JP2023115630A - 光学積層体 - Google Patents

光学積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP2023115630A
JP2023115630A JP2022017964A JP2022017964A JP2023115630A JP 2023115630 A JP2023115630 A JP 2023115630A JP 2022017964 A JP2022017964 A JP 2022017964A JP 2022017964 A JP2022017964 A JP 2022017964A JP 2023115630 A JP2023115630 A JP 2023115630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
group
optically anisotropic
liquid crystal
anisotropic layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022017964A
Other languages
English (en)
Inventor
敏幸 上野
Toshiyuki Ueno
伸行 幡中
Nobuyuki Hatanaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2022017964A priority Critical patent/JP2023115630A/ja
Priority to PCT/JP2022/047616 priority patent/WO2023153098A1/ja
Publication of JP2023115630A publication Critical patent/JP2023115630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】光学異方性層を備える長尺状の光学積層体であって、ロール状態にした場合であってもブロッキングを生じにくい光学積層体を提供する。【解決手段】長尺状の光学積層体であって、基材層とその一方面上に配置される光学異方性層とを含み、基材層における光学異方性層とは反対側の表面と、光学異方性層における基材層とは反対側の表面との動摩擦係数が0.7以下である光学積層体が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体に関する。
液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に代表される画像表示装置では、光学補償を目的として、あるいは外光の反射による視認性の低下を抑制するために、直線偏光板と位相差層とを含む円偏光板を用いて反射防止性能を向上させることが知られている〔例えば、特開2020-134934号公報(特許文献1)〕。位相差層として、重合性液晶化合物の硬化物層である液晶硬化位相差層を用いることがある。
特開2020-134934号公報
円偏光板の製造に用いられるフィルム部材は、通常、長尺フィルムのロール(巻回物)として用意される。上記フィルム部材としては、上記位相差層を備える光学積層体が挙げられる。
本発明の目的は、光学異方性層を備える長尺状の光学積層体であって、ロール状態にした場合であってもブロッキング(フィルム同士の貼り付き)を生じにくい光学積層体を提供することにある。
本発明は、以下の光学積層体を提供する。
[1] 長尺状の光学積層体であって、
前記光学積層体は、基材層と、その一方面上に配置される光学異方性層とを含み、
前記基材層における前記光学異方性層とは反対側の表面と、前記光学異方性層における前記基材層とは反対側の表面との動摩擦係数が0.7以下である、光学積層体。
[2] 前記基材層における前記光学異方性層とは反対側の表面の最大高低差Szが500nm以下である、[1]に記載の光学積層体。
[3] 前記光学異方性層がフッ素原子又はケイ素原子を含有するポリマー成分を含む、[1]又は[2]に記載の光学積層体。
[4] 前記光学異方性層が逆波長分散性を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の光学積層体。
[5] 前記光学異方性層は、波長550nmの光に対する面内位相差値が100nm以上160nm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の光学積層体。
[6] 前記光学異方性層が、前記基材層の長尺方向に対して斜め方向の光軸を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の光学積層体。
[7] 前記光学異方性層は、厚みが0.1μm以上5μm以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の光学積層体。
[8] 前記基材層が(メタ)アクリル系樹脂層を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の光学積層体。
[9] 前記基材層と前記光学異方性層との間に配向層をさらに含み、
前記配向層は、光反応性基を含む光配向性ポリマーからなる光配向膜である、[1]~[8]のいずれかに記載の光学積層体。
光学異方性層を備える長尺状の光学積層体であって、ロール状態にした場合であってもブロッキングを生じにくい光学積層体を提供することができる。
光学積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。 光学積層体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。 巻きズレ量を模式的に説明する断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下のすべての図面は、本発明の理解を助けるために示すものであり、図面に示される各構成要素のサイズや形状は、実際の構成要素のサイズや形状とは必ずしも一致しない。
<光学積層体>
(1)光学積層体の構成
図1は、本発明に係る光学積層体(以下、単に「光学積層体」ともいう。)の層構成の一例を示す概略断面図である。図1に示される光学積層体1は、基材層10と、その一方面上に配置される光学異方性層(以下、「位相差層」ともいう。)11とを含む。基材層10と光学異方性層11との間に配向層12が介在していてもよい。光学異方性層11と配向層12とは通常接している。
図2は、光学積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。図2に示される光学積層体2のように、光学積層体は、基材層10と光学異方性層11との間にプライマー層13をさらに含んでいてもよい。
光学積層体は、長尺状(帯状)の積層フィルムである。光学積層体の長さは、例えば500m以上20000m以下であり、800m以上15000m以下であってもよい。光学積層体の幅は、例えば0.5m以上3m以下であり、0.8m以上2m以下であってもよい。
光学積層体は、例えば、円偏光板を製造するための部材として用いることができる。円偏光板は、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置に適用することができる。円偏光板は通常、液晶表示素子、有機EL表示素子等の画像表示素子の視認側に配置される。なお、用語「円偏光板」は、楕円偏光板を含む。
基材層10における光学異方性層11とは反対側の表面Aと、光学異方性層11における基材層10とは反対側の表面Bとの動摩擦係数は、0.7以下である。動摩擦係数が上記範囲であることにより、長尺状の光学積層体をロール状態で置いたときに生じ得る表面Aと表面Bとが貼り付く現象であるブロッキングを防止又は抑制することができる。ブロッキングは、概して、ロールが高温下又は高温高湿下に置かれるときに生じやすいが、本発明に係る光学積層体によれば、このような環境下においてもブロッキングを防止又は抑制することが可能である。
ここで、ロール状態とは、基材層10における光学異方性層11とは反対側の表面Aと、光学異方性層11における基材層10とは反対側の表面Bとが接するように巻回しされて巻回体となった状態を意味する。
ブロッキングをより効果的に防止又は抑制する観点から、上記動摩擦係数は、好ましくは0.68以下、より好ましくは0.65以下、さらに好ましくは0.60以下、なおさらに好ましくは0.58以下、特に好ましくは0.55以下である。上記動摩擦係数は、通常0.2以上であり、0.3以上であってもよい。
上記動摩擦係数は、JIS K7125:1999に準拠して測定される。本明細書において動摩擦係数は、25℃における動摩擦係数である。
基材層10における光学異方性層11とは反対側の表面Aの最大高低差Szは、500nm以下であることが好ましい。表面Aの最大高低差Szが上記範囲であることは、長尺状の光学積層体をロール状態で置いたときに生じ得る巻きズレを防止又は抑制するうえで有利である。巻きズレとは、所期の巻き姿でロール状態に巻き、置いておくと、次第にロール形状が崩れて幅方向両短辺の位置が所期の位置からずれてしまう現象をいう。
図3は、巻きズレ量を模式的に説明する、ロール状態の光学積層体の断面図である。図3において、長尺状の光学積層体100は、巻芯200に巻回されている。巻きズレ量105とは、所期の位置101と、巻きズレが生じている幅方向両短辺の位置のうち所期の位置101との距離が最大となる位置102との距離をいう。なお、巻回された光学積層体の最も外側の層に所期の位置101との距離が最大となる位置102が存在するとは限らず、内部の層に位置102が存在することもあり得る。
巻きズレをより効果的に防止又は抑制する観点から、上記最大高低差Szは、より好ましくは450nm以下、さらに好ましくは400nm以下、なおさらに好ましくは390以下、特に好ましくは350nm以下である。上記最大高低差Szは、通常50nm以上であり、100nm以上であってもよい。
表面Aの最大高低差Szは、非接触表面形状計測装置を用いて測定することができる。94μm×70μmの測定視野から任意の5ヶ所を選択し、該5ヶ所における最大高低差を測定したときのこれらの測定値の平均値を表面Aの最大高低差Szとする。本明細書において、最大高低差とは、表面Aにおける最も高い点と最も低い点との高さ方向の距離として定義される。
以下、光学積層体を構成する又は構成し得る要素について詳細に説明する。
(2)基材層
基材層10としては、熱可塑性樹脂から形成される透光性(好ましくは光学的に透明な)フィルムを用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;シクロ系及びノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂ともいう);(メタ)アクリル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、並びにこれらの混合物が挙げられる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルのいずれでもよいことを意味する。(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル等の「(メタ)」も同様の意味である。
中でも、加工性の観点から、基材層10を構成する熱可塑性樹脂は、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択されることが好ましく、環状ポリオレフィン樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選択されることがより好ましい。1つの好ましい実施形態において、基材層10は(メタ)アクリル系樹脂層を含み、基材層10は(メタ)アクリル系樹脂層からなっていてもよい。
基材層10は、位相差を有しないか、位相差値が小さいフィルムであることが好ましい。具体的には、基材層10の波長550nmにおける面内位相差値は、0nm以上10nm以下であることが好ましく、波長550nmにおける厚み方向の位相差値は、-10nm以上+10nm以下であることが好ましい。基材層10はさらに光学異方性層11との間にプライマー層13を有していてもよい。
基材層10の厚みは、実用的な取り扱いができる点では、薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。基材層10の厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、30μm以上であってもよい。基材層10の厚みは、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下、なおさらに好ましくは60μm以下であり、50μm以下であってもよい。
基材層10は、添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、フィラー、顔料、及び着色剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂を含む基材層10は、フィラーとしてのゴム粒子を含むことができる。ゴム粒子を含むことにより、基材層10の靱性を高めることができる。また、該ゴム粒子は、後述する表面Aに凹凸を付与する処理に用いるフィラーとなり得る。
ゴム粒子は、ゴム弾性を示す層を含むゴム弾性体粒子である。ゴム粒子は、ゴム弾性を示す層のみからなる粒子であってもよいし、ゴム弾性を示す層とともに他の層を有する多層構造の粒子であってもよい。ゴム弾性体としては、例えば、オレフィン系弾性重合体、ジエン系弾性重合体、スチレン-ジエン系弾性共重合体、アクリル系弾性重合体等が挙げられる。中でも、基材層10の耐光性及び透明性の観点から、アクリル系弾性重合体が好ましく用いられる。
アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルを主体とする、すなわち、全モノマー量を基準にアクリル酸アルキル由来の構成単位を50質量%以上含む重合体であることができる。アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルの単独重合体であってもよいし、アクリル酸アルキル由来の構成単位を50質量%以上と、他の重合性モノマー由来の構成単位を50質量%以下含む共重合体であってもよい。
アクリル系弾性重合体を構成するアクリル酸アルキルとしては、通常、そのアルキル基の炭素数が4~8のものが用いられる。
上記他の重合性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキル;スチレン、アルキルスチレン等のスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル等の単官能モノマー、さらには、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリル等の不飽和カルボン酸のアルケニルエステル;マレイン酸ジアリル等の二塩基酸のジアルケニルエステル;アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル等の多官能モノマーが挙げられる。
アクリル系弾性重合体を含むゴム粒子は、アクリル系弾性重合体の層を有する多層構造の粒子であることが好ましい。具体的には、アクリル系弾性重合体の層の外側にメタクリル酸アルキルを主体とする硬質の重合体層を有する二層構造のものや、さらにアクリル系弾性重合体の層の内側にメタクリル酸アルキルを主体とする硬質の重合体層を有する三層構造のものが挙げられる。メタクリル酸アルキルは、好ましくはメタクリル酸メチルである。
ゴム粒子は、その中に含まれるゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)までの平均粒径が10nm以上350nm以下の範囲にあることが好ましい。該平均粒径は、より好ましくは30nm以上、さらには50nm以上であり、またより好ましくは320nm以下、さらには300nm以下である。
ゴム粒子におけるゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)までの平均粒径は、次のようにして測定することができる。すなわち、このようなゴム粒子を(メタ)アクリル系樹脂に混合してフィルム化し、その断面を酸化ルテニウムの水溶液で染色すると、ゴム弾性体層だけが着色してほぼ円形状に観察され、母層の(メタ)アクリル系樹脂は染色されない。そこで、このようにして染色されたフィルム断面から、ミクロトーム等を用いて薄片を調製し、これを電子顕微鏡で観察する。そして、無作為に100個の染色されたゴム粒子を抽出し、各々の粒子径(ゴム弾性体層までの径)を算出した後、その数平均値を上記平均粒径とする。このような方法で測定するため、得られる上記平均粒径は、数平均粒径となる。
最外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体であり、その中にゴム弾性体層(アクリル系弾性重合体の層)が包み込まれているゴム粒子である場合、それを母体の(メタ)アクリル系樹脂に混合すると、ゴム粒子の最外層が母体の(メタ)アクリル系樹脂と混和する。そのため、その断面を酸化ルテニウムで染色し、電子顕微鏡で観察すると、ゴム粒子は、最外層を除いた状態の粒子として観察される。具体的には、内層がアクリル系弾性重合体であり、外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体である二層構造のゴム粒子である場合には、内層のアクリル系弾性重合体部分が染色されて単層構造の粒子として観察される。また、最内層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体であり、中間層がアクリル系弾性重合体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主体とする硬質の重合体である三層構造のゴム粒子の場合には、最内層の粒子中心部分が染色されず、中間層のアクリル系弾性重合体部分のみが染色された二層構造の粒子として観察されることになる。
ゴム粒子の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは10質量部以上45質量部以下、より好ましくは15質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは15質量部以上35質量部以下である。
基材層10の表面Aは、上記動摩擦係数が上記範囲内となるように、さらに、好ましくは上記最大高低差Szが上記範囲内となるように表面処理されていることが好ましい。表面処理としては、例えば、基材層10にフィラーを含有させることによって表面Aに凹凸を付与する処理、離型処理、ブラスト処理、エンボス処理等が挙げられる。2種以上の表面処理を組み合わせてもよい。離型処理は、離型性を有する成分をコーティングする離型層を形成する処理であり、離型性を有する成分としては、例えば、フッ素化合物、シリコーン化合物等が挙げられる。
フィラーによる凹凸を付与する処理、ブラスト処理及びエンボス処理は、動摩擦係数を小さくさせ、Szを大きくさせる傾向にある。離型処理は、動摩擦係数を小さくさせ、Szを小さくさせる傾向にある。
(3)プライマー層
図2に示されるように、光学積層体は、基材層10と光学異方性層11との間にプライマー層13をさらに含んでいてもよい。プライマー層13は、通常、基材層10における光学異方性層11側の表面に直接積層される。プライマー層13の形成により、基材層10と配向層12との密着性向上、基材層の硬度向上、配向層の配向性向上、配向層用組成物の塗工性向上(ハジキ抑制)等を図り得る。
プライマー層13の主成分としては、エポキシポリマー、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、ポリイミドポリマー、アラミドポリマー等が挙げられる。ポリマー成分を溶媒に溶解させたプライマー組成物を基材上に塗布して乾燥することにより形成するか、もしくは重合性材料を含むプライマー組成物を基材上に塗布して、活性エネルギー線又は熱エネルギーを照射して硬化させることで形成することができる。
プライマー組成物としては、エポキシポリマー、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、ポリイミドポリマー、アラミドポリマー等を含むものが挙げられる。
プライマー組成物は、溶剤、添加剤等をさらに含むことができる。添加剤としては、無機粒子、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、帯電防止剤、潤滑剤、防汚剤等が挙げられる。
プライマー層13の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは3μm以上であり、4μm以上であってもよい。また、プライマー層13の厚みは、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
(4)光学異方性層及び配向層
光学異方性層(位相差層)11は、重合性液晶化合物を含む組成物(以下、「位相差層形成用組成物」ともいう。)を透明基材上に塗布形成し、重合性液晶化合物の配向した重合体からなる層である。
光学異方性層11は、通常、重合性液晶化合物が配向した状態で硬化した層であり、視認面内で位相差を生じるためには、重合性液晶化合物が基材面に対して水平方向に配向した状態で重合性基が重合した硬化膜である必要がある。この際、重合性液晶化合物が棒状の液晶である場合にはポジティブAプレートであればよく、重合性液晶化合物が円盤状の液晶であればネガティブAプレートであればよい。また、棒状の液晶にカイラル剤等を添加して螺旋配向としていてもよい。
光学異方性層11は、λ/4層、λ/2層、又はポジティブC層であることが好ましい。光学異方性層11は、2層以上の光学異方性層を含んでいてもよい。2層以上の光学異方性層の組み合わせとしては、例えば、λ/4層とλ/2層との組み合わせ、λ/4層とポジティブC層との組み合わせ等が挙げられる。光学異方性層11が2層以上の光学異方性層を含む場合、光学異方性層11は、これらの光学異方性層を互いに貼合するための貼合層(粘着剤層又は接着剤層)を含んでいてもよい。
光学異方性層11は、波長λnmの光に対する面内位相差であるRe(λ)が、下記式(1)に示される光学特性を満たすことが好ましく、下記式(1)、下記式(2)及び下記式(3)で示される光学特性を満たすことが好ましい。
100nm<Re(550)<160nm ・・・(1)
(式中、Re(550)は波長550nmの光に対する面内位相差値(面内リタデーション)を表す。)
Re(450)/Re(550)≦1.0 ・・・(2)
1.00≦Re(650)/Re(550) ・・(3)
(式中、Re(450)は波長450nmの光に対する面内位相差値を、Re(550)は波長550nmの光に対する面内位相差値を、Re(650)は波長650nmの光に対する面内位相差値を表す。)
光学異方性層11は、逆波長分散性を有することが好ましく、具体的には、式(2)及び式(3)を満たすことが好ましい。光学異方性層11の「Re(450)/Re(550)」が1.0を超えると、当該光学異方性層を備える楕円偏光板での短波長側での光抜けが大きくなる。好ましくは、0.7以上1.0以下、より好ましくは0.80以上0.95以下、さらに好ましくは0.80以上0.92以下、特に好ましくは0.82以上0.88以下である。「Re(450)/Re(550)」の値は重合性液晶化合物の混合比率や複数の光学異方性層11の積層角度や位相差値を調整することで任意に調整することが可能である。
光学異方性層11の面内位相差値は、光学異方性層11の厚みによって調整することができる。面内位相差値は下記式(4)によって決定されることから、所望の面内位相差値(Re(λ))を得るには、Δn(λ)と膜厚dとを調整すればよい。光学異方性層11の厚みは、干渉膜厚計、レーザー顕微鏡又は触針式膜厚計により測定することができる。なお、Δn(λ)は、後述する重合性液晶化合物の分子構造に依存する。
Re(λ)=d×Δn(λ) ・・・(4)
(式中、Re(λ)は波長λnmにおける面内位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表す。)
また、ポジティブC層は、波長550nmにおける厚み方向の位相差値Rth(550)が、通常-170nm以上-10nm以下の範囲であり、好ましくは-150nm以上-20nm以下、より好ましくは-100nm以上-40nmの範囲である。厚み方向の位相差値がこの範囲であれば、斜め方向からの反射防止特性を一段向上させることができる。
重合性液晶化合物としては、棒状の重合性液晶化合物及び円盤状の重合性液晶化合物が挙げられ、これらのうちの一方を用いてもよく、これらの両方を含む混合物を用いてもよい。棒状の重合性液晶化合物が基材層10に対して水平配向又は垂直配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の長軸方向と一致する。円盤状の重合性液晶化合物が配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の円盤面に対して直交する方向に存在する。棒状の重合性液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報(請求項1等)に記載のものを好適に用いることができる。円盤状の重合性液晶化合物としては、特開2007-108732号公報(段落[0020]~[0067]等)、特開2010-244038号公報(段落[0013]~[0108]等)に記載のものを好適に用いることができる。
重合性液晶化合物を重合することによって形成される光学異方性層が面内位相差を発現するためには、重合性液晶化合物を適した方向に配向させればよい。重合性液晶化合物が棒状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を基材層10の長尺方向(基材層10の平面)に対して水平に配向させることで面内位相差が発現し、この場合、光軸方向と遅相軸方向とは一致する。重合性液晶化合物が円盤状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を基材層10の長尺方向(基材層10の平面)に対して水平に配向させることで面内位相差が発現し、この場合、光軸と遅相軸とは直交する。あるいは、光学異方性層11は、光学補償の観点から、基材層10の長尺方向(基材層10の平面)に対して斜め方向の光軸を有していてもよい。光学異方性層11は、基材層10の長尺方向(基材層10の平面)に対して垂直方向の光軸を有していてもよい。重合性液晶化合物の配向状態(ひいては光学異方性層11の光軸の配向)は、配向層12と重合性液晶化合物との組み合わせによって調整することができる。
重合性液晶化合物は、少なくとも1つの重合性基を有し、かつ、液晶性を有する化合物である。重合性液晶化合物を2種類以上を併用する場合、少なくとも1種類が分子内に2以上の重合性基を有することが好ましい。重合性基とは、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。光重合性基とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基のことをいう。
重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基、スチリル基、アリル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物が有する液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でもよく、緻密な膜厚制御が可能な点でサーモトロピック性液晶が好ましい。また、サーモトロピック性液晶における相秩序構造としてはネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
重合性液晶化合物としては、逆波長分散性発現の観点から、分子長軸方向に対して垂直方向にさらに複屈折性を有するT字型あるいはH型にメソゲン構造を有する液晶が好ましく、より強い分散が得られる観点から、T字型液晶がより好ましく、T字型液晶の構造としては、具体的には、例えば、下記式(I):
Figure 2023115630000002

で表される化合物が挙げられる。
式(I)中、Arは置換基を有していてもよい二価の芳香族基を表す。該二価の芳香族基中には窒素原子、酸素原子、硫黄原子のうち少なくとも1つ以上が含まれることが好ましい。二価の基Arに含まれる芳香族基が2つ以上である場合、2つ以上の芳香族基は互いに単結合、-CO-O-、-O-などの二価の結合基で結合していてもよい。
及びGはそれぞれ独立に、二価の芳香族基又は二価の脂環式炭化水素基を表す。ここで、該二価の芳香族基又は二価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のフルオロアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよく、該二価の芳香族基又は二価の脂環式炭化水素基を構成する炭素原子が、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子に置換されていてもよい。
、L、B及びBはそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基である。
k、lは、それぞれ独立に0~3の整数を表し、1≦k+lの関係を満たす。ここで、2≦k+lである場合、B及びB、G及びGは、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
及びEはそれぞれ独立に、炭素数1~17のアルカンジイル基を表し、ここで、アルカンジイル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる-CH-は、-O-、-S-、-COO-で置換されていてもよく、-O-、-S-、-COO-を複数有する場合は互いに隣接しない。P及びPは互いに独立に、重合性基又は水素原子を表し、少なくとも1つは重合性基である。
及びGは、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子及び炭素数1~4のアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい1,4-フェニレンジイル基、ハロゲン原子及び炭素数1~4のアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい1,4-シクロヘキサンジイル基であり、より好ましくはメチル基で置換された1,4-フェニレンジイル基、無置換の1,4-フェニレンジイル基、又は無置換の1,4-trans-シクロヘキサンジイル基であり、特に好ましくは無置換の1,4-フェニレンジイル基、又は無置換の1,4-trans-シクロへキサンジイル基である。
また、複数存在するG及びGのうち少なくとも1つは二価の脂環式炭化水素基であることが好ましく、また、L又はLに結合するG及びGのうち少なくとも1つは二価の脂環式炭化水素基であることがより好ましい。
及びLはそれぞれ独立に、好ましくは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、-O-、-S-、-Ra1ORa2-、-Ra3COORa4-、-Ra5OCORa6-、Ra7OC=OORa8-、-N=N-、-CR=CR-、又はC≡C-である。ここで、Ra1~Ra8はそれぞれ独立に単結合、又は炭素数1~4のアルキレン基を表し、R及びRは炭素数1~4のアルキル基又は水素原子を表す。L及びLはそれぞれ独立に、より好ましくは単結合、-ORa2-1-、-CH-、-CHCH-、-COORa4-1-、又はOCORa6-1-である。ここで、Ra2-1、Ra4-1、Ra6-1はそれぞれ独立に単結合、-CH-、-CHCH-のいずれかを表す。L及びLはそれぞれ独立に、さらに好ましくは単結合、-O-、-CHCH-、-COO-、-COOCHCH-、又はOCO-である。
及びBはそれぞれ独立に、好ましくは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、-O-、-S-、-Ra9ORa10-、-Ra11COORa12-、-Ra13OCORa14-、又はRa15OC=OORa16-である。ここで、Ra9~Ra16はそれぞれ独立に単結合、又は炭素数1~4のアルキレン基を表す。B及びBはそれぞれ独立に、より好ましくは単結合、-ORa10-1-、-CH-、-CHCH-、-COORa12-1-、又はOCORa14-1-である。ここで、Ra10-1、Ra12-1、Ra14-1はそれぞれ独立に単結合、-CH-、-CHCH-のいずれかを表す。B及びBはそれぞれ独立に、さらに好ましくは単結合、-O-、-CHCH-、-COO-、-COOCHCH-、-OCO-、又はOCOCHCH-である。
k及びlは、逆波長分散性発現の観点から2≦k+l≦6の範囲が好ましく、k+l=4であることが好ましく、k=2かつl=2であることがより好ましい。k=2かつl=2であると対称構造となるため好ましい。
及びEはそれぞれ独立に、炭素数1~17のアルカンジイル基が好ましく、炭素数4~12のアルカンジイル基がより好ましい。
又はPで表される重合性基としては、エポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、1-クロロビニル基、イソプロペニル基、4-ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、及びオキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい芳香族複素環、及び電子吸引性基から選ばれる少なくとも一つを有することが好ましい。当該芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。当該芳香族複素環としては、フラン環、ベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアゾール環、トリアジン環、ピロリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、及びフェナンスロリン環等が挙げられる。なかでも、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、又はベンゾフラン環を有することが好ましく、ベンゾチアゾール基を有することがさらに好ましい。また、Arに窒素原子が含まれる場合、当該窒素原子はπ電子を有することが好ましい。
式(I)中、Arで表される2価の芳香族基に含まれるπ電子の合計数Nπは8以上が好ましく、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは14以上であり、特に好ましくは16以上である。また、好ましくは30以下であり、より好ましくは26以下であり、さらに好ましくは24以下である。
Arで表される芳香族基としては、例えば以下の基が好適に挙げられる。
Figure 2023115630000003
式(Ar-1)~式(Ar-23)中、*印は連結部を表し、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~12のアルキルスルフィニル基、炭素数1~12のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1~12のフルオロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~12のアルキルチオ基、炭素数1~12のN-アルキルアミノ基、炭素数2~12のN,N-ジアルキルアミノ基、炭素数1~12のN-アルキルスルファモイル基又は炭素数2~12のN,N-ジアルキルスルファモイル基を表す。
、Q及びQは、それぞれ独立に、-CR2’3’-、-S-、-NH-、-NR2’-、-CO-又はO-を表し、R2’及びR3’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。
、及びJは、それぞれ独立に、炭素原子、又は窒素原子を表す。
、Y及びYは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
及びWは、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、メチル基又はハロゲン原子を表し、mは0~6の整数を表す。
、Y及びYにおける芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等の炭素数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。芳香族複素環基としては、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも1つ含む炭素数4~20の芳香族複素環基が挙げられ、フリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基が好ましい。
、Y及びYは、それぞれ独立に、置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基又は多環系芳香族複素環基であってもよい。多環系芳香族炭化水素基は、縮合多環系芳香族炭化水素基、又は芳香環集合に由来する基をいう。多環系芳香族複素環基は、縮合多環系芳香族複素環基、又は芳香環集合に由来する基をいう。
、Z及びZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~12のアルコキシ基であることが好ましく、Zは、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、シアノ基がさらに好ましく、Z及びZは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、シアノ基がさらに好ましい。
、Q及びQは、-NH-、-S-、-NR2’-、-O-が好ましく、R2’は水素原子が好ましい。中でも-S-、-O-、-NH-が特に好ましい。
式(Ar-1)~(Ar-23)の中でも、式(Ar-6)及び式(Ar-7)が分子の安定性の観点から好ましい。
式(Ar-16)~(Ar-23)において、Yは、これが結合する窒素原子及びZと共に、芳香族複素環基を形成していてもよい。芳香族複素環基としては、Arが有していてもよい芳香族複素環として前記したものが挙げられるが、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、キノリン環、イソキノリン環、プリン環、ピロリジン環等が挙げられる。この芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。また、Yは、これが結合する窒素原子及びZと共に、前述した置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基又は多環系芳香族複素環基であってもよい。例えば、ベンゾフラン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環等が挙げられる。
重合性液晶化合物の中でも、極大吸収波長が300nm以上400nm以下である化合物が好ましい。重合性液晶組成物に光重合開始剤が含まれる場合、長期保管時に重合性液晶化合物の重合反応及びゲル化が進行するおそれがある。しかし、重合性液晶化合物の極大吸収波長が300nm以上400nm以下であれば保管中に紫外光が曝露されても、光重合開始剤からの反応活性種の発生及び該反応活性種による重合性液晶化合物の重合反応及びゲル化の進行を有効に抑制できる。従って、重合性液晶組成物の長期安定性の点で有利となり、得られる液晶硬化膜の配向性及び膜厚の均一性を向上できる。なお、重合性液晶化合物の極大吸収波長は、溶媒中で紫外可視分光光度計を用いて測定できる。該溶媒は重合性液晶化合物を溶解し得る溶媒であり、例えばクロロホルム等が挙げられる。
重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物の含有量は、重合性液晶組成物の固形分100質量部に対して、例えば70質量部以上99.5質量部以下であり、好ましくは80質量部以上99質量部以下であり、より好ましくは85質量部以上98質量部以下であり、さらに好ましくは90質量部以上95質量部以下である。重合性液晶化合物の含有量が上記範囲内であれば、得られる光学異方性層の配向性の観点から有利である。なお、本明細書において、重合性液晶組成物の固形分とは、重合性液晶組成物から有機溶剤等の揮発性成分を除いた全ての成分を意味する。
光学積層体は配向層12を含んでいてもよい。配向層12は、重合性液晶化合物を所望の方向に配向させる配向規制力を有する。
配向層12は、重合性液晶化合物の液晶配向を容易にする。水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向、傾斜配向等の液晶配向の状態は、配向層12及び重合性液晶化合物の性質によって変化し、その組み合わせは任意に選択することができる。例えば、配向層12が配向規制力として水平配向を発現させる材料であれば、重合性液晶化合物は水平配向又はハイブリッド配向を形成することができ、垂直配向を発現させる材料であれば、重合性液晶化合物は垂直配向又は傾斜配向を形成することができる。水平、垂直等の表現は、光学異方性層平面を基準とした場合の、配向した重合性液晶化合物の長軸の方向を表す。例えば、垂直配向とは光学異方性層平面に対して垂直な方向に、配向した重合性液晶化合物の長軸を有することである。ここでいう垂直とは、光学異方性層平面に対して90°±20°のことを意味する。
配向規制力は、配向層12が配向性ポリマーから形成されている場合は、表面状態やラビング条件によって任意に調整することが可能であり、光配向性ポリマーから形成されている場合は、偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。また、重合性液晶化合物の、表面張力や液晶性等の物性を選択することにより、液晶配向を制御することもできる。
基材層10と光学異方性層11との間に形成される配向層12としては、配向層12上に光学異方性層11を形成する際に使用される溶剤に不溶であり、また、溶剤の除去や液晶の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向層12としては、配向性ポリマーからなる配向層、光配向層及びグルブ(groove)配向層、配向方向に延伸してある延伸フィルム等が挙げられ、長尺のロール状フィルムに適用する場合には、配向方向を容易に制御できる点で、光配向層が好ましい。
配向層12の厚みは、通常10nm以上5000nm以下の範囲であり、好ましくは10nm以上1000nm以下の範囲であり、より好ましくは30nm以上300nm以下である。
ラビング配向層に用いられる配向性ポリマーとしては、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル類等が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。これらの配向性ポリマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラビングする方法としては、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールに、配向性ポリマー組成物を基材層に塗布しアニールすることで基材層表面に形成された配向性ポリマーの膜を、接触させる方法が挙げられる。
光配向層は、光反応性基を含む光配向性ポリマーや光配向性オリゴマー又は光配向性モノマーからなる光配向膜である。光配向層は、偏光を照射することで配向規制力が得られる。照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御できる点で光配向層がより好ましい。
光反応性基とは、光を照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光を照射することで生じる分子の配向誘起又は異性化反応、二量化反応、光架橋反応、又は光分解反応のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じるものである。当該光反応性基の中でも、二量化反応又は光架橋反応を起こすものが、配向性に優れる点で好ましい。以上のような反応を生じうる光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有するものが好ましく、炭素-炭素二重結合(C=C結合)、炭素-窒素二重結合(C=N結合)、窒素-窒素二重結合(N=N結合)、及び炭素-酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基がより好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては例えば、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ-ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基等が挙げられる。反応性の制御が容易であるという点や光配向時の配向規制力発現の観点から、カルコン基及びシンナモイル基が好ましい。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基及び芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基及びホルマザン基等や、アゾキシベンゼンを基本構造とするものが挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基等が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基及びハロゲン化アルキル基等の置換基を有していてもよい。
さらに、基材層や光学異方性層と密着を得るために、光反応性基を有するポリマー側鎖に密着性基を有していてもよい。密着性基としては、エポキシ基、オキセタン基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
偏光を照射するには、膜面から直接偏光を照射する形式でも、基材層側から偏光を照射し、偏光を透過させて照射する形式でもよい。また、当該偏光は、実質的に平行光であることが特に好ましい。照射する偏光の波長は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収し得る波長領域のものがよい。具体的には、波長250nm以上400nm以下の範囲のUV(紫外光)が特に好ましい。当該偏光照射に用いる光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArF等の紫外光レーザー等が挙げられ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ及びメタルハライドランプがより好ましい。これらのランプは、波長313nmの紫外光の発光強度が大きいため好ましい。前記光源からの光を、適当な偏光子を通過して照射することにより、偏光を照射することができる。かかる偏光子としては、偏光フィルターやグラントムソン、グランテーラー等の偏光プリズムやワイヤーグリッドタイプの偏光子を用いることができる。
光学異方性層11(2種以上の光学異方性層を含む場合には各層)の厚みは、例えば0.1μm以上、0.5μm以上、1μm以上又は2μm以上である。また、該厚みは、好ましくは10μm以下であり、8μm以下であってもよく、5μm以下又は3μm以下であってもよい。
光学異方性層は、基材層10上に、重合性液晶化合物を含む位相差層形成用組成物を塗布、乾燥し、重合性液晶化合物を重合させることによって形成することができる。位相差層形成用組成物は、基材層10上に形成された配向層12上に塗布してもよい。
位相差層形成用組成物は、重合性液晶化合物に加えて、溶媒、重合開始剤、レベリング剤、酸化防止剤、光増感剤、垂直配向促進剤、重合性非液晶化合物等の添加剤をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤は、重合性液晶化合物等の重合反応を開始し得る化合物である。重合開始剤としては、サーモトロピック液晶の相状態に依存しないという観点から、光の作用により活性ラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を用いることができ、例えば、活性ラジカルを発生する光重合開始剤としては、自己開裂型のベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ヒドロキシアセトフェノン系化合物、α-アミノアセトフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、アゾ系化合物等を使用でき、水素引き抜き型のベンゾフェノン系化合物、アルキルフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジルケタール系化合物、ジベンゾスベロン系化合物、アントラキノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、ハロゲノアセトフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、ハロゲノビスイミダゾール系化合物、ハロゲノトリアジン系化合物、トリアジン系化合物等を使用できる。酸を発生する光重合開始剤としては、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩等を使用することができる。低温での反応効率に優れるという観点から自己開裂型の光重合開始剤が好ましく、特にアセトフェノン系化合物、ヒドロキシアセトフェノン系化合物、α-アミノアセトフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物が好ましい。
位相差層形成用組成物中の重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の種類及びその量に応じて適宜調節できるが、重合性液晶化合物の含有量100質量部に対して、通常0.1質量部以上30質量部以下、好ましくは0.5質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上8質量部以下である。重合開始剤の含有量が上記範囲内であると、重合性液晶化合物の配向を乱すことなく重合を行うことができる。
レベリング剤は、位相差層形成用組成物の流動性を調整し、位相差層形成用組成物を塗布して得られる塗膜をより平坦にする機能を有する添加剤であり、例えば、フッ素原子又はケイ素原子を含有するポリマー成分又はポリアクリレート系ポリマーであることが好ましく、フッ素原子又はケイ素原子を含有するポリマー成分を主成分とする界面活性剤がより好ましい。具体的には、有機変性シリコーンオイル系、ポリアクリレート系及びパーフルオロアルキル系のレベリング剤が挙げられる。中でも、ポリアクリレート系レベリング剤及びパーフルオロアルキル系レベリング剤が好ましい。レベリング剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上5質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上3質量部以下、さらに好ましくは0.05質量部以上1質量部以下である。レベリング剤の含有量が上記範囲内であると、重合性液晶化合物を水平配向させることが容易であり、かつ得られる光学異方性層がより平滑となる傾向がある。重合性液晶化合物に対するレベリング剤の含有量が上記範囲を超えると、得られる光学異方性層にムラが生じやすい傾向がある。なお、位相差層形成用組成物は、レベリング剤を2種以上含有していてもよい。
光学異方性層11は、好ましくはフッ素原子含有成分を含む。光学異方性層11がフッ素原子含有成分を含むことにより、上記動摩擦係数を上記所定の範囲内に調整しやすくすることができる。フッ素原子含有成分としては、特に制限されないが、その一例は、上述のフッ素系レベリング剤である。フッ素原子含有成分の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上3質量部以下である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記のない限り、質量%及び質量部である。
<実施例1>
〔1〕基材層の製造
(メタ)アクリル系樹脂70%及びゴム粒子30%をスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練してペレットとした。(メタ)アクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=96%/4%(質量比)の共重合体を用いた。ゴム粒子としては、最内層がメタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された硬質の重合体からなり、中間層がアクリル酸ブチルを主成分とし、さらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された軟質の弾性体からなり、最外層がメタクリル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合された硬質の重合体からなる三層構造の弾性体粒子であって、中間層である弾性体までの平均粒子径が240nmのものを用いた。このゴム粒子において、最内層と中間層との合計質量は、粒子全体の70%であった。
上記ペレットを直径65mmの一軸押出機に投入し、設定温度275℃のT型ダイを介して押出し、押出された樹脂を、粗面化したエンボスロールとゴム製弾性ロールとで挟み、基材層(1)を得た。基材層(1)の厚みは80μmであった。
〔2〕配向層形成用組成物の調製
下記成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、配向層形成用組成物(1)を得た。
下記式で表される光配向性材料:2部
Figure 2023115630000004

溶剤シクロペンタノン:98部
〔3〕位相差層形成用組成物(1)の調製
下記成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、位相差層形成用組成物(1)を得た。
下記式で表される重合性液晶化合物(A11-1):100部
Figure 2023115630000005

下記式で表される重合性液晶化合物(x-1):33部
Figure 2023115630000006

光重合開始剤(2-ジメチルアミノ-2-ベンジル-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン(イルガキュア(登録商標)369;BASFジャパン社製):8部
アクリル系レベリング剤(BYK361N;BYK-Chemie社製):0.1部
溶剤シクロペンタノン:546部
溶剤N-メチルピロリドン:364部
〔4〕光学積層体の製造
配向層形成用組成物(1)を、ダイコーティング法により長尺状の基材層(1)のエンボス処理面の反対面に塗布し第1塗布膜を形成した。得られた第1塗布膜を80℃で2分間乾燥させた後、室温まで冷却し、第1乾燥被膜を形成した。その後、偏光紫外線を配向規制力の方向が基材層(1)の搬送方向(長尺方向)に対して45°の角度をなすように100mJ(313nm基準)照射して、基材層(1)上に長尺状の配向層を形成した。偏光紫外線は、第1乾燥被膜の長尺方向及び短尺方向に対して垂直な方向から、第1乾燥被膜に照射した。
次に、長尺状の配向層の上に、位相差層形成用組成物(1)を、第2塗布膜の膜厚が17μmとなるようにダイコーティング法で塗布し第2塗布膜を形成した。第2塗布膜を90℃にて2分間加熱乾燥し、室温まで冷却することで、第2乾燥被膜を形成した。紫外線照射装置を用いて、露光量500mJ/cm(365nm基準)の紫外線を第2乾燥被膜に照射することにより、長尺状の光学異方性層が形成された光学積層体(1)を得た。
〔5〕測定及び評価
〔5-1〕膜厚の測定
光学積層体(1)から、サンプル片(4cm×4cm)を切り出し、レーザー顕微鏡(LEXT3000;オリンパス社製)を用いて膜厚を測定した。その結果、長尺状の配向層の膜厚は200nm、長尺状の光学異方性層の膜厚は2.1μmであった。
〔5-2〕動摩擦係数の測定
JIS K7125:1999に準拠して、基材層における光学異方性層とは反対側の表面Aと、光学異方性層における基材層とは反対側の表面Bとの25℃における動摩擦係数を測定した。その結果、動摩擦係数は0.62であった。
〔5-3〕基材層の表面形状の測定
株式会社菱化システム社製のVertScanを用いて、基材層における光学異方性層とは反対側の表面Aの最大高低差Szを測定した。94μm×70μmの測定視野から任意の5ヶ所を選択し、該5ヶ所における最大高低差を測定したときのこれらの測定値の平均値を最大高低差Szとした。その結果、表面Aの最大高低差Szは387nmであった。
〔5-4〕ブロッキングの評価
光学積層体(1)の任意の箇所から10cm×10cmのサンプル片2枚を切り出し、基材層の表面Aと光学異方性層の表面Bとが接するように重ね合わせた状態で、80℃のオーブンで10分間加熱した。オーブンから取り出して冷却した後に2枚のサンプル片の貼り付き面積を求め、以下の基準に従って評価した。光学積層体(1)の評価はAであった。
A:貼り付いた面積が全体の0%以上20%未満
B:貼り付いた面積が全体の20%以上50%未満
C:貼り付いた面積が全体の50%以上
〔5-5〕巻きズレの評価
内径152.55mm、外径167mmのコアに、光学積層体(1)を1000m巻取り、上述の定義に従ってフィルムの巻きズレ量を測定し、以下の基準に従って評価した。光学積層体(1)の巻きズレ量は1.5mmであり、評価はAであった。
A:巻きズレ量が2mm未満
B:巻きズレ量が2mm以上5mm未満
C:巻きズレ量が5mm以上
〔5-6〕密着性の評価
光学積層体(1)の任意の箇所からサンプル片を切り出し、JIS K5400に従って光学異方性層の密着性を評価した。光学積層体(1)の評価はCであった。
A:どの格子も剥離がない
B:塗膜が部分的、全面的に剥離している(1%以上50%未満)
C:塗膜が部分的、全面的に剥離している(50%以上)
<実施例2>
位相差層形成用組成物(1)を調製する際に、下記構造を有する化合物(LALOMER LR9000;BASFジャパン社製)を6.7部添加して混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、位相差層形成用組成物(2)を得た。次いで、位相差層形成用組成物(1)の代わりに位相差層形成用組成物(2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして光学積層体(2)を得た。
Figure 2023115630000007
<実施例3>
アクリル系レベリング剤0.1部の代わりに、フッ素系レベリング剤(メガファックF556;DIC社製)0.1部を用いたこと以外は実施例2と同様にして位相差層形成用組成物(3)を得た。次いで、位相差層形成用組成物(2)の代わりに位相差層形成用組成物(3)を用いたこと以外は実施例2と同様にして光学積層体(3)を得た。
<実施例4>
フッ素系レベリング剤の添加量を0.1部から0.3部に変更したこと以外は実施例2と同様にして位相差層形成用組成物(4)を得た。次いで、位相差層形成用組成物(2)の代わりに位相差層形成用組成物(4)を用いたこと以外は実施例2と同様にして光学積層体(4)を得た。
<実施例5>
アクリル系レベリング剤0.1部の代わりに、シリコン系レベリング剤(BYK330;BYK-Chemie社製)0.1部を用いたこと以外は実施例2と同様にして位相差層形成用組成物(5)を得た。次いで、位相差層形成用組成物(2)の代わりに位相差層形成用組成物(5)を用いたこと以外は実施例2と同様にして光学積層体(5)を得た。
<実施例6>
〔1〕基材層の製造
(メタ)アクリル系樹脂をスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練してペレットとした。(メタ)アクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=96%/4%(質量比)の共重合体を用いた。
上記ペレットを溶融押出し、2つの鏡面ロールで挟み、基材層(2)を得た。基材層(2)の厚みは40μmであった。さらに、基材層(2)の片面に離形性を有する成分をコーティングして離型層を形成して、基材層(3)を得た。基材層(3)の離型層表面の最大高低差Szは289nmであった。
〔2〕光学積層体の製造
基材層(3)における離型層とは反対側の表面に、実施例3と同様にして長尺状の配向層及び長尺状の光学異方性層を形成して、光学積層体(6)を得た。
<実施例7>
〔1〕基材層の製造
実施例4と同様にして基材層(2)を得た。基材層(2)の片面に研磨剤を吹き付けるサンドブラスト処理を行い、表面を粗面化して基材層(4)を得た。基材層(4)のブラスト処理面の最大高低差Szは350nmであった。
〔2〕光学積層体の製造
基材層(4)におけるブラスト処理面とは反対側の表面に、実施例3と同様にして長尺状の配向層及び長尺状の光学異方性層を形成して、光学積層体(7)を得た。
<実施例8>
〔1〕基材層の製造
サンドブラストの処理条件を変更したこと以外は実施例5〔1〕と同様にしてサンドブラスト処理を行い、基材層(5)を得た。基材層(5)のブラスト処理面の最大高低差Szは994nmであった。
〔2〕光学積層体の製造
基材層(5)におけるブラスト処理面とは反対側の表面に、実施例3と同様にして長尺状の配向層及び長尺状の光学異方性層を形成して、光学積層体(8)を得た。
<実施例9>
〔1〕基材層の製造
サンドブラストの処理条件を変更したこと以外は実施例5〔1〕と同様にしてサンドブラスト処理を行い、基材層(6)を得た。基材層(6)のブラスト処理面の最大高低差Szは461nmであった。
〔2〕光学積層体の製造
基材層(6)におけるブラスト処理面とは反対側の表面に、実施例3と同様にして長尺状の配向層及び長尺状の光学異方性層を形成して、光学積層体(9)を得た。
<実施例10>
〔1〕基材層の製造
環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(ZF-14;日本ゼオン社製、厚み40μm)の片面に、実施例5と同様にしてサンドブラスト処理を施して、基材層(7)を得た。基材層(7)のブラスト処理面の最大高低差Szは391nmであった。
〔2〕光学積層体の製造
基材層(7)におけるブラスト処理面とは反対側の表面に、実施例3と同様にして長尺状の配向層及び長尺状の光学異方性層を形成して、光学積層体(10)を得た。
<比較例1>
基材層(8)として環状ポリオレフィン系樹脂フィルム(ZF-14;日本ゼオン社製、厚み40μm)を用いた。基材層(8)の片面に、実施例2と同様にして長尺状の配向層及び長尺状の光学異方性層を形成して、光学積層体(11)を得た。
<比較例2>
基材層(9)として二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイアホイル、三菱樹脂社製、厚み100μm)を用いた。基材層(9)の片面に、実施例2と同様にして長尺状の配向層及び長尺状の光学異方性層を形成して、光学積層体(12)を得た。
各実施例及び比較例における動摩擦係数及び最大高低差Szの測定結果、並びにブロッキング、巻きズレ及び密着性の評価を表1に示す。
Figure 2023115630000008
1,2 光学積層体、10 基材層、11 光学異方性層、12 配向層、13 プライマー層、100 光学積層体、101 所期の位置、102 所期の位置との距離が最大となる位置、105 巻きズレ量、200 巻芯。

Claims (9)

  1. 長尺状の光学積層体であって、
    前記光学積層体は、基材層と、その一方面上に配置される光学異方性層とを含み、
    前記基材層における前記光学異方性層とは反対側の表面と、前記光学異方性層における前記基材層とは反対側の表面との動摩擦係数が0.7以下である、光学積層体。
  2. 前記基材層における前記光学異方性層とは反対側の表面の最大高低差Szが500nm以下である、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記光学異方性層がフッ素原子又はケイ素原子を含有するポリマー成分を含む、請求項1又は2に記載の光学積層体。
  4. 前記光学異方性層が逆波長分散性を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学積層体。
  5. 前記光学異方性層は、波長550nmの光に対する面内位相差値が100nm以上160nm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の光学積層体。
  6. 前記光学異方性層が、前記基材層の長尺方向に対して斜め方向の光軸を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の光学積層体。
  7. 前記光学異方性層は、厚みが0.1μm以上5μm以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学積層体。
  8. 前記基材層が(メタ)アクリル系樹脂層を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の光学積層体。
  9. 前記基材層と前記光学異方性層との間に配向層をさらに含み、
    前記配向層は、光反応性基を含む光配向性ポリマーからなる光配向膜である、請求項1~8のいずれか1項に記載の光学積層体。
JP2022017964A 2022-02-08 2022-02-08 光学積層体 Pending JP2023115630A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017964A JP2023115630A (ja) 2022-02-08 2022-02-08 光学積層体
PCT/JP2022/047616 WO2023153098A1 (ja) 2022-02-08 2022-12-23 光学積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017964A JP2023115630A (ja) 2022-02-08 2022-02-08 光学積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023115630A true JP2023115630A (ja) 2023-08-21

Family

ID=87564168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022017964A Pending JP2023115630A (ja) 2022-02-08 2022-02-08 光学積層体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023115630A (ja)
WO (1) WO2023153098A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004151573A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Nippon Zeon Co Ltd 光学フィルム及びその製造方法
JP2012018383A (ja) * 2010-06-08 2012-01-26 Sumitomo Chemical Co Ltd 光学フィルム、防眩性フィルム及び偏光板
JP2013222006A (ja) * 2012-04-13 2013-10-28 Fujifilm Corp 光学フィルム、及びその製造方法
JP6239484B2 (ja) * 2014-10-29 2017-11-29 富士フイルム株式会社 光学フィルム、偏光板、画像表示装置、および、光学フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023153098A1 (ja) 2023-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI645974B (zh) Laminated body
TWI712636B (zh) 液晶硬化膜、含有液晶硬化膜的光學膜及顯示裝置
US11001653B2 (en) Optical film, polarizing plate, and image display device
JP6897562B2 (ja) 光学フィルム、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び光学フィルムの製造方法
TWI744387B (zh) 液晶組成物、光學膜、偏光板及圖像顯示裝置
KR20180132644A (ko) 광학 이방성층 및 그 제조 방법, 광학 이방성 적층체 및 그 제조 방법, 광학 이방성 전사체, 편광판, 그리고 화상 표시 장치
KR20150088198A (ko) 광학 이방성 필름
CN113302528B (zh) 圆偏光板及使用其的有机el显示装置
JP7397683B2 (ja) 有機elディスプレイ用積層体およびそれに用いる円偏光板
WO2023153098A1 (ja) 光学積層体
JPWO2014168260A1 (ja) 光学異方層形成用組成物
JP2024031796A (ja) 積層体及び有機el表示装置
JP2020042149A (ja) 液晶フィルム、光学積層体、円偏光板、および、有機エレクトロルミネッセンス表示装置
WO2014168256A1 (ja) 光学異方性フィルム用配向層
WO2019151226A1 (ja) 重合性液晶組成物、偏光膜およびその製造方法、偏光板ならびに表示装置
JP2015057645A (ja) 光学異方層形成用組成物
CN112513696B (zh) 偏振板及液晶显示装置
WO2014168258A1 (ja) 光学異方性フィルムの製造方法
TW202035116A (zh) 有機el顯示器用積層體及用於其之圓偏光板
WO2024038667A1 (ja) 光学積層体及びその製造方法
JP5971039B2 (ja) 基材および光学フィルム
JP7156294B2 (ja) 光学異方性層及びその製造方法、光学異方性積層体及びその製造方法、光学異方性転写体、偏光板、並びに画像表示装置
WO2024042818A1 (ja) 積層体及び有機el表示装置
JP2024068090A (ja) 巻回体
CN117995060A (zh) 卷绕体