JP2023117516A - 放射線の検出器 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023117516000001
【課題】放射線を検出する検出器の冷却性能を向上させ、検出器の感度や解像度を高める上で有利な技術を提供する。
【解決手段】検出器は、放射線を検出する第1部材と、第1部材の周辺に位置する第2部材と、第1部材および第2部材が含まれる平面視において第1部材を投影した第1領域の少なくとも一部と重畳する第1開口を有する第3部材と、平面視において第1領域の少なくとも一部と重畳する第2開口を有し、第3部材よりも熱伝導率が高い第4部材とを有し、平面視において第2部材を投影した第2領域よりも外側で第4部材と重畳する第3領域に設けられ、第4部材に接続し、第2部材と熱伝導部材で接続し、第3部材よりも熱伝導率が高い貫通部とを有する。
【選択図】図1B

Description

本発明は放射線の検出器に関する。
CMOSイメージセンサなどを用いた検出器において、電子を直接検出することができる半導体層は、電子が深部に侵入するとクロストークや二次電子が発生し検出精度が低下する場合がある。検出精度の低下を抑制するためには半導体層を薄くすることが有効であり、特許文献1には、検出領域が周辺領域よりも薄化された検出器構造が開示されている。また、特許文献2には、薄化構造を容易に提供するための機械的支持層を備える検出器の構造が開示されている。また、特許文献3には、検出器の裏面に熱伝導体を接続し、検出器の強度を確保しつつ、熱伝導体の表面積を大きくすることで冷却性能を向上させる構造が開示されている。
特開2019-087640号公報 国際公開第2019/078291号 特開2013-182923号公報
検出器として用いられるCMOSセンサやCCDセンサは、多画素化と高速駆動によって消費電力が増加し発熱量が大きくなる。発熱したセンサを冷却するには、センサの裏面に冷却部を設けることが効果的である。しかしながら、放射線の検出器においては、薄化した検出領域の裏面に放射線が透過し、冷却部との間で反射や散乱を発生させてしまう。検出領域の裏面に冷却部を設置せず冷却が不十分となった場合、発熱によって暗電流や熱ノイズが増加し、検出器の感度や解像度を低下させる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、放射線を検出する検出器の冷却性能を向上させ、検出器の感度や解像度を高める上で有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、放射線を検出する第1部材と、前記第1部材の周辺に位置する第2部材と、前記第1部材および前記第2部材が含まれる平面視において前記第1部材を投影した第1領域の少なくとも一部と重畳する第1開口を有する第3部材と、前記平面視において前記第1領域の少なくとも一部と重畳する第2開口を有し、前記第3部材よりも熱伝導率が高い第4部材とを有し、前記平面視において前記第2部材を投影した第2領域よりも外側で前記第4部材と重畳する第3領域に設けられ、前記第4部材に接続し、前記第2部材と熱伝導部材で接続し、前記第3部材よりも熱伝導率が高い貫通部とを有することを特徴とする検出器が提供される。
本発明によれば、放射線を検出する検出器の冷却性能を向上させ、検出器の感度や解像度を高める上で有利な技術を提供することができる。
第1実施形態に係る検出器の平面視の構成図である。 第1実施形態に係る検出器の断面構成図である。 第1実施形態に係る検出器の平面視の構成図である。 第1実施形態に係る検出器の断面構成図である。 第2実施形態に係る検出器の断面構成図である。 第3実施形態に係る検出器の断面構成図である。 第4実施形態に係る検出器の断面構成図である。 第5実施形態に係る検出器の断面構成図である。 第5実施形態の変形例に係る検出器の断面構成図である。 第5実施形態の変形例に係る検出器の断面構成図である。 第6実施形態に係る検出器の断面構成図である。 第7実施形態に係る検出器の平面視の構成図である。 第7実施形態に係る検出器の平面視の構成図である。 第8実施形態に係る検出器の断面構成図である。 第9実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成図である。 第10実施形態に係る光電変換装置の概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。なお、以下の説明および図面において、複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付している。そのため、複数の図面を相互に参照して共通する構成を説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。または、複数の実施形態を説明するが、ある実施形態が他の実施形態と同様であってよい点については説明を省略する。
<第1実施形態>
本発明による第1実施形態について以下に図1Aから図2Aを用いて説明する。
図1A、図1Bおよび図1Cは本実施態に係る検出器1の構成図を示す。図1Aは、検出器1の上面側から平面視した際の上面図を示している。図1Bは、図1AのA-A′線における検出器1の断面図を示している。図1Cは、検出器1を下面側から平面視した際の下面図を示している。図2Aは、図1Bにおける検出器1の右側の部分を拡大した断面図を示している。
図1A、図1Bおよび図1Cに示すように、検出器1は、第1部材13と、第2部材14と、第3部材21と、第4部材22と、熱伝導部材30と、貫通部31とを有する。検出器1は、放射線を検出する第1部材13と、検出した信号を処理する第2部材14とを含む半導体層15を内蔵するイメージセンサである。
第1部材13および第2部材14は、半導体層15により構成される。半導体層15は、シリコン、ゲルマニウムなどの単結晶層が好適であるが、多結晶層であってもよい。また、第1部材13と第2部材14とは、半導体基板から製造された一体構造を有することが望ましい。第1部材13および第2部材14の平面形状ならびに両者の位置関係は特に限定されるものではないが、例えば、第2部材14は、第1部材13の周辺に位置し、矩形状の平面形状を有する第1部材13の周囲に矩形環状の平面形状を有するように設けられている。第1部材13および第2部材14の両者を含む平面視において、第1部材13を投影した領域を第1領域10、第2部材14を投影した領域を第2領域11と定義する。第1部材13および第2部材14の両者を含む平面とは、例えば、第1部材13の上面と第2部材14の上面を含みうる。また、第1部材13および第2部材14の両者を含む平面とは、例えば、第1部材13および第2部材14の両者を貫通する仮想面であってもよい。
第1部材13は、放射線入射によって発生する電子を出力信号に変換する検出器の一部である。第1部材13は、放射線に基づく画像を形成するための複数の画素や読み出し回路を含み、これら複数の画素や読み出し回路が配列された構造を有する。第1部材13は、シリコン、ゲルマニウムまたはカドミウムを含みうる。
第2部材14は、周辺回路であり、駆動回路、制御回路、入出力端子部、信号処理回路、出力回路などが設けられる。入出力端子部は、入力端子部と出力端子部とを含む。駆動回路は、第1部材13の読み出し回路を走査して駆動する。制御回路は、駆動回路、信号処理回路などの駆動タイミングを制御するものであり、タイミングジェネレータ等を含む。入力端子部には外部から電源や制御信号が入力される。出力端子部からは外部へ信号が出力される。信号処理回路は、第1部材13に配置される読み出し回路からの信号を処理するものであり、増幅回路やAD変換回路を含む。出力回路は、信号処理回路で得られた信号を所定の形式に変換して出力するものであり、差動伝送回路を含む。
検出器1は、代表的なイメージセンサであるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)である。CMOSやCCDは、フォトダイオードにおいて蓄積された電子を、転送トランジスタを介して浮遊拡散層に転送し、ソースフォロアを介して電位を読み出す方法を用いる。CMOSやCCDは、転送トランジスタを用いずに、蓄積部の電位を直接ソースフォロアのゲート電位とする読み出し方法を用いてもよい。また、検出器1はフォトンカウンティング原理を使用してもよく、検出器1としてSPAD(Single Photon Avaranche Diode)などのデバイスを用いてもよい。
支持部20は、図1Bに示すように、第1部材13と第2部材14とを含む半導体層15を第2領域11で支持するように第3部材21の上に設けられている。なお、本実施形態の説明では、第1部材13および第2部材14の支持部20と接触する側を裏面側、その反対側を表面側と定義する。支持部20には、第1部材13の裏面の全部または一部が露出する開口201が設けられている。検出器1の検出対象である放射線は、第1部材13の表面側から第1部材13に照射され、第1部材13を裏面側へ透過する。放射線が衝突し散乱することを防ぐため、第1部材13の表面側および裏面側の第1領域10は、真空にすることが望ましい。検出器1を真空中で動作させることが、第1部材13の表面側および裏面側の第1領域10を真空にするための手段となる。また、検出器1全体を真空中で動作させてもよいが、検出器1における第1領域10を含む一部の構造のみを真空中で動作させてもよい。例えば、少なくとも支持部20の開口によって構成される空間は、真空でありうる。また、第1領域10の真空となる部分は、少なくとも支持部20の開口によって構成される空間でありうる。
放射線の一例として電子線を検出器1に照射する場合について説明する。電子線が第1部材13に侵入すると、第1部材13中で二次電子が発生し、それによる画素間のクロストークによって解像度が低下する場合がある。第1部材13の厚さが所望の値より厚い場合、二次電子がより広範囲に広がり解像度の低下が顕著になる。一方で、第1部材13が所望の値より薄い場合には二次電子の発生が少なくなり信号の低下をもたらす。その結果、検出器1のS/Nが低下する。そのため、第1部材13の厚さには好ましい範囲が存在する。十分な感度を有しつつクロストークを抑制するための第1部材13の厚さとして、好ましくは10μm以上100μm以下であるとよい。典型的には、第1部材13の厚さは25μm以上75μm以下であるとよい。なお、第1部材13は、少なくとも一部の厚さがこれらの好ましい範囲の厚さとなるように構成することができる。第1部材13と第2部材14とを半導体基板などの一体の部材で形成する場合、同時に前述の厚さに薄化する加工をしてもよいし、エッチング加工により第1部材13のみ薄化してもよい。本実施形態では第1部材13の厚さを第2部材14の厚さよりも小さく図示しているが、第1部材13の厚さと第2部材14の厚さとを互いに同じにした場合でも本実施形態による冷却効果と同様の効果を得ることができる。
上記では検出器1で検出する放射線の一例として電子線を検出する場合について説明したが、他の放射線の場合でも本発明の効果は有効である。検出器1の検出対象である放射線は、X線やガンマ線のような電離放射線でもよいし、アルファ線、ベータ線、中性子線、陽子線、重イオン線、中間子線などの粒子線であってもよい。本実施形態は電子線を検出するのに好適であるが、電子線以外の放射線を検出する場合には放射線の透過特性や吸収特性に応じて検出器1の構造、特に第1部材13の厚さを調整すればよい。
支持部20は、第2領域11において第2部材14の裏面と接着剤などを介して接着することで、第1部材13および第2部材14の機械的強度を補強する。支持部20の材質は、半導体でも絶縁体でも導電体でもよいが、第1部材13および第2部材14との間の応力を低減するために、第1部材13および第2部材14と熱膨張係数が近いことが好ましい。つまり、例えば、第1部材13および第2部材14がシリコンであれば支持部20はシリコンであることが好ましく、第1部材13および第2部材14がゲルマニウムであれば支持部20もゲルマニウムであることが好ましい。支持部20は、第2部材14と結晶構造が連続した半導体単結晶であってもよい。
第3部材21は、回路基板であり、例えばプリント回路板(PCB、Printed Circuit Board)またはセラミック基板である。第3部材21の一方の面に支持部20が設けられている。第3部材21には、第1部材13の裏面の全部または一部が露出する開口211が設けられている。第3部材21は、支持部20に支持された第2部材14と電気的に接続する。また、第3部材21には、不図示の電気部品が配置される。第3部材21は、電気部品を多数配置させるため、平面視において第2部材14よりも面積が大きいが、一部の部品を不図示の別基板に搭載してもよい。
第4部材22は、第3部材21の支持部20が設けられた面とは反対側の面に設けられている。第1部材13の裏面の全部または一部が露出する開口221が設けられている。第4部材22は、熱伝導率が高い材料を用いた部材であり、裏面側にて不図示の冷却器と接続する。特に、第4部材22は、第3部材21よりも熱伝導率が高い。第1部材13および第2部材14で発生した熱は、支持部20、第3部材21および第4部材22を介して冷却器へ放熱される。
放射線が第1部材13を透過した際、透過した放射線の散乱や反射を抑制するため、支持部20の開口201、第3部材21の開口211および第4部材22の開口221は、それぞれ第1領域10の少なくとも一部と重畳する開口であることが望ましい。第1領域10よりも支持部20、第3部材21および第4部材22の開口201、211、221が狭い場合、放射線の散乱や反射により不要な信号がノイズとなって撮像性能を悪化させる。開口201と開口211と開口221の側面は一致していてもよい。また、開口201と開口211と開口221によって構成される空間が真空でありうる。
一方で、支持部20、第3部材21および第4部材22は、第1部材13および第2部材14の発熱に対してこれを放熱する放熱経路である。
各部において例えば第1領域10と重畳する部分を開口201、211、221とした場合、第2領域11の枠状の面積と重畳する部分が放熱経路となる。しかしながら、この場合、開口201、211、221がない場合と比べると、部材間の接触面積が小さくなるため熱抵抗が増加する。
したがって、開口201、211、221の大きさは、放射線の散乱や反射をさせない範囲で狭くするとよい。具体的には、図1Bにおいて、第1領域10と第2領域11との境界線上に支持部20、第3部材21および第4部材22の開口201、211、221の縁端が位置することが望ましい。以上が検出器1の基本的な構造である。
第1部材13および第2部材14は、駆動時に約0.1W~数10Wの消費電力であることが想定され、発熱による温度上昇によって画素部の暗電流が増加するという問題がある。高解像度化を実現するために第1部材13を多画素化した場合、高速化を実現するために信号線を増やした場合、第2部材14の信号処理を高速化した場合などでは、消費電力はさらに増加する。
一般的な半導体デバイスの熱対策としては、半導体デバイス表面を空冷する手法や、温度上昇部の裏面に熱伝導率の高い材料やヒートシンクを設置して放熱させることが知られている。一方、検出器1は、好ましくは真空中で動作するため空冷が困難であり、前述の開口201、211、221によって裏面からの冷却も不十分である。さらに、第1部材13が薄化されていることにより水平方向への熱抵抗が増加しており、冷却が困難なことが課題である。
以下、本実施形態による検出器1において発熱源から冷却器に至るまでに介在する部材の詳細について説明する。第2部材14と支持部20との間、支持部20と第3部材21との間、第3部材21と第4部材22との間および第4部材22と不図示の冷却器との間の接続において、それぞれ接続用材料で接続する必要がある。なお、接続用材料は、接着材、グリス、ゲル、半田、ダイボンド材料などである。このため、各接続において、介在する部材が複数存在することが避けられない。さらに、接着剤、グリス、ゲルなどの材料は厚さの制御が難しく、厚さに比例して熱抵抗は変化する。
また、回路基板である第3部材21は、配線層および絶縁層の多層化が進み、製造において基板材料の制約を受ける。一般的に回路基板として用いられる頻度が高いPCBは、多層化が可能であるが、熱伝導率が低い。一例としてFR4(Flame Retardant type 4)基板の熱伝導率は0.2W/(m・K)~0.4W/(m・K)である。一方、熱伝導率の高いアルミナ基板(Al、14W/(m・K))、AlN基板(150W/(m・K))などの回路基板が開発されている。しかしながら、熱伝導率の高い回路基板には、材料や多層化によるコスト増加、セラミック製造の工程において基板の反りが発生するなどの別な課題があるため、熱伝導率の高い回路基板を選択できない場合がある。本発明を用いることは安価に検出器を提供することにも寄与する。
上記課題を解決する手段として発熱源から冷却器に至るまでに介在する部材を、全て熱伝導率が高い材料を用いることが有効である。また、介在する部材の数を減らすことや、放熱経路となる面積を広げることも熱抵抗を下げる効果があるため有効である。
そこで、本実施形態では、第3部材21は前記平面視において第2領域11よりも外側で第4部材22と重畳する第3領域12を有し、かつ、第3部材21は第3領域12において貫通部31を配置した構造とする。ここで、貫通部31は、第3部材21よりも高い熱伝導率を有する材料を用いた部材であり、熱伝導体または導電体材料でありうる。また、貫通部31は、第4部材22と接続し、かつ、反対側では熱伝導部材30を介して第2部材14と接続する。熱伝導部材30は、第2部材14の表面側と接続する。なお、第3領域12は、図1Aにおいて第2領域11の外周を示す実線から第4部材22の外周を示す破線までの領域である。
貫通部31は、少なくとも一部に、熱伝導率が高い材料として金(Au)、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)またはカーボングラファイトを含めるとよい。第4部材22も同様に熱伝導率が高い材料を用いうるが、貫通部31に比べ形状が大きいため、例えば比較的低コストである銅(Cu)合金を用いてもよい。なお、熱伝導部材30、貫通部31および第4部材22は、熱伝導率が高い材料が望ましいが、互いに同じ材料である必要はない。
本実施形態によれば、第1部材13および第2部材14の発熱を支持部20および第3部材21を介して第4部材22に伝える放熱経路に、熱伝導部材30および貫通部31を介して第4部材22に伝える放熱経路を加えることができる。このため、本実施形態によれば、検出器1の全体の熱抵抗を低下させることができる。また、熱伝導部材30は第2部材14の表面側と接続することから、第2部材14は支持部20に接続する裏面側と、熱伝導部材30と接続する表面側との両方から冷却することが可能になる。
図1Bにおいて、第2部材14から第3部材21を介して第4部材22表面に繋がるまでの熱抵抗を考える。一般的な熱抵抗r(K/W)は次式で与えられる。
r=d/(A・λ)
ここで、dは厚さ(m)、Aは面積(m)、λは熱伝導率(W/(m・K))である。
第3部材21を、厚さが0.003m、開口211を除く第2部材14と重畳する厚さ方向と直交する断面積が0.001m2、熱伝導率が0.2W/(m・K)のPCB基板とすると、第3部材21の熱抵抗r1は次式のように計算される。
r1=0.003(m)/0.2W/(m・K)/0.001(m2
≒15.0(K/W)
ここに、第3部材21を接続するための接着剤層などの熱抵抗が加わる。
一方で、熱伝導部材30および貫通部31の熱抵抗を考える。熱伝導部材30および貫通部31は、それらの面積は第3部材の面積に対し小さいが、熱伝導率が高く、間に接着剤などを介さない。このため、熱伝導部材30および貫通部31によれば、好ましくはこれらを複数箇所設置することで放熱効果を得ることができる。
例えば、熱伝導部材30を長さが1mm、断面が直径100μmの円形のAuボンディングワイヤ、貫通部31を厚さが3mm、断面が直径の300μmの円形のCuビアと仮定する。AuおよびCuの熱伝導率をそれぞれ315W/(m・K)、400W/(m・K)とする。熱伝導部材30および貫通部31の本数が100本の場合の熱抵抗rは次式のように計算される。
r=0.001(m)/315W/(m・K)/(0.00005(m)×0.00005(m)×π×100(本))+0.003(m)/400W/(m・K)/(0.00015(m)×0.00015(m)×π×100(本))
≒5.10(K/W)
したがって、第2部材14から第4部材22表面までの熱抵抗を考えた場合、本実施形態では、第3部材21を介する放熱経路の熱抵抗15.0(K/W)に対して、熱伝導部材30および貫通部31の放熱経路の熱抵抗5.10(K/W)が並列に加えられる。このため、本実施形態では、第2部材14から第4部材22表面までの熱抵抗が、両熱抵抗を合成した熱抵抗であるおよそ3.8(K/W)となり、熱伝導部材30および貫通部31を有しない場合に比べて熱抵抗を1/3以下に低減できる。
なお、第3部材21として熱伝導率の高い基板を採用することもできる。この場合、さらに熱抵抗を低減することができる。また、熱伝導部材30は、図2Aに示すように、第2部材14の表面側に設けられた電極33aを介して第2部材14に接続されてもよい。電極33aは、第2部材14の内部に形成された配線層32aと接続し、第2部材14を低い熱抵抗で冷却することができるため冷却効果が大きい。その結果、第1部材13および第2部材14の温度上昇を抑制することができる。
図2Aに本実施形態に係る検出器1の断面拡大図を示す。ここでは、第1部材13と第2部材14とを同じ厚さで図示するが、第1部材13を第2部材14よりも薄くしてもよい。また、支持部20は第2領域11に配置されていることが望ましい。例えば第1領域10に支持部20があると第1部材13の機械的強度を高めることができるが、第1領域10に入射した放射線が第1部材13と支持部20との境界で反射する。一方、支持部20を第1領域10と第2領域11との境界よりも更に外側に設置すると第2部材14と支持部20との接触面積が減少し、第2部材14の発熱を放熱する効果が低下する。したがって、支持部20の開口201は、縁端が第1領域10と第2領域11との境界に位置することが望ましい。第3部材21の開口211および第4部材22の開口221も同様に縁端が第1領域10と第2領域11との境界に位置することが望ましい。
熱伝導部材30は、第2領域11において、第2部材14の半導体層の配線層32aを表面に引き出した電極33aに接続させることができる。電極33aは、接地電極であり、一定の電位である接地電圧に固定される。熱伝導部材30は、電極33aと接続し一定の電位に固定される。第2部材14の最表面が不図示のパッシベーション層である場合は、パッシベーション層に開口を設け、電極33aと熱伝導部材30を接続させることができる。熱伝導部材30は導電体とし、少なくとも一部の第2部材14の配線層32aは接地電圧を供給するための固定電位であり、第4部材22も接地電圧と同電位とする。このように熱伝導部材30が接地電圧を供給する配線を兼ねることによって、電圧が安定する結果、ノイズを抑制して低減することが可能である。さらに、第2部材14の発熱を効率よく放熱するため、熱伝導部材30が接続するのは、第2部材14の内部につながる配線層であることが望ましい。
なお、図2Aでは熱伝導部材30が電極33aを介して配線層32aに接続されているが、第2部材14に帯電防止層や電子線遮蔽層が構成された場合、配線層32aの代わりに熱伝導部材30がそれらと接続しても放熱効果が得られる。
さらに、熱伝導部材30は、熱伝導配線やボンディングワイヤであってもよい。本実施形態では、熱伝導率が高く、酸化しにくい材質である金(Au)を例としているが、これに限定されるものではない、熱伝導部材30は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)またはそれらの合金であってもよい。電気的な接続のためのボンディングワイヤが放熱経路を兼ねることで、熱ノイズの抑制を実現しつつ、別途放熱用の熱伝導配線を接続するよりもスペースを有効に利用することができる。
第4部材22は不図示の冷却器と接続する。第4部材22が接続する冷却器は、例えばペルチェ素子を使用することができる。ペルチェ素子は熱移動のため別の冷却機構を必要とするが、真空中で動作させる場合は水冷構造が有効である。水冷構造を含めた冷却器との接続のため、第4部材22と冷却器との間には不図示の接続構造があってもよい。
以上、本実施形態によれば、低い熱抵抗で第1部材13と第2部材14を冷却することが可能であり、冷却部を冷却するために必要な能力を低減することができ、装置の簡略化、低コスト化を実現することができる。また、本実施形態によれば、第1部材13の画素部の暗電流を低減することができ、S/Nの良い検出器1を提供することが可能となる。こうして、本実施形態によれば、放射線を検出する検出器1の冷却性能を向上させ、検出器1の感度や解像度を高めることができる。
<第2実施形態>
本発明による第2実施形態について以下に図2Bを用いて説明する。本実施形態では、第1実施形態とは異なる第2部材14と第4部材22との接続構造を説明する。
図2Bに本実施形態に係る検出器の断面拡大図を示す。図2Bに示す構造は、図2Aに示す構造に対し、支持部20をなくし、更に第3部材21を介さずに第2部材14を第4部材22へ接着剤などを介して接続した構造である。本実施形態のように支持部20や第3部材21を介さずに第2部材14を第4部材22へ接続する構造は、介在する部材の数を減らせるため熱抵抗を低減させることができる。
<第3実施形態>
第2実施形態では、シリコンなどの半導体層である第1部材13および第2部材14を薄化し、第2部材14を、応力、ひずみ、熱膨張係数などの物性が大きく異なる第4部材22と接続させる。このため、第2実施形態では、薄化した第1部材13や第2部材14に機械的な負荷をかけ、故障の可能性を高めるリスクがある。そこで、本発明による第3実施形態について以下に図2Cを用いて説明する。
図2Cに本実施形態に係る検出器の断面拡大図を示す。図2Cに示す構造は、第4部材22を複数に分割し、第3部材21に対し上下から第4部材22を接続した構造である。図2Cに示す構造において、第4部材22は、第2部材14に近い側から遠い側に向かって順に第4部材22a、第4部材22b及び第4部材22cの3つに分割されている。第2部材14と第4部材22aとの間には、第1実施形態と同様に支持部20が介在していてもよいし、第2実施形態と同様に支持部20が介在していなくてもよい。第4部材22aは、裏面側で第3部材21および第4部材22bと接続する。第3部材21および第4部材22bは、裏面側で第4部材22cと接続する。これらの部材間の接続は、接着剤、グリスなどを介して行われる。
本実施形態では、上述のように第4部材22が分割されているため、各部材間の接続時に支持部20または第2部材14と第4部材22aとを先に接続しておくことができる。これにより、第1部材13および第2部材14の強度を高めた上で、第1部材13および第2部材14を、他の第4部材22b、第4部材22cおよび第3部材21と接続することができる。このように各部材間を接続することができる本実施形態によれば、接続時の押し当てなどによる第1部材13や第2部材14への機械的な負荷を軽減することができる。
<第4実施形態>
第3実施形態では、第4部材22を複数に分割したことで間に接着剤、グリスなどを介する必要があり、その分の熱抵抗が増加する可能性がある。そこで、本発明による第4実施形態について以下に図2Dを用いて説明する。
図2Dに本実施形態に係る検出器の断面拡大図を示す。図2Dに示す構造は、支持部20または第4部材22の厚さを調整し、第2部材14の表面の高さと貫通部31の表面の高さとを互いに同じにした構造である。互いに同じ高さである第2部材14の表面および貫通部31の表面には、熱伝導部材30の一端および他端がそれぞれ接続される。
図2Dに示す構造では、第2部材14の表面の高さと貫通部31の表面の高さとが互いに同じであるため、熱伝導部材30の長さを短くすることができ、長さに比例する熱伝導部材30の熱抵抗を低減することができる。したがって、図2Dに示す構造は、第2部材14の冷却に有利となる。
<第5実施形態>
本発明による第5実施形態について以下に図3Aから図3Cを用いて説明する。本実施形態では、他の実施形態のいずれにおいてもとりうる貫通部31の断面構造について説明する。
図3Aに本実施形態に係る貫通部31の断面拡大図を示す。図3Aに示すように、貫通部31の表面側には、電極33bが設けられている。貫通部31は、表面側の電極33bで熱伝導部材30と接続する。このように電極33bを介して貫通部31が熱伝導部材30と接続すると、接続容易性が向上する。貫通部31は、裏面側では不図示の冷却器と接続する第4部材22に接続する。
第3部材21は、第2部材14の多数の配線と接続する回路基板であり、複数の絶縁体層と配線層とを有する多層の積層構造である。なお、他の実施形態でも第3部材21は図3Aでは、第3部材21の積層構造の一例として積層された複数の層21a~21eを含む多層構造を示す。なお、他の実施形態でも第3部材21は本実施形態と同様の多層構造でありうる。第3部材21が多層の積層構造である場合およびさらにその層数が増えた場合ならびに第3部材21を含む検出器の厚さが大きくなると、熱伝導部材30および貫通部31を介して第2部材14を冷却する効果がさらに大きくなる。
貫通部31としては、3部材21の積層構造とは電気的に絶縁し、一定の電位に固定される複数の接地電圧の配線を利用することもできる。電気的なインピーダンス低減のため複数設定された接地電圧の配線を用いて、複数の放熱経路を共有することが可能となる。
本実施形態は、種々の変形が可能である。図3Bおよび図3Cに本実施形態の変形例に係る貫通部31の断面拡大図を示す。
本実施形態の変形例として、図3Bに示すように、熱伝導部材30と貫通部31とを接続するために同一平面内で延伸させた電極33cを介してもよい。この場合には、熱伝導部材30として用いられうるワイヤボンディングなどの機械的強度を保つことができる。
また、本実施形態の別の変形例として、図3Cに示すように、第3部材21内で例えば複数の部分31a~31dに分割された貫通部31の各部を第3部材21内で複数の配線32bを介して接続させてもよい。この場合、貫通部31の複数の部分31a~31dは、第3部材21における多層の面内方向にずれるように配置されている。各配線32bは、金属配線であり、貫通部31の隣接する2つの部分を接続するように設けられている。本変形例においても、金属配線である配線32b中における自由電子による熱伝導を利用して放熱経路とすることが可能である。
以上、図3Aから図3Cを用いて貫通部31の断面構造について説明したが、例えば、同電位の複数の熱伝導部材30を同じ貫通部31に共通化させて接続してもよいし、第3部材21内で貫通部31を接続させてもよい。さらに、第3部材21の第3領域12において、複数の貫通部31を設置するとより冷却効果が得られる。
<第6実施形態>
本発明のいずれの実施形態においても、少なくともいくつかの熱伝導部材30と貫通部31とが接続していればよく、全ての熱伝導部材30が貫通部31と接続する必要はない。例えば熱伝導部材30が熱伝導配線やボンディングワイヤを兼ねる場合、いくつかの熱伝導部材30は貫通部31とは接続しなくてもよい。この場合、図3Dに示すように、いくつかの熱伝導部材30は、第3部材21中に設けられた配線32cとビア34などを介して接続し、配線32cを介して第3部材21の不図示の電気部品などと接続してもよい。図3Dに示す構造単独では冷却効果を得ることが困難であるが、当該構造を図3Aから図3Cの少なくともいずれかに示す貫通部31と任意に混在させることで、検出器1全体としては冷却効果を得ることができる。
<第7実施形態>
本発明による第7施形態について以下に図4Aおよび図4Bを用いて説明する。本実施形態では、他の実施形態のいずれにおいてもとりうる貫通部31の配置について説明する。
図4Aおよび図4Bは、本実施形態の説明図であり、第1領域10、第2領域11および第3領域12の位置関係、ならびに第3領域12における貫通部31の配置を示す上面図である。図4Aおよび図4Bのそれぞれにおいて、第3部材21の裏面には第4部材22が構成されており、第4部材22の外周を破線で示す。なお、図4Aおよび図4Bでは、熱伝導部材30を省略している。
第2領域11の外側で第3部材21と第4部材22が重畳する第3領域12は、図4Aおよび図4Bにおいて第2領域11の外周を示す実線から第4部材22の外周を示す破線までの領域である。この第3領域12に貫通部31を配置し、熱伝導部材30により第2部材14と接続する。
また、第1領域10、第2領域11および第3領域12までの各領域は、イメージセンサの構成上、上面からの平面視では概ね四角形の外周を有することが一般的である。貫通部31は、熱伝導部材30を短くするために第3領域12内で、第2領域11に近い位置に設置することが望ましい。
さらに、第2領域11は裏面に他の部材がある構造である一方、第1領域10は裏面が開口構造の真空である。したがって、裏面への放熱寄与が少ない第1領域10に近い位置に、貫通部31を設置するとより高い放熱効果が得られる。
図4Aに示すように、平面視で四角形の外周を有する第3領域12の4辺の外周のうち、平面視で四角形の第1領域10の外周に距離がより近い第3領域12の2辺の外周近傍の側に貫通部31を配置することが冷却効果を得るうえで効果的である。もちろん貫通部31は、第3領域12の4辺の外周近傍の側に配置してもよい。
なお、図4Aでは、貫通部31を等間隔で配置した場合を示すが、貫通部31は必ずしも等間隔で配置する必要はない。図4Bは、第1領域10により近い位置に集中的に貫通部31を配置した例を示す。さらに、第1領域10に不均一な温度分布を発生させないためには、貫通部31の配置は、第1領域10を中心として線形対称な配置であることが望ましい。なお、図4Aおよび図4Bにおける貫通部31の数は簡易的に示すための一例であり、貫通部31の数は第3部材21の回路設計などに基づいて決定することができる。
<第8実施形態>
本発明による第8実施形態について以下に図5を用いて説明する。本実施形態では、他の実施形態のいずれにおいてもとりうる検出器1の交換可能な構造について説明する。
図5に本実施形態に係る検出器1の断面構成図を示す。検出器1は、放射線の照射によって、検出器1内部の劣化や電気的な帯電、その他不具合が発生した場合に、検出器1または検出器1の一部を交換可能に構成することができる。
図5に示す構造は、第4部材22に固定部24aを設け、冷却器23に固定部24bを設けた構造である。固定部24aおよび固定部24bは、互いに結合して固定可能な構造を有する。互いに対応する固定部24aおよび固定部24bが固定されることにより、第4部材22の裏面の全部または一部に表面の全部または一部が接触した冷却器23が固定される。第4部材22に冷却器23をより確実に固定するため、固定部24aおよび固定部24bは複数組設けられうる。こうして、第4部材22は、第4部材22を基準に第3部材21と反対側で他の部材である冷却器23に分離可能に接続する。
第4部材22と冷却器23の間に隙間が発生しないように、グリス、ゲルなどの再接続可能な材料を用いて第4部材22と冷却器23の間の間隙を埋めることができる。これにより、間隙による熱抵抗の増加を小さく抑制することができる。図5に示す構造では、第4部材22を冷却器23から分離して検出器1を冷却器23から取り外すことができるため、検出器1を用いた装置のメンテナンス性向上や部分的な交換によるコストダウンが可能である。
なお、図5には図2Dの構造を基にした例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、図2Aから図2Cの構造を有する検出器でも本実施形態と同様に構成することができる。例えば、図2Aの構造では、第3部材21および第4部材22にそれぞれ固定部24a、24bを設置して第3部材21に第4部材22を固定可能に構成することも可能である。この場合、第3部材21は、第4部材22と分離可能に接続する。この場合、交換する部品群から第4部材22を除くことができるため、さらに交換時のコストダウンが可能である。交換可能な構造の要旨を逸脱しない範囲で検出器1を構成することで冷却効果が得られる。
<第9実施形態>
本発明による第9実施形態について以下に図6を用いて説明する。本実施形態では、第1から第8実施形態に係る検出器1のいずれかを用いた放射線撮像装置について説明する。
図6は、本実施形態に係る放射線撮像装置101の構成が示されている。放射線検出装置の一態様である放射線撮像装置101は、複数の画素を有する画素アレイ110を含む検出器100と、検出器100からの信号を処理する信号処理部122とを備えうる。検出器100としては、第1から第8実施形態に係る検出器1のいずれも適用することができる。検出器100は、例えば、パネル形状を有しうる。信号処理部122は、図6に例示されるように、制御装置120の一部として構成されてもよいし、検出器100と同一筺体に収められてもよいし、検出器100および制御装置120とは異なる筺体に収められてもよい。放射線撮像装置101は、エネルギーサブトラクション法によって放射線画像を得るための装置である。エネルギーサブトラクション法は、被検体に照射する放射線のエネルギーを異ならせて複数回にわたって撮像して得た複数の画像を処理することによって新たな放射線画像(例えば、骨画像および軟部組織画像)を得る方法である。放射線という用語は、例えば、X線の他、α線、β線、γ線、粒子線、宇宙線を含みうる。
放射線撮像装置101は、放射線を発生する放射線源140、放射線源140を制御する曝射制御装置130、および、曝射制御装置130(放射線源140)および検出器100を制御する制御装置120を備えうる。制御部である制御装置120は、前述のように、検出器100から供給される信号を処理する信号処理部122を含みうる。制御装置120の機能の全部または一部は、検出器100に組み込まれうる。あるいは、検出器100の機能の一部は、制御装置120に組み込まれうる。制御装置120は、コンピュータ(プロセッサ)と、該コンピュータに提供するプログラムを格納したメモリとによって構成されうる。信号処理部122は、該プログラムの一部によって構成されうる。あるいは、信号処理部122は、コンピュータ(プロセッサ)と、該コンピュータに提供するプログラムを格納したメモリとによって構成されうる。制御装置120の全部または一部は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または、プログラマブルロジックアレイ(PLA)によって構成されてもよい。制御装置120および信号処理部122は、その動作を記述したファイルに基づいて論理合成ツールによって設計され製造されてもよい。
曝射制御装置130は、例えば、曝射スイッチを有し、曝射スイッチがオンされることに応じて放射線源140に放射線を放射させるとともに、放射線が放射されるタイミングを示す情報を制御装置120に通知しうる。あるいは、曝射制御装置130は、制御装置120からの指令に応じて放射線源140に放射線を放射させる。
放射線源140からの放射線の連続的な放射期間においてエネルギー(波長)が変化する放射線を放射しうる。このような放射線を用いて、互いに異なる2つのエネルギーのそれぞれにおける放射線画像を取得し、これらの放射線画像をエネルギーサブトラクション法によって処理することによって1つの新たな放射線画像を取得することができる。
あるいは、放射線源140は、放射線のエネルギー(波長)を変更する機能を有してもよい。放射線源140は、例えば、管電圧(放射線源140の陰極と陽極との間に印加する電圧)を変更することによって放射線のエネルギーを変更する機能を有しうる。
検出器100の画素アレイ110を構成する複数の画素の各々は、放射線を電気信号(例えば電荷)に変換する変換素子と、該変換素子から出力される電気信号を処理する処理回路と、該処理回路から出力される電気信号をサンプルホールドする保持部を有しうる。各変換素子は、放射線を直接に電気信号に変換するように構成されてもよいし、放射線を可視光等の光に変換した後に該光を電気信号に変換するように構成されてもよい。後者においては、放射線を光に変換するためのシンチレータが利用されうる。シンチレータは、画素アレイ110の複数の画素によって共有されうる。
<第10実施形態>
本発明による第10実施形態について以下に図7を用いて説明する。本実施形態では、第1から第8実施形態に係る検出器1の光電変換装置としての応用例として、検出器1を用いた光電変換装置と光電変換装置から出力された信号を処理する処理装置とを備える検出システムである機器について説明する。
検出システムは少なくとも、光電変換装置と、光電変換装置から出力された信号を処理する信号処理回路とを有し、以下に説明する図7に示す構成のうちの信号処理を担う部分がクラウドに設けられていてもよい。ここでは、検出器1を用いた光電変換装置が撮像装置として組み込まれた機器について例示的に説明する。光電変換装置が撮像装置として組み込まれた機器とは、例えば、カメラやスマートフォンなどの電子機器があげられる。ここで、カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータやタブレットのような携帯端末など)も含まれる。
図7は、光電変換装置200を搭載した機器EQPの模式図である。機器EQPの例は、上述のカメラやスマートフォンなどの電子機器(情報機器)、複写機やスキャナなどの事務機器である。また、機器EQPの他の例は、自動車や飛行機、船舶、鉄道車両などの輸送機器、内視鏡や放射線撮像装置などの医療機器、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡などの分析機器、産業用ロボットなどの産業機器である。
光電変換装置200は、画素PIXがアレイ状に配された画素領域214が設けられた半導体チップを含む半導体デバイスICの他に、半導体デバイスICを収容するパッケージPKGを含みうる。パッケージPKGは、半導体デバイスICが固定された基体と、半導体デバイスICに対向するガラス等の蓋体と、基体に設けられた端子と半導体デバイスICに設けられた端子とを接続するボンディングワイヤやバンプ等の接続部材と、を含みうる。光電変換装置200としては、第1から第8実施形態に係る検出器1のいずれも適用することができる。
機器EQPは、光学系OPT、制御装置CTRL、処理装置PRCS、表示装置DSPL、記憶装置MMRYおよび機械装置MCHNの少なくともいずれかをさらに備え得る。光学系OPTは光電変換装置200に結像するものであり、例えばレンズやシャッタ、ミラーである。制御装置CTRLは光電変換装置200の動作を制御するものであり、例えばASICなどの半導体デバイスである。処理装置PRCSは光電変換装置200から出力された信号を処理するものであり、AFE(アナログフロントエンド)あるいはDFE(デジタルフロントエンド)を構成するための、CPUやASICなどの半導体デバイスである。表示装置DSPLは光電変換装置200で得られた情報(画像)を表示する、EL表示装置や液晶表示装置である。記憶装置MMRYは、光電変換装置200で得られた情報(画像)を記憶する、磁気デバイスや半導体デバイスである。記憶装置MMRYは、SRAMやDRAMなどの揮発性メモリ、あるいは、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどの不揮発性メモリである。機械装置MCHNはモーターやエンジン等の可動部あるいは推進部を有する。カメラにおける機械装置MCHNはズーミングや合焦、シャッタ動作のために光学系OPTの部品を駆動することができる。機器EQPでは、光電変換装置200から出力された信号を表示装置DSPLに表示したり、機器EQPが備える通信装置(不図示)によって外部に送信したりする。そのために、機器EQPは、光電変換装置200が有する制御/信号処理回路など周辺領域215などに含まれる記憶回路部や演算回路部とは別に、記憶装置MMRYや処理装置PRCSを更に備えていてもよい。
以上に説明した本発明による各実施形態や変形例に記載された構成は、互いに任意に組み合わせて利用することができる。本発明の検出器は、第1部材13および第2部材14を構成する基板として、シリコンやゲルマニウムだけでなく、例えばCdTeまたはCZT(CdZnTe)を主たる成分として有する基板を有してもよい。
1 検出器
10 第1領域
11 第2領域
12 第3領域
13 第1部材
14 第2部材
20 支持部
21 第3部材
22 第4部材
23 冷却器
24a、24b 固定部
30 熱伝導部材
31 貫通部
32a、32b、32c 配線
33a、33b、33c 電極

Claims (18)

  1. 放射線を検出する第1部材と、
    前記第1部材の周辺に位置する第2部材と、
    前記第1部材および前記第2部材が含まれる平面視において前記第1部材を投影した第1領域の少なくとも一部と重畳する第1開口を有する第3部材と、
    前記平面視において前記第1領域の少なくとも一部と重畳する第2開口を有し、前記第3部材よりも熱伝導率が高い第4部材とを有し、
    前記平面視において前記第2部材を投影した第2領域よりも外側で前記第4部材と重畳する第3領域に設けられ、前記第4部材に接続し、前記第2部材と熱伝導部材で接続し、前記第3部材よりも熱伝導率が高い貫通部と
    を有することを特徴とする検出器。
  2. 前記第1部材は、前記放射線に基づく画像を形成するための複数の画素を含み、
    前記第2部材は、信号処理回路と入出力端子とを含む周辺回路を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出器。
  3. 前記放射線は電子線であり、
    前記第1開口によって構成された領域は真空である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の検出器。
  4. 前記第1部材は、少なくとも一部の厚さが10μm以上であり100μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の検出器。
  5. 前記第1部材は、少なくとも一部の厚さが25μm以上であり75μm以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の検出器。
  6. 前記熱伝導部材は、導電体であり、接地電極と接続し一定の電位に固定される
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の検出器。
  7. 前記熱伝導部材は、熱伝導配線またはボンディングワイヤであり、材質が金、銀、銅、アルミニウムまたはそれらの合金である
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の検出器。
  8. 前記熱伝導部材は、前記第2部材の半導体層に含まれる配線層と接続する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の検出器。
  9. 前記熱伝導部材がそれぞれ接続する前記第2部材の表面および前記貫通部の表面は、互いに同じ高さである
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の検出器。
  10. 前記貫通部は、熱伝導体または導電体材料であり、少なくとも一部に金、タングステン、銅、チタン、タンタル、アルミニウム、ルテニウムまたはカーボングラファイトを含む
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の検出器。
  11. 前記第1領域、前記第2領域および第3領域は、それぞれ前記平面視において四角形の外周を有し、
    前記貫通部は、前記第3領域の4辺の外周のうち、前記第1領域の外周に距離がより近い2辺の外周の側に配置されている
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の検出器。
  12. 前記第3部材は、プリント回路板またはセラミック基板である
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の検出器。
  13. 前記第2部材、第3部材および第4部材は、それぞれ他の部材との接続において接着剤、グリス、ゲル、半田またはダイボンド材によって接続する
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の検出器。
  14. 前記第3部材は第4部材と分離可能に接続し、または前記第4部材は前記第4部材を基準に前記第3部材と反対側で他の部材と分離可能に接続する
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の検出器。
  15. 前記第2部材は、前記第3部材または前記第4部材に接続する
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の検出器。
  16. 前記第1部材は、シリコン、ゲルマニウムまたはカドミウムを含む
    ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の検出器。
  17. 請求項1から16のいずれか1項に記載の検出器と、
    前記放射線を発生する放射線源と、
    前記検出器と前記放射線源とを制御するための制御部と
    を有する放射線検出装置。
  18. 請求項1から16のいずれか1項に記載の検出器と、
    前記検出器からの信号を処理する処理回路と
    を有する検出システム。
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