JP2023119431A - 飲料、酸味抑制剤、及び酸味抑制方法 - Google Patents

飲料、酸味抑制剤、及び酸味抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含有していながらも、これらの化合物の酸味を抑制することができる飲料、飲料における構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制剤、及び飲料における構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制方法を提供する。【解決手段】(A)クロロゲン酸類を合計5~350mg/100mLと、(B)構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mLと、を含む飲料である。【選択図】なし

Description

本発明は、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含む飲料、飲料における構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制剤、及び飲料における構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制方法に関する。
下記構造式(1)で表される化合物の名称は、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(英名:3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid)である。下記構造式(1)で表される化合物については、特定の成分を含有する培地にてある種の乳酸菌を培養すると、当該化合物が検出されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記構造式(1)で表される化合物は、ジペプチジルペプチダーゼIV活性阻害剤などの有効成分であり、ジペプチジルペプチダーゼIV活性阻害用飲食品などに配合できることが知られている非常に有用な成分である(例えば、特許文献2参照)。
下記構造式(2)で表される化合物の名称は、3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸(英名:3,4-Dihydroxyhydrocinnamic acid)である。
前記構造式(2)で表される化合物は、ブドウなどの植物に含まれる化合物であり、マウスにおけるDNMT1発現のダウンレギュレーション及びIL-6遺伝子のDNAメチル化の阻害を通じてIL-6産生を低下させることが知られている。
クロロゲン酸類は、生コーヒー豆に見出されるポリフェノールの1つである。前記クロロゲン酸類には様々な生理作用が知られており、例えば、ホットフラッシュ改善剤の有効成分として用いることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2014-003929号公報 特開2020-055887号公報 特開2020-169124号公報
上記したように、前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物は、有用な素材である。しかしながら、本発明者らによる前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物の飲料への利用検討において、前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物独特の酸味が感じられることが判明した。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含有していながらも、これらの化合物の酸味を抑制することができる飲料、飲料における前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制剤、及び飲料における前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制方法を提供すること目的とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、飲料における下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制に関して、クロロゲン酸類に優れた効果があることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)クロロゲン酸類を合計5~350mg/100mLと、
(B)下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mLと、を含むことを特徴とする飲料である。
<2> コーヒー飲料である前記<1>に記載の飲料である。
<3> 下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料に用いられ、
(A)クロロゲン酸類を含み、
前記(A)成分が、前記飲料に合計5~350mg/100mLの濃度で配合されることを特徴とする飲料における下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制剤である。
<4> 下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料に、クロロゲン酸類を合計5~350mg/100mLの濃度で配合することを特徴とする飲料における下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含有していながらも、これらの化合物の酸味を抑制することができる飲料、飲料における前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制剤、及び飲料における前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制方法を提供することができる。
(飲料)
本発明の飲料は、(A)クロロゲン酸類(以下、「(A)成分」と称することがある。)と、(B)構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物(以下、「(B)成分」と称することがある。)とを少なくとも含み、必要に応じてさらにその他の成分を含む。
<(A)成分>
前記(A)成分は、クロロゲン酸類である。前記(A)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-クロロゲン酸類-
本明細書において、クロロゲン酸類とは、3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸、5-カフェオイルキナ酸、3-フェルロイルキナ酸、4-フェルロイルキナ酸、5-フェルロイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸のことをいう。
前記クロロゲン酸類は、公知の化合物であり、市販品を使用してもよいし、公知の方法により製造したものを使用してもよい。
例えば、クロロゲン酸類を含有する天然物、特に植物から抽出したもの又はその精製品を用いてもよいし、化学合成により工業的に製造したものを用いてもよい。前記クロロゲン酸類は植物抽出物由来のものが好ましい。前記クロロゲン酸類を含有する植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コーヒー豆、南天の葉、リンゴなどが挙げられる。前記植物抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
前記(A)成分の前記飲料における合計含有量としては、5~350mg/100mLであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(A)成分として、2種以上のクロロゲン酸類を用いる場合の各クロロゲン酸類の使用量の比(質量比)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
飲料における前記(A)成分の含有量の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができ、より具体的には、後述の〔実施例〕の項目の(試験例2)に記載の[測定方法]により測定することができる。
<(B)成分>
前記(B)成分は、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物である。前記(B)成分は、構造式(1)で表される化合物を単独で用いてもよいし、構造式(2)で表される化合物を単独で用いてもよいし、これらを併用してもよい。
-構造式(1)で表される化合物-
下記構造式(1)で表される化合物の名称は、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(英名:3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid)である(以下、「HMPA」と称することがある。)。
前記構造式(1)で表される化合物は、公知の化合物であり、市販品を使用してもよいし、公知の方法により製造したものを使用してもよい。
-構造式(2)で表される化合物-
下記構造式(2)で表される化合物の名称は、3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸(英名:3,4-Dihydroxyhydrocinnamic acid)である。
前記構造式(2)で表される化合物は、公知の化合物であり、市販品を使用してもよいし、公知の方法により製造したものを使用してもよい。
前記(B)成分の前記飲料における合計含有量としては、1~50mg/100mLであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(B)成分として、2種の化合物を用いる場合の両者の使用量の比(質量比)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
飲料における前記構造式(1)で表される化合物の含有量の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、下記条件でHPLCにより測定することができる。
-HPLC条件-
・ カラム : COSMOSIL 3PBr Packed Column(ナカライテスク株式会社製)
・ ガードカラム : COSMOSIL 3PBr Guard Cartridge(ナカライテスク株式会社製)
COSMOSIL Guard Cartridge Holder(ナカライテスク株式会社製)
COSMOSIL Column Connecting Tube(ナカライテクス株式会社製)
・ 移動相 : A)メタノール:水:ギ酸=500:500:1
B)メタノール
標準溶液分析時) 0-10min(100%A)
試料溶液分析時) 0-10min(100%A)、
10.01-24min(100%B)、
24.01-38min(100%A)
・ カラム温度 : 40℃
・ 注入量 : 10μL
・ 流速 : 1.0mL/min
・ 検出条件 : UV280nm
また、飲料における前記構造式(2)で表される化合物の含有量の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、下記条件でHPLCにより測定することができる。
-HPLC条件-
・ カラム : WakosilII 5C18HG(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・ 移動相 : A)水:トリフルオロ酢酸=1000:1
B)アセトニトリル
0-12min(82%A)、
12-20min(82%A→75%A)、
20-35min(75%A→70%A)、
35-40min(70%A)、
40-50min(10%A)、
50-65min(82%A)
・ カラム温度 : 40℃
・ 注入量 : 10μL
・ 流速 : 0-40min(1.0mL/min)、
40-55min(1.4mL/min)、
55-65min(1.0mL/min)
・ 検出条件 : UV280nm
<その他の成分>
前記飲料におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、飲料に用いることができる成分を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ酸、甘味料、酸味料、香料、ビタミン、ミネラル、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、品質安定剤、食物繊維などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記飲料におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<飲料>
前記飲料の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、清涼飲料、栄養飲料、機能性飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料などが挙げられる。前記飲料は、炭酸ガスを含む飲料であってもよいし、炭酸ガスを含まない飲料であってもよい。また、飲料には、ゼリー飲料も含まれる。前記飲料は、無色であってもよいし、有色であってもよく、また、透明であってもよいし、透明でなくてもよい。
前記炭酸ガスを含まない飲料としては、例えば、果汁飲料、コーヒー飲料、乳飲料、スポーツドリンク、茶飲料などが挙げられる。
前記炭酸ガスを含む飲料としては、例えば、コーラ、ダイエットコーラ、ジンジャーエール、サイダー、果汁風味が付与された炭酸水などが挙げられる。
これらの中でも、コーヒー飲料が好適に挙げられる。
前記「コーヒー飲料」とは、コーヒー分を原料として使用して製造される飲料をいう。
前記コーヒー分とは、コーヒー豆由来の成分を含有する液のことをいい、例えば、コーヒー抽出液、即ち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水等を用いて抽出した液が挙げられる。また、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒー等を、水や温水等で適量に調整した液も、コーヒー分として挙げられる。
前記コーヒー分にはクロロゲン酸類が含まれている。そのため、原料の一部にクロロゲン酸類が含まれるコーヒー飲料は、製造の手軽さや飲料の香味的な観点から、本発明の飲料の好適な態様である。特に、飲料に添加される乳分や甘味成分などコーヒー分以外の成分を含まないブラックコーヒーは、本発明の好適な態様の一例である。
前記飲料は、前記(B)成分の酸味が低減された飲みやすい飲料である。したがって、前記(B)成分の生理作用を期待して継続摂取する飲料として、常温で長期保存でき、即時飲用可能な形態(RTD:Ready To Drink)とするのが、ユーザーの観点の簡便性から優れている。
前記飲料は、加熱殺菌処理を経て得られる容器詰め飲料であってもよい。
前記容器の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)製容器、ポリエチレン製容器、ポリプロピレン製容器等のプラスチック製容器;ガラス製容器;金属製容器;紙製容器などが挙げられる。
前記容器の容量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100mL~2Lなどが挙げられる。
本発明者らの検討によると、甘味度が一定以下に抑えられている低甘味度の飲料では、それよりも甘味度が高い飲料と比較して、前記(B)成分の酸味が目立ちやすい傾向にある。したがって、本発明の効果を顕著に発揮できるという観点から、低甘味度の飲料は本発明の飲料の好適な態様である。
ここで「低甘味度」の飲料の甘味度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1以下がさらに好ましく、0.5以下が特に好ましい。なお、前記飲料の甘味度の下限値は、0以上が好ましい。
前記甘味度とは、甘味の強さを示す尺度であり、ショ糖1重量%(20℃)の甘味を1とした場合の相対比である。飲料の甘味度は、当該飲料に含まれる各甘味成分の量(重量濃度)を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量を総計することによって求めることができる。なお、ショ糖の甘味1に対する各種甘味成分の甘味の相対比は、公知の砂糖甘味換算表(マクマリー有機化学(第7版)988頁)から求めることができる。
本発明の飲料の製造方法としては、特に制限はなく、公知の飲料の製造方法を適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分、前記(B)成分、及び必要に応じて前記その他の成分を飲料の製造過程で配合し、製造する方法が挙げられる。また、本発明の飲料は、公知の方法により製造した飲料に、前記(A)成分、前記(B)成分、及び必要に応じて前記その他の成分を添加して製造することもできる。
前記各種成分の配合順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、本発明の飲料の製造においては、前記各種成分の含有量を調整する工程を含んでもよい。
また、本発明の飲料は、必要に応じて殺菌等の工程を経て、容器詰め飲料とすることができる。例えば、飲料を容器に充填した後に加熱殺菌等を行う方法や、飲料を殺菌してから無菌環境下で容器に充填する方法により、殺菌された容器詰め飲料を製造することができる。前記加熱殺菌処理は、食品衛生法に定められた殺菌条件で行うことができる。殺菌機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チューブ式殺菌機、プレート式殺菌機、FP(Flash Pastrization)プレート式殺菌機、UHT(Ultra High Temperature)殺菌装置などを用いることができる。加熱温度や処理時間としては、特に制限はなく、飲料の種類によって適宜選択して行うことができ、通常、60~150℃で1秒間~30分間加熱する。
本発明の飲料は、前記構造式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含有していながらも、これらの化合物独特の呈味である酸味が抑制(緩和と称することもある。)されており、容易に摂取することができる。
(酸味抑制剤)
本発明の酸味抑制剤は、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料に用いられ、(A)クロロゲン酸類を少なくとも含み、必要に応じてさらにその他の成分を含む。
本発明の酸味抑制剤は、飲料における構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味を抑制するものである。本明細書において、酸味の抑制とは、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物が有する独特の呈味である酸味を緩和することをいう。例えば、前記(A)成分を含まない飲料と比較して、酸味が緩和された場合に、酸味を抑制したということができる。
<(A)成分>
前記(A)成分は、クロロゲン酸類である。前記(A)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-クロロゲン酸類-
前記クロロゲン酸類は、上記した(飲料)の項目に記載のクロロゲン酸類と同様である。
前記クロロゲン酸類の前記酸味抑制剤における含有量としては、特に制限はなく、使用量などに応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記酸味抑制剤におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、水、飲食品に用いられる成分などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸味抑制剤におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<態様>
前記酸味抑制剤は、前記(A)成分と、必要に応じて前記その他の成分とを同一の包材に含む態様であってもよいし、前記各成分を別々の包材に入れ、使用時に併用する態様であってもよい。
前記酸味抑制剤の形態としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、粉末、顆粒等の固体、水などの溶媒に溶解させた液体などが挙げられる。
<使用>
前記酸味抑制剤の使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、製造した飲料に添加する方法、飲料の製造過程で添加する方法などが挙げられる。これらは、1種単独の方法で行ってもよいし、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
前記酸味抑制剤における各種成分の飲料への配合順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記酸味抑制剤における各種成分は、1回でまとめて添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。
前記酸味抑制剤の使用量としては、特に制限はなく、前記(A)成分や、必要に応じて用いる前記その他の成分の使用量などを考慮して、適宜選択することができる。
前記(A)成分の使用量としては、前記飲料に合計5~350mg/100mLの濃度で配合される限り、特に制限はなく、対象とする飲料の種類に応じて適宜選択することができる。
前記(A)成分として、2種以上のクロロゲン酸類を用いる場合の各クロロゲン酸類の使用量の比(質量比)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記酸味抑制剤は、単独で使用してもよいし、他の酸味抑制剤と組み合わせて使用してもよい。
<飲料>
前記飲料としては、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(飲料)の項目に記載のものと同様のものなどが挙げられる。
(酸味抑制方法)
本発明の酸味抑制方法は、配合工程を少なくとも含み、必要に応じてさらにその他の工程を含む。
本発明の酸味抑制方法は、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味を抑制する方法である。
<配合工程>
前記配合工程は、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料に、クロロゲン酸類を合計5~350mg/100mLの濃度で配合する工程である。
-クロロゲン酸類-
前記クロロゲン酸類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記クロロゲン酸類は、上記した(飲料)の項目に記載のクロロゲン酸類と同様である。
前記飲料に、前記クロロゲン酸類を配合する方法としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、上記した本発明の酸味抑制剤の<使用>の項目に記載した方法と同様にして行うことができ、使用量も同様とすることができる。
<飲料>
前記飲料としては、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(飲料)の項目に記載のものと同様のものなどが挙げられる。
本発明の酸味抑制剤及び酸味抑制方法によれば、構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料における構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味を抑制することができる。
以下、試験例を説明するが、本発明は、これらの試験例に何ら限定されるものではない。
(試験例1:クロロゲン酸類による構造式(1)で表される化合物の酸味抑制)
水に、下記の表1-1~1-5に記載の配合量となるように、前記構造式(1)で表される化合物(東京化成工業株式会社製)と、クロロゲン酸0.5水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)とを溶解させ、飲料(甘味度:0)とした。なお、下記の表1-1~1-5に記載の「クロロゲン酸類」の欄は、クロロゲン酸0.5水和物の量ではなく、クロロゲン酸の量を表す。
<評価>
調製した飲料について、香味の官能評価を行った。香味については構造式(1)で表される化合物特有の酸味の観点から主に評価した。具体的には、十分に訓練を受けた6名の専門パネリストにより、下記の評価基準で評価した。なお、評価温度は室温とした。
-評価基準-
5点 : 構造式(1)で表される化合物特有の酸味が大きく緩和されている。
4点 : 構造式(1)で表される化合物特有の酸味が緩和されている。
3点 : 構造式(1)で表される化合物特有の酸味がやや緩和されている。
2点 : 構造式(1)で表される化合物特有の酸味があり、後味に残る。
1点 : 構造式(1)で表される化合物特有の酸味が強く、後味に大きく残る。
結果を下記の表1-1~1-5に示す。なお、評価の点数は、6名の専門パネリストによる評価の平均点である。
Figure 2023119431000013
Figure 2023119431000014
Figure 2023119431000015
Figure 2023119431000016
Figure 2023119431000017
表1-1~1-5に示したように、構造式(1)で表される化合物の濃度が1~50mg/100mLの飲料において、クロロゲン酸類を5~350mg/100mL配合することで、構造式(1)で表される化合物独特の酸味を抑制することが分かった。
(試験例2:構造式(1)で表される化合物含有コーヒー飲料の評価)
<コーヒー>
コーヒーとして市販のインスタントコーヒーを使用し、その粉を所定の割合で水に溶解させ、コーヒー溶液とした。下記測定方法により、前記コーヒー溶液に含まれるクロロゲン酸類の含有量を測定した結果、20mg/100mLであった。
[測定方法]
上記のコーヒー溶液を下記移動相のA液で10倍希釈した後、メンブランフィルターで濾過し、HPLCに注入した。クロロゲン酸0.5水和物を標準物質として用い、3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸、5-カフェオイルキナ酸、3-フェルロイルキナ酸、4-フェルロイルキナ酸、5-フェルロイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸の9種類のクロロゲン酸類のピーク面積値からクロロゲン酸類の含有量を求めた。
-HPLC条件-
・ カラム
Cadenza CD-C18:φ4.6mm×150mm、粒径 3μm(インタクト株式会社)
・ 移動相
A液 : 0.05mol/L酢酸、0.01mol/L酢酸ナトリウム、0.1mmol/L HEDPO含有5%アセトニトリル
B液 : アセトニトリル
・ グラジエント条件 : 下記表2-1参照
・ 流速 : 1.0mL/min
・ カラム温度 : 35℃
・ 試料注入量 : 10μL
・ 検出波長 : 325nm
・ 標準物質 : クロロゲン酸0.5水和物(含量99%)(和光一級)(富士フイルム和光純薬株式会社製)
<試料調製>
上記のコーヒー溶液にクロロゲン酸類(クロロゲン酸0.5水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製))を添加して、コーヒー溶液中のクロロゲン酸類濃度が50mg/100mL、150mg/100mLとなる試料(甘味度:0)を調製した。また、構造式(1)で表される化合物を1~50mg/100mLとなるよう添加した。なお、下記の表2-2~2-3に記載の「添加したクロロゲン酸類」の欄は、クロロゲン酸0.5水和物の量ではなく、クロロゲン酸の量を表す。
<評価>
調製した試料について、試験例1と同様にして、6名の専門パネリストにより、構造式(1)で表される化合物に由来する酸味の強さを評価した。結果を下記の表2-2~2-3に示す。なお、評価の点数は、6名の専門パネリストによる評価の平均点である。
Figure 2023119431000019
Figure 2023119431000020
表2-2~2-3に示したように、構造式(1)で表される化合物を1~50mg/100mLの濃度で配合した市販コーヒー飲料においても、構造式(1)で表される化合物独特の酸味を抑制することが分かった。
(試験例3:クロロゲン酸類による構造式(2)で表される化合物の酸味抑制)
水に、下記の表3-1~3-5に記載の配合量となるように、前記構造式(2)で表される化合物(東京化成工業株式会社製)と、クロロゲン酸0.5水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)とを溶解させ、飲料(甘味度:0)とした。なお、下記の表3-1~3-5に記載の「クロロゲン酸類」の欄は、クロロゲン酸0.5水和物の量ではなく、クロロゲン酸の量を表す。
<評価>
調製した飲料について、香味の官能評価を行った。香味については構造式(2)で表される化合物特有の酸味の観点から主に評価した。具体的には、十分に訓練を受けた6名の専門パネリストにより、下記の評価基準で評価した。なお、評価温度は室温とした。
-評価基準-
5点 : 構造式(2)で表される化合物特有の酸味が大きく緩和されている。
4点 : 構造式(2)で表される化合物特有の酸味が緩和されている。
3点 : 構造式(2)で表される化合物特有の酸味がやや緩和されている。
2点 : 構造式(2)で表される化合物特有の酸味があり、後味に残る。
1点 : 構造式(2)で表される化合物特有の酸味が強く、後味に大きく残る。
結果を下記の表3-1~3-5に示す。なお、評価の点数は、6名の専門パネリストによる評価の平均点である。
Figure 2023119431000021
Figure 2023119431000022
Figure 2023119431000023
Figure 2023119431000024
Figure 2023119431000025
表3-1~3-5に示したように、構造式(2)で表される化合物の濃度が1~50mg/100mLの飲料において、クロロゲン酸類を5~350mg/100mL配合することで、構造式(2)で表される化合物独特の酸味を抑制することが分かった。
(試験例4:構造式(2)で表される化合物含有コーヒー飲料の評価)
<コーヒー>
コーヒーとして市販のインスタントコーヒーを使用し、その粉を所定の割合で水に溶解させ、コーヒー溶液とした。試験例2と同様にして、前記コーヒー溶液に含まれるクロロゲン酸類の含有量を測定した結果、20mg/100mLであった。
<試料調製>
上記のコーヒー溶液にクロロゲン酸類(クロロゲン酸0.5水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製))を添加して、コーヒー溶液中のクロロゲン酸類濃度が50mg/100mL、150mg/100mLとなる試料(甘味度:0)を調製した。また、構造式(2)で表される化合物を1~50mg/100mLとなるよう添加した。なお、下記の表4-1~4-2に記載の「添加したクロロゲン酸類」の欄は、クロロゲン酸0.5水和物の量ではなく、クロロゲン酸の量を表す。
<評価>
調製した試料について、試験例3と同様にして、6名の専門パネリストにより、構造式(2)で表される化合物に由来する酸味の強さを評価した。結果を下記の表4-1~4-2に示す。なお、評価の点数は、6名の専門パネリストによる評価の平均点である。
Figure 2023119431000026
Figure 2023119431000027
表4-1~4-2に示したように、構造式(2)で表される化合物を1~50mg/100mLの濃度で配合した市販コーヒー飲料においても、構造式(2)で表される化合物独特の酸味を抑制することが分かった。

Claims (4)

  1. (A)クロロゲン酸類を合計5~350mg/100mLと、
    (B)下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mLと、を含むことを特徴とする飲料。
  2. コーヒー飲料である請求項1に記載の飲料。
  3. 下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料に用いられ、
    (A)クロロゲン酸類を含み、
    前記(A)成分が、前記飲料に合計5~350mg/100mLの濃度で配合されることを特徴とする飲料における下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制剤。
  4. 下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を合計1~50mg/100mL含有する飲料に、クロロゲン酸類を合計5~350mg/100mLの濃度で配合することを特徴とする飲料における下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物の酸味抑制方法。
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