JP2023118216A - シートスライド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】付勢部材の形状の簡素化を図ると共に、部品点数の増加を抑制する。
【解決手段】レバー部材131の前端部には、操作部材133の端部上面に対向する前側上部支持面157a及び後側上部支持面158aが車両前後方向に間隔をおいて設けられ、さらに、操作部材133の端部下面に対向する前側下部支持面147cが前側上部支持面157aの下方に位置させて設けられる。アッパレール105には、操作部材133の端部下面に対向する後側下部支持面148aが後側上部支持面158aの下方に位置させて設けられる。付勢部材132の前端部は、前側上部支持面157aと後側上部支持面158aとの間の位置において操作部材133の端部下面に下方から係合して、操作部材133を上方に付勢する。
【選択図】図12
【解決手段】レバー部材131の前端部には、操作部材133の端部上面に対向する前側上部支持面157a及び後側上部支持面158aが車両前後方向に間隔をおいて設けられ、さらに、操作部材133の端部下面に対向する前側下部支持面147cが前側上部支持面157aの下方に位置させて設けられる。アッパレール105には、操作部材133の端部下面に対向する後側下部支持面148aが後側上部支持面158aの下方に位置させて設けられる。付勢部材132の前端部は、前側上部支持面157aと後側上部支持面158aとの間の位置において操作部材133の端部下面に下方から係合して、操作部材133を上方に付勢する。
【選択図】図12
Description
本開示は、車両用のシートに用いられるシートスライド装置に関する。
車両用のシートスライド装置は、車体に固定したロアレールに対し、シートに固定したアッパレールをスライド移動自在に設け、アッパレールに取り付けたロック部材のロック歯(ロック部)を、ロアレールのロック溝(被ロック部)に係合させてロック状態となる。当該シートスライド装置は、ロック部をロック解除方向に動作させるレバー部材を備え、レバー部材は、その回動中心よりも前側の部分が付勢部材により上方に付勢される。また、レバー部材の前端部には操作部材が連結されており、操作部材を上方に持ち上げることでレバー部材が操作部材と共に回動するように構成されている。
特許文献1では、ロック部をロック解除方向に作動するレバー部材が設けられており、レバー部材は、その回動中心より前方側が付勢部材により上方へ付勢されている。これにより、レバー部材の後端とロック部との間にクリアランスが無い状態で接触するように付勢されている。ここで、特許文献1では、レバー部材の前端に挿入される操作部材とレバー部材との間に付勢部材が設けられており、レバー部材の回動中心と異なる左右方向の軸周りに操作部材の後端接続部が揺動可能に支持されている。
その一方、特許文献2では、操作部材とレバー部材との間に、初期位置からロックスプリング及び板バネの付勢力に抗して解除操作力を及ぼしてロックスプリングによるスライドロック状態が解除される操作位置までの間にクリアランスが設定されている。すなわち、特許文献2では、ロック解除方向側(上方)において、操作部材のみがレバー部材に対して回転できるようになっている。また、特許文献2では、板バネの一端が、レバー部材の前後一対の上側支持面の間の部分で、操作部材の上面を下方に付勢しており、一対の上側支持面と操作部材との間にクリアランスが設けられている。そのため、特許文献2では、反ロック解除方向側(下方)において、操作部材のみがレバー部材に対して回転できるようになっている。このため、特許文献2には、ロック解除方向側(上方)と反ロック解除方向側(下方)との両方向において、操作部材のみをレバー部材に対して回転できるようにすることが開示されている。
しかし、特許文献2の構造では、板バネの形状が複雑であるため、付勢部材の形状が複雑化するだけでなく、ロックスプリングと板バネとが別部品であるため、部品点数が増加する。
そこで、本発明は、付勢部材の形状の簡素化を図ると共に、部品点数の増加を抑制することを目的としている。
本発明に係わるシートスライド装置は、車両前後方向に沿って延設されるロアレールと、ロアレールの長手方向に沿って相対移動するアッパレールと、アッパレールに対して左右方向の軸周りに回動可能に支持されるレバー部材と、レバー部材の後端部に設けられ、ロアレールに形成された被ロック部に係合するロック位置と被ロック部から外れたロック解除位置との間で移動可能なロック部を備えたロック部材と、ロック部をロック位置方向に付勢する付勢部材と、レバー部材の前端部に接続される操作部材と、を備える。付勢部材は、アッパレールの長手方向に沿って延び、付勢部材の後端部と前端部との間の中間部分がアッパレールに係止される。付勢部材の後端部がレバー部材の後端部に下方から当接してレバー部材の後端部を上方に付勢し、付勢部材の前端部が、操作部材の端部に下方から当接して、操作部材を介してレバー部材の前端部を上方に付勢する。レバー部材の前端部は、内部に操作部材が挿入される略四角形断面を有し、アッパレールの長手方向に沿って延びる一対の側壁と、操作部材の端部上面に対向すると共に前後方向に間隔をおいて設けられる前側上部支持面及び後側上部支持面と、操作部材の端部下面に対向すると共に前記前側上部支持面の下方に位置させて設けられる前側下部支持面と、を有する。アッパレールには、操作部材の端部下面に対向する後側下部支持面が後側上部支持面の下方に位置させて設けられる。付勢部材の前端部は、前側上部支持面と後側上部支持面との間の位置において操作部材の端部下面に下方から係合して、操作部材を上方に付勢する。レバー部材に設けられた前側下部支持面と、操作部材の端部下面との間、及び、アッパレールに設けられた後側下部支持面と、操作部材の端部下面との間には、それぞれ上下方向のクリアランスが設けられている。
本発明によれば、付勢部材の形状の簡素化を図ると共に、部品点数の増加を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1に示す本発明の一実施形態に係わるシートスライド装置101は車両用シートの前後方向への調節を手動で行う手動式である。シートスライド装置101は、車両の床面上に設置され、車両前後方向に沿って延設されるロアレール103と、シート座部(図示せず)の裏面に設置され、ロアレール103の長手方向に沿って、ロアレール103内を相対移動自在に組み付けられるアッパレール105とを備えている。ロアレール103とアッパレール105とでレール体106を構成しており、レール体106は左右一対設けられている。なお、以下の説明(他の実施形態も含む)で、「前」は図1中で左側の車両前方FR側で、「後」は図1中で右側の車両後方RR側であり、「左右」は車両後方から車両前方を見たときの左右方向である。
ロアレール103は、図2に示すように、車両前後方向に延びる長方形の板形状を具備するロア底壁103aを備えている。ロア底壁103aの車幅方向の両端縁から、左右一対のロア外側壁103bが、ロア底壁103aから上方に向けて若干外側に傾斜するように立ち上がっている。左右一対の両ロア外側壁103bの下端とロア底壁103aとの間にはロア斜壁103cが形成されている。左右一対の両ロア外側壁103bの上端縁から、互いに近づく方向にロア底壁103aと平行に延在する左右一対のロア上壁103dが設けられている。
左右一対のロア上壁103dの内端縁からロア底壁103aに向かって下方に垂下する、左右一対のロア内側壁103eが設けられている。なお、互いに平行な状態で対向するロア内側壁103e間の間隔は、ロアレール103内に収容されるアッパレール105が移動可能なように設定されている。
アッパレール105は、車体前後方向に延びる長方形の板形状を具備するアッパ天壁105aを備えている。アッパ天壁105aの車幅方向の両端縁から、左右一対のアッパ側壁105bが下方に向けて垂下している。左右両アッパ側壁105bの下端縁から、アッパ下方斜壁105cがそれぞれの外側斜め上方に向けて立ち上がっている。左右一対の両アッパ下方斜壁105cの上端縁から、屈曲部105dを介してアッパ上方斜壁105eがロア上壁103dに向かって斜め上方に向けて立ち上がっている。
ロアレール103のロア底壁103aとロア斜壁103cとの間の下方円弧部103fと、アッパレール105のアッパ下方斜壁105cとの間に、下方ガイドボール107を転動自在に配置している。ロアレール103のロア外側壁103bとロア上壁103dとの間の上方円弧部103gと、アッパレール105のアッパ上方斜壁105eとの間に上方ガイドボール109を転動自在に配置している。
下方ガイドボール107及び上方ガイドボール109は、図1に示すように、図2では省略しているボールリテーナ111に回転自在に支持されている。ボールリテーナ111は、下方ガイドボール107及び上方ガイドボール109を2個ずつ、計4個を支持している。これら下方ガイドボール107及び上方ガイドボール109を支持した状態のボールリテーナ111は、ロア外側壁103b、ロア斜壁103c、ロア上壁103d及びロア内側壁103eに囲まれた収容部113(図2)内に、前後2カ所配置され、左右一対のレール体106に対して計4カ所配置される。
図12に示すように、レール体106を組み立てた状態において、アッパレール105の前方側におけるアッパ側壁105bには、軸部材115によってレバー部材131が回動可能に支持される。軸部材115は、アッパレール105の左右両アッパ側壁105bに跨るように左右両アッパ側壁105bの間にかけ渡されている。また、レバー部材131の回動中心(軸部材115)よりも後方側の端部には、ロック部材117が設けられる。その一方、レバー部材131の回動中心(軸部材115)よりも前方側の端部には、操作部材133が連結される。
図5に示すように、ロック部材117は、凸形状の平板であり、左右両側縁部付近に前後方向に沿って二つずつの矩形の孔125aが形成されている。ところで、ロック部材117における各孔125aの前後方向に隣接する部分は、左右両側方に突出するロック部としてのロック歯125bを構成する。ロック歯125bは、左右両側にそれぞれ三箇所形成される。左右両側のそれぞれ三箇所のロック歯125bは、先端側が、前後方向に延びる接続部125cで接続された構成となる。
本実施形態では、車幅方向右側の三箇所のロック歯125bのうち、最も前方側のロック歯125bは、他のロック歯125bよりも前後方向の幅が大きく形成された主ロック歯125mを構成する。主ロック歯125mは、左右の複数(6箇所)のロック歯のうちの1つのみである。
また、ロック部材117の左右方向の中央部には、前側から順に、前側固定孔部117a、ロック部材117から上方へ突出する上方突出部117b、ロック部材117から下方へ突出する下方突出部117c、後側固定孔部117dが設けられている。上方突出部117bは、ロック部材117の一部を下方へ突出させることにより形成され、下方突出部117cは、ロック部材117から下方に向けて切起こしにより形成される。
図4に示すように、アッパレール105の前後方向のほぼ中央付近において、左右両アッパ側壁105bから両アッパ下方斜壁105cにわたり、ロック歯受入凹部129を、前後方向に沿って左右それぞれ三箇所形成している。レール体106を組み立てた状態において、三箇所のロック歯受入凹部129にロック部材117の三つのロック歯125bが下方から入り込んでいる。このとき、ロック歯受入凹部129相互間の突起126が、ロック部材117の孔125aに挿入される。その際、ロック部材117の接続部125c付近が、アッパレール105に干渉するのを避けるために、ロック歯受入凹部129の下部に連続する開口部128、アッパ上方斜壁105eの上部に形成した切欠開口130を、アッパレール105の左右両側に設けてある。
また、アッパレール105の左右両アッパ側壁105bには、軸部材115が挿通される軸受孔105fと、車両前後方向及び上下方向に関して同じ位置に形成され、後述する付勢部材132を係止する左右一対の係止部105gとが設けられている。これら左右一対の係止部105gは、アッパ側壁105bにおいてレバー部材131の回動中心(軸部材115)よりも後方側に設けられている。また、係止部105gは、アッパ側壁105bから内側に向けて切起こして形成されたものである。
一方、図3に示すように、ロアレール103の左右のロア内側壁103eの前部付近及び後部付近を除く位置には、被ロック部としてのロック溝127を前後方向に沿って複数設けている。ロック溝127にロック部材117のロック歯125bが、ロック歯受入凹部129に位置している状態で下方から入り込むことで、ロック部材117がロアレール103に対してロックした状態となる。これにより、ロック部材117を取り付けてあるアッパレール105は、ロアレール103に対して前後方向の移動が規制される。
ロック部材117は、アッパレール105に取り付けた状態で、付勢部材132が上方に弾性力を付与することで、ロック歯125bがロック溝127に入り込んだ状態が維持される。この状態から、図1に示す操作部材133をロック解除方向(上方)に向けて操作することで、レバー部材131を介してロック部材117が下方に押され、ロックが解除される。操作部材133は、アッパレール105内に前部から挿入されてレバー部材131と連動可能に配置される。
図6に示すように、レバー部材131は、アッパレール105の長手方向に沿って延びると共に左右方向に所定の間隔を有して対向する左右の側壁147と、左右の側壁147の前方側の端部を除く領域において、左右の側壁147の下端相互をつなぐ下壁134とを備えている。
レバー部材131の前後方向の中間位置より前方側の側壁147の上側端部には、軸受部としての凹溝147aが左右一対に形成されている。左右一対の凹溝147aのうち、右側の凹溝147aの底面は、軸部材115の外径よりも僅かに大きい半径を有する半円形状の円弧面として形成され(図10A参照)、左側の凹溝147aの底面は、車両前後方向に延びる平面として形成される(図10B参照)。凹溝147aは軸部材115に下方から係合し、凹溝147aが軸部材115に係合した状態を維持するようにレバー部材131が前端部と後端部とでそれぞれ上方に付勢されて、左右一対の凹溝147aの底面はそれぞれ、軸部材115に上下方向の1点で接触することになる。ここで、前述の円弧面の半径は、ばらつきにより、軸部材115との係合が圧入とならない程度に、軸部材115の外径よりも僅かに大きく設定する。
図示はしないが、他の実施形態では、左右一対の軸受部のうち、一方の軸受部が丸孔として形成され、他方の軸受部が、車両前後方向に延びる長孔として形成されてもよい。
また、レバー部材131の後端部の下壁134には、前側から順に、下壁134から下方へ突出する前側突起部134a、位置決め孔部134b、下壁134から下方へ突出する後側突起部134cが設けられている。前側突起部134a及び後側突起部134cはそれぞれ、下壁134から下方に向けて切起こしにより形成される。
レバー部材131の前側突起部134a及び後側突起部134cはそれぞれ、ロック部材117の前側固定孔部117a及び後側固定孔部117dに挿入され、ロック部材117の上方突出部117bが、レバー部材131の位置決め孔部134bに圧入により挿入される。この状態で、前側突起部134a及び後側突起部134cをそれぞれかしめることにより、ロック部材117がレバー部材131の後端部に固定される(図11B参照)。
レバー部材131の前端部の下端部は、対向する反対側の下端部に向けて左右方向に延出する前側下部支持部としての前部下壁147bにより相互につながっている。前部下壁147bの上面は、前側下部支持面147cを構成している。両側壁147の前端部の上端部には、両側壁147から互いに対向する反対側に向けて屈曲するようにして左右方向に延出する前側上部支持部としての前側上部突起157が形成されている。左右の前側上部突起157の先端相互は互いに離間していて相互間には隙間が形成されている。前側上部突起157の下面は、前側上部支持面157aを構成している。
前側上部突起157の後方で且つ凹溝147aの前方となる両側壁147の上部には、両側壁147から互いに対向する反対側に向けて屈曲するようにして左右方向に延出する後側上部支持部としての後側上部突起158が形成されている。後側上部突起158の下面は、後側上部支持面158aを構成している。すなわち、レバー部材131の前端部には、操作部材133の後端部の上面169b1に対向する一対の上部支持面(前側上部支持面157a、後側上部支持面158a)が車両前後方向に間隔をおいて設けられている。さらに、レバー部材131の前端部には、操作部材133の後端部の下面169b3に対向する前側下部支持面147cが前側上部支持面157aの下方に位置させて設けられている。
前側上部支持面157aと前側下部支持面147cと両側壁147とにより、レバー部材131の前端部は断面略四角形状に形成され、このレバー部材131の前端部の内側に操作部材133の後端部が挿入されている。
また、後側上部突起158の後方で且つ凹溝147aの前方となる両側壁147には、両側壁147から互いに対向する側に向けて突出する移動規制突起147dが形成されている。移動規制突起147dは、両側壁147の一部を内側に突出させることにより形成される。
さらに、凹溝147aの後方で且つ前側突起部134aよりも前方となる両側壁147には、左右一対の凹部147eを設けて、両側壁147相互間の間隔を前端部及び後端部よりも狭くした幅狭部147fが形成されている。
図7に示すように、付勢部材132は、略平行に延びる左右一対の細長い棒状の部材から形成され、アッパレール105の内側でアッパレール105のアッパ側壁105bに沿って前後方向に延在している。この付勢部材132は、レバー部材131の前端部を上方に付勢するようにレバー部材131の前端部にそれぞれ当接する左右一対の前側作用部135aを備える前側付勢部材135を有する。また、付勢部材132は、レバー部材131の後端部を上方に付勢するようにレバー部材131の後端部にそれぞれ当接する左右一対の後側作用部136aを備える後側付勢部材136を有する。さらに、付勢部材132は、前側作用部135aと後側作用部136aとの間に形成され、アッパレール105のアッパ側壁105bに設けられた左右一対の係止部105gにそれぞれ係止される左右一対の中間支持部137を有する。
後側付勢部材136は、中間支持部137から後側作用部136aまで左右両アッパ側壁105bに沿ってそれぞれ延びると共に、後端部に左右一対の後側作用部136aが連結される連結部136bを有している。このため、後側付勢部材136(付勢部材132)は、平面視において略U字状に形成されている。後側付勢部材136の連結部136bがロック部材117の下面に下方から当接して、後側作用部136a(連結部136b)がロック部材117を上方(ロック位置方向)に付勢している。この後側付勢部材136の連結部136bが下方突出部117cと後側突起部134cとの間に位置することにより、後側付勢部材136(付勢部材132)の前後方向の移動範囲が規定される。
後側付勢部材136は、後端部(左右一対の後側作用部136a、連結部136b)がレバー部材131及びロック部材117の下方に位置し、中間部分(左右一対の中間支持部137)が凹部147e(幅狭部147fとアッパ側壁105bとの間)を通ってレバー部材131の上方へ延びている。
その一方、前側付勢部材135は、中間支持部137から前側作用部135aまで左右両アッパ側壁105bに沿って延びている。付勢部材132の左右一対の前側作用部135aは、付勢部材132の弾性力により、互いに左右方向外側に離隔するように付勢されると共に、上方に付勢されている。前側付勢部材135の左右一対の前側作用部135aが操作部材133の内面にそれぞれ別々に下方から当接して、各前側作用部135aが操作部材133を介してレバー部材131の前端部を上方に付勢している。
左右一対の前側作用部135aの前部(先端)にはそれぞれ、操作部材133がレバー部材131に装着される際に操作部材133の接続端部169内への前側作用部135aの侵入を案内するために車両前後方向に対して傾斜したガイド部138が形成されている。また、左右一対の前側作用部135aは、前側上部支持面157aと後側上部支持面158aとの間における車両前後方向に関して異なる位置で、レバー部材131の前端部にそれぞれ別々に当接するようになっている。さらに、左右一対の前側作用部135aのうち、前方側に配置される前側作用部135aは、配置される操作部材133の平面部170aの左右方向一方側から他方側に向かって左右方向に延びる延長部139を有している。
前側付勢部材135は、後端部(左右一対の中間支持部137)がレバー部材131の上方に位置し、前端部(左右一対の前側作用部135a、ガイド部138、延長部139)が互いに近づくように内側に曲げられて両側壁147の間を前方へ延びている。
前側付勢部材135と後側付勢部材136とは、一体(1つの部材)である。
図1に示すように、操作部材133は、左右一対のレール体106に対応して設けられる左右一対のアーム部167と、左右一対のアーム部167同士をつないで車幅方向に延在する把持部168とを備えている。左右一対のアーム部167は、前後方向に延在し、左右それぞれのアッパレール105内に前端から挿入される後端部を有する。把持部168は、操作部材133を乗員が操作するときに把持する。
アーム部167は、図12に示すように、後端部が、レバー部材131の左右の側壁147相互間に挿入されている。アーム部167は、把持部168を含めた全体が円筒部材で構成しており、前述した後端部が、円筒部材をプレス成形により加工した形状の後方接続部としての接続端部169となっている。
図8に示すように、接続端部169は、上面169b1と、上面169b1の左右の両端部から下方に延びる側面169b2と、左右の側面169b2の下端部に設けられる下面169b3とを備えている。接続端部169は、上部に平面部170aを有すると共に、下部に下方に向けて凸となる円弧面部170bを有する断面略半円形状に形成されている。平面部170aの左右の両端部には、前側付勢部材135の左右一対の前側作用部135aがそれぞれ配置されている。
また、図11A及び図11Bに示されるように、接続端部169の上側内面には、平面部170aから下方に突出する操作部材側突起部173が設けられている。操作部材側突起部173は、接続端部169の平面部170aから下方に向けて切起こしにより形成される。
操作部材側突起部173の後部には、操作部材133がレバー部材131に装着される際に延長部139が操作部材側突起部173を乗り越えることができるように傾斜面174が形成されている。また、操作部材側突起部173の前部には、操作部材133がレバー部材131に装着されて延長部139と操作部材側突起部173とが係合した状態で操作部材133の前方側への移動が規制されるように係止面175が形成されている。
操作部材133をレバー部材131に装着する前の状態においては、付勢部材132の前端部(当接部)は、レバー部材131の前側上部支持面157a又は後側上部支持面158aに当接するようになっている。すなわち、付勢部材132の左右一対の前側作用部135aが、レバー部材131の前側上部支持面157a又は後側上部支持面158aに当接する。また、レバー部材131に形成されている左右一対の移動規制突起147dが、左右一対の前側作用部135aに左右方向で当接する。そして、操作部材133をレバー部材131に装着した状態(図12参照)において、付勢部材132の前端部(当接部)は、操作部材133の下面(上面169b1の内面)に下方から当接し、操作部材133を上方に付勢するようになっている。
次に、操作部材133をレール体106(レバー部材131)に組み付ける手順の一例を説明する。
(1)操作部材133の装着前
左右一対の前側作用部135aは、レバー部材131の上部支持面(前側上部支持面157a、後側上部支持面158a)と移動規制突起147dとに接触し、左右の側壁147の上端内側部分にそれぞれ配置されており、各ガイド部138が操作部材133の接続端部169内に入りこむように、それぞれ左右方向及び上下方向で中心を向くように傾斜している(図11A参照)。
左右一対の前側作用部135aは、レバー部材131の上部支持面(前側上部支持面157a、後側上部支持面158a)と移動規制突起147dとに接触し、左右の側壁147の上端内側部分にそれぞれ配置されており、各ガイド部138が操作部材133の接続端部169内に入りこむように、それぞれ左右方向及び上下方向で中心を向くように傾斜している(図11A参照)。
(2)操作部材133の装着時
左右一対の前側作用部135aは、操作部材133の後方への移動と共に、ガイド部138により下方に押し下げられつつ左右方向内側に寄せられるように移動して操作部材133の接続端部169内に入りこむ。車幅方向左側の前側作用部135aの延長部139は、操作部材側突起部173の傾斜面174により下方に押し下げられるようにして操作部材側突起部173を乗り越える。
左右一対の前側作用部135aは、操作部材133の後方への移動と共に、ガイド部138により下方に押し下げられつつ左右方向内側に寄せられるように移動して操作部材133の接続端部169内に入りこむ。車幅方向左側の前側作用部135aの延長部139は、操作部材側突起部173の傾斜面174により下方に押し下げられるようにして操作部材側突起部173を乗り越える。
(3)操作部材133の装着後
操作部材側突起部173の係止面175が車幅方向左側の前側作用部135aに対向して、操作部材133の前方(抜け方向)への移動が規制される。また、操作部材133の後端面が移動規制突起147dに対向して、操作部材133の後方(押込み方向)へのそれ以上の移動が規制される。
操作部材側突起部173の係止面175が車幅方向左側の前側作用部135aに対向して、操作部材133の前方(抜け方向)への移動が規制される。また、操作部材133の後端面が移動規制突起147dに対向して、操作部材133の後方(押込み方向)へのそれ以上の移動が規制される。
図12に示すように、アッパレール105のアッパ側壁105bには、レバー部材131が軸部材115により回動可能に支持され、付勢部材132が係止部105gにより下方への移動を規制するように係止される。また、アッパレール105の左右両アッパ側壁105bには、車両前後方向において軸受孔105fの前方の位置に、両アッパ側壁105bから互いに対向する側に向けて屈曲するようにして突出する後側下部支持部としての後側下部突起148が形成される。この後側下部突起148は、アッパ側壁105bから内側に向けて切起こして形成されたものである。
付勢部材132の一対の前側作用部135aは、前側上部支持面157aと後側上部支持面158aとの間の下方の位置において操作部材133の後端部の下面(上面169b1の内面)に下方から係合して、操作部材133を上方に付勢している。これにより、操作部材133の上面169b1が一対の上部支持面(前側上部支持面157a、後側上部支持面158a)に接触している。このとき、レバー部材131に設けられた前側下部支持面147cと、操作部材133の後端部の下面169b3との間、及び、アッパレール105に設けられた後側下部支持面148aと、操作部材133の後端部の下面169b3との間には、それぞれ上下方向のクリアランスC1,C2が設けられている。
ところで、図12に示すように、一方側(車幅方向右側)においては、係止部105gと付勢部材132の中間支持部137の接点(支持点P0)と、レバー部材131の前端部と付勢部材132の前側作用部135aの接点(前側作用点P1b)との間の長さL1bは、係止部105gと付勢部材132の中間支持部137の接点(支持点P0)と、レバー部材131の後端部と付勢部材132の後側作用部136aの接点(後側作用点P2)との間の長さL2よりも短い(L1b<L2)。
その一方、他方側(車幅方向左側)においては、係止部105gと付勢部材132の中間支持部137の接点(支持点P0)と、レバー部材131の前端部と付勢部材132の前側作用部135aの接点(前側作用点P1a)との間の長さL1aは、係止部105gと付勢部材132の中間支持部137の接点(支持点P0)と、レバー部材131の後端部と付勢部材132の後側作用部136aの接点(後側作用点P2)との間の長さL2とほぼ同じ長さである(L1a≒L2)。
支持点P0における回転モーメントは、前側作用点P1a,P1bに作用する付勢力を前側付勢力F1a,F1bとし、後側作用点P2に作用する付勢力を後側付勢力F2としたとき、モーメントのつり合い「M0=(F1a×L1a+F1b×L1b)-F2×L2=0」から、「F1a×L1a+F1b×L1b=F2×L2」である。ここで、本実施形態では、支持点P0と一方の前側作用点P1bとの間の長さL1bを、支持点P0と後側作用点P2との間の長さL2よりも短くしている(L1b<L2)。その一方、本実施形態では、支持点P0と他方の前側作用点P1aとの間の長さL1aは、支持点P0と後側作用点P2との間の長さL2とほぼ同じ長さになっている(L1a≒L2)。つまり、レバー部材131の前端部を上方(ロック解除方向)に付勢する力(F1a+F1b)は、レバー部材131の後端部を上方(ロック方向)に付勢する力F2よりも大きくなる((F1a+F1b)>F2)。
ここで、レバー部材131の回動中心Qと、レバー部材131の前端部と付勢部材132の前記他方の前側作用部135aの接点(前側作用点P1a)との間の長さを「L3a」とする。その一方、レバー部材131の回動中心Qと、レバー部材131の前端部と付勢部材132の前記一方の前側作用部135aの接点(前側作用点P1b)との間の長さを「L3b」とする。また、レバー部材131の回動中心Qと、レバー部材131の後端部と付勢部材132の後側作用部136aの接点(後側作用点P2)との間の長さを「L4」とする。このとき、レバー部材131の回動中心Qにおける回転モーメントが、後端部側のモーメント(Mb=F2×L4)の方が前端部側のモーメントの合計Ma(Ma1+Ma2=F1a×L3a+F1b×L3b)よりも大きくなるように、前述の長さL3a,L3b,L4が設定される。
本実施形態では、前述の長さL3aを長さL1aよりも短くし(L1a>L3a)、且つ前述の長さL3bを長さL1bよりも短くする(L1b>L3b)と共に、前述の長さL2を長さL4よりも短くしている(L2<L4)。このようにすることにより、レバー部材131の回動中心Qにおける回転モーメントが、後端部側のモーメント(Mb=F2×L4)の方が前端部側のモーメントの合計Ma(Ma1+Ma2=F1a×L3a+F1b×L3b)よりも大きくなる。
したがって、レバー部材131の回動中心Qにおける回転モーメントは、レバー部材131の後端部(ロック部材117)をロック方向に付勢する付勢力として作用することになる。
次に、上記のように構成されたシートスライド装置101の動作を説明する。
図12は、ロック部材117のロック歯125bがロアレール103のロック溝127に係合してロックされたロック位置にある待機状態(操作部材133を操作していない非操作状態)である。この状態においては、操作部材133は、付勢部材132の前端部(当接部)により、一対の上部支持面(前側上部支持面157a、後側上部支持面158a)に押し付けられている。この付勢部材132の前端部による押し付け力(付勢力)は、操作部材133が自重により下がろうとする力よりも大きい。一方で、ロック部材117をロック解除位置方向に回転付勢する回転モーメントとしては付勢部材132の後端部の押し付け力(付勢力)によるロック位置方向への回転モーメントよりも小さいため、前述の待機状態が維持される。
図12に示す状態から、乗員が操作部材133の把持部168を持ち上げる操作をすると、前側上部支持面157aと操作部材133の上面169b1との接点を支点として操作部材133が回動し、操作部材133の後端が付勢部材132の前端部(当接部)を押し下げて下方に移動する。その状態から、操作部材133の把持部168をさらに持ち上げると、操作部材133の後端部の下面169b3がアッパレール105に設けられた後側下部支持面148aに当接して、後側下部支持面148aと操作部材133の後端部の下面169b3との接点を支点として操作部材133が回動することになる。これにより、操作部材133の上面169b1が、レバー部材131の前側上部支持面157aを上方に持ち上げるように回動し、レバー部材131がロック部材117のロック部をロック解除位置方向に回動させる(図13参照)。
これにより、レバー部材131は、軸部材115を回動中心として図12中で時計回り方向に揺動回転する。このとき、レバー部材131は、揺動回転によってロック部材117を下方に押し下げ、付勢部材132(後側付勢部材136)が下方に向けて弾性変形する。その結果、ロック歯125bがロアレール103のロック溝127から外れてロックが解除されたロック解除状態となる。ロックが解除されることで、図示しないシートをアッパレール105と共に、ロアレール103側の車両の床面に対して前後に移動させることができ、乗員の希望とするシート位置を確保できる。
シート位置を決定した状態で、乗員が操作部材133から手を離すと、付勢部材132(後側付勢部材136)がロック部材117を上方に押し付け、レバー部材131を揺動回転させて図12の待機状態に戻る。このとき、レバー部材131は、軸部材115を回動中心として図12中で反時計回り方向に揺動回転する。
図12の状態で、操作部材133に反ロック解除方向(下方)への負荷が作用した場合には、後側上部支持面158aと操作部材133の上面169b1との接点を支点として操作部材133が回動し、操作部材133の下面169b3と前側下部支持面147cとの間のクリアランスC1の分だけ、操作部材133が下方に移動することができる(図14参照)。なお、このとき、レバー部材131は、主ロック歯125mの噛み合い位置を中心に下方へ回動し、両側壁147の前端側の下面が後側下部支持面148aに当接することでレバー部材131の下方への移動を規制し、凹溝147aが軸部材115から外れるのを防止している。
以下、本実施形態に係わるシートスライド装置101の作用効果を説明する。
(1)シートスライド装置101は、車両前後方向に沿って延設されるロアレール103と、ロアレール103の長手方向に沿って相対移動するアッパレール105と、アッパレール105に対して左右方向の軸周りに回動可能に支持されるレバー部材131と、レバー部材131の後端部に設けられ、ロアレール103に形成された被ロック部(ロック溝127)に係合するロック位置と被ロック部から外れたロック解除位置との間で移動可能なロック部(ロック歯125b)を備えたロック部材117と、ロック部をロック位置方向に付勢する付勢部材132と、レバー部材131の前端部に接続される操作部材133と、を備える。付勢部材132は、アッパレール105の長手方向に沿って延びると共に、付勢部材132の後端部と前端部との間の中間部分(中間支持部137)がアッパレール105に係止される。付勢部材132の後端部がレバー部材131の後端部に下方から当接してレバー部材131の後端部を上方に付勢し、付勢部材132の前端部が、操作部材133の端部(接続端部169)に下方から当接して、操作部材133を介してレバー部材131の前端部を上方に付勢する。レバー部材131の前端部は、内部に操作部材133が挿入される略四角形断面を有し、アッパレール105の長手方向に沿って延びる一対の側壁147と、操作部材133の端部上面に対向すると共に前後方向に間隔をおいて設けられる前側上部支持面157a及び後側上部支持面158aと、操作部材133の端部下面に対向すると共に前側上部支持面157aの下方に位置させて設けられる前側下部支持面147cと、を有する。アッパレール105には、操作部材133の端部下面に対向する後側下部支持面148aが後側上部支持面158aの下方に位置させて設けられ、付勢部材132の前端部は、前側上部支持面157aと後側上部支持面158aとの間の位置において操作部材133の端部下面に下方から係合して、操作部材133を上方に付勢する。レバー部材131に設けられた前側下部支持面147cと、操作部材133の端部下面との間、及び、アッパレール105に設けられた後側下部支持面148aと、操作部材133の端部下面との間には、それぞれ上下方向のクリアランスC1,C2が設けられている。
待機状態(操作部材133を操作していない非操作状態)では、操作部材133は、付勢部材132により上方に付勢されて、車両前後方向に配置した一対の上部支持面(前側上部支持面157a、後側上部支持面158a)に押しつけるように付勢されている。このため、下方に配置された、レバー部材131の前側下部支持面147cと、アッパレール105の後側下部支持面148aとに対しては、操作部材133の端部下面がクリアランスC1,C2を有して対向する。
これにより、非操作状態である操作部材133の待機位置からロック解除方向側(上方)に操作部材133を持ち上げると、前側上部支持面157aの前端下面と操作部材133の端部上面の接点を支点に、操作部材133の端部下面がアッパレール105に設けた後側下部支持面148aに当接するまで、操作部材133のみが回転する。そして、操作部材133をさらに上方へ持ち上げると、アッパレール105に設けた後側下部支持面148aとの接点を支点に操作部材133が回転することにより、操作部材133の端部上面が、レバー部材131の前側上部支持面157aを上方に持ち上げることで、レバー部材131がロック解除方向に回転する。
一方、非操作状態である操作部材133の待機位置から反ロック解除方向側(下方)に操作部材133を押し下げると、後側上部支持面158aの下面と操作部材133の端部上面の接点を支点に、操作部材133の端部下面がレバー部材131に設けた前側下部支持面147cに当接するまで、操作部材133のみが回転することができる。
したがって、非操作状態である操作部材133の待機位置から反ロック解除方向側(下方)とロック解除方向側(上方)との両方向において、レバー部材131に対して操作部材133のみが回転できる範囲を設定することができる。
このような構造を、レバー部材131をロック方向に付勢する付勢部材132により構成することができるため、構造を簡単にすると共に、製造コストを安価にすることができる。
(2)付勢部材132は、略並行に延びる左右一対の棒状の部材から形成される。付勢部材132は、レバー部材131の前端部を上方に付勢するようにレバー部材131の前端部にそれぞれ当接する左右一対の前側作用部135aと、レバー部材131の後端部を上方に付勢するようにレバー部材の後端部にそれぞれ当接する左右一対の後側作用部136aと、前後方向及び上下方向に関して同じ位置においてアッパレール105に形成された左右一対の係止部105gにそれぞれ係止される左右一対の中間支持部137と、左右一対の後側作用部136aの後端部同士を連結する連結部136bと、を有して平面視において略U字状に形成される。左右一対の前側作用部135aは、前側上部支持面157aと後側上部支持面158aとの間における前後方向の異なる位置で、レバー部材131の前端部にそれぞれ別々に当接する。
略U字状の付勢部材132を用いることにより、左右方向に傾き等が発生せず、レバー部材131のロック方向への付勢力(回転モーメント)及び、レバー部材131の前端部における付勢部材132の上方への付勢力を安定させると共に、より強くすることができる。
(3)付勢部材132の左右一対の前側作用部135aは、互いに左右方向外側に離隔するように付勢されると共に、上方に付勢される。操作部材133をレバー部材131に装着する前の状態において、左右一対の前側作用部135aは、レバー部材131の前側上部支持面157a又は後側上部支持面158aに左右方向で当接すると共に、レバー部材131における左右一対の側壁147の一部を内側に突出させることにより形成されている左右一対の移動規制突起147dに左右方向で当接している。左右一対の前側作用部135aの前部にはそれぞれ、左右一対の前側作用部135aが前側上部支持面157a又は後側上部支持面158aと移動規制突起147dとに当接した状態において、操作部材133がレバー部材131に装着される際に操作部材133の端部内への前側作用部135aの侵入を案内するための傾斜したガイド部138が形成される。
操作部材133がレバー部材131に装着される前の状態において、付勢部材132が、上部支持面(前側上部支持面157a、後側上部支持面158a)の下面に当接すると共に、移動規制突起147dに左右方向で当接する。付勢部材132を仮保持することができるため、レバー部材131に対する付勢部材132の位置が安定し、組付性が良好である。
(4)操作部材133の接続端部は、上部に平面部170aを有する断面略半円形状に形成され、付勢部材132の左右一対の前側作用部135aがそれぞれ、操作部材133の平面部170aの左右方向両側端部にそれぞれ配置されている。
付勢部材132の左右一対の前側作用部135aの左右方向位置が安定するため、付勢部材132の位置ズレによる異音の発生及びがたつきを抑制することができる。
操作部材133は、円筒状のパイプ部材の上面を上下に押すだけで成形できるため、加工が容易であると共に、剛性を高くすることができる。
(5)左右一対の前側作用部135aのうち、前方側に配置される前側作用部135aは、配置される平面部170aの左右方向の一方側端部から他方側端部に向かって左右方向に延びる延長部139を有する。操作部材133は、平面部170aから下方に突出する操作部材側突起部173を有し、操作部材側突起部173の後部には、操作部材133がレバー部材131に装着される際に延長部139が操作部材側突起部173を乗り越えることができるように傾斜面174が形成される。操作部材側突起部173の前部には、操作部材133がレバー部材131に装着されて延長部139と操作部材側突起部173とが係合した状態で操作部材133の前方側への移動が規制されるように係止面175が形成される。
操作部材133の平面部に設けた操作部材側突起部173が付勢部材132の延長部139に係合して操作部材133の抜けを抑制することができる。また、操作部材133をレバー部材131に装着する際には、操作部材側突起部173が延長部139を下方に押し下げるため、組付けは容易である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
例えば、前述の実施形態では、他方側(車幅方向左側)の支持点P0と前側作用点P1aとの間の長さL1aと、支持点P0と後側作用点P2との間の長さL2とをほぼ同じ長さ(L1a≒L2)としているが、一方側(車幅方向右側)と同様に、長さL1aを長さL2よりも短く(L1a<L2)してもよい。また、前側付勢力の合力(F1a+F1b)が後側付勢力F2より大きく((F1a+F1b)>F2)なるのであれば、長さL1aを長さL2より長くするようにしてもよい。
また、付勢部材132の前側作用部135aを操作部材133の内部に挿入しているが、外側下面(下面169b3)を下側から上方に付勢するようにしてもよい。
さらにまた、上部突起157,158は、両側壁147の上端部にそれぞれ設けられているが、一方の側壁147の上端部にのみ設けるようにしてもよい。
また、レバー部材131の前端部の下端部は、前部下壁147bにより相互につながっているが、前側上部突起157を相互につながる形状としてもよい。この場合、レバー部材131は、左右の側壁147の下端相互をつなぐ下壁134が上端相互をつなぐ上壁となった、下方が開放した逆向きU字形状となる。
101 シートスライド装置
103 ロアレール
105 アッパレール
105g 係止部
117 ロック部材
125b ロック歯
127 ロック溝
131 レバー部材
132 付勢部材
133 操作部材
135a 前側作用部
136a 後側作用部
136b 連結部
137 中間支持部
138 ガイド部
139 延長部
147 側壁
147c 前側下部支持面
147d 移動規制突起
148a 後側下部支持面
157a 前側上部支持面
158a 後側上部支持面
169 接続端部
169b1 上面
169b3 下面
170a 平面部
173 操作部材側突起部
174 傾斜面
175 係止面
C1 クリアランス
C2 クリアランス
103 ロアレール
105 アッパレール
105g 係止部
117 ロック部材
125b ロック歯
127 ロック溝
131 レバー部材
132 付勢部材
133 操作部材
135a 前側作用部
136a 後側作用部
136b 連結部
137 中間支持部
138 ガイド部
139 延長部
147 側壁
147c 前側下部支持面
147d 移動規制突起
148a 後側下部支持面
157a 前側上部支持面
158a 後側上部支持面
169 接続端部
169b1 上面
169b3 下面
170a 平面部
173 操作部材側突起部
174 傾斜面
175 係止面
C1 クリアランス
C2 クリアランス
Claims (5)
- 車両前後方向に沿って延設されるロアレールと、
前記ロアレールの長手方向に沿って相対移動するアッパレールと、
前記アッパレールに対して左右方向の軸周りに回動可能に支持されるレバー部材と、
前記レバー部材の後端部に設けられ、前記ロアレールに形成された被ロック部に係合するロック位置と被ロック部から外れたロック解除位置との間で移動可能なロック部を備えたロック部材と、
前記ロック部をロック位置方向に付勢する付勢部材と、
前記レバー部材の前端部に接続される操作部材と、を備え、
前記付勢部材は、前記アッパレールの長手方向に沿って延びると共に、
前記付勢部材の後端部と前端部との間の中間部分が前記アッパレールに係止され、
前記付勢部材の後端部が前記レバー部材の後端部に下方から当接して前記レバー部材の後端部を上方に付勢し、
前記付勢部材の前端部が、前記操作部材の端部に下方から当接して、前記操作部材を介して前記レバー部材の前端部を上方に付勢し、
前記レバー部材の前端部は、内部に前記操作部材が挿入される略四角形断面を有し、前記アッパレールの長手方向に沿って延びる一対の側壁と、前記操作部材の端部上面に対向すると共に前後方向に間隔をおいて設けられる前側上部支持面及び後側上部支持面と、前記操作部材の端部下面に対向すると共に前記前側上部支持面の下方に位置させて設けられる前側下部支持面と、を有し、
前記アッパレールには、前記操作部材の端部下面に対向する後側下部支持面が前記後側上部支持面の下方に位置させて設けられ、
前記付勢部材の前端部は、前記前側上部支持面と前記後側上部支持面との間の位置において前記操作部材の端部下面に下方から係合して、前記操作部材を上方に付勢しており、
前記レバー部材に設けられた前記前側下部支持面と、前記操作部材の端部下面との間、及び、前記アッパレールに設けられた前記後側下部支持面と、前記操作部材の端部下面との間には、それぞれ上下方向のクリアランスが設けられている、
シートスライド装置。 - 前記付勢部材は、略並行に延びる左右一対の棒状の部材から形成されると共に、
前記レバー部材の前端部を上方に付勢するように前記レバー部材の前端部にそれぞれ当接する左右一対の前側作用部と、
前記レバー部材の後端部を上方に付勢するように前記レバー部材の後端部にそれぞれ当接する左右一対の後側作用部と、
前後方向及び上下方向に関して同じ位置において前記アッパレールに形成された左右一対の係止部にそれぞれ係止される左右一対の中間支持部と、
左右一対の前記後側作用部の後端部同士を連結する連結部と、を有して平面視において略U字状に形成され、
左右一対の前記前側作用部は、前記前側上部支持面と前記後側上部支持面との間における前後方向の異なる位置で、前記レバー部材の前端部にそれぞれ別々に当接する、
請求項1に記載のシートスライド装置。 - 前記付勢部材の左右一対の前記前側作用部は、互いに左右方向外側に離隔するように付勢されると共に、上方に付勢され、
前記操作部材を前記レバー部材に装着する前の状態において、左右一対の前記前側作用部は、前記レバー部材の前記前側上部支持面又は前記後側上部支持面に左右方向で当接すると共に、前記レバー部材における左右一対の側壁の一部を内側に突出させることにより形成されている左右一対の移動規制突起に左右方向で当接しており、
左右一対の前記前側作用部の前部にはそれぞれ、左右一対の前記前側作用部が前記前側上部支持面又は前記後側上部支持面と前記移動規制突起とに当接した状態において、前記操作部材が前記レバー部材に装着される際に前記操作部材の端部内への前記前側作用部の侵入を案内するための傾斜したガイド部が形成される、
請求項2に記載のシートスライド装置。 - 前記操作部材の接続端部は、上部に平面部を有する断面略半円形状に形成され、
前記付勢部材の左右一対の前記前側作用部がそれぞれ、前記操作部材の前記平面部の左右方向両側端部にそれぞれ配置されている、
請求項2又は3に記載のシートスライド装置。 - 左右一対の前記前側作用部のうち、前方側に配置される前記前側作用部は、配置される前記平面部の左右方向の一方側端部から他方側端部に向かって左右方向に延びる延長部を有し、
前記操作部材は、前記平面部から下方に突出する操作部材側突起部を有し、
前記操作部材側突起部の後部には、前記操作部材が前記レバー部材に装着される際に前記延長部が前記操作部材側突起部を乗り越えることができるように傾斜面が形成され、
前記操作部材側突起部の前部には、前記操作部材が前記レバー部材に装着されて前記延長部と前記操作部材側突起部とが係合した状態で前記操作部材の前方側への移動が規制されるように係止面が形成される、
請求項4に記載のシートスライド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022021043A JP2023118216A (ja) | 2022-02-15 | 2022-02-15 | シートスライド装置 |
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ID=87663115
Family Applications (1)
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JP2022021043A Pending JP2023118216A (ja) | 2022-02-15 | 2022-02-15 | シートスライド装置 |
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Country | Link |
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-
2022
- 2022-02-15 JP JP2022021043A patent/JP2023118216A/ja active Pending
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