JP2024036972A - 測定方法 - Google Patents

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【課題】プロセス処理が行われる温度環境と同じ又は同様の温度環境で、測定器によって静電容量を測定する技術を提供する。【解決手段】例示的実施形態に係る測定方法は、プロセス処理レシピのうち、ステージの温度条件、上部電極の温度条件、及び、ガス供給装置によって供給されるガスの圧力条件、の少なくとも1つの条件を調節する工程を含む。この工程では、ステージ上の測定器の回路基板の温度が回路基板の定格温度の範囲になるように、条件が調節される。【選択図】図15

Description

本開示の例示的実施形態は、測定方法に関する。
特許文献1には、静電容量測定用の測定器が記載されている。この測定器は、プラズマ処理装置内において、エッジリングで囲まれた静電チャック上に搬送され、エッジリングとの間に形成される静電容量値及び静電チャックとの間に形成される静電容量値を測定する。測定器は、測定された静電容量値に基づいて、エッジリングの中心と測定器の中心とのずれ量、及び、静電チャックの中心と測定器の中心とのずれ量を導出することができる。
特開2020-190539号公報
本開示は、プロセス処理が行われる温度環境と同じ又は同様の温度環境で、測定器によって静電容量を測定する技術を提供する。
一つの例示的実施形態においては、プロセス処理を実行するための処理システムのチャンバ内において測定器によって静電容量を表す測定値を取得する測定方法が提供される。処理システムは、チャンバを提供するチャンバ本体を有するプロセスモジュールと、チャンバ内に測定器を搬送する搬送装置と、を備える。プロセスモジュールは、チャンバ本体に設けられた搬送用の開口部と、開口部を開閉するシャッターと、チャンバ本体の内壁に沿って設けられるデポシールドと、測定器が載置されるステージと、ステージの上方に位置する上部電極と、を含む。また、プロセスモジュールは、チャンバ内にガスを供給するガス供給部を含む。プロセス処理は、シャッター、デポシールド、ステージ及び上部電極をそれぞれ所定の温度に制御するとともに、ガス供給部によって供給されるガスを所定の圧力に制御する、プロセス処理レシピに基づく環境下で実施される。測定器は、円盤状のベース基板と、ベース基板に設けられた、静電容量を表す測定値を測定するためのセンサ電極と、ベース基板に設けられた温度センサと、ベース基板に設けられ、センサ電極及び温度センサに接続された回路基板と、を備える。該方法は、ステージ上の所定位置に搬送装置によって測定器を搬送する工程を含む。該方法は、プロセス処理レシピのうち、ステージの温度条件、上部電極の温度条件、及び、ガス供給部によって供給されるガスの圧力条件、の少なくとも1つの条件を調節する工程を含む。この工程では、ステージ上の測定器の回路基板の温度が回路基板の定格温度の範囲になるように、条件が調節される。該方法は、ステージ上の測定器の回路基板の温度が定格温度未満で安定した状態で、測定器のセンサ電極によって測定値を取得する工程を備える。
一つの例示的実施形態に係る測定方法によれば、プロセス処理が行われる温度環境と同じ又は同様の温度環境で、測定器によって静電容量を測定することができる。
処理システムを例示する図である。 アライナを例示する斜視図である。 プラズマ処理装置の一例を示す図である。 温度制御機構を説明するためのブロック図である。 一例の測定器を上面側から見て示す平面図である。 一例の測定器を底面側から見て示す平面図である。 第1センサの一例を示す斜視図である。 図7のVIII-VIII線に沿ってとった断面図である。 図6の第2センサの拡大図である。 測定器の回路基板の構成を例示する図である。 測定器の回路基板の構成の詳細を例示する図である。 基準パラメータ群の一例を示すテーブルである。 補正パラメータ群の一例を示すテーブルである。 プロセス処理装置で利用されるレシピを示す図である。 測定器によって静電容量が測定される際の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態においては、プロセス処理を実行するための処理システムのチャンバ内において測定器によって静電容量を表す測定値を取得する測定方法が提供される。処理システムは、チャンバを提供するチャンバ本体を有するプロセスモジュールと、チャンバ内に測定器を搬送する搬送装置と、を備える。プロセスモジュールは、チャンバ本体に設けられた搬送用の開口部と、開口部を開閉するシャッターと、チャンバ本体の内壁に沿って設けられるデポシールドと、測定器が載置されるステージと、ステージの上方に位置する上部電極と、を含む。また、プロセスモジュールは、チャンバ内にガスを供給するガス供給部を含む。プロセス処理は、シャッター、デポシールド、ステージ及び上部電極をそれぞれ所定の温度に制御するとともに、ガス供給部によって供給されるガスを所定の圧力に制御する、プロセス処理レシピに基づく環境下で実施される。測定器は、円盤状のベース基板と、ベース基板に設けられた、静電容量を表す測定値を測定するためのセンサ電極と、ベース基板に設けられた温度センサと、ベース基板に設けられ、センサ電極及び温度センサに接続された回路基板と、を備える。該方法は、ステージ上の所定位置に搬送装置によって測定器を搬送する工程を含む。該方法は、プロセス処理レシピのうち、ステージの温度条件、上部電極の温度条件、及び、ガス供給部によって供給されるガスの圧力条件、の少なくとも1つの条件を調節する工程を含む。この工程では、ステージ上の測定器の回路基板の温度が回路基板の定格温度の範囲になるように、条件が調節される。該方法は、ステージ上の測定器の回路基板の温度が定格温度未満で安定した状態で、測定器のセンサ電極によって測定値を取得する工程を備える。
上記の測定方法では、少なくともシャッター及びデポシールドの温度がプロセス処理における温度条件に制御されているため、チャンバ内の温度をプロセス処理が実施されるときの温度に近づけることができる。一方、ステージの温度、上部電極の温度、及び、ガス供給部によって供給されるガスの圧力、の少なくとも1つが調節されることにより、ステージ上の測定器の回路基板の温度は定格温度の範囲になる。ステージ上に載置された測定器の温度は、ステージからの熱伝達、上部電極からの熱放射、及び、チャンバ内のガスによる熱対流の影響を受けやすい。そこで、ステージの温度、上部電極の温度、及び、ガスの圧力のいずれかが調整されることにより、例えばチャンバ内が高温に保たれた状態であったとしても、測定器の温度を定格温度に保つことができる。ステージ上の測定器の温度が定格温度未満で安定することにより、プロセス処理が行われる温度環境と同じ又は同様の温度環境で、測定器によって静電容量を測定することができる。
一つの例示的実施形態において、プロセス処理では、以下のように制御されてよい。シャッターの温度は、30℃より高く150℃以下の範囲内に制御されてよい。デポシールドの温度は30℃より高く150℃以下の範囲内に制御されてよい。ステージの温度は20℃より高く80℃以下の範囲内に制御されてよい。上部電極の温度は40℃より高く150℃以下の範囲内に制御されてよい。ガス供給部によって供給されるガスの圧力は、100mTorr以上1000mTorr以下の範囲に制御されてよい。
一つの例示的実施形態において、定格温度の上限は80℃であってよい。
一つの例示的実施形態において、調節する工程は、ガス供給部によって供給されるガスの圧力を500mTorr以上に調節してよい。この構成では、ガスの熱対流によって測定器の熱が放熱されやすくなる。これにより、熱平衡状態における測定器の温度が低くなるとともに、熱平衡状態に到達するまでの時間を短くすることができる。
一つの例示的実施形態において、調節する工程は、上部電極の温度を40℃以下に調節してよい。この構成では、上部電極からの熱放射の影響が低減されることにより、測定器の温度上昇を抑制できる。
一つの例示的実施形態において、調節する工程は、ステージの温度を20℃以下に調節してよい。この構成では、ステージからの熱伝達の影響が低減されることにより、測定器の温度上昇を抑制できる。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
一つの例示的実施形態に係る測定器は、搬送システムS1としての機能を有する処理システム1によって搬送され得る。まず、被加工物を処理するための処理装置、及び、当該処理装置に被処理体を搬送するための搬送装置を有する処理システムについて説明する。図1は、処理システムを例示する図である。処理システム1は、台2a~2d、容器4a~4d、ローダモジュールLM、アライナAN、ロードロックモジュールLL1,LL2、プロセスモジュールPM1~PM6、トランスファーモジュールTF、制御部MC及び保管装置5を備えている。なお、台2a~2dの個数、容器4a~4dの個数、ロードロックモジュールLL1,LL2の個数、及び、プロセスモジュールPM1~PM6の個数は限定されるものではなく、一以上の任意の個数であり得る。
台2a~2dは、ローダモジュールLMの一縁に沿って配列されている。容器4a~4dはそれぞれ、台2a~2d上に搭載されている。容器4a~4dの各々は、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)と称される容器である。容器4a~4dのそれぞれは、被加工物Wを収容するように構成され得る。被加工物Wは、ウエハのように略円盤形状を有する。
ローダモジュールLMは、大気圧状態の搬送空間をその内部に画成するチャンバ壁を有している。この搬送空間内には搬送装置TU1が設けられている。搬送装置TU1は、例えば、多関節ロボットであり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU1は、容器4a~4dとアライナANとの間、アライナANとロードロックモジュールLL1~LL2の間、ロードロックモジュールLL1~LL2と容器4a~4dの間で被加工物Wを搬送するように構成されている。
アライナANは、ローダモジュールLMと接続されている。アライナANは、被加工物Wの位置の調整(位置の較正)を行うように構成されている。図2は、アライナを例示する斜視図である。アライナANは、支持台6T、駆動装置6D、及び、センサ6Sを有している。支持台6Tは、鉛直方向に延びる軸線中心に回転可能な台であり、その上に被加工物Wを支持するように構成されている。支持台6Tは、駆動装置6Dによって回転される。駆動装置6Dは、制御部MCによって制御される。駆動装置6Dからの動力により支持台6Tが回転すると、当該支持台6T上に載置された被加工物Wも回転するようになっている。
センサ6Sは、光学センサであり、被加工物Wが回転されている間、被加工物Wのエッジを検出する。センサ6Sは、エッジの検出結果から、基準角度位置に対する被加工物WのノッチWN(或いは、別のマーカー)の角度位置のずれ量、及び、基準位置に対する被加工物Wの中心位置のずれ量を検出する。センサ6Sは、ノッチWNの角度位置のずれ量及び被加工物Wの中心位置のずれ量を制御部MCに出力する。制御部MCは、ノッチWNの角度位置のずれ量に基づき、ノッチWNの角度位置を基準角度位置に補正するための支持台6Tの回転量を算出する。制御部MCは、この回転量の分だけ支持台6Tを回転させるよう、駆動装置6Dを制御する。これにより、ノッチWNの角度位置を基準角度位置に補正することができる。また、制御部MCは、アライナANから被加工物Wを受け取る際の搬送装置TU1のエンドエフェクタ(end effector)の位置を、被加工物Wの中心位置のずれ量に基づき、制御する。これにより、搬送装置TU1のエンドエフェクタ上の所定位置に被加工物Wの中心位置が一致する。
図1に戻り、ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、ローダモジュールLMとトランスファーモジュールTFとの間に設けられている。ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2の各々は、予備減圧室を提供している。
トランスファーモジュールTFは、ロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2にゲートバルブを介して気密に接続されている。トランスファーモジュールTFは、減圧可能な減圧室を提供している。この減圧室には、搬送装置TU2が設けられている。搬送装置TU2は、例えば、搬送アームTUaを有する多関節ロボットであり、制御部MCによって制御される。搬送装置TU2は、ロードロックモジュールLL1~LL2とプロセスモジュールPM1~PM6との間、及び、プロセスモジュールPM1~PM6のうち任意の二つのプロセスモジュール間において、被加工物Wを搬送するように構成されている。
プロセスモジュールPM1~PM6は、トランスファーモジュールTFにゲートバルブを介して気密に接続されている。プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、被加工物Wに対してプラズマ処理といった専用のプロセス処理を行うよう構成された処理装置である。
保管装置5は、除湿された環境下で後述する測定器100を保管し得る。図1に示すように、保管装置5は、密閉可能な内部空間を提供するチャンバ5aと、チャンバ5aにバルブを介して接続されたガス供給装置5bと、チャンバ5aに接続された排気装置5cとを含む。一例の保管装置5は、ローダモジュールLMに隣接して設置されていてもよい。この場合、チャンバ5aは、測定器100が通過可能なゲートを介して、ローダモジュールLMの搬送空間に接続されていてよい。ゲートが開いた状態では、チャンバ5a内の空間とローダモジュールLM内の搬送空間とが接続される。ゲートが閉じた状態ではチャンバ5a内の空間が密閉され得る。測定器100は、チャンバ5aのゲートが開いた状態において、搬送装置TU1によって搬送され得る。例えば、搬送装置TU1は、ローダモジュールLMを介して、ロードロックモジュールLL1~LL2とチャンバ5aとの間で測定器100を搬送し得る。
ガス供給装置5bは、水分を含まないパージガスをチャンバ5a内に供給し得る。パージガスは、例えば窒素ガス等の不活性ガスであってよい。排気装置5cは、チャンバ5a内のガスを外部に排気するための装置である。一例として、排気装置5cは、チャンバ5a内を所望の真空度まで減圧できる真空ポンプであってもよい。
例えば、ガス供給装置5bからパージガスがチャンバ5a内に供給されることによって、チャンバ5aの内部空間が除湿環境となり得る。また、排気装置5cによってチャンバ5aの内部空間が真空引きされることによって、チャンバ5aの内部空間が除湿環境となり得る。一例として、チャンバ5aの内部空間は、到達真空度が10mTorr程度の真空除湿環境に調整されてよい。除湿環境とは、空間における湿度が10%以下であることをいう。なお、シリカゲル等の除湿剤をチャンバ5a内に配置することによって、チャンバ5a内の除湿環境を実現してもよい。
この処理システム1において被加工物Wの処理が行われる際の一連の動作は以下の通り例示される。ローダモジュールLMの搬送装置TU1が、容器4a~4dの何れかから被加工物Wを取り出し、当該被加工物WをアライナANに搬送する。次いで、搬送装置TU1は、その位置が調整された被加工物WをアライナANから取り出して、当該被加工物WをロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに搬送する。次いで、一方のロードロックモジュールが、予備減圧室の圧力を所定の圧力に減圧する。次いで、トランスファーモジュールTFの搬送装置TU2が、一方のロードロックモジュールから被加工物Wを取り出し、当該被加工物WをプロセスモジュールPM1~PM6のうち何れかに搬送する。そして、プロセスモジュールPM1~PM6のうち一以上のプロセスモジュールが被加工物Wを処理する。そして、搬送装置TU2が、処理後の被加工物WをプロセスモジュールからロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに搬送する。次いで、搬送装置TU1が被加工物Wを一方のロードロックモジュールから容器4a~4dの何れかに搬送する。
この処理システム1は、上述したように制御部MCを備えている。制御部MCは、プロセッサ、メモリといった記憶装置、表示装置、入出力装置、通信装置等を備えるコンピュータであり得る。上述した処理システム1の一連の動作は、記憶装置に記憶されたプログラムに従った制御部MCによる処理システム1の各部の制御により、実現されるようになっている。
図3は、プロセスモジュールPM1~PM6の何れかとして採用され得るプラズマ処理装置の一例を示す図である。図3に示すプラズマ処理装置10は、容量結合型プラズマエッチング装置である。プラズマ処理装置10は、略円筒形状のチャンバ本体12を備えている。チャンバ本体12は、例えば、アルミニウムから形成されており、その内壁面には、陽極酸化処理が施され得る。このチャンバ本体12は保安接地されている。
チャンバ本体12の底部上には、略円筒形状の支持部14が設けられている。支持部14は、例えば、絶縁材料から構成されている。支持部14は、チャンバ本体12内に設けられており、チャンバ本体12の底部から上方に延在している。また、チャンバ本体12によって提供されるチャンバS内には、ステージSTが設けられている。ステージSTは、支持部14によって支持されている。
ステージSTは、下部電極LE及び静電チャックESCを有している。下部電極LEは、第1プレート18a及び第2プレート18bを含んでいる。第1プレート18a及び第2プレート18bは、例えばアルミニウムといった金属から構成されており、略円盤形状をなしている。第2プレート18bは、第1プレート18a上に設けられており、第1プレート18aに電気的に接続されている。
第2プレート18b上には、静電チャックESCが設けられている。静電チャックESCは、導電膜である電極を一対の絶縁層又は絶縁シート間に配置した構造を有しており、略円盤形状を有している。静電チャックESCの電極には、直流電源22がスイッチ23を介して電気的に接続されている。この静電チャックESCは、直流電源22からの直流電圧により生じたクーロン力等の静電力により被加工物Wを吸着する。これにより、静電チャックESCは、被加工物Wを保持することができる。
第2プレート18bの周縁部上には、エッジリングERが設けられている。このエッジリングERは、被加工物Wのエッジ及び静電チャックESCを囲むように設けられている。エッジリングERは、第1部分P1及び第2部分P2を有している(図8参照)。第1部分P1及び第2部分P2は環状板形状を有している。第2部分P2は、第1部分P1よりも外側の部分である。第2部分P2は、第1部分P1よりも高さ方向に大きな厚みを有している。第2部分P2の内縁P2iは第1部分P1の内縁P1iの直径よりも大きい直径を有している。被加工物Wは、そのエッジ領域が、エッジリングERの第1部分P1上に位置するように、静電チャックESC上に載置される。このエッジリングERは、シリコン、炭化ケイ素、酸化シリコンといった種々の材料のうち何れかから形成され得る。
ステージSTには、当該ステージSTを貫通する複数(例えば、三つ)の貫通孔25が形成されている。複数の貫通孔25は、平面視において静電チャックESCの内側に形成されている。これら、それぞれの貫通孔25には、リフトピン25aが挿入されている。なお、図3においては、一本のリフトピン25aが挿入された一つの貫通孔25が描かれている。リフトピン25aは、貫通孔25内において上下動可能に設けられている。リフトピン25aの上昇によって、静電チャックESC上に支持された被加工物Wが上昇する。
ステージSTには、平面視において静電チャックESCよりも外側の位置に、当該ステージST(下部電極LE)を貫通する複数(例えば、三つ)の貫通孔27が形成されている。これら、それぞれの貫通孔27には、リフトピン27aが挿入されている。なお、図3においては、一本のリフトピン27aが挿入された一つの貫通孔27が描かれている。リフトピン27aは、貫通孔27内において上下動可能に設けられている。リフトピン27aの上昇によって、第2プレート18b上に支持されたエッジリングERが上昇する。
また、プラズマ処理装置10には、ガス供給ライン28(ガス供給部)が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス(例えばNガス、Heガス等)を、静電チャックESCの上面と被加工物Wの裏面との間に供給する。
また、プラズマ処理装置10は、上部電極30を備えている。上部電極30は、ステージSTの上方において、当該ステージSTと対向配置されている。上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、チャンバ本体12の上部に支持されている。上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34はチャンバSに面しており、当該天板34には複数のガス吐出孔34aが設けられている。この天板34は、シリコン又は石英から形成され得る。或いは、天板34は、アルミニウム製の母材の表面に酸化イットリウムといった耐プラズマ性の膜を形成することによって構成され得る。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から構成され得る。この支持体36は、水冷構造を有し得る。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。このガス拡散室36aからは、ガス吐出孔34aに連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。また、支持体36には、ガス拡散室36aに処理ガスを導くガス導入口36cが形成されており、このガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、バルブ群42及び流量制御器群44を介して、ガスソース群40が接続されている。ガスソース群40は、複数種のガス用の複数のガスソースを含んでいる。バルブ群42は複数のバルブを含んでおり、流量制御器群44はマスフローコントローラといった複数の流量制御器を含んでいる。ガスソース群40の複数のガスソースはそれぞれ、バルブ群42の対応のバルブ及び流量制御器群44の対応の流量制御器を介して、ガス供給管38に接続されている。
また、プラズマ処理装置10では、チャンバ本体12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、チャンバ本体12にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材に酸化イットリウム等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
チャンバ本体12の底部側、且つ、支持部14とチャンバ本体12の側壁との間には排気プレート48が設けられている。排気プレート48は、例えば、アルミニウム材に酸化イットリウム等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。排気プレート48には、その板厚方向に貫通する複数の孔が形成されている。この排気プレート48の下方、且つ、チャンバ本体12には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、圧力調整弁及びターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、チャンバ本体12内の空間を所望の真空度まで減圧することができる。また、チャンバ本体12の側壁には被加工物Wの搬入出口12gが設けられており、この搬入出口12gはゲートバルブ54により開閉可能となっている。
また、搬入出口12g(開口部)は、チャンバ本体12の内側に設けられたシャッター47により開閉可能となっている。シャッター47は、チャンバ本体12の内壁に沿った板状部材であってよい。例えば、シャッター47は、上下方向に沿って移動が制御されるように構成されている。一例では、シャッター47が上昇した状態において搬入出口12gが閉状態であり、シャッター47が下降した状態において搬入出口12gが開状態となる。
また、プラズマ処理装置10は、第1の高周波電源62及び第2の高周波電源64を更に備えている。第1の高周波電源62は、プラズマ生成用の第1の高周波を発生する電源であり、例えば、27~100MHzの周波数を有する高周波を発生する。第1の高周波電源62は、整合器66を介して上部電極30に接続されている。整合器66は、第1の高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(上部電極30側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。なお、第1の高周波電源62は、整合器66を介して下部電極LEに接続されていてもよい。
第2の高周波電源64は、被加工物Wにイオンを引き込むための第2の高周波を発生する電源であり、例えば、400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数の高周波を発生する。第2の高周波電源64は、整合器68を介して下部電極LEに接続されている。整合器68は、第2の高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極LE側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
このプラズマ処理装置10では、複数のガスソースのうち選択された一以上のガスソースからのガスがチャンバSに供給される。また、チャンバSの圧力が排気装置50によって所定の圧力に設定される。さらに、第1の高周波電源62からの第1の高周波によってチャンバS内のガスが励起される。これにより、プラズマが生成される。そして、発生した活性種によって被加工物Wが処理される。なお、必要に応じて、第2の高周波電源64の第2の高周波に基づくバイアスにより、被加工物Wにイオンが引き込まれてもよい。
図4は、温度制御機構を説明するためのブロック図である。図4に示すように、プラズマ処理装置10は、温度制御機構70を有していてよい。この温度制御機構70は、上部電極30、ステージST、デポシールド46及びシャッター47の温度制御を実行する。温度制御機構70は、第1温度制御機構72、第2温度制御機構73、第3温度制御機構74及び第4温度制御機構75を含む。また、温度制御機構70は、制御部MCによって制御されている。
第1温度制御機構72は、上部電極30の温度を制御する。例えば、第1温度制御機構72は、冷媒流路33と、ヒータ37とを含む。冷媒流路33は上部電極30の内部に設けられている。冷媒流路33には、チャンバ本体12の外部に設けられたチラーユニット33cから配管33aを介して冷媒が供給される。冷媒流路33に供給された冷媒は、配管33bを介してチラーユニット33cに戻される。このように、冷媒流路33とチラーユニット33cとの間では、冷媒が循環される。ヒータ37は、上部電極30の中に設けられている。ヒータ37によって上部電極30を加熱することにより、上部電極30の温度を高い温度に設定することができる。例えば、上部電極30には、温度センサ36dが設けられており、上部電極30の温度が設定された温度を保持するように、チラーユニット33c及びヒータ37が制御される。
第2温度制御機構73は、ステージSTの温度を制御する。例えば、第2温度制御機構73は、冷媒流路24と、ヒータ29とを含む。冷媒流路24は第2プレート18bの内部に設けられている。冷媒流路24には、チャンバ本体12の外部に設けられたチラーユニット24cから配管26aを介して冷媒が供給される。冷媒流路24に供給された冷媒は、配管26bを介してチラーユニット24cに戻される。このように、冷媒流路24とチラーユニット24cとの間では、冷媒が循環される。ヒータ29は、例えば、静電チャックESCの中に設けられている。ヒータ29によって静電チャックESCを加熱することにより、静電チャックESCの温度を高い温度に設定することができる。例えば、静電チャックESCには、温度センサ21が設けられており、静電チャックESCの温度が設定された温度を保持するように、チラーユニット24c及びヒータ29が制御される。
第3温度制御機構74は、デポシールド46の温度を制御する。例えば、第3温度制御機構74は、デポシールド46に埋設されたヒータ46aを含む。デポシールド46の温度は、ヒータ46aによって入熱されることにより制御される。例えば、デポシールド46には、温度センサ46bが設けられており、デポシールド46の温度が設定された温度を保持するように、ヒータ46aが制御される。
第4温度制御機構75は、シャッター47の温度を制御する。例えば、第4温度制御機構75は、シャッター47に埋設されたヒータ47aを含む。シャッター47の温度は、ヒータ47aによって入熱されることにより制御される。例えば、シャッター47には、温度センサ47bが設けられており、シャッター47の温度が設定された温度を保持するように、ヒータ47aが制御される。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置10のチャンバ内の環境は、温度制御機構70及びガス供給ライン28によって所定の状態に保持され得る。一例では、チャンバ内の環境は、プロセス処理レシピに基づいて調整され得る。
プロセス処理レシピは、シャッター47、デポシールド46、ステージST及び上部電極30のそれぞれの温度条件と、ガス供給ライン28によって供給されるガスの圧力条件とを含む。プロセス処理レシピは、レシピデータとして、制御部MCの記憶装置に記憶されていてもよい。例えば、プロセス処理では、シャッター47、デポシールド46、ステージST及び上部電極30が、所定の温度に制御されるとともに、ガス供給ライン28によって供給されるガスが所定の圧力に制御される。例えば、上部電極30の温度条件は、40℃より高く150℃以下であってよい。デポシールド46の温度条件は、30℃より高く150℃以下であってよい。シャッター47の温度条件は、30℃より高く150℃以下であってよい。ステージSTの温度条件は、20℃より高く80℃以下であってよい。チャンバ内のガス圧は、100mTorr以上1000mTorr以下であってよい。
続いて、測定器について説明する。図5は、測定器を上面側から見て示す平面図である。図6は、測定器を底面側から見て示す平面図である。図5及び図6に示す測定器100は、ベース基板102を備えている。ベース基板102は、例えば、シリコンから形成されており、被加工物Wの形状と同様の形状、即ち略円盤形状を有している。ベース基板102の直径は、被加工物Wの直径と同様の直径であり、例えば、300mmである。測定器100の形状及び寸法は、このベース基板102の形状及び寸法によって規定される。したがって、測定器100は、被加工物Wの形状と同様の形状を有し、且つ、被加工物Wの寸法と同様の寸法を有する。また、ベース基板102のエッジには、ノッチ102N(或いは、別のマーカー)が形成されている。
ベース基板102には、静電容量測定用の複数の第1センサ104A~104Cが設けられている。複数の第1センサ104A~104Cは、ベース基板102のエッジに沿って、例えば当該エッジの全周において、等間隔に配列されている。具体的には、複数の第1センサ104A~104Cの各々は、ベース基板102の上面側のエッジに沿うように設けられている。複数の第1センサ104A~104Cの各々の前側端面は、ベース基板102の側面に沿っている。
また、ベース基板102には、静電容量測定用の複数の第2センサ105A~105Cが設けられている。複数の第2センサ105A~105Cは、ベース基板102のエッジに沿って、例えば当該エッジの全周において、等間隔に配列されている。具体的には、複数の第2センサ105A~105Cの各々は、ベース基板の底面側のエッジに沿うように設けられている。複数の第2センサ105A~105Cの各々のセンサ電極161は、ベース基板102の底面に沿っている。また、第2センサ105A~105Cと第1センサ104A~104Cとは、周方向において60°間隔で交互に配列されている。
ベース基板102の上面の中央には、回路基板106が設けられている。回路基板106と複数の第1センサ104A~104Cとの間には、互いを電気的に接続するための配線群108A~108Cが設けられている。また、回路基板106と複数の第2センサ105A~105Cとの間には、互いを電気的に接続するための配線群208A~208Cが設けられている。回路基板106、配線群108A~108C、及び配線群208A~208Cは、カバー103によって覆われている。回路基板106の定格温度は、例えば20℃~80℃であってよい。
以下、第1センサについて詳細に説明する。図7は、センサの一例を示す斜視図である。図8は、図7のVIII-VIII線に沿ってとった断面図である。図7及び図8に示す第1センサ104は、測定器100の複数の第1センサ104A~104Cとして利用されるセンサであり、一例では、チップ状の部品として構成されている。なお、以下の説明では、XYZ直交座標系を適宜参照する。X方向は、第1センサ104の前方向を示しており、Y方向は、X方向に直交する一方向であって第1センサ104の幅方向を示しており、Z方向は、X方向及びY方向に直交する方向であって第1センサ104の上方向を示している。図8には、第1センサ104と共にエッジリングERが示されている。
第1センサ104は、電極141、ガード電極142、センサ電極143、基板部144及び絶縁領域147を有している。
基板部144は、例えばホウケイ酸ガラスまたは石英から形成されている。基板部144は、上面144a、下面144b、及び前側端面144cを有している。ガード電極142は、基板部144の下面144bの下方に設けられており、X方向及びY方向に延在している。また、電極141は、絶縁領域147を介してガード電極142の下方に設けられており、X方向及びY方向に延在している。絶縁領域147は、例えば、SiO、SiN、Al、又は、ポリイミドから形成されている。
基板部144の前側端面144cは、段状に形成されている。前側端面144cの下側部分144dは、当該前側端面144cの上側部分144uよりもエッジリングERの側に向けて突出している。センサ電極143は、前側端面144cの上側部分144uに沿って延在している。一つの例示的実施形態では、前側端面144cの上側部分144u及び下側部分144dは、それぞれに所定の曲率をもった曲面となっている。即ち、前側端面144cの上側部分144uは、当該上側部分144uの任意の位置で一定の曲率をしており、当該上側部分144uの曲率は、測定器100の中心軸線AX100と前側端面144cの上側部分144uとの間の距離の逆数である。また、前側端面144cの下側部分144dは、当該下側部分144dの任意の位置で一定の曲率をしており、当該下側部分144dの曲率は、測定器100の中心軸線AX100と前側端面144cの下側部分144dとの間の距離の逆数である。
センサ電極143は、前側端面144cの上側部分144uに沿って設けられている。一つの例示的実施形態では、このセンサ電極143の前面143fも曲面になっている。即ち、センサ電極143の前面143fは、当該前面143fの任意の位置で一定の曲率を有しており、当該曲率は、測定器100の中心軸線AX100と前面143fとの間の距離の逆数である。
この第1センサ104を測定器100のセンサとして用いる場合には、後述のように電極141が配線181に接続され、ガード電極142が配線182に接続され、センサ電極143が配線183に接続される。
第1センサ104においては、センサ電極143が、電極141及びガード電極142によって、第1センサ104の下方に対して遮蔽されている。したがって、この第1センサ104によれば、特定方向、即ち、センサ電極143の前面143fが向いている方向(X方向)に高い指向性をもって静電容量を測定することが可能となる。
以下、第2センサについて詳細に説明する。図9は、図6の部分拡大図であり、一つの第2センサを示す。第2センサ105は、センサ電極161を有している。センサ電極161のエッジは部分的に円弧形状をなしている。即ち、センサ電極161は、中心軸線AX100を中心とした異なる半径を有する二つの円弧である内縁161a及び外縁161bによって規定される平面形状を有している。複数の第2センサ105A~105Cそれぞれのセンサ電極161における径方向外側の外縁161bは、共通する円上で延在する。また、複数の第2センサ105A~105Cそれぞれのセンサ電極161における径方向内側の内縁161aは、他の共通する円上で延在する。センサ電極161のエッジの一部の曲率は、静電チャックESCのエッジの曲率に一致している。一つの例示的実施形態では、センサ電極161における径方向外側のエッジを形成する外縁161bの曲率が、静電チャックESCのエッジの曲率に一致している。なお、外縁161bの曲率中心、即ち、外縁161bがその上で延在する円の中心は、中心軸線AX100を共有している。
一つの例示的実施形態では、第2センサ105は、センサ電極161を囲むガード電極162を更に含んでいる。ガード電極162は、枠状をなしており、センサ電極161をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極162とセンサ電極161は、それらの間に絶縁領域164が介在するよう、互いに離間している。また、一つの例示的実施形態では、第2センサ105は、ガード電極162の外側で当該ガード電極162を囲む電極163を更に含んでいる。電極163は、枠状をなしており、ガード電極162をその全周にわたって囲んでいる。ガード電極162と電極163は、それらの間に絶縁領域165が介在するよう互いに離間している。
以下、回路基板106の構成について説明する。図10は、測定器の回路基板の構成を例示する図である。回路基板106は、高周波発振器171、複数のC/V変換回路172A~172C、複数のC/V変換回路272A~272C、A/D変換器173、プロセッサ174、記憶装置175、通信装置176、及び、電源177を有している。一例においては、プロセッサ174、記憶装置175等によって演算装置が構成されている。また、回路基板106は、温度センサ179を有している。温度センサ179は、検出した温度に応じた信号をプロセッサ174に出力する。例えば、温度センサ179は、測定器100の周囲の環境の温度を取得することができる。
複数の第1センサ104A~104Cの各々は、複数の配線群108A~108Cのうち対応の配線群を介して回路基板106に接続されている。また、複数の第1センサ104A~104Cの各々は、対応の配線群に含まれる幾つかの配線を介して、複数のC/V変換回路172A~172Cのうち対応のC/V変換回路に接続されている。複数の第2センサ105A~105Cの各々は、複数の配線群208A~208Cのうち対応の配線群を介して回路基板106に接続されている。また、複数の第2センサ105A~105Cの各々は、対応の配線群に含まれる幾つかの配線を介して、複数のC/V変換回路272A~272Cのうち対応のC/V変換回路に接続されている。以下、第1センサ104A~104Cの各々と同構成の一つの第1センサ104、配線群108A~108Cの各々と同構成の一つの配線群108、C/V変換回路172A~172Cの各々と同構成の一つのC/V変換回路172、について説明する。また、第2センサ105A~105Cの各々と同構成の一つの第2センサ105、配線群208A~208Cの各々と同構成の一つの配線群208、及び、C/V変換回路272A~272Cの各々と同構成のC/V変換回路272について説明する。
配線群108は、配線181~183を含んでいる。配線181の一端は、電極141に接続されたパッド151に接続されている。この配線181は、回路基板106のグランドGCに接続されたグランド電位線GLに接続されている。なお、配線181は、グランド電位線GLにスイッチSWGを介して接続されていてもよい。また、配線182の一端は、ガード電極142に接続されたパッド152に接続されており、配線182の他端はC/V変換回路172に接続されている。また、配線183の一端は、センサ電極143に接続されたパッド153に接続されており、配線183の他端はC/V変換回路172に接続されている。
配線群208は、配線281~283を含んでいる。配線281の一端は、電極163に接続されている。この配線281は、回路基板106のグランドGCに接続されたグランド電位線GLに接続されている。なお、配線281は、グランド電位線GLにスイッチSWGを介して接続されていてもよい。また、配線282の一端は、ガード電極162に接続されており、配線282の他端はC/V変換回路272に接続されている。また、配線283の一端は、センサ電極161に接続されており、配線283の他端はC/V変換回路272に接続されている。
高周波発振器171は、バッテリーといった電源177に接続されており、当該電源177からの電力を受けて高周波信号を発生するよう構成されている。なお、電源177は、プロセッサ174、記憶装置175、及び、通信装置176にも接続されている。高周波発振器171は、複数の出力線を有している。高周波発振器171は、発生した高周波信号を複数の出力線を介して、配線182及び配線183、並びに、配線282及び配線283に与えるようになっている。したがって、高周波発振器171は、第1センサ104のガード電極142及びセンサ電極143に電気的に接続されており、当該高周波発振器171からの高周波信号は、ガード電極142及びセンサ電極143に与えられるようになっている。また、高周波発振器171は、第2センサ105のセンサ電極161及びガード電極162に電気的に接続されており、当該高周波発振器171からの高周波信号は、センサ電極161及びガード電極162に与えられるようになっている。
C/V変換回路172の入力には、パッド152に接続された配線182、及び、パッド153に接続された配線183が接続されている。即ち、C/V変換回路172の入力には、第1センサ104のガード電極142及びセンサ電極143が接続されている。また、C/V変換回路272の入力には、センサ電極161及びガード電極162がそれぞれ接続されている。C/V変換回路172及びC/V変換回路272は、その入力における電位差に応じた振幅を有する電圧信号を生成し、当該電圧信号を出力するよう構成されている。C/V変換回路172は、対応する第1センサ104が形成する静電容量に応じた電圧信号を生成する。すなわち、C/V変換回路172に接続されたセンサ電極の静電容量が大きいほど、当該C/V変換回路172が出力する電圧信号の電圧の大きさは大きくなる。同様に、C/V変換回路272に接続されたセンサ電極の静電容量が大きいほど、当該C/V変換回路272が出力する電圧信号の電圧の大きさは大きくなる。
A/D変換器173の入力には、C/V変換回路172及びC/V変換回路272の出力が接続している。また、A/D変換器173は、プロセッサ174に接続している。A/D変換器173は、プロセッサ174からの制御信号によって制御され、C/V変換回路172の出力信号(電圧信号)及びC/V変換回路272の出力信号(電圧信号)を、デジタル値に変換し、検出値としてプロセッサ174に出力する。
プロセッサ174には記憶装置175が接続されている。記憶装置175は、揮発性メモリといった記憶装置であり、例えば、測定データを記憶するよう構成されている。また、プロセッサ174には、別の記憶装置178が接続されている。記憶装置178は、不揮発性メモリといった記憶装置であり、例えば、プロセッサ174によって読み込まれて実行されるプログラムが記憶されている。
通信装置176は、任意の無線通信規格に準拠した通信装置である。例えば、通信装置176は、Bluetooth(登録商標)に準拠している。通信装置176は、記憶装置175に記憶されている測定データを無線送信するように構成されている。
プロセッサ174は、上述したプログラムを実行することにより、測定器100の各部を制御するように構成されている。例えば、プロセッサ174は、ガード電極142、センサ電極143、センサ電極161、及び、ガード電極162に対する高周波発振器171からの高周波信号の供給を制御する。また、プロセッサ174は、記憶装置175に対する電源177からの電力供給、通信装置176に対する電源177からの電力供給等を制御する。さらに、プロセッサ174は、上述したプログラムを実行することにより、A/D変換器173から入力された検出値に基づいて、第1センサ104の測定値及び第2センサ105の測定値を取得する。一実施形態では、A/D変換器173から出力された検出値をXとした場合、プロセッサ174では、測定値が(a・X+b)に比例した値となるように、検出値に基づいて測定値を取得している。ここで、a及びbは回路状態等によって変化する定数である。プロセッサ174は、例えば、測定値が(a・X+b)に比例した値となるような所定の演算式(関数)を有していてよい。
以上説明した測定器100では、測定器100がエッジリングERによって囲まれた領域に配置されている状態において、複数のセンサ電極143及びガード電極142はエッジリングERの内縁と対面する。これらセンサ電極143の信号とガード電極142の信号との電位差に基づいて生成される測定値は、複数のセンサ電極143それぞれとエッジリングERとの間の距離を反映する静電容量を表している。なお、静電容量Cは、C=εS/dで表される。εはセンサ電極143の前面143fとエッジリングERの内縁との間の媒質の誘電率であり、Sはセンサ電極143の前面143fの面積であり、dはセンサ電極143の前面143fとエッジリングERの内縁との間の距離と見なすことができる。
したがって、測定器100によれば、被加工物Wを模した当該測定器100とエッジリングERとの相対的な位置関係を反映する測定データが得られる。例えば、測定器100によって取得される複数の測定値は、センサ電極143の前面143fとエッジリングERの内縁との間の距離が大きくなるほど、小さくなる。したがって、第1センサ104A~104Cの各々のセンサ電極143の静電容量を表す測定値に基づいて、エッジリングERの各径方向における各センサ電極143のずれ量を求めることができる。そして、各径方向における第1センサ104A~104Cの各々のセンサ電極143のずれ量から、測定器100の搬送位置の誤差を求めることができる。
また、測定器100が静電チャックESCに載置されている状態では、複数のセンサ電極161及びガード電極162は静電チャックESCと対面する。上述の通り、静電容量Cは、C=εS/dで表される。εはセンサ電極161と静電チャックESCとの間の媒質の誘電率であり、dはセンサ電極161と静電チャックESCとの間の距離であり、Sは平面視においてセンサ電極161と静電チャックESCとが互いに重なり合う面積と見なすことができる。面積Sは、測定器100と静電チャックESCとの相対的な位置関係によって変化する。したがって、測定器100によれば、被加工物Wを模した当該測定器100と静電チャックESCとの相対的な位置関係を反映する測定データが得られる。
一例では、所定の搬送位置、すなわち静電チャックESCの中心と測定器100の中心とが一致する静電チャックESC上の位置に測定器100が搬送された場合、センサ電極161における外縁161bと静電チャックESCのエッジとが一致してもよい。この場合、例えば、測定器100の搬送位置が所定の搬送位置からずれることにより、センサ電極161が静電チャックESCに対して径方向の外側にずれたときに、面積Sは小さくなる。すなわち、センサ電極161によって測定される静電容量は、所定の搬送位置に測定器100が搬送された場合の静電容量に比べて小さくなる。したがって、第2センサ105A~105Cの各々のセンサ電極161の静電容量を表す測定値に基づいて、静電チャックESCの各径方向における各センサ電極161のずれ量を求めることができる。そして、各径方向における第2センサ105A~105Cの各々のセンサ電極161のずれ量から、測定器100の搬送位置の誤差を求めることができる。
続いて、温度環境の変化によって生じる静電容量の測定値の変動を抑制するための構成について説明する。まず、高周波発振器171と配線182及び配線183とC/V変換回路172との接続について、より詳細に説明する。図11は、高周波発振器171と配線182及び配線183とC/V変換回路172との接続を示す回路図である。図11に示すように、高周波発振器171と配線182との間には、抵抗171aが接続されている。高周波発振器171と配線183との間には、可変抵抗171b及び可変コンデンサ171cを含む位相調整回路171dが接続されている。C/V変換回路172は、その一部にオペアンプ及び抵抗を含む増幅回路172aを有している。増幅回路172aでは、オペアンプの反転入力端子に配線183が接続されており、オペアンプの非反転入力端子に配線182が接続されている。また、オペアンプの反転入力端子と出力端子とは抵抗を介して接続されている。増幅回路172aは、C/V変換回路172に入力されたセンサ電極143からの信号とガード電極142からの信号との電位差を増幅させる。
高周波発振器171と配線282及び配線283とC/V変換回路272とは、高周波発振器171と配線182及び配線183とC/V変換回路172と同様に接続されている。すなわち、高周波発振器171と配線282との間には、抵抗が接続されている。高周波発振器171と配線283との間には、可変抵抗及び可変コンデンサを含む位相調整回路が接続されている。C/V変換回路272は、その一部にオペアンプ及び抵抗を含む増幅回路を有している。増幅回路では、オペアンプの反転入力端子に配線283が接続されており、オペアンプの非反転入力端子に配線282が接続されている。また、オペアンプの反転入力端子と出力端子とは抵抗を介して接続されている。
上記のような回路構成においては、位相調整回路171dの可変抵抗171bの抵抗値が変更されることにより、センサ電極143からの信号の振幅が変更され得る。また、位相調整回路171dの可変コンデンサ171cの静電容量値が変更されることにより、センサ電極143からの信号の位相が変更され得る。一つの例示的実施形態では、可変抵抗171bの抵抗値と可変コンデンサ171cの静電容量値とがプロセッサ174によって調整(制御)されることにより、位相調整回路171dのアドミタンスが調整されている。
図11では、プロセッサ174に接続されたD/Aコンバータ174aの出力が可変抵抗171bに入力されている。プロセッサ174は、可変抵抗171bの抵抗値を調整するためのパラメータをデジタル信号としてD/Aコンバータ174aに出力する。D/Aコンバータ174aは、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して、可変抵抗171bに出力する。これにより、可変抵抗171bの抵抗値は、プロセッサ174から出力されたデジタル信号に対応した抵抗値に制御される。
また、プロセッサ174に接続されたD/Aコンバータ174bの出力は、可変コンデンサ171cに入力されている。プロセッサ174は、可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するためのパラメータをデジタル信号としてD/Aコンバータ174bに出力する。D/Aコンバータ174bは、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して、可変コンデンサ171cに出力する。これにより、可変コンデンサ171cの静電容量値は、プロセッサ174から出力されたデジタル信号に対応した静電容量値に制御される。
一つの例示的な実施形態では、プロセッサ174は、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するための基準となる基準パラメータ群(第2パラメータ群)に基づいて、測定環境に応じた補正パラメータ群を取得する。基準パラメータ群は、除湿環境において予め取得された複数の基準パラメータを有する。例えば、基準パラメータ群は、測定器100の製造段階において取得されてもよい。
可変抵抗171bの抵抗値を調整するための基準パラメータ群、及び、可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するための基準パラメータ群は、例えば、記憶装置178にテーブルとして格納されていてよい。テーブルは、複数の温度のそれぞれに対応する基準パラメータを有している。基準パラメータ群は、複数の温度のそれぞれにおいて複数のC/V変換回路172,272の出力電圧信号の基準点調整のために用いられる。一例として、基準点調整は、ゼロ点調整であってよい。すなわち、基準パラメータは、測定器100の検出対象が存在しない状態で、C/V変換回路172,272から出力される電圧信号がゼロになるように、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するパラメータであってよい。このパラメータは、可変コンデンサ171cの静電容量値及び可変抵抗171bの抵抗値をそれぞれ制御するためにプロセッサ174からD/Aコンバータ174a,174bに出力されたデジタル信号に対応するパラメータであってよい。
一例として、記憶装置178は、可変抵抗171bを制御するための基準パラメータを要素とするテーブルを第1センサ104A~104Cごとに有している。記憶装置178は、可変抵抗171bを制御するための基準パラメータを要素とするテーブルを第2センサ105A~105Cごとに有している。可変抵抗171bを制御するための各テーブルは、複数の温度ごとに各センサに対応する基準パラメータを有している。
記憶装置178は、可変コンデンサ171cを制御するための基準パラメータを要素とするテーブルを第1センサ104A~104Cごとに有している。記憶装置178は、可変コンデンサ171cを制御するための基準パラメータを要素とするテーブルを第2センサ105A~105Cごとに有している。可変コンデンサ171cを制御するための各テーブルは、複数の温度ごとに各センサに対応する基準パラメータを有している。
基準パラメータ群は、測定器100が実際に使用される際の環境下で取得されてもよい。すなわち、一例の基準パラメータ群は、20℃~80℃の温度環境下、且つ、到達真空度が10mTorr程度の湿度10%以下に除湿された除湿環境下で取得されてもよい。一つの例示的実施形態においては、除湿環境下で1日以上経過した測定器100によって基準パラメータ群が取得される。
基準パラメータ群の取得にあたっては、上記環境下において、測定器100による検出対象が存在しない状態で、C/V変換回路172,272から出力される電圧信号がゼロになるように可変抵抗171b及び可変コンデンサ171cを調整する。測定器100による検出対象が存在しない状態とは、例えば測定器100から検出対象までの間に検出値がゼロとなるべき空間が形成された状態であってよい。そして、このように調整されたときの、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を目的とする基準パラメータとして取得する。測定器100を20℃~80℃に調温した状態で、それぞれの温度において基準パラメータを取得することにより、テーブルを作成することができる。なお、20℃~80℃までの範囲において所定温度刻みで基準パラメータを取得してもよい。例えば、約3℃刻みで基準パラメータが取得されてもよい。この場合、基準パラメータが取得されていない温度帯については、取得された基準パラメータに基づいて推定されてもよい。一例として、取得された基準パラメータ間を線形補間することにより、基準パラメータが取得されていない温度帯の基準パラメータを決定してもよい。
上述のとおり、基準パラメータ群は、測定器100の製造段階で取得されており、実際の使用環境においてそのまま使用できないことがある。例えば、使用前に測定器100を除湿環境においたとしても、基準パラメータ群が取得されたときの測定器100の状態を再現できず、基準パラメータ群を使用してもゼロ点調整ができないことがある。そこで、一の例示的実施形態における測定器100では、基準パラメータ群に基づいて、使用時の環境に適した補正パラメータ群を取得する。
一例のプロセッサ174は、使用時の環境下において基準点調整のためのパラメータ(第1パラメータ)を任意の温度で取得し、この取得されたパラメータと基準パラメータとに基づいて、使用時の環境下における各温度のパラメータを取得する。すなわち、一例のプロセッサ174は、測定器100の検出対象が存在しない状態において、C/V変換回路172,272の電圧信号がゼロになるように、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するパラメータを取得する。プロセッサ174は、このパラメータが取得された時(第1の時間)の温度を示す温度データを補正時温度として取得し、パラメータと共に保持する。プロセッサ174は、補正時温度において取得されたパラメータが基準パラメータに合致するように、基準パラメータを補正する。例えば、プロセッサ174は、基準パラメータ群に基づいて補正時温度に対応する基準パラメータを取得し、補正時温度において取得されたパラメータ(第1パラメータ)との差分を取得する。例えば、補正時温度に対応する基準パラメータがテーブルに保存されていない場合には、予め取得されている基準時パラメータ群を線形補間したデータによって補正時温度に対応する基準パラメータを取得してもよい。プロセッサ174は、取得された差分を基準パラメータ群の全ての基準パラメータに展開することで、補正パラメータ群を取得する。
図12は、基準パラメータ群を格納したテーブルの一例である。図13は、補正パラメータ群を格納したテーブルの一例である。図12及び図13では、複数の温度において基準点調整されたときの、温度ごとの抵抗値のパラメータと静電容量値のパラメータとが示されている。測定器100が図12に示す基準パラメータ群を有しているときに、23.8℃の温度環境において基準点調整のためのパラメータ(第1パラメータ)を新たに取得したとする。例えば、新たに取得された基準点調整のための抵抗値のパラメータは、「11097」という値であり静電容量値のパラメータは「38892」という値であるとする。この場合、プロセッサ174は、基準パラメータ群を構成する基準パラメータ間を線形補間することにより、23.8℃における抵抗値の基準パラメータとして「11068」という値を取得し、静電容量値の基準パラメータとして「38873」という値を取得する。プロセッサ174は、基準点調整のために取得されたパラメータである「11097」及び「38892」と基準パラメータである「11068」及び「38873」とのそれぞれの差分を取得する。プロセッサ174は、取得した差分を基準パラメータ群の全ての基準パラメータに展開する。すなわち、上記例の場合、プロセッサ174は、差分である「29」及び「19」を抵抗値の基準パラメータ及び静電容量値の基準パラメータにそれぞれ加算し、図13に示す補正パラメータ群を取得する。
プロセッサ174は、取得された補正パラメータ群を用いて、変動する温度に適応するように、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整する。すなわち、プロセッサ174は、第1の時間よりも後の第2の時間において、温度センサ179によって取得される温度に対応する補正パラメータを補正パラメータ群に基づいて取得する。そして、プロセッサ174は、取得した補正パラメータに基づいて、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整する。取得された温度に対応する補正パラメータが格納されていない場合には、各補正パラメータ間を線形補間して対応する補正パラメータを取得してもよい。
また、上述のとおり、プロセッサ174では、A/D変換器173から出力された検出値をXとした場合、測定値が(a・X+b)に比例した値となるように、測定値を取得している。a及びbは回路状態等によって変化する定数であり、環境温度に依存し得る。一実施形態では、A/D変換器173から出力される検出値Xのそれぞれが、計算値による静電容量を示す測定値に変換されるように、C/V変換回路172A~172C及びC/V変換回路272A~272Cのそれぞれに対応して定数a,bが調整される。計算値による静電容量は、上述の静電容量Cを求める式によって算出され得る。
一つの例示的実施形態では、プロセッサ174によって、定数a,bが調整される。定数a,bは、例えば、記憶装置178にテーブルとして格納されていてよい。テーブルは、複数の温度のそれぞれに対応づけられた定数a,bを要素として有している。一例として、記憶装置178は、C/V変換回路172A~172C及びC/V変換回路272A~272Cのそれぞれに対応するテーブルを有している。すなわち、記憶装置178は、A/D変換器173から出力される複数の測定値の温度依存性を抑制するために、複数の温度にそれぞれ対応付けられた複数の定数群を記憶している。それぞれの定数群は、C/V変換回路172A~172C及びC/V変換回路272A~272Cのそれぞれに対応する複数の定数a,bを有する。プロセッサ174は、環境温度に対応した定数群を選択し、選択された定数群を構成する複数の定数a,bをそれぞれ対応する関数の定数として用いる。
このようなテーブルを取得する方法の一例について説明する。なお、測定器100の使用環境は、例えば、20℃~80℃であり、到達真空度が10mTorr程度の除湿された真空環境下であってよい。
定数a,bは、測定器100が実際に使用される際の環境下で取得される。すなわち、一例では、20℃~80℃の温度環境下であり、且つ、到達真空度が10mTorr程度の除湿された真空環境下で定数a,bが取得される。定数a,bの取得にあたっては、まず、エッジリングERの内側、且つ、静電チャックESC上に測定器100が配置される。そして、この状態で、測定器100の位置を水平に変化させながら、測定器100の相対的な位置と当該位置における検出値Xとを取得する。測定器100の相対的な位置とは、エッジリングERに対する第1センサ104A~104Cそれぞれの距離であってよい。この場合、計算値による第1センサ104A~104Cそれぞれの静電容量が算出され得る。また、測定器100の相対的な位置とは、静電チャックESCに対する第2センサ105A~105Cの位置であってよい。この場合、平面視におけるセンサ電極161と静電チャックESCとが互いに重なり合う面積が算出され得る。すなわち、計算値による第2センサ105A~105Cそれぞれの静電容量が算出され得る。そして、取得された検出値Xが計算値による静電容量に近似されるように定数a,bが算出される。算出された定数a,bがテーブルを構成する要素として取得される。測定器100を20℃~80℃に調温した状態で、それぞれの温度において定数a,bを取得することにより、テーブルを作成することができる。
続いて、測定器100によって静電容量値の測定が実行される際の、プラズマ処理装置のチャンバ内の環境制御について説明する。
一つの例示的実施形態においては、ステージST上の測定器100の回路基板106の温度が定格温度の範囲で安定するように、プラズマ処理装置10のチャンバS内の環境が制御される。上述のとおり、プラズマ処理装置10のチャンバS内の環境は、温度制御機構70及びガス供給ライン28によって所定の状態に保持され得る。そこで、一例では、チャンバS内の環境は、測定器100による静電容量値の測定を行うための条件(測定レシピ)に基づいて調整され得る。
測定器100による測定を行うための測定レシピは、ステージST上の測定器100の回路基板106の温度を回路基板106の定格温度の範囲で安定させるための条件である。この測定レシピは、上述のプロセス処理レシピのうち、ステージSTの温度条件、上部電極30の温度条件、及び、ガス供給ライン28によって供給されるガスの圧力条件、の少なくとも1つの条件を調節した構成となっている。すなわち、測定レシピとプロセス処理レシピとでは、シャッター47及びデポシールド46の温度条件が共通していてよい。
図14は、プロセス処理レシピ及び測定レシピを示す。この例のプロセス処理レシピでは、上部電極30、デポシールド46及びシャッター47の温度が150℃であり、ステージSTの温度が60℃である。また、ガス圧は100mTorrであり、ガス流量は200sccmである。例えば、供給されるガスは、Nガスであってよい。プロセス処理レシピに基づく環境下において、ステージST上に載置された測定器100の温度は、一定の時間で定格温度の上限である80℃を超える傾向にあることが実験から分かっている。
図14には、3つの測定レシピが例示されている。測定レシピ1では、上部電極30の温度が40℃であり、その他の条件はプロセス処理レシピと同じである。上部電極30の温度がプロセス処理レシピよりも低く設定されていることにより、上部電極30による熱放射の影響が低減される。測定レシピ1に基づく環境下において、ステージST上に載置された測定器100の温度は、定格温度の上限である80℃を超えない温度で安定することが実験から分かっている。
測定レシピ2では、ステージSTの温度が20℃であり、その他の条件はプロセス処理レシピと同じである。ステージSTの温度がプロセス処理レシピよりも低く設定されていることにより、ステージSTによる熱伝達の影響が低減される。測定レシピ2に基づく環境下において、ステージST上に載置された測定器100の温度は、定格温度の上限である80℃を超えない温度で安定することが実験から分かっている。
測定レシピ3では、チャンバ内のガス圧が500mTorrであり、ガス流量が1000sccmであり、その他の条件はプロセス処理レシピと同じである。ガス圧がプロセス処理レシピよりも高く設定されていることにより、熱対流の影響が増大し、測定器100の熱が放熱されやすくなる。測定レシピ1に基づく環境下において、ステージST上に載置された測定器100の温度は、プロセス処理の環境下に比べて低い温度で平衡状態になることが実験から分かっている。また、測定器の温度が熱平衡状態に到達するまでの時間も短くなる。
続いて、測定器100の動作の一例について説明する。図15は、測定器100によって静電容量が測定される工程を示すフロー図である。該フロー図における動作は、測定器100のプロセッサ174又は制御部MCによって制御されている。なお、前提として、測定器100は工場等において組み立てられており、較正用の調整が行われている。較正用の調整は、上述の定数a,bを要素とするテーブルの取得であってよい。その後、除湿環境で1日以上経過した測定器100によって基準パラメータ群が取得されている。
図15に示す動作フローでは、測定器100は保管装置5のチャンバ5a内に保管されている。一例では、保管装置5のチャンバ5a内に測定器100が載置された状態で、チャンバ5a内が除湿環境とされる。このとき、チャンバ5a内は、除湿されたパージガス雰囲気下、真空環境下等の除湿環境下にあってよい。まず、測定器100は、温度センサ179によって周囲の温度を検出する(ステップST1)。検出された温度データは、例えば、記憶装置175に記憶される。次に、C/V変換回路172,272の出力電圧信号の基準点調整が実行される(ステップST2)。上述のとおり、基準点調整はゼロ点調整であってよい。すなわち、測定器100による検出対象が存在しない状態において、C/V変換回路172,272から出力される電圧信号がゼロになるように、プロセッサ174によって、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値が調整される。ステップST1とステップST2との順番は逆であってもよいし、同時であってもよい。
プロセッサ174は、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値を調整するためにD/Aコンバータ174a,174bに出力したデジタル値を例えば記憶装置175に記憶する。すなわち、プロセッサ174は、現在の環境下における基準点調整のためのパラメータを取得する(ステップST3)。一例では、測定器100が保管装置5のチャンバ5aに保管されている状態において、測定器100による検出対象が存在しないようになっている。そのため、上記各ステップは、保管装置5内において実行可能である。なお、保管装置5から取り出された測定器100によって上記各ステップが実行されてもよい。
続いて、測定器100は、補正パラメータ群を取得する(ステップST4)。すなわち、プロセッサ174は、予め記憶している基準パラメータ群に基づいて、ステップST1において取得された温度データに対応する基準パラメータを取得する。そして、プロセッサ174は、この取得した基準パラメータとステップST3で取得したパラメータとに基づいて、ステップST3で取得したパラメータに対応するように基準パラメータ群を補正することによって、補正パラメータ群を取得する。取得された補正パラメータ群は、例えば記憶装置175に保存される。
続いて、プラズマ処理装置10のチャンバ内の温度環境が測定環境に適合するように調整される(ステップST5)。すなわち、プラズマ処理装置10は、測定レシピに基づいて制御部MCによって制御される。一例においては、図14に示す測定レシピ1~3のいずれかのレシピに基づいて、温度制御機構70及びガス供給ライン28が制御される。
続いて、測定器100は、搬送位置データによって特定される載置領域上の位置に、搬送装置TU2によって搬送される(ステップST6)。一例においては、搬送の直前まで、測定器100は保管装置5によって生成される除湿環境下で保管されていてよい。ステップST6では、搬送装置TU1が、保管装置5からロードロックモジュールLL1及びロードロックモジュールLL2のうち一方のロードロックモジュールに測定器100を搬送する。そして、搬送装置TU2が、搬送位置データに基づいて、一方のロードロックモジュールから、プロセスモジュールPM1~PM6のうち何れかに測定器100を搬送し、当該測定器100を静電チャックESCの載置領域上に載置する。搬送位置データは、エッジリングERの中心位置に測定器100の中心軸線AX100の位置が一致するように予め定められた座標データである。また、搬送位置データは、静電チャックESCの中心位置に測定器100の中心軸線AX100の位置が一致するように予め定められた座標データであってもよい。
続いて、測定器100の温度が安定したか否かが判定される(ステップST7)。すなわち、温度センサ179によって検出される温度データの変化量が所定の閾値を超えているか否かが判定される。例えば、所定の時間幅における温度データの変化量が所定の値未満である場合には、測定器100の温度が安定したと判定される。
ステップST7において測定器100の温度が安定したと判定されると、安定した温度に応じてアドミタンスが設定される(ステップST8)。例えば、温度データは、記憶装置175に記憶される。そして、安定後の温度データに応じて、位相調整回路171dにおける可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値が設定される。すなわち、プロセッサ174は、記憶装置175に記憶された補正パラメータ群の中から、安定後の温度データに対応する補正パラメータを取得する。取得した補正パラメータをプロセッサ174がデジタル信号としてD/Aコンバータ174aに出力することにより、可変抵抗171bの抵抗値及び可変コンデンサ171cの静電容量値が制御される。
続いて、測定器100による測定が実施される(ステップST9)。ステップST9では、C/V変換回路172の出力信号(電圧信号)及びC/V変換回路272の出力信号(電圧信号)が、A/D変換器によってデジタル値に変換され、検出値としてプロセッサ174に出力される。この検出値は、温度データと紐付けられて、例えば記憶装置175に記憶されてもよい。
続いて、A/D変換器173から出力された検出値Xから静電容量を表す測定値を算出するための関数の定数が設定される(ステップST9)。一つの例示的実施形態では、測定値が(a・X+b)に比例した値となるように関数が設定されている。プロセッサ174は、記憶装置178に記憶された複数の定数a,bを含むテーブルから、検出値に紐付けられた温度データに対応する定数a,bを取得する。これにより、定数a,bが設定される(ステップST10)。
続いて、静電容量が取得される(ステップST11)。すなわち、取得された定数a,bが反映された関数によって、検出値が静電容量を表す測定値に変換される。取得された静電容量のデータは、センサごとに、温度データ、検出値等と紐付けられた状態で、記憶装置175に記憶され得る。一つの例示的実施形態においては、第1センサ104A~104Cによって取得されたそれぞれの静電容量に基づいて、エッジリングERの中心位置に対する測定器100の中心のずれ量が導出され得る。また、第2センサ105A~105Cによって取得されたそれぞれの静電容量に基づいて、静電チャックESCの中心位置に対する測定器100の中心のずれ量が導出され得る。このようなずれ量は、例えば、搬送装置TU2による搬送に利用される搬送位置データの較正に利用され得る。一例においては、上記の動作フローに基づいて搬送位置データが較正された後に、プロセス処理レシピに基づいてチャンバS内の環境が制御され、被加工物Wのプロセス処理が実行されてもよい。
以上説明のとおり、一つの例示的実施形態に係る測定方法は、プロセス処理レシピのうち、ステージSTの温度条件、上部電極30の温度条件、及び、ガス供給ライン28によって供給されるガスの圧力条件、の少なくとも1つの条件を調節する工程を含む。この工程では、ステージST上の測定器100の回路基板106の温度が回路基板106の定格温度の範囲になるように、条件が調節される。該方法は、ステージST上の測定器100の回路基板106の温度が定格温度未満で安定した状態で、測定器100によって測定値を取得する工程を備える。
処理システム1においてプロセス処理を行う場合、被加工物W、静電チャックESC、及びエッジリングERの互いの位置関係が重要である。そのため、被加工物Wが搬送される位置を示す信頼性の高いデータを取得することが求められている。一例として、被加工物Wと同型状を有する測定器100を搬送することにより、搬送された測定器100と、静電チャックESC及びエッジリングERとの互いの位置関係を示すデータが取得され得る。
しかしながら、プロセス処理が実行される際には、チャンバS内は高温の環境となっている。このような高温環境下においてはチャンバS内の金属部材が熱膨張するため、常温環境下で取得された位置データに基づいて被加工物Wを搬送した場合に、搬送位置にずれが生じることが考えられる。そこで、高温環境下において測定器100を用いて搬送位置の誤差を求めることにより、高温環境下での搬送位置データをより正確に較正することが可能となる。しかしながら、測定器100に搭載された回路基板等の電子部品の定格温度は、一例では20℃~80℃であるため、プロセス処理と同じ環境下に測定器100が置かれた場合には、測定器100が故障する可能性がある。そこで、プロセス処理が行われる温度環境と同じ又は同様の温度環境としながら、測定器100によって静電容量を測定する技術が求められる。
一つの例示的実施形態では、少なくともシャッター47及びデポシールド46の温度条件がプロセス処理における温度条件に制御されているため、チャンバS内の温度をプロセス処理が実施されるときの温度に近づけることができる。これにより、チャンバS内の部材は、プロセス処理の環境下と同様に熱膨張することになる。一方、ステージSTの温度、上部電極30の温度、及び、ガス供給ライン28によって供給されるガスの圧力、の少なくとも1つが調節されることにより、ステージST上の測定器100の回路基板106の温度は定格温度の範囲になる。ステージST上に載置された測定器100の温度は、ステージSTからの熱伝達、上部電極30からの熱放射、及び、チャンバS内のガスによる熱対流の影響を受けやすい。そこで、ステージSTの温度、上部電極30の温度、及び、ガスの圧力のいずれかが調整されることにより、例えばチャンバS内が高温に保たれた状態であったとしても、測定器100の温度を定格温度に保つことができる。ステージST上の測定器100の温度が定格温度未満で安定することにより、プロセス処理が行われる温度環境と同じ又は同様の温度環境で、測定器100によって静電容量を測定することができる。
一つの例示的実施形態において、調節する工程は、ガス供給ライン28によって供給されるガスの圧力を500mTorr以上に調節している。この構成では、ガスの熱対流によって測定器100の熱が放熱されやすくなる。これにより、熱平衡状態における測定器100の温度が低くなるとともに、熱平衡状態に到達するまでの時間を短くすることができる。
一つの例示的実施形態において、調節する工程は、上部電極30の温度を40℃以下に調節している。この構成では、上部電極30からの熱放射の影響が低減されることにより、測定器100の温度上昇を抑制できる。
一つの例示的実施形態において、調節する工程は、ステージSTの温度を20℃以下に調節している。この構成では、ステージSTからの熱伝達の影響が低減されることにより、測定器100の温度上昇を抑制できる。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、測定器100の動作の説明では、ステップST9において定数a,bを調整する例を示したが、ステップST9は省略されてもよい。
また、測定器100の定格温度は、20℃~80℃に限定されない。例えば、定格温度の上限は80℃より高くてもよい。測定レシピの温度条件等は、定格温度に基づいて変更されてよい。
また、測定レシピ1では、上部電極30の温度が40℃に制御される例を示したが、上部電極30の温度は、30℃以上40℃未満の範囲であってもよい。
また、測定レシピ2では、ステージの温度が20℃に制御される例を示したが、ステージの温度は、0℃以上20℃未満の範囲であってもよい。
また、測定レシピ3では、ガス圧が500mTorrに制御される例を示したが、ガス圧は、500mTorr以上1000mTorr以下の範囲であってもよい。
また、測定レシピとして、プロセス処理レシピのうち、ステージの温度条件、上部電極の温度条件、及び、ガスの圧力条件のうちの1つの条件が調節される例を示したが、測定レシピはこれに限定されない。測定レシピは、ステージの温度条件、上部電極の温度条件、及び、ガスの圧力条件のうちの複数の条件が調節されてもよい。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
1…処理システム、12…チャンバ本体、12g…搬入出口(開口部)、28…ガス供給ライン(ガス供給部)、30…上部電極、46…デポシールド、47…シャッター、100…測定器、102…ベース基板、104…第1センサ(センサ)、105…第2センサ(センサ)、106…回路基板、179…温度センサ、PM1~PM6…プロセスモジュール、S…チャンバ、ST…ステージ。

Claims (6)

  1. プロセス処理を実行するための処理システムのチャンバ内において測定器によって静電容量を表す測定値を取得する測定方法であって、
    前記処理システムは、
    前記チャンバを提供するチャンバ本体を有するプロセスモジュールと、
    前記チャンバ内に前記測定器を搬送する搬送装置と、を備え、
    前記プロセスモジュールは、
    前記チャンバ本体に設けられた搬送用の開口部と、
    前記開口部を開閉するシャッターと、
    前記チャンバ本体の内壁に沿って設けられるデポシールドと、
    前記チャンバ内に設けられており、前記測定器が載置されるステージと、
    前記ステージの上方に位置する上部電極と、
    前記チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、を少なくとも含み、
    前記プロセス処理は、前記シャッター、前記デポシールド、前記ステージ及び前記上部電極をそれぞれ所定の温度に制御するとともに、前記ガス供給部によって供給されるガスを所定の圧力に制御する、プロセス処理レシピに基づく環境下で実施され、
    前記測定器は、
    円盤状のベース基板と、
    前記ベース基板に設けられた、静電容量を表す測定値を測定するためのセンサ電極と、
    前記ベース基板に設けられた温度センサと、
    前記ベース基板に設けられ、前記センサ電極及び前記温度センサに接続された回路基板と、を備え、
    該方法は、
    前記ステージ上の所定位置に前記搬送装置によって前記測定器を搬送する工程と、
    前記ステージ上の前記測定器の前記回路基板の温度が前記回路基板の定格温度の範囲になるように、前記プロセス処理レシピのうち、前記ステージの温度条件、前記上部電極の温度条件、及び、前記ガス供給部によって供給されるガスの圧力条件、の少なくとも1つの条件を調節する工程と、
    前記ステージ上の前記測定器の前記回路基板の温度が前記定格温度未満で安定した状態で、前記測定器の前記センサ電極によって前記測定値を取得する工程と、を備える、測定方法。
  2. 前記プロセス処理では、
    前記シャッターの温度が30℃より高く150℃以下の範囲内に制御され、
    前記デポシールドの温度が30℃より高く150℃以下の範囲内に制御され、
    前記ステージの温度が20℃より高く80℃以下の範囲内に制御され、
    前記上部電極の温度が40℃より高く150℃以下の範囲内に制御され、
    前記ガス供給部によって供給されるガスの圧力が500mTorr以上1000mTorr以下の範囲に制御される、請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記定格温度の上限は80℃である、請求項1に記載の測定方法。
  4. 前記調節する工程は、前記ガス供給部によって供給されるガスの圧力を500mTorr以上に調節する、請求項1に記載の測定方法。
  5. 前記調節する工程は、前記上部電極の温度を40℃以下に調節する、請求項1に記載の測定方法。
  6. 前記調節する工程は、前記ステージの温度を20℃以下に調節する、請求項1に記載の測定方法。
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