JP2023117031A - 再帰性反射布および衣類 - Google Patents

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豊 五十嵐
Yutaka Igarashi
健二 中川
Kenji Nakagawa
俊裕 本近
Toshihiro Motochika
佑佳 田中
Yuka Tanaka
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Abstract

【課題】着心地の不快感を抑制することが可能な再帰性反射布および衣類を提供すること。【解決手段】再帰性反射布100は、繊維束繊度が50デニール以下の糸で形成された布からなる基布10と、基布10上に設けられた複数のガラスビーズ30と、基布10の表面に設けられ、複数のガラスビーズ30を保持する保持層20と、を備える。基布10を繊維束繊度50デニール以下の糸で形成することで、再帰性反射布100が薄くなり剛性が高くなることが抑制される。よって、再帰性反射布100を用いた衣類を着用した場合に、着心地の不快感が抑えられる。【選択図】図1

Description

本発明は、再帰性反射布および衣類に関する。
夜間等における安全性を確保するため、視認性に優れた再帰性反射材が使用されている。再帰性反射材として、ガラスビーズの半分程度が保持層に埋没し、残りの半分程度が空気中に露出したオープンタイプの再帰性反射材が知られている。また、ガラスビーズおよび保持層の表面に撥水層を設ける場合に、この撥水層に浸透剤を含ませることで、洗濯しても撥水層の脱落が抑制され、撥水効果の低下が抑制できることが知られている(例えば特許文献1)。
特開2015-63017号公報
従来から使用されている再帰性反射布は剛性が高いため、再帰性反射布を用いた衣類を着用したときに、体が動かし難い等、着心地を悪く感じることがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、着心地の不快感を抑えることが可能な再帰性反射布および衣類を提供することを目的とする。
本発明は、繊維束繊度が50デニール以下の糸で形成された布からなる基布と、前記基布上に設けられた複数のガラスビーズと、前記基布の表面に設けられ、前記複数のガラスビーズを保持する保持層と、を備える再帰性反射布である。
上記構成において、前記基布の目付は70g/m以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記複数のガラスビーズの直径は20μm以上60μm以下であり、前記保持層の厚さは20μm以上40μm以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記保持層は、シランカップリング剤が添加された樹脂層であり、前記複数のガラスビーズの表面の一部が露出するように前記複数のガラスビーズを保持する構成とすることができる。
上記構成において、前記シランカップリング剤の添加量は0.1重量パーセント以上2.0重量パーセント以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記基布は、ポリアミド系合成繊維もしくはポリエステル系合成繊維の少なくとも一方の繊維が使用され、経糸もしくは緯糸の少なくとも一方が仮撚加工されたマルチフィラメントにより形成されている構成とすることができる。
上記構成において、前記基布の織物組織は、平織組織または変形平織組織である構成とすることができる。
本発明は、上記に記載の再帰性反射布を備える衣類である。
本発明によれば、着心地の不快感を抑えることができる。
図1は、第1の実施形態に係る再帰性反射布を示す断面図である。 図2は、第1の実施形態に係る再帰性反射布の電子顕微鏡像である。 図3(a)および図3(b)は、第3の実施形態に係る衣類を示す図である。 図4は、実施例1および実施例2に係る再帰性反射布の洗濯試験の結果である。 図5は、実施例1および実施例2に係る再帰性反射布の洗濯後の反射面積割合の変化について調べた結果である。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る再帰性反射布100を示す断面図である。図2は、第1の実施形態に係る再帰性反射布100の電子顕微鏡像である。図1および図2に示すように、再帰性反射布100は、布からなる基布10と、基布10の上面に設けられた保持層20と、保持層20により保持された複数のガラスビーズ30と、を備える。再帰性反射布100は、ガラスビーズ30の一部が保持層20に埋没し、残りが保持層20から露出したオープンタイプの再帰性反射布である。
基布10は、織物、編物、または不織布のいずれであってもよいが、本第1の実施形態では織物であるとする。基布10の織物組織は、平織、綾織、朱子織の三原組織を使用することができ、これらのうちのいずれかの単一組織、いずれかの変形組織、またはこれらの複合組織のいずれであってもよいが、本第1の実施形態では、平織組織または変形平織組織であるとする。基布10は、ナイロン6等のポリアミド系合成繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系合成繊維、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、木綿または絹等の天然繊維、またはこれらの混紡繊維の未加工糸、仮撚加工糸、または撚糸のいずれによって形成されてもよいが、本第1の実施形態ではポリアミド系合成繊維もしくはポリエステル系合成繊維の少なくとも一方の繊維が使用され、経糸もしくは緯糸の少なくとも一方の繊維束が仮撚加工されたマルチフィラメントにより形成されているとする。
基布10は、繊維束繊度が50デニール以下の糸で形成された布で形成されている。基布10の目付は70g/m以下である。基布10の厚さT1は例えば50μm以上150μm以下である。
ガラスビーズ30は、酸化チタン(TiO)、酸化シリコン(SiO)、酸化バリウム(BaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化カリウム(KO)、および酸化ナトリウム(NaO)の少なくとも1種以上からなる略真球状の透明ガラスビーズである。ガラスビーズ30の屈折率は、例えば1.8~2.0程度である。ガラスビーズ30の直径は、例えば20μm以上60μm以下である。複数のガラスビーズ30は、基布10上に密状態に設けられかつ互いに離れている。
保持層20は、ガラスビーズ30を基布10上で保持するために、基布10とガラスビーズ30に接着する接着層である。保持層20の厚さT2は、例えば20μm以上40μm以下である。保持層20は、例えば、ビニル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、またはポリアミド系接着剤等の樹脂層である。また、保持層20に光反射性を付与するため、保持層20はアルミニウム、銀、金、白金等の光反射性に優れた金属微粉末を含有している。
[製造方法]
本第1の実施形態に係る再帰性反射布100は、例えば以下の方法により製造される。まず、熱軟化させたポリエチレンフィルム等のシートにガラスビーズ30を密状態となるように散布して付着させることで、ガラスビーズ30をその自重によってシートに一部埋没させる。次いで、ガラスビーズ30の露出面上に保持層20を形成し、保持層20を基布10に貼り合わせた後、シートを剥離する。これにより、再帰性反射布100が形成される。
本第1の実施形態によれば、再帰性反射布100は、繊維束繊度が50デニール以下の糸で形成された布からなる基布10上に複数のガラスビーズ30が保持層20によって保持されている。このように、基布10を繊維束繊度50デニール以下の糸で形成することで、基布10を薄くできるため、再帰性反射布100が薄くなり剛性が高くなることを抑制できる。よって、再帰性反射布100を用いた衣類を着用した場合に、着心地の不快感を抑えることができる。再帰性反射布100を薄くして着心地の不快感を抑える点から、基布10は、繊維束繊度が30デニール以下の糸で形成される場合が好ましく、20デニール以下の糸で形成される場合がより好ましく、10デニール以下の糸で形成される場合が更に好ましい。基布10の厚さT1は、50μm以上150μm以下が好ましく、50μm以上120μm以下がより好ましく、50μm以上100μm以下が更に好ましい。
また、本第1の実施形態では、基布10の目付は70g/m以下である。これにより、再帰性反射布100が重くなることを抑制できるため、着心地の不快感を抑えることができる。再帰性反射布100を軽くして着心地の不快感を抑える点から、基布10の目付は50g/m以下が好ましく、40g/m以下がより好ましく、30g/m以下が更に好ましい。
また、本第1の実施形態では、基布10上に設けられた複数のガラスビーズ30の直径は20μm以上60μm以下であり、ガラスビーズ30を保持する保持層20の厚さは20μm以上40μm以下である。このような小さなガラスビーズ30を用いかつ保持層20を薄くすることで、再帰性反射布100が薄くなるため、着心地の不快感を抑えることができる。ガラスビーズ30は、再帰性反射布100を薄くする点から、55μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、45μm以下が更に好ましい。一方、反射性能の低下を抑制する点から、25μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、35μm以上が更に好ましい。保持層20は、再帰性反射布100を薄くする点から、38μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましく、32μm以下が更に好ましい。一方、ガラスビーズ30を保持する点から、22μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましく、28μm以上が更に好ましい。また、再帰性反射布100の剛性が高くなることを抑制する点から、保持層20の厚さは、ガラスビーズ30の直径より小さい場合が好ましく、0.8倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましく、0.5倍以下が更に好ましい。
また、本第1の実施形態では、基布10は、ポリアミド系合成繊維もしくはポリエステル系合成繊維の少なくとも一方のマルチフィラメントにより形成されている。これにより、基布10の強度の向上と軽量化とを実現できる。
また、本第1の実施形態では、基布10は、ポリアミド系合成繊維もしくはポリエステル系合成繊維の少なくとも一方の繊維が使用され、経糸もしくは緯糸の少なくとも一方が仮撚加工されたマルチフィラメントにより形成されている。仮撚加工されたマルチフィラメントにより形成されることで、ポリアミド系合成繊維もしくはポリエステル系合成繊維の少なくとも一方の繊維束の見掛け上の弾性率を保持層20の弾性率と同程度(例えば0.9倍~1.1倍)にすることができる。これにより、例えば保持層20を基布10に貼り合わせるときに基布10と保持層20との間の界面近傍に生じ得る応力を緩和させることができ、基布10と保持層20との間の剥離を抑制できる。また、保持層20と基布10との張り合わせにより生じる界面近傍での残留応力が小さくなるため、基布10および保持層20に破損が生じることも抑制できる。基布10と保持層20との間の接着面積を増加させて、接着強度を向上させるために、基布10は、仮撚加工糸の伸縮性を示す指標の一つである伸長弾性率が10%以上の捲縮が掛けられていることが好ましく、15%以上の捲縮が掛けられていることがより好ましく、20%以上の捲縮が掛けられていることが更に好ましい。伸長弾性率は、JIS L 1096織物及び編物の生地試験方法に基づいた試験により求めることができる。例えば、基布10の一端を試験装置に固定し、他端に基布10の幅で1mの長さにかかる重力に相当する荷重(初荷重)を加え、基布10に対して試験装置に固定した一端から200mm又は500mmの位置に印を付ける。このときの200mm又は500mmの長さをL0とする。次に、基布10に所定の荷重(14.7N)を加えて1時間保持した後の印間の長さL1を測定する。次に、所定の荷重を取り除き、30秒後または1時間後に上記初荷重を加えて印間の長さL2を測定する。これらの測定結果から、((L1-L2)/(L1-L0))×100の値を求めることで伸長弾性率を算出できる。
また、本第1の実施形態では、基布10の織物組織は、平織組織または変形平織組織である。これにより、基布10の強度の向上と軽量化とを実現できる。変形平織組織とは、リップストップ組織である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、保持層20にシランカップリング剤が添加された樹脂層を用いている点で第1の実施形態と異なる。その他については第1の実施形態と同じである。シランカップリング剤の添加量は、例えば保持層20全体において0.1wt%(重量パーセント)以上2.0wt%(重量パーセント)以下である。
シランカップリング剤として、例えばビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、スチリル系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、イソシアヌレート系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤、および酸無水物系シランカップリング剤が挙げられる。
ビニル系シランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラン、およびビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。エポキシ系シランカップリング剤として、2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。スチリル系シランカップリング剤として、p-スチリルトリメトキシシラン等が挙げられる。メタクリル系シランカップリング剤として、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。アクリル系シランカップリング剤として、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ系シランカップリング剤として、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1、3-ジメチル-ブチルデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。イソシアヌレート系シランカップリング剤として、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。メルカプト系シランカップリング剤として、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。イソシアネート系シランカップリング剤として、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。酸無水物系シランカップリング剤として、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
本第2の実施形態では、保持層20は、シランカップリング剤が添加された樹脂層であり、ガラスビーズ30の表面の一部が露出するようにガラスビーズ30を保持している。シランカップリング剤が添加されていない保持層20を用いた場合では、基布10が繊維束繊度50デニール以下の糸で形成されて薄くなったことに伴って保持層20が薄くなり且つガラスビーズ30が小さくなることで、保持層20とガラスビーズ30の接着強度が低下してしまう。このため、例えば洗濯を複数回実施することで、ガラスビーズ30が保持層20から剥離してしまうことがある。これに対し、シランカップリング剤が添加された保持層20を用いることで、シランカップリング剤がガラスビーズ30と保持層20とを繋ぎ合わせる作用をするため、ガラスビーズ30と保持層20との接着強度が向上する。よって、洗濯を複数回実施した場合でも、ガラスビーズ30が保持層20から剥離することが抑制され、洗濯耐性が向上する。
また、本第2の実施形態では、シランカップリング剤の添加量は0.1wt%以上2.0wt%以下である。シランカップリング剤を0.1wt%以上添加することで、ガラスビーズ30の剥離を抑制できる。シランカップリング剤を2.0wt%より多く添加してもガラスビーズ30の剥離抑制の効果の向上は期待できず、シランカップリング剤を多く含むことでブリードして未硬化状態となってしまう。ガラスビーズ30の剥離を抑制する点から、シランカップリング剤の添加量は0.3wt%以上が好ましく、0.5wt%以上がより好ましく、0.8wt%以上が更に好ましい。ブリードによる未硬化状態の発生を抑制する点から、シランカップリング剤の添加量が1.5wt%以下が好ましく、1.2wt%以下がより好ましく、1.0wt%以下が更に好ましい。
[第3の実施形態]
図3(a)および図3(b)は、第3の実施形態に係る衣類200を示す図である。図3(a)は、衣類200を前から見た図であり、図3(b)は、衣類200を後から見た図である。図3(a)および図3(b)に示すように、本第3の実施形態に係る衣類200は、襟付きシャツであり、前側部分の一部と後側部分の一部と袖部分の一部とに第1の実施形態に係る再帰性反射布100が設けられている。衣類200の前側部分には、例えば再帰性反射布100によりABの文字が形成され、後側部分および袖部分には、例えば再帰性反射布100により直線模様が形成されている。しかしながら、このような場合に限られず、再帰性反射布100によって平仮名、カタカナ、漢字、数字、および図柄等の様々な態様が形成されてもよい。
本第3の実施形態によれば、衣類200は第1の実施形態に係る再帰性反射布100を備える。これにより、衣類200を着用した場合に、再帰性反射の効果を得つつ、着心地の不快感を抑えることができる。
なお、上記第3の実施形態では、衣類200が襟付きシャツである場合を例に示したが、ジャケット、ズボン等、その他の場合でもよい。また、衣類200の前側部分と後側部分と袖部分それぞれの一部に再帰性反射布100が用いられている場合を例に示したが、衣類200の少なくとも一部に再帰性反射布100が用いられていればよく、例えば衣類200の全部に再帰性反射布100が用いられていてもよい。
なお、上記第3の実施形態では、衣類200の少なくとも一部に第1の実施形態に係る再帰性反射布100が設けられている場合を例に示したが、第1の実施形態に係る再帰性反射布100の代わりに第2の実施形態に係る再帰性反射布が設けられている場合でもよい。
以下、本願発明を実施例によって具体的に説明する。実施例に係る再帰性反射布は以下の材料を用い製造した。
[実施例1]
基布10:繊維束繊度が50デニールのポリアミド系合成繊維を用いて形成した。厚みは90μmであった。
保持層20:シランカップリング剤を添加していないポリウレタン系接着剤からなる樹脂を用いて形成した。保持層20の厚さは20μmであった。
ガラスビーズ30:直径30μmの酸化シリコンからなるガラスビーズを用いた。
[実施例2]
基布10:繊維束繊度が50デニールのポリアミド系合成繊維を用いて形成した。厚みは90μmであった。
保持層20:アミノ系シランカップリング剤(MOMENTVE製:シルクウエストA-LINK25)を1.0wt%添加したポリウレタン系接着剤からなる樹脂を用いて形成した。保持層20の厚さは20μmであった。
ガラスビーズ30:直径30μmの酸化シリコンからなるガラスビーズを用いた。
実施例1および実施例2の再帰性反射布に対して洗濯耐性の試験を行った。洗濯試験はISO 6330:2012に準じた方法により行った。図4は、実施例1および実施例2に係る再帰性反射布の洗濯試験の結果である。図4に示すように、実施例1に係る再帰性反射布は、3回の洗濯によって表面がまだら模様となった。これは、ガラスビーズ30が保持層20から剥離したためと考えられる。一方、実施例2に係る再帰性反射布は、5回の洗濯を行っても、10回の洗濯を行っても表面状態に変化はほとんど見られなかった。このことから、実施例2に係る再帰性反射布では、ガラスビーズ30の剥離が抑制されていると考えられる。
図5は、実施例1および実施例2に係る再帰性反射布の洗濯後の反射面積割合の変化について調べた結果である。反射面積割合は、反射状況を二値化処理することにより求めた。図5に示すように、実施例1に係る再帰性反射布は、洗濯を行う前の反射面積を100%とした場合に、10回の洗濯を実施した後の反射面積は49.5%であった。一方、実施例2に係る再帰性反射布は、洗濯を行う前の反射面積を100%とした場合に、10回の洗濯を実施した後の反射面積は99.99%であった。したがって、実施例1に係る再帰性反射布はガラスビーズ30が保持層20から剥離しているのに対し、実施例2に係る再帰性反射布はガラスビーズ30のほとんどが保持層20から剥離せずに保持されたままであることが分かる。
このように、ガラスビーズ30を保持する保持層20をシランカップリング剤が添加された樹脂層とすることで、ガラスビーズ30と保持層20の接着強度が向上し、洗濯によるガラスビーズ30の剥離を抑制でき、洗濯耐性が向上することが確認された。
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基布
20 保持層
30 ガラスビーズ
100 再帰性反射布
200 衣類

Claims (8)

  1. 繊維束繊度が50デニール以下の糸で形成された布からなる基布と、
    前記基布上に設けられた複数のガラスビーズと、
    前記基布の表面に設けられ、前記複数のガラスビーズを保持する保持層と、を備える再帰性反射布。
  2. 前記基布の目付は70g/m以下である、請求項1に記載の再帰性反射布。
  3. 前記複数のガラスビーズの直径は20μm以上60μm以下であり、
    前記保持層の厚さは20μm以上40μm以下である、請求項1または2に記載の再帰性反射布。
  4. 前記保持層は、シランカップリング剤が添加された樹脂層であり、前記複数のガラスビーズの表面の一部が露出するように前記複数のガラスビーズを保持する、請求項1から3のいずれか一項に記載の再帰性反射布。
  5. 前記シランカップリング剤の添加量は0.1重量パーセント以上2.0重量パーセント以下である、請求項4に記載の再帰性反射布。
  6. 前記基布は、ポリアミド系合成繊維もしくはポリエステル系合成繊維の少なくとも一方の繊維が使用され、経糸もしくは緯糸の少なくとも一方が仮撚加工されたマルチフィラメントにより形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の再帰性反射布。
  7. 前記基布の織物組織は、平織組織または変形平織組織である、請求項1から6のいずれか一項に記載の再帰性反射布。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の再帰性反射布を備える衣類。
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