JP2023116055A - 車両側部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】フロアに設けられた貫通孔からロッカの上面に落下した異物を排出可能とする。【解決手段】車両１００の両側端部に配置されて車両前後方向に延びる一対のロッカ１６と、ロッカ１６の上側に配置された左フロアパネル２１と、を含む車両側部構造２００であって、左フロアパネル２１には、車両上下方向に貫通する貫通孔２２が設けられ、ロッカ１６は、貫通孔２２の下側で車両幅方向外側の角部に、車両幅方向斜め下外側に傾斜した傾斜面１６ｆを有する。【選択図】図３
Description
本発明は、車両側部構造、特に、車両の両側端部に配置されて車両前後方向に延びるロッカの構造に関する。
側面にスライドドアを有し、車両の側方に向かってスロープを展開する車両が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
このようなスライドドアを有する車両では、スライドドアは車両のセンターピラーやリアピラーと係合してロックされる場合が多い（例えば、特許文献２参照）。
ところで、近年、スライドドアを車両のフロアにロックする構造が検討されている。この場合、スライドドアにロック機構を取り付け、フロアパネルにロック機構のフックの先端が挿入される貫通孔が設けられることがある。この構造の場合、貫通孔から異物が下側に落下し、フロアパネルの下側に配置されたロッカの上面に溜まってしまう場合がある。
そこで、本発明は、フロアに設けられた貫通孔からロッカの上面に落下した異物を排出可能とすることを目的とする。
本発明の車両側部構造は、車両の両側端部に配置されて車両前後方向に延びる一対のロッカと、前記ロッカの上側に配置されたフロアパネルと、を含む車両側部構造であって、前記フロアパネルには、車両上下方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ロッカは、前記貫通孔の下側で車両幅方向外側の角部に、車両幅方向斜め下外側に傾斜した傾斜面を有すること、を特徴とする。
このように、貫通孔の下側のロッカの車両幅方向外側の角部に、車両幅方向斜め下外側に傾斜した傾斜面を設けることにより、貫通孔からロッカの上面に落下した水や小石等の異物をロッカの車両幅方向斜め下外側に排出することができる。これにより、貫通孔から落下した異物がロッカの上面に滞留することを抑制できる。
本発明の車両側部構造において、前記貫通孔と前記傾斜面とは、車両上面視で少なくとも一部が重なっていてもよい。
これにより、貫通孔から落下した異物を傾斜面に沿って排出することができる。
本発明の車両側部構造において、前記フロアパネルの車両幅方向外側端の上側に配置されて車両前後方向にスライドするスライドドアと、前記フロアパネルの下面と前記ロッカの上面との間の空間をスロープ板が出入りするように前記フロアパネルの下側に配置されたスロープ装置と、を含み、前記スライドドアは、フックの先端を前記フロアパネルの上面から前記貫通孔に挿入して前記スライドドアを前記フロアパネルにロックするロック機構を備えてもよい。
これにより、スライドドアのロック機構のフックの先端が挿入される貫通孔からロッカの上面に落下した異物をロッカの車両幅方向斜め下外側に排出し、スロープ板が出入りするフロアパネルの下面とロッカの上面との間に異物が滞留することを抑制し、スロープ板の出入りに不具合が発生することを抑制できる。
本発明の車両側部構造において、前記フロアパネルの下面と前記ロッカの上面との間の空間と、前記ロッカの前記傾斜面と、を車両幅方向外側から覆う蓋を備えてもよい。
これにより、車両側面の意匠性を確保することができる。
本発明は、フロアに設けられた貫通孔からロッカの上面に落下した異物を排出可能にできる。
以下、図面を参照しながら実施形態の車両側部構造２００について説明する。最初に、車両側部構造２００を備える車両１００について説明する。尚、各図に示す矢印ＦＲ、矢印ＵＰ、矢印ＬＨは、車両１００の前方向（進行方向）、上方向、左方向をそれぞれ示している。また、各矢印ＦＲ、ＵＰ、ＬＨの反対方向は、車両後方向、下方向、右方向を示す。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向（車両幅方向）の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
図１に示すように、車両１００は、ボデー１０と、ボデー１０の左側面に設けられたドア開口１１と、ドア開口１１を開放、閉止するスライド式の左右２枚のスライドドア１２と、を備えている。ボデー１０は乗客が搭乗するフロア１３を備えている。フロア１３は、前方フロア１４と、後方フロア１５と中央フロア４０とで構成されている。中央フロア４０は、車両左側の左側フロア２０と、車両右側の右側フロア３０とで構成されている。左側フロア２０はフロアクロスメンバ（図示せず）の上に複数の左フロアパネル２１を組付けたものである。同様に、右側フロア３０はフロアクロスメンバ（図示せず）の上に複数の右フロアパネル３１を組付けたものである。
スライドドア１２は、左フロアパネル２１の車両幅方向外側端である左側端部の上側に配置されている。２枚のスライドドア１２の車両前後方向中央部の下端には、それぞれ左フロアパネル２１の左側端部にロックするロック機構６０が取付けられている。また、左フロアパネル２１の下側には、スロープ装置５０が取付けられている。
図２は、車両１００が停止して、矢印９１に示すようにスライドドア１２を開けて、ドア開口１１を開放するとともに、スロープ装置５０からスロープ板５１を繰り出した状態を示している。左側フロア２０の左側端の左フロアパネル２１の車両前後方向中央部には、スライドドア１２に取り付けられたロック機構６０のフック６１（図３参照）の先端が挿入される貫通孔２２が露出している。貫通孔２２は、左フロアパネル２１を車両上下方向に貫通する。
次に図３、４を参照しながら車両側部構造２００について説明する。図３に示すように、実施形態の車両側部構造２００は、ロッカ１６と、左フロアパネル２１と、ロック機構６０を備えるスライドドア１２と、スロープ装置５０と、蓋５３とを含んでいる。
図３に示すように、ロッカ１６は、車両１００の左側端部に配置されて車両前後方向に延びる車両１００の構造部材である。図示は省略するが車両１００は、右側端部にも同様にロッカ１６が配置されている。従って、ロッカ１６は車両１００の両側端部に配置されている。
ロッカ１６は、車両幅方向内側に向かって開の溝型断面部材で、側板１６ｂと、側板１６ｂの上端から車両幅方向内側に向かって延びる上フランジ１６ａと、側板１６ｂの下端から車両幅方向内側に向かって斜め下方向に延びる下フランジ１６ｄと、下フランジ１６ｄの下端から車両下方向に延びる下リップ１６ｅとで構成されている。ロッカ１６の車両幅方向外側は、車両１００の側面下部の意匠面を構成するロッカモール１７で覆われている。
左フロアパネル２１は、ロッカ１６の上側に配置されており、左フロアパネル２１の下面とロッカ１６の上面との間には、スロープ装置５０が配置されている。スロープ装置５０は、図示しない駆動装置によってスロープ板５１を図３中の矢印９４に示すように、車両側方に向かって展開すると共に、スロープ装置５０の中に収納する。スロープ板５１は、左フロアパネル２１の下面とロッカ１６の上面との間の空間１８を通って図２に示すように車両１００の側方に展開する。図３に示すように、スロープ板５１が通る空間１８は、開閉可能な蓋５３で車両幅方向外側から覆われている。蓋５３は、図示しないリンク機構でロッカ１６に取り付けられており、スロープ板５１を展開する際には、図３中に一点鎖線で示すように、回転しながら下方に移動して空間１８を露出させる。蓋５３は、スライドドア１２の下端とロッカモール１７を接続し、車両側面の意匠面を構成する。
ロック機構６０は、スライドドア１２の下端に取付けられたフック６１と、左側端の左フロアパネル２１に取付けられたストライカ６２とで構成されている。フック６１は、スライドドア１２の下端の回転軸６３の周りに回転自在に取付けられている。左フロアパネル２１には、フック６１の先端が挿入される貫通孔２２が設けられている。ストライカ６２は、上に凸のＵ字型の部材でストライカプレート２５の上側に取付けられている。ストライカプレート２５は、ストライカ６２が貫通孔２２の中に配置されるように左フロアパネル２１の下側に取付けられている。
スライドドア１２が閉となると、フック６１は図３中に一点鎖線で示す位置から矢印９３に示すように時計回り方向に回転する。そして、先端が左フロアパネル２１の上面から貫通孔２２の中に入り込み、先端部分がストライカ６２に係合してスライドドア１２を左フロアパネル２１にロックする。また、スライドドア１２が閉になると、スライドドア１２の内側の下端に取付けられているシールリップ２６が左フロアパネル２１の左端部に接触してスライドドア１２と左フロアパネル２１との間をシールする。
図３、４に示すように、ロッカ１６は、左フロアパネル２１に設けられて車両上下方向に貫通する貫通孔２２の下側の位置に、上フランジ１６ａと側板１６ｂとの間を斜めに接続する傾斜部１６ｃを備えている。傾斜部１６ｃは、ロッカ１６の車両幅方向外側の上フランジ１６ａと側板１６ｂとの交差する角部に設けられており、傾斜部１６ｃの表面は、貫通孔２２の下側で車両幅方向斜め下外側に傾斜した傾斜面１６ｆを構成する。また、傾斜部１６ｃは、貫通孔２２と車両上面視で少なくとも一部が重なるように配置されている。
図２、図４に示すように、スライドドア１２を開放すると、左フロアパネル２１の貫通孔２２が露出する。貫通孔２２は、左フロアパネル２１を車両上下方向に貫通するから、貫通孔２２から水や小石等の異物が下に落ちる場合がある。一方、ロッカ１６の傾斜部１６ｃは、貫通孔２２と車両上面視で少なくとも一部が重なるように配置されている。このため、貫通孔２２から下に落下した異物は、図３中の矢印９７、図４中の矢印９８に示すように、ロッカ１６の傾斜部１６ｃの傾斜面１６ｆに沿って車両幅方向斜め下外側に向かってロッカ１６の下に落下する。これにより、貫通孔２２から落下した異物がロッカ１６の上面に滞留することを抑制できる。また、スロープ板５１が出入りする左フロアパネル２１の下面とロッカ１６の上面との間の空間１８に異物が滞留することを抑制し、スロープ板５１の出入りに不具合が発生することを抑制できる。
以上説明した実施形態の車両側部構造２００では、車両側部構造２００は、ロッカ１６と、左フロアパネル２１と、ロック機構６０を備えるスライドドア１２と、スロープ装置５０と、蓋５３とを含むとして説明したが、これに限らない。例えば、車両上下方向に貫通する貫通孔２２を有する左フロアパネル２１と、左フロアパネル２１の下側に配置されて車両幅方向外側の角部に傾斜面１６ｆを有するロッカ１６とで構成されるようにしてもよい。これにより、貫通孔２２から落下した異物がロッカ１６の上面に滞留することを抑制できる。
１０ ボデー、１１ ドア開口、１２ スライドドア、１３ フロア、１４ 前方フロア、１５ 後方フロア、１６ ロッカ、１６ａ 上フランジ、１６ｂ 側板、１６ｃ 傾斜部、１６ｄ 下フランジ、１６ｅ 下リップ、１６ｆ 傾斜面、１７ ロッカモール、１８ 空間、２０ 左側フロア、２１ 左フロアパネル、２２ 貫通孔、２５ ストライカプレート、２６ シールリップ、３０ 右側フロア、３１ 右フロアパネル、４０ 中央フロア、５０ スロープ装置、５１ スロープ板、５３ 蓋、６０ ロック機構、６１ フック、６２ ストライカ、６３ 回転軸、１００ 車両、２００ 車両側部構造。
Claims (4)
- 車両の両側端部に配置されて車両前後方向に延びる一対のロッカと、
前記ロッカの上側に配置されたフロアパネルと、を含む車両側部構造であって、
前記フロアパネルには、車両上下方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記ロッカは、前記貫通孔の下側で車両幅方向外側の角部に、車両幅方向斜め下外側に傾斜した傾斜面を有すること、
を特徴とする車両側部構造。 - 請求項１に記載の車両側部構造であって、
前記貫通孔と前記傾斜面とは、車両上面視で少なくとも一部が重なっていること、
を特徴とする車両側部構造。 - 請求項２に記載の車両側部構造であって、
前記フロアパネルの車両幅方向外側端の上側に配置されて車両前後方向にスライドするスライドドアと、
前記フロアパネルの下面と前記ロッカの上面との間の空間をスロープ板が出入りするように前記フロアパネルの下側に配置されたスロープ装置と、を含み、
前記スライドドアは、フックの先端を前記フロアパネルの上面から前記貫通孔に挿入して前記スライドドアを前記フロアパネルにロックするロック機構を備えること、
を特徴とする車両側部構造。 - 請求項３に記載の車両側部構造であって、
前記フロアパネルの下面と前記ロッカの上面との間の空間と、前記ロッカの前記傾斜面と、を車両幅方向外側から覆う蓋を備えること、
を特徴とする車両側部構造。
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