
有機金属錯体としては、アクリル酸ハフニウム(IV)、アクリル酸ジルコニウム(IV)、アクリル酸ビスマス(III)、酢酸ビスマス(III)、シュウ酸スズ(II)等が挙げられる。
上記有機金属化合物及び有機金属錯体のレジスト組成物中の配合量は、ユニットAに対して0~0.5モル当量であることが好ましい。
(その他の成分)
本発明の一つの態様のレジスト組成物は、いずれの態様においても、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を配合してもよい。配合可能な成分としては、公知の添加剤、例えば、含フッ素はっ水ポリマー、トリオクチルアミン等のクエンチャー、界面活性剤、充填剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、光安定剤、酸化防止剤、イオン補足剤及び溶剤等から選ばれる少なくとも1つを添加してもよい。
上記含フッ素はっ水ポリマーとしては、液浸露光プロセスに通常用いられるものが挙げられ、上記ポリマーよりもフッ素原子含有率が大きい方が好ましい。それにより、レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する場合に、含フッ素はっ水ポリマーのはっ水性に起因して、レジスト膜表面に上記含フッ素はっ水ポリマーを偏在化させることができる。
<3>レジスト組成物の調製方法
本発明の一つの態様のレジスト組成物の調製方法は特に制限はなく、上記ポリマー及びその他の任意成分を混合、溶解又は混練する等の公知の方法により調製することができる。
上記ポリマーは、上記ユニットAを含むポリマーを構成するモノマー、並びに、必要によりその他のユニットを構成するモノマーを通常の方法により適宜重合して合成できる。しかしながら、本発明に係るポリマーの製造方法はこれに限定されない。
<4>デバイスの製造方法
本発明の一つの態様は、上記レジスト組成物を用いて基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、上記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射する工程と、上記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、上記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法である。
上記第1活性エネルギー線の波長が、上記第2活性エネルギー線の波長よりも短いことが好ましい。
フォトリソグラフィ工程において照射に用いる第1活性エネルギー線となる粒子線又は電磁波としては、それぞれ電子線、EUV等が挙げられる。
光の照射量は、光硬化性組成物中の各成分の種類及び配合割合、並びに塗膜の膜厚等によって異なるが、1J/cm以下又は1000μC/cm以下であることが好ましい。
上記粒子線又は電磁波等としては電子線又は極端紫外線であることが好ましい。
上記第2活性エネルギー線としては、365nm以上の波長を有する紫外線又は可視光等が好ましい。第2活性エネルギー線としては、420nm以下であることがさらに好ましい。また、第1活性エネルギー線としては、上記第2活性エネルギー線より高いエネルギーであることが好ましく、ユニットAのオニウム塩から酸等の活性種を発生させることができれば特に制限はない。
上記第1活性エネルギー線を照射する工程と、上記第2活性エネルギー線を照射する工程と、の間に、加熱する工程を含むことが好ましい。加熱の方法としては電熱線又はレーザー等を用いた方法が挙げられる。
また、上記2活性エネルギー線を照射する工程後に、加熱する工程と、該加熱する工程の後に上記第2活性エネルギー線を再度照射する工程と、を含むことも好ましい。これにより、第1活性エネルギー線で生成したケトン誘導体の分解量が増え、感度が高くなる傾向がある。
さらに、第2活性エネルギー線を照射する工程の後に加熱する工程を有していてもよい。該加熱工程も上記第1活性エネルギーを照射する工程と第2活性エネルギー線を照射する工程との間の上記加熱と同様に電熱線又はレーザー等による加熱が挙げられるが、これに制限されない。
パターン形成工程における現像は、通常の現像液を用いることができ、現像液として例えばアルカリ現像液、中性現像液及び有機溶剤現像液等が挙げられる。
また、上記以外の現像液として、水溶性有機溶剤を含む水溶性現像液も好ましく用いられる。上記水溶性有機溶剤としては、水と任意の割合で混合する炭素数1以上の有機化合物が挙げられ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、ジグライム、トリグライム、アセトニトリル、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等が具体的に挙げられる。
上記水溶性現像液は1種以上の水溶性有機溶剤を含むことで水溶液となっていればよく、非水溶性有機溶媒をさらに混合していても良い。上記非水溶性有機溶剤としては、例えば、水と混和しないアルコール類、水と混和しないエーテル類、水と混和しないニトリル類、水と混和しないケトン類、水と混和しない酢酸エチル等のエステル類及び塩化メチレン等の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。
以下、本発明のいくつかの態様を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
<ユニットAを構成する化合物A1の合成>
(合成例1)4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルフィドの合成
フェニルスルフィド4.0gと4-メトキシ安息香酸3.6gとをメタンスルホン酸16gに溶解して25℃とする。これに五酸化二リン1.5gを添加して80℃で15時間撹拌する。純水60gを添加してさらに5分撹拌後、塩化メチレン30gを添加して室温で2時間撹拌する。その後これを分液して、得られた有機層を純水40gで4回洗浄する。回収した有機層を濃縮し、乾固する。得られた固体にメタノール20gを加えて分散洗浄し、固体をろ別して乾燥することで4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルフィドを5.5g得る。
(合成例2)4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルホキシドの合成
上記合成例1で得た4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルフィド5.5gをギ酸17.0gに溶解して35℃とする。これに35質量%過酸化水素水0.88gを滴下して25℃で5時間撹拌する。冷却後、反応液を純水50gに滴下し固体を析出させる。析出した固体をろ別し、純水20gで2回洗浄した後、アセトンを用いて再結晶する。これをろ過した後に乾燥することで4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルホキシドを4.6g得る。
(合成例3)(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例2で得た4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルホキシド4.6gとフェノール1.9gとをメタンスルホン酸12gに溶解して25℃とする。これに五酸化二リン1.0gを添加して室温で15時間撹拌する。純水60gを添加してさらに5分撹拌後、酢酸エチル20gで2回洗浄する。これを分液して、得られた水層にヨウ化カリウム2.5gと塩化メチレン30gとを添加して室温で2時間撹拌する。その後これを分液して、得られた有機層を純水40gで4回洗浄する。回収した有機層を濃縮し、ジイソプロピルエーテル100gに滴下して固体を析出させる。析出した固体をろ別して乾燥することで(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドを5.9g得る。
(合成例4){4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例3で得た(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージド5.9gと硫酸0.10gとをメタノール12gに溶解して25℃とする。これにオルト蟻酸トリメチル2.2gを滴下して3時間攪拌する。トリエチルアミン0.6gを30℃で添加して5分間攪拌後、反応溶液に塩化メチレン35gと純水50gを加え10分間撹拌して有機層を回収する。得られた有機層を純水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを5.4g得る。
(合成例5){4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例4で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージド2.0gとメタクリル酸クロライド0.4gを塩化メチレン12gに溶解して25℃とする。これに、トリエチルアミン0.3gを塩化メチレン1.0gに溶解した溶液を滴下して25℃で2時間撹拌する。撹拌後、純水15gを添加してさらに10分撹拌した後に分液する。有機層を純水15gで2回洗浄した後に、回収した有機層を濃縮し、ジイソプロピルエーテル60gに滴下することで固体を析出させる。析出した固体をろ別した後に乾燥させて{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを2.0g得る。
(合成例6){4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホネート(化合物A1)の合成
上記合成例5で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージド2.0gに塩化メチレン12gを加えて溶解させる。純水10gとノナフルオロブタンスルホン酸カリウム1.1gを添加して25℃で2時間程度撹拌する。これを分液し純水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホネート(化合物A1)を2.3g得る。
<ユニットAを構成する化合物A2の合成>
(合成例7){4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエタンスルホナート(化合物A2)の合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えて1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシスルホン酸ナトリウムを用いる以外は合成例6と同様の操作を行うことで、{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエタンスルホナート(化合物A2)を1.9g得る。
<ユニットAを構成する化合物A3の合成>
(合成例8){4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホナート(化合物A3)の合成
上記合成例6において、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えて4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムを用いる以外は上記合成例6と同様の操作を行うことで、{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-4-(3-ヒドロキシアダマンチルカルボニルオキシ)-1,1,2-トリフルオロブタンスルホナート(化合物A3)を2.6g得る。
<ユニットAを構成する化合物A4の合成>
(合成例9){4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートの合成
上記合成例6において、上記合成例5で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例4で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドにとする以外は上記合成例6と同様の操作を行うことで{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートを2.0g得る。
(合成例10){4-[ジプロピオキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートの合成
上記合成例4において、上記合成例3で得た(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例9で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートを用い、さらにメタノールを1-プロパノールに代える以外は上記合成例4と同様の操作を行うことで{4-[ジプロピオキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートを2.0g得る。
(合成例11){4-[ジプロピオキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A4)の合成
上記合成例5において、上記合成例4で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例10で得た{4-[ジプロポキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートを用いる以外は上記合成例5と同様の操作を行うことによって{4-[ジプロピオキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A4)を1.9g得る。
<ユニットAを構成する化合物A5の合成>
(合成例12){4-[1,3-ジオキセパン-2-イル-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートの合成
上記合成例4において、上記合成例3で得た(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例9で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートを用い、さらにメタノールに代えて1,4-ブタンジオールを用いる以外は上記合成例4と同様の操作を行うことで{4-[1,3-ジオキセパン-2-イル-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートを2.1g得る。
(合成例13){4-[1,3-ジオキセパン-2-イル-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A5)の合成
上記合成例5において、上記合成例4で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例12で得た{4-[1,3-ジオキセパン-2-イル-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナートを用いる以外は上記合成例5と同様の操作を行うことによって{4-[1,3-ジオキセパン-2-イル-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A5)を2.0g得る。
<ユニットAを構成する化合物A6の合成>
(合成例14)9-エチル-3-(4-フルオロベンゾイル)カルバゾールの合成
上記合成例1において、フェニルスルフィドに代えて9-エチルカルバゾールを用い、4-メトキシ安息香酸に代えて4-フルオロ安息香酸を用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことによって、9-エチル-3-(4-フルオロベンゾイル)カルバゾールを5.4g得る。
(合成例15)9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールの合成
上記合成例14で得た9-エチル-3-(4-フルオロベンゾイル)カルバゾール5.0gとベンゼンチオール2.2gとをDMF15gに溶解した後に炭酸カリウム2.8gを添加して60℃で1時間撹拌する。室温に戻してから純水40gを添加して酢酸エチル43gで抽出する。有機層を純水で3回洗浄し、溶媒を留去して粗結晶を得る。粗結晶にイソプロピルエーテルを加えて撹拌し、結晶をろ過して回収して乾燥することで9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールを5.5g得る。
(合成例16)9-エチル-3-(4-フェニルスルフィニルベンゾイル)カルバゾールの合成
上記合成例2において、上記合成例1で得た4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルフィドに代えて上記合成例15で得た9-エチル-3-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)カルバゾールを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことによって9-エチル-3-(4-フェニルスルフィニルベンゾイル)カルバゾールを4.6g得る。
(合成例17)[4-(9-エチルカルバゾール-3-カルボニル)フェニル](4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例3において、上記合成例2で得た4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルホキシドに代えて上記合成例16で得た9-エチル-3-(4-フェニルスルフィニルベンゾイル)カルバゾールを用いる以外は上記合成例3と同様の操作を行うことによって[4-(9-エチルカルバゾール-3-カルボニル)フェニル](4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを5.8g得る。
(合成例18)(4-{ジメトキシ-[4-(9-エチルカルバゾ-3-イル)フェニル]メチル}フェニル)(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例4において、上記合成例3で得た(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例17で得た[4-(9-エチルカルバゾール-3-カルボニル)フェニル](4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例4と同様の操作を行うことによって、(4-{ジメトキシ-[4-(9-エチルカルバゾ-3-イル)フェニル]メチル}フェニル)(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを5.4g得る。
(合成例19)(4-{ジメトキシ-[4-(9-エチルカルバゾ-3-イル)フェニル]メチル}フェニル)(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例5において、上記合成例4で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例18で得た(4-{ジメトキシ-[4-(9-エチルカルバゾ-3-イル)フェニル]メチル}フェニル)(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例5と同様の操作を行うことによって、(4-{ジメトキシ-[4-(9-エチルカルバゾ-3-イル)フェニル]メチル}フェニル)(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを2.0g得る。
(合成例20)(4-{ジメトキシ-[4-(9-エチルカルバゾ-3-イル)フェニル]メチル}フェニル)(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A6)の合成
上記合成例6において、上記合成例5で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例19で得た(4-{ジメトキシ-[4-(9-エチルカルバゾ-3-イル)フェニル]メチル}フェニル)(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例6と同様の操作を行うことによって、(4-{ジメトキシ-[4-(9-エチルカルバゾ-3-イル)フェニル]メチル}フェニル)(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A6)を2.3g得る。
<ユニットAを構成する化合物A7の合成>
(合成例21)4-フルオロ-4'-フェニルスルファニルベンゾフェノンの合成
上記合成例1において、4-メトキシ安息香酸に代えて4-フルオロ安息香酸を用いる以外は上記合成例1と同様の操作を行うことによって、4-フルオロ-4'-フェニルスルファニルベンゾフェノンを5.0g得る。
(合成例22)4-フルオロ-4'-フェニルスルフィニルベンゾフェノンの合成
上記合成例2において、上記合成例1で得た4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルフィドに代えて上記合成例21で得た4-フルオロ-4'-フェニルスルファニルベンゾフェノンを用いる以外は上記合成例2と同様の操作を行うことによって、4-フルオロ-4'-フェニルスルフィニルベンゾフェノンを4.0g得る。
(合成例23)4-フェニルスルファニル-4'-フェニルスルフィニルベンゾフェノンの合成
上記合成例15において、上記合成例14で得た9-エチル-3-(4-フルオロベンゾイル)カルバゾールに代えて上記合成例22で得た4-フルオロ-4'-フェニルスルフィニルベンゾフェノンを用いる以外は合成例15と同様の操作を行うことによって、4-フェニルスルファニル-4'-フェニルスルフィニルベンゾフェノンを4.3g得る。
(合成例24)(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例3において、上記合成例2で得た4-(4-メトキシベンゾイル)フェニルフェニルスルホキシドに代えて上記合成例23で得た4-フェニルスルファニル-4'-フェニルスルフィニルベンゾフェノンを用いる以外は合成例3と同様の操作を行うことによって、(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドを5.5g得る。
(合成例25){4-[ジメトキシ-(4-フェニルスルファニルフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例4において、上記合成例3で得た(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成実験24で得た(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例4と同様の操作を行うことによって、{4-[ジメトキシ-(4-フェニルスルファニルフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを5.2g得る。
(合成例26){4-[ジメトキシ-(4-フェニルスルファニルフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例5において、上記合成例4で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例25で得た{4-[ジメトキシ-(4-フェニルスルファニルフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例5と同様の操作を行うことによって、{4-[ジメトキシ-(4-フェニルスルファニルフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを2.0g得る。
(合成例27){4-[ジメトキシ-(4-フェニルスルファニルフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A7)の合成
上記合成例6において、上記合成例5で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例26で得た{4-[ジメトキシ-(4-フェニルスルファニルフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例6と同様の操作を行うことによって、{4-[ジメトキシ-(4-フェニルスルファニルフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A7)を2.3g得る。
<ユニットAを構成する化合物A8の合成>
(合成例28)ジフェニル[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]スルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例1において、フェノールに代えてベンゼンを用いる以外は合成例3と同様の操作を行うことによって、ジフェニル[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]スルホニウム-ヨージドを5.3g得る。
(合成例29)ジフェニル[4-(4-ヒドロキシベンゾイル)フェニル]スルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例28で得たジフェニル[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]スルホニウム-ヨージド3.0gを酢酸30mlに添加して110℃とした後に48質量%臭化水素酸水溶液2.2gを滴下して18時間攪拌する。その後、25℃に冷却してから純水60mlと塩化メチレン40gを添加して撹拌する。これを分液して水で3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで粗結晶を得る。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=80/20(体積比))により精製することで、ジフェニル[4-(4-ヒドロキシベンゾイル)フェニル]スルホニウム-ヨージドを2.5g得る。
(合成例30){4-[ジメトキシ-(4-ヒドロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例4において、上記合成例3で得た(4-ヒドロキシフェニル)[4-(4-メトキシベンゾイル)フェニル]フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例29で得たジフェニル[4-(4-ヒドロキシベンゾイル)フェニル]スルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例4と同様の操作を行うことによって、{4-[ジメトキシ-(4-ヒドロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ヨージドを2.4g得る。
(合成例31){4-[ジメトキシ-(4-メタクロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例5において、上記合成例4で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例30で得た{4-[ジメトキシ-(4-ヒドロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例5と同様の操作を行うことによって、{4-[ジメトキシ-(4-メタクロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ヨージドを2.3g得る。
(合成例32){4-[ジメトキシ-(4-メタクロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A8)の合成
上記合成例6において、上記合成例5で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例31で得た{4-[ジメトキシ-(4-メタクロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例6と同様の操作を行うことによって、{4-[ジメトキシ-(4-メタクロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A8)を2.3g得る。
(合成例33)(4-{ジメトキシ-[4-(3-ヒドロキシプロピル-1-オキシ)フェニル]メチル}フェニル)ジフェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例30で得た{4-[ジメトキシ-(4-ヒドロキシフェニル)メチル]フェニル}ジフェニルスルホニウム-ヨージド4.0gと3-ブロモ-1-プロパノール1.5gをDMF30gに溶解した後に炭酸カリウム1.5gを添加して60℃で3時間撹拌する。室温に戻してから純水40gを添加して酢酸エチル43gで抽出する。有機層を純水で3回洗浄し、溶媒を留去して粗結晶を得る。粗結晶にイソプロピルエーテルを加えて撹拌し、結晶をろ過して回収して乾燥することで、(4-{ジメトキシ-[4-(3-ヒドロキシプロピル-1-オキシ)フェニル]メチル}フェニル)ジフェニルスルホニウム-ヨージドを3.5g得る。
(合成例34)(4-{ジメトキシ-[4-(3-メタクロキシプロピル-1-オキシ)フェニル]メチル}フェニル)ジフェニルスルホニウム-ヨージドの合成
上記合成例5において、上記合成例4で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成実験33で得た(4-{ジメトキシ-[4-(3-ヒドロキシプロピル-1-オキシ)フェニル]メチル}フェニル)ジフェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例5と同様の操作を行うことによって、(4-{ジメトキシ-[4-(3-メタクロキシプロピル-1-オキシ)フェニル]メチル}フェニル)ジフェニルスルホニウム-ヨージドを2.0g得る。
(合成例35)(4-{ジメトキシ-[4-(3-メタクロキシプロピル-1-オキシ)フェニル]メチル}フェニル)ジフェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A9)の合成
上記合成例6において、上記合成例5で得た{4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル}(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-ヨージドに代えて上記合成例34で得た(4-{ジメトキシ-[4-(3-メタクロキシプロピル-1-オキシ)フェニル]メチル}フェニル)ジフェニルスルホニウム-ヨージドを用いる以外は上記合成例6と同様の操作を行うことによって、(4-{ジメトキシ-[4-(3-メタクロキシプロピル-1-オキシ)フェニル]メチル}フェニル)ジフェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホナート(化合物A9)を2.3g得る。
<ユニットBを構成する化合物B1の合成>
(合成例36)2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾヒドロールの合成
2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾフェノン6.0gをTHF32gに溶解し、これに水素化リチウムアルミニウム2.2gを添加し室温で3時間攪拌する。その後、純水6gを水素の発生を確認しながら添加後さらに10分攪拌する。5質量%シュウ酸ナトリウム水溶液を添加して10分撹拌後に酢酸エチル30gを添加して分液する。これを水10gで3回洗浄後に回収した有機層を濃縮することで2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾヒドロール5.9gを得る。
(合成例37)2,4-ジメトキシ-4'-メタクリルオキシヒドロキシベンゾヒドロール(化合物B1)の合成
上記合成例36で得た2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾヒドロール4.0gとメタクリル酸無水物4.2gとを塩化メチレン40gに溶解して25℃とする。これに、トリエチルアミン2.8gを塩化メチレン7gに溶解した溶液を滴下して25℃で2時間撹拌する。撹拌後、純水20gを添加してさらに10分撹拌した後に分液する。有機層を純水20gで2回洗浄した後に回収した有機層を濃縮し、得られた有機層を溶媒留去した後にカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=15/85(体積比))により精製することで、2,4-ジメトキシ-4'-メタクリルオキシヒドロキシベンゾヒドロール(化合物B1)を2.6g得る。
<ユニットBを構成する化合物B2の合成>
(合成例38)4-ヒドロキシベンゾヒドロールの合成
上記合成例36において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾフェノンに代えて4-ヒドロキシベンゾフェノンを用いる以外は上記合成例36と同様の操作を行うことで、4-ヒドロキシベンゾヒドロールを3.5g得る。
(合成例39)4-メタクリルオキシヒドロキシベンゾヒドロール(化合物B2)の合成
上記合成例37において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾヒドロールに代えて合成例38で得た4-ヒドロキシベンゾヒドロールを用い、濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=10/90(体積比))により精製すること以外は上記合成例37と同様の操作を行うことで、4-メタクリルオキシヒドロキシベンゾヒドロール(化合物B2)を3.5g得る。
<ユニットBを構成する化合物B3の合成>
(合成例40)1-(4-ヒドロキシフェニル)エタノールの合成
上記合成例36において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾフェノンに代えて4-ヒドロキシアセトフェノンを用いる以外は上記合成例36と同様の操作を行うことで、1-(4-ヒドロキシフェニル)エタノールを2.7g得る。
(合成例41)1-(4-メタクリルオキシフェニル)エタノール(化合物B3)の合成
上記合成例37において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンズヒドロールに代えて上記合成例40で得た2-ヒドロキシベンズヒドロールを用い、濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=10/90(体積比))により精製すること以外は上記合成例37と同様の操作を行うことで、2-メタクリルオキシヒドロキシベンズヒドロール(化合物B3)を3.5g得る。
<ユニットBを構成する化合物B4の合成>
(合成例42)2,4-ジメトキシ-4'-(2-ビニルオキシ)エトキシベンゾフェノンの合成
2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシ-ベンゾフェノン4.0gと2-クロロエチルビニルエーテル4.8gと炭酸カリウム6.4gとをジメチルホルムアミド24gに溶解する。混合物を110℃で15時間攪拌する。そして、混合物を25℃に冷却し、水60gの添加後さらに攪拌した後トルエン24gで抽出し、水10gで3回洗浄後に回収した有機層を濃縮し、得られた有機層を溶媒留去した後にカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=10/90(体積比))により精製することで、2,4-ジメトキシ-4'-(2-ビニルオキシ)エトキシベンゾフェノン5.4gを得る。
(合成例43)2,4-ジメトキシ-4'-(2-ヒドロキシ)エトキシベンゾフェノンの合成
上記合成例42で得た2,4-ジメトキシ-4'-(2-ビニルオキシ)エトキシベンゾフェノン5.4gとピリジニウム-p-トルエンスルホン酸0.42gと純水4.2gとをアセトン36gに溶解する。混合物を35℃で12時間攪拌する。そして、3質量%炭酸ナトリウム水溶液添加後に混合物をさらに攪拌後に酢酸エチル42gで抽出し、水10gで3回洗浄後に回収した有機層を濃縮することで、2,4-ジメトキシ-4'-(2-ヒドロキシ)エトキシベンゾフェノン4.3gを得る。
(合成例44)2,4-ジメトキシ-4'-(2-ヒドロキシ)エトキシベンゾヒドロールの合成
上記合成例36において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾフェノンに代えて上記合成例43で得た2,4-ジメトキシ-4'-(2-ヒドロキシ)エトキシベンゾフェノンを用いる以外は上記合成例36と同様の操作を行うことで、2,4-ジメトキシ-4'-(2-ヒドロキシ)エトキシベンゾヒドロールを2.7g得る。
(合成例45)2,4-ジメトキシ-4'-(2-メタクリルオキシ)エトキシベンゾヒドロール(化合物B4)の合成
上記合成例37において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンズヒドロールに代えて上記合成例44で得た2,4-ジメトキシ-4'-(2-ヒドロキシ)エトキシベンゾヒドロールを用い、濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=10/90(体積比))により精製すること以外は上記合成例37と同様の操作を行うことで、2,4-ジメトキシ-4'-(2-メタクリルオキシ)エトキシベンゾヒドロール(化合物B4)を3.5g得る。
<ユニットBを構成する化合物B5の合成>
(合成例46)1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)メタノールの合成
上記合成例36において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾフェノンに代えて3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒドを用いる以外は上記合成例36と同様の操作を行うことで、1-(4-ヒドロキシフェニル)メタノールを2.7g得る。
(合成例47)1-(3-メタクリルオキシ-4-メトキシフェニル)メタノール(化合物B5)の合成
上記合成例37において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンズヒドロールに代えて上記合成例46で得た1-(4-ヒドロキシフェニル)メタノールルを用い、濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=10/90(体積比))により精製すること以外は上記合成例37と同様の操作を行うことで、1-(3-メタクリルオキシ-4-メトキシフェニル)メタノール(化合物B5)を2.1g得る。
<ユニットBを構成する化合物B6の合成>
(合成例48)4-ヒドロキシ-4'-メトキシベンゾヒドロールの合成
上記合成例36において、2,4-ジメトキシ-4'-ヒドロキシベンゾフェノンに代えて4-ヒドロキシ-4'-メトキシベンゾフェノンを用いる以外は上記合成例36と同様の操作を行うことで、4-ヒドロキシ-4'-メトキシベンゾヒドロールを3.5g得る。
(合成例49)4-メタクリルオキシ-4'-メトキシベンゾヒドロール(化合物B6)の合成
上記合成例39において、4-ヒドロキシベンゾヒドロールに代えて上記合成例48で得た4-ヒドロキシ-4'-メトキシベンゾヒドロールを用いる以外は上記合成例39と同様の操作を行うことで、4-メタクリルオキシ-4'-メトキシベンゾヒドロール(化合物B6)を3.5g得る。
<ユニットCを構成する化合物C1の合成>
(合成例56)4-ビニルフェニル-トリフェニルスズ(化合物C1)の合成
あらかじめ水分を除去したフラスコにマグネシウム1.2gとTHF6gとを加える。これに、4-ビニルブロモベンゼン6.0gをTHF12.0gに溶解した溶液を1時間かけて滴下する。滴下後に1時間撹拌した後、得られた4-ビニルフェニルマグネシウムブロミド溶液を別途準備した塩化トリフェニルスズ7.3gとTHF36gとを加えたフラスコ中に5℃で30分間かけて滴下する。滴下後、30分撹拌した後に1質量%塩化アンモニウム水溶液600gを加えて、さらに10分間撹拌する。その後、THFを留去し、トルエン60gを用いて抽出する。これを分液し、得られた有機層を純水60gで3回洗浄する。その後、分液して得られた有機層を溶媒留去した後にカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=5/95(体積比))により精製することで、4-ビニルフェニル-トリフェニルスズ(化合物C1)を5.6g得る。
<ユニットCを構成する化合物C2の合成>
(合成例57)4-イソプロペニルフェニル-トリフェニルスズ(化合物C2)の合成
4-ビニルブロモベンゼンに代えて4-イソプロペニルブロモベンゼンを用いる以外は上記合成例56と同様の操作を行うことで、4-イソプロペニルフェニル-トリフェニルスズ(化合物C2)を7.1g得る。
<ユニットCを構成する化合物C3の合成>
(合成例58)4-ビニルフェニル-トリメチルスズ(化合物C3)の合成
塩化トリフェニルスズに代えて塩化トリブチルスズを用いる以外は上記合成例56と同様の操作を行うことで、4-ビニルフェニル-トリブチルスズ(化合物C3)を3.1g得る。
<ユニットCを構成する化合物C4の合成>
(合成例58)3,5-ビス(トリメチルスタンニル)スチレン(化合物C4)の合成
塩化トリフェニルスズに代えて塩化トリブチルスズを用い、4-ビニルブロモベンゼンに代えて3,5-ジブロモスチレンを用いる以外は上記合成例56と同様の操作を行うことで、4-ビニルフェニル-トリブチルスズ(化合物C4)を4.0g得る。
<ユニットCを構成する化合物C5の合成>
(合成例59)4-ビニルフェニル-トリフェニルゲルマン(化合物C5)の合成
塩化トリフェニルスズに代えて塩化トリフェニルゲルマニウムを用いる以外は上記合成例56と同様の操作を行うことで、4-ビニルフェニル-トリブチルゲルマン(化合物C5)を3.1g得る。
<ポリマー1の合成>
(合成例50)ポリマー1の合成
ユニットAを構成する上記化合物A1を4.0gと、化合物A10を0.8gと、重合開始剤としてジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.71gと、α-チオグリセロール0.15gとを、シクロヘキサノン9gとγ-ブチロラクトン13gとの混合溶液に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ80℃に加熱したγ-ブチロラクトン4gとシクロヘキサノン4gとの混合液に4時間かけて滴下する。滴下後に2時間撹拌してその後に冷却する。冷却後に90gの酢酸エチルに滴下することで再沈殿する。これをろ過した後に20質量%メタノール水溶液40g中で10分撹拌後にろ過し、真空乾燥することで目的のポリマー1を2.9g得る。
なお、上記化合物A10は4-[ジメトキシ-(4-メトキシフェニル)メチル]フェニル(4-メタクロキシフェニル)フェニルスルホニウム-サリチレートである。
<ポリマー2の合成>
(合成例50)ポリマー2の合成
ユニットAを構成する上記化合物A1を3.0gと、上記化合物A10を1.2gと、ユニットBを構成する化合物B1を1.8gと、重合開始剤としてジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.71gと、α-チオグリセロール0.15gとを、シクロヘキサノン9gとγ-ブチロラクトン13gとの混合溶液に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ80℃に加熱したγ-ブチロラクトン4gとシクロヘキサノン4gとの混合液に4時間かけて滴下する。滴下後に2時間撹拌してその後に冷却する。冷却後に90gの酢酸エチルに滴下することで再沈殿する。これをろ過した後に20質量%メタノール水溶液40g中で10分撹拌後にろ過し、真空乾燥することで目的のポリマー2を4.1g得る。
<ポリマー3の合成>
(合成例50)ポリマー3の合成
ユニットAを構成する化合物A1を4.0gと、ユニットCを構成する化合物C1を1.5gと、重合開始剤としてジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.71gと、α-チオグリセロール0.15gとを、シクロヘキサノン7gとγ-ブチロラクトン11gとの混合溶液に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ80℃に加熱したγ-ブチロラクトン4gとシクロヘキサノン4gとの混合液に4時間かけて滴下する。滴下後に2時間撹拌してその後に冷却する。冷却後に90gの酢酸エチルに滴下することで再沈殿する。これをろ過した後に20質量%メタノール水溶液40g中で10分撹拌後にろ過し、真空乾燥することで目的のポリマー2を3.9g得る。
<ポリマー4の合成>
(合成例50)ポリマー4の合成
ユニットAを構成する化合物A1を3.0gと、ユニットBを構成する化合物B1を1.8gと、ユニットCを構成する化合物C1を2.1gと、重合開始剤としてジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.71gと、α-チオグリセロール0.15gとを、シクロヘキサノン9gとγ-ブチロラクトン13gとの混合溶液に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ80℃に加熱したγ-ブチロラクトン4gとシクロヘキサノン4gとの混合液に4時間かけて滴下する。滴下後に2時間撹拌してその後に冷却する。冷却後に90gの酢酸エチルに滴下することで再沈殿する。これをろ過した後に20質量%メタノール水溶液40g中で10分撹拌後にろ過し、真空乾燥することで目的のポリマー2を5.3g得る。
<ポリマー5~8及び比較ポリマー1~4の合成>
(合成例51)
上記合成例50に倣い、ユニットAを構成する上記化合物A1、A2及びA6~A7、又は、比較ユニットAとなる化合物a1~a2と、ユニットBを構成する上記化合物B1、B2及びB4と、ユニットCを構成する上記化合物C1~C3と、を用いて、ポリマー5~8、比較ポリマー1~比較ポリマー4を合成した。合成した各ポリマーの詳細を表1に示す。
化合物a1:(4-メタクリルオキシ)フェニルジフェニルスルホニウム-ノナフルオロブタンスルホネート(下記に示す)
化合物a2:(4-メタクリルオキシ)フェニルジフェニルスルホニウム-サリチレート(下記に示す)
<レジスト組成物の調製>
上記ポリマーのうちポリマー1~6及び比較ポリマー1~4のいずれかのポリマー50mgをシクロヘキサノン及びγ-ブチロラクトンを9:1の比率で混合した溶媒に溶解して、実施例1~6及び比較例1~4の各レジスト組成物のサンプル2、4~6、8~10及び比較サンプル1、3、5及び7を調製する。各サンプルで用いたポリマーを表2~表5に示す。
<現像液の調製>
現像液を以下のようにして調製した。
(1)上記各ポリマー1~6及び比較ポリマー1~4を溶解したレジスト組成物の各サンプル2、4~6、8~10及び比較サンプル1、3、5及び7を用いて、スピンコート法によって膜厚100nmとなるように組成物を塗布したフィルムを準備する。
(2)アセトニトリル濃度が0~80質量%のアセトニトリル水溶液を準備する。
(3)上記(1)で得られた各フィルムを各アセトニトリル水溶液に含浸させ、フィルムに塗布した組成物が30秒以内で完全に溶解するアセトニトリル水溶液のアセトニトリルの最低濃度を求める。
(4)上記(3)で求めたアセトニトリルの最低濃度に対して5質量%増加した濃度となるアセトニトリル水溶液をレジスト組成物の各サンプルに対する現像液とする。
<電子線感度評価1>
シリコンウェハ上に上記レジスト組成物の比較サンプル1をスピンコートする。これを110℃のホットプレート上に1分間プレベークすることで、厚さ50nmの塗布膜が形成された基板を得る。
上記基板の塗布膜に対し、電子線描画装置((株)エリオニクス製 ELS-F100T)を用いて、125keVの電子線により50nmラインアンドスペースパターンを描画する。電子線照射後の基板を、365nmのUV-LEDによって1000mJ/cmの照射量で全面照射した後、基板を90℃のホットプレートで1分間ポストエクスポージャーベイク(PEB)する。その後、レジスト組成物の比較サンプル1用に最適化した上記現像液をパターニング用現像液として用いて1分間現像し、その後に純水でリンスすることで50nmのライン&スペースパターンを得る。走査型電子顕微鏡(SEM)((株)日立ハイテク製 S-5500)を用いて観察して、50nm(±1nm)のラインが得られたときの照射量をEmax[μC/cm]として電子線照射による感度を求める。
上記サンプル2に対しても、上記比較サンプル1と同様にして感度の評価を行う。なお、サンプル2の感度は、上記比較サンプル1(比較例1)の感度を基準値として感度を比較し、相対感度として得た。相対感度は、数値が小さいほど優れた効果を有することを示す。結果を表2に示す。なお、ポリマー1はユニットAに相当するものを2種使用しているが1種であってもポリマー1と同様の感度が得られる。
上記サンプル4及び比較サンプル3に対しても、上記比較サンプル1と同様にして感度の評価を行う。なお、各サンプルの感度は、上記比較サンプル1(比較例1)の感度を基準値としてサンプル4の感度を比較し、相対感度として得た。結果を表3に示す。
上記サンプル6及び比較サンプル5に対しても、上記比較サンプル1と同様にして感度の評価を行う。なお、各サンプルの感度は、上記比較サンプル5(比較例3)の感度を基準値としてサンプル6の感度を比較し、相対感度として得た。結果を表4に示す。
上記サンプル8~10及び比較サンプル7に対しても、上記比較サンプル1と同様にして感度の評価を行う。なお、各サンプルの感度は、上記比較サンプル7(比較例4)の感度を基準値として各サンプル8~10の感度を比較し、相対感度として得た。結果を表5に示す。
実施例1~6はいずれのポリマーもユニットAのカチオンにアセタール構造を有する。該構造を有することでEB照射により発生した酸による触媒反応で分解してケトン誘導体を生成し該ケトン誘導体が365nm以上のUVを吸収することが出来る。本発明の一つの態様であるポリマーを有するサンプルは、EB照射後のUV照射によりユニットAが分解して酸が発生するため酸発生効率が向上し、同様のユニット組成比からなる比較例1~4より10~25%感度が高い。
ユニットBはEB照射により発生した酸による触媒反応で脱水反応により2分子がエーテル化により架橋することで現像液に溶けにくくなるため、ユニットBを有する比較例2は1よりも相対的に感度が高い。ユニットBの反応によって生成する水はユニットAが酸触媒反応による加水分解反応でケトン誘導体を生成する効率を高めるため、実施例1と比較例1の比較では10%感度が高くなるのに対して、実施例2はUV照射によって比較例2よりも20%以上感度が高い。
ユニットCはスズのルイス酸性を利用してEB照射により発生した酸の活性を失活するため、実施例1よりも感度がよく、また、実施例1や実施例2のように酸拡散制御剤を添加せずにパターンを形成できる。金属を含むことでレジスト膜の密度が向上するためEB照射による2次電子発生効率が向上する。また、EUVの吸収が高いためEUV照射においても同様に2次電子発生効率を向上させる効果が期待できる。ユニットCを有する実施例3は2次電子の発生効率が高く酸を効率良く生成することでケトン誘導体を生成する効率を高めるため、実施例1と比較例1の比較では10%感度が高くなるのに対して、実施例3はUV照射によって比較例3よりも20%感度が高い。
実施例5及び6で用いたポリマー5及び6は、ユニットAがそれぞれ化合物A6及びA7由来である。化合物A6及びA7は、酸により分解して生成するケトン誘導体が、実施例1で用いた化合物A1由来のケトン誘導体よりも365nm以上の吸収が大きくなる。その理由としてはアリールスルファニル基や置換基を有するアミノ基をカルボニル基のパラ位に有するためである。それにより、UV吸収が長波長になり第二活性エネルギー線である365nmのUVでの分解効率が高くなる傾向があり、実施例4と比較してさらに10~15%感度が高い。
<電子線感度評価2>
シリコンウェハ上に上記レジスト組成物の比較サンプル11をスピンコートする。これを110℃のホットプレート上に1分間プレベークすることで、厚さ50nmの塗布膜が形成された基板を得る。
上記基板の塗布膜に対し、電子線描画装置((株)エリオニクス製 ELS-F100T)を用いて、125keVの電子線により50nmラインアンドスペースパターンを描画する。電子線照射後の基板を90℃のホットプレートで1分間ポストエクスポージャーベイク(PEB)する。その後基板を365nmのUV-LEDによって1000mJ/cmの照射量で全面照射した後、レジスト組成物の比較サンプル11用に最適化した上記現像液をパターニング用現像液として用いて1分間現像し、その後に純水でリンスすることで50nmのライン&スペースパターンを得る。走査型電子顕微鏡(SEM)((株)日立ハイテク製 S-5500)を用いて観察して、50nmのラインが得られたときの照射量をEmax[μC/cm]として電子線照射による感度を求める。
下記サンプル12に対しても、上記比較サンプル11と同様にして感度の評価を行う。なお、サンプル12の感度は、上記比較サンプル11(比較例5)の感度を基準値として感度を比較し、相対感度として得た。結果を表6に示す。
本発明の一つの態様であるポリマー4は、第1活性エネルギー線照射後に加熱を行うことで、EB照射によって生じるケトン誘導体に加えて、UV照射前の加熱によって酸触媒反応によるアセタールの分解でもケトン誘導体が生成する。そのため、その後のUV照射でケトン誘導体の分解量が増える傾向があることが実施例7と比較例5の結果より推測される。そのため、実施例7は比較例5より相対感度が高い。また実施例7はUV照射前に加熱するため、UV照射前に加熱を実施しない実施例4よりも感度が高い。
<電子線感度評価3>
シリコンウェハ上に上記レジスト組成物の比較サンプル13をスピンコートする。これを110℃のホットプレート上に1分間プレベークすることで、厚さ50nmの塗布膜が形成された基板を得る。
上記基板の塗布膜に対し、電子線描画装置((株)エリオニクス製 ELS-F100T)を用いて、125keVの電子線により50nmラインアンドスペースパターンを描画する。その後、基板を365nmのUV-LEDによって1000mJ/cmの照射量で全面照射した後、UV後の基板を90℃のホットプレートで1分間ポストエクスポージャーベイク(PEB)する。その後再び基板を365nmのUV-LEDによって1000mJ/cmの照射量で全面照射した後、レジスト組成物の比較サンプル13用に最適化した上記現像液をパターニング用現像液として用いて1分間現像し、その後に純水でリンスすることで50nmのライン&スペースパターンを得る。走査型電子顕微鏡(SEM)((株)日立ハイテク製 S-5500)を用いて観察して、50nmのラインが得られたときの照射量をEmax[μC/cm]として電子線照射による感度を求める。
下記サンプル14に対しても、上記比較サンプル13と同様にして感度の評価を行う。なお、サンプル14の感度は、上記比較サンプル13(比較例6)の感度を基準値として感度を比較し、相対感度として得た。結果を表7に示す。
本発明の一つの態様であるポリマー4は、第1活性エネルギー線照射後にUV照射することで生じるケトン誘導体に加えて、1度目のUV照射の後の加熱によって酸触媒反応によるアセタールの分解でもケトン誘導体が生成する。そのため、その後の2度目のUV照射でさらにケトン誘導体が分解しやすい傾向があることが実施例8と比較例6の結果より推測される。そのため、実施例8は比較例6より相対感度が高い。また実施例8は、UV照射を2回し且つ2回目のUV照射前に加熱しているため実施例4及び実施例7のいずれの場合よりも感度が高くなる。
本発明のいくつかの態様により、EUV又は電子線等の粒子線又は電磁波の吸収効率が大きく、感度に優れたポリマー、該ポリマーを含有するレジスト組成物を提供することができる。

Claims (12)

  1. オニウム塩構造を有するユニットAを含むポリマーであって、前記ユニットAが下記式(1)で示されるユニットである、ポリマー。
    (前記一般式(1)中、
    は、水素原子;直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルキル基;及び直鎖、分岐又は環状の炭素数2~6のアルケニル基;からなる群より選択されるいずれかであり、該R中の前記アルキル基及びアルケニル基中の少なくとも1つの水素原子が置換基で置換されていてもよく、
    Lは、直接結合、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、フェニレンジイル基、ナフタレンジイル基、フェニレンジイルオキシ基、ナフタレンジイルオキシ基、フェニレンジイルカルボニルオキシ基、ナフタレンジイルカルボニルオキシ基、フェニレンジイルオキシカルボニル基及びナフタレンジイルオキシカルボニル基からなる群より選択されるいずれかであり、
    Spは、直接結合;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~6のアルキレン基;及び置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数2~6のアルケニレン基;からなる群より選択されるいずれかであり、前記Sp中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
    は、1価のアニオンであり、
    前記式(1)中のM が、下記一般式(2)及び下記一般式(3)から選択されるいずれかで表され、
    (前記式(2)中、R11及びR12は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数2~12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかであり、
    前記R11、R12及びスルホニウム基が結合したアリール基のうちいずれか2つ以上は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよく、
    前記R11及びR12中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
    13及びR14は独立して各々に、アルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルキレンオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキレンオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルファニルカルボニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子からなる群より選択されるいずれかであり、炭素を有する場合の炭素原子数が1~12であり、かつ、これらは置換基を有していてもよく、
    1つのR14が、直接結合、メチレン基、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子含有基からなる群より選択されるいずれかを介して該R14が結合するアリール基と共に互いにヘテロ環構造を形成していてもよく、
    15及びR16は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数2~12のアルケニル基;置換基を有してもよい炭素原子数6~14のアリール基;及び置換基を有していてもよい炭素原子数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかであり、
    前記R15及びR16は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びアルキレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに結合して環構造を形成してもよく、
    前記R15及びR16中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
    は、直接結合;直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1~12のアルキレン基;炭素原子数2~12のアルケニレン基;炭素原子数6~14アリーレン基;炭素原子数4~12のヘテロアリーレン基;及びこれらの基が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子含有基を介して結合した基;からなる群より選択されるいずれかであり、
    は、直接結合、メチレン基、硫黄原子、窒素原子含有基、及び酸素原子からなる群より選択され、
    Yは酸素原子又は硫黄原子であり、
    hは1~2の整数であり、
    iは1~3の整数であり、
    jは、hが1のとき0~3、hが2のとき0~5の整数であり、
    kは、iが1のとき0~4、iが2のとき0~6、iが3のとき0~8の整数であり、
    11、R12及びR14の中のいずれかの1つの水素並びにR14が結合するアリール環上の水素原子が、上記式(1)中のSpとの結合に置き換えられ、
    前記式(3)中、R11~R16、L及びY及は独立して各々に、前記式(2)のR11~R16、L及びY各々と同じ選択肢から選択され、
    hは1~2の整数であり、
    iは1~3の整数であり、
    jは、hが1のとき0~4、hが2のとき0~6の整数であり、
    kは、iが1のとき0~5、iが2のとき0~7、iが3のとき0~9の整数であり、
    及びLは独立して各々に、直接結合、炭素原子数が2のアルケニレン基、炭素原子数が2のアルキニレン基、及びカルボニル基からなる群より選択されるいずれかである。))
  2. 前記ポリマーが、酸触媒反応により脱水する構造を有するユニットB;及び金属原子を有する有機金属化合物含有ユニットC;の少なくともいずれかのユニットをさらに含み、
    前記ユニットBが、下記一般式(I)又は(II)で示される化合物のいずれかの位置で下記式(4)のSp基と結合したユニットであり、
    (前記一般式(I)中、
    2及びR3は、それぞれ独立に、電子供与性基;及び電子吸引性基;からなる群より選択されるいずれかであり、
    Eは、直接結合;酸素原子;硫黄原子;及びメチレン基;からなる群より選択されるいずれかであり、
    1は、0又は1の整数であり、
    及びnは、それぞれ1~2の整数であり、n+nは2~4であり、
    が1のときnは0~4の整数であり、nが2のときnは0~6の整数であり、
    が1のときnは0~4の整数であり、nが2のときnは0~6の整数であり、
    が2以上でR2が電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのR2が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよく、
    3が2以上でR3が電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのR3が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよい。
    前記一般式(II)中、R4は、それぞれ独立に、電子供与性基;及び電子吸引性基;からなる群より選択されるいずれかであり、
    5aは、水素原子;置換基を有してもよい第1級アルキル基;及び置換基を有してもよい第2級アルキル基;からなる群より選択されるいずれかであり、前記R5a中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
    5bは、水素原子;置換基を有してもよいアルキル基;及び置換基を有してもよいアルケニル基;からなる群より選択されるいずれかであり、前記R5b中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、前記R5bは該R5bを有するヒドロキシメチレン基が結合したベンゼン環と共に環構造を形成してもよく、
    は0~7の整数であり、
    は1又は2であり、nが1のときnは0~5の整数であり、nが2のときnは0~7の整数であり、
    6が2以上でR4が電子供与性基又は電子吸引性基であるとき、2つのR4が、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子、2価の窒素原子含有基及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、互いに環構造を形成してもよい。)
    (前記式(4)中、R1、L及びSpは、それぞれ前記一般式(1)のR1、L及びSpと同じ選択肢から選択され、*は前記一般式(I)又は(II)で示される化合物との結合部位を示す。)
    前記有機金属含有ユニットCの前記金属が、Sn、Sb、Ge、Bi、Te、Al、Ni、Zn、Zr及びHfからなる群より選択されるいずれかである、請求項1に記載のポリマー。
  3. アリールオキシ基を有するユニットDをさらに含む請求項1又は2に記載のポリマー。
  4. ハロゲン原子を有する下記式(5)で示されるユニットEをさらに含む請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー。
    (前記一般式(5)中、
    1、L及びSpは、それぞれ前記一般式(1)のR1、L及びSpと同じ選択肢から選択され、
    は、置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキル基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数1~12のアルキレンオキシ基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数2~12のアルケニル基;置換基を有していても良い直鎖、分岐又は環状の炭素数2~12のアルケニレンオキシ基;置換基を有していても良い炭素数6~14のアリール基;及び置換基を有していてもよい炭素数4~12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかであり、且つ、炭素原子に置換している水素原子の一部又は全てが、フッ素原子又はヨウ素原子に置換されている。)
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマーを含有するレジスト組成物。
  6. 有機金属化合物及び有機金属錯体のいずれかをさらに含有し、
    前記金属は、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、I、Xe、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn及びRaからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5に記載のレジスト組成物。
  7. 請求項5又は6に記載の組成物を基板上に塗布しレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜に第1活性エネルギー線を照射する工程と、
    前記第1活性エネルギー線照射後のレジスト膜に第2活性エネルギー線を照射する工程と、
    前記第2活性エネルギー線照射後のレジスト膜を現像してパターンを得る工程と、を含むデバイスの製造方法。
  8. 前記第1活性エネルギー線の波長が、前記第2活性エネルギー線の波長よりも短い請求項7に記載のデバイスの製造方法。
  9. 前記第1活性エネルギー線が電子線又は極端紫外線である請求項7又は8に記載のデバイスの製造方法。
  10. 前記第1活性エネルギー線を照射する工程と、前記第2活性エネルギー線を照射する工程と、の間に、加熱する工程を含む請求項7~9のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  11. 前記2活性エネルギー線を照射する工程後に加熱する工程と、
    該加熱する工程の後に、前記第2活性エネルギー線を再度照射する工程と、を含む請求項7~10のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  12. 前記第1活性エネルギー線照射によりレジスト膜中で前記組成物から第1活性種を発生させ、
    前記第1活性種により前記ユニットAの前記オニウム塩構造を構造変化させ、
    前記第2活性エネルギー線照射により、前記構造変化した光酸発生剤から第2活性種を
    発生させる請求項7~11のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
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