JP2023121219A - ポリウレタン組成物、およびそれを用いてなる硬化膜、積層体、ならびにポリウレタンの非アミド系有機溶剤溶液 - Google Patents

ポリウレタン組成物、およびそれを用いてなる硬化膜、積層体、ならびにポリウレタンの非アミド系有機溶剤溶液 Download PDF

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JP2023121219A
JP2023121219A JP2022024422A JP2022024422A JP2023121219A JP 2023121219 A JP2023121219 A JP 2023121219A JP 2022024422 A JP2022024422 A JP 2022024422A JP 2022024422 A JP2022024422 A JP 2022024422A JP 2023121219 A JP2023121219 A JP 2023121219A
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polyurethane composition
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卓也 畠山
Takuya Hatakeyama
友樹 木田
Yuki Kida
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】高い耐薬品性、耐溶剤性を有する硬化膜が得られ、人体の健康への悪影響が少ない非アミド系溶剤で希釈されたポリカーボネート系ポリウレタン組成物を提供すること。【解決手段】ポリイソシアネート(A)、ポリカーボネートジオール(B)、分子量500以下の低分子量ポリオール(C)を含む原料組成物の反応生成物である重量平均分子量が10,000以上のポリウレタン(X)と、非アミド系の有機溶剤(D)を含むポリウレタン組成物であって、分子量500以下の低分子量ポリオール(C)が分岐構造を有するポリオールであることを特徴とするポリウレタン組成物【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン組成物、およびそれを用いてなる硬化膜、積層体、ならびにポ
リウレタンの非アミド系有機溶剤溶液に関するものであり、更に詳しくはポリカーボネー
トジオール構造を含有するポリウレタン系化合物と非アミド系有機溶剤を含む組成物、お
よび該ポリウレタン化合物を架橋剤により架橋させて得られる硬化膜、及びそれを用いた
積層体に関する。
従来、ポリウレタン樹脂は高い靭性、且つ耐摩耗性、耐薬品性に優れた硬化膜や成形品
を提供することができることから、コーティング剤として広く用いられ、中でも自動車、
家電、情報電子材料等に、予め図柄等を印刷した加飾層を基材フィルム上に有する加飾フ
ィルム用途に利用されている。これらの用途には、3次元加工時の変形に追従する柔軟性
、伸度、耐薬品性等が必要となる。
特に、ポリカーボネートジオールを用いて得られるポリカーボネートタイプのポリウレ
タンからなる硬化膜は、耐熱性および耐加水分解性において最良な耐久グレードとされて
おり、自動車部品、家電部品、包装材、皮革様シート、印刷ロール等の様々な用途に広く
利用されている(特許文献1)。
ポリカーボネートジオールを用いたポリウレタン樹脂は、硬化膜とした際の耐薬品性、
耐溶剤性が高いことから希釈可能な溶剤の種類が少なく、通常、アミド系溶剤の溶液とし
て取り扱われている(特許文献2)。
特開2018-48339 特開2012-77280
しかしながら、一般的にアミド系溶剤は人体に悪影響を及ぼすとされており、使用する
者の健康状態が懸念され、可能であるならば使用を避けたいものである。
そこで、本発明ではこのような背景下において、高い耐薬品性、耐溶剤性を有する硬化
膜が得られ、人体の健康への悪影響が少ない非アミド系溶剤を含有するポリカーボネート
系ポリウレタン組成物を提供することを目的とするものであり、特には自動車内装用の加
飾トップコート剤として、耐薬品性、耐擦傷性を高いバランスで維持した硬化膜が得られ
るポリウレタン組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ポリウレタンのハー
ドセグメントを構成する分子量500以下の低分子量のポリオールとして分岐構造を有す
るポリオール用いることで、高い耐薬品性、耐溶剤性を有する硬化膜が得られ、人体の健
康への悪影響が少ない非アミド系溶剤を含有するポリウレタン組成物が得られることを見
出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨は、ポリイソシアネート(A)、ポリカーボネートジオール(B
)、分子量500以下の低分子量ポリオール(C)を含む原料組成物の反応生成物である
重量平均分子量が10,000以上のポリウレタン(X)と、非アミド系の有機溶剤(D
)を含むポリウレタン組成物であって、分子量500以下の低分子量ポリオール(C)が
分岐構造を有するポリオールであることを特徴とするポリウレタン組成物である。
なお、従来のポリカーボネート系ポリウレタン組成物は、ジメチルホルムアミドを主と
するアミド系溶剤溶液の重合例が多く、無溶剤での重合や低分子量での重合も検討されて
いたが、コーティング剤としてのハンドリング性と高い物性の両立ができるような水準に
達していなかった。
本発明のポリウレタン組成物は、均一な溶液とすることができるため取り扱い性に優れ
、溶液の外観に優れるため塗工後に得られた硬化塗膜のヘイズ値が低く、さらに耐薬品性
優れた塗膜が得られるものである。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説
明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではな
い。
また、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値とし
て含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネートジオール(B)の数平均分子量は、標準ポリスチレン分子量
換算による数平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(Waters社製、「ACQ
UITY APCシステム」)に、カラム:ACQUITY APC XT 450×1
本、ACQUITY APC XT 200×1本、ACQUITY APC XT 4
5×2本の4本を直列にして用いることにより測定される。
また、ポリウレタン(X)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重
量平均分子量であり、上記同様の方法で測定することができる。
また、分子量分布を有するポリオールについては、その数平均分子量はOH価により以
下の通り求めることができる。
<ポリオールの数平均分子量のOH価による算出>
三角フラスコにポリオール2gと0.5モル/Lの無水フタル酸ピリジン溶液を入れ、
100℃で2時間反応させた後にアセトン150mLで希釈する。その後、0.5モル/
Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。また、三角フラスコにポリオールを入れなかっ
た以外は、同様に滴定を行い、ブランクを求める。そして、以下の式によりOH価及び数
平均分子量を算出する。
OH価={(B-A)×0.5×56.11×1000}/2×1000
A:ポリオール含有溶液の滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液の量
B:ポリオールを含有しないブランク溶液の滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液の量
ポリオールの数平均分子量={(56.11×1000)/OH価}×官能基の数
なお、上記の式において、「官能基の数」とは、一分子のポリオールに含まれるOH基の
数である。
また、GPCで分子量分布を有するイソシアネートについては、その数平均分子量はN
CO%により以下の通り求めることができる。
<ポリイソシアネートの数平均分子量のNCO%による算出>
三角フラスコにポリイソシアネート1gと0.5モル/リットルのジブチルアミントルエ
ン溶液を20mL入れ、アセトン100mLで希釈した後に25℃で30分反応させる。
その後、0.5モル/リットルの塩酸水溶液で滴定する。また、三角フラスコにポリイソ
シアネートを入れなかった以外は、同様に滴定を行い、ブランクを求める。そして、以下
の式によりNCO%及び数平均分子量を算出する。
NCO%={(B1-A1)×0.5×42.02}/(1×1000)×100
A1:ポリイソシアネート含有溶液の滴定に要した塩酸水溶液の量(mL)
B1:ポリイソシアネートを含有しないブランク溶液の滴定に要した塩酸水溶液の量(m
L)
ポリイソシアネートの数平均分子量=(42.02/NCO%)×一分子のポリイソシア
ネートに含まれるNCO基の数
本発明で用いられるポリイソシアネート(A)は、1分子中に2個以上のイソシアネー
ト基及びイソシアネート基を含む置換基の一方又は両方(「イソシアネート基類」とも言
う)を有する化合物である。ポリイソシアネート(A)は、1種を単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。また1種のポリイソシアネートにおいて、イソシアネート基
類は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記イソシアネート基を含む置換基としては、例えば1個以上のイソシアネート基を含
む、炭素数1~5の、アルキル基、アルケニル基、又はアルコキシル基が挙げられる。イ
ソシアネート基を含む置換基としての上記アルキル基等の炭素数は、1~3であることが
より好ましい。
上記ポリイソシアネート(A)の数平均分子量は、ポリウレタン組成物から得られる硬
化物としての強度と弾性率とのバランスの観点から、100以上であることが好ましく、
150以上であることがより好ましく、また、1,000以下であることが好ましく、5
00以下であることがより好ましい。
上記ポリイソシアネート(A)の数平均分子量は、単独の単量体からなるポリイソシア
ネートの場合には化学式からの計算値、2種以上の単量体からなるポリイソシアネートの
場合にはNCO%からの計算値によって求めることができる。
上記ポリイソシアネート(A)としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式
構造を有するポリイソシアネート、及び芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネートは、脂肪族構造とそれに結合する二つ以上のイソシアネ
ート基類とを有する化合物である。脂肪族ポリイソシアネートは、活性エネルギー線硬化
性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の耐候性を高め、かつ柔軟性を付与する観点から
好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートにおける脂肪族構造は、炭素数1~6の直鎖又は分岐のアル
キレン基であることが好ましい。このような脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば
、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート
、及び、トリス(イソシアネートヘキシル)イソシアヌレート等の脂肪族トリイソシアネ
ート等が挙げられる。
上記脂環式構造を有するポリイソシアネートは、脂環式構造とそれに結合する二つ以上
のイソシアネート基類とを有する化合物である。脂環式構造を有するポリイソシアネート
における脂環式構造は、炭素数3~6のシクロアルキレン基であることが好ましい。脂環
式構造を有するポリイソシアネートとしては、例えば、ビス(イソシアネートメチル)シ
クロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートシクロヘキシル
)メタン、イソホロンジイソシアネート等の脂環式構造を有するジイソシアネート、及び
、トリス(イソシアネートイソホロン)イソシアヌレート等の脂環式構造を有するトリイ
ソシアネート等が挙げられる。
上記脂環式構造を有するポリイソシアネートは、ポリウレタン組成物から得られる硬化
物の耐候性を高める観点からも好ましく、このような脂環式構造を有するポリイソシアネ
ートとしては、例えば、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサン
ジイソシアネート、ビス(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、及び、イソホロンジ
イソシアネート等が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートは、芳香族構造とそれに結合する二以上のイソシアネー
ト基類とを有する化合物である。芳香族ポリイソシアネートにおける芳香族構造は、炭素
数6~13の二価の芳香族基であることが好ましい。このような芳香族ポリイソシアネー
トとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシア
ネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートは、ポリウレタン組成物から得られる硬化物の機械的強
度を高める観点から好ましく、このような芳香族ポリイソシアネートとしては、例えばト
リレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(B)は、ポリマー主鎖にカーボネート
結合を有し、末端又は側鎖に2個の水酸基を有する重合体である。ポリカーボネートジオ
ール(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。当該ポリカーボ
ネートジオールの代表的な製造方法は、ジオール化合物と炭酸ジエステルの重縮合反応に
よる方法が挙げられる。
上記ジオール化合物は、例えば、一般式HO-R1-OHで表される。ここで、R1は、
炭素数2~20の2価炭化水素基であって、基中にエーテル結合を含んでいてもよい。R
1は、例えば、直鎖、又は分岐状のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基で
ある。
ジオール化合物の具体例としては、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネ
オペンチルグリコール。以下「NPG」と略記することがある。)、2-エチル-2-ブ
チル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-
ペンチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ペンチル-2-プロピル-1
,3-プロパンジオールなどの2,2-ジアルキル置換1,3-プロパンジオール類(以
下、「2,2-ジアルキル-1,3-プロパンジオール類」と記載することがある。ただ
し、アルキル基は炭素数15以下のアルキル基である)、2,2,4,4-テトラメチル
-1,5-ペンタンジオール、2,2,9,9-テトラメチル-1,10-デカンジオー
ルなどのテトラアルキル置換アルキレンジオール類、3,9-ビス(1,1-ジメチル-
2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
等の環状基を含むジオール類、2,2-ジフェニル-1,3-プロパンジオール、2,2
-ジビニル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチニル-1,3-プロパンジオー
ル、2,2-ジメトキシ-1,3-プロパンジオール、ビス(2-ヒドロキシ-1,1-
ジメチルエチル)エーテル、ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)チオエー
テル、2,2,4,4-テトラメチル-3-シアノ-1,5-ペンタンジオール、エチレ
ングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタン
ジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジ
オール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジ
オール、1,12-ドデカンジオール、1,20-エイコサンジオール等の直鎖状の末端
ジオール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどのエーテル基を有するジオール類、ビスヒドロキ
シエチルチオエーテルなどのチオエーテルジオール類、2-エチル-1,6-ヘキサンジ
オール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオー
ル、3,3-ジメチル-1,5-ペンタンジオール等の分岐鎖を有するジオール類、1,
3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサ
ンジメタノール、4,4-ジシクロヘキシルジメチルメタンジオール、2,2’-ビス(
4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,4-ジヒドロキシエチルシクロヘキサン
、イソソルビド、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン、4,4’-イ
ソプロピリデンジシクロヘキサノール、4,4’-イソプロピリデンビス(2,2’-ヒ
ドロキシエトキシシクロヘキン)等の環状基が分子内にあるジオール類、ジエタノールア
ミン、N-メチル-ジエタノールアミン等の含窒素ジオール類、ビス(ヒドロキシエチル
)スルヒド等の含硫黄ジオール類等が挙げられる。これらのジオールは、1種単独で使用
してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、耐薬品性と耐擦傷性を高いバランスで維持できる点でジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、
1,6-ヘキサンジオール、イソソルビドが好ましい。
上記炭酸ジエステルとしては、例えば、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネ
ート、アルキレンカーボネートが挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を
用いてもよい。
ジアルキルカーボネートの例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート
、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、
エチル-n-ブチルカーボネート、エチルイソブチルカーボネート等が挙げられる。
ジアリールカーボネートの例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネ
ート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート等が挙げられる
アルキレンカーボネートの例としては、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネ
ート、テトラメチレンカーボネート、1,2-プロピレンカーボネート、1,2-ブチレ
ンカーボネート、1,3-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,
2-ペンチレンカーボネート、1,3-ペンチレンカーボネート、1,4-ペンチレンカ
ーボネート、1,5-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネート、2,
4-ペンチレンカーボネート、ネオペンチルカーボネート等が挙げられる。
これらの中でもジアリールカーボネートが反応性に富んでいて、反応が速やかに進行し
、工業的に製造する上で効率的であり好ましい。特に、2,2-ジアルキル-1,3-プ
ロパンジオール、3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-2,4,
8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどのジオール化合物は反応性が低
く、ジアルキルカーボネートやアルキレンカーボネートを用いてポリカーボネートジオー
ルを製造するにはより厳しい反応条件、すなわち多量の触媒を用いる条件や目的物である
ポリカーボネートジオールの品質を落としてしまう様な条件が必要となる。このような場
合であっても、ジアリールカーボネートを用いると、このものはアルキルカーボネートに
比較して反応性に優れるため、より反応性の低いこれらのジオール化合物でも温和な条件
で反応が進行するようになるので好ましい。
ジアリールカーボネートの中でも、工業原料として容易にかつ安価に入手可能なジフェ
ニルカーボネートがより好ましい。
これら炭酸ジエステルの使用量は、ジオール化合物の合計1モルに対して下限が好まし
くは0.80モル、より好ましくは0.85モル、さらに好ましくは0.90モルであり
、上限は好ましくは1.10モル、より好ましくは、1.05モル、さらに好ましくは1
.03モルである。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(B)の数平均分子量は、500~50
00であることが好ましく、特に好ましくは700~4000、更に好ましくは800~
3000である。
かかる数平均分子量が大きすぎると硬化膜が柔らかくなりベタ付く傾向があり、少なす
ぎると硬化膜の伸度が足りなくなる傾向がある。
本発明の分子量500以下の低分子量ポリオール(C)は、分岐構造を有する分子量5
00以下の低分子量ポリオールである。かかる分岐構造を有する分子量500以下の低分
子量ポリオールとしては、例えば、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオ
ペンチルグリコール。以下「NPG」と略記することがある。)、2-エチル-2-ブチ
ル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-ペ
ンチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ペンチル-2-プロピル-1,
3-プロパンジオールなどの2,2-ジアルキル置換1,3-プロパンジオール類(以下
、「2,2-ジアルキル-1,3-プロパンジオール類」と記載することがある。ただし
、アルキル基は炭素数15以下のアルキル基である)、2,2,4,4-テトラメチル-
1,5-ペンタンジオール、2,2,9,9-テトラメチル-1,10-デカンジオール
などのテトラアルキル置換アルキレンジオール類、3,9-ビス(1,1-ジメチル-2
-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等
の環状基を含むジオール類、ポリテトラメチレングリコールなどのエーテル基を有するジ
オール類、ビスヒドロキシエチルチオエーテルなどのチオエーテルジオール類、2-エチ
ル-1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-
1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチル-1,5-ペンタンジオール等の分岐鎖を
有するジオール類、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール
、1,4-シクロヘキサンジメタノール、4,4-ジシクロヘキシルジメチルメタンジオ
ール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,4-ジヒドロキ
シエチルシクロヘキサン、イソソルビド、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒド
ロフラン、4,4’-イソプロピリデンジシクロヘキサノール、4,4’-イソプロピリ
デンビス(2,2’-ヒドロキシエトキシシクロヘキン)等の環状基が分子内にあるジオ
ール類、ジエタノールアミン、N-メチル-ジエタノールアミン等の含窒素ジオール類、
ビス(ヒドロキシエチル)スルヒド等の含硫黄ジオール類、ネオペンチルグリコール、3
-メチル-1,5ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロ
ヘキサンジメタノール、イソソルビド等が挙げられる。これらのジオールは、1種単独で
使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、得られる硬化膜の耐候性の観点から、脂肪族ジオールや脂環式ジオー
ルであることが好ましい。
また、特に硬化物の機械的強度が求められる用途では、上記低分子量ポリオールは、ネ
オペンチルグリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール等の水酸基間
の炭素数が1~4の脂肪族ジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフ
ェノールA等の、2つの水酸基が脂環式構造を挟んで対称な位置に存在している脂環式ジ
オール、であることが特に好ましい。
上記分子量500以下の低分子量ポリオール(C)の分子量は、ポリウレタン組成物か
ら得られる硬化物としての伸度と弾性率とのバランスの観点から、50以上であることが
好ましい。また、250以下であることが好ましく、150以下であることがより好まし
い。
かかる分子量500以下の低分子量ポリオール(C)の分子量が上限値より大きいと、
硬化膜が柔らかくなりベタつくこととなり発明の効果を奏しない。
本発明で用いられる非アミド系有機溶剤(D)としては、ポリウレタンの構成成分や基
材の種類、塗工方法を考慮して適宜選択することができる。
かかる有機溶媒の具体例としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタ
ン、n-デカン、n-ドデカン、2,3-ジメチルヘキサン、2-メチルヘプタン、2-
メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒;トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソー
ル、フェネトール等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エ
チレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホ
ルム等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、
また、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、飽和炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶
媒及びケトン系溶媒から選ばれる少なくとも1種が好ましく使用される。
非アミド系有機溶剤(D)の含有量は、重合時や塗工時の粘度の調整を目的に使用して
いることを鑑み、重合時の反応性を下げないために、ポリウレタン組成物の固形分濃度が
5重量%以上となるように使用することが好ましく、特に好ましくは10重量%以上、更
に好ましくは20重量%以上である。
また、塗工性の点から、ポリウレタン組成物の固形分濃度が95重量%以下となるよう
に使用することが好ましく、特に好ましくは90重量%以下、更に好ましくは85重量%
以下、殊に好ましくは80重量%以下である。
なお、本発明において、「固形分」とは溶媒を除いた成分を意味するものであり、固体
の成分のみならず、半固形や粘稠な液状物のものをも含むものとする。
本発明のポリウレタン組成物は、溶剤として実質的に非アミド系有機溶剤(D)のみを
含むことが好ましい。実質的に非アミド系有機溶剤(D)のみを含むとは、アミド系有機
溶剤の含有量が通常1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.0
1重量%であることを意味する。ここでいうアミド系有機溶剤としては、例えばジメチル
ホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
本発明で用いられるポリウレタン(X)の原料組成物には、本発明の効果を損なわない
範囲において、他の成分をさらに含有していてもよい。このような他の成分としては、例
えば、ポリカーボネートジオール以外の数平均分子量500より大きい高分子量ポリオー
ル及び鎖延長剤が挙げられる。
上記高分子量ポリオールは、数平均分子量が500以上で、かつ2個以上の水酸基を有
するポリカーボネートジオール系以外のポリオール化合物である。高分子量ポリオールの
数平均分子量の上限には特に制限はないが、通常10000以下である。上記高分子量ポ
リオールは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
このような高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステ
ルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリオレフィンポリオール、及びシリコン
ポリオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルジオールとしては、環状エーテルを開環重合して得られる化合物が挙
げられ、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメ
チレングリコール等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよ
い。
上記ポリエステルジオールとしては、ジカルボン酸又はその無水物と低分子量ジオール
との重縮合によって得られる化合物が挙げられ、例えばポリエチレンアジペート、ポリプ
ロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、及びポ
リブチレンセバケート等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を用いて
もよい。また、上記ポリエステルジオールとしては、ラクトンの低分子量ジオールとの開
環重合によって得られる化合物が挙げられ、例えばポリカプロラクトン、及びポリメチル
バレロラクトン等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい
なお、上記ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イソフタル酸、
及びフタル酸が挙げられ、ジカルボン酸の無水物としては、例えばこれらの無水物が挙げ
られる。また、上記低分子量ジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール
、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ポリテ
トラメチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-
メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘ
キサングリコール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、3,3-ジメ
チロールヘプタン、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、
シクロヘキサンジメタノール、及びビスヒドロキシエトキシベンゼンが挙げられる。
上記ポリエーテルエステルジオールとしては、上記ポリエステルジオールに環状エーテ
ルを開環重合した化合物や、上記ポリエーテルジオールと上記ジカルボン酸とを重縮合し
た化合物が挙げられ、例えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等が挙げら
れる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記ポリオレフィンポリオールは、2個以上の水酸基を有するポレオレフィンであって
、例えば、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、及びポリイソプ
レンポリオール等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい
上記シリコンポリオールは、2個以上の水酸基を有するシリコーンであり、上記シリコ
ンポリオールとしては、例えばポリジメチルシロキサンポリオール等が挙げられる。これ
らは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記鎖延長剤は、イソシアネート基と反応する二つ以上の活性水素を有する化合物であ
る。鎖延長剤は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
このような鎖延長剤としては数平均分子量500以下の低分子量ジアミン化合物等が挙
げられ、例えば、2,4-もしくは2,6-トリレンジアミン、キシリレンジアミン、4
,4’-ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン;エチレンジアミン、1,2-プ
ロピレンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジ
アミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、2,2,4-もしくは2,4,4-ト
リメチルヘキサンジアミン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、1,
8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン等の脂肪族
ジアミン;及び、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサ
ン(IPDA)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン(水添MDA)、イソプロ
ピリデンシクロヘキシル-4,4’-ジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,
3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリシクロデカンジアミン等の脂環式ジアミン;
が挙げられる。
次に、上述の原料組成物から得られる本発明のポリウレタン組成物及びその製造方法に
ついて説明する。
本発明のポリウレタン組成物は、ポリイソシアネート(A)に、ポリカーボネートジオ
ール(B)、分子量500以下の低分子量ポリオール(C)を重合反応させることにより
製造することができる。その他の原料組成物である(B)以外の高分子量ポリオール、及
び鎖延長剤等を併用する場合は、本発明のポリウレタン組成物は、ポリイソシアネート(
A)に、更にこれらのその他の原料組成物も付加反応させることにより製造することがで
きる。
また、その際の各原料組成物の仕込み比は、目的とするポリウレタン組成物の組成と実
質的に同等、ないしは同一とする。
本発明のポリウレタン組成物を重合反応させる際に、ポリイソシアネート(A)に、ポ
リカーボネートジオール(B)を重合反応させた後、分子量500以下の低分子量ポリオ
ール(C)を反応させることが、溶解性に優れるポリウレタン組成物を製造することがで
きる点で好ましい。
本発明のポリウレタン組成物における全イソシアネート基の量と水酸基及びアミノ基等
のイソシアネート基と反応する全官能基の量は、通常、理論的に高分子量体を重合する際
は当モルであるが、目的とする物性値によってこの比率を調整することが好ましい。
すなわち、本発明のポリウレタン組成物を製造する際の上記ポリイソシアネート(A)
、ポリカーボネートジオール(B)、分岐構造を含む低分子量ポリオール(C)及びその
他の原料組成物の使用量は、本発明のポリウレタン組成物における全イソシアネート基の
量とそれと反応する全官能基の量とが当モル、又はイソシアネート基に対する当該全官能
基のモル%で50~200モル%になる量である。
本発明のポリウレタン組成物の製造時において、粘度の調整を目的に溶剤を使用するこ
とができる。溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶
剤としては、本発明の効果が得られる範囲において公知の溶剤のいずれも使用することが
できる。好ましい溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトン、1,3-ジオキソラン及びメチルイソブチルケトン等
が挙げられる。溶剤は、通常、反応系内の固形分100重量部に対して300重量部以下
で使用可能である。
本発明のポリウレタン組成物の製造時において、生成するポリウレタン及びその原料組
成物の総含有量は、反応系の総量に対して10重量%以上であることが好ましく、20重
量%以上であることがより好ましい。なお、この総含有量の上限は100重量%である。
ポリウレタン及びその原料組成物の総含有量が10重量%以上であると、反応速度が高く
なり、製造効率が向上する傾向にあるために好ましい。
本発明のポリウレタンの製造に際しては付加反応触媒を用いることができる。この付加
反応触媒としては、本発明の効果が得られる範囲から選ぶことができ、例えばジブチルス
ズラウレート、ジブチルスズジオクトエート、ジオクチルスズジラウレート、及びジオク
チルスズジオクトエート等が挙げられる。付加反応触媒は、1種を単独で用いてもよく、
2種以上を混合して用いてもよい。付加反応触媒は、これらのうち、ジオクチルスズジラ
ウレートであることが、環境適応性及び触媒活性、保存安定性の観点から好ましい。
付加反応触媒は、生成するウポリウレタン及びその原料組成物の総含有量に対して、上
限が通常1000ppm以下、好ましくは500ppm以下であり、下限が通常10pp
m以上、好ましくは30ppm以上で用いられる。
本発明のポリウレタン組成物の製造時において、反応温度は通常20℃以上であり、4
0℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。反応温度が20
℃以上であると、反応速度が高くなり、製造効率が向上する傾向にあるために好ましい。
また、反応温度は通常120℃以下であり、100℃以下であることが好ましい。反応温
度が120℃以下であると、アロハナート化反応等の副反応が起きにくくなるために好ま
しい。また、反応系に溶剤を含む場合には、反応温度はその溶剤の沸点以下であることが
好ましい。反応時間は通常1~20時間程度である。
このようにして得られるポリウレタンの重量平均分子量は10,000以上であること
が必要であり、好ましくは20000~200000、特好ましくは30000~100
000である。
ポリウレタン(X)の重量平均分子量が下限以下であると、伸びが低下し、3次元加工
時の変形に追従できなくなり本発明の効果を奏さない。
添加剤は、本発明の効果が得られる範囲において任意であり、同様の用途に用いられる
組成物に添加される種々の材料を添加剤として用いることができる。添加剤は、1種を単
独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。このような添加剤としては、例え
ば、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、雲母、酸化亜鉛、
酸化チタン、マイカ、タルク、カオリン、金属酸化物、金属繊維、鉄、鉛、金属粉等のフ
ィラー類;炭素繊維、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、C60等のフラ
ーレン類等の炭素材料類(フィラー類、炭素材料類を総称して「無機成分」と称すること
がある);酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、HALS(ヒンダードアミン光安定剤
)、耐指紋剤、表面親水化剤、帯電防止剤、滑り性付与剤、可塑剤、離型剤、消泡剤、レ
ベリング剤、沈降防止剤、界面活性剤、チクソトロピー付与剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤
、重合禁止剤、充填剤、シランカップリング剤等の改質剤類;顔料、染料、色相調整剤等
の着色剤類;及び、モノマー又は/及びそのオリゴマー、又は無機成分の合成に必要な硬
化剤、触媒、硬化促進剤類;等が挙げられる。
本発明のポリウレタン組成物において、上記添加剤の含有量は、上記の活性エネルギー
線反応性成分の合計100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、5重
量部以下であることがより好ましい。添加剤の含有量が10重量部以下であると、架橋密
度低下による機械的強度の低下が起こり難いため好ましい。
本発明のポリウレタン組成物に、前述の添加剤等の任意成分を含有させる方法としては
、特に限定はなく、従来公知の混合、分散方法等が挙げられる。尚、上記任意成分をより
確実に分散させるためには、分散機を用いて分散処理を行うことが好ましい。具体的には
、例えば、二本ロール、三本ロール、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペブルミル
、トロンミル、サンドグラインダー、セグバリアトライター、遊星式攪拌機、高速インペ
ラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ニーダー、ホモジナイザー、超音波分
散機等で処理する方法が挙げられる。
本発明のポリウレタン組成物の粘度は、該組成物の用途や使用態様等に応じて適宜調節
し得るが、取り扱い性、塗工性、立体造形性等の観点から、E型粘度計(ローター1°3
4’×R24)における25℃での粘度が、10mPa・s以上であることが好ましく、
100mPa・s以上であることがより好ましく、また、一方、100,000mPa・
s以下であることが好ましく、50,000mPa・s以下であることがより好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度は、例えば本発明のポリウレタン樹脂の含有量
や、上記の任意成分の種類や、その配合割合等によって調整することができる。
本発明のポリウレタン組成物の塗工方法としては、バーコーター法、アプリケーター法
、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、グラビアコーター法、コ
ンマコーター法、リバースロールコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、スロ
ットダイコーター法、エアーナイフコーター法、ディップコーター法等の公知の方法を適
用可能であるが、その中でもバーコーター法及びグラビアコーター法が好ましい。
本発明のポリウレタン組成物は、溶剤系の二液型塗料として用いることも可能であり、
架橋剤を添加しポリウレタンと架橋剤を反応させることで硬化膜を得ることができる。
かかる架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート系化合物、ポリエポキシ系化合物
等、ポリウレタンに含まれる水酸基およびイソシアネート基の少なくとも一方と反応する
官能基を有する化合物が挙げられる。これらのなかでも機械的強度、耐熱性をバランスよ
く両立できる点から、特にポリイソシアネート系化合物を用いることが好ましい。
かかるポリイソシアネート系化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキ
シリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、等のポリイソシアネートが挙げられ、また、上記ポリイソシアネー
トと、トリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体や、これらポリイソ
シアネート系化合物のビュレット体、イソシアヌレート体、等が挙げられる。なお、上記
ポリイソシアネート系化合物は、フェノール、ラクタム等でイソシアネート部分がブロッ
クされたものでも使用することができる。これらの架橋剤は、1種を単独で使用してもよ
いし、2種以上混合して使用してもよい。
かかる架橋剤の含有量は、ポリウレタン樹脂の分子量と用途目的により適宜選択できる
が、通常は、ポリウレタンに含まれる水酸基およびイソシアネート基の少なくとも一方の
1当量に対して、架橋剤に含まれる反応性基が、0.2~10当量となる割合で架橋剤を
含有することが好ましく、特に好ましくは0.5~5当量、さらに好ましくは0.5~3
当量である。
かかる架橋剤に含まれる反応性基の当量数が小さすぎると凝集力が低下する傾向があり
、大きすぎると柔軟性が低下する傾向がある。
本発明の硬化膜の膜厚は、目的とされる用途に応じて適宜決められるが、下限は好まし
くは1μm、更に好ましくは3μm、特に好ましくは5μmである。また、同上限は好ま
しくは200μm、更に好ましくは100μm、特に好ましくは50μmである。膜厚が
1μm以上であると3次元加工後の意匠性や機能性の発現が良好となり、また、一方、2
00μm以下であると3次元加工適性が良好であるため好ましい。また、工業上での使用
の際には、下限は好ましくは1μmであり、上限は好ましくは100μm、更に好ましく
は50μm、特に好ましくは20μm、最も好ましくは10μmである。
本発明によれば、基材上に、上記の本発明の硬化膜からなる層を有する積層体を得るこ
とができる。
本発明の積層体は、本発明の硬化膜からなる層を有していれば特に限定されず、基材及び
本発明の硬化膜以外の層を基材と本発明の硬化膜との間に有していてもよいし、その外側
に有していても良い。また、上記積層体は、基材や本発明の硬化膜を複数層有していても
よい。
基材としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ナイロン、ポリカー
ボネート、(メタ)アクリル樹脂等の種々のプラスチック、又は金属で形成された板等の
種々の形状の物品が挙げられる。
本発明の硬化膜は、インキ、エタノール等の一般家庭汚染物に対する耐汚染性及び硬度
に優れる膜とすることが可能であり、本発明の硬化膜を各種基材への被膜として用いた本
発明の積層体は、意匠性及び表面保護性に優れたものとすることができる。
また、本発明のポリウレタンは、計算網目架橋点間分子量を考慮すれば、3次元加工時
の変形に追従可能な柔軟性、破断伸度、機械的強度、耐汚染性、及び硬度を同時に兼ね備
える硬化膜を与えることができる。
また、本発明のポリウレタン組成物は、1層塗布により簡便に薄膜状の樹脂シートを製
造することが可能となることが期待される。
本発明の硬化膜及び本発明の積層体は、塗装代替用フィルムとして用いることができ、
例えば内装・外装用の建装材や自動車、家電等の各種部材等に有効に適用することが可能
である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明
はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
<数平均分子量および重量平均分子量の算出方法>
ポリカーボネートジオール(B1)の数平均分子量を、標準ポリスチレン分子量換算に
よる数平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(Waters社製、「ACQUIT
Y APCシステム」)に、カラム:ACQUITY APC XT 450×1本、A
CQUITY APC XT 200×1本、ACQUITY APC XT 45×2
本の4本を直列にして用いることにより測定した。
また、ポリウレタンの重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均
分子量であり、上記同様の方法で測定した。
[合成例1:ポリカーボネートジオール(B-1)の合成]
攪拌機、留出液トラップ、及び圧力調整装置を備えた1Lガラス製セパラブルフラスコ
に1,6-ヘキサンジオール:195.0g、ネオペンチルグリコール:207.4g、
ジフェニルカーボネート:715.0g、及び酢酸マグネシウム4水和物:4.6mgを
入れ、窒素ガスで置換した後、内温160℃まで昇温して内容物を加熱溶解し、60分間
反応させた。その後、2時間かけて圧力を2torrまで下げつつ、フェノール及び未反
応のジオールを留出させ除きながら反応した。次に160℃、2torrで60分間保持
し、ポリカーボネートジオールの重合度を上げる反応を行った。更に130℃で圧力を1
5torrに保持したまま窒素ガスにて12時間バブリングし、フェノールを除きながら
反応を継続した。得られたポリカーボネートジオール(B-1)生成物の収量は452.
6gであった。
このポリカーボネートジオール生成物中に含まれるポリカーボネートジオールの水酸基
価(58.49mg-KOH/g)から求めた数平均分子量は2100、分子量分布(M
w/Mn)は2.0、1,6-ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコールの共重合組成
比(モル比)は50/50(1,6-HD/NPG=50/50)、ポリカーボネートジ
オール末端の1,6-ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコール組成比(モル比)は3
2/68であり、前記式(ア)で算出される末端(P)割合は1.36であった。また、
得られたポリカーボネートジオール中の残存触媒の金属含有量は1.2ppmであった。
[実施例1]
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、酢酸エチル(D)150g、ジシクロヘ
キシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(A-1)28g、合成例1で作製したポリ
カーボネートジオール(B-1)116g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.
03gを加え、70℃で2時間反応させた。その後、ネオペンチルグリコール(C-1)
6g加え、70℃で4時間反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点
で反応を終了し、ポリウレタン組成物(X-1)を得た(重量平均分子量:42000)
[実施例2]
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、酢酸エチル(D)150g、ジシクロヘ
キシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(A-1)24g、UH-200(宇部興産
株式会社製)(B-2)125g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03gを
加え、70℃で2時間反応させた。その後、ネオペンチルグリコール(C-1)を6g加
え、70℃で4時間反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応
を終了し、ポリウレタン組成物(X-2)を得た(重量平均分子量:33000)。
[比較例1]
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、酢酸エチル(D)150g、ジシクロヘ
キシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(A-1)28g、合成例1で作製したポリ
カーボネートジオール(B-1)116g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.
03gを加え、70℃で2時間反応させた。その後、1,4-ブタンジオール(C-2)
を5g加え、70℃で4時間反応させ、反応を終了し、ポリウレタン組成物(X’-1)
を得た。
[比較例2]
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、酢酸エチル(D)150g、ジシクロヘ
キシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(A-1)21g、UH-200(宇部興産
株式会社製)(B-2)100g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03gを
加え、70℃で2時間反応させた。その後、1,4-ブタンジオール(C-2)を5g加
え、70℃で4時間反応させ、反応を終了し、ポリウレタン組成物(X‘-2)を得た。
作製したポリウレタンの重量平均分子量と溶液の外観を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2023121219000001
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2は使用される低分子量ポリオール(C)の異
なるものであり、比較例1、2は使用される低分子量ポリオール(C)が請求項1で特定
する条件を満足しない構造を有するものである。
実験結果より、実施例1、2の溶液はそれぞれ無色透明な溶液状のポリウレタン組成物
が得られたが、比較例1、2では白色のワックス状に固形化してしまい、ポリウレタン組
成物が得られなかった。
本発明のポリウレタン組成物、これを硬化させて得られる硬化膜及び積層体は、塗装代
替用フィルムとして用いることができ、例えば内装・外装用の建装材や自動車、家電等の
各種部材等に有用なものである。

Claims (6)

  1. ポリイソシアネート(A)、ポリカーボネートジオール(B)、分子量500以下の低
    分子量ポリオール(C)を含む原料組成物の反応生成物である重量平均分子量が10,0
    00以上のポリウレタン(X)と、非アミド系の有機溶剤(D)を含むポリウレタン組成
    物であって、分子量500以下の低分子量ポリオール(C)が分岐構造を有するポリオー
    ルであることを特徴とするポリウレタン組成物。
  2. ポリウレタン(X)が、ポリイソシアネート(A)とポリカーボネートジオール(B)
    を反応させた後に、分子量500以下の低分子量ポリオール(C)を反応させて得られる
    ポリウレタン(X)であることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン組成物。
  3. 架橋剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載のポリウレタン組成物。
  4. 請求項1~3いずれか1項記載のポリウレタン組成物を硬化させてなることを特徴とす
    る硬化膜。
  5. 基材上に、請求項4に記載の硬化膜からなる層を有する積層体。
  6. 請求項1~3いずれか1項記載のポリウレタン組成物が、溶液状態であることを特徴と
    するポリウレタンの非アミド系有機溶剤溶液。
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