JP2023112994A - 内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、磁力により移動する内視鏡において、高磁場の環境が不要で操作が簡単であり、かつ装置の大型化を回避可能な内視鏡システムを得ることである。【解決手段】本発明の内視鏡システム1は、撮像装置を含む光学系装置10、および光学系装置に接続されるチューブ110を含む内視鏡100と、内視鏡を移動させる駆動手段1aとを備え、駆動手段1aは、チューブ内に移動可能に設けられた第1の磁石120aと、チューブに固定された第2の磁石120bとを有し、第1の磁石および第2の磁石のうちの少なくとも一方の磁石は電磁石であり、駆動手段1aは、第1の磁石120aと第2の磁石120bとの間に磁力が発生するように電磁石への通電を制御する通電制御部141と、チューブ110および操作ワイヤ130のそれぞれについて移動規制を制御する移動制御部150とをさらに有する。【選択図】図1

Description

本発明は、光学系装置および光学系装置に接続されるチューブを含む内視鏡を、チューブ内に相対移動可能に配置された複数の磁石との間で発生する磁力(斥力と引力)により生体(例えば、人体)の管腔内で移動させる推進機構を備えた内視鏡システムに関するものである。
従来から、磁力を利用して生体(例えば、患者など被検者の人体)の体内に挿入された内視鏡の先端部を誘導する装置がある。例えば、特許文献1には、内視鏡の先端部に磁石を装着し、人体の体内に挿入された内視鏡の先端部を、人体の体外に設けられた磁力発生装置による磁力で誘導する装置(被検体内挿入装置)が開示されている。
特開平4-8343号公報
ところが、特許文献1に開示の被検体内挿入装置では、人体の体外に強力な磁力を発生する磁気発生装置を設置する必要があり、そのため、高磁場における人体に対して悪影響を及ぼすという問題がある。また、設備が大型で操作が複雑で面倒であるとともに費用が高額になるという問題がある。
本発明は、磁力により移動する内視鏡において、高磁場の環境が不要で操作が簡単であり、かつ装置の大型化を回避可能な内視鏡システムを得ることを目的とする。
本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
内視鏡システムであって、
撮像装置を含む光学系装置および前記光学系装置に接続されるチューブを含む内視鏡と、
前記内視鏡を移動させるための駆動手段と
を備え、
前記駆動手段は、
前記チューブ内に移動可能に設けられた第1の磁石と、
前記チューブに固定された第2の磁石と
を有し、
前記第1の磁石および前記第2の磁石のうちの少なくとも一方の磁石は電磁石であり、
前記駆動手段は、
前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に磁力が発生するように前記電磁石への通電を制御する通電制御部と、
前記チューブおよび前記第1の磁石の移動のそれぞれについて移動規制を制御する移動制御部と
をさらに有する、内視鏡システム。
(項目2)
前記第1の磁石を冷却するための流体を前記チューブ内に供給する流体供給部をさらに備え、
前記駆動手段は、前記磁力を発生する磁力発生部を有し、
前記第1の磁石は、N極とS極とが交互に配列された複数の磁極の配列が形成された超電導磁石であり、
前記第2の磁石は、前記通電により前記第1の磁石とともにリニアモータを形成するリニア推進磁石であり、
前記移動制御部は、前記第1の磁石の移動が前記チューブ内での前記流体の流れにより規制されるように前記流体供給部を制御する構成となっている、項目1に記載の内視鏡システム。
(項目3)
前記駆動手段は、
前記通電制御部が、前記チューブの先端部が前記第1の磁石に対して遠ざかるように、前記リニア推進磁石への通電を行うとともに、
前記移動制御部が、前記チューブの移動を可能とし、かつ前記第1の磁石の移動を規制する動作を行うことと、
前記通電制御部が、前記リニア推進磁石への通電動作を停止するとともに、
前記移動制御部が、前記チューブの移動を不能とし、かつ前記超電導磁石が前記流体供給部から前記チューブ内に供給される前記流体の流れにより前記チューブの先端に近づくように前記流体供給部を制御する動作を行うこと
とを行うように、前記通電制御部および前記移動制御部を制御するように構成されている、項目2に記載の内視鏡システム。
(項目4)
前記内視鏡は、前記チューブ内に設けられた操作ワイヤをさらに含み、
前記第1の磁石は、前記操作ワイヤの先端に固定されており、
前記移動制御部は、前記第2の磁石が固定された前記チューブおよび前記第1の磁石が固定された前記操作ワイヤの移動のそれぞれについて移動可否を制御するように構成されている、項目1に記載の内視鏡システム。
(項目5)
前記駆動手段は、
前記通電制御部が、前記チューブの先端部が前記操作ワイヤの先端部に対して遠ざかるように、前記電磁石への通電を行うとともに、
前記移動制御部が、前記チューブの移動を可能とし、かつ前記操作ワイヤの移動を不能とする動作を行うことと、
前記通電制御部が、前記チューブの先端部に前記操作ワイヤの先端部が近づくように、前記電磁石への通電動作を行うとともに、
前記移動制御部が、前記チューブの移動を不能とし、かつ前記操作ワイヤの移動を可能とする動作を行うこと
とを行うように、前記通電制御部および前記移動制御部を制御するように構成されている、項目4に記載の内視鏡システム。
(項目6)
前記第2の磁石は、電磁石である、項目4または項目5に記載の内視鏡システム。
(項目7)
前記駆動手段は、リニアモータ機構からなる、前記磁力を発生する磁力発生部を有し、
前記第1の磁石は、N極とS極とが交互に配列された複数の磁極の配列が形成された超電導磁石であり、
前記第2の磁石は、前記通電により前記第1の磁石とともにリニアモータを形成する磁石である、項目6に記載の内視鏡システム。
(項目8)
前記第1の磁石は、永久磁石であり、
前記第2の磁石は、前記チューブの軸心に沿って延びるコイルを含み、前記コイル内には前記第1の磁石が移動可能に配置されている、項目6に記載の内視鏡システム。
(項目9)
前記第1の磁石は、鉄心に第1のコイルを巻き付けてなるソレノイド磁石であり、
前記第2の磁石は、前記チューブの軸心に沿って延びる第2のコイルを含み、前記第2のコイル内には前記第1の磁石が移動可能に配置されている、項目6に記載の内視鏡システム。
(項目10)
前記第1の磁石は、前記操作ワイヤの先端に固定された永久磁石であり、
前記第2の磁石は、鉄心にコイルを巻き付けてなるソレノイド磁石であり、前記チューブの先端部に固定されている、項目6に記載の内視鏡システム。
(項目11)
前記第1の磁石は、鉄心にコイルを巻き付けてなるソレノイド磁石であり、前記操作ワイヤの先端に固定されており、
前記第2の磁石は、前記チューブの先端部に設けられた永久磁石である、
項目4または項目5に記載の内視鏡システム。
(項目12)
前記内視鏡システムは、
前記光学系装置の向きを調整可能な方向転換手段をさらに備え、
前記方向転換手段は、前記光学系装置に接続された複数の形状記憶合金部材を含み、
前記通電制御部は、前記形状記憶合金部材への通電を制御するように構成されている、項目1~項目11のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
(項目13)
前記複数の形状記憶合金部材は、それぞれ通電された場合に屈曲形状となるように記憶されている、項目12に記載の内視鏡システム。
(項目14)
前記通電制御部は、前記複数の形状記憶合金部材の少なくとも1つ以上に通電することを選択可能なように構成されている、項目13に記載の内視鏡システム。
(項目15)
前記内視鏡システムは、前記チューブの硬さを調整可能な硬さ調整手段をさらに有する、項目1~項目14のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
(項目16)
前記内視鏡は、前記光学系装置に働く外力を検出する圧力センサをさらに備え、
前記硬さ調整手段は、前記チューブの硬さを前記圧力センサの検出出力に応じて調整するように構成されている、項目15に記載の内視鏡システム。
(項目17)
前記チューブは、通電により収縮可能なワイヤを含み、
前記硬さ調整手段は、前記圧力センサの検出出力に基づいて前記ワイヤへの通電を制御するように構成されている、項目16に記載の内視鏡システム。
(項目18)
前記硬さ調整手段は、前記圧力センサの検出出力が所定値よりも低かった際に、前記ワイヤへの通電を行うように構成されている、項目17に記載の内視鏡システム。
本発明によれば、磁力により移動する内視鏡において、高磁場の環境が不要で操作が簡単であり、かつ装置の大型化を回避可能な内視鏡システムを得ることができる。
さらに、本発明の内視鏡システムは、内視鏡のチューブ本体の先端部に力を供給することによって内視鏡を移動させることによって、従来の内視鏡がチューブ本体基部に力を供給することによって内視鏡を移動させるのに対して、内視鏡をスムーズに移動させることが可能となり、被験者の負担を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態1による内視鏡システム1を説明する概念図であり、内視鏡システム1の全体構成とともに、磁力発生部120が設けられた内視鏡100を示す。 図1に示す内視鏡100の構造を具体的に説明する図であり、内視鏡100を構成するチューブ110の先端側の構造、チューブ110の硬さ調整のメカニズム、および光学系装置10の方向転換のための構造を示す。 図1に示すチューブ110の先端部12に固定されている光学系装置10の方向転換のための具体的構造を説明する図である。 図1に示すチューブ110の先端側のより具体的な構造を模式的に示す図であり、チューブ110の軸心に平行な断面の構造、チューブ110の軸心に垂直な断面の構造、およびチューブ110の周壁11の内面に設けられた磁石の配置の展開図を示す。 図1に示す内視鏡システム1の内視鏡操作装置50に含まれるチューブ格納部31、通電制御部141、移動制御部150および流体供給部152を説明する図である。 図1に示す内視鏡100の移動動作を説明する図である。 図1に示す内視鏡システム1の変形例を説明するための図であり、内視鏡システム1の内視鏡100とは構造が異なる内視鏡1100を示す。 図6Aに示す内視鏡1100を移動させる構成を説明する図であり、チューブ格納部31a、通電制御部141、移動制御部1150および流体供給部1152を示す。 図6Aに示す内視鏡1100の移動動作を説明する図である。 本発明の実施形態2による内視鏡システム2を説明する概念図であり、内視鏡システム2の全体構成とともに、磁力発生部120が設けられた内視鏡200の構成を示す。 図7に示す内視鏡200を構成するチューブ210の構造を具体的に説明する図であり、このチューブ210の先端側の構造を示す。 図7に示すチューブ210のより具体的な構造を模式的に示す図であり、チューブ210の軸心に平行な断面の構造、チューブ210の軸心に垂直な断面の構造、およびチューブ210の周壁11の内面に設けられた磁石の配置の展開図を示す。 図7に示す内視鏡システム2の内視鏡操作装置50aに含まれるチューブ格納部32、通電制御部241および移動制御部250を説明する図である。 図7に示す内視鏡200の移動動作を説明する図である。 本発明の実施形態2の変形例1による内視鏡システムを説明する図であり、この内視鏡システムで用いられる内視鏡300の構造を示す。 本発明の実施形態2の変形例2による内視鏡システムを説明する図であり、この内視鏡システムで用いられる内視鏡400の構造を示す。 本発明の実施形態2の変形例3による内視鏡システムを説明する図であり、この内視鏡システムで用いられる内視鏡500の構造を示す。 図14に示す内視鏡500の移動動作を説明する図である。 本発明の実施形態2の変形例4による内視鏡システムを説明する図であり、この内視鏡システムで用いられる内視鏡600の構造を示す。 図16に示す内視鏡600の移動動作を説明する図である。 本発明の実施形態3による内視鏡システムを説明する図であり、図18(a)は、この内視鏡システムで用いられる内視鏡700の構造を示し、図18(b)および図18(c)はそれぞれ、図18(a)のX4-X4線断面およびX5-X5線断面の構造を示す。
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
本明細書において、「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
本発明は、磁力により移動する内視鏡において、高磁場の環境が不要で操作が簡単であり、かつ装置の大型化を回避可能な内視鏡システムを得ることを課題とし、
内視鏡システムであって、
撮像装置を含む光学系装置および光学系装置に接続されるチューブを含む内視鏡と、
内視鏡を移動させるための駆動手段と
を備え、
駆動手段は、
チューブ内に移動可能に設けられた第1の磁石と、
チューブに固定された第2の磁石と
を有し、
第1の磁石および第2の磁石のうちの少なくとも一方の磁石は電磁石であり、
駆動手段は、
第1の磁石と第2の磁石との間に磁力が発生するように電磁石への通電を制御する通電制御部と、
チューブおよび第1の磁石のそれぞれについて移動規制を制御する移動制御部と
をさらに有する、内視鏡システムを提供することにより、上記の課題を解決したものである。
従って、本発明の内視鏡システムは、光学系装置およびこれに接続されるチューブを含む内視鏡と、内視鏡を移動させる駆動手段とを備え、駆動手段が、チューブ内に移動可能に設けられた第1の磁石と、チューブに固定された第2の磁石と、両磁石のうちの少なくとも電磁石として機能するものに通電する通電制御部と、チューブおよび第1の磁石の移動規制(例えば、移動可能あるいは移動不能)を制御する移動制御部とを有するものであれば、通電制御部による電磁石への通電と、移動制御部によるチューブおよび第1の磁石の移動制御とにより内視鏡を管腔内で推進させることが可能となり、その他の構成は特に限定されるものではない。
また、本発明の内視鏡システムを使用する対象としては、生体であれば任意であり得る。
1つの実施形態においては、被験者などの人体であるが、本発明はこれに限定されない。人体以外の動物や魚類などの体であってもよい。
なお、生体内(例えば、腸管内)への挿入方法としては、口や鼻から挿入する場合であってもよいし、肛門から挿入する場合であってもよい。好ましい実施形態においては、大腸や小腸などを観察する場合には肛門から挿入する。しかし、本発明はこれに限定されない。
ここで、内視鏡は、第1の磁石をチューブ内で移動可能にする駆動手段として、第1の磁石を先端に固定した操作ワイヤの操作により移動させる場合であっても良いし、操作ワイヤが不要なチューブ内部を流れる流体の制御による場合であっても良い。
以下、本発明の内視鏡システムの構成要素について説明する。
(1)まず、内視鏡が第1の磁石をチューブ内で移動させる駆動手段として、チューブ内部を流れる流体制御の場合の基本的な構成を説明する。流体制御の場合の詳しい説明は実施形態1(図1~図6)およびその変形例(図6A~図6C)で行う。
本発明の内視鏡システムは、第1の磁石を冷却するための流体をチューブ内に供給する流体供給部が設けられる。
また、駆動手段は、磁力を発生する磁力発生部を有し、磁力発生部は、チューブ内に移動可能に配置される第1の磁石とチューブに固定される第2の磁石とを含むリニアモータ機構からなる。
そして、第1の磁石は、流体供給部から供給される冷却流体によって冷却されることによって永久電流により磁界を維持し続ける超電導状態を発生する磁石(以下、「超電導磁石」という。)であって、N極とS極とが交互に配列された複数の磁極の配列が形成されるものである。さらに、第2の磁石は、その通電(三相交流電流の通電)により第1の磁石とともにリニアモータを形成する構成のリニア推進を発生する磁石(以下、「リニア推進磁石」という)であることが好ましい。
そして、移動制御部は、流体供給部によってチューブ内をながれる冷却流体の供給条件を制御することによって、第1の磁石の移動がチューブ内での流体の流れにより規制されるように機能させることが可能となる。
この場合、チューブ内で流体が流れる通路の構成は特に限定されるものではない。例えば、チューブ内の超電導磁石が配置される内部通路は、チューブの先端側でつながった内側通路と外側通路とが流体の循環経路を形成するように形成されたもの(実施形態1)であってもよいし、チューブの内部通路に供給された流体をチューブの先端に形成された排出口から排出するように構成されたもの(実施形態1の変形例)であってもよい。
また、磁力発生部は、超電導磁石である第1の磁石をチューブの内壁から浮上させるための第3の磁石(例えば、ネオジム磁石などの永久磁石)を含むことが好ましい。第3の磁石を備え、超電導磁石をマイスナー効果とピン止め効果の発生可能な温度まで冷却することにより、超電導磁石がチューブ内壁から浮上することが可能となる。超電導磁石を浮上させることで、超電導磁石とチューブ内壁との摩擦抵抗はなくなり、リニア推進磁石に対する超電導磁石の移動を磁力あるいは流体の流れにより簡単に行うことが可能となる。
超電導磁石を冷却する温度は、マイスナー効果およびピン止め効果が得られる範囲であれば任意の温度であり得る。
(2)次に、内視鏡が第1の磁石を移動させる駆動手段を、先端に第1の磁石を固定した操作ワイヤとする場合の駆動手段を構成する磁力発生部の基本的な構成を説明する。
この場合は、駆動手段は、磁力を発生する磁力発生部を有し、磁力発生部は、操作ワイヤの先端に固定される第1の磁石とチューブに固定される第2の磁石を含む。ここで、第1の磁石は、永久磁石でもよいし、電磁石でもよく、第2の磁石も永久磁石でもよいし、電磁石でもよい。
ただし、第1の磁石および第2の磁石のうちの少なくとも一方の磁石は電磁石である必要がある。これは、磁力発生部での磁力の発生を制御するためである。なお、第1の磁石は、操作ワイヤの長さ方向に沿って所定の間隔を持って複数設ける場合であっても良い。なお、所定の間隔は、それぞれ異なる間隔同士であってもよいし、一定間隔(隙間なく配置するものも含む)であってもよい。また、第2の磁石は、チューブの長さ方向に沿って所定の間隔を持って複数設ける場合であっても良い。なお、所定の間隔は、それぞれ異なる間隔同士であってもよいし、一定間隔(例えば、隙間なく配置するものや、それぞれ一定の間隔同士で配置するもの)であってもよい。
例えば、第2の磁石は、通電により第1の磁石および第2の磁石の一方をその他方に対して移動させるための磁力を発生させる電磁石である。
ここで、電磁石は、コイルに電流が流れることによりN極とS極を発生する磁石であり、具体的なものとしては、永久電流により磁界を維持し続ける超電導磁石、外部からの通電により磁界を発生する電磁コイル、あるいは、外部からの通電なしで自己誘導により磁界を発生するコイル体が挙げられる。電磁コイルは、超電導磁石とともにリニアモータを形成するリニア推進磁石でもよいし、鉄心にコイルを巻き付けてなるソレノイド磁石でもよいし、鉄心を含まない巻かれたコイル単体でもよい。
また、操作ワイヤに固定される第1の磁石として用いる磁石の種類と、チューブに固定される第2の磁石として用いる磁石の種類との組み合わせとしては、例えば、以下の組み合わせが考えられる。
(第1の組み合わせ)
第1の組み合わせは、駆動手段の磁力発生部がリニアモータ機構からなる場合であり、第1の磁石がN極とS極とが交互に配列された複数の磁極の配列が形成された超電導磁石であり、第2の磁石が第1の磁石とともにリニアモータを形成する磁石(リニア推進磁石)である場合であり、この場合は、以下の実施形態2で具体的に説明する。
ここで、リニア推進磁石は、通電により、N極とS極とが一直線上に交互に並んだ複数の磁極を発生させる磁石であり、リニア推進磁石への通電の極性を反転させることにより、一直線上に交互に並んだN極およびS極の極性が反転するものである。また、リニア推進磁石に対する超電導磁石の移動方向は、リニア推進磁石に対する超電導磁石の位置と、リニア推進磁石の磁極での極性反転のタイミングとにより制御される。
(第2の組み合わせ)
第2の組み合わせは、第1の磁石が永久磁石であり、第2の磁石が電磁コイルであり、第2の磁石のコイル内に第1の磁石が配置されている場合である。この場合は、以下の実施形態2の変形例1で具体的に説明する。
(第3の組み合わせ)
第3の組み合わせは、第1の磁石が電磁コイル(ソレノイド磁石)であり、第2の磁石が、外部から電流が印加されないコイル体である場合であり、この場合は、以下の実施形態2の変形例2で具体的に説明する。
(第4の組み合わせ)
第4の組み合わせは、第1の磁石が永久磁石であり、第2の磁石が鉄心にコイルを巻き付けてなる電磁コイル(ソレノイド磁石)であり、第1の磁石が操作ワイヤの先端部に固定されており、第2の磁石がチューブの先端部に固定されており、第2の磁石の一端側に近接および離反可能に第1の磁石が配置されている場合である。この場合は、以下の実施形態2の変形例3で具体的に説明する。
(第5の組み合わせ)
第5の組み合わせは、第1の磁石が電磁コイル(ソレノイド磁石)であり、操作ワイヤの先端部に固定されており、第2の磁石が永久磁石であり、チューブの先端部に設けられており、第2の磁石の一端側に近接および離反可能に第1の磁石が配置されている場合である。この場合は、以下の実施形態2の変形例4で具体的に説明する。
(3)本発明の内視鏡システムは光学系装置の向きを調整する構成を備え得る。この光学系装置の向きを調整する構成は、本件発明のいずれの実施形態においても適用され得る。
内視鏡システムは、光学系装置の向きを調整可能な方向転換手段をさらに備えていることが好ましい。この手段を備えることにより、観察したい向きに応じて、光学系装置を撮影する向きへと方向転換することが可能となる。方向転換手段は、光学系装置の向きを調整可能であれば任意の構成であり得る。例えば、光学系装置の内部に撮像装置の向きを変更可能な回転駆動装置などを備えていてもよい。好ましい実施形態において、方向転換手段は、光学系装置に接続された複数の形状記憶合金部材を含み、形状記憶合金部材への通電を制御する通電制御部を備えるように構成されている。形状記憶合金部材は、その通電による加熱により温度が形状記憶温度に達したとき、形状記憶合金部材の加熱前の形状が予め記憶した形状に復帰するものである。なお、形状記憶合金部材への通電を制御する手段は、内視鏡を前進させる機能を持つ通電制御部とは別の手段で実現してもよいし、同じ制御手段で実現してもよい。
ここで、複数の形状記憶合金部材は、例えば、通電されない状態が直線状であって、それぞれ通電された場合に屈曲形状となるように記憶されていてもよいし、通電されない状態が屈曲形状であって、通電された場合にそれぞれ直線形状となるように記憶されていてもよいし、それらの混合であってもよい。折り返し形状となるように記憶されていてもよい。
また、通電制御部は、複数の形状記憶合金部材の少なくとも1つ以上に通電することを選択可能なように構成されている。複数の形状記憶合金部材の少なくとも1つ以上に選択的に通電する手段は、通電制御部とは別に設けられていてもよい。複数の形状記憶合金部材への通電を選択的に制御することで、通電された形状記憶合金部材の変形に伴って光学系装置がその方向に傾くことになる。
(形状記憶合金部材の具体的な構成の一例)
形状記憶合金部材は、光学系装置とチューブの先端部との間に接続された複数本の形状記憶合金ワイヤを含み、複数の形状記憶合金ワイヤの各々が、通電による復帰形状として先端が屈曲形状あるいは折り返された形状を記憶している。この場合、内視鏡システムは、複数の形状記憶合金ワイヤのうちから形状復帰させる形状記憶合金ワイヤを選択する選択手段を備えることが好ましい。複数の形状記憶合金ワイヤのうちから形状復帰させる形状記憶合金ワイヤを選択手段(方向転換手段)で選択することで、チューブの軸心に対して光学系装置の軸心が向く方向を調整することが可能となる。形状記憶合金部材からなる方向転換ワイヤを設ける数は任意であり得る。一つの実施形態において、チューブの軸心を中心に周方向に約90°間隔で4本配置されるが、本発明はこれに限定されない。必要に応じて2本以上所望の数備えることが可能である。
(4)本発明の内視鏡システムは、チューブの硬さを調整する構成を備え得る。このチューブの硬さを調整する構成も、本件発明のいずれの実施形態においても適用され得る。
(チューブの硬さを調整する構成)
内視鏡システムは、チューブの硬さ調整手段を有することが好ましい。
なぜなら、チューブは、管腔内を内視鏡が推進するのに伴って管腔の屈曲形状に合った形状に変形する必要があるため、ある程度の柔軟性を有する材料(例えば、ビニール、ゴム、プラスチックなど)で構成されている必要があるが、内視鏡が管腔の曲がり部分(ねじれや屈曲部分)などを通過する際にチューブの一部が管腔の内壁に引っ掛かって前進できないという問題が生じる。硬さ調整手段を備えることによって、このような場合において、チューブに管腔の内壁との引っ掛かりを突破させることが可能となる程度の硬さを持たせることが可能となる。その結果、内視鏡を管腔の形状に沿った状況でもスムーズに挿入することが可能となる。
チューブの硬さを変更するための具体的な構成の一例としては、チューブにメッシュワイヤを埋め込んでおき、メッシュワイヤへの通電によるメッシュワイヤの収縮によりチューブを収縮させて硬化させるものが挙げられる。チューブの一部がねじれや屈曲している管腔の内壁に引っ掛かって前進できない場合でも、チューブを硬くすることでチューブが変形しにくくなり、チューブに生じた磁石による推進力がそのまま、チューブと管腔の内面との引っ掛かり部分に作用してチューブが引っ掛かった部分を乗り越えることとなる。チューブの硬さは、チューブの先端側のみ調整可能としてもよいし、チューブ全体が調整可能であってもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、チューブの硬さを変更するための構成のその他の一例としては、チューブの周壁を二重構造としておき、二重構造の周壁の内部に空気や水などの流体を流入してチューブの周壁を硬化させるものであってもよい。
チューブが硬さ調整手段を備える場合、内視鏡は、内視鏡の先端部にかかる外力を検出する圧力センサを備えることが好ましい。
圧力センサを備えることによって、圧力センサの検出出力に基づいてチューブを硬くすることで、チューブの管腔内壁との引っ掛かりを自動的に解消することが可能となる。
例えば、圧力センサの検出出力の基準値は、チューブと管腔の内壁との引掛りがなく、内視鏡の先端に位置する光学系装置に管腔の内壁からの圧力が正常に作用している場合の圧力センサの検出出力の値に設定しておくことが好ましい。
このようにすることで、例えば、圧力センサの検出出力の値が基準値よりも小さい場合は、内視鏡の先端に位置する光学系装置に管腔からの外力が所望通りに作用しておらず、チューブの一部が管腔の内壁に引っ掛かっているものとして検出することが可能である。従って、圧力センサの検出出力の値が基準値よりも小さいとき、チューブを硬くすることで、チューブの管腔内壁との引っ掛かりを自動的に解消することが可能となる。
ただし、圧力センサは必ずしも必要ではなく、内視鏡は圧力センサを有していないものでもよい。その場合は、チューブの硬さを調整する硬さ調整手段は操作者(例えば、医師などの医療従事者)により操作されることとなる。以下の実施形態3(図20)で具体的に説明する。
(5)駆動手段を構成する通電制御部および移動制御部の構成を駆動手段が内視鏡を駆動するメカニズムとともに説明する。
(第1磁石と第2磁石との相対移動を流体制御で行う場合)
駆動手段が、通電制御部によるリニア推進磁石への通電と、移動制御部によるチューブおよび超電導磁石の移動制御とにより、内視鏡を管腔内で推進させるための制御は、例えば、以下のように行われる。
具体的には、駆動手段が内視鏡を管腔内で推進させる制御は、
駆動手段が通電制御部および移動制御部を制御することにより、通電制御部が、チューブの先端部がチューブ内の超電導磁石に対して遠ざかるようにリニア推進磁石への三相交流電流の通電を行うとともに、移動制御部が、チューブの移動を可能とし、かつ超電導磁石の移動を規制する動作とを行うことと、
通電制御部が、リニア推進磁石への通電を停止するとともに、移動制御部が、チューブの移動を不能とし、かつ超電導磁石が流体の流れによりチューブの先端に近づくように流体供給部によりチューブ内に流体を供給する動作とを行うものである。
ここで、移動制御部が超電導磁石の移動を不能とする(規制する)動作は、超電導磁石を冷却する流体の供給条件を制御することによって発生する磁力により超電導磁石が移動しようとする力を相殺し超電導磁石を所定位置に保持(固定)される。この際に通電制御部は、超電導磁石とともにリニアモータを形成するリニア推進磁石に対しては3相交流電流を印加するものとなっている。
さらに、通電制御部は、光学系装置に電力を供給する電源を備える構成であってもよいし、または、光学系装置で得られた画像信号を受信する画像受信部を備える構成であってもよい。
また、通電制御部は、複数の形状記憶合金ワイヤのうちから形状復帰させる形状記憶合金ワイヤを選択する選択手段(方向転換手段)およびチューブの硬さを調整する硬さ調整手段の少なくとも一方の手段を含むものでもよいし、あるいはこれらの手段は、通電制御部とは別に設けられていてもよい。
第1の磁石の相対移動をチューブ内を流れる流体を制御して行う場合、移動制御部は、チューブの移動可能あるいは移動不能、および第1の磁石としての超電導磁石の移動自在あるいは移動規制を制御することが可能であれば、その他の構成は限定されるものではなく、任意であり得る。
具体的には、移動制御部は、チューブが移動不能な状態(移動規制規制状態)とチューブが移動可能な状態(移動規制規制解除状態)との間でチューブの移動規制を切り替えるチューブ移動規制部と、超電導磁石が移動規制された状態(移動規制状態)と超電導磁石が移動自在な状態(移動自在状態)との間で超電導磁石の移動規制を切り替える磁石移動規制部とを含む。
例えば、1つの実施形態では、内視鏡システムは、内視鏡を操作する内視鏡操作装置を有しており、上述した移動制御部は、内視鏡操作装置の筐体内に設けられている。
この場合、移動制御部を構成するチューブ移動規制部は、内視鏡操作装置の筐体にチューブを挟持するように設けられた一対のガイドローラの回転が規制されるロック状態と、一対のガイドローラの回転の規制が解除されたロック解除状態とを切り替え可能に構成されている。
また、移動制御部を構成する磁石移動規制部は、内視鏡操作装置の筐体に設けられた流体供給部から内視鏡のチューブ本体の内部通路に供給される冷却流体(例えば、液体窒素)の流量および流れの方向を制御可能に構成したものである。ここで、流体供給部は、例えば、流体を貯留する流体貯留源と、流体貯留源から内視鏡のチューブ本体へ供給される流体の流量を調整する流量調整部とを有し、流量調整部が磁石移動規制部により制御されるようにしてもよい。
ただし、移動制御部は、内視鏡操作装置の筐体内ではなく、内視鏡操作装置の筐体とは別体の筐体内に設けられていてもよい。
また、チューブ移動規制部は、チューブを挟持する一対のガイドローラの回転規制と回転規制解除とを切り替えるものに限定されず、チューブを内視鏡操作装置の筐体の一部に押し付けてチューブの移動を不能(規制)するものでもよい。
(第1磁石と第2磁石との相対移動を操作ワイヤで行う場合)
駆動手段は、磁力発生部としての第1の磁石および第2の磁石に加えて、第1の磁石と第2の磁石との間に磁力が発生するように、両者のうちの電磁石への通電を制御する通電制御部と、チューブおよび操作ワイヤの移動可能あるいは移動不能を制御する移動制御部とを有し、内視鏡を移動させるものであれば、その他の構成は限定されるものではない。
例えば、駆動手段が内視鏡を管腔内で推進させる制御は、駆動手段が通電制御部および移動制御部を制御することにより、
通電制御部がチューブの先端部が操作ワイヤの先端部に対して遠ざかるように、電磁石(第1の磁石および第2の磁石のうちの少なくとも電磁石として機能するもの)への通電動作を行うとともに、移動制御部がチューブの移動を可能とし、操作ワイヤの移動を不能とする動作を行うことと、
通電制御部がチューブの先端部に操作ワイヤの先端部が近づくように、電磁石への通電動作を行うとともに、移動制御部がチューブの移動を不能として、操作ワイヤの移動を可能とする動作とを行うことと
を行うように、通電制御部および移動制御部を制御するというものである。
内視鏡が操作ワイヤを有する場合、通電制御部は、第1の磁石および第2の磁石のうちの電磁石として機能するものに通電を行うものであればよい。すなわち、通電制御部は、超電導磁石とともにリニアモータを形成するリニア推進磁石に対しては3相交流電流を印加し、電磁コイルに対しては直流電流を印加する。
さらに、通電制御部は、光学系装置に電力を供給する電源となっていてもよいし、さらに、光学系装置で得られた画像信号を受信する画像受信部となっていてもよい。ただし、光学系装置に電力を供給する電源および光学系装置で得られた画像信号を受信する画像受信部の少なくとも一方は、通電制御部とは別に設けられていてもよい。
また、通電制御部は、複数の形状記憶合金ワイヤのうちから形状復帰させる形状記憶合金ワイヤを選択する選択手段(方向転換手段)およびチューブの硬さを調整する硬さ調整手段の少なくとも一方の手段を含むものでもよいし、あるいはこれらの手段は、通電制御部とは別に設けられていてもよい。
内視鏡が操作ワイヤを有する場合、移動制御部は、チューブおよび操作ワイヤの移動可能あるいは移動不能を制御するものであれば、その他の構成は限定されるものではなく、任意であり得る。
具体的には、移動制御部は、チューブが移動不能な状態(移動規制状態)とチューブが移動可能な状態(移動規制解除状態)との間でチューブの移動規制を切り替えるチューブ移動規制部と、操作ワイヤが移動不能な状態(移動規制状態)と操作ワイヤが移動可能な状態(移動規制解除状態)との間で操作ワイヤの規制を切り替える操作ワイヤ移動規制部とを含む。
例えば、1つの実施形態では、内視鏡システムは、内視鏡を操作する内視鏡操作装置を有しており、上述した移動制御部は、内視鏡操作装置の筐体内に設けられている。
この場合、移動制御部を構成するチューブ移動規制部は、内視鏡操作装置の筐体に設けられた一対のガイドローラを含み、これらのガイドローラがチューブを挟持するようにしたものであり、一対のガイドローラの回転が規制されるロック状態と、一対のガイドローラの回転の規制が解除されたロック解除状態とを切り替え可能に構成されている。
また、移動制御部を構成する操作ワイヤ移動規制部は、内視鏡操作装置の筐体に設けられた巻取りローラを含み、この巻取りローラに操作ワイヤを巻き取るようにしたものであり、巻取りローラの回転が規制されるロック状態と、巻取りローラの回転の規制が解除されたロック解除状態とを切り替え可能に構成されている。
ただし、移動制御部は、内視鏡操作装置の筐体内ではなく、内視鏡操作装置の筐体とは別体の筐体内に設けられていてもよい。
また、チューブ移動規制部は、チューブを挟持する一対のガイドローラの回転規制と回転規制解除とを切り替えるものに限定されず、チューブを内視鏡操作装置の筐体の一部に押し付けてチューブの移動を不能するものでもよいし、操作ワイヤ移動規制部は、操作ワイヤの巻取りローラの回転規制と回転規制解除とを切り替えるものに限定されず、内視鏡操作装置の筐体に設けられた、操作ワイヤを挟持する一対のブレーキパットを有し、ブレーキパッドで操作ワイヤを挟持することで操作ワイヤの移動を規制するものでもよい。
上述したように、本発明の内視鏡システムは、光学系装置および光学装置に接続されたチューブを含む内視鏡と、内視鏡を移動させる駆動手段とを備え、駆動手段が、チューブ内に移動可能に設けられた第1の磁石と、チューブに固定された第2の磁石と、両磁石のうちの電磁石として機能するものに通電する通電制御部と、チューブおよび第1の磁石の移動の規制を制御する(移動可能あるいは移動不能を制御する)移動制御部とを有するものであれば、その他の構成は特に限定されるものではない。以下に示す実施形態の説明では、内視鏡の移動に超電導磁石の冷却のための流体の流れを利用する内視鏡システムを実施形態1で説明し、内視鏡の移動に操作ワイヤの移動可否を利用する内視鏡システムについては、操作ワイヤに固定される第1の磁石と、チューブに固定される第2の磁石との組み合わせが上述した組み合わせ(すなわち、以下に示す第1~第5の組み合わせ)である場合を実施形態2で説明するが、本発明はこれに限定されない。
・内視鏡の移動規制に流体(冷却媒体)の流れを利用する内視鏡システム(実施形態1)
・内視鏡の移動規制に操作ワイヤの移動可否を利用する内視鏡システム(実施形態2)
・・第1の組み合わせ:第1の磁石が超電導磁石であり、第2の磁石がリニア推進磁石である場合(実施形態2)
・・第2の組み合わせ:第1の磁石が永久磁石であり、第2の磁石が電磁コイルである場合(実施形態2の変形例1)
・・第3の組み合わせ:第1の磁石が電磁コイル(ソレノイド磁石)であり、第2の磁石がコイル体(外部から電流が印加されないコイル)である場合(実施形態2の変形例2)
・・第4の組み合わせ:第1の磁石が永久磁石であり、第2の磁石が電磁コイル(ソレノイド磁石)である場合(実施形態2の変形例3)
・・第5の組み合わせ:第1の磁石が電磁コイル(ソレノイド磁石)であり、第2の磁石が永久磁石である場合(実施形態2の変形例4)
また、以下の実施形態で説明する内視鏡では、光学系装置とチューブの先端部との間には形状記憶合金部材が設けられており、形状記憶合金部材の記憶形状により光学系装置の方向転換が可能となっており、さらに、チューブの硬さ調整も可能となっている(実施形態3)。
また、以下の実施形態で示す内視鏡では、内視鏡を移動させる駆動手段は、第1の磁石と第2の磁石との間に磁力が発生するように、両者のうちの電磁石への通電を制御する通電制御部と、チューブおよび第1の磁石(あるいは操作ワイヤ)の移動可能あるいは移動不能を制御する移動制御部とを有し、通電制御部および移動制御部は、内視鏡操作装置の筐体内に設けられている。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による内視鏡システム1を説明するための図であり、図1(a)は、内視鏡システム1全体の構成を示し、図1(b)は、磁力発生部120が設けられた内視鏡100の構成を概念的に示す。
この実施形態1の内視鏡システム1は、人体(例えば、被験者の身体)の管腔内の撮影が可能な内視鏡システムである。人体の管腔は、胃、食道、小腸、大腸、直腸などであり得る。
この内視鏡システム1は、図1(a)に示すように、撮像装置(図示せず)を含む光学系装置10および光学系装置10に接続されるチューブ110を含む内視鏡100と、内視鏡100を移動させる駆動手段1aと、内視鏡100を操作するための内視鏡操作装置50とを備えており、内視鏡操作装置50には、チューブ110を格納するチューブ格納部31が設けられている。
図2は、図1に示す内視鏡100の構造を具体的に説明するための図であり、図2(a)は、内視鏡100を構成するチューブ110の先端側部分(図1(b)のR1部分)の構造を模式的に示し、図2(b)は、チューブ110の周壁11の構造(図2(a)のR2部分)を示し、図2(c)は、図2(a)のX1-X1線断面の構造を示す。
(内視鏡100)
内視鏡100は、撮像装置(図示せず)を含む光学系装置10と、光学系装置10に接続されたチューブ110とを有している。
光学系装置10は、カメラなどの撮像装置の他に、管腔内を照らす照明装置、外部からの入射光を集光するレンズなどの光学系を有している。
チューブ110は、チューブ本体110aとメッシュワイヤ110bとを有する。
ここで、チューブ本体110aには、ビニールあるいはプラスチックなどの軟質性材料で構成された可撓性を有する筒型部材が用いられており、チューブ本体110aは、円筒形状の周壁11と、周壁11の先端側開口を塞ぐ先端部12とを有する。チューブ本体110aの周壁11の内側領域は、チューブ本体110aの中心軸(軸心)に沿って延びる内部通路13となっている。なお、図示していないが、この内視鏡システムでは、管腔内を膨らませる気体(空気、炭酸ガスなど)を送る送気通路(図示せず)を形成する送気チューブが光学系装置10に接続されたチューブ110とは別に設けられており、内視鏡操作装置50に設けられているスイッチ(送気フットスイッチ52b)の操作により、気体発生源からの気体(空気あるいは炭酸ガスなどの気体)が送気チューブの送気通路を介して管腔内に供給されるようになっている。従って、チューブ格納部31は、光学系装置10に接続されているチューブ110とともに、送気通路を形成する送気チューブを格納可能な構造となっていることが好ましい。ここで、気体発生源は、内視鏡操作装置50の装置筐体50a内に設けられていてもよいし、あるいは内視鏡操作装置50とは別体として設けられていてもよい。さらに、送気通路は、光学系装置10に接続されているチューブ110とは別のチューブに形成されたものには限定されず、光学系装置10に接続されるチューブ110のチューブ本体110aに形成されたものでもよい。
また、メッシュワイヤ110bはチューブ本体110aの周壁11の少なくとも先端側部分(チューブ全体にメッシュワイヤが設けられていてもよい)に組み込まれており、メッシュワイヤ110bへの通電によりメッシュワイヤ110bを収縮させることにより、軟質性部材で構成されているチューブ本体110aが硬くなるようになっている。なお、図2(b)には、メッシュワイヤ110bの収縮によりチューブ本体110aの周壁11が収縮する様子が示されている。
さらに、チューブ本体110aの先端部12は、チューブ本体110aの先端側の開口を塞ぐ先端壁12aと、先端壁12aの表面から突出する先端突出部12bとを有し、この内視鏡100では、チューブ本体110aの先端突出部12bの表面には光学系装置10が固着されており、光学系装置10とチューブ本体110aの先端突出部12bとの間には、形状記憶合金部材20が設けられている。
図3は、図1(a)に示すチューブ本体110aと光学系装置10との接続部分(図2(a)のR4部分)の構造を示す図であり、図3(a)は、チューブ12bが直線状の状態であることを示し、図3(b)は、チューブ12bが所定方向に屈曲している状態であることを示している。そして、図3(c)は、形状記憶合金部材(方向転換ワイヤ20a~20d)20が光学系装置10とチューブ本体110aの先端突出部12bとに跨って埋め込まれる様子を示す。
形状記憶合金部材の具体的な構成の一例を示すと、図2(c)に示すように、形状記憶合金部材20は、光学系装置10とチューブ本体110aの先端突出部12bの間に設けられた複数本(4本)の形状記憶合金ワイヤ(方向転換ワイヤ)20a~20dを含み、複数の方向転換ワイヤの各々が、予め復帰形状として先端が屈曲した形状を記憶しており、チューブ本体110aの先端突出部12bには、これらの方向転換ワイヤ20a~20dが折り返された部分がチューブ本体110aの外側に向くように配置されている。また、4本の方向転換ワイヤ20a~20dは、図2(c)に示すように、チューブ110の軸心の周りに約90度の間隔で配置されている。このため、内視鏡システム1は、4本の方向転換ワイヤ20a~20dのうちから形状復帰させるものを選択手段で選択することで、光学系装置の軸心が向く方向を調整することができる(図3参照)。この選択手段は、例えば、内視鏡操作装置50に設けられたスイッチ(後述する方向転換ボタン51a)の操作に応じて、電流を所定の方向転換ワイヤに印加してこの方向転換ワイヤを記憶形状に復帰させることで、光学系装置10をチューブ本体110aの軸心に対して傾けるものである。なお、実施形態1の内視鏡システム1では、駆動手段1aの磁力発生部120への通電を行う通電制御部141(図5参照)がこの選択手段を含んでいるが、内視鏡システム1は、この選択手段が通電制御部141とは別に設けられたものでもよい。
(駆動手段1a)
図1(a)に示すように、駆動手段1aは、チューブ110内に設けられた磁力を発生する磁力発生部120を含む。磁力発生部120は、図1(b)および図2(a)に示すように、チューブ110内に移動可能に設けられた第1の磁石120aと、チューブ110に固定された第2の磁石120bとを有するとともに、チューブ110に固定された第3の磁石120c(図4(b)、(c)参照)を有しており、第1の磁石120aとチューブ110とが相対移動可能に構成されたものである。ここで、磁力発生部120は、リニアモータ構成からなるものであり、第1の磁石120aは、チューブ110内を流れる冷却された流体によって冷却されることによって永久電流を発生する超電導磁石として用いられる超電導コイルからなる磁石であり、第2の磁石120bは、第2の磁石120bに対して第1の磁石120aを移動させるリニアモータの働きを第1の磁石120aとともに形成するように構成されたリニア推進磁石であり、第3の磁石120cは、第1の磁石120aをチューブ本体110aの内部通路13の内面から浮上させるための浮上用磁石である。
図4は、図2(a)に示す磁力発生部120をより具体的に説明するための図であり、図4(a)は、磁力発生部120の具体的構造(図2(a)のR3部分)を示し、図4(b)は、図2(a)のX2-X2線断面の構造を示し、図4(c)は、チューブ本体110aの内部通路13に設けられた第2の磁石120bおよび第3の磁石120cにおける磁極の配列を展開して示す。
具体的には、第1の磁石120aは、図4(a)に示すように、チューブ110内を流れる冷却された流体によって冷却されることによって超電導状態で永久電流が流れたとき、N極とS極とがチューブ110の軸心方向に沿って交互に配列された複数の磁極の配列が形成される超電導磁石である。そして、第2の磁石120bは、通電により第1の磁石120aとともにリニアモータの働きを形成するためのリニア推進磁石である。さらに、第3の磁石120cはネオジム磁石などの永久磁石であり、超電導状態におけるマイスナー効果とピン止め効果により超電導磁石120aを第3の磁石120cから一定距離隔てた状態(つまり、第3の磁石120cから浮上させた状態)を一定の保持力で保持するための磁石である。
第2の磁石120bおよび第3の磁石120cはそれぞれ、チューブ本体110aの内部通路13の少なくとも先端部分にチューブ本体110aの軸心に沿って延びるように配置されている。ここで、第2の磁石120bは、チューブ本体110aの軸心を挟んで相対向するように2列に配置されており、第3の磁石120cも、チューブ本体110aの軸心を挟んで相対向するように2列に配置されており、相対応する一対の第2の磁石120bと、相対向する一対の第3の磁石120cとは、チューブ本体110aの軸心の周りに約90ずれて位置している。これにより、第2の磁石120bと第3の磁石120cとは、チューブ本体110aの内部通路13内で円筒体を形成しており、チューブ本体110aの内部通路13内には、これらの磁石により、図4(a)、(b)に示すように内側通路13aと外側通路13bとが形成されている。
なお、この内視鏡100では、磁気発生部120を構成する第3の磁石120cの配列は、図4(c)に示すように、チューブ本体110aの周方向(チューブ本体110aの軸心周り)にはN極とS極とが交互に並び、かつ、チューブ本体110aの軸心方向には同一極が一列に並ぶ配列となっているが、第3の磁石120cは、第1の磁石(超電導磁石)120aをチューブ本体110aの内部通路13の内面から浮上させるものであれば、そのN極およびS極の配列は限定されるものでなく、任意であり得る。
この内側通路13aと外側通路13bとは、チューブ本体110aの先端側でつながっており、第1の磁石120aを超電導状態まで冷却するための流体(冷却媒体)の通り道となっている。また、内側通路13a内には、第1の磁石120aがチューブ本体110aの軸心方向に沿って配置されている。
図4に示す様に、内側通路13a内に配置されている第1の磁石120aは、内側通路13aを流れる流体により移動可能な状態となっている。つまり、内側通路13a内での流体の流れの方向を制御することによって、第1の磁石120aは、チューブ本体110a内で内視鏡100の先端側に前進したり、内視鏡100の根元側に後退したり、さらに、このような流体の流れから受ける力により所定の位置に停止することが可能である。
また、内視鏡100のチューブ本体110a内の内側通路13aおよび外側通路13bには、超電導磁石120aを冷却するための流体(例えば、液体窒素などの冷却媒体)が流体供給部152から供給されるようになっている。内側通路13aおよび外側通路13bは、流体が流体供給部152からチューブ110の内部通路13の先端部を介して流体供給部152を戻る流体の循環経路を形成しており、このような構成では、内側通路13aに配置されている超電導磁石120aの冷却および移動規制を行う流体がチューブ110から流出することはない。
なお、ここでは、流体供給部152(図1、図5参照)は、内視鏡操作装置50の装置筐体56内に設けられているが、内視鏡操作装置50とは別体として設けられていてもよい。冷却流体は、第1の磁石120aを超電導状態で作動可能なように冷却できれば任意の流体であり得る。例えば、液体ヘリウムであってもよいし、液体窒素などであってもよい。なお、チューブを移動させる手段として冷却流体の圧力を利用するようにしてもよい。
さらに、駆動手段1aは、第1の磁石120aと第2の磁石120bとの間に磁力が発生するようにリニア推進磁石120bへの通電を制御する通電制御部141と、チューブ110の移動可能あるいは移動不能、および第1の磁石120aの移動自在な状態あるいは移動規制の状態を制御する移動制御部150とを有している。
ここでは、通電制御部141および移動制御部150は、内視鏡操作装置50の装置筐体56内に設けられている。また、チューブ本体110aの周壁11には、メッシュワイヤ110bだけでなく、各種通電を行うための通電線110c~110e、電源線110f、モニタ信号線110gが組み込まれている。これらの通電制御部141、移動制御部150、通電線110c~110e、電源線110f、およびモニタ信号線110gについては以下の内視鏡操作装置50の説明で詳述する。
(内視鏡操作装置50)
この内視鏡システム1は、内視鏡100を操作するための内視鏡操作装置50を有しており、内視鏡操作装置50は、図1に示すように、チューブ格納部31、通電制御部141、第1操作部51、第2操作部52、入力部54、および表示部55を有している。
ここで、第1操作部51は、方向転換ボタン51a、内視鏡推進ボタン51b、および硬さ調整ボタン51cを含む。方向転換ボタン51aは、光学系装置10の向きを変えるための操作スイッチであり、内視鏡推進ボタン51bは、内視鏡を推進させるための操作スイッチであり、硬さ調整ボタン51cはチューブ本体110aの周壁11を硬くするための操作スイッチである。
第2操作部52は、巻取フットスイッチ52aおよび送気フットスイッチ52bを含む。巻取フットスイッチ52aは、チューブ110をチューブ格納部31の格納筐体30内に巻取るための操作スイッチであり、送気フットスイッチ52bは、チューブ110とは別の送気チューブ(図示せず)に設けられている送気通路(図示せず)から人体の管腔内への送気を行うための操作スイッチである。なお、内視鏡操作装置50は、送気チューブ(図示せず)を、内視鏡100のチューブ110とともに格納筐体30内に巻き取るようになっていてもよい。また、送気通路は、チューブ110のチューブ本体110aに形成されたものでもよい。
キーボード54は、内視鏡検査に必要な情報を内視鏡操作装置50に入力するための入力デバイスであり、モニタ55は、内視鏡100の光学系装置10で撮影した画像、入力情報などの情報を表示する表示部である。
さらに、チューブ格納部31および通電制御部141を具体的に説明する。
図5は、図1(a)に示す内視鏡システム1の内視鏡操作装置50に含まれるチューブ格納部31および通電制御部141を示す図である。
チューブ格納部31は、チューブ110を格納する格納筐体30と、チューブ110を格納筐体30から送出し可能にかつ格納筐体30へ取込み可能に支持する一対の支持ローラ151と、チューブ110の内部通路13の内側通路13aあるいは外側通路13bに、超電導磁石120aを冷却するための流体(液体窒素)Lnを供給する流体供給部152とを有している。ここで、支持ローラ151は回転可能に格納筐体30に取り付けられている。また、流体供給部152は、流体として液体窒素を貯留した流体貯留源152aと、流体貯留源152aからチューブ110の内側通路13aあるいは外側通路13bに送り出される流体の流量を調整する流量調整部152bとを有している。流体貯留源152aは、チューブ本体110aの内側通路13aとは第1の送液管130aによりにつながり、チューブ本体110aの外側通路13bとは第2の送液管130bによりつながっている。ここで、第1の送液管130aおよび第2の送液管130bには、例えば、ビニール配管が用いられており、流量調整部152bには、ビニール配管に取り付けられた流量調整弁が用いられる。第1の送液管130aおよび第2の送液管130bとして用いる配管の材料、形状などは限定されるものではないが、断熱性を有する材質のものが好ましい。流量調整部152bとして用いる流量調整弁も材質あるいは構造は限定されるものではないが、断熱性を有する材質のものが好ましい。
そして、移動制御部150は、支持ローラ151の回転のロックおよびロック解除を行うことにより、チューブ100の移動可能あるいは移動不能を制御し、さらに、流体供給部152からチューブ110の内側通路13aあるいは外側通路13bに送り出される流体の状態(流量や流体圧)の調整(流体の停止を含む)により、内側通路13a内に配置された第1の磁石120aが、第2の磁石120bとの間の斥力により内視鏡100の根元側(光学系装置10が取り付けられている先端側とは反対側)に押し戻されるのを阻止したり、押し戻しを許容したりすることを制御するものである。
具体的には、移動制御部150は、チューブ110が移動不能な状態(移動規制状態)とチューブ110が移動可能な状態(移動規制解除状態)との間でチューブの状態を切り替えるチューブ移動規制部150aと、第1の磁石120aが内視鏡100内で保持された移動不能な状態(移動規制状態)と第1の磁石120aが内視鏡100内で移動可能な状態(移動規制解除情報)との間で第1の磁石120aの状態を切り替える磁石移動規制部150bとを含む。
より具体的には、チューブ移動規制部150aは、一対の支持ローラ151の回転を規制するロック状態と、一対の支持ローラ151の回転の規制を解除したロック解除状態とを切り替え可能に構成されている。
また、磁石移動規制部150bは、流量調整弁152bを制御して流体通路130を流れる流体の供給条件(流量や流体圧)を調整することにより、チューブ110の内側通路13a内で第1の磁石120aが第2の磁石120bとの斥力により移動するのを、内側通路13aを流れる流体によって阻止する規制状態と、流量調整弁152bを制御して流体通路130を流れる流体の供給条件を調整することによって(例えば、流量や流体圧を低くしたり、流量を停止する)、第1の磁石120aの移動の規制を解除する規制解除状態とを切り替え可能に構成されている。
なお、人体の管腔内で内視鏡100を前進させるだけであれば、チューブ110の内側通路13aおよび外側通路13bに流す流体を止める必要はないが、流体を流し続けると、内視鏡100が管腔内で意図しない移動(前進または後退)を行うことがあるので、内視鏡100を止めて撮影を行う場合などは、チューブ110の内側通路13aおよび外側通路13bに流す流体および通電制御は停止させておくのが好ましい。
(通電制御部141)
通電制御部141は、磁石通電線110cを介して第2の磁石(リニア推進磁石)120bに接続され、メッシュワイヤ通電線110dを介してメッシュワイヤ110bに接続され、4つの方向転換ワイヤ通電線110e(図5では1つの方向転換ワイヤ通電線110eのみ図示)を介して4つの方向転換ワイヤ20a~20dに接続されている。
そして、通電制御部141は、方向転換ボタン51aの操作に基づいて、4つの方向転換ワイヤ20a~20dのうちの1つに加熱のための電流(加熱電流)を印加し、内視鏡推進ボタン51bに基づいて第2の磁石(リニア推進磁石)120bに内視鏡100を前進させるための3相交流電流を印加し、さらに、硬さ調整ボタン51cの操作により、メッシュワイヤ110bに加熱のための電流(加熱電流)を印加するように構成されている。
また、この通電制御部141は、光学系装置10に電源線110fにより電力を供給するとともに、光学系装置10からの画像信号を、モニタ信号線110gを介して受信して撮像画像をモニタ55に表示するように構成されている。
そして、駆動手段1aは、通電制御部141および移動規制部150を以下のように制御する。
すなわち、通電制御部141が、第1の磁石120aと第2の磁石120bとの間の磁力によりチューブの軸心方向に沿ってチューブ110の先端部が第1の磁石120aから遠ざかるように、リニア推進磁石120bへの三相交流電流の通電を行い、同時に、移動制御部150が、チューブ110の移動不能(一対のチューブ支持ローラ151のロック状態)を解除して、チューブ110内での第1の磁石120aの移動を内側通路13aおよび外部通路13bでの流体の流れにより規制する動作と、
通電制御部141が、リニア推進磁石120bへの三相交流電流の通電を停止し、同時に、移動制御部150が、チューブ110の移動を一対のチューブ支持ローラ151のロックにより不能とし、かつ第1の磁石120aが流体の流れによりチューブ110の軸心方向に沿ってチューブ110の先端部に近づくように、流体供給部152からチューブ110内に流体を供給する動作と
が繰り返し行われるように、駆動手段1aが通電制御部141および移動制御部150を制御する。これらのステップを行うことにより、駆動手段1aによって、内視鏡が管腔内で前進することが可能となる。
次に、本実施形態1の内視鏡システム1の詳細な動作について説明する。
以下では、実施形態1の内視鏡システム1を用いて人体(被検者)の管腔内の内視鏡検査を行う場合の内視鏡システム1の動作を説明する。
まず、操作者は、内視鏡100のチューブ110を内視鏡操作装置50のチューブ収納部31(図1(a)参照)から引き出して、チューブ110の先端部分に取り付けられている光学系装置10を、チューブ110の先端部分とともに人体の腸管内に挿入するとともに、送気チューブ(図示せず)をチューブ格納部31から引き出して人体の腸管内に挿入する。
次に、送気フットスイッチ52bの操作により、送気チューブの送気通路(図示せず)から空気を腸管内に送り込む。なお、人体の腸管内への送気は、内視鏡100のチューブ110に形成した送気通路から行うようにしてもよい。その後、操作者が内視鏡操作装置50の内視鏡推進ボタン51bを操作すると、駆動手段1aが内視鏡推進ボタン51bの操作信号に基づいて内視鏡100を腸管内で推進させることとなる。
図6は、図1に示す内視鏡システム1の内視鏡100が移動する動作を説明するための図である。
図6に示す様に、内視鏡100の先端(すなわち、光学系装置10の先端)が管腔内のある位置P0に位置しているときに(時刻T0)、移動制御部150が、チューブ移動規制部150aによりチューブ110の移動不能(チューブ支持ローラ151のロック)を解除し、かつ、磁石移動規制部150bが流量調整部152bを制御することにより、チューブ110の内側通路13aおよび外部通路13bを通る流体Lnの供給条件を調整することによって、第1の磁石120aを所定位置に保持した状態で、通電制御部141がリニア推進磁石120bへ通電することで、第1の磁石(超電導磁石)120aと第2の磁石(リニア推進磁石)120bとの間の磁力により、内視鏡100の先端が位置P1に移動する(時刻T1)。
なお、第1の磁石120aを保持する状態は、流量調整部152bから第1の送液管130aを介してチューブ110の内側通路13aに供給される流体Lnの供給条件(流量や流体圧)、あるいは流量調整部152bから第2の送液管130bを介してチューブ110の外側通路13bに供給される流体Lnの供給条件(流量や流体圧)を調整することにより行われる。
内視鏡100の先端がP1に移動した後、通電制御部141が第2の磁石120bへの通電を停止した状態で、移動制御部150が、チューブ移動規制部150aによりチューブ支持ローラ151をロック状態とすることによりチューブ110の移動規制した状態で、流体供給部152が内側通路13aを流れる流体Lnの流れを前進方向となるように制御することによって、第1の磁石120aが内視鏡100の先端に接近する位置まで移動する(時刻T2)。
第1の磁石120aを内視鏡100の先端に向けて移動させるときは、第1の磁石120aを内視鏡100の先端側に移動させる磁石の力と、流体が第1の磁石120aを内視鏡100の先端側に押す力との合力が大きすぎない場合に限って、液体の流れにより第1の磁石120aを内視鏡100の先端側に押す状態は解除しなくてもよい。また、場合によっては、第1の磁石120aを内視鏡100の先端側に押す磁石の力を弱めて、流体の流れだけで、第1の磁石120aを内視鏡100の先端側に移動させるようにしてもよい。
このように、時刻T0~T2の間に、第1の磁石120aが前進した移動距離Mdは、内視鏡100が前進した距離Ldと同じであり、内視鏡100および第1の磁石120aが管腔内で一定距離Ldだけ進んだこととなる。
また、このように内視鏡100が管腔内を移動している状態で、光学系装置10での撮影により得られた画像信号が、光学系装置10からモニタ信号線110gを介して通電制御部141にて受信されると、通電制御部141は、受信した画像信号をモニタ55に出力する。これによりモニタ55には、内視鏡100が管腔内を撮影した画像が表示される。なお、必要に応じて、画像信号は通電制御部141内の記憶装置に記録されてもよい。
さらに、このように内視鏡100が管腔内を撮影している状態で、チューブ110の軸心に対する光学系装置10の向きを、光学系装置10が内視鏡100の進行方向の正面から側面側を向いた状態に変更したいときは、内視鏡操作装置50の方向転換ボタン51aを操作することにより、光学系装置10の軸心が内視鏡100の軸心に対してなす角度を変更することができる。なお、光学系装置10の向きを変えたい場合は、例えば、管腔内を前進する内視鏡100が管腔の屈曲部にさしかかったときに、管腔の屈曲した部分の先を見たいときである。
つまり、方向転換ボタン51aの操作により、光学系装置10とチューブ110の先端部とにつながっている4つの方向転換ワイヤ20a~20dのうちの所定のものを選択すると、通電制御部141からは、選択された方向転換ワイヤ(例えば、方向転換ワイヤ20a)に加熱電流が流れることとなり、これにより温度上昇した方向転換ワイヤ20aの温度が形状復帰温度以上になると、予め記憶している屈曲した形状に変形することとなり、図3(b)に示すようにチューブ110に対する光学系装置10の姿勢を変化させることが可能となる。
複数ある方向転換ワイヤの内通電するワイヤを選択することにより、光学系装置10による撮像方向を所望の方向に変化させることが可能となる。
また、人体の管腔(例えば、大腸や小腸など)は様々な方向にねじれたり屈曲したりしており、かつ内視鏡100(特にチューブ110)は柔軟であるため、操作者が、駆動手段1aによる内視鏡100を前進方向に推進させる動作が行われているにも関わらず、推進する力が内視鏡100の先端に伝達されず内視鏡100が所望通りに前進できない状態が発生する。このような状態においては、チューブ110の硬さを硬くする硬さ調整ボタン51cの操作によりチューブ110を硬くすることによって、推進する力を内視鏡100の先端に正確に伝達することが可能となる。
すなわち、硬さ調整ボタン51cの操作により通電制御部141は、メッシュワイヤ通電線110dを介してメッシュワイヤ110bに加熱電流を印加する。これによりメッシュワイヤ110bはその温度上昇により収縮する。これにより、チューブ110の周壁11は、図2(b)に示すように、メッシュワイヤ110bの収縮に伴う収縮により硬くなる。
移動制御部150などによって内視鏡100を腸管内で移動させながら所望の位置や方向で撮像装置を用いて観察を行うことが可能となる。
内視鏡100による管腔内の撮影が終了し、内視鏡100を人体から取り出す際には、操作者が巻取フットスイッチ52aを操作することによって、チューブ格納部31のチューブ巻取機160が駆動して内視鏡100のチューブ110の巻取りが行われ、人体の管腔内から内視鏡100が取り出されることとなる。
このように本実施形態1の内視鏡システム1は、内視鏡100を移動させる駆動手段1aを備え、駆動手段1aが、チューブ110の内部通路13内に移動可能に配置された第1の磁石(超電導磁石)120aと、チューブ110に固定された第2の磁石(リニア推進磁石)120bと、リニア推進磁石120bに通電する通電制御部141と、チューブ110およびチューブ110内に配置された第1の磁石120aの移動を制御する移動制御部150とを有していることを、一つの特徴としている。このため、この内視鏡システム1では、通電制御部141によるリニア推進磁石120bへの通電と、移動制御部150によるチューブ110および超電導磁石120aの移動制御とにより内視鏡100を管腔内で推進させることが可能となる。
したがって、従来の人体の体外に備えられた大型の磁力発生装置が不要になるため、高磁場による人体への影響および装置の大型化が回避することが可能となる。
なお、上述した実施形態1では、内視鏡100の推進は駆動手段1aの磁力発生部120による磁力により行う場合を示したが、必要に応じて、磁力発生部120による磁力を用いずに、流体供給部152によるチューブ110の内部通路13のうちの、超電導磁石120aが配置されている内側通路13aへ流す流体の勢いにより内視鏡100を推進させてるようにしてもよい。
また、超電導磁石120aの移動規制をチューブ本体110a内での流体の流れにより行う場合のチューブ本体110aの構成は、実施形態1に示したように、超電導磁石120aが配置されている内側通路13aを通過した流体が外側通路13bを介して流体供給部152に戻る構成には限定されず、超電導磁石120aが配置されている内部通路に供給された流体が、チューブ本体110aの先端部から管腔内に排出される構成でもよい。
例えば、チューブ本体110aは、超電導磁石120aが配置されている内部通路13に送り込まれた流体がチューブ本体110aの先端部に形成された開口からチューブ本体110aの外部に排出される構造としてもよい。
以下、このようなチューブ110内に供給された流体をチューブ本体110aの先端部から管腔内に排出する機構を備えた内視鏡システムを実施形態1の変形例として説明する。
(実施形態1の変形例)
この実施形態1の変形例による内視鏡システムは、内視鏡のチューブ内を流れる流体の流路の構造およびこの流路での流体の流れにより内視鏡の移動を制御する構成が実施形態1のものと異なる。この実施形態1の変形例におけるその他の構成は、実施形態1におけるものと同一である。
図6Aは、図1に示す内視鏡システム1の変形例を説明するための図であり、内視鏡システム1の内視鏡100とは構造が異なる内視鏡1100を示し、この変形例1の内視鏡1100は、実施形態1の内視鏡100とはチューブ本体の構成が以下の点で異なる。
実施形態1の変形例1のチューブ本体1110aでは、その周壁11の先端近傍部に、チューブ本体1110aの内部通路13に供給された流体をチューブ本体1110aから排出するための排出口11aが形成されている点、および、実施形態1の変形例1のチューブ本体1110aでは、外側通路が存在していない点である。
この相違点によって、実施形態1の変形例では、実施形態1とは異なり、チューブ本体1110aの外部から送液管130を介して超電導磁石120aが配置されている内部通路13に供給された流体が上述した排出口11aから管腔内に排出されるようになっている。以下具体的に説明する。
図6Bは、図6Aに示す内視鏡1100を移動させる構成を説明するための図であり、チューブ格納部31、通電制御部141、移動制御部1150および流体供給部1152を説明するための図である。
実施形態1の変形例において、流体貯留源152aが、1つの送液管130を介して内視鏡1100のチューブ本体1110aの内部通路13につながっている点で実施形態1のものとは異なる。
また、実施形態1の変形例において、磁石移動規制部1150bが、1つの送液管130での流体の流量を調整する流量調整部1152bを制御することにより、流体貯留源152aから内視鏡1100のチューブ本体1110aに供給される流体の流れを調整する構成となっている点で実施形態1のものとは異なる。
次に、実施形態1の変形例1による内視鏡システムにおける内視鏡1100の移動を説明する。
図6Cは、図6Aに示す内視鏡1100の移動動作を説明するための図である。
例えば、内視鏡1100の先端(すなわち、光学系装置10の先端)が図6Cに示すように管腔内の位置P0に位置しているときに(時刻T0)、移動制御部1150が、チューブ移動規制部150aによりチューブ1110の移動不能を解除し、磁石移動規制部1150bによりチューブ1110の内部通路13での流体Lnの流量を調整する。この流体の供給条件の調整により、第1の磁石(超電導磁石)120aと第2の磁石(リニア推進磁石)120bとの間に生ずる磁力により第1の磁石120aに動く力が生じても、第1の磁石120aが移動せずに所定位置に保持される。この状態において、第1の磁石(超電導磁石)120aと第2の磁石(リニア推進磁石)120bとの間で磁力が発生することにより内視鏡100の先端が位置P1に達する(時刻T1)。
なお、流体の流れの勢いにより第1の磁石120aが保持された状態は、例えば、図6C(時間T=T0~T1)に示すように、流体Lnがチューブ本体1110aの内部通路13を内視鏡1100の所定の方向に流れている状態であり、この状態では、チューブ本体1110aでは、流体は、チューブ本体1110aの先端に形成された排出口11aから管腔内に対して流出あるいは流入する。
続いて、移動制御部1150が、チューブ移動規制部150aによりチューブ110の移動を不能とし、磁石移動規制部1150bにより第1の磁石120aが前進方向へ付勢された状態が解除された状態(つまり、チューブ本体1110aの内部通路13への流体の供給を停止または少量とした状態)で、通電制御部141がリニア推進磁石120bへの通電を行うことによって超電導磁石120aとリニア推進磁石120bとの間に磁力が働き、超電導磁石120aが内視鏡1100の先端に接近する位置まで移動する(時刻T2)。
なお、実施形態1あるいはその変形例の内視鏡システムでは、チューブ本体110aの内部通路13での流体の流れにより超電導磁石120aの移動規制を行う構成に加えて、チューブ本体110a内に超電導磁石120aが固定可能な操作ワイヤを軸方向に移動可能に設け、この操作ワイヤによって超電導磁石120aの移動規制を行う構成を併用してもよい。
また、実施形態1あるいはその変形例の内視鏡システムでは、超電導磁石120aの移動制御をチューブ110の内部通路13に流す流体の勢いにより行う構成に代えて、超電導磁石120aの移動規制をチューブ本体110a内に軸方向に移動可能に設けられた操作ワイヤの移動規制により行う構成を備えたものでもよい。
次に、第1の磁石の移動制御を、操作ワイヤを用いて行う内視鏡システムを実施形態2として説明する。
(実施形態2)
図7は、実施形態2による内視鏡システム2を説明するための図であり、図7(a)は、内視鏡システム2全体の構成を示し、図7(b)は、内視鏡200を駆動する駆動手段2aに含まれる磁力発生部120の構成を概念的に示す。
この内視鏡システム2は、実施形態1の内視鏡システム1における第1の磁石120aの移動制御を第1の磁石120aを冷却する流体により行う構成に代えて、第1の磁石120aの移動制御を、第1の磁石120aが固定される操作ワイヤ230の移動制御により行う構成を備えたものであり、以下、実施形態2の内視鏡システム2における、実施形態1の内視鏡システム1と異なる構成を主として説明する。
図8は、図7に示す内視鏡200の構造を具体的に説明するための図である。図9は、図7に示す磁力発生部120の具体的な構成を模式的に示す図であり、図9(a)は、チューブ210の軸心に平行な断面の構造を示し、図9(b)は、チューブ210の軸心に平行な断面の構造を示し、図9(c)は、チューブ210の周壁の内面に設けられた磁石の配置の展開図を示す。
(内視鏡200)
この内視鏡システム2では、内視鏡200は、実施形態1と同様に、撮像装置(図示せず)を含む光学系装置10と、光学系装置10に接続されるチューブ210とを有するだけでなく、チューブ210のチューブ本体210a内には、第1の磁石120aが固定される操作ワイヤ230が移動可能に設けられている。
ここで、チューブ210は、チューブ本体210aとメッシュワイヤ110bとを有する。メッシュワイヤ110bは、実施形態1のものと同じものである。
チューブ210のチューブ本体210aでは、第2の磁石120bは、チューブ本体210aの周壁11の内面に配置されており、内部通路13は、内側通路のみであり、外側通路を有さない点で実施形態1のチューブ本体110aとは異なる。実施形態2の内視鏡システム2では、第1の磁石120aの移動制御は操作ワイヤ230により行う構成となっているので、実施形態1の内視鏡システム1のように、チューブ本体210a内を流れる流体によって超電導磁石120aの移動や規制を制御する必要がなく、冷却流体を供給できれば良いためである。ただし、実施形態2のチューブ本体210aも、実施形態1のチューブ本体110aと同様に、内部通路13が内側通路13aおよび外側通路13bを含む構造となっていてもよい。それらのようにすることにより超電導磁石120aを効率的に冷却することが可能となる。
実施形態2のチューブ本体210aにおける内部通路13以外の基本的な構造は、実施形態1(またはその変形例)のものと同様である。
(駆動手段2a)
図9は、図7に示すチューブ210のより具体的な構造を模式的に示す図であり、図9(a)は、チューブ210の軸心に平行な断面の構造を示し、図9(b)は、チューブ210の軸心に垂直な断面の構造を示し、図9(c)は、チューブ210の周壁11の内面に設けられた磁石の配置の展開図を示す。
実施形態2の内視鏡200を駆動する駆動手段2aは、図8に示すように、操作ワイヤ230とチューブ210とを相対移動させる磁力を発生する磁力発生部120を含み、磁力発生部120は、図8、図9(a)に示すように、操作ワイヤ230の先端に固定された第1の磁石(超電導磁石)120aと、チューブ210に固定された第2の磁石(リニア推進磁石)120bとを有しており、さらに、図9(b)および図9(c)に示すように、第1の磁石120aを浮上させる第3の磁石(浮上用磁石)120cを有している。
ここで、第1の磁石120a、第2の磁石120bおよび第3の磁石120cは実施形態1におけるものと同一であるが、チューブ本体210a内での第2の磁石120bおよび第3の磁石120cの配置が、実施形態1のものと異なり、実施形態2のチューブ本体210aでは、実施形態1のチューブ本体110aにおける、第2の磁石120bおよび第3の磁石120cの配置領域の外側に位置する外側通路13bは存在していない。
通電制御部241は実施形態1における通電制御部141と同一のものであるが、移動制御部250は、実施形態1における移動制御部150とは構成が異なる。
さらに、この実施形態2の内視鏡200は、チューブ210内に設けられた操作ワイヤ230を含んでいるので、チューブ収納部32およびチューブ収納部32を含む内視鏡操作装置50aの構成も実施形態1のものとは異なっている。
図10は、図7に示す実施形態2の内視鏡システム2の内視鏡操作装置50aに含まれるチューブ格納部32および移動制御部250を説明するための図である。
チューブ格納部32は、チューブ210を格納する格納筐体30と、チューブ210を格納筐体30から送出し可能にかつ格納筐体30へ取込み可能に支持する一対の支持ローラ151に加えて、操作ワイヤ230が巻取り可能にかつ送出し可能に巻き付けられた巻取りローラ252とを有している。これらの支持ローラ151および巻取りローラ252は回転可能に格納筐体30に取り付けられている。
そして、移動制御部250は、支持ローラ151および巻取りローラ252の回転のロックおよびロック解除を行うことにより、チューブ200および操作ワイヤ230の移動可能あるいは移動不能を制御するものである。
具体的には、移動制御部250は、チューブ210が移動不能な状態(移動規制状態)とチューブ210が移動可能な状態(移動規制解除状態)との間でチューブの移動規制を切り替えるチューブ移動規制部150aに加えて、操作ワイヤ230が移動不能な状態(移動規制状態)と操作ワイヤ230が移動可能な状態(移動規制解除情報)との間で操作ワイヤ230の移動規制を切り替える操作ワイヤ移動規制部250bを含む。
なお、チューブ移動規制部150aは、実施形態1のものと同一構成である。
そして、実施形態2による内視鏡システム2では、流体供給部からチューブ本体210の内部通路へ第1の磁石120aを冷却するための流体が供給される。
そして、駆動手段2aは、
第1の磁石120aと第2の磁石120bとの間の磁力によりチューブ210の先端部が前進する方向(第1の磁石120aから遠ざかる方向)に向かうように、通電制御部241がリニア推進磁石120bへの通電を行い、同時に、移動制御部250がチューブ210の移動不能を解除して、操作ワイヤ230の移動を不能とする動作と、
第1の磁石120aと第2の磁石120bとの間の磁力により第1の磁石120aが前進する方向(チューブ210の先端部に第1の磁石120aが近づく方向)に向かうように、通電制御部241がリニア推進磁石120bへの通電を行い、同時に、移動制御部250がチューブ210の移動を不能として、操作ワイヤ230の移動不能を解除する動作と
が繰り返し行われるように、通電制御部241および移動制御部250を制御する構成となっている。これにより、駆動手段2aは、内視鏡が管腔内で前進させることとなる。
次に、実施形態2の内視鏡システム2の動作を説明する。
まず、操作者は、内視鏡200を内視鏡操作装置50aのチューブ収納部32(図7参照)から引き出して、チューブ210の先端部分に取り付けられている光学系装置10を、チューブ210の先端部分とともに人体の腸管内に挿入し、同時に、送気チューブ(図示せず)を人体の腸管内に挿入し、送気フットスイッチ52bの操作により、送気チューブの送気通路(図示せず)から空気を腸管内に送り込む。その後、操作者が内視鏡操作装置50aの内視鏡推進ボタン51bを操作すると、駆動手段2aが内視鏡推進ボタン51bの操作信号に基づいて内視鏡200を腸管内で推進させることとなる。
図11は、図7に示す内視鏡システム2の内視鏡200が移動する動作を説明するための図である。
例えば、内視鏡200の先端(すなわち、光学系装置10の先端)が図11に示すように管腔内の位置P0に位置しているときに(時刻T0)、移動制御部250が、チューブ移動規制部150aによりチューブ210の移動不能を解除し、操作ワイヤ移動規制部250bにより操作ワイヤ230の移動を不能とした状態で、第1の磁石(超電導磁石)120aと第2の磁石(リニア推進磁石)120bとの間の磁力によりチューブ210の軸心方向に沿って内視鏡200の先端が第1の磁石120aから遠ざかるように、通電制御部241がリニア推進磁石120bへの通電を行うと、内視鏡200の先端が第1の磁石120aから遠ざかるように移動し、管腔内のより前進した位置P1に達する(時刻T1)。
続いて、移動制御部250が、チューブ移動規制部150aによりチューブ210の移動を不能し、操作ワイヤ移動規制部250bにより操作ワイヤ230の移動不能を解除した状態で、第1の磁石(超電導磁石)120aと第2の磁石(リニア推進磁石)120bとの間の磁力によりチューブ210の軸心方向に沿って内視鏡200の先端に第1の磁石120aが近づくように、通電制御部241がリニア推進磁石120bへの通電を行うと、第1の磁石120aが内視鏡200の先端に最接近する位置まで移動する(時刻T2)。
このように、時刻T0~T2の間に、第1の磁石120aが前進した移動距離Mdおよび操作ワイヤ230が移動した距離Wdは、内視鏡200が前進した距離Ldと同じであり、内視鏡200および操作ワイヤ230が管腔内で一定距離Ldだけ進んだこととなる。
この実施形態2の内視鏡システム2では、内視鏡200が管腔内を移動している状態では、実施形態1の内視鏡システム1と同様に、モニタ55には、内視鏡100が管腔内を撮影した画像が表示される。
このように本実施形態2の内視鏡システム2においても、通電制御部241による第2の磁石120bへの通電と、移動制御部250によるチューブ210および操作ワイヤ230の移動制御とにより内視鏡200を管腔内で推進させることが可能となり、したがって、従来の人体の体外に備えられた大型の磁力発生装置が不要になるため、高磁場による人体への影響および装置の大型化を回避することが可能となる。
なお、上述した実施形態2では、内視鏡200の推進は駆動手段2aにより行う場合を示したが、必要に応じて、操作者が操作ワイヤ230を操作することで内視鏡200を推進させてもよい。
また、実施形態2では、第1の磁石120aとして超電導磁石120aを用い、第2の磁石120bとして、超電導磁石120aとともにリニアモータを形成するリニア推進磁石120bを用いたが、第1の磁石および第2の磁石として用いる具体的な磁石は、実施形態2のものに限定されず、第1の磁石として永久磁石を用い、第2の磁石として電磁コイル(ソレノイド磁石)を用いた場合を、実施形態2の変形例1として説明する。
(実施形態2の変形例1)
図12は、本発明の実施形態2の変形例1として、実施形態2の内視鏡200とは磁力発生部の構成が異なる内視鏡300を備えた内視鏡システムを説明するための図であり、内視鏡300の構成を示している。
内視鏡300は、チューブ本体310aに設けられている磁力発生部320の構成および通電制御部の構成が、それぞれ実施形態2のものと異なっている。
実施形態2の変形例1における磁力発生部320および通電制御部について具体的に説明する。
磁力発生部320は、図12に示すように、操作ワイヤ230の先端に固定された第1の磁石320aと、チューブ310に固定された第2の磁石320bとを有している。ここで、第1の磁石320aは永久磁石であり、第2の磁石320bは電磁コイルであり、第2の磁石320bのコイル内に第1の磁石320aが配置されている。
また、通電制御部は、実施形態2の通電制御部241において磁石通電線110cに代わる磁石通電線310cを備えたものである。
ここで、磁石通電線310cは、図12に示すように、第2の磁石320bのコイルに直流電流を印加するものであり、実施形態2の通電制御部241における3相交流を第2の磁石120bに印加する磁石通電線110cとは構成が異なっている。
このような構成の実施形態2の変形例1における内視鏡システムにおいても、通電制御部から第2の磁石320bへの通電を行い、同時に、操作ワイヤ移動規制部250bによる操作ワイヤ230の移動規制および規制解除と、チューブ移動規制部150aによるチューブ310の移動規制および規制解除とを行うことで、第1の磁石320aと第2の磁石320bとの間に発生する磁力により内視鏡300を、人体の腸管などの管腔内で前進させることが可能となる。
次に、第1の磁石としてソレノイド磁石を用い、第2の磁石には、外部から電流を印加しないコイル単体を用いた場合について、実施形態2の変形例2として説明する。
(実施形態2の変形例2)
図13は、本発明の実施形態2の変形例2として、内視鏡400を備えた内視鏡システムを説明するための図であり、内視鏡400の構成を示している。
この実施形態2の変形例2による内視鏡システム(図示せず)は、これまで説示した実施形態2および変形例2に対して、磁力発生部および通電制御部の構成が異なる。
すなわち、磁力発生部420では、図13に示すように、操作ワイヤ230の先端に固定された第1の磁石420aとして、鉄心にコイルを巻き付けてなるソレノイド磁石が用いられ、チューブ410に固定された第2の磁石420bとして、外部から電流が印加されないコイル体が用いられており、コイル体420bの内部にはソレノイド磁石420aが移動可能に配置されている。ここで、このコイル単体は、コイルの両端が接続されたものであり、コイル内の磁束密度が変化するとき、磁束密度の変化を抑制するように自己誘導により磁力を発生する構成となっている。
また、通電制御部(図示せず)から第1の磁石420aへの通電を行い、同時に、操作ワイヤ230の移動規制および規制解除と、チューブ移動規制部150aによるチューブ410の移動規制および規制解除とを行うことで、第1の磁石420aと第2の磁石420bとの間に発生する磁力により内視鏡400を、人体の腸管などの管腔内で前進させることが可能となる。
なお、操作ワイヤ230に固定された第1の磁石420aとしてソレノイド磁石を用い、チューブ410に固定された第2の磁石420bとしてコイル体を用いているが、コイル体に代えて、チューブ本体410aの周壁11の内面に取り付けられた永久磁石(例えば、ネオジム磁石)を用いてもよい。この場合、永久磁石は、ソレノイド磁石420bの両側に同じ磁極が向かい合うように配置されることが好ましい。しかし、本発明はこれに限定されない。
さらに以下では、実施形態2の磁力発生部の構成を簡略化した内視鏡システムの例を実施形態2の変形例3説明する。
(実施形態2の変形例3)
図14は、本発明の実施形態2の変形例3による内視鏡システムを説明するための図であり、この内視鏡システムで用いられる内視鏡500の内部構造を模式的に示している。
この変形例3において、磁力発生部520は、操作ワイヤ230に固定される第1の磁石520aとして永久磁石を有し、チューブ本体510aに固定される第2の磁石520bとしてソレノイド磁石を有するものである。
また、この内視鏡500を移動させる駆動手段(図示せず)が有する通電制御部による通電制御は、チューブ本体510aの先端部12aに組み込まれたソレノイド磁石520bへの通電を磁石通電線510cにより行う構成となっている。
なお、図中、510は、変形例3の内視鏡500を構成するチューブであり、このチューブ510は、チューブ本体510aとメッシュワイヤ110bとを含んでおり、チューブ本体510aは、周壁11と先端部12とを有している。また、移動制御部は、磁石通電線510cを介してチューブ本体510aに組み込まれた第2の磁石520bへの通電を行う。
次に、本実施形態2の変形例3の内視鏡システムにおける内視鏡500が移動する動作を説明する。
図15は、図14に示す内視鏡500が移動する動作を説明するための図である。
例えば、内視鏡500の先端(すなわち、光学系装置10の先端)が管腔内の位置P0に位置しているときに(時刻T0)、移動制御部が、チューブ移動規制部150aによりチューブ510の移動不能を解除し、操作ワイヤ移動規制部250bにより操作ワイヤ230の移動を不能とした状態で、第1の磁石(永久磁石)520aと第2の磁石(ソレノイド磁石)520bとの間の斥力が生ずるように、通電制御部がソレノイド磁石520bへの通電を行うと、内視鏡500の先端が第1の磁石520aから遠ざかるように移動し、管腔内のより前進した位置P1に達する(時刻T1)。
続いて、移動制御部が、チューブ移動規制部150aによりチューブ510の移動を不能とし、操作ワイヤ移動規制部250bにより操作ワイヤ230の移動不能を解除した状態で、第1の磁石(永久磁石)520aと第2の磁石(ソレノイド磁石)520bとの間に引力が発生するように、通電制御部(図示せず)がソレノイド磁石520bへの通電を行うと、第1の磁石520aが内視鏡500の先端部に最接近する位置まで移動する(時刻T2)。
時刻T0~T2の間に、第1の磁石520aが前進した移動距離Mdおよび操作ワイヤ230が移動した距離Wdは、内視鏡500が前進した距離Ldと同じであり、内視鏡500および操作ワイヤ230が管腔内で一定距離Ldだけ進んだこととなる。
従って、移動制御部がチューブ510の移動不能を解除して、操作ワイヤ230の移動を不能とする第1の移動規制と、移動制御部がチューブ510の移動を不能として、操作ワイヤ230の移動不能を解除する第2の移動規制とを繰り返すとともに、第1の磁石520aと第2の磁石520bとの間に斥力が発生するように、通電制御部(図示せず)が第2の磁石(ソレノイド磁石)520bへの通電を行う第1の通電動作と、第1の磁石520aと第2の磁石520bとの間に引力が発生するように、通電制御部(図示せず)が第2の磁石(ソレノイド磁石)520bへの通電を行う第2の通電動作とを、第1の移動規制および第2の移動規制に同期させて繰り返し行うことにより、内視鏡500が管腔内で前進することとなる。
また、変形例3の磁力発生部520に替えて、磁力発生部として操作ワイヤに固定される第1の磁石にはソレノイド磁石を用い、チューブ本体に固定される第2の磁石に永久磁石を用いた場合について、実施形態2の変形例4として説明する。
(実施形態2の変形例4)
図16は、本発明の実施形態2の変形例4による内視鏡システムを説明するための図であり、この内視鏡システムで用いられる内視鏡600の内部構造を模式的に示している。
磁力発生部620は、操作ワイヤ230の先端に固定された第1の磁石620aと、チューブ610aの先端壁12aに組み込まれた第2の磁石620bとを有している。ここで、第1の磁石620aは電磁コイル(ソレノイド磁石)であり、チューブ本体610aの内部通路13に移動可能に配置されている。また、第2の磁石620bは永久磁石であり、第1の磁石620aと第2の磁石620bとはチューブ本体610aの軸心方向に沿って相対向するように配置されている。
ここで、磁石通電線610cは、第1の磁石620aのコイルに直流電流を印加するものである。また、第1の磁石620aは操作ワイヤ230の先端に固定されているので、磁石通電線610cは操作ワイヤ230に一体的に設けられており、通電制御部(図示せず)は、磁石通電線610cにより巻取りローラ252(図10参照)を介して第1の磁石620aに接続されている。
次に、実施形態2の変形例4の内視鏡システムにおける内視鏡600が移動する動作を説明する。
図17は、図16に示す内視鏡600が移動する動作を説明するための図である。
例えば、内視鏡600の先端(すなわち、光学系装置10の先端)が管腔内の位置P0に位置しているときに(時刻T0)、移動制御部が、チューブ移動規制部150aによりチューブ610の移動不能を解除し、操作ワイヤ移動規制部250bにより操作ワイヤ230の移動を不能とした状態で、第1の磁石(ソレノイド磁石)620aと第2の磁石(永久磁石)620bとの間の斥力が生ずるように、通電制御部が第1の磁石(ソレノイド磁石)620aへの通電を行うと、内視鏡600の先端が第1の磁石620aから遠ざかるように移動し、管腔内のより前進した位置P1に達する(時刻T1)。
続いて、移動制御部が、チューブ移動規制部150aによりチューブ610の移動を不能とし、操作ワイヤ移動規制部250bにより操作ワイヤ230の移動不能を解除した状態で、第1の磁石(ソレノイド磁石)620aと第2の磁石(永久磁石)620bとの間に引力が発生するように、通電制御部が第1の磁石620aへの通電を行うと、第1の磁石620aが内視鏡600の先端部に接近する位置まで移動する(時刻T2)。
時刻T0~T2の間に、第1の磁石620aが前進した移動距離Mdおよび操作ワイヤ130が移動した距離Wdは、内視鏡600が前進した距離Ldと同じであり、内視鏡600および操作ワイヤ230が管腔内で一定距離Ldだけ進んだこととなる。
従って、このように移動制御部によるチューブ610および操作ワイヤ230の移動可能あるいは移動不能と、通電制御部によるソレノイド磁石620aへの通電の極性反転とを組み合わせて繰り返し行うことで、内視鏡600が管腔内で前進することとなる。
なお、上記で説明した実施形態における内視鏡システムでは、チューブの硬さを硬くする動作は、操作者の硬さ調整ボタンの操作により行われるようになっているが、この動作は自動で行われるようにしてもよい。
以下実施形態3として、チューブの硬さ調整を自動で行うようにした内視鏡システムを説明する。
(実施形態3)
図18は、本発明の実施形態3として、図16に示す内視鏡600のチューブ610の先端部に圧力センサ710cを取り付けたチューブ610を含む内視鏡700を説明するための図であり、図18(a)は、チューブ610の先端側部分の内部構造を模式的に示し、図18(b)は、図18(a)のX4-X4線断面図であり、図18(c)は、図18(a)のX5-X5線断面図部である。
この内視鏡システムは、チューブ610が管腔の内面に引っ掛かっている状態などを検出可能な内視鏡700を備えたものであり、この内視鏡700は、例えば、実施形態2の変形例4の内視鏡600のチューブ本体610aの先端壁12aに圧力センサ710cを組み込んだものである。
ここでは、内視鏡700が管腔の内面などに引っ掛かって、駆動手段による内視鏡を推進させる磁力を作動させても良好に内視鏡の先端部に推進力が伝達されないときには、圧力センサ710cにかかる圧力が低下することを利用して、通電制御部は、圧力センサ710cの検出出力が基準値より低下したことを検出して、メッシュワイヤ110bへの通電を行うように構成されている。
このような構成により、通電制御部は、駆動手段による内視鏡700を推進させる動作が行われているにも関わらず、内視鏡700が管腔の内面などに引っ掛かって、上手く前進していない場合、圧力センサ710cの検出出力に基づいてメッシュワイヤ110bへの通電を行うこととなる。これにより、メッシュワイヤ110bが収縮してチューブ710が硬化することで、駆動手段により内視鏡を推進させる磁力が内視鏡先端部に効率よく伝達することが可能となり、内視鏡700の管腔内面などとの引掛りを自動的に解消することが可能となる。
なお、圧力センサ710cは、実施形態2の変形例4の内視鏡600に設ける場合について説明したが、それに限定されず、本発明のいずれの実施形態においても適用可能である。
以上説示したとおり、本件発明の内視鏡システムは、駆動手段による内視鏡を推進させる磁力を内視鏡先端部の磁力発生部により発生させるために、従来の内視鏡のチューブの基端から力を加えて内視鏡を管腔内に推し進める場合に比べて、管腔内のねじれや屈曲状態に対しても良好に推進力を与えることが可能となる。その結果、従来の内視鏡に比べて検査時間が短縮され、人体への影響が最小限とすることが可能となる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、磁力により移動する内視鏡において、高磁場の環境が不要で操作が簡単であり、かつ装置の大型化を回避可能な内視鏡システムを得ることができるものとして有用である。
1、2 内視鏡システム
1a、2a 駆動手段
10 光学系装置
11 周壁
12 先端部
12a 先端壁
12b 先端突出部
13 内部通路
13a 内側通路
13b 外側通路
20、20a~20d 方向転換ワイヤ
31~33、35、37 チューブ格納部
50、50a 内視鏡操作装置
56 装置筐体
51 第1操作部
51a 方向転換ボタン
51b チューブ推進ボタン
51c 硬さ調整ボタン
52 第2操作部
52a 巻取フットスイッチ
52b 送気フットスイッチ
100、200、300、400、500、600、700 内視鏡
110、210、310、410、510、610 チューブ
110a、210a、310a、410a、510a、610a チューブ本体
110b メッシュワイヤ
120、320、420、520、620 磁力発生部
120a 超電導磁石(第1の磁石)
120b リニア推進磁石(第2の磁石)
120c 浮上用磁石(第3の磁石)
130a 第1の送液管
130b 第2の送液管
141、241 通電制御部
150、250 移動制御部
150a チューブ移動規制部
150b 磁石移動規制部
151 チューブ支持ローラ
160 チューブ巻取機
250b ワイヤ移動規制部
252 巻取りローラ
320a、520a 永久磁石(第1の磁石)
320b、520b ソレノイド磁石(第2の磁石)
420a、620a ソレノイド磁石(第1の磁石)
420b コイル体(第2の磁石)
620b 永久磁石(第2の磁石)
710c 圧力センサ

Claims (18)

  1. 内視鏡システムであって、
    撮像装置を含む光学系装置および前記光学系装置に接続されるチューブを含む内視鏡と、
    前記内視鏡を移動させるための駆動手段と
    を備え、
    前記駆動手段は、
    前記チューブ内に移動可能に設けられた第1の磁石と、
    前記チューブに固定された第2の磁石と
    を有し、
    前記第1の磁石および前記第2の磁石のうちの少なくとも一方の磁石は電磁石であり、
    前記駆動手段は、
    前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に磁力が発生するように前記電磁石への通電を制御する通電制御部と、
    前記チューブおよび前記第1の磁石の移動のそれぞれについて移動規制を制御する移動制御部と
    をさらに有する、内視鏡システム。
  2. 前記第1の磁石を冷却するための流体を前記チューブ内に供給する流体供給部をさらに備え、
    前記駆動手段は、前記磁力を発生する磁力発生部を有し、
    前記第1の磁石は、N極とS極とが交互に配列された複数の磁極の配列が形成された超電導磁石であり、
    前記第2の磁石は、前記通電により前記第1の磁石とともにリニアモータを形成するリニア推進磁石であり、
    前記移動制御部は、前記第1の磁石の移動が前記チューブ内での前記流体の流れにより規制されるように前記流体供給部を制御する構成となっている、請求項1に記載の内視鏡システム。
  3. 前記駆動手段は、
    前記通電制御部が、前記チューブの先端部が前記第1の磁石に対して遠ざかるように、前記リニア推進磁石への通電を行うとともに、
    前記移動制御部が、前記チューブの移動を可能とし、かつ前記第1の磁石の移動を規制する動作を行うことと、
    前記通電制御部が、前記リニア推進磁石への通電動作を停止するとともに、
    前記移動制御部が、前記チューブの移動を不能とし、かつ前記超電導磁石が前記流体供給部から前記チューブ内に供給される前記流体の流れにより前記チューブの先端に近づくように前記流体供給部を制御する動作を行うこと
    とを行うように、前記通電制御部および前記移動制御部を制御するように構成されている、請求項2に記載の内視鏡システム。
  4. 前記内視鏡は、前記チューブ内に設けられた操作ワイヤをさらに含み、
    前記第1の磁石は、前記操作ワイヤの先端に固定されており、
    前記移動制御部は、前記第2の磁石が固定された前記チューブおよび前記第1の磁石が固定された前記操作ワイヤの移動のそれぞれについて移動可否を制御するように構成されている、請求項1に記載の内視鏡システム。
  5. 前記駆動手段は、
    前記通電制御部が、前記チューブの先端部が前記操作ワイヤの先端部に対して遠ざかるように、前記電磁石への通電を行うとともに、
    前記移動制御部が、前記チューブの移動を可能とし、かつ前記操作ワイヤの移動を不能とする動作を行うことと、
    前記通電制御部が、前記チューブの先端部に前記操作ワイヤの先端部が近づくように、前記電磁石への通電動作を行うとともに、
    前記移動制御部が、前記チューブの移動を不能とし、かつ前記操作ワイヤの移動を可能とする動作を行うこと
    とを行うように、前記通電制御部および前記移動制御部を制御するように構成されている、請求項4に記載の内視鏡システム。
  6. 前記第2の磁石は、電磁石である、請求項4または請求項5に記載の内視鏡システム。
  7. 前記駆動手段は、リニアモータ機構からなる、前記磁力を発生する磁力発生部を有し、
    前記第1の磁石は、N極とS極とが交互に配列された複数の磁極の配列が形成された超電導磁石であり、
    前記第2の磁石は、前記通電により前記第1の磁石とともにリニアモータを形成する磁石である、請求項6に記載の内視鏡システム。
  8. 前記第1の磁石は、永久磁石であり、
    前記第2の磁石は、前記チューブの軸心に沿って延びるコイルを含み、前記コイル内には前記第1の磁石が移動可能に配置されている、請求項6に記載の内視鏡システム。
  9. 前記第1の磁石は、鉄心に第1のコイルを巻き付けてなるソレノイド磁石であり、
    前記第2の磁石は、前記チューブの軸心に沿って延びる第2のコイルを含み、前記第2のコイル内には前記第1の磁石が移動可能に配置されている、請求項6に記載の内視鏡システム。
  10. 前記第1の磁石は、前記操作ワイヤの先端に固定された永久磁石であり、
    前記第2の磁石は、鉄心にコイルを巻き付けてなるソレノイド磁石であり、前記チューブの先端部に固定されている、請求項6に記載の内視鏡システム。
  11. 前記第1の磁石は、鉄心にコイルを巻き付けてなるソレノイド磁石であり、前記操作ワイヤの先端に固定されており、
    前記第2の磁石は、前記チューブの先端部に設けられた永久磁石である、
    請求項4または請求項5に記載の内視鏡システム。
  12. 前記内視鏡システムは、
    前記光学系装置の向きを調整可能な方向転換手段をさらに備え、
    前記方向転換手段は、前記光学系装置に接続された複数の形状記憶合金部材を含み、
    前記通電制御部は、前記形状記憶合金部材への通電を制御するように構成されている、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
  13. 前記複数の形状記憶合金部材は、それぞれ通電された場合に屈曲形状となるように記憶されている、請求項12に記載の内視鏡システム。
  14. 前記通電制御部は、前記複数の形状記憶合金部材の少なくとも1つ以上に通電することを選択可能なように構成されている、請求項13に記載の内視鏡システム。
  15. 前記内視鏡システムは、前記チューブの硬さを調整可能な硬さ調整手段をさらに有する、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
  16. 前記内視鏡は、前記光学系装置に働く外力を検出する圧力センサをさらに備え、
    前記硬さ調整手段は、前記チューブの硬さを前記圧力センサの検出出力に応じて調整するように構成されている、請求項15に記載の内視鏡システム。
  17. 前記チューブは、通電により収縮可能なワイヤを含み、
    前記硬さ調整手段は、前記圧力センサの検出出力に基づいて前記ワイヤへの通電を制御するように構成されている、請求項16に記載の内視鏡システム。
  18. 前記硬さ調整手段は、前記圧力センサの検出出力が所定値よりも低かった際に、前記ワイヤへの通電を行うように構成されている、請求項17に記載の内視鏡システム。
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