JP2023119192A - 端子付き電線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】素線切れを抑制すること。【解決手段】芯線接合部122に対して、芯線111の超音波接合対象となる超音波接合面122aを残しつつ一部に超音波接合の阻害要因となる接合阻害部122bを形成する接合阻害部形成工程と、超音波接合面と接合阻害部に芯線露出部111aを載せ置く芯線設置工程と、第1金型21と第2金型22とで芯線接合部及び芯線露出部を挟み込んで加圧しながら、第2金型に印加した超音波振動で芯線接合部における少なくとも超音波接合面に対して芯線露出部を超音波接合させる接合工程と、を有し、接合工程では、超音波接合面に超音波接合させる芯線露出部の第1被加圧部111bと芯線露出部における第1被加圧部よりも被覆112側の部位で且つ接合阻害部に載せ置かれた第2被加圧部111cとを第2金型に加圧させ、接合阻害部形成工程では、芯線接合部にて、第2被加圧部が載せ置かれる位置に接合阻害部を形成すること。【選択図】図1

Description

本発明は、端子付き電線の製造方法に関する。
従来、端子付き電線の製造方法においては、電線と端子金具とを物理的且つ電気的に接続させるための技術として、その電線の芯線露出部と端子金具の芯線接合部とに加圧しながら超音波振動を与える超音波接合が知られている。この超音波接合においては、芯線露出部と芯線接合部とを2つの金型で挟み込んで加圧しながら、その芯線露出部の軸線方向に沿う振動方向の超音波振動を一方の金型(加振金型)から芯線露出部に加える。電線と端子金具は、その加圧と超音波振動によって、芯線露出部の素線間が超音波接合され、かつ、芯線露出部の素線と芯線接合部との間が超音波接合されて、端子付き電線として形成される。この種の端子付き電線については、例えば、下記の特許文献1から5に開示されている。
特開2006-172927号公報 特開2014-107104号公報 特開2014-211952号公報 特開2019-040778号公報 特開2019-145263号公報
ところで、電線の芯線露出部においては、加振金型から超音波振動を加え始めたときに、芯線露出部の素線間や芯線露出部の素線と芯線接合部との間が未だ接合され始めていないので、これらの間や加振金型に接触している素線と当該加振金型との間で生じる振動方向の相対移動量に大きな差が無い。しかしながら、この芯線露出部においては、その素線間や素線と芯線接合部との間の接合が進むに連れて、これらの間での振動方向の相対移動量が減っていく。その一方で、この芯線露出部においては、加振金型に接触している素線と当該加振金型との間における振動方向の相対移動量が超音波接合開始時から大きく変化していない。つまり、この芯線露出部においては、素線間や素線と芯線接合部との間の接合が進むに連れて、芯線接合部に接触している素線と当該芯線接合部との間における振動方向の相対移動量が超音波接合開始時より減っていくにも拘わらず、加振金型に接触している素線と当該加振金型との間における振動方向の相対移動量が超音波接合開始時の大きさのままになっている。このため、この芯線露出部においては、接合が進み、芯線接合部側と加振金型側の相対移動量の差が大きくなるに連れて、加振金型側の素線に掛かる負荷が大きくなり、この素線で素線切れを引き起こす虞がある。
そこで、本発明は、超音波接合中の素線切れを抑制し得る端子付き電線の製造方法を提供することを、その目的とする。
本発明は、素線束から成る芯線が超音波接合される端子金具の芯線接合部に対して、前記芯線の超音波接合対象となる超音波接合面を残しつつ一部に超音波接合の阻害要因となる接合阻害部を形成する接合阻害部形成工程と、前記芯線接合部における前記超音波接合面と前記接合阻害部に対して、前記芯線が被覆で覆われた電線の周方向に亘って剥き出しになった芯線露出部を載せ置く芯線設置工程と、前記芯線接合部に接触させた第1金型と前記芯線露出部に接触させた第2金型とで前記芯線接合部及び前記芯線露出部を挟み込んで加圧しながら、前記第2金型に印加した超音波振動で前記芯線接合部における少なくとも前記超音波接合面に対して前記芯線露出部を超音波接合させる接合工程と、を有し、前記接合工程では、前記芯線接合部の前記超音波接合面に超音波接合させる前記芯線露出部の第1被加圧部と前記芯線露出部における前記第1被加圧部よりも前記被覆側の部位で且つ前記接合阻害部に載せ置かれた第2被加圧部とを前記第2金型に加圧させ、前記接合阻害部形成工程では、前記芯線接合部にて、前記芯線設置工程で前記第2被加圧部が載せ置かれる位置に前記接合阻害部を形成することを特徴とする。
本発明に係る端子付き電線の製造方法は、その接合工程において、第1被加圧部から第2被加圧部までのそれぞれの素線の間での超音波接合や第1被加圧部の素線と超音波接合面との間の超音波接合が進んだとしても、第2被加圧部の素線と第2金型との間での超音波振動の振動方向の相対移動量が然程変化しない。そして、この接合工程においては、これらの超音波接合が進んだとしても、第2被加圧部の芯線接合部側の素線が接合阻害部に接触しているので、この第2被加圧部の芯線接合部側の素線と接合阻害部との間での超音波振動の振動方向の相対移動量が然程変化しない又は当該相対移動量が減少し難い。このため、この接合工程においては、その超音波接合が進行しても、第2被加圧部における第2金型側の相対移動量と第2被加圧部における芯線接合部側の相対移動量との差が拡がり難くなっている。よって、芯線露出部においては、第2被加圧部における被覆側で素線に大きな負荷が掛かり難くなっているので、その素線で素線切れが生じ難い。このように、本発明に係る端子付き電線の製造方法は、超音波接合中の素線切れの発生を抑えることができる。
図1は、実施形態の超音波接合機を端子付き電線と共に示す説明図である。 図2は、端子金具を超音波接合面側から見た平面図である。 図3は、図2のX-X線断面図である。 図4は、実施形態の製造装置を示す説明図である。
以下に、本発明に係る端子付き電線の製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る端子付き電線の製造方法の実施形態の1つを図1から図4に基づいて説明する。
図1の符号101は、本実施形態の端子付き電線を示す。ここでは、後述する製造装置1とこれを用いた製造方法で作り出される端子付き電線101の説明のなかで、その製造装置1と製造方法の説明を行う。
端子付き電線101は、互いに物理的且つ電気的に接続された電線110と端子金具120とを備える(図1)。
電線110は、芯線111と被覆112とを備えており、その芯線111が外周面側から筒状の被覆112で覆われている(図1)。芯線111は、導電性の金属の線材から成る複数本の素線113が束ねられた素線束として構成されている。被覆112は、芯線111を外周面側から覆う絶縁性の合成樹脂材料で成形されている。
この電線110は、周方向に亘って剥き出しになった芯線露出部111aを有している(図1)。例えば、電線110においては、その端末(以下、「電線端末」という。)110aで被覆112の末端を周方向に剥ぎ取るなど被覆112に加工を施すことによって、この電線端末110aに1周に亘って剥き出しになった芯線露出部111aが設けられる。この電線端末110aの芯線露出部111aは、被覆112の環状の端面から突出しており、この被覆112の端面から自由端側に離れた場所を端子金具120に超音波接合させる。また、例えば、電線110においては、その軸線の途中で被覆112を周方向に剥ぎ取るなどして、この軸線の途中で被覆112の2箇所の環状の端面の間に1周に亘って剥き出しになった芯線露出部111aが設けられる。この電線110の途中の芯線露出部111aは、その被覆112の2箇所の端面の間でそれぞれの端面から離れた場所を端子金具120に超音波接合させる。
この端子付き電線101においては、その電線110の端末又は途中の芯線露出部111aに対して端子金具120が取り付けられる。ここで示す電線110は、電線端末110aに芯線露出部111aを有している。このため、この端子付き電線101においては、その電線端末110aの芯線露出部111aに対して端子金具120が取り付けられる。
その端子金具120は、金属等の導電性材料で成形される。この端子金具120は、例えば、母材となる金属板に対する折曲げ加工や切断加工等のプレス成形によって所定形状に成形される。
この端子金具120は、相手方(図示略)に対して物理的且つ電気的に接続させる端子接続部121を有する(図1から図3)。この端子接続部121は、相手方に対して如何様な形態で物理的且つ電気的に接続させるものであってもよい。ここで示す端子接続部121は、貫通孔121aを有する平板状に形成されている(図2)。この端子接続部121は、例えば、その貫通孔121aと相手方端子金具における端子接続部(図示略)の貫通孔とに挿通させた雄螺子部材に雌螺子部材を螺合させることによって、その相手方端子金具の端子接続部に螺子止め固定させる。また、例えば、端子金具120の端子接続部121と相手方端子金具の端子接続部は、その内の一方が雌端子形状に形成され、かつ、その内の他方が雄端子形状に形成されて、互いを挿入嵌合させるものであってもよい。
また、この端子金具120は、電線110の芯線111が超音波接合される芯線接合部122を有する(図1から図3)。この芯線接合部122は、平板状に形成される。ここで示す芯線接合部122は、矩形の平板状に形成されている。この芯線接合部122には、一方の平面に電線110の芯線露出部111aが載せ置かれて超音波接合される。
この端子金具120は、その端子接続部121と芯線接合部122とから成る1枚の平板状の片体として成形されているが、例えば、端子接続部121側と芯線接合部122側とに折り曲げた交差形状に成形するなど、如何様な形状に成形されたものであってもよい。
ところで、ここでは、電線110の芯線露出部111aと端子金具120の芯線接合部122とを超音波接合する際の素線切れを抑制するべく、その芯線接合部122に予め下記の接合阻害部122b(図1から図3)を設けた上で、この芯線接合部122に対して芯線露出部111aを超音波接合させる。このため、この端子付き電線101の製造方法は、芯線接合部122に接合阻害部122bを形成する接合阻害部形成工程と、この芯線接合部122に対して芯線露出部111aを載せ置く芯線設置工程と、この芯線露出部111aと芯線接合部122を超音波接合させる接合工程と、を有する。端子付き電線101の製造装置1は、その接合阻害部形成工程を実施するための接合阻害部形成機10と、芯線設置工程及び接合工程を実施するための超音波接合機20と、を備える(図4)。尚、図中の接合阻害部122bは、図示の便宜上、その大きさ等を誇張してクロスハッチングで示している。
接合阻害部形成工程では、端子金具120の芯線接合部122に対して、芯線111の超音波接合対象となる超音波接合面122aを残しつつ一部に超音波接合の阻害要因となる接合阻害部122bを形成する(図1から図4)。
超音波接合面122aは、芯線露出部111aを超音波接合させる壁面であり、芯線接合部122の一方の平面に存在する。芯線接合部122においては、少なくとも超音波接合面122aに対して芯線露出部111aを超音波接合させる。
また、接合阻害部122bは、芯線露出部111aに超音波振動を加えているときに芯線接合部122の一部で素線113との間の摩擦力を軽減させるための部位であり、芯線接合部122の表面の一部に設けて、超音波接合中に芯線露出部111aと芯線接合部122との間に介在させる。この接合阻害部122bは、芯線接合部122における超音波接合面122aと同一の平面(つまり、超音波接合面122aの存在する芯線接合部122の一方の平面)に設ける。芯線露出部111aは、その素線113が芯線接合部122の超音波接合面122aに超音波接合される一方、接合阻害部122bが介在する芯線接合部122の表面の一部(以下、「接合阻害面」という。)での素線113の超音波接合が阻害される。例えば、接合阻害部122bは、その形態や超音波振動の印加時間に応じて、接合阻害面に芯線露出部111aを超音波接合させないものであったり、接合阻害面に芯線露出部111aが超音波接合し始めるまでの時間を超音波接合面122aに芯線露出部111aが超音波接合し始めるまでの時間よりも遅延させるものであったりする。
この接合阻害部122bは、芯線露出部111aの超音波接合を阻害するものであれば如何様なものであってもよい。例えば、次のようなものである。
この接合阻害部122bとしては、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)に施したメッキ(軟質メッキ)が考えられる。例えば、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)には、ストライプ状の錫メッキが施される。この場合には、接合阻害部形成機10としてメッキ生成装置が用いられる。尚、端子金具120において表面へのメッキの有無は問わないが、端子金具120の表面全体にメッキが施される場合、接合阻害部122bに用いるメッキは、それ以外の場所のメッキよりも超音波接合させ難いものを用いることが望ましい。
また、接合阻害部122bとしては、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)に設けた非金属材料(油、合成樹脂等)が考えられる。例えば、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)には、速乾性の油性インク等で油膜が形成される。この場合には、接合阻害部形成機10として、例えば油性インクの塗布装置が用いられる。また、速乾性のない油を用いる場合には、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)の凹部に油を充填して、その表面に油溜まりを作る。例えば、その凹部としては、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)における素の表面粗さの凹凸を利用したり、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)に加工により付けた複数の凹凸を利用したりする。この場合には、接合阻害部形成機10として、例えば、凹凸の加工装置と油の充填装置が用いられる。
また、接合阻害部122bとしては、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)を改質させた酸化皮膜が考えられる。例えば、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)にレーザを照射し、この場所を改質して酸化皮膜を形成する。この場合には、接合阻害部形成機10としてレーザ照射装置が用いられる。
接合阻害部形成工程では、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)に施したメッキから成る接合阻害部122b、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)に設けた非金属材料から成る接合阻害部122b、又は、芯線接合部122の表面の一部(接合阻害面)を改質させた酸化皮膜から成る接合阻害部122bを形成すればよい。
この端子金具120においては、その何れかの接合阻害部122bが形成された芯線接合部122に対して芯線露出部111aを超音波接合させる。そこで、芯線設置工程では、芯線接合部122における超音波接合面122aと接合阻害部122bに対して芯線露出部111aを載せ置く。そして、その芯線露出部111aと芯線接合部122を接合工程で超音波接合させる。
ここで示す超音波接合機20は、芯線露出部111aと芯線接合部122を挟み込んで加圧しながら芯線露出部111aと芯線接合部122に超音波振動を加える第1金型21と第2金型22とを備える(図1)。
端子金具120の芯線接合部122は、第1金型21に載せ置かれる。よって、芯線設置工程では、この第1金型21に載せ置かれた芯線接合部122の一方の平面に対して芯線露出部111aを載せ置く。ここで示す第1金型21は、複数の凹凸から成る接触部21aを有しており、この接触部21aの上に芯線接合部122の他方の平面が載せ置かれる(図1)。その接触部21aは、例えば、第1金型21に施されたローレット加工により成る複数の凹凸である。
第2金型22は、第1金型21に近づけたり第1金型21から離したりする往復移動が可能な金型であり、その往復移動を実施させる駆動部(図示略)に取り付けられている。この第2金型22は、第1金型21に近づけることで芯線接合部122の上の芯線露出部111aに接触し、第1金型21との間で芯線露出部111aと芯線接合部122を挟み込んで加圧する。ここで示す第2金型22は、第1金型21の接触部21aと同様の接触部22aを有しており、この接触部22aを芯線露出部111aに接触させる(図1)。
接合工程では、芯線接合部122に接触させた第1金型21と芯線露出部111aに接触させた第2金型22とで芯線接合部122及び芯線露出部111aを挟み込んで加圧しながら、第2金型22に印加した超音波振動で芯線接合部122における少なくとも超音波接合面122aに対して芯線露出部111aを超音波接合させる。超音波接合機20は、超音波発振器(図示略)を備えており、この超音波発振器からの超音波振動を第2金型22に印加させる。
具体的に、この接合工程では、芯線接合部122の超音波接合面122aに超音波接合させる芯線露出部111aの第1被加圧部111bと、その芯線露出部111aにおける第1被加圧部111bよりも被覆112側の部位で且つ接合阻害部122bに載せ置かれた第2被加圧部111cと、を第2金型22に加圧させる(図1)。このため、芯線設置工程では、第1金型21に載せ置かれた芯線接合部122に対して芯線露出部111aを載せ置く際に、芯線露出部111aの第1被加圧部111bを超音波接合面122aに載せ置き、かつ、芯線露出部111aの第2被加圧部111cを接合阻害部122bに載せ置く。よって、接合阻害部形成工程では、芯線接合部122にて、芯線設置工程で第2被加圧部111cが載せ置かれる位置に接合阻害部122bを形成する。
接合工程においては、第2金型22を第1金型21に近づけながら第1被加圧部111bと第2被加圧部111cに接触させ、芯線露出部111aの残りの場所(少なくとも第2被加圧部111cと被覆112の環状の端面との間)に第2金型22を接触させない(図1)。また、この接合工程においては、芯線露出部111aの第1被加圧部111bと超音波接合面122aとが接触している一方、芯線露出部111aの第2被加圧部111cと芯線接合部122の接合阻害面との間に接合阻害部122bが介在している(図1)。
このため、この接合工程においては、芯線露出部111aにおける第1被加圧部111bから第2被加圧部111cまでのそれぞれの素線113が超音波振動の振動方向に互いに相対移動しながら、そのそれぞれの素線113の間に摩擦を生じさせ、その摩擦が生じている素線113の表面で酸化皮膜等が破壊されて新生面が表に現れる。そして、この接合工程においては、この第1被加圧部111bから第2被加圧部111cまでのそれぞれの素線113の間で新生面同士が接触している場所に凝着核が発生し、ここを起点にして溶着面積が拡がりながら素線113の間の接合が進んでいく。更に、この接合工程においては、その素線間の超音波接合と同等のタイミングで、芯線露出部111aにおける第1被加圧部111bの素線113と超音波接合面122aとが超音波振動の振動方向に互いに相対移動しながら、その第1被加圧部111bの素線113と超音波接合面122aとの間に摩擦を生じさせ、その摩擦が生じている第1被加圧部111bの素線113と超音波接合面122aのそれぞれの表面で酸化皮膜等が破壊されて新生面が表に現れる。そして、この接合工程においては、第1被加圧部111bの素線113と超音波接合面122aの間で新生面同士が接触している場所に凝着核が発生し、ここを起点にして溶着面積が拡がりながら第1被加圧部111bの素線113と超音波接合面122aとの間の接合が進んでいく。
この接合工程においては、第1被加圧部111bから第2被加圧部111cまでのそれぞれの素線113の間での超音波接合の進行と共に、そのそれぞれの素線113の間における超音波振動の振動方向の相対移動量が減っていく。更に、この接合工程においては、第1被加圧部111bの素線113と超音波接合面122aとの間の超音波接合の進行と共に、その第1被加圧部111bの素線113と超音波接合面122aとの間における超音波振動の振動方向の相対移動量が減っていく。一方、この接合工程においては、これらの超音波接合が進んだとしても、第1被加圧部111bの素線113と第2金型22との間での超音波振動の振動方向の相対移動量が然程変化しない。このため、この接合工程においては、その超音波接合の進行と共に、第1被加圧部111bにおける超音波接合面122a側の素線113の当該超音波接合面122aに対する振動方向の相対移動量が減っていくにも拘わらず、第1被加圧部111bにおける第2金型22側の素線113の当該第2金型22に対する振動方向の相対移動量が大きいままになっている。しかしながら、芯線露出部111aにおいては、第1被加圧部111bが自由端側と第2被加圧部111cとに挟まれており、この第1被加圧部111bにおける自由端側と第2被加圧部111c側とで第2金型22側の素線113に大きな負荷が掛かり難くなっているので、その素線113で素線切れが生じ難い。
また、この接合工程においては、第1被加圧部111bから第2被加圧部111cまでのそれぞれの素線113の間での超音波接合や第1被加圧部111bの素線113と超音波接合面122aとの間の超音波接合が進んだとしても、第1被加圧部111bの第2金型22側と同じように、第2被加圧部111cの素線113と第2金型22との間での超音波振動の振動方向の相対移動量が然程変化しない。そして、この接合工程においては、これらの超音波接合が進んだとしても、第2被加圧部111cの芯線接合部122側の素線113が接合阻害部122bに接触しているので、この第2被加圧部111cの芯線接合部122側の素線113と接合阻害部122b(芯線接合部122の接合阻害面)との間での超音波振動の振動方向の相対移動量が然程変化しない又は当該相対移動量が減少し難い。このため、この接合工程においては、その超音波接合が進行しても、第2被加圧部111cにおける第2金型22側の相対移動量(第2被加圧部111cにおける第2金型22側の素線113の当該第2金型22に対する振動方向の相対移動量)と第2被加圧部111cにおける芯線接合部122側の相対移動量(第2被加圧部111cにおける芯線接合部122側の素線113の当該芯線接合部122に対する振動方向の相対移動量)との差が拡がり難くなっている。よって、芯線露出部111aにおいては、第2被加圧部111cにおける第1被加圧部111b側と被覆112側とで素線113に大きな負荷が掛かり難くなっているので、その素線113で素線切れが生じ難い。
このように、本実施形態の端子付き電線101は、その製造方法を用いることによって、超音波接合中の素線切れの発生を抑えることができる。
また、本実施形態の端子付き電線101の製造方法は、端子金具120の成形後にその芯線接合部122に対して接合阻害部122bを設けるだけであり、端子金具120や電線110の形状に特段変化を及ぼす必要がない。そして、この製造方法は、製造装置1の構造等を変更する必要もない。従って、本実施形態の端子付き電線101の製造方法は、超音波接合中の素線切れの抑制効果を簡易且つ安価に得ることができる。
21 第1金型
22 第2金型
101 端子付き電線
110 電線
111 芯線
111a 芯線露出部
111b 第1被加圧部
111c 第2被加圧部
112 被覆
113 素線
120 端子金具
122 芯線接合部
122a 超音波接合面
122b 接合阻害部

Claims (2)

  1. 素線束から成る芯線が超音波接合される端子金具の芯線接合部に対して、前記芯線の超音波接合対象となる超音波接合面を残しつつ一部に超音波接合の阻害要因となる接合阻害部を形成する接合阻害部形成工程と、
    前記芯線接合部における前記超音波接合面と前記接合阻害部に対して、前記芯線が被覆で覆われた電線の周方向に亘って剥き出しになった芯線露出部を載せ置く芯線設置工程と、
    前記芯線接合部に接触させた第1金型と前記芯線露出部に接触させた第2金型とで前記芯線接合部及び前記芯線露出部を挟み込んで加圧しながら、前記第2金型に印加した超音波振動で前記芯線接合部における少なくとも前記超音波接合面に対して前記芯線露出部を超音波接合させる接合工程と、
    を有し、
    前記接合工程では、前記芯線接合部の前記超音波接合面に超音波接合させる前記芯線露出部の第1被加圧部と前記芯線露出部における前記第1被加圧部よりも前記被覆側の部位で且つ前記接合阻害部に載せ置かれた第2被加圧部とを前記第2金型に加圧させ、
    前記接合阻害部形成工程では、前記芯線接合部にて、前記芯線設置工程で前記第2被加圧部が載せ置かれる位置に前記接合阻害部を形成することを特徴とした端子付き電線の製造方法。
  2. 前記接合阻害部形成工程では、前記芯線接合部の表面の一部に施したメッキから成る前記接合阻害部、前記芯線接合部の表面の一部に設けた非金属材料から成る前記接合阻害部、又は、前記芯線接合部の表面の一部を改質させた酸化皮膜から成る前記接合阻害部を形成することを特徴とした請求項1に記載の端子付き電線の製造方法。
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