JP2023114095A - 角処理用具 - Google Patents
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Abstract
Description
角処理部に、不均一な皺などが発生してしまうと、対象物と被せ材との一体性も不十分になるので、外観が損なわれるだけでなく、対象物の機能にも悪影響を与えてしまうこともある。
ここでいう角処理部は、対象物のコーナー部を覆った被せ材の部分のことである。例えば、菊の花びらのように細かい襞が形成された、所謂菊寄せだけでなく、被せ材が対象物の表面から浮き上がることなく均等な襞が形成された部分や、皺がない状態に押し付けられた部分も、角処理部に含むものとする。
なお、角処理用具に関する文献は見つからなかった。
しかし、目打ちを使用した角処理では、処理に時間がかかるだけでなく、被せ材に目打ちによる損傷が発生することもあった。つまり、美しい角処理部を形成するためには、熟練の技が必要であった。
この発明の目的は、特別な技術を必要とせず、誰でも簡単に美しい角処理部を形成することができる、角処理用具を提供することである。
以下に、図を用いてこの発明の実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態のプレート本体の平面図である。図2~図6は、第1実施形態において角処理部が形成される過程を説明する図で、図2は斜視図、図3~図6は平面図であり、角処理部の形成過程は図2,3,4,5,6の順である。
このプレート本体1は、透明樹脂製の板部材で、当該プレート本体1の外周には3つの凹部2,3,4が形成されている。これらの凹部2,3,4は、矩形のプレート本体の3つの角、それぞれを切り欠いた位置に形成され、それぞれが異なる曲率の円弧部を備えているが、その他は全て他の凹部と同様の構成と機能とを備えている。プレート本体1は、ステンレス等の金属製であっても良い。また、プレート本体1は、3つの凹部2,3,4を有することは必須ではなく、いずれか一つの凹部を有するだけでも良い。ここでは1つの凹部2についてのみ説明する。
凹部2は、円弧部2aとその両脇で対向する側部2b,2cとで内周を構成する略C字状又は略コ字の凹部である。円弧部2aは、図1に一点鎖線で示す円弧Aの一部に沿う形状をなしている。
また、上記凹部2内には、円弧部2aの中央から凹部2の開口2dに向かって突出した中央凸部7が形成されている。
なお、上記サブ凸部8,9は円弧部2aからの突出高さが、上記中央凸部7よりも小さく形成されている。
また、第1実施形態のプレート本体1では、一対の押さえ部5,6の先端面5a,6aが作る挟角θが90°になるように形成されている。
以上のような各部の形状によって、凹部2及び押さえ部5,6によって形成される形状は、中央凸部7を境界に、一方の押さえ部5側と他方の押さえ部6側とで対称形状をなしている。
以下に、上記プレート本体1からなる角処理用具を用いて角処理部を形成する手順を説明する。
図2に示す対象物10は、この第1実施形態で角処理部が形成される対象で、四角形の直角を面取りした形状で、輪郭に円弧状のコーナー部11を備えた、例えば小銭入れの側面などである。
また、図中、対象物10において、上記コーナー部11の中央をp1,その両外をp2,p3、コーナー部11の外側すなわち円弧部の外側をp4,p5としている。
テープ13を起立状態に保ったら、上記凹部2の開口をコーナー部11に対向させ、プレート本体1を矢印x方向に移動させて開口側から対象物10の表面12の上に侵入させる。
さらにプレート本体1を移動させで、凹部2の円弧部2aがテープ13を乗り越えると、図6に示すようにコーナー部11に沿ってテープ13が被せられ、皺の無い角処理部14が形成される。
特に、一対の押さえ部5,6が対象物10側へ突出しているので、コーナー部11の両外側を、他の部分に比べてより早く確実に押さえることができる。
テープ13が伸縮性の乏しい材質であっても、上記各部分が押さえられる過程で、テープ13の弛んだ部分が上記凸部7,8,9の両側に形成された隙間の中で浮き上がり、その部分も徐々に押しつぶされるので、上記凸部の間隔に対応した襞が形成されて外観の良い角処理部14となる。
さらに、透明なプレート本体1に表示された円弧Sを対象物10のコーナー部11に重ねて、コーナー部11の曲率を確認したり、凹部2の円弧部2aが対象物10に適した円弧部であるのかを確認したりすることもできる。
上記対象物10に適した円弧部2aとは、その曲率がコーナー部11の曲率よりも大きくて、一対の押さえ部5,6に近い部分から中央に向かって対象物10の表面12に侵入するような円弧部である。
さらに、中央凸部7も設けずに、押さえ部5,6と円弧部2aだけで、テープ13を押さえるようにしても良い。
この実施形態のように、ひとつのプレート本体1に曲率の異なる円弧部を備えた凹部を複数備えていれば、対象物10のコーナー部11の曲率に応じて最適な凹部を選択することができる。
図7は、第2実施形態のプレート本体20の平面図である。
この第2実施形態のプレート本体20は透明な板部材で、円弧部21aからなる凹部21と、その両側に連続する一対の押さえ部22,23とを備えている。円弧部21a内に凸部が形成されず、一対の押さえ部22,23が、円弧部21aから突出していない点が、上記第1実施形態と異なる。
この第2実施形態のプレート本体20を用いて、対象物10のコーナー部11に沿って上記テープ13を被せ、角処理部を形成する手順は以下のとおりである。
まず、対象物10の外周に沿ってテープ13を起立させて保持する。次に、プレート本体20を凹部21の開口側から対象物10のコーナー部11に向かい、矢印x方向に移動させて表面12上に侵入させる。
なお、図7では、プレート本体20によって対象物10の表面12に押し付けられた状態のテープ13は省略している。
ただし、プレート本体20が不透明でも、対象物のコーナー部11をプレート本体20上に重ねて円弧部の曲率と対象物とを対比することはできる。
2,3,4,21 凹部
2d (凹部の)開口
2a,21a 円弧部
5,6 押さえ部
7 中央凸部
8,9 サブ凸部
10 対象物
11 コーナー部
12 表面
13 (被せ材)テープ
14 角処理部
22,23 押さえ部
p1 コーナー部の中央
p2,p3 中央の外
p4,p5 コーナー部の外側
Claims (4)
- 輪郭にコーナー部を有する対象物の外周に沿って起立したシート状の被せ材を、上記対象物の表面に押し付けて上記コーナー部に対応する角処理部を形成する角処理用具であって、
板状のプレート本体には、
当該プレート本体の外周に形成された凹部と、
上記凹部の内周に設けられた、上記対象物のコーナー部の曲率よりも大きな曲率を有する円弧部と、
上記円弧部の両外側に連続して設けられた一対の押さえ部と
を備え、
上記プレート本体の上記凹部側を上記対象物のコーナー部から上記対象物の表面上に侵入させていくと、上記一対の押さえ部、上記円弧部の順に、上記対象物の表面上に侵入し、上記被せ材が、上記コーナー部の両外側、上記コーナー部の順に、上記対象物の表面に押し付けられる構成にした角処理用具。 - 上記円弧部には、
上記凹部の開口に向かって突出した中央凸部を備え、
上記プレート本体の上記凹部側を上記対象物のコーナー部から上記対象物の表面上に侵入させていくと、上記一対の押さえ部、上記中央凸部、上記円弧部の順に、上記対象物の表面上に侵入し、上記被せ材が、上記コーナー部の両外側、上記コーナー部の中央、上記コーナー部の中央の両外の順に、上記対象物の表面に押し付けられる構成にした請求項1に記載の角処理用具。 - 上記円弧部には、
上記中央凸部と上記押さえ部との間に、上記開口に向かって突出したサブ凸部を備え、
上記プレート本体の上記凹部側を上記対象物のコーナー部から上記対象物の表面上に侵入させていくと、上記一対の押さえ部、上記中央凸部、上記サブ凸部の順に、上記対象物の表面上に侵入し、上記被せ材が、上記コーナー部の両外側、上記コーナー部の中央、上記コーナー部の中央の両外の順に、上記対象物の表面に押し付けられる構成にした請求項2に記載の角処理用具。 - 上記一対の押さえ部は、
上記円弧部の両端より、上記凹部側を上記コーナー部から上記対象物の表面上に侵入させていくときの当該対象物側に突出して設けられた請求項1~3のいずれか1項に記載の角処理用具。
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