JP2023121729A - 測定方法、測定器及び測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の環境及び測定器の状態によって生じる静電容量の測定値の変動を抑制する技術を提供する。【解決手段】例示的実施形態に係る測定方法は、第1の時間において、温度センサによって温度を取得するとともに、位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する工程を含む。測定方法は、第1の時間において取得された温度に対応する第2パラメータを取得する工程を含む。第2パラメータは、予め記憶している第2パラメータ群に基づいて生成される。測定方法は、第1パラメータと第2パラメータとに基づいて、第1パラメータに対応するように第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する工程を含む。【選択図】図13

Description

本開示の例示的実施形態は、測定方法及び測定器に関する。
特許文献1には、静電容量測定用の測定器が記載されている。この測定器は、複数の温度のそれぞれにおいて複数の位相調整回路のそれぞれのアドミタンスを調整するためのパラメータを記憶しており、温度センサによって検出された温度に応じたパラメータを用いてアドミタンスを調整する。
特開2020-190539号公報
本開示は、周囲の環境及び測定器の状態によって生じる静電容量の測定値の変動を抑制する技術を提供する。
一つの例示的実施形態においては、測定器と対象物との間の静電容量を測定する測定方法が提供される。測定器は、ベース基板と、センサ電極と、温度センサと、高周波発振器と、C/V変換回路と、位相調整回路と、を備えている。ベース基板は、円盤状をなしている。センサ電極は、ベース基板に設けられている。温度センサは、ベース基板に設けられている。高周波発振器は、センサ電極に高周波信号を与えるように設けられている。C/V変換回路は、センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成する。位相調整回路は、センサ電極と高周波発振器との間に接続されている。C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有する。高周波発振器は、高周波信号をオペアンプの非反転入力端子に入力するように非反転入力端子に接続されており、且つ、位相調整回路を介してオペアンプの反転入力端子に接続されている。測定方法は、第1の時間において、温度センサによって温度を取得するとともに、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために、位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する工程を含む。測定方法は、第1の時間において取得された温度に対応する位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得する工程を含む。第2パラメータは、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて生成される。測定方法は、第1パラメータと第2パラメータとに基づいて、第1パラメータに対応するように第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する工程を含む。測定方法は、第1の時間よりも後の第2の時間において、補正パラメータ群に基づいて温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得する工程を含む。測定方法は、取得された補正パラメータを用いて位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整する工程を含む。
一つの例示的実施形態に係る測定器によれば、周囲の環境及び測定器の状態によって生じる静電容量の測定値の変動を抑制することができる。
処理システムを例示する図である。 アライナを例示する斜視図である。 プラズマ処理装置の一例を示す図である。 一例の測定器を上面側から見て示す平面図である。 一例の測定器を底面側から見て示す平面図である。 第1センサの一例を示す斜視図である。 図6のVII-VII線に沿ってとった断面図である。 図5の第2センサの拡大図である。 測定器の回路基板の構成を例示する図である。 測定器の回路基板の構成の詳細を例示する図である。 基準パラメータ群の一例を示すテーブルである。 補正パラメータ群の一例を示すテーブルである。 測定器によって静電容量が測定される際の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態においては、測定器と対象物との間の静電容量を測定する測定方法が提供される。測定器は、ベース基板と、センサ電極と、温度センサと、高周波発振器と、C/V変換回路と、位相調整回路と、を備えている。ベース基板は、円盤状をなしている。センサ電極は、ベース基板に設けられている。温度センサは、ベース基板に設けられている。高周波発振器は、センサ電極に高周波信号を与えるように設けられている。C/V変換回路は、センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成する。位相調整回路は、センサ電極と高周波発振器との間に接続されている。C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有する。高周波発振器は、高周波信号をオペアンプの非反転入力端子に入力するように非反転入力端子に接続されており、且つ、位相調整回路を介してオペアンプの反転入力端子に接続されている。測定方法は、第1の時間において、温度センサによって温度を取得するとともに、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために、位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する工程を含む。測定方法は、第1の時間において取得された温度に対応する位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得する工程を含む。第2パラメータは、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて生成される。測定方法は、第1パラメータと第2パラメータとに基づいて、第1パラメータに対応するように第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する工程を含む。測定方法は、第1の時間よりも後の第2の時間において、補正パラメータ群に基づいて温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得する工程を含む。測定方法は、取得された補正パラメータを用いて位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整する工程を含む。
一つの例示的実施形態においては、測定器が提供される。測定器は、ベース基板と、センサ電極と、温度センサと、高周波発振器と、C/V変換回路と、A/D変換器と、演算装置と、位相調整回路と、を備えている。ベース基板は、円盤状をなしている。センサ電極は、ベース基板に設けられている。温度センサは、ベース基板に設けられている。高周波発振器は、センサ電極に高周波信号を与えるように設けられている。C/V変換回路は、センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成する。A/D変換器は、C/V変換回路から出力される電圧信号をデジタル値に変換する。演算装置は、A/D変換器から出力されるデジタル値に基づいて、センサ電極が形成する静電容量を表す測定値を算出する。位相調整回路は、センサ電極と高周波発振器との間に接続されている。C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有する。高周波発振器は、高周波信号をオペアンプの非反転入力端子に入力するように非反転入力端子に接続されており、且つ、位相調整回路を介してオペアンプの反転入力端子に接続されている。演算装置は、第1の時間において、温度センサによって温度を取得するとともに、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために、位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する。演算装置は、第1の時間において取得された温度に対応する位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得する。第2パラメータは、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて取得される。演算装置は、第1パラメータと第2パラメータとに基づいて、第1パラメータに対応するように第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する。演算装置は、第1の時間よりも後の第2の時間において、補正パラメータ群に基づいて温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得する。演算装置は、取得された補正パラメータを用いて位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整する。
一つの例示的実施形態においては、測定システムが提供される。測定システムは、処理システムと、測定器と、処理システム及び測定器の動作を制御する1又は複数の制御装置と、を備える。処理システムは、プロセスモジュールと、トランスファーモジュールと、保管装置とを有する。プロセスモジュールは、第1のチャンバを提供するチャンバ本体、第1のチャンバ内に設けられる。プロセスモジュールは、測定器が載置されるステージと、ステージ上に配置されるエッジリングとを有する。エッジリングは、測定器が載置される載置領域を囲む。トランスファーモジュールは、プロセスモジュールに対して気密に接続される。トランスファーモジュールは、減圧可能に構成された減圧室と、減圧室に設けられ、搬送位置データに基づいて測定器を搬送する搬送装置とを有する。保管装置は、減圧室に対して気密に接続される。保管装置は、内側に測定器を保管する第2のチャンバを有する。測定器は、ベース基板と、センサ電極と、温度センサと、高周波発振器と、C/V変換回路と、A/D変換器と、位相調整回路と、を備える。ベース基板は、円盤状を呈する。センサ電極は、ベース基板に設けられている。温度センサは、ベース基板に設けられている。高周波発振器は、センサ電極に高周波信号を与えるように設けられている。C/V変換回路は、センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成する。A/D変換器は、C/V変換回路から出力される電圧信号をデジタル値に変換する。位相調整回路は、センサ電極と高周波発振器との間に接続されている。C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有する。高周波発振器は、高周波信号をオペアンプの非反転入力端子に入力するように非反転入力端子に接続されており、且つ、位相調整回路を介してオペアンプの反転入力端子に接続されている。1又は複数の制御装置は、第1の時間において、温度センサによって温度を取得するとともに、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために、位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する。1又は複数の制御装置は、第1の時間において取得された温度に対応する位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得する。第2パラメータは、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて取得される。1又は複数の制御装置は、第1パラメータと第2パラメータとに基づいて、第1パラメータに対応するように第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する。1又は複数の制御装置は、第1の時間よりも後の第2の時間において、補正パラメータ群に基づいて温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得する。1又は複数の制御装置は、取得された補正パラメータを用いて位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整する。1又は複数の制御装置は、C/V変換回路から出力される電圧信号が基準点に調整された状態で、A/D変換器から出力されるデジタル値に基づいて、センサ電極が形成する静電容量を表す測定値を算出する。
上記実施形態では、高周波発振器が、高周波信号をオペアンプの非反転入力端子に入力するように非反転入力端子に接続されており、且つ、位相調整回路を介してオペアンプの反転入力端子に接続されている。そのため、位相調整回路のアドミタンスが調整されることによって、複数のC/V変換回路から出力される電圧信号の大きさが調整される。複数のC/V変換回路から出力される電圧信号の大きさは、周囲の温度等によって変動し得る。そこで、測定器では、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整するために、第1の時間の温度に対応する位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する。一方で、測定器は、位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータ群を予め記憶しており、第2のパラメータ群に基づいて第1の時間の温度に対応する第2パラメータを取得する。第1パラメータと第2パラメータとは、同じ温度に対応しているため、本来であれば同じ値になる。しかし、第1パラメータの取得時と、第2パラメータ群の取得時との測定器の状態の違いから、2つの値は互いに異なる場合がある。そこで、測定器は、第1パラメータと第2パラメータとに基づいて、第2パラメータ群を補正することによって、複数の温度に応じた補正パラメータ群を取得する。この補正パラメータ群を用いてアドミタンスが調整されるため、そのときの測定器の状態及び環境温度に応じて、容易に電圧信号を調整できる。
一つの例示的実施形態において、補正パラメータ群を取得する工程は、第1パラメータと第2パラメータとの差分を算出し、算出された差分を用いて、第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを調整してもよい。この構成では、第2パラメータの要素である複数のパラメータを一律で修正することができる。
一つの例示的実施形態において、第2パラメータを取得する工程は、第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを線形補間したデータに基づいて、第1の時間において取得された温度に対応する第2パラメータを取得してもよい。この構成では、第2パラメータ群として多数のデータを取得しなくても、データ間では線形補間したデータに基づいて第2パラメータを取得できるため、第2パラメータ群を構成する要素の数を少なくすることができる。
一つの例示的実施形態において、第2パラメータ群は、1日以上にわたって湿度10%以下の環境下におかれた測定器によって取得されてもよい。この構成では、測定器の使用環境に近い状態で第2パラメータ群を取得することができる。
一つの例示的実施形態において、トランスファーモジュールは、ステージ上に配置されたエッジリングを他のエッジリングに交換可能であってよい。1又は複数の制御装置は、エッジリングが他のエッジリングに交換された後に、測定器がステージ上の他のエッジリングで囲まれた領域に載置されるようにトランスファーモジュールを制御し得る。この構成では、エッジリングの交換後に測定器によってエッジリングの搬送位置が確認される。
一つの例示的実施形態において、測定器は、保管装置の第2のチャンバ内において除湿環境下で保管されていてよい。この構成では、測定器を使用環境に近い状態で保管できる。
一つの例示的実施形態において、1又は複数の制御装置は、算出された静電容量を表す測定値に基づいて、エッジリングの中心に対する測定器の中心のずれ量を求め得る。1又は複数の制御装置は、当該ずれ量に基づいて搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて被加工物が搬送されるようにトランスファーモジュールを制御し得る。この構成では、トランスファーモジュールによる搬送位置の精度が高められる。
一つの例示的実施形態において、1又は複数の制御装置は、算出された静電容量を表す測定値に基づいて、載置領域の中心に対する測定器の中心のずれ量を求め得る。1又は複数の制御装置は、当該ずれ量に基づいて搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて被加工物が搬送されるようにトランスファーモジュールを制御し得る。この構成では、トランスファーモジュールによる搬送位置の精度が高められる。
一つの例示的実施形態において、1又は複数の制御装置は、算出された静電容量を表す測定値に基づいて、載置領域の中心に対するエッジリングの中心のずれ量を求め得る。1又は複数の制御装置は、当該ずれ量に基づいて搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいてエッジリングの載置位置が変更されるようにトランスファーモジュールを制御し得る。この構成では、トランスファーモジュールによる搬送位置の精度が高められる。
一つの例示的実施形態において、プロセスモジュールは、エッジリングを上昇させるリフトピンを含み得る。1又は複数の制御装置は、エッジリングの載置位置を変更する際に、リフトピンがエッジリングを上昇させるようにプロセスモジュールを制御し得る。1又は複数の制御装置は、リフトピンによって上昇したエッジリングを受取り、かつ、受け取ったエッジリングが較正された搬送位置データに基づいて再びステージ上に載置されるように、トランスファーモジュールを制御し得る。この構成では、エッジリングの搬送位置の精度が高められる。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
一つの例示的実施形態に係る測定器は、搬送システムS1としての機能を有する処理システム1によって搬送され得る。まず、被加工物を処理するための処理装置、及び、当該処理装置に被処理体を搬送するための搬送装置を有する処理システムについて説明する。図1は、処理システムを例示する図である。処理システム1は、台2a~2d、容器4a~4d、ローダモジュールLM、アライナAN、ロードロックモジュールLL1,LL2、プロセスモジュールPM1~PM6、トランスファーモジュールTF、制御部MC及び保管装置5を備えている。なお、台2a~2dの個数、容器4a~4dの個数、ロードロックモジュールLL1,LL2の個数、及び、プロセスモジュールPM1~PM6の個数は限定されるものではなく、一以上の任意の個数であり得る。
台2a~2dは、ローダモジュールLMの一縁に沿って配列されている。容器4a~4dはそれぞれ、台2a~2d上に搭載されている。容器4a~4dの各々は、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)と称される容器である。容器4a~4dのそれぞれは、被加工物Wを収容するように構成され得る。被加工物Wは、ウエハのように略円盤形状を有する。
ローダモジュールLMは、大気圧状態の搬送空間をその内部に画成するチャンバ壁を有している。この搬送空間内には搬送装置TU1が設けられている。搬送装置TU1は、例えば、多関節ロボットであり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU1は、容器4a~4dとアライナANとの間、アライナANとロードロックモジュールLL1~LL2の間、ロードロックモジュールLL1~LL2と容器4a~4dの間で被加工物Wを搬送するように構成されている。
アライナANは、ローダモジュールLMと接続されている。アライナANは、被加工物Wの位置の調整(位置の較正)を行うように構成されている。図2は、アライナを例示する斜視図である。アライナANは、支持台6T、駆動装置6D、及び、センサ6Sを有している。支持台6Tは、鉛直方向に延びる軸線中心に回転可能な台であり、その上に被加工物Wを支持するように構成されている。支持台6Tは、駆動装置6Dによって回転される。駆動装置6Dは、制御部MCによって制御される。駆動装置6Dからの動力により支持台6Tが回転すると、当該支持台6T上に載置された被加工物Wも回転するようになっている。
センサ6Sは、光学センサであり、被加工物Wが回転されている間、被加工物Wのエッジを検出する。センサ6Sは、エッジの検出結果から、基準角度位置に対する被加工物WのノッチWN(或いは、別のマーカー)の角度位置のずれ量、及び、基準位置に対する被加工物Wの中心位置のずれ量を検出する。センサ6Sは、ノッチWNの角度位置のずれ量及び被加工物Wの中心位置のずれ量を制御部MCに出力する。制御部MCは、ノッチWNの角度位置のずれ量に基づき、ノッチWNの角度位置を基準角度位置に補正するための支持台6Tの回転量を算出する。制御部MCは、この回転量の分だけ支持台6Tを回転させるよう、駆動装置6Dを制御する。これにより、ノッチWNの角度位置を基準角度位置に補正することができる。また、制御部MCは、アライナANから被加工物Wを受け取る際の搬送装置TU1のエンドエフェクタ(end effector)の位置を、被加工物Wの中心位置のずれ量に基づき、制御する。これにより、搬送装置TU1のエンドエフェクタ上の所定位置に被加工物Wの中心位置が一致する。
図1に戻り、ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ローダモジュールLMとトランスファーモジュールTFとの間に設けられている。ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、予備減圧室を提供している。
トランスファーモジュールTFは、ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2にゲートバルブを介して気密に接続されている。トランスファーモジュールTFは、減圧可能な減圧室を提供している。この減圧室には、搬送装置TU2が設けられている。搬送装置TU2は、例えば、搬送アームTUaを有する多関節ロボットであり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU2は、ロードロックモジュールLL1~LL2とプロセスモジュールPM1~PM6との間、及び、プロセスモジュールPM1~PM6のうち任意の二つのプロセスモジュール間において、被加工物Wを搬送するように構成されている。
プロセスモジュールPM1~PM6は、トランスファーモジュールTFにゲートバルブを介して気密に接続されている。プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、被加工物Wに対してプラズマ処理といった専用の処理を行うよう構成された処理装置である。
保管装置5は、除湿された環境下で後述する測定器100を保管し得る。図1に示すように、保管装置5は、密閉可能な内部空間を提供するチャンバ5a(第2のチャンバ)と、チャンバ5aにバルブを介して接続されたガス供給装置5bと、チャンバ5aに接続された排気装置5cとを含む。一例の保管装置5は、ローダモジュールLMに隣接して設置されていてもよい。この場合、チャンバ5aは、測定器100が通過可能なゲートを介して、ローダモジュールLMの搬送空間に接続されていてよい。ゲートが開いた状態では、チャンバ5a内の空間とローダモジュールLM内の搬送空間とが接続される。ゲートが閉じた状態ではチャンバ5a内の空間が密閉され得る。測定器100は、チャンバ5aのゲートが開いた状態において、搬送装置TU1によって搬送され得る。例えば、搬送装置TU1は、ローダモジュールLMを介して、ロードロックモジュールLL1~LL2とチャンバ5aとの間で測定器100を搬送し得る。
ガス供給装置5bは、水分を含まないパージガスをチャンバ5a内に供給し得る。パージガスは、例えば窒素ガス等の不活性ガスであってよい。排気装置5cは、チャンバ5a内のガスを外部に排気するための装置である。一例として、排気装置5cは、チャンバ5a内を所望の真空度まで減圧できる真空ポンプであってもよい。
例えば、ガス供給装置5bからパージガスがチャンバ5a内に供給されることによって、チャンバ5aの内部空間が除湿環境となり得る。また、排気装置5cによってチャンバ5aの内部空間が真空引きされることによって、チャンバ5aの内部空間が除湿環境となり得る。一例として、チャンバ5aの内部空間は、到達真空度が10mTorr程度の真空除湿環境に調整されてよい。除湿環境とは、空間における湿度が10%以下であることをいう。なお、シリカゲル等の除湿剤をチャンバ5a内に配置することによって、チャンバ5a内の除湿環境を実現してもよい。
この処理システム1において被加工物Wの処理が行われる際の一連の動作は以下の通り例示される。ローダモジュールLMの搬送装置TU1が、容器4a~4dの何れかから被加工物Wを取り出し、当該被加工物WをアライナANに搬送する。次いで、搬送装置TU1は、その位置が調整された被加工物WをアライナANから取り出して、当該被加工物WをロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに搬送する。次いで、一方のロードロックモジュールが、予備減圧室の圧力を所定の圧力に減圧する。次いで、トランスファーモジュールTFの搬送装置TU2が、一方のロードロックモジュールから被加工物Wを取り出し、当該被加工物WをプロセスモジュールPM1~PM6のうち何れかに搬送する。そして、プロセスモジュールPM1~PM6のうち一以上のプロセスモジュールが被加工物Wを処理する。そして、搬送装置TU2が、処理後の被加工物WをプロセスモジュールからロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに搬送する。次いで、搬送装置TU1が被加工物Wを一方のロードロックモジュールから容器4a~4dの何れかに搬送する。
この処理システム1は、上述したように制御部MCを備えている。制御部MCは、プロセッサ、メモリといった記憶装置、表示装置、入出力装置、通信装置等を備えるコンピュータであり得る。上述した処理システム1の一連の動作は、記憶装置に記憶されたプログラムに従った制御部MCによる処理システム1の各部の制御により、実現されるようになっている。
図3は、プロセスモジュールPM1~PM6の何れかとして採用され得るプラズマ処理装置の一例を示す図である。図3に示すプラズマ処理装置10は、容量結合型プラズマエッチング装置である。プラズマ処理装置10は、略円筒形状のチャンバ本体12を備えている。チャンバ本体12は、例えば、アルミニウムから形成されており、その内壁面には、陽極酸化処理が施され得る。このチャンバ本体12は保安接地されている。
チャンバ本体12の底部上には、略円筒形状の支持部14が設けられている。支持部14は、例えば、絶縁材料から構成されている。支持部14は、チャンバ本体12内に設けられており、チャンバ本体12の底部から上方に延在している。また、チャンバ本体12によって提供されるチャンバS内には、ステージSTが設けられている。ステージSTは、支持部14によって支持されている。
ステージSTは、下部電極LE及び静電チャックESCを有している。下部電極LEは、第1プレート18a及び第2プレート18bを含んでいる。第1プレート18a及び第2プレート18bは、例えばアルミニウムといった金属から構成されており、略円盤形状をなしている。第2プレート18bは、第1プレート18a上に設けられており、第1プレート18aに電気的に接続されている。
第2プレート18b上には、静電チャックESCが設けられている。静電チャックESCは、導電膜である電極を一対の絶縁層又は絶縁シート間に配置した構造を有しており、略円盤形状を有している。静電チャックESCの電極には、直流電源22がスイッチ23を介して電気的に接続されている。この静電チャックESCは、直流電源22からの直流電圧により生じたクーロン力等の静電力により被加工物Wを吸着する。これにより、静電チャックESCは、被加工物Wを保持することができる。
第2プレート18bの周縁部上には、エッジリングERが設けられている。このエッジリングERは、被加工物Wのエッジ及び静電チャックESCを囲むように設けられている。エッジリングERは、第1部分P1及び第2部分P2を有している(図7参照)。第1部分P1及び第2部分P2は環状板形状を有している。第2部分P2は、第1部分P1よりも外側の部分である。第2部分P2は、第1部分P1よりも高さ方向に大きな厚みを有している。第2部分P2の内縁P2iは第1部分P1の内縁P1iの直径よりも大きい直径を有している。被加工物Wは、そのエッジ領域が、エッジリングERの第1部分P1上に位置するように、静電チャックESC上に載置される。このエッジリングERは、シリコン、炭化ケイ素、酸化シリコンといった種々の材料のうち何れかから形成され得る。
第2プレート18bの内部には、冷媒流路24が設けられている。冷媒流路24は、温調機構を構成している。冷媒流路24には、チャンバ本体12の外部に設けられたチラーユニットから配管26aを介して冷媒が供給される。冷媒流路24に供給された冷媒は、配管26bを介してチラーユニットに戻される。このように、冷媒流路24とチラーユニットとの間では、冷媒が循環される。この冷媒の温度を制御することにより、静電チャックESCによって支持された被加工物Wの温度が制御される。
ステージSTには、当該ステージSTを貫通する複数(例えば、三つ)の貫通孔25が形成されている。複数の貫通孔25は、平面視において静電チャックESCの内側に形成されている。これら、それぞれの貫通孔25には、リフトピン25aが挿入されている。なお、図3においては、一本のリフトピン25aが挿入された一つの貫通孔25が描かれている。リフトピン25aは、貫通孔25内において上下動可能に設けられている。リフトピン25aの上昇によって、静電チャックESC上に支持された被加工物Wが上昇する。例えば、リフトピン25aは、搬送位置データに基づいて搬送装置TU2によって搬送された被加工物Wを受け取り、当該被加工物Wを静電チャックESC上に載置し得る。また、リフトピン25aは、静電チャックESC上に載置されている被加工物Wを搬送装置TU2に受け渡し得る。
ステージSTには、平面視において静電チャックESCよりも外側の位置に、当該ステージST(下部電極LE)を貫通する複数(例えば、三つ)の貫通孔27が形成されている。これら、それぞれの貫通孔27には、リフトピン27aが挿入されている。なお、図3においては、一本のリフトピン27aが挿入された一つの貫通孔27が描かれている。リフトピン27aは、貫通孔27内において上下動可能に設けられている。リフトピン27aの上昇によって、第2プレート18b上に支持されたエッジリングERが上昇する。例えば、リフトピン27aは、使用によって消耗したエッジリングERを搬送装置TU2に受け渡し得る。また、リフトピン27aは、搬送位置データに基づいて搬送装置TU2によって搬送された交換用のエッジリングERを受け取り、当該エッジリングERを載置位置に載置し得る。なお、交換用のエッジリングERは、未使用のエッジリングであってもよいし、使用済みではあるが消耗量の少ないエッジリングであってもよい。
また、プラズマ処理装置10には、ガス供給ライン28が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャックESCの上面と被加工物Wの裏面との間に供給する。
また、プラズマ処理装置10は、上部電極30を備えている。上部電極30は、ステージSTの上方において、当該ステージSTと対向配置されている。上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、チャンバ本体12の上部に支持されている。上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34はチャンバSに面しており、当該天板34には複数のガス吐出孔34aが設けられている。この天板34は、シリコン又は石英から形成され得る。或いは、天板34は、アルミニウム製の母材の表面に酸化イットリウムといった耐プラズマ性の膜を形成することによって構成され得る。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から構成され得る。この支持体36は、水冷構造を有し得る。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。このガス拡散室36aからは、ガス吐出孔34aに連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。また、支持体36には、ガス拡散室36aに処理ガスを導くガス導入口36cが形成されており、このガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、バルブ群42及び流量制御器群44を介して、ガスソース群40が接続されている。ガスソース群40は、複数種のガス用の複数のガスソースを含んでいる。バルブ群42は複数のバルブを含んでおり、流量制御器群44はマスフローコントローラといった複数の流量制御器を含んでいる。ガスソース群40の複数のガスソースはそれぞれ、バルブ群42の対応のバルブ及び流量制御器群44の対応の流量制御器を介して、ガス供給管38に接続されている。
また、プラズマ処理装置10では、チャンバ本体12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、チャンバ本体12にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材に酸化イットリウム等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
チャンバ本体12の底部側、且つ、支持部14とチャンバ本体12の側壁との間には排気プレート48が設けられている。排気プレート48は、例えば、アルミニウム材に酸化イットリウム等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。排気プレート48には、その板厚方向に貫通する複数の孔が形成されている。この排気プレート48の下方、且つ、チャンバ本体12には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、圧力調整弁及びターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、チャンバ本体12内の空間を所望の真空度まで減圧することができる。また、チャンバ本体12の側壁には被加工物Wの搬入出口12gが設けられており、この搬入出口12gはゲートバルブ54により開閉可能となっている。
また、プラズマ処理装置10は、第1の高周波電源62及び第2の高周波電源64を更に備えている。第1の高周波電源62は、プラズマ生成用の第1の高周波を発生する電源であり、例えば、27~100MHzの周波数を有する高周波を発生する。第1の高周波電源62は、整合器66を介して上部電極30に接続されている。整合器66は、第1の高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(上部電極30側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。なお、第1の高周波電源62は、整合器66を介して下部電極LEに接続されていてもよい。
第2の高周波電源64は、被加工物Wにイオンを引き込むための第2の高周波を発生する電源であり、例えば、400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数の高周波を発生する。第2の高周波電源64は、整合器68を介して下部電極LEに接続されている。整合器68は、第2の高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極LE側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
このプラズマ処理装置10では、複数のガスソースのうち選択された一以上のガスソースからのガスがチャンバSに供給される。また、チャンバSの圧力が排気装置50によって所定の圧力に設定される。さらに、第1の高周波電源62からの第1の高周波によってチャンバS内のガスが励起される。これにより、プラズマが生成される。そして、発生した活性種によって被加工物Wが処理される。なお、必要に応じて、第2の高周波電源64の第2の高周波に基づくバイアスにより、被加工物Wにイオンが引き込まれてもよい。
以下、測定器について説明する。図4は、測定器を上面側から見て示す平面図である。図5は、測定器を底面側から見て示す平面図である。図4及び図5に示す測定器100は、ベース基板102を備えている。ベース基板102は、例えば、シリコンから形成されており、被加工物Wの形状と同様の形状、即ち略円盤形状を有している。ベース基板102の直径は、被加工物Wの直径と同様の直径であり、例えば、300mmである。測定器100の形状及び寸法は、このベース基板102の形状及び寸法によって規定される。したがって、測定器100は、被加工物Wの形状と同様の形状を有し、且つ、被加工物Wの寸法と同様の寸法を有する。また、ベース基板102のエッジには、ノッチ102N(或いは、別のマーカー)が形成されている。
ベース基板102には、静電容量測定用の複数の第1センサ104A~104Cが設けられている。複数の第1センサ104A~104Cは、ベース基板102のエッジに沿って、例えば当該エッジの全周において、等間隔に配列されている。具体的には、複数の第1センサ104A~104Cの各々は、ベース基板102の上面側のエッジに沿うように設けられている。複数の第1センサ104A~104Cの各々の前側端面は、ベース基板102の側面に沿っている。
また、ベース基板102には、静電容量測定用の複数の第2センサ105A~105Cが設けられている。複数の第2センサ105A~105Cは、ベース基板102のエッジに沿って、例えば当該エッジの全周において、等間隔に配列されている。具体的には、複数の第2センサ105A~105Cの各々は、ベース基板の底面側のエッジに沿うように設けられている。複数の第2センサ105A~105Cの各々のセンサ電極161は、ベース基板102の底面に沿っている。また、第2センサ105A~105Cと第1センサ104A~104Cとは、周方向において60°間隔で交互に配列されている。
ベース基板102の上面の中央には、回路基板106が設けられている。回路基板106と複数の第1センサ104A~104Cとの間には、互いを電気的に接続するための配線群108A~108Cが設けられている。また、回路基板106と複数の第2センサ105A~105Cとの間には、互いを電気的に接続するための配線群208A~208Cが設けられている。回路基板106、配線群108A~108C、及び配線群208A~208Cは、カバー103によって覆われている。
以下、第1センサについて詳細に説明する。図6は、センサの一例を示す斜視図である。図7は、図6のVII-VII線に沿ってとった断面図である。図6及び図7に示す第1センサ104は、測定器100の複数の第1センサ104A~104Cとして利用されるセンサであり、一例では、チップ状の部品として構成されている。なお、以下の説明では、XYZ直交座標系を適宜参照する。X方向は、第1センサ104の前方向を示しており、Y方向は、X方向に直交する一方向であって第1センサ104の幅方向を示しており、Z方向は、X方向及びY方向に直交する方向であって第1センサ104の上方向を示している。図7には、第1センサ104と共にエッジリングERが示されている。
第1センサ104は、電極141、ガード電極142、センサ電極143、基板部144及び絶縁領域147を有している。
基板部144は、例えばホウケイ酸ガラスまたは石英から形成されている。基板部144は、上面144a、下面144b、及び前側端面144cを有している。ガード電極142は、基板部144の下面144bの下方に設けられており、X方向及びY方向に延在している。また、電極141は、絶縁領域147を介してガード電極142の下方に設けられており、X方向及びY方向に延在している。絶縁領域147は、例えば、SiO、SiN、Al、又は、ポリイミドから形成されている。
基板部144の前側端面144cは、段状に形成されている。前側端面144cの下側部分144dは、当該前側端面144cの上側部分144uよりもエッジリングERの側に向けて突出している。センサ電極143は、前側端面144cの上側部分144uに沿って延在している。一つの例示的実施形態では、前側端面144cの上側部分144u及び下側部分144dは、それぞれに所定の曲率をもった曲面となっている。即ち、前側端面144cの上側部分144uは、当該上側部分144uの任意の位置で一定の曲率をしており、当該上側部分144uの曲率は、測定器100の中心軸線AX100と前側端面144cの上側部分144uとの間の距離の逆数である。また、前側端面144cの下側部分144dは、当該下側部分144dの任意の位置で一定の曲率をしており、当該下側部分144dの曲率は、測定器100の中心軸線AX100と前側端面144cの下側部分144dとの間の距離の逆数である。
センサ電極143は、前側端面144cの上側部分144uに沿って設けられている。一つの例示的実施形態では、このセンサ電極143の前面143fも曲面になっている。即ち、センサ電極143の前面143fは、当該前面143fの任意の位置で一定の曲率を有しており、当該曲率は、測定器100の中心軸線AX100と前面143fとの間の距離の逆数である。
この第1センサ104を測定器100のセンサとして用いる場合には、後述のように電極141が配線181に接続され、ガード電極142が配線182に接続され、センサ電極143が配線183に接続される。
第1センサ104においては、センサ電極143が、電極141及びガード電極142によって、第1センサ104の下方に対して遮蔽されている。したがって、この第1センサ104によれば、特定方向、即ち、センサ電極143の前面143fが向いている方向(X方向)に高い指向性をもって静電容量を測定することが可能となる。
以下、第2センサについて詳細に説明する。図8は、図5の部分拡大図であり、一つの第2センサを示す。第2センサ105は、センサ電極161を有している。センサ電極161のエッジは部分的に円弧形状をなしている。即ち、センサ電極161は、中心軸線AX100を中心とした異なる半径を有する二つの円弧である内縁161a及び外縁161bによって規定される平面形状を有している。複数の第2センサ105A~105Cそれぞれのセンサ電極161における径方向外側の外縁161bは、共通する円上で延在する。また、複数の第2センサ105A~105Cそれぞれのセンサ電極161における径方向内側の内縁161aは、他の共通する円上で延在する。センサ電極161のエッジの一部の曲率は、静電チャックESCのエッジの曲率に一致している。一つの例示的実施形態では、センサ電極161における径方向外側のエッジを形成する外縁161bの曲率が、静電チャックESCのエッジの曲率に一致している。なお、外縁161bの曲率中心、即ち、外縁161bがその上で延在する円の中心は、中心軸線AX100を共有している。
一つの例示的実施形態では、第2センサ105は、センサ電極161を囲むガード電極162を更に含んでいる。ガード電極162は、枠状をなしており、センサ電極161をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極162とセンサ電極161は、それらの間に絶縁領域164が介在するよう、互いに離間している。また、一つの例示的実施形態では、第2センサ105は、ガード電極162の外側で当該ガード電極162を囲む電極163を更に含んでいる。電極163は、枠状をなしており、ガード電極162をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極162と電極163は、それらの間に絶縁領域165が介在するよう互いに離間している。
以下、回路基板106の構成について説明する。図9は、測定器の回路基板の構成を例示する図である。回路基板106は、高周波発振器171、複数のC/V変換回路172A~172C、複数のC/V変換回路272A~272C、A/D変換器173、プロセッサ174、記憶装置175、通信装置176、及び、電源177を有している。一例においては、プロセッサ174、記憶装置175等によって演算装置が構成されている。また、回路基板106は、温度センサ179を有している。温度センサ179は、検出した温度に応じた信号をプロセッサ174に出力する。例えば、温度センサ179は、測定器100の周囲の環境の温度を取得することができる。
複数の第1センサ104A~104Cの各々は、複数の配線群108A~108Cのうち対応の配線群を介して回路基板106に接続されている。また、複数の第1センサ104A~104Cの各々は、対応の配線群に含まれる幾つかの配線を介して、複数のC/V変換回路172A~172Cのうち対応のC/V変換回路に接続されている。複数の第2センサ105A~105Cの各々は、複数の配線群208A~208Cのうち対応の配線群を介して回路基板106に接続されている。また、複数の第2センサ105A~105Cの各々は、対応の配線群に含まれる幾つかの配線を介して、複数のC/V変換回路272A~272Cのうち対応のC/V変換回路に接続されている。以下、第1センサ104A~104Cの各々と同構成の一つの第1センサ104、配線群108A~108Cの各々と同構成の一つの配線群108、C/V変換回路172A~172Cの各々と同構成の一つのC/V変換回路172、について説明する。また、第2センサ105A~105Cの各々と同構成の一つの第2センサ105、配線群208A~208Cの各々と同構成の一つの配線群208、及び、C/V変換回路272A~272Cの各々と同構成のC/V変換回路272について説明する。
配線群108は、配線181~183を含んでいる。配線181の一端は、電極141に接続されたパッド151に接続されている。この配線181は、回路基板106のグランドGCに接続されたグランド電位線GLに接続されている。なお、配線181は、グランド電位線GLにスイッチSWGを介して接続されていてもよい。また、配線182の一端は、ガード電極142に接続されたパッド152に接続されており、配線182の他端はC/V変換回路172に接続されている。また、配線183の一端は、センサ電極143に接続されたパッド153に接続されており、配線183の他端はC/V変換回路172に接続されている。
配線群208は、配線281~283を含んでいる。配線281の一端は、電極163に接続されている。この配線281は、回路基板106のグランドGCに接続されたグランド電位線GLに接続されている。なお、配線281は、グランド電位線GLにスイッチSWGを介して接続されていてもよい。また、配線282の一端は、ガード電極162に接続されており、配線282の他端はC/V変換回路272に接続されている。また、配線283の一端は、センサ電極161に接続されており、配線283の他端はC/V変換回路272に接続されている。
高周波発振器171は、バッテリーといった電源177に接続されており、当該電源177からの電力を受けて高周波信号を発生するよう構成されている。なお、電源177は、プロセッサ174、記憶装置175、及び、通信装置176にも接続されている。高周波発振器171は、複数の出力線を有している。高周波発振器171は、発生した高周波信号を複数の出力線を介して、配線182及び配線183、並びに、配線282及び配線283に与えるようになっている。したがって、高周波発振器171は、第1センサ104のガード電極142及びセンサ電極143に電気的に接続されており、当該高周波発振器171からの高周波信号は、ガード電極142及びセンサ電極143に与えられるようになっている。また、高周波発振器171は、第2センサ105のセンサ電極161及びガード電極162に電気的に接続されており、当該高周波発振器171からの高周波信号は、センサ電極161及びガード電極162に与えられるようになっている。
C/V変換回路172の入力には、パッド152に接続された配線182、及び、パッド153に接続された配線183が接続されている。即ち、C/V変換回路172の入力には、第1センサ104のガード電極142及びセンサ電極143が接続されている。また、C/V変換回路272の入力には、センサ電極161及びガード電極162がそれぞれ接続されている。C/V変換回路172及びC/V変換回路272は、その入力における電位差に応じた振幅を有する電圧信号を生成し、当該電圧信号を出力するよう構成されている。C/V変換回路172は、対応する第1センサ104が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成する。すなわち、C/V変換回路172に接続されたセンサ電極の静電容量が大きいほど、当該C/V変換回路172が出力する電圧信号の電圧の大きさは大きくなる。同様に、C/V変換回路272に接続されたセンサ電極の静電容量が大きいほど、当該C/V変換回路272が出力する電圧信号の電圧の大きさは大きくなる。
A/D変換器173の入力には、C/V変換回路172及びC/V変換回路272の出力が接続している。また、A/D変換器173は、プロセッサ174に接続している。A/D変換器173は、プロセッサ174からの制御信号によって制御され、C/V変換回路172の出力信号(電圧信号)及びC/V変換回路272の出力信号(電圧信号)を、デジタル値に変換し、検出値としてプロセッサ174に出力する。
プロセッサ174には記憶装置175が接続されている。記憶装置175は、揮発性メモリといった記憶装置であり、例えば、測定データを記憶するよう構成されている。また、プロセッサ174には、別の記憶装置178が接続されている。記憶装置178は、不揮発性メモリといった記憶装置であり、例えば、プロセッサ174によって読み込まれて実行されるプログラムが記憶されている。
通信装置176は、任意の無線通信規格に準拠した通信装置である。例えば、通信装置176は、Bluetooth(登録商標)に準拠している。通信装置176は、記憶装置175に記憶されている測定データを無線送信するように構成されている。
プロセッサ174は、上述したプログラムを実行することにより、測定器100の各部を制御するように構成されている。例えば、プロセッサ174は、ガード電極142、センサ電極143、センサ電極161、及び、ガード電極162に対する高周波発振器171からの高周波信号の供給を制御する。また、プロセッサ174は、記憶装置175に対する電源177からの電力供給、通信装置176に対する電源177からの電力供給等を制御する。さらに、プロセッサ174は、上述したプログラムを実行することにより、A/D変換器173から入力された検出値に基づいて、第1センサ104の測定値及び第2センサ105の測定値を取得する。一実施形態では、A/D変換器173から出力された検出値をXとした場合、プロセッサ174では、測定値が(a・X+b)に比例した値となるように、検出値に基づいて測定値を取得している。ここで、a及びbは回路状態等によって変化する定数である。プロセッサ174は、例えば、測定値が(a・X+b)に比例した値となるような所定の演算式(関数)を有していてよい。
以上説明した測定器100では、測定器100がエッジリングERによって囲まれた領域に配置されている状態において、複数のセンサ電極143及びガード電極142はエッジリングERの内縁と対面する。これらセンサ電極143の信号とガード電極142の信号との電位差に基づいて生成される測定値は、複数のセンサ電極143それぞれとエッジリングERとの間の距離を反映する静電容量を表している。なお、静電容量Cは、C=εS/dで表される。εはセンサ電極143の前面143fとエッジリングERの内縁との間の媒質の誘電率であり、Sはセンサ電極143の前面143fの面積であり、dはセンサ電極143の前面143fとエッジリングERの内縁との間の距離と見なすことができる。
したがって、測定器100によれば、被加工物Wを模した当該測定器100とエッジリングERとの相対的な位置関係を反映する測定データが得られる。例えば、測定器100によって取得される複数の測定値は、センサ電極143の前面143fとエッジリングERの内縁との間の距離が大きくなるほど、小さくなる。したがって、第1センサ104A~104Cの各々のセンサ電極143の静電容量を表す測定値に基づいて、エッジリングERの各径方向における各センサ電極143のずれ量を求めることができる。そして、各径方向における第1センサ104A~104Cの各々のセンサ電極143のずれ量から、測定器100の搬送位置の誤差を求めることができる。
また、測定器100が静電チャックESCに載置されている状態では、複数のセンサ電極161及びガード電極162は静電チャックESCと対面する。上述の通り、静電容量Cは、C=εS/dで表される。εはセンサ電極161と静電チャックESCとの間の媒質の誘電率であり、dはセンサ電極161と静電チャックESCとの間の距離であり、Sは平面視においてセンサ電極161と静電チャックESCとが互いに重なり合う面積と見なすことができる。面積Sは、測定器100と静電チャックESCとの相対的な位置関係によって変化する。したがって、測定器100によれば、被加工物Wを模した当該測定器100と静電チャックESCとの相対的な位置関係を反映する測定データが得られる。
一例では、所定の搬送位置、すなわち静電チャックESCの中心と測定器100の中心とが一致する静電チャックESC上の位置に測定器100が搬送された場合、センサ電極161における外縁161bと静電チャックESCのエッジとが一致してもよい。この場合、例えば、測定器100の搬送位置が所定の搬送位置からずれることにより、センサ電極161が静電チャックESCに対して径方向の外側にずれたときに、面積Sは小さくなる。すなわち、センサ電極161によって測定される静電容量は、所定の搬送位置に測定器100が搬送された場合の静電容量に比べて小さくなる。したがって、第2センサ105A~105Cの各々のセンサ電極161の静電容量を表す測定値に基づいて、静電チャックESCの各径方向における各センサ電極161のずれ量を求めることができる。そして、各径方向における第2センサ105A~105Cの各々のセンサ電極161のずれ量から、測定器100の搬送位置の誤差を求めることができる。
続いて、温度環境の変化によって生じる静電容量の測定値の変動を抑制するための構成について説明する。まず、高周波発振器171と配線182及び配線183とC/V変換回路172との接続について、より詳細に説明する。図10は、高周波発振器171と配線182及び配線183とC/V変換回路172との接続を示す回路図である。図10に示すように、高周波発振器171と配線182との間には、抵抗171aが接続されている。高周波発振器171と配線183との間には、可変抵抗171b及び可変コンデンサ171cを含む位相調整回路171dが接続されている。C/V変換回路172は、その一部にオペアンプ及び抵抗を含む増幅回路172aを有している。増幅回路172aでは、オペアンプの反転入力端子に配線183が接続されており、オペアンプの非反転入力端子に配線182が接続されている。また、オペアンプの反転入力端子と出力端子とは抵抗を介して接続されている。増幅回路172aは、C/V変換回路172に入力されたセンサ電極143からの信号とガード電極142からの信号との電位差を増幅させる。
高周波発振器171と配線282及び配線283とC/V変換回路272とは、高周波発振器171と配線182及び配線183とC/V変換回路172と同様に接続されている。すなわち、高周波発振器171と配線282との間には、抵抗が接続されている。高周波発振器171と配線283との間には、可変抵抗及び可変コンデンサを含む位相調整回路が接続されている。C/V変換回路272は、その一部にオペアンプ及び抵抗を含む増幅回路を有している。増幅回路では、オペアンプの反転入力端子に配線283が接続されており、オペアンプの非反転入力端子に配線282が接続されている。また、オペアンプの反転入力端子と出力端子とは抵抗を介して接続されている。
上記のような回路構成においては、位相調整回路171dの可変抵抗171bの抵抗値が変更されることにより、センサ電極143からの信号の振幅が変更され得る。また、位相調整回路171dの可変コンデンサ171cの静電容量値が変更されることにより、センサ電極143からの信号の位相が変更され得る。一つの例示的実施形態では、可変抵抗171bの抵抗値と可変コンデンサ171cの静電容量値とがプロセッサ174によって調整(制御)されることにより、位相調整回路171dのアドミタンスが調整されている。
図10では、プロセッサ174に接続されたD/Aコンバータ174aの出力が可変抵抗171bに入力されている。プロセッサ174は、可変抵抗171bの抵抗値を調整するためのパラメータをデジタル信号としてD/Aコンバータ174aに出力する。D/Aコンバータ174aは、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して、可変抵抗171bに出力する。これにより、可変抵抗171bの抵抗値は、プロセッサ174から出力されたデジタル信号に対応した抵抗値に制御される。
また、プロセッサ174に接続されたD/Aコンバータ174bの出力は、可変コンデンサ171cに入力されている。プロセッサ174は、可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するためのパラメータをデジタル信号としてD/Aコンバータ174bに出力する。D/Aコンバータ174bは、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して、可変コンデンサ171cに出力する。これにより、可変コンデンサ171cの静電容量値は、プロセッサ174から出力されたデジタル信号に対応した静電容量値に制御される。
一つの例示的な実施形態では、プロセッサ174は、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するための基準となる基準パラメータ群(第2パラメータ群)に基づいて、測定環境に応じた補正パラメータ群を取得する。基準パラメータ群は、除湿環境において予め取得された複数の基準パラメータを有する。例えば、基準パラメータ群は、測定器100の製造段階において取得されてもよい。
可変抵抗171bの抵抗値を調整するための基準パラメータ群、及び、可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するための基準パラメータ群は、例えば、記憶装置178にテーブルとして格納されていてよい。テーブルは、複数の温度のそれぞれに対応する基準パラメータを有している。基準パラメータ群は、複数の温度のそれぞれにおいて複数のC/V変換回路172,272の出力電圧信号の基準点調整のために用いられる。一例として、基準点調整は、ゼロ点調整であってよい。すなわち、基準パラメータは、測定器100の検出対象が存在しない状態で、C/V変換回路172,272から出力される電圧信号がゼロになるように、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するパラメータであってよい。このパラメータは、可変コンデンサ171cの静電容量値及び可変抵抗171bの抵抗値をそれぞれ制御するためにプロセッサ174からD/Aコンバータ174a,174bに出力されたデジタル信号に対応するパラメータであってよい。
一例として、記憶装置178は、可変抵抗171bを制御するための基準パラメータを要素とするテーブルを第1センサ104A~104Cごとに有している。記憶装置178は、可変抵抗171bを制御するための基準パラメータを要素とするテーブルを第2センサ105A~105Cごとに有している。可変抵抗171bを制御するための各テーブルは、複数の温度ごとに各センサに対応する基準パラメータを有している。
記憶装置178は、可変コンデンサ171cを制御するための基準パラメータを要素とするテーブルを第1センサ104A~104Cごとに有している。記憶装置178は、可変コンデンサ171cを制御するための基準パラメータを要素とするテーブルを第2センサ105A~105Cごとに有している。可変コンデンサ171cを制御するための各テーブルは、複数の温度ごとに各センサに対応する基準パラメータを有している。
基準パラメータ群は、測定器100が実際に使用される際の環境下で取得されてもよい。すなわち、一例の基準パラメータ群は、20℃~80℃の温度環境下、且つ、到達真空度が10mTorr程度の湿度10%以下に除湿された除湿環境下で取得されてもよい。一つの例示的実施形態においては、除湿環境下で1日以上経過した測定器100によって基準パラメータ群が取得される。
基準パラメータ群の取得にあたっては、上記環境下において、測定器100による検出対象が存在しない状態で、C/V変換回路172,272から出力される電圧信号がゼロになるように可変抵抗171b及び可変コンデンサ171cを調整する。測定器100による検出対象が存在しない状態とは、例えば測定器100から検出対象までの間に検出値がゼロとなるべき空間が形成された状態であってよい。そして、このように調整されたときの、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を目的とする基準パラメータとして取得する。測定器100を20℃~80℃に調温した状態で、それぞれの温度において基準パラメータを取得することにより、テーブルを作成することができる。なお、20℃~80℃までの範囲において所定温度刻みで基準パラメータを取得してもよい。例えば、約3℃刻みで基準パラメータが取得されてもよい。この場合、基準パラメータが取得されていない温度帯については、取得された基準パラメータに基づいて推定されてもよい。一例として、取得された基準パラメータ間を線形補間することにより、基準パラメータが取得されていない温度帯の基準パラメータを決定してもよい。
上述のとおり、基準パラメータ群は、測定器100の製造段階で取得されており、実際の使用環境においてそのまま使用できないことがある。例えば、使用前に測定器100を除湿環境においたとしても、基準パラメータ群が取得されたときの測定器100の状態を再現できず、基準パラメータ群を使用してもゼロ点調整ができないことがある。そこで、一の例示的実施形態における測定器100では、基準パラメータ群に基づいて、使用時の環境に適した補正パラメータ群を取得する。
一例のプロセッサ174は、使用時の環境下において基準点調整のためのパラメータ(第1パラメータ)を任意の温度で取得し、この取得されたパラメータと基準パラメータとに基づいて、使用時の環境下における各温度のパラメータを取得する。すなわち、一例のプロセッサ174は、測定器100の検出対象が存在しない状態において、C/V変換回路172,272の電圧信号がゼロになるように、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するパラメータを取得する。プロセッサ174は、このパラメータが取得された時(第1の時間)の温度を示す温度データを補正時温度として取得し、パラメータと共に保持する。プロセッサ174は、補正時温度において取得されたパラメータが基準パラメータに合致するように、基準パラメータを補正する。例えば、プロセッサ174は、基準パラメータ群に基づいて補正時温度に対応する基準パラメータを取得し、補正時温度において取得されたパラメータ(第1パラメータ)との差分を取得する。例えば、補正時温度に対応する基準パラメータがテーブルに保存されていない場合には、予め取得されている基準時パラメータ群を線形補間したデータによって補正時温度に対応する基準パラメータを取得してもよい。プロセッサ174は、取得された差分を基準パラメータ群の全ての基準パラメータに展開することで、補正パラメータ群を取得する。
図11は、基準パラメータ群を格納したテーブルの一例である。図12は、補正パラメータ群を格納したテーブルの一例である。図11及び図12では、複数の温度において基準点調整されたときの、温度ごとの抵抗値のパラメータと静電容量値のパラメータとが示されている。測定器100が図11に示す基準パラメータ群を有しているときに、23.8℃の温度環境において基準点調整のためのパラメータ(第1パラメータ)を新たに取得したとする。例えば、新たに取得された基準点調整のための抵抗値のパラメータは、「11097」という値であり静電容量値のパラメータは「38892」という値であるとする。この場合、プロセッサ174は、基準パラメータ群を構成する基準パラメータ間を線形補間することにより、23.8℃における抵抗値の基準パラメータとして「11068」という値を取得し、静電容量値の基準パラメータとして「38873」という値を取得する。プロセッサ174は、基準点調整のために取得されたパラメータである「11097」及び「38892」と基準パラメータである「11068」及び「38873」とのそれぞれの差分を取得する。プロセッサ174は、取得した差分を基準パラメータ群の全ての基準パラメータに展開する。すなわち、上記例の場合、プロセッサ174は、差分である「29」及び「19」を抵抗値の基準パラメータ及び静電容量値の基準パラメータにそれぞれ加算し、図12に示す補正パラメータ群を取得する。
プロセッサ174は、取得された補正パラメータ群を用いて、変動する温度に適応するように、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整する。すなわち、プロセッサ174は、第1の時間よりも後の第2の時間において、温度センサ179によって取得される温度に対応する補正パラメータを補正パラメータ群に基づいて取得する。そして、プロセッサ174は、取得した補正パラメータに基づいて、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整する。取得された温度に対応する補正パラメータが格納されていない場合には、各補正パラメータ間を線形補間して対応する補正パラメータを取得してもよい。
また、上述のとおり、プロセッサ174では、A/D変換器173から出力された検出値をXとした場合、測定値が(a・X+b)に比例した値となるように、測定値を取得している。a及びbは回路状態等によって変化する定数であり、環境温度に依存し得る。一実施形態では、A/D変換器173から出力される検出値Xのそれぞれが、計算値による静電容量を示す測定値に変換されるように、C/V変換回路172A~172C及びC/V変換回路272A~272Cのそれぞれに対応して定数a,bが調整される。計算値による静電容量は、上述の静電容量Cを求める式によって算出され得る。
一つの例示的実施形態では、プロセッサ174によって、定数a,bが調整される。定数a,bは、例えば、記憶装置178にテーブルとして格納されていてよい。テーブルは、複数の温度のそれぞれに対応づけられた定数a,bを要素として有している。一例として、記憶装置178は、C/V変換回路172A~172C及びC/V変換回路272A~272Cのそれぞれに対応するテーブルを有している。すなわち、記憶装置178は、A/D変換器173から出力される複数の測定値の温度依存性を抑制するために、複数の温度にそれぞれ対応付けられた複数の定数群を記憶している。それぞれの定数群は、C/V変換回路172A~172C及びC/V変換回路272A~272Cのそれぞれに対応する複数の定数a,bを有する。プロセッサ174は、環境温度に対応した定数群を選択し、選択された定数群を構成する複数の定数a,bをそれぞれ対応する関数の定数として用いる。
このようなテーブルを取得する方法の一例について説明する。なお、測定器100の使用環境は、例えば、20℃~80℃であり、到達真空度が10mTorr程度の除湿された真空環境下であってよい。
定数a,bは、測定器100が実際に使用される際の環境下で取得される。すなわち、一例では、20℃~80℃の温度環境下であり、且つ、到達真空度が10mTorr程度の除湿された真空環境下で定数a,bが取得される。定数a,bの取得にあたっては、まず、エッジリングERの内側、且つ、静電チャックESC上に測定器100が配置される。そして、この状態で、測定器100の位置を水平に変化させながら、測定器100の相対的な位置と当該位置における検出値Xとを取得する。測定器100の相対的な位置とは、エッジリングERに対する第1センサ104A~104Cそれぞれの距離であってよい。この場合、計算値による第1センサ104A~104Cそれぞれの静電容量が算出され得る。また、測定器100の相対的な位置とは、静電チャックESCに対する第2センサ105A~105Cの位置であってよい。この場合、平面視におけるセンサ電極161と静電チャックESCとが互いに重なり合う面積が算出され得る。すなわち、計算値による第2センサ105A~105Cそれぞれの静電容量が算出され得る。そして、取得された検出値Xが計算値による静電容量に近似されるように定数a,bが算出される。算出された定数a,bがテーブルを構成する要素として取得される。測定器100を20℃~80℃に調温した状態で、それぞれの温度において定数a,bを取得することにより、テーブルを作成することができる。
続いて、測定器100の動作の一例について説明する。図13は、基準点調整の工程から静電容量が測定される工程までの測定器100の動作を示すフロー図である。該フロー図における動作は、処理システム1のチャンバS内において測定器100が静電容量を表す測定値を取得する測定システムの動作である。この動作は、1又は複数の制御装置(一例では、測定器100のプロセッサ174及び処理システム1の制御部MC)によって制御されている。なお、前提として、測定器100は工場等において組み立てられており、校正用の調整が行われている。校正用の調整は、上述の定数a,bを要素とするテーブルの取得であってよい。その後、除湿環境で1日以上経過した測定器100によって基準パラメータ群が取得されている。
図13に示す動作フローでは、測定器100は保管装置5のチャンバ5a内に保管されている。一例では、保管装置5のチャンバ5a内に測定器100が載置された状態で、チャンバ5a内が除湿環境とされる。このとき、チャンバ5a内は、除湿されたパージガス雰囲気下、真空環境下等の除湿環境下にあってよい。まず、測定器100は、温度センサ179によって周囲の温度を検出する(ステップST1)。検出された温度データは、例えば、記憶装置175に記憶される。次に、C/V変換回路172,272の出力電圧信号の基準点調整が実行される(ステップST2)。上述のとおり、基準点調整はゼロ点調整であってよい。すなわち、測定器100による検出対象が存在しない状態において、C/V変換回路172,272から出力される電圧信号がゼロになるように、プロセッサ174によって、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値が調整される。ステップST1とステップST2との順番は逆であってもよいし、同時であってもよい。
プロセッサ174は、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するためにD/Aコンバータ174a,174bに出力したデジタル値を例えば記憶装置175に記憶する。すなわち、プロセッサ174は、現在の環境下における基準点調整のためのパラメータを取得する(ステップST3)。一例では、測定器100が保管装置5のチャンバ5aに保管されている状態において、測定器100による検出対象が存在しないようになっている。そのため、上記各ステップは、保管装置5内において実行可能である。なお、保管装置5から取り出された測定器100によって上記各ステップが実行されてもよい。
続いて、測定器100は、補正パラメータ群を取得する(ステップST4)。すなわち、プロセッサ174は、予め記憶している基準パラメータ群に基づいて、ステップST1において取得された温度データに対応する基準パラメータを取得する。そして、プロセッサ174は、この取得した基準パラメータとステップST3で取得したパラメータとに基づいて、ステップST3で取得したパラメータに対応するように基準パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する。取得された補正パラメータ群は、例えば記憶装置175に保存される。
続いて、測定器100は、搬送位置データによって特定される載置領域上の位置に、搬送装置TU2によって搬送される(ステップST5)。一例においては、搬送の直前まで、測定器100は保管装置5によって生成される除湿環境下で保管されていてよい。ステップST5では、搬送装置TU1が、保管装置5からロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに測定器100を搬送する。そして、搬送装置TU2が、搬送位置データに基づいて、一方のロードロックモジュールから、プロセスモジュールPM1~PM6のうち何れかに測定器100を搬送し、当該測定器100を静電チャックESCの載置領域上に載置する。載置領域は、エッジリングERによって囲まれた領域であってよい。搬送位置データは、エッジリングERの中心位置に測定器100の中心軸線AX100の位置が一致するように予め定められた座標データである。搬送位置データは、静電チャックESCの中心位置に測定器100の中心軸線AX100の位置が一致するように予め定められた座標データであってもよい。測定器100が搬送されたプロセスモジュール内は、到達真空度が10mTorr程度の真空除湿環境に調整されてよい。
測定器100が保管装置5からプロセスモジュールに搬送される間、測定器100は一時的に大気に晒され得る。測定器100が大気に晒されている時間は、大気中の湿度が測定器100に対して実質的に影響を与えない程度の長さとなっている。例えば、測定器100が大気に晒されている時間は、1時間以下であってよい。
続いて、温度センサ179によって周囲の温度が検出される(ステップST6)。検出された温度データは、例えば、記憶装置175に記憶される。そして、検出された温度データに応じて、位相調整回路171dにおける可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値が設定される(ステップST7)。すなわち、プロセッサ174は、記憶装置175から温度センサ179によって検出された温度データを取得する。そして、プロセッサ174は、記憶装置175に記憶された補正パラメータ群の中から、該温度データに対応する補正パラメータを取得する。取得した補正パラメータをプロセッサ174がデジタル信号としてD/Aコンバータ174aに出力することにより、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値が制御される。
続いて、測定器100による測定が実施される(ステップST8)。ステップST8では、C/V変換回路172の出力信号(電圧信号)及びC/V変換回路272の出力信号(電圧信号)が、A/D変換器によってデジタル値に変換され、検出値としてプロセッサ174に出力される。この検出値は、温度データと紐付けられて、例えば記憶装置175に記憶されてもよい。
続いて、A/D変換器173から出力された検出値Xから静電容量を表す測定値を算出するための関数の定数が設定される(ステップST8)。一つの例示的実施形態では、測定値が(a・X+b)に比例した値となるように関数が設定されている。プロセッサ174は、記憶装置178に記憶された複数の定数a,bを含むテーブルから、検出値に紐付けられた温度データに対応する定数a,bを取得する。これにより、定数a,bが設定される(ステップST9)。
続いて、静電容量が取得される(ステップST10)。すなわち、取得された定数a,bが反映された関数によって、検出値が静電容量を表す測定値に変換される。取得された静電容量のデータは、センサごとに、温度データ、検出値等と紐付けられた状態で、記憶装置175に記憶され得る。一つの例示的実施形態においては、第1センサ104A~104Cによって取得されたそれぞれの静電容量に基づいて、エッジリングERの中心位置に対する測定器100の中心のずれ量(第1のずれ量)が導出され得る。また、第2センサ105A~105Cによって取得されたそれぞれの静電容量に基づいて、静電チャックESCの中心位置に対する測定器100の中心のずれ量(第2のずれ量)が導出され得る。さらに、第1のずれ量及び第2のずれ量に基づいて、静電チャックESCの中心位置に対するエッジリングERの中心のずれ量(第3のずれ量)が導出され得る。このようなずれ量は、例えば、搬送装置TU2による搬送に利用される搬送位置データの較正に利用され得る。
一例として、制御部MCは、第1のずれ量及び第2のずれ量の少なくとも一方に基づいて搬送位置データを較正してもよい。制御部MCは、較正された搬送位置データに基づいて被加工物W(又は測定器100)が搬送されるようにトランスファーモジュールTFの搬送装置TU2を制御してもよい。また、制御部MCは、第3のずれ量に基づいて搬送位置データを較正してもよい。
制御部MCは、エッジリングERが交換される際に、較正された搬送位置データに基づいてエッジリングERが搬送されるように搬送装置TU2を制御してもよい。この場合、交換されたエッジリングERの搬送位置を確認するために、測定器100による静電容量の計測が実行されてもよい。すなわち、制御部MCは、エッジリングERが交換された後に、測定器100がエッジリングERで囲まれた静電チャックesc上の載置領域に載置されるように、搬送装置TU2を制御し得る。
制御部MCは、較正された搬送位置データに基づいてエッジリングERの載置位置が変更されるように搬送装置TU2を制御してもよい。制御部MCは、エッジリングERの載置位置を変更する際に、リフトピン27aがエッジリングERを上昇させるようにプロセスモジュールのリフトピン27aを制御し得る。そして、制御部MCは、リフトピン27aによって上昇したエッジリングERを搬送装置TU2が受取るように、搬送装置TU2を制御する。制御部MCは、受け取ったエッジリングERが較正された搬送位置データに基づいて再び静電チャックESC上に載置されるように、搬送装置TU2を制御し得る。
以上説明のとおり、一つの例示的実施形態に係る測定方法は、第1の時間において、温度を取得するとともに、基準点調整(ゼロ点調整)用の位相調整回路171dのアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する工程を含む。プロセッサ174は、第1の時間において取得された温度に対応する位相調整回路171dのアドミタンスを設定する基準パラメータ(第2パラメータ)を取得する。基準パラメータは、基準パラメータ群は、予め記憶されている基準パラメータ群(第2パラメータ群)に基づいて取得される。プロセッサ174は、第1パラメータと基準パラメータとに基づいて、第1パラメータに対応するように基準パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する。プロセッサ174は、第1の時間よりも後の第2の時間において、補正パラメータ群に基づいて温度センサ179によって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得する。プロセッサ174は、取得された補正パラメータを用いて位相調整回路171dのアドミタンスを設定することにより、C/V変換回路から出力される電圧信号を基準点に調整する。
半導体製造装置においてプラズマ処理を行う場合、被加工物W、静電チャックESC、及びエッジリングERの互いの位置関係が重要である。そのため、被加工物Wが搬送される位置を示す信頼性の高いデータを取得することが求められている。一例として、被加工物Wと同型状を有する測定器100を搬送することにより、搬送された測定器100と、静電チャックESC及びエッジリングERとの互いの位置関係を示すデータが取得され得る。
測定器100では、複数のセンサ電極と高周波発振器171との間に複数の位相調整回路171dが接続されている。そのため、位相調整回路171dのアドミタンスが調整されることによって、複数のC/V変換回路172から出力される電圧信号の大きさが調整され得る。しかしながら、C/V変換回路172から出力される電圧信号の大きさは、周囲の温度の影響によって変動する場合がある。例えば、ある温度でゼロ点調整を行ったとしても、温度が変化した場合には、C/V変換回路172から出力される電圧信号が大きくなる場合がある。
そこで、例えば、温度センサ179によって検出された温度に応じたパラメータを用いて、複数のC/V変換回路ごとに対応する位相調整回路171dのアドミタンスを調整することが考えられる。すなわち、予め複数の温度に応じたパラメータを取得しておくことで、検出された温度に応じたパラメータを利用してアドミタンスを調整できる。
しかしながら、パラメータが取得された時の温度、湿度等を再現した環境下において、同じパラメータを使用している場合であっても、測定時の測定器100の状態によっては、基準点調整が適切に行えないことがある。例えば、可変コンデンサ171c等の電子部品の特性が湿度の影響を受けて変動することなどが原因として考えられる。静電容量測定時の温度が一定ではない環境下において、基準点調整を適切に行うには、測定のたびに複数の温度に応じたパラメータ群を取得することも考えられる。
一つの例示的実施形態では、実際の測定時に取得された基準点調整用のパラメータと予め取得された基準パラメータ群とに基づいて、基準パラメータ群を補正した補正パラメータ群が取得される。この補正パラメータ群は、測定時における基準点調整のためのパラメータに対応しているため、そのときの測定器の状態に応じてアドミタンスの調整を行うことができる。測定のたびに複数の温度に応じたパラメータ群を取得する場合、温度調整のためのヒータ等が必要であるだけでなく、温度調整に長時間必要となる。一方、予め取得された基準パラメータ群を補正する場合には、温度調整等の必要がなく短時間でパラメータ群を取得できる。
一つの例示的実施形態において、補正パラメータ群を取得する工程は、実際の測定時に取得された基準点調整用のパラメータと基準パラメータとの差分を算出し、算出された差分を用いて、基準パラメータ群を調整してもよい。この構成では、基準パラメータの要素である複数の基準パラメータを一律で補正することができる。
一つの例示的実施形態において、基準パラメータを取得する工程は、基準パラメータ群を構成する複数の基準パラメータを線形補間したデータに基づいて、第1の時間において取得された温度に対応する基準パラメータを取得してもよい。この構成では、基準パラメータ群として多数のデータを取得しなくても、データ間では線形補間したデータに基づいて基準パラメータを取得できるため、基準パラメータ群を構成する要素の数を少なくすることができる。
一つの例示的実施形態において、基準パラメータ群は、1日以上にわたって湿度10%以下の環境下におかれた測定器によって取得されてもよい。この構成では、測定器100の使用環境に近い状態で基準パラメータ群を取得することができる。すなわち、実際の測定時に取得された基準点調整用のパラメータと基準パラメータとの差分を小さくすることができる。
一つの例示的実施形態において、トランスファーモジュールTMは、ステージST上に配置されたエッジリングERを他のエッジリングERに交換可能であってよい。1又は複数の制御装置は、エッジリングERが他のエッジリングERに交換された後に、測定器100がステージST上の他のエッジリングERで囲まれた領域に載置されるようにトランスファーモジュールTMを制御し得る。この構成では、エッジリングERの交換後に測定器100によってエッジリングERの搬送位置が確認される。
一つの例示的実施形態において、測定器100は、保管装置5のチャンバ5a内において除湿環境下で保管されていてよい。この構成では、測定器100を使用環境に近い状態で保管できる。
一つの例示的実施形態において、1又は複数の制御装置は、算出された静電容量を表す測定値に基づいて、エッジリングERの中心に対する測定器100の中心のずれ量を求め得る。1又は複数の制御装置は、当該ずれ量に基づいて搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて被加工物Wが搬送されるようにトランスファーモジュールTMを制御し得る。この構成では、トランスファーモジュールTMによる搬送位置の精度が高められる。
一つの例示的実施形態において、1又は複数の制御装置は、算出された静電容量を表す測定値に基づいて、載置領域の中心に対する測定器100の中心のずれ量を求め得る。1又は複数の制御装置は、当該ずれ量に基づいて搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて被加工物Wが搬送されるようにトランスファーモジュールTMを制御し得る。この構成では、トランスファーモジュールTMによる搬送位置の精度が高められる。
一つの例示的実施形態において、1又は複数の制御装置は、算出された静電容量を表す測定値に基づいて、載置領域の中心に対するエッジリングERの中心のずれ量を求め得る。1又は複数の制御装置は、当該ずれ量に基づいて搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいてエッジリングERの載置位置が変更されるようにトランスファーモジュールTMを制御し得る。この構成では、トランスファーモジュールTMによる搬送位置の精度が高められる。
一つの例示的実施形態において、プロセスモジュールは、エッジリングERを上昇させるリフトピン27aを含み得る。1又は複数の制御装置は、エッジリングERの載置位置を変更する際に、リフトピン27aがエッジリングERを上昇させるようにプロセスモジュールを制御し得る。1又は複数の制御装置は、リフトピン27aによって上昇したエッジリングERを受取り、かつ、受け取ったエッジリングERが較正された搬送位置データに基づいて再びステージST上に載置されるように、トランスファーモジュールTMを制御し得る。この構成では、エッジリングERの搬送位置の精度が高められる。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、測定器100の動作の説明では、ステップST9において定数a,bを調整する例を示したが、ステップST9は省略されてもよい。
また、測定器100の使用環境は、20℃~80℃の温度環境に限定されない。温度環境の下限は20℃未満であってもよいし、温度環境の上限は80℃より高くてもよい。測定器100に格納される補正パラメータ群は、測定器100の使用環境に応じた温度に対応していてよい。
また、可変抵抗171b又は可変コンデンサ171cを制御するためのテーブルを取得する方法として、測定器100による検出対象が存在しない状態で、可変抵抗171b及び可変コンデンサ171cを調整する例を示したが、同方法はこれに限定されない。例えば、特定の条件において各センサによって出力される検出値が既知である場合には、センサによって出力されるデジタル値が、既知の検出値に一致するように可変抵抗171b及び可変コンデンサ171cを調整してもよい。
また、上述の例では、位相調整回路171dのアドミタンスを調整するために、可変抵抗171bの抵抗値と可変コンデンサ171cの静電容量値とが制御されている。別の例では、可変抵抗171b又は可変コンデンサ171cに流れる電流量を調整することによってアドミタンスを調整してもよい。この場合には、可変抵抗171b及び可変コンデンサ171cに代えて、位相調整回路171dは固定抵抗及び固定コンデンサを有していてもよい。
また、上述の例では、保管装置5がローダモジュールLMに隣接して設置されている例を示したが、例えば、プロセスモジュールのうちの一つを保管装置として使用してもよい。また、保管装置は、プロセスモジュールと同様に、トランスファーモジュールTFにゲートバルブを介して気密に接続されてもよい。保管装置がトランスファーモジュールTFに接続されている場合、ステップST5において、除湿環境を保持したまま測定器100を除湿真空環境下であるプロセスモジュールへ移行することができる。また、例えば、被加工物Wを収容する容器(FOUP)のうちの一つを保管装置として用いてもよい。さらに、保管装置は、処理システムから離間して配置されていてもよい。
また、基準点調整のためのパラメータが除湿環境下で取得される例を示したが、該パラメータが取得される環境は特に限定されない。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下に記載する。
[E1]
測定器と対象物との間の静電容量を測定する方法であって、
前記測定器は、
円盤状のベース基板と、
前記ベース基板に設けられたセンサ電極と、
前記ベース基板に設けられた温度センサと、
前記センサ電極に高周波信号を与えるように設けられた高周波発振器と、
前記センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成するC/V変換回路と、
前記センサ電極と前記高周波発振器との間に接続された位相調整回路と、を備え、
前記C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有し、
前記高周波発振器は、前記高周波信号を前記オペアンプの非反転入力端子に入力するように前記非反転入力端子に接続されており、且つ、前記位相調整回路を介して前記オペアンプの反転入力端子に接続されており、
該方法は、
第1の時間において、前記温度センサによって温度を取得するとともに、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整するために、前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する工程と、
前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を前記基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて前記位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得する工程と、
前記第1パラメータと前記第2パラメータとに基づいて、前記第1パラメータに対応するように前記第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する工程と、
前記第1の時間よりも後の第2の時間において、前記補正パラメータ群に基づいて前記温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得し、取得された前記補正パラメータを用いて前記位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整する工程と、を備える、測定方法。
[E2]
前記補正パラメータ群を取得する工程は、前記第1パラメータと前記第2パラメータとの差分を算出し、算出された前記差分を用いて、前記第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを調整する、[E1]に記載の測定方法。
[E3]
第2パラメータを取得する工程は、前記第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを線形補間したデータに基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記第2パラメータを取得する、[E1]又は[E2]に記載の測定方法。
[E4]
前記第2パラメータ群は、1日以上にわたって湿度10%以下の環境下におかれた前記測定器によって取得された、[E1]~[E3]のいずれか一項に記載の測定方法。
[E5]
円盤状のベース基板と、
前記ベース基板に設けられたセンサ電極と、
前記ベース基板に設けられた温度センサと、
前記センサ電極に高周波信号を与えるように設けられた高周波発振器と、
前記センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成するC/V変換回路と、
前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号をデジタル値に変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器から出力される前記デジタル値に基づいて、前記センサ電極が形成する前記静電容量を表す測定値を算出する演算装置と、
前記センサ電極と前記高周波発振器との間に接続された位相調整回路と、を備え、
前記C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有し、
前記高周波発振器は、前記高周波信号を前記オペアンプの非反転入力端子に入力するように前記非反転入力端子に接続されており、且つ、前記位相調整回路を介して前記オペアンプの反転入力端子に接続されており、
前記演算装置は、
第1の時間において、前記温度センサによって温度を取得するとともに、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整するために、前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得し、
前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を前記基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて前記位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得し、
前記第1パラメータと前記第2パラメータとに基づいて、前記第1パラメータに対応するように前記第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得し、
前記第1の時間よりも後の第2の時間において、前記補正パラメータ群に基づいて前記温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得し、取得された前記補正パラメータを用いて前記位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整する、測定器。
[E6]
処理システムのチャンバ内において測定器が静電容量を表す測定値を取得する測定システムであって、
前記処理システムと、前記測定器と、前記処理システム及び前記測定器の動作を制御する1又は複数の制御装置と、を備え、
前記処理システムは、
第1のチャンバを提供するチャンバ本体、前記第1のチャンバ内に設けられ、その上に前記測定器が載置されるステージ、及び、前記ステージ上に配置され前記測定器が載置される載置領域を囲むように載置されるエッジリング、を有するプロセスモジュールと、
前記プロセスモジュールに対して気密に接続され、減圧可能に構成された減圧室、及び、前記減圧室に設けられ、搬送位置データに基づいて前記測定器を搬送する搬送装置、を有するトランスファーモジュールと、
前記減圧室に対して気密に接続され、内側に前記測定器を保管する第2のチャンバを有する保管装置と、を有し、
前記測定器は、
円盤状のベース基板と、
前記ベース基板に設けられたセンサ電極と、
前記ベース基板に設けられた温度センサと、
前記センサ電極に高周波信号を与えるように設けられた高周波発振器と、
前記センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成するC/V変換回路と、
前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号をデジタル値に変換するA/D変換器と、
前記センサ電極と前記高周波発振器との間に接続された位相調整回路と、を備え、
前記C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有し、
前記高周波発振器は、前記高周波信号を前記オペアンプの非反転入力端子に入力するように前記非反転入力端子に接続されており、且つ、前記位相調整回路を介して前記オペアンプの反転入力端子に接続されており、
前記1又は複数の制御装置は、
第1の時間において、前記温度センサによって温度を取得するとともに、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整するために、前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得し、
前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を前記基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて前記位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得し、
前記第1パラメータと前記第2パラメータとに基づいて、前記第1パラメータに対応するように前記第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得し、
前記第1の時間よりも後の第2の時間において、前記補正パラメータ群に基づいて前記温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得し、取得された前記補正パラメータを用いて前記位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整し、
前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号が基準点に調整された状態で、前記A/D変換器から出力される前記デジタル値に基づいて、前記センサ電極が形成する前記静電容量を表す測定値を算出する、測定システム。
[E7]
前記1又は複数の制御装置は、前記補正パラメータ群を取得する際に、前記第1パラメータと前記第2パラメータとの差分を算出し、算出された前記差分を用いて、前記第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを調整する、[E6]に記載の測定システム。
[E8]
前記1又は複数の制御装置は、前記第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを線形補間したデータに基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記第2パラメータを取得する、[E6]又は[E7]に記載の測定システム。
[E9]
前記第2パラメータ群は、1日以上にわたって湿度10%以下の環境下におかれた前記測定器によって取得された、[E6]~[E8]のいずれか一項に記載の測定システム。
[E10]
前記トランスファーモジュールは、前記ステージ上に配置された前記エッジリングを他のエッジリングに交換可能であり、
前記1又は複数の制御装置は、前記エッジリングが前記他のエッジリングに交換された後に、前記測定器が前記ステージ上の前記他のエッジリングで囲まれた領域に載置されるように前記トランスファーモジュールを制御する、[E6]~[E9]のいずれか一項に記載の測定システム。
[E11]
前記測定器は、前記保管装置の前記第2のチャンバ内において除湿環境下で保管されている、[E6]~[E10]のいずれか一項に記載の測定システム。
[E12]
前記1又は複数の制御装置は、算出された前記静電容量を表す前記測定値に基づいて、前記エッジリングの中心に対する前記測定器の中心のずれ量を求め、当該ずれ量に基づいて前記搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて被加工物が搬送されるように前記トランスファーモジュールを制御する、[E6]~[E11]のいずれか一項に記載の測定システム。
[E13]
前記1又は複数の制御装置は、算出された前記静電容量を表す前記測定値に基づいて、前記載置領域の中心に対する前記測定器の中心のずれ量を求め、当該ずれ量に基づいて前記搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて被加工物が搬送されるように前記トランスファーモジュールを制御する、[E6]~[E12]のいずれか一項に記載の測定システム。
[E14]
前記1又は複数の制御装置は、算出された前記静電容量を表す前記測定値に基づいて、前記載置領域の中心に対する前記エッジリングの中心のずれ量を求め、当該ずれ量に基づいて前記搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて前記エッジリングの載置位置が変更されるように前記トランスファーモジュールを制御する、[E6]~[E13]のいずれか一項に記載の測定システム。
[E15]
前記プロセスモジュールは、前記エッジリングを上昇させるリフトピンを含み、
前記1又は複数の制御装置は、
前記エッジリングの載置位置を変更する際に、前記リフトピンが前記エッジリングを上昇させるように前記プロセスモジュールを制御し、
前記リフトピンによって上昇したエッジリングを受取り、受け取った前記エッジリングが前記較正された搬送位置データに基づいて再び前記ステージ上に載置されるように、前記トランスファーモジュールを制御する、[E14]に記載の測定システム。
100…測定器、102…ベース基板、104…第1センサ(センサ)、105…第2センサ(センサ)、171…高周波発振器、171d…位相調整回路、172,272…C/V変換回路、172a…増幅回路、173…A/D変換器、174…プロセッサ、179…温度センサ。

Claims (15)

  1. 測定器と対象物との間の静電容量を測定する方法であって、
    前記測定器は、
    円盤状のベース基板と、
    前記ベース基板に設けられたセンサ電極と、
    前記ベース基板に設けられた温度センサと、
    前記センサ電極に高周波信号を与えるように設けられた高周波発振器と、
    前記センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成するC/V変換回路と、
    前記センサ電極と前記高周波発振器との間に接続された位相調整回路と、を備え、
    前記C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有し、
    前記高周波発振器は、前記高周波信号を前記オペアンプの非反転入力端子に入力するように前記非反転入力端子に接続されており、且つ、前記位相調整回路を介して前記オペアンプの反転入力端子に接続されており、
    該方法は、
    第1の時間において、前記温度センサによって温度を取得するとともに、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整するために、前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得する工程と、
    前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を前記基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて前記位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得する工程と、
    前記第1パラメータと前記第2パラメータとに基づいて、前記第1パラメータに対応するように前記第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する工程と、
    前記第1の時間よりも後の第2の時間において、前記補正パラメータ群に基づいて前記温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得し、取得された前記補正パラメータを用いて前記位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整する工程と、を備える、測定方法。
  2. 前記補正パラメータ群を取得する工程は、前記第1パラメータと前記第2パラメータとの差分を算出し、算出された前記差分を用いて、前記第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを調整する、請求項1に記載の測定方法。
  3. 第2パラメータを取得する工程は、前記第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを線形補間したデータに基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記第2パラメータを取得する、請求項1に記載の測定方法。
  4. 前記第2パラメータ群は、1日以上にわたって湿度10%以下の環境下におかれた前記測定器によって取得された、請求項1に記載の測定方法。
  5. 円盤状のベース基板と、
    前記ベース基板に設けられたセンサ電極と、
    前記ベース基板に設けられた温度センサと、
    前記センサ電極に高周波信号を与えるように設けられた高周波発振器と、
    前記センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成するC/V変換回路と、
    前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号をデジタル値に変換するA/D変換器と、
    前記A/D変換器から出力される前記デジタル値に基づいて、前記センサ電極が形成する前記静電容量を表す測定値を算出する演算装置と、
    前記センサ電極と前記高周波発振器との間に接続された位相調整回路と、を備え、
    前記C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有し、
    前記高周波発振器は、前記高周波信号を前記オペアンプの非反転入力端子に入力するように前記非反転入力端子に接続されており、且つ、前記位相調整回路を介して前記オペアンプの反転入力端子に接続されており、
    前記演算装置は、
    第1の時間において、前記温度センサによって温度を取得するとともに、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整するために、前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得し、
    前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を前記基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて前記位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得し、
    前記第1パラメータと前記第2パラメータとに基づいて、前記第1パラメータに対応するように前記第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得し、
    前記第1の時間よりも後の第2の時間において、前記補正パラメータ群に基づいて前記温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得し、取得された前記補正パラメータを用いて前記位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整する、測定器。
  6. 処理システムのチャンバ内において測定器が静電容量を表す測定値を取得する測定システムであって、
    前記処理システムと、前記測定器と、前記処理システム及び前記測定器の動作を制御する1又は複数の制御装置と、を備え、
    前記処理システムは、
    第1のチャンバを提供するチャンバ本体、前記第1のチャンバ内に設けられ、その上に前記測定器が載置されるステージ、及び、前記ステージ上に配置され前記測定器が載置される載置領域を囲むように載置されるエッジリング、を有するプロセスモジュールと、
    前記プロセスモジュールに対して気密に接続され、減圧可能に構成された減圧室、及び、前記減圧室に設けられ、搬送位置データに基づいて前記測定器を搬送する搬送装置、を有するトランスファーモジュールと、
    前記減圧室に対して気密に接続され、内側に前記測定器を保管する第2のチャンバを有する保管装置と、を有し、
    前記測定器は、
    円盤状のベース基板と、
    前記ベース基板に設けられたセンサ電極と、
    前記ベース基板に設けられた温度センサと、
    前記センサ電極に高周波信号を与えるように設けられた高周波発振器と、
    前記センサ電極が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成するC/V変換回路と、
    前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号をデジタル値に変換するA/D変換器と、
    前記センサ電極と前記高周波発振器との間に接続された位相調整回路と、を備え、
    前記C/V変換回路は、オペアンプを含む増幅回路を有し、
    前記高周波発振器は、前記高周波信号を前記オペアンプの非反転入力端子に入力するように前記非反転入力端子に接続されており、且つ、前記位相調整回路を介して前記オペアンプの反転入力端子に接続されており、
    前記1又は複数の制御装置は、
    第1の時間において、前記温度センサによって温度を取得するとともに、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整するために、前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第1パラメータを取得し、
    前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を前記基準点に調整するために複数の温度にそれぞれ対応付けて前記位相調整回路のアドミタンスを設定する予め記憶している第2パラメータ群に基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記位相調整回路のアドミタンスを設定する第2パラメータを取得し、
    前記第1パラメータと前記第2パラメータとに基づいて、前記第1パラメータに対応するように前記第2パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得し、
    前記第1の時間よりも後の第2の時間において、前記補正パラメータ群に基づいて前記温度センサによって新たに取得された温度に対応する補正パラメータを取得し、取得された前記補正パラメータを用いて前記位相調整回路のアドミタンスを設定することにより、前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号を基準点に調整し、
    前記C/V変換回路から出力される前記電圧信号が基準点に調整された状態で、前記A/D変換器から出力される前記デジタル値に基づいて、前記センサ電極が形成する前記静電容量を表す測定値を算出する、測定システム。
  7. 前記1又は複数の制御装置は、前記補正パラメータ群を取得する際に、前記第1パラメータと前記第2パラメータとの差分を算出し、算出された前記差分を用いて、前記第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを調整する、請求項6に記載の測定システム。
  8. 前記1又は複数の制御装置は、前記第2パラメータ群を構成する複数の温度に対応する複数のパラメータを線形補間したデータに基づいて、前記第1の時間において取得された温度に対応する前記第2パラメータを取得する、請求項6に記載の測定システム。
  9. 前記第2パラメータ群は、1日以上にわたって湿度10%以下の環境下におかれた前記測定器によって取得された、請求項6に記載の測定システム。
  10. 前記トランスファーモジュールは、前記ステージ上に配置された前記エッジリングを他のエッジリングに交換可能であり、
    前記1又は複数の制御装置は、前記エッジリングが前記他のエッジリングに交換された後に、前記測定器が前記ステージ上の前記他のエッジリングで囲まれた領域に載置されるように前記トランスファーモジュールを制御する、請求項6に記載の測定システム。
  11. 前記測定器は、前記保管装置の前記第2のチャンバ内において除湿環境下で保管されている、請求項6に記載の測定システム。
  12. 前記1又は複数の制御装置は、算出された前記静電容量を表す前記測定値に基づいて、前記エッジリングの中心に対する前記測定器の中心のずれ量を求め、当該ずれ量に基づいて前記搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて被加工物が搬送されるように前記トランスファーモジュールを制御する、請求項6に記載の測定システム。
  13. 前記1又は複数の制御装置は、算出された前記静電容量を表す前記測定値に基づいて、前記載置領域の中心に対する前記測定器の中心のずれ量を求め、当該ずれ量に基づいて前記搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて被加工物が搬送されるように前記トランスファーモジュールを制御する、請求項6に記載の測定システム。
  14. 前記1又は複数の制御装置は、算出された前記静電容量を表す前記測定値に基づいて、前記載置領域の中心に対する前記エッジリングの中心のずれ量を求め、当該ずれ量に基づいて前記搬送位置データを較正し、較正された搬送位置データに基づいて前記エッジリングの載置位置が変更されるように前記トランスファーモジュールを制御する、請求項6に記載の測定システム。
  15. 前記プロセスモジュールは、前記エッジリングを上昇させるリフトピンを含み、
    前記1又は複数の制御装置は、
    前記エッジリングの載置位置を変更する際に、前記リフトピンが前記エッジリングを上昇させるように前記プロセスモジュールを制御し、
    前記リフトピンによって上昇したエッジリングを受取り、受け取った前記エッジリングが前記較正された搬送位置データに基づいて再び前記ステージ上に載置されるように、前記トランスファーモジュールを制御する、請求項14に記載の測定システム。

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