JP2023118357A - 化合物、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、液状でエポキシ樹脂配合時の作業性に優れ、さらに硬化物性に優れる2-ピロン-4,6-ジカルボン酸誘導体、およびこれを含有する硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】式(a-1)で表される化合物。TIFF2023118357000014.tif52166(式(a-1)中、R1、R2はそれぞれカルボキシ基を含有する炭素数1~15の有機基である。nは繰り返し数であり、1~4の整数を表す。)【選択図】図1

Description

本発明は、2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)誘導体、及びその製造法に関する。
近年、植物由来の原料や微生物による代謝を介して得られる植物由来のポリマーが注目されている。これらのポリマーは、石油を原料としない環境循環型の素材であり、植物に固定された二酸化炭素を大気中に戻すことになるという意味で、焼却しても大気中の二酸化炭素を増加させない。また、焼却せずに埋立て処分しても、土壌中の微生物により分解されるため、環境破壊を招く虞がない。かかる植物由来のポリマーとして、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸等が挙げられ、将来性のある生物分解性である環境循環型の素材として、各種成形品への用途開発が進められている。
その一方で、植物由来の芳香族高分子化合物であるリグニンは、植物細胞壁に普遍的に含まれているバイオマス資源であるが、その化学構造が多様な成分で構成されていることや複雑な高分子構造であるため、未だ有効な利用技術が開発されていない。そのため、例えば、製紙産業において大量に副生するリグニンは有効利用されずに、重油の代替燃料として焼却処分されている。
近年、リグニン等の植物由来芳香族成分が、加水分解、酸化分解、加溶媒分解等の化学的分解法、又は超臨界水や超臨界有機溶媒による物理化学的分解法により、数種の低分子化合物の混合物に変換されて単一の化合物である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸を製造する方法が開発されてきた。例えば、特許文献1には、リグニンを含む植物原料を低分子化技術により得たバニリン、シリンガアルデヒド、バニリン酸、シリンガ酸、プロトカテク酸等を含む低分子混合物から多段階の酵素反応を介して単一の化合物である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸を発酵生産技術により製造する方法が開示されている。
このようにして得られた単一の化合物である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸を、生物分解性のプラスチックや各種化学製品の原料として使用することができれば、供給において、食物と競合しない、リグニン含有植物原料(バイオマス)を有効利用することができることになる。しかしながら、リグニン含有バイオマスに由来する2-ピロン-4,6-ジカルボン酸の利用方法はほとんど知られていない。
特許第6674283号
特許文献1には、2-ピロン-4,6-ジカルボン酸をエポキシ樹脂硬化剤として使用したエポキシ樹脂組成物が報告されている。しかしながら2-ピロン-4,6-ジカルボン酸は溶解性の悪い固体であるため、エポキシ樹脂と配合した際に作業性が悪い難点がある。さらに配合物は相溶性が悪く混ざりづらいため均一な硬化膜を作成することができず、樹脂本来の硬化物性を発現することが困難である。そこで、溶解性や樹脂との相溶性が良好であり、かつ液状でエポキシ樹脂配合時の作業性に優れる新規な2-ピロン-4,6-ジカルボン酸誘導体が求められる。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、液状でエポキシ樹脂配合時の作業性に優れ、さらに硬化物性に優れる2-ピロン-4,6-ジカルボン酸誘導体、およびこれを含有する硬化性樹脂組成物を提供することを目的する。
即ち、本発明は、以下の(1)~(8)に関する。なお、本発明において「(数値1)~(数値2)」は上下限値を含むことを示す。
(1)下記式(a-1)で表される化合物。
Figure 2023118357000002
(式(a-1)中、R、Rはそれぞれカルボキシ基を含有する炭素数1~15の有機基である。nは繰り返し数であり、1~4の整数を表す。)
(2)前記式(a-1)中のR、Rがそれぞれ下記式(2a)~(2c)、(3a)~(3i)、または(4a)~(4d)から選択される1種である前項(1)に記載の化合物。
Figure 2023118357000003
(*印は前記式(a-1)中の酸素原子と結合していることを表す。)
(3)前記式(a-1)中のnが1である前項(1)又は(2)に記載の化合物。
(4)前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の化合物と、カルボン酸無水物化合物とを含有する混合物。
(5)前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の化合物、または前項(4)に記載の混合物を含有する硬化性樹脂組成物。
(6)更にエポキシ樹脂を含有する前項(5)に硬化性樹脂組成物。
(7)更に硬化剤を含有する前項(5)または(6)に記載の硬化性樹脂組成物。
(8)半導体封止剤である、前項(5)乃至(7)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
本発明の化合物は液状でエポキシ樹脂との相溶性が良く、作業性に優れるだけでなく、耐熱性(Tg)、低吸水性が求められる材料、特に半導体封止剤として好適に用いることができる。
化合物1、2のH-NMRチャートを示す。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は下記式(a-1)で表される。
Figure 2023118357000004
(式(a-1)中、R、Rはそれぞれカルボキシ基を含有する炭素数1~15の有機基である。nは繰り返し数であり、1~4の整数を表す。)
前記式(a-1)中のnは1または2であるときが好ましく、1であるときが特に好ましい。
前記式(a-1)中のR、Rは同じであっても異なっていてもよいが、同じである場合がより好ましい。
前記式(a-1)中のR、Rの具体例としては、下記式(2a)~(2c)で表される芳香環を有する有機基、下記式(3a)~(3i)で表される脂環を有する有機基、および下記式(4a)~(4d)で表される脂環を有する有機基が挙げられる。これらの中で好ましくは、下記式(3a)~(3e)で表される有機基である。
Figure 2023118357000005
(*印は前記式(a-1)中の酸素原子と結合していることを表す。)
前記式(a-1)で表される化合物は、下記式(a)で表されるアルコールとカルボン酸無水物化合物(以下、単に酸無水物とも称する。)とを、付加反応させることにより得ることができる。
Figure 2023118357000006
(式(a)中、nは繰り返し数であり、1~4の整数を表す。)
前記式(a-1)中のR、Rが、前記式(2a)~(2c)、(3a)~(3i)、または(4a)~(4d)で表される有機基である化合物は、前記式(a)で表される化合物と、下記式(5a)~(5c)、(6a)~(6i)、または(7a)~(7d)で表される酸無水物との付加反応により得ることができる。
Figure 2023118357000007
次に、前記式(a-1)で表される化合物の合成方法について説明する。
前記式(a-1)で表される化合物は、前述した通り前記式(a)で表されるアルコールと酸無水物との反応によって得られるが、この反応は無触媒で行うことが好ましいが、酸や塩基を触媒として用いてもよい。
触媒を用いる場合、使用しうる触媒としては、例えば塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等の酸性化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等の複素環式化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルセチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等の4 級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの触媒は1種又は2種以上を混合して用いても良い。これらの中で、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンが好ましい。
触媒の使用量には、特に制限はないが、前記式(a)で表されるアルコールと酸無水物の総重量100質量部に対して、通常0.001~5質量部を、必要により使用するのが好ましい。
本反応は無溶剤での反応が好ましいが、有機溶剤を使用しても構わない。有機溶剤の使用量としては、反応基質である酸無水物と前記式(a)で表されるアルコールの総量1部に対し、重量比で0.005~1部であり、好ましくは0.005~0.7部、より好ましくは0.005~0.5部(すなわち50重量%以下)である。有機溶剤の使用量が上記反応基質1質量部に対して、重量比で1部を超える場合、反応の進行が極度に遅くなることから好ましくない。
使用できる有機溶剤の具体的な例としてはヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、アノン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチルなどのエステル化合物などが使用できる。
本反応は20℃程度の温度でも十分に反応は進行する。反応時間の問題から反応温度は30~200℃が好ましく、より好ましくは40~200℃、特に好ましくは40~150℃である。特に本反応を無溶剤で行う場合は、酸無水物の揮発があるため、120℃以下での反応が好ましく、30~120℃または40~120℃での反応が特に好ましい。
酸無水物と前記式(a)で表されるアルコールとの反応比率は理論的には等モルでの反応が好ましいが、必要に応じて変更可能である。反応させる際の具体的な両者の仕込み比率としては、その官能基当量で、酸無水物基1当量に対して、前記式(a)で表されるアルコールを、その水酸基当量で、0.001~2当量、より好ましくは0.01~1.5当量、さらに好ましくは0.1~1.2当量となる割合で仕込むのが好ましい。本発明においては式(a-1)で表される化合物は液状であることが好ましく、液状の式(a-1)で表される化合物を得るためには、理想的には等モル当量以上の式(a)で表されるアルコールを使用することが好ましいが、フィラーを添加するため流動性が重要となり、この流動性を確保する為に、その粘度バランスから、固形を保つ範囲(軟化点50℃以上)で多少のバランスを崩しても構わない。具体的には、酸無水物当量に対し、アルコール性水酸基の当量比において0.85~1.20モル当量が好ましく、特に0.90~1.1.0モル当量が好ましい。
反応時間は反応温度、触媒量等にもよるが、工業生産という観点から、長時間の反応は多大なエネルギーを消費することになるため好ましくはない。また短すぎる反応時間はその反応が急激であることを意味し、安全性の面から好ましく無い。好ましい範囲としては1~48時間、好ましくは1~36時間、より好ましくは1~24時間、更に好ましくは2~10時間程度である。
反応終了後、触媒を用いた場合は、それぞれ中和、水洗、吸着などによって触媒の除去を行い、溶剤を留去することで目的とする前記式(a-1)で表される化合物が得られる。一方、無触媒で反応を行った場合は必要に応じて溶剤を留去することで前記式(a-1)で表される化合物が得られる。また、溶剤を使用した場合には、溶剤を除去することで前記式(a-1)で表される化合物が得られる。さらに無溶剤、無触媒の場合はそのまま取り出すことで目的とする前記式(a-1)で表される化合物が得られる。
最も好適な製造方法としては、前記酸無水物、式(a)で表されるアルコールを、無触媒の条件下、40~150℃で反応させ、溶剤を除去したのち取り出すという手法である。
前記式(a)で表されるアルコールの合成方法は特に限定されないが、例えばPDCとエチレングリコールの反応による公知の方法が挙げられる。具体的には、酸触媒下でPDCとエチレングリコールを反応させ、得られた反応液を冷却・晶析し、吸引ろ過することで前記式(a)で表される化合物を得ることができる。前記式(a)で表される化合物の精製法は特に限定されず、溶剤等で洗浄するだけでも構わないが、得られた化合物の結晶性が高い晶析法が好ましい。
本発明の混合物は、前記式(a-1)で表される化合物とカルボン酸無水物化合物を含有する。前記式(a-1)で表される化合物は、前述した通り前記式(a)で表されるアルコールと酸無水物との反応によって得られるが、この際、酸無水物を過剰に仕込み、分離工程等を経なければ本願の混合物を得ることができる。したがって、本願の混合物において、好ましい酸無水物は、前記式(5a)~(5c)、(6a)~(6i)、または(7a)~(7d)で表される酸無水物であり、特に好ましくは前記式(6a)~(6e)で表される酸無水物である。
本発明の混合物において、前記式(a-1)で表される化合物と酸無水物の含有量は、前記式(a-1)で表される化合物が20%~100%であることが好ましい。含有量は熱硬化性樹脂組成物との相溶性や硬化物の物性に応じて適宜変更可能であり、特に限定されないがH-NMRの面積比により算出可能である。
次に本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記式(a-1)で表される化合物を単独用いても、複数種混合して用いてもよい。また、前記式(a-1)で表される化合物を合成する際に使用する酸無水物を含んでいても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記式(a-1)で表される化合物とともにエポキシ樹脂を含有してもよい。エポキシ樹脂としては、従来のエポキシ樹脂組成物として通常配合されているものであれば、特に制限されることなく用いることができる。例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビスフェノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる脂環式エポキシ樹脂、ジグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、シルセスキオキサン化合物等が挙げられ、これらは単独でも二種以上併用してもよい。これらエポキシ樹脂のうち、高い耐熱性を有するものが好ましいことから、具体的には、溶融粘度、得られる硬化物の着色およびガラス転移温度等の観点から、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は前記式(a-1)で表される化合物のほかに、硬化剤を併用してもよい。併用しうる硬化剤としては、例えばアミン系化合物、不飽和環構造を有する酸無水物系化合物、オルガノシロキサン骨格を有する酸無水物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。これらの中で好ましくはアミン系化合物、酸無水物系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物である。
用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、3,3’,5,5’-テトラメチル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、o-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシアセトフェノン、o-ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’-ビス(クロロメチル)-1,1’-ビフェニル、4,4’-ビス(メトキシメチル)-1,1’-ビフェニル、1,4’-ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’-ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、トリフルオロボラン-アミン錯体、グアニジン誘導体、テルペンとフェノール類の縮合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
エポキシ樹脂と、前記式(a-1)で表される化合物を含む硬化剤の配合比は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基と反応可能な熱硬化性樹脂用硬化剤中の活性基(酸無水物基や水酸基など)が0.5~1.5当量(カルボン酸を1官能、酸無水物を1官能と考える)が好ましく、特に好ましくは0.5~1.2当量である。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて硬化触媒を添加することができる。硬化触媒としては、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-ウンデシルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-エチル,4-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-3,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニル-3,5-ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7等のジアザ化合物及びそれらのテトラフェニルボレート、フェノールノボラック等の塩類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩(好ましくはC1~C20アルキルアンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ(トルイル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類やホスホニウム化合物、2,4,6-トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、オクチル酸スズ、オクタン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト等の金属化合物等、及びこれら硬化促進剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。本発明において好ましいものとしては、イミダゾール系化合物が挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂100質量部に対し通常0.001~15質量部、好ましくは0.01~5質量部の範囲で使用される。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、上述した添加剤以外の添加剤として、一般によく使用されるエポキシ樹脂用添加剤、例えば、染料、蛍光増白剤、補強材、充填剤、白色顔料またはその他の顔料、核剤、界面活性剤、可塑剤、粘度調整剤、流動性調整剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤を添加してもよい。
前記充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。無機充填剤の配合量は、硬化性樹脂組成物の合計量100質量部に対して、1~1000質量部であることが好ましく、1~800質量部であることがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記した各種成分を均一に分散混合することで得られる。その方法については特に限定されないが、各種成分をミキサー等によって十分均一に撹拌、混合した後、ミキシングロール、押出機、ニーダー、ロール、エクストルーダー等によって混練または溶融混練し、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。混練または溶融混練の条件は、成分の種類や配合量により決定すればよく、特に限定されないが、20~200℃の範囲で5~40分間混練することがより好ましい。混練温度が20℃未満であると、各成分の分散性が低下し、十分に混練させることが困難であり、200℃よりも高温であると、樹脂組成物の架橋反応が進行し、樹脂組成物が硬化してしまう恐れがある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、加熱成型前、0~30℃の室温において加圧(タブレット)成型可能であることが望ましい。加圧成型は、例えば、0.01~10MPa、1~5秒程度の条件下で行う方法が挙げられる。また、加圧(タブレット)成型時に用いる金型は、特に限定されないが、例えば、セラミックス系材料やフッ素系樹脂材料等からなる杵型(上金型)と臼型(下金型)とで構成されるものを用いることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、高いガラス転移温度を必要とする半導体封止材料の用途において有用である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何ら限定されるものではない。なお、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準である。
[実施例1]本発明の式(a-1)で表される化合物の合成
(工程1)式(1)で表される中間体化合物1の合成
1000mlセパラブルフラスコにPDC(2-ピロン-4,6-ジカルボン酸) 73.6部、エチレングリコール 447部、及び36%塩酸 1.0部を入れ、70℃に昇温して溶解させた。その後、120℃まで昇温しながら4.5kPa・sまで減圧し、水分を留去しながら6時間反応させた。反応終了を確認後、放冷して冷蔵庫で一晩冷却し、晶析した。吸引ろ過にて固体を回収後、過剰量のエタノールで4回再結晶することで精製した。得られたウェットケーキを60℃で3時間乾燥させ、下記式(1)で表される中間体化合物1を白色固体 収率35%で得た。化合物1のH-NMR測定結果は図1に記載する。
Figure 2023118357000008
(工程2)式(2)で表される化合物2の合成
500mlセパラブルフラスコに工程1で合成した式(1)で表される中間体化合物1を5.4部、リカシッドMH-Tを18.9部入れ120℃に昇温し、3時間反応させた。反応終了を確認後、そのまま収缶し、下記式(2)で表される化合物2を液状 収率87%、21部得た。化合物2のH-NMR測定結果は図1に記載する。反応物のうち78%は未反応のリカシッドMH-Tであった。
Figure 2023118357000009
[比較例1]比較用化合物の合成
(工程3)式(3)で表される化合物3の合成
中間体化合物1の代わりにTCD alcohol DM(OXEA製)を用いたこと以外は工程2と同様にして、下記式(3)で表される化合物3を液状 収率87%、45部得た。反応物のうち78%は未反応のリカシッドMH-Tであった。
Figure 2023118357000010
[実施例2、3、比較例2]熱硬化性樹脂組成物の調製
表1に記載の配合量(質量部)に従って各成分を混合した。得られた組成物を自転・公転ミキサーARV-310(シンキー製)を用いて1200Rpmで2分攪拌脱泡した後、得られた組成物の相溶性を目視確認した。相溶性は目視で確認し、組成物に濁りがない場合は〇、濁りがある場合を×とした。つづいて、配合した熱硬化性樹脂組成物を35mm×50mm、厚さ0.8mmのテフロン製の型に流し込み、120℃1時間、150℃3時間加熱して硬化物を得た。
(熱硬化性樹脂組成物の硬化物性評価)
得られた硬化物を動的粘弾性測定装置にて硬化物性を評価した。
・DMA測定条件
動的粘弾性測定器:日立ハイテクサイエンス製 DMS6100
測定温度範囲:15~270℃
昇温速度:2℃/分
周波数:1Hz
測定モード:引張振動
Tg:tanδのピーク点をTgとした。
(熱硬化性樹脂組成物の吸水率測定)
得られた硬化物をレーザーカッターにて、10×10mmにカットし、120℃2時間オーブンにて乾燥して初期の重量を測定した。その後、ミリポア水に24時間浸漬(25℃20%環境試験室)し、軽く拭いたあと重量測定し、試験前後の重量変化から吸水率を評価した。
Figure 2023118357000011
実施例1の化合物は液状であって、エポキシ樹脂との相溶性が良く、作業性に優れるものであり、組成物とした実施例2、3の硬化物は優れる耐熱性(Tg)、低吸水性を有することが確認された。
本発明の化合物は、例えばエポキシ系化合物の硬化剤として用いることができるため、熱の作用により硬化する熱硬化性樹脂組成物用途に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 下記式(a-1)で表される化合物。
    Figure 2023118357000012
    (式(a-1)中、R、Rはそれぞれカルボキシ基を含有する炭素数1~15の有機基である。nは繰り返し数であり、1~4の整数を表す。)
  2. 前記式(a-1)中のR、Rがそれぞれ下記式(2a)~(2c)、(3a)~(3i)、または(4a)~(4d)から選択される1種である前請求項1に記載の化合物。
    Figure 2023118357000013
    (*印は前記式(a-1)中の酸素原子と結合していることを表す。)
  3. 前記式(a-1)中のnが1である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物と、カルボン酸無水物化合物とを含有する混合物。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物、または請求項4に記載の混合物を含有する硬化性樹脂組成物。
  6. 更にエポキシ樹脂を含有する請求項5に硬化性樹脂組成物。
  7. 更に硬化剤を含有する請求項5または6に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 半導体封止剤である、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。

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