JP2023121183A - 筒型リニアモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コギング推力を低減しつつもコストも低減可能な筒型リニアモータを提供する。【解決手段】本発明の筒型リニアモータ1は、N極とS極とが交互に配置されるように積層される環状の複数の永久磁石10a,10bを有する界磁6と、界磁6に対向して巻線5を収容する複数のスロット4を具備した2つのコア3A,3Bを有して界磁6に対して軸方向移動可能な電機子2とを備え、10極12スロット或いは14極12スロットに設定され、コア3A,3B間の軸方向の間隔Kは、磁極ピッチτmの2分の1の奇数倍とスロットピッチτsの整数倍とが一致する長さに設定されている。【選択図】図1
Description
本発明は、筒型リニアモータに関する。
リニアモータは、たとえば、直線方向に伸びるベースと、ベースに対して前記直線方向にS極とN極とが交互に並ぶように取付けられた複数の永久磁石とでなる固定子と、前記固定子に対して前記直線方向に移動可能に設けられた電機子とを備える。
電機子は、複数のティースを備えて磁極ピッチの5m倍(mは1以上の整数)の長さに設定された複数の電機子ブロックと、各電機子ブロックにおけるティース間のスロットに装着されるU相、V相およびW相の巻線を有している。そして、電機子における巻線に通電すると、電機子は、固定子に対して前記直線方向に沿って駆動される。
また、隣り合う電機子ブロックの間には、磁極ピッチの二分の一の間隔の空隙が設けられている。各電機子ブロックにおける端効果によるコギング推力は、正弦波状となっており、電機子ブロック間に前述の幅の空隙を設けると各電機子ブロックのコギング推力が互いに相殺しあい、全体としてコギング推力をキャンセルできる(たとえば、特許文献1参照)。
従来の筒型リニアモータでは、コギング推力を低減できるが、2つの電機子ブロックを備えており、駆動に際して電機子ブロック毎に独立したインバータが必要となるのでコスト高となる問題がある。
そこで、本発明は、コギング推力を低減しつつもコストも低減可能な筒型リニアモータの提供を目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の筒型リニアモータは、N極とS極とが交互に配置されるように積層される環状の複数の永久磁石を有する界磁と、界磁に対向して巻線を収容する複数のスロットを具備した2つのコアを有して界磁に対して軸方向移動可能な電機子とを備え、コア間の軸方向の間隔は、磁極ピッチの2分の1の奇数倍とスロットピッチの整数倍とが一致する長さに設定される。
このように構成された筒型リニアモータによれば、電機子の全体のコギング推力を低減し、かつ、1つのインバータで筒型リニアモータを駆動できるようになる。
また、筒型リニアモータは、10極12スロットに設定される場合、コア間の軸方向の間隔が磁極ピッチの5/2倍の長さに設定されるとよく、14極12スロットに設定される場合には磁極ピッチの7/2倍の長さに設定されるとよい。
本発明の筒型リニアモータによれば、コギング推力を低減しつつもコストも低減できる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態における筒型リニアモータ1は、図1に示すように、N極とS極とが交互に配置されるように積層される環状の複数の永久磁石10a,10bを有する界磁6と、界磁6に対向して巻線5を収容する複数のスロット4を具備した2つのコア3A,3Bを有して界磁6に対して軸方向移動可能な電機子2とを備えている。
以下、筒型リニアモータ1の各部について詳細に説明する。電機子2は、2つのコア3A,3Bを備えており、本実施の形態では可動子とされている。各コア3A,3Bは、図1に示すように、筒状であって、コア本体3aの外周に軸方向に等間隔に並べて設けられた13個のティース3bを備えており、ティース3b,3b間には、巻線5が装着される空隙でなるスロット4が12個形成されている。そして、このスロット4には、巻線5が巻き回されて装着されている。巻線5は、U相巻線、V相巻線およびW相巻線の三相の巻線で構成されている。スロット4における巻線5の相は、各コア3A,3Bで同様の順番で配置されている。
そして、このように構成されたコア3A,3Bは、出力軸である非磁性体で形成されたロッド11の外周に装着されている。具体的には、コア3A,3Bは、ロッド11の外周に固定される環状のスライダ12,13とで挟持されてロッド11に固定されている。スライダ12,13の外周には、ウェアリング12a,13aが装着されている。また、コア3A,3B間には、ロッド11の外周に固定される非磁性体で形成されるスペーサ14が介装されており、コア3Aとコア3Bは、軸方向に所定の間隔Kを空けてロッド11に固定されている。スライダ12,13およびスペーサ14の外径は、コア3A,3Bの外径よりも大径に設定されている。そして、このように構成された電機子2は、筒状の界磁6内に推力方向である軸方向へ移動自在に挿入される。また、本実施の形態の場合、スペーサ14によってコア3Aとコア3Bとの間に間隔Kの磁気的なギャップが設けられている。
他方、固定子Sは、本実施の形態では、円筒状の非磁性体で形成されるアウターチューブ7と、アウターチューブ7内に挿入される円筒状の軟磁性体で形成されるバックヨーク8と、バックヨーク8内に挿入されてバックヨーク8との間に環状隙間を形成する円筒状の非磁性体のインナーチューブ9と、バックヨーク8とインナーチューブ9との間の環状隙間に軸方向に交互に積層されて挿入される環状の主磁極の永久磁石10aと環状の副磁極の永久磁石10bとを備えた界磁6とで構成されている。
界磁6は、筒状のバックヨーク8の内周に軸方向に交互に積層されて挿入される複数の環状の主磁極となる永久磁石10aと複数の環状の副磁極となる永久磁石10bとを備えて構成されている。永久磁石10aと永久磁石10bとは、飛散防止のため、接着剤を介在して積層されている。なお、図1中で主磁極の永久磁石10aと副磁極の永久磁石10bに記載されている三角の印は、着磁方向を示しており、主磁極の永久磁石10aの着磁方向は径方向となっており、副磁極の永久磁石10bの着磁方向は軸方向となっている。主磁極の永久磁石10aと副磁極の永久磁石10bは、ハルバッハ配列で配置されており、界磁6の内周側では、軸方向にS極とN極が交互に現れるように配置されている。
また、本実施の形態の筒型リニアモータ1では、主磁極の永久磁石10aの軸方向長さは、副磁極の永久磁石10bの軸方向長さよりも長くなっている。このように、主磁極の永久磁石10aの軸方向長さを長くすればコア3A,3Bとの間の主磁極の永久磁石10aとの間の磁気抵抗を小さくできコア3A,3Bへ作用させる磁界を大きくできるので筒型リニアモータ1の推力を向上できる。
また、本実施の形態の筒型リニアモータ1では、永久磁石10a,10bの外周にバックヨーク8を設けている。バックヨーク8を設けると磁気抵抗の低い磁路を確保できるので副磁極の永久磁石10bの軸方向長さの短縮に起因する磁気抵抗の増大が抑制される。よって、主磁極の永久磁石10aの軸方向長さを副磁極の永久磁石10bの軸方向長さよりも長くするとともに永久磁石10a,10bの外周に筒状のバックヨーク8を設けると筒型リニアモータ1の推力を大きく向上させ得る。バックヨーク8の肉厚は、主磁極の永久磁石10aの外部磁気抵抗の増大を抑制するのに適する肉厚に設定されればよい。
また、界磁6の内周側には、電機子2が軸方向移動自在に挿入されており、界磁6は、コア3A,3Bに磁界を作用させている。なお、界磁6は、コア3A,3Bの可動範囲に対して磁界を作用させればよいので、コア3A,3Bの可動範囲に応じて永久磁石10a,10bの設置範囲を決定すればよい。したがって、アウターチューブ7とインナーチューブ9との環状隙間のうち、コア3A,3Bに対向し得ない範囲には、永久磁石10a,10bを設置しなくともよい。なお、バックヨーク8の長さは、永久磁石10a,10bを積層した長さと等しい長さとされており、永久磁石10a,10bがコア3A,3Bのストローク範囲外に磁界を作用させて推力低下を招かないように配慮されている。
なお、本実施の形態では、界磁6は、ハルバッハ配列の永久磁石10a,10bで構成されているが、ラジアル方向に着磁されて内周にN極を持つ環状の永久磁石とラジアル方向に着磁されて内周にS極を持つ環状の永久磁石とを順番に積層して構成されてもよい。
このように構成された界磁6は、バックヨーク8内に挿入された状態で、アウターチューブ7とインナーチューブ9との間の環状隙間内に挿入される。また、アウターチューブ7、バックヨーク8およびインナーチューブ9の図1中左端はキャップ15によって閉塞されており、アウターチューブ7、バックヨーク8およびインナーチューブ9の図1中右端は環状のヘッドキャップ16によって閉塞されている。ヘッドキャップ16は、内径がロッド11の外径よりも大径であって、内周にダストシール16aを備えており、内周にロッド11が挿通されている。そして、ダストシール16aは、ヘッドキャップ16の内周に移動自在に挿入されるロッド11の外周に摺接してロッド11の外周をシールしている。
インナーチューブ9の内周には、ロッド11とロッド11の外周に装着された電機子2、スライダ12,13およびスペーサ14が軸方向へ移動可能に挿入されている。このように電機子2が界磁6内に挿入されると各コア3A,3Bがそれぞれ界磁6における10個の磁極に対向するので、筒型リニアモータ1は、10極12スロットのリニアモータとされている。また、インナーチューブ9の内周面には、ウェアリング12a,13aを装着したスライダ12,13が摺接しており、スライダ12,13によって電機子2はロッド11とともに界磁6に対して偏心せずに軸方向へスムーズに移動できる。インナーチューブ9は、電機子2の外周と各永久磁石10a,10bの内周との間のギャップを形成するとともに、スライダ12,13と協働して電機子2の軸方向移動を案内する役割を果たしている。このように、界磁6に対して電機子2の偏心が防止されるので、電機子2の偏心による推力低下も阻止され、筒型リニアモータ1は安定して推力を発生できる。なお、スペーサ14は、本実施の形態では、インナーチューブ9の内周に摺接してはいないが、ロッド11に過大な径方向の外力が作用してロッド11が撓んでもコア3A,3Bに先立ってインナーチューブ9に当接する。よって、コア3A,3Bのインナーチューブ9への干渉が阻止され、電機子2を保護できる。なお、インナーチューブ9は、非磁性体で形成されればよいが、合成樹脂で形成されると筒型リニアモータ1の推力密度向上効果が高くなる。インナーチューブ9を非磁性体の金属で製造すると、電機子2が軸方向へ移動する際にインナーチューブ9の内部に渦電流が生じて、電機子2の移動を妨げる力が発生してしまう。これに対して、インナーチューブ9を合成樹脂とすれば渦電流が生じないので筒型リニアモータ1の推力をより効果的に向上できるとともに、筒型リニアモータ1の質量を低減できる。なお、インナーチューブ9を合成樹脂とする場合、フッ素樹脂で製造すればスライダ12,13のウェアリング12a,13aとの間の摩擦および摩耗を低減できる。また、インナーチューブ9を他の合成樹脂で形成してもよく、また、摩擦および摩耗を低減するべく他の合成樹脂で形成されたインナーチューブ9の内周をフッ素樹脂でコーティングしてもよい。
なお、本実施の形態では、電機子2の両端に設けられたスライダ12,13をインナーチューブ9に摺接させているので、電機子2の界磁6に対する偏心の防止と電機子2の軸方向(推力方向)の円滑な移動が保証され、筒型リニアモータ1は、安定して推力を発生できる。また、界磁6が永久磁石10a,10bの内周に設けた非磁性体のインナーチューブ9を備えているので、筒型リニアモータ1の界磁6内に電機子2を挿入する際に電機子2が永久磁石10a,10bに吸引されて貼り付いてしまうのを防止できる。よって、インナーチューブ9を設けると、電機子2が永久磁石10a,10bに吸引されて貼り付いてしまって筒型リニアモータ1の組立が不能となってしまう事態が回避され、筒型リニアモータ1の組立作業も容易となる。
本実施の形態では、スライダ12,13をインナーチューブ9に摺接させて電機子2の界磁6に対する偏心の防止と移動を案内しているが、スペーサ14をインナーチューブ9に摺接させて、スライダ12,13と共に電機子2の偏心と移動を案内してもよい。
なお、キャップ15には、巻線5に接続されるケーブルCを外部の図示しない電源に接続するコネクタ15aを備えており、1つのインバータINから各コア3A,3Bの巻線5へ通電できるようになっている。また、アウターチューブ7、バックヨーク8およびインナーチューブ9の軸方向長さは、電機子2の軸方向長さよりも長く、電機子2は、界磁6内の軸方向長さの範囲で図1中左右へストロークできる。
そして、たとえば、巻線5の界磁6に対する電気角をセンシングし、前記電気角に基づいて通電位相切換を行うとともにPWM制御により、各巻線5の電流量を制御すれば、筒型リニアモータ1における推力と電機子2の移動方向とを制御できる。なお、前述の制御方法は、一例でありこれに限られない。このように、本実施の形態の筒型リニアモータ1では、電機子2が可動子であり、界磁6は固定子として振る舞う。また、電機子2と界磁6とを軸方向に相対変位させる外力が作用する場合、巻線5への通電、あるいは、巻線5に発生する誘導起電力によって、前記相対変位を抑制する推力を発生させて筒型リニアモータ1に前記外力による機器の振動や運動をダンピングさせ得るし、外力から電力を生むエネルギ回生も可能である。
ここで、コア3A,3Bが同じ巻線配置で3相の場合、コア3A,3Bの端効果と、界磁6の磁極とコア3A,3Bのティース3bとの位置関係とによって生じるコギング推力は、それぞれ正弦波を描くので、コア3A,3B間の軸方向の間隔Kを磁極ピッチτmの2分の1のM倍(Mは奇数)とすると、コア3Aのコギング推力とコア3Bのコギング推力との波形の位相の差を180度にしてコア3Aのコギング推力とコア3Bのコギング推力とが互いに打ち消しあって電機子2の全体のコギング推力を極めて小さくできる。
他方、コア3A,3Bの軸方向の間隔KをスロットピッチτsのN倍(Nは整数)とすると、1つのインバータINからコア3A,3Bの巻線5への同じタイミングで通電することで、筒型リニアモータ1を駆動できるようになる。このようにコア3A,3Bの軸方向の間隔Kをスロットピッチτsの3N倍(Nは整数)とすると、コア3A,3Bのそれぞれの巻線5の相と磁極との対向位置が同じになるので、コア3A,3Bの巻線5の各相へ同じタイミングで通電できるようになり、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになる。
本実施の形態の筒型リニアモータ1は、10極12スロットのリニアモータとされている。ここで、コア3A,3Bの基本軸長をLmmとすると、磁極数が10であるので、磁極ピッチτmはL/10となり、スロット数が12であるので、スロットピッチτsがL/12となる。電機子2の全体のコギング推力を低減するには、間隔Kを磁極ピッチτmの2分の1のM倍(Mは奇数)とする必要があり、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようにするには、間隔Kをスロットピッチτsの3N倍(Nは整数)とする必要がある。
整理すると、(L×M)/20=(L×3N)/12、ただし、Mは奇数、Nは整数を満たせば、電機子2の全体のコギング推力を低減し、かつ、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになる。
(L×M)/20=(L×3N)/12を整理すると、M=5N、ただし、Mは奇数、Nは整数を満たせばよいということになる。よって、Mを5、Nを1とすると、コア3A,3Bの軸方向の間隔K=L/4となり、このようにすれば、コア3A,3Bの軸方向の間隔Kが磁極ピッチτmの2分の1のM倍(Mは奇数)であり、かつ、スロットピッチτsの3N倍(Nは整数)となる。磁極ピッチτmは、L/10であるから、前記間隔L/4は、磁極ピッチτmの5/2倍の長さに相当する。つまり、コア3A,3Bの軸方向の間隔Kを5τm/2の長さに設定すればよい。
よって、10極12スロットの筒型リニアモータ1の場合、コア3A,3Bの軸方向の間隔K=5τm/2とすることで、電機子2の全体のコギング推力を低減し、かつ、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになる。なお、Lを108mmとする場合、コア3A,3Bの軸方向の間隔Kを27mmに設定すると、電機子2の全体のコギング推力を低減し、かつ、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになるが、間隔Kを27mm±2mmの範囲で設定すれば、充分に電機子2の全体のコギング推力を低減しつつも1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになる。
また、本実施の形態の筒型リニアモータ1は、10極12スロットのリニアモータとされているが、14極12スロットのリニアモータとする場合には、以下のように間隔Kを設定すればよい。14極12スロットのリニアモータでも、電機子2の全体のコギング推力を低減するには、間隔Kを磁極ピッチτmの2分のM倍(Mは奇数)とする必要があり、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようにするには、間隔Kをスロットピッチτsの3N倍(Nは整数)とする必要がある。
14極12スロットの筒型リニアモータにおけるコア3A,3Bの基本軸長をLmmとすると、磁極数が14であるので、磁極ピッチτmはL/14となり、スロット数が12であるので、スロットピッチτsがL/12となる。
整理すると、(L×M)/28=(L×3N)/12、ただし、Mは奇数、Nは整数を満たせば、電機子2の全体のコギング推力を低減し、かつ、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになる。
(L×M)/28=(L×3N)/12を整理すると、M=7N、ただし、Mは奇数、Nは整数を満たせばよいということになる。よって、Mを7、Nを1とすると、コア3A,3Bの軸方向の間隔K=L/4となり、このようにすれば、コア3A,3Bの軸方向の間隔Kが磁極ピッチτmの2分の1のM倍(Mは奇数)であり、かつ、スロットピッチτsの3N倍(Nは整数)となる。磁極ピッチτmは、L/14であるから、前記間隔L/4は、磁極ピッチτmの7/2倍の長さに相当する。つまり、コア3A,3Bの軸方向の間隔Kを7τm/2の長さに設定すればよい。
よって、14極12スロットの筒型リニアモータ1の場合、コア3A,3Bの軸方向の間隔K=7τm/2とすることで、電機子2の全体のコギング推力を低減し、かつ、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになる。なお、この14極12スロットの筒型リニアモータ1でも、Lを108mmとする場合、コア3A,3Bの軸方向の間隔Kを27mmに設定すると、電機子2の全体のコギング推力を低減し、かつ、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになるが、間隔Kを27mm±2mmの範囲で設定すれば、充分に電機子2の全体のコギング推力を低減しつつも1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになる。
なお、コア3A,3Bは、ともに同数のスロット4を備えた同じ形状とされているが、コア3A,3Bが巻線5の相数の整数倍のスロット4を備えていればスロット数が異なっていてもよい。さらに、コア3A,3Bに装着される巻線5の相数は三相でなくてもよく、たとえば、二相であってもよい。コア3A,3Bに装着される巻線5の相数を二相とする場合、電機子2の全体のコギング推力を低減するには、間隔Kを磁極ピッチτmの2分の1のM倍(Mは奇数)として、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようにするには、間隔Kをスロットピッチτsの2N倍(Nは整数)とすればよい。つまり、1つのコアに装着される巻線の相数をaとすると、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようにするには、間隔Kをスロットピッチτsのa×N倍(Nは整数)とすればよく、電機子2の全体のコギング推力を低減するには、間隔Kを磁極ピッチτmの2分の1のM倍(Mは奇数)とすればよい。
以上のように、筒型リニアモータ1は、N極とS極とが交互に配置されるように積層される環状の複数の永久磁石10a,10bを有する界磁6と、界磁6に対向して巻線5を収容する複数のスロット4を具備した2つのコア3A,3Bを有して界磁6に対して軸方向移動可能な電機子2とを備え、コア3A,3B間の軸方向の間隔Kは、磁極ピッチτmの2分の1の奇数倍とスロットピッチτsの整数倍とが一致する長さに設定される。
このように構成された筒型リニアモータ1によれば、電機子2の全体のコギング推力を低減し、かつ、1つのインバータINで筒型リニアモータ1を駆動できるようになるので、コギング推力を低減しつつもコストも低減可能となる。
また、筒型リニアモータ1が10極12スロットに設定される場合には、コア3A,3B間の軸方向の間隔Kを磁極ピッチτmの5/2倍の長さに設定するとよく、筒型リニアモータ1が14極12スロットに設定される場合には、コア3A,3B間の軸方向の間隔Kを磁極ピッチτmの7/2倍の長さに設定するとよい。
なお、本実施の形態の筒型リニアモータ1では、筒状の界磁6の内周側に電機子2を挿入する構造となっているが、界磁6の外周に電機子2を配置する構造を採用することもできる。この場合、電機子2の各コア3A,3Bを筒状として内周側に巻線5が収容されるスロット4を設けるようにすればよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
1・・・筒型リニアモータ、2・・・電機子、3A,3B・・・コア、4・・・スロット、5・・・巻線、6・・・界磁、10a,10b・・・永久磁石、K・・・間隔
Claims (3)
- N極とS極とが交互に配置されるように積層される環状の複数の永久磁石を有する界磁と、
前記界磁に対向して巻線を収容する複数のスロットを具備した2つのコアを有して前記界磁に対して軸方向移動可能な電機子とを備え、
前記コア間の軸方向の間隔は、磁極ピッチの2分の1の奇数倍とスロットピッチの整数倍とが一致する長さに設定される
ことを特徴とする筒型リニアモータ。 - 10極12スロットに設定され、
前記コア間の軸方向の間隔は、磁極ピッチの5/2倍の長さに設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の筒型リニアモータ。 - 14極12スロットに設定され、
前記コア間の軸方向の間隔は、磁極ピッチの7/2倍の長さに設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の筒型リニアモータ。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022024375A Pending JP2023121183A (ja) | 2022-02-21 | 2022-02-21 | 筒型リニアモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023121183A (ja) |
-
2022
- 2022-02-21 JP JP2022024375A patent/JP2023121183A/ja active Pending
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