JP2023112783A - 微細凹凸構造物及び吸着シート - Google Patents

微細凹凸構造物及び吸着シート Download PDF

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隆誠 加藤
Takamasa Kato
晴貴 越峠
Haruki Koshitouge
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Abstract

【課題】吸着性能が優れた微細凹凸構造物、及び前記微細凹凸構造物を表面に有する吸着シートの提供。【解決手段】頂面23が凹形状の複数の凸部22を有する微細凹凸構造を、1つ以上の表面に有する微細凹凸構造物1であって、前記凸部22は、前記凸部22の底面24から前記頂面23にかけて拡径した形状であり、前記凸部22の底面24を通る平面と前記凸部22の側面25とのなす角度θ1が50~89°である微細凹凸構造物1、及び微細凹凸構造物1を表面に有する吸着シート。【選択図】図2

Description

本発明は、微細凹凸構造物及び吸着シートに関する。より詳細には、本発明は、吸着シートとしての有用性が高い微細凹凸構造物、及び前記微細凹凸構造物を表面に有する吸着シートに関する。
吸着性能を有する吸着シートは、家具若しくは家電の転倒すべり防止シート、カーペットのバッキング材又は自動車内装材へ貼り付け固定ができ且つ容易に剥離できるシート等として用いられている。
このような吸着性能を有する吸着シートには、主にアクリル又はゴム等の材料からなる発泡シートが用いられている(特許文献1)。前記発泡シートの材料としては、エマルション系の材料が主流である。しかし、エマルション系の材料は、再剥離性には優れる一方で、耐水性が悪く、汚れた際に水洗いをすると吸水して膨潤し、吸着性能が低下するという問題があった。また、発泡シートは水中における吸着性能が低くて吸着が困難であることも問題であった。
また、エレクトロニクス業界のディスプレイ又は有機EL照明等の製造では、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレート等の各種フィルム基板、ガラス又はSi基板上への各種金属膜又はITO膜の蒸着、並びにスパッタ成膜又はパターン形成加工等を行う際に、基板と固定台とを仮固定する必要がある。
この仮固定には、成膜後に再剥離可能な粘着テープとして、加熱により発泡して剥離するテープ、低温で剥がれる冷却剥離テープ、又は弱粘着のアクリル系若しくはシリコーン系の両面テープ等が用いられている。
しかし、前記再剥離可能な粘着テープは、仮固定のために貼る際、気泡を咬み込むことにより、基板の平滑性が損なわれ、高精度なパターン形成加工が阻害される問題がある。
吸着シートは、この再剥離可能な粘着テープに代わり、仮固定を担う部材として期待されている。
最近、シート上に吸盤状の凸部、すなわち、頂面が凹形状の凸部を複数配置させることにより吸着性を持たせた吸着シートが報告されている(非特許文献1)。非特許文献1の吸着シートは、水中での吸着が可能であり、吸着後の平滑性にも優れている。
特開平1-259043号公報
Baik, S., Kim, J., Lee, H. J., Lee, T. H., & Pang, C., Highly Adaptable and Biocompatible Octopus-Like Adhesive Patches with Meniscus-Controlled Unfoldable 3D Microtips for Underwater Surface and Hairy Skin., Adv. Sci. 2018, 5, 1800100.
しかし、非特許文献1における吸着シートの吸着性能は必ずしも充分ではなかった。
本発明は、吸着性能が優れた微細凹凸構造物、及び前記微細凹凸構造物を表面に有する吸着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、微細凹凸構造物を表面に有する吸着シートの凸部の形状を、凸部の底面から頂面にかけて拡径した形状とし、且つ凸部の頂面を凹形状とすることで、吸着性能が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の態様を有する。
[1] 頂面が凹形状の複数の凸部を有する微細凹凸構造を、1つ以上の表面に有する微細凹凸構造物であって、
前記凸部は、前記凸部の底面から前記頂面にかけて拡径した形状であり、
前記凸部の底面を通る平面と前記凸部の側面とのなす角度が50~89°である、微細凹凸構造物。
[2] 前記凸部が光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物の硬化物である、前記[1]の微細凹凸構造物。
[3] 前記硬化物の押込み弾性率が、0MPa超、12MPa以下である、前記[2]の微細凹凸構造物。
[4] 前記硬化物の破断伸度が、70~1,500%である、前記[2]又は[3]の微細凹凸構造物。
[5] 前記[1]~[4]のいずれかの微細凹凸構造物を表面に有する、吸着シート。
[6] 水中における初期吸着力に対する、10回の剥離及び吸着を繰り返した後の吸着力の割合が80%以上である、前記[5]の吸着シート。
本発明によれば、吸着性能が優れた微細凹凸構造物、及び前記微細凹凸構造物を表面に有する吸着シートを提供できる。
本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の部分平面図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の部分縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物における凸部の形状の説明図であり、凸部の形状の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物における凸部の形状の説明図であり、凸部の斜め上方からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の製造方法における塗布する工程の準備段階を模式的に説明する説明図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の製造方法における塗布する工程を模式的に説明する説明図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の製造方法における硬化させる工程を模式的に説明する説明図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の製造方法における硬化性組成物の挙動を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の製造方法における硬化性組成物の挙動を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の製造方法で使用する転写型の平面図である。 実施例及び比較例で製造した微細凹凸構造物の面吸着力の測定方法を説明する説明図である。 本発明の一実施形態に係る微細凹凸構造物の製造方法において塗布、硬化、離型工程を連続的に実施する挙動を説明する説明図である。
本発明において「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの総称である。
「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの総称である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
[微細凹凸構造物]
本発明の微細凹凸構造物は、頂面が凹形状の複数の凸部を有する微細凹凸構造を、1つ以上の表面に有する微細凹凸構造物であって、凸部は頂面が凹形状であり、且つ底面から頂面にかけて拡径した形状であり、凸部の底面を通る平面と凸部の側面とのなす角度(テーパ角θ)が50~89°である。
以下の明細書では、図1~4を適宜参照しながら、本発明の微細凹凸構造の一実施形態について説明する。
図1~4に示す微細凹凸構造物1は、シート状の基材10と、基材10の一方の面に設けられた、表面に微細凹凸構造が形成された硬化物層20とを備えている。
<基材>
基材10は、硬化物層20を支持するために用いられる。基材10を構成する素材は、硬化物層20を支持可能なものであれば特に限定されない。
基材10を構成する素材としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリノルボルネン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びオキサジン樹脂等の有機材料、並びにこれらの有機材料中にアルミニウム、ステンレス、鉄、銅、亜鉛若しくは真鍮等の金属、無機ガラス、無機粒子又は繊維を含む複合材料が挙げられる。
基材10を構成する素材としては、これらの有機材料及び複合材料の中でも、剛性、成形性及びコスト等の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
基材10の形状は軽量化等の点から、切り込み又は打ち抜き部等が任意の場所に設けられていてもよい。
基材10は、他の部材に貼りつけるために、後述の硬化性組成物に接する面と反対の面に粘着層(図示略)等を有していてもよい。
基材10は、防汚性、耐擦傷性、絶縁性、耐腐食性、抗菌性、抗ウイルス性、及び自己修復性等の機能性を付与するために、後述の硬化性組成物に接する面と反対の面に機能性コーティングを施していてもよい。
<硬化物層>
硬化物層20は、後述の硬化性組成物の硬化物からなる層であり、基材10とは反対側の面の表面に、複数の凸部22を有する微細凹凸構造が形成されている。すなわち、凸部22は、後述の硬化性組成物の硬化物からなる。
図示例の硬化物層20は、ベース層21とベース層21の上に設けられた複数の凸部22とを有しており、本実施形態の凸部22は図1に示すように配列している。
硬化物層20は、後述の硬化性組成物を硬化して得られる。
硬化物層20は、ゴム弾性を有する。
(硬化物の物性)
前記硬化物の押込み弾性率は、0MPa超、12MPa以下が好ましく、0.1~10MPaがより好ましく、0.2~8MPaが更に好ましく、0.3~5MPaが特に好ましい。前記硬化物の押込み弾性率が前記範囲内であると、微細凹凸構造物1の吸着性能がより向上する。
前記硬化物の押込み弾性率は、後述の硬化性組成物に含まれる成分の種類及び含有量により調節できる。
前記硬化物の押込み弾性率は、後述する実施例における測定方法で測定することができる。
前記硬化物の水中における初期吸着力に対する、10回の剥離及び吸着を繰り返した後の吸着力の割合は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。前記硬化物の吸着力が前記範囲の下限値以上であると、微細凹凸構造物1を後述の吸着シートに用いたときに、吸着シートを繰り返して使用できる回数が増える。特に吸着シートを水洗いしても、吸着性能を良好に維持し、吸着シートを繰り返し使用できる。
前記硬化物の吸着力は、後述の硬化性組成物に含まれる成分の種類及び含有量により調節できる。
前記硬化物の吸着力は、後述する実施例における測定方法で測定することができる。
前記硬化物の破断伸度は、70~1,500%が好ましく、72~1,000%がより好ましく、75~800%が更に好ましい。前記硬化物の破断伸度が前記範囲内であると、対象物から剥離した微細凹凸構造物1を繰り返し使用する場合でも、良好な吸着性能を発現できる、すなわち、吸着繰り返し性に優れる。
前記硬化物の破断伸度は、後述の硬化性組成物に含まれる成分の種類及び含有量により調節できる。
前記硬化物の破断伸度は、後述する実施例における測定方法で測定することができる。
前記硬化物の水に対する静的接触角は、120°以下が好ましく、110°以下がより好ましく、75°以下が更に好ましく、50°以下が特に好ましい。前記硬化物の静的接触角が前記範囲の上限値以下であると、微細凹凸構造物1の吸着性能、特に水中での吸着性能がより向上する。
前記硬化物の静的接触角は、0.5°以上が好ましく、1.0°以上がより好ましく、1.5°以上が更に好ましい。
前記硬化物の静的接触角は、後述の硬化性組成物に含まれる成分の種類及び含有量により調節できる。
前記硬化物の静的接触角は、後述する実施例における測定方法で測定することができる。
(凸部)
各凸部22は、図2~4に示すように、凸部22の底面24から頂面23にかけて拡径した形状、すなわちテーパ形状である。
凸部22の底面24を通る平面(すなわち、ベース層の主面)と凸部22の側面25とのなす角度のうち鋭角側の角度をテーパ角θとしたときに、テーパ角θは50~89°であり、60~87°が好ましく、70~86°がより好ましく、75~85°が更に好ましい。前記テーパ角θが前記範囲内にあると、微細凹凸構造物1の吸着性能が向上する。特に、前記テーパ角θが、前記範囲の上限値以下であると吸着性能が向上し、下限値以上であると耐久性、転写性が良好となる。
また、各凸部22は、図3、4に詳細な構造を示すように、その頂面23が凹形状とされている。後述する製造方法により微細凹凸構造物を製造すると、アスペクト比の大きい凹形状とされている頂面23を得やすい。
頂面23の凹形状のアスペクト比とは、凸部22の頂面23に外接する最小円の半径に対する頂面23の凹形状の深さの比の値であり、具体的には、下記式(1)で表されるXである。
X=(H-h)/R ・・・(1)
式(1)において、Xは頂面23の凹形状のアスペクト比であり、Hは凸部22の高さであり、hは頂面23の凹形状における最下点23cの高さであり、Rは凸部22の頂面23に外接する最小円の半径である。
高さH及び高さhは、具体的には、微細凹凸構造物1を凸部22の高さ方向に沿って見下ろすようにして画像処理装置で観察し、高さ方向の座標を測定することにより求めることができる。10個の凸部22の各々において求めた高さHの平均を高さHとし、高さhの平均を高さhとする。
凸部22の各々における高さH及び高さhの求め方を、図3及び図4を参照しつつ説明する。
まず、ベース層21の主面に対して、10度以上の立ち上がり角度となり始めた部分を凸部22の底面24の周縁とし、観察画面左側の周縁24aと観察画面右側の周縁24bの位置を定める。
この周縁24aを基準とする頂面23の観察画面左側における最も高い部分の高さH1と、周縁24bを基準とする頂面23の観察画面右側における最も高い部分の高さH2とを各々求め、その平均をその凸部22の高さHとする。
また、頂面23の凹形状における最下点23cから、周縁24aと周縁24bとを結ぶ線分に下ろした垂線の長さをその凸部22の頂面23の凹形状における最下点23cの高さhとする。
半径Rは、具体的には、以下のようにして求められる。
微細凹凸構造物1を高さ方向に沿って見下ろすようにして画像処理装置で観察し、10個の凸部22について頂面23の周縁に外接する最小円の半径Rを各々求め、それらの値を平均して半径Rとする。
なお、頂面23が円形又は円形と見做せる場合は、10個の凸部22について観察画面左端側の周縁23aと観察画面右端側の周縁23bとの水平方向の距離の1/2の値をRとして求め、その平均を便宜的にRとみなしてもよい。
高さHは、10~10,000μmが好ましく、20~5,000μmがより好ましく、30~2,000μmが更に好ましい。高さHが前記範囲の下限値以上であると頂面23を充分な深さの凹形状としやすい。高さHが前記範囲の上限値以下であると、微細凹凸構造物1の柔軟性を確保しやすい。
頂面23の凹形状の深さである(H-h)は、1.5~7,500μmが好ましく、3~3,800μmがより好ましく、4.5~2,300μmが更に好ましい。(H-h)が前記範囲の下限値以上であると充分なアスペクト比を得やすい。(H-h)が前記範囲の上限値以下であると、凸部22の機械的強度を保ちやすい。
頂面23に外接する最小円の直径2R(半径Rの2倍)は、10~10,000μmが好ましく、20~5,000μmがより好ましく、30~3,000μmが更に好ましい。
直径2Rが前記範囲の下限値以上であると微細凹凸構造物1の生産性に優れる。直径2Rが前記範囲の上限値以下であると、被着体への微細凹凸構造物1の表面追従性に優れる。特に、直径2Rが3,000μm以下であると、微細凹凸構造物1の成形性及びハンドリング性の点でも優れる。
なお、本明細書において、凸部22の頂面23に外接する最小円の直径2Rを「吸盤径2R」ともいう。
頂面23の凹形状のアスペクト比Xは、0.3~1.5が好ましく、0.35~1.3がより好ましく、0.4~1.0が更に好ましい。アスペクト比Xが前記範囲の下限値以上であると、微細凹凸構造物1を吸着シートとして用いた場合に優れた吸着性が得られる。また、アスペクト比Xが前記範囲の上限値以下であると、転写型から凸部22の離型が容易となり、微細凹凸構造物1を製造しやすい。
底面24に外接する最小円の直径2R’(最小円の半径R’の2倍)は、1μm以上、10,000μm未満が好ましく、10μm以上、10,000μm未満がより好ましく、20μm以上、5,000μm未満が更に好ましく、30μm以上、3,000μm未満が特に好ましい。
直径2R’が前記範囲の下限値以上であると微細凹凸構造物1の生産性に優れる。直径2R’が前記範囲の上限値以下であると、被着体への微細凹凸構造物1の表面追従性に優れる。
半径R’は、具体的には、以下のようにして求められる。
微細凹凸構造物1を高さ方向に沿って見下ろすようにして画像処理装置で観察し、10個の凸部22について底面24の周縁に外接する最小円の半径R’を各々求め、それらの値を平均して半径R’とする。
なお、底面24が円形又は円形と見做せる場合は、10個の凸部22について観察画面左端側の周縁24aと観察画面右端側の周縁24bとの水平方向の距離の1/2の値をR’として求め、その平均を便宜的にR’とみなしてもよい。
底面24の周縁の形状に特に限定はないが、円形、楕円形及び多角形等が挙げられる。吸着シートとして使用する場合には、吸着性に優れることから、円形又は楕円形が好ましく、円形がより好ましい。
また、頂面23の周縁の形状に特に限定はないが、円形、楕円形又は多角形等が挙げられる。吸着シートとして使用する場合には、吸着性に優れることから、円形又は楕円形が好ましく、円形がより好ましい。
複数の凸部22は、総て同じ形状かつ同じ大きさのものであってもよく、形状及び大きさの一方又は両方が異なる2種以上の凸部22を含んでいてもよい。
また、複数の凸部22が2種以上の凸部22を含んでいる場合、2種以上の凸部22はランダムに混在して存在する配列でもよいし、同じ種類の凸部22が固まって存在するブロック状の配列でもよい。
具体的な凸部22の形状及び大きさ、並びにこれらの組合せは、微細凹凸構造物1の用途に応じて適宜選択できる。
なお、図1及び図2には、複数の凸部22が、総て同じ形状かつ同じ大きさのものである態様を示した。
凸部22が設けられている側のベース層21の面の面積に対する凸部22の底面24の面積の合計の割合は、20~99%が好ましく、30~95%がより好ましく、50~93%が更に好ましい。底面24の面積の合計の割合が前記範囲の下限値以上であれば、吸着シートとして使用する場合に吸着性に優れる。底面24の面積の合計の割合が前記範囲の上限値以下であれば、転写型から凸部22の離型が容易となり、微細凹凸構造物1を製造しやすい。
凸部22の配列に特に限定はなく、規則的な配列でもよいし、ランダムな配列でもよい。凸部22の配列は、後述の転写型40における凹部41の配列を写し取った配列となる。転写型40における凹部41の配列については、転写型40の説明において詳述する。
(硬化性組成物)
前記硬化物は、光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物の硬化物であることが好ましく、少なくとも光硬化性樹脂を含む硬化性組成物の硬化物であることがより好ましい。
前記硬化性組成物において、光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーのいずれか一方を使用してもよいし、これらの両方を併用してもよい。
前記光硬化性樹脂は、1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の組合せ及び比率で併用してもよいが、前記硬化物の押込み弾性率、吸着力及び破断伸度等の特性を制御することができる点から、2種以上の材料を組み合わせることが好ましい。
前記光硬化性エラストマーは、1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。前記硬化物の押込み弾性率、吸着力及び破断伸度等の特性を制御することができる点から、2種以上の材料を組み合わせることが好ましい。
光硬化性樹脂とは、光照射により重合する未硬化の樹脂である。前記光硬化性樹脂としては、例えば、光ラジカル重合性樹脂及び光カチオン重合性樹脂が挙げられる。硬化性が良好な点から、前記光硬化性樹脂としては、光ラジカル重合性樹脂が好ましい。
前記光ラジカル重合性樹脂としては、以下に示す(A)成分及び(B)成分が挙げられる。
(A)成分は、2官能以上のモノマー及びオリゴマーの1種以上の化合物である。
前記2官能以上のモノマー及びオリゴマーとしては、例えば、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及びオリゴマーが挙げられる。以下の化合物例示において、n+mはジオール化合物の両ヒドロキシ基に付加するラクトンの数、pは環状エーテルの数を意味する。
前記分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及びオリゴマーとしては、例えば、2官能以上のウレタン(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(繰返し単位数:5~14)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(繰返し単位数:5~14)、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート(繰返し単位数:3~16)、ポリ(1-メチルブチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート(繰返し単位数:5~20)、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ-ブチロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステルビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(p=1~7)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(p=1~7)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物(p=1~7)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物(p=1~7)のジ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリンエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(p=1~15)のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(p=1~15)のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(p=1~15)のヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、N,N’,N”-トリス((メタ)アクリロキシポリ(p=1~4)(エトキシ)エチル)イソシアヌレート等のポリ(メタ)アクリレートペンタエリスリトールカプロラクトン(4~8モル)付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールカプロラクトン(4~8モル)付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールカプロラクトン(4~12モル)付加物のペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールカプロラクトン(4~12モル)付加物のヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、N,N’,N”-トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(アクリロキシエチル)-N”-ヒドロキシエチルイソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、及びイソシアヌル酸エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、並びにビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル及びトリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の分子内に複数のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られるエポキシポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記2官能以上のモノマー及びオリゴマーとしては、また、例えば、分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するモノマー及びオリゴマー(ただし、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及びオリゴマーを除く。)が挙げられる。
前記分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するモノマー及びオリゴマー(ただし、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及びオリゴマーを除く。)としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルアジペート、ジアリルフタレート及びトリメチロールプロパンジアリルエーテルが挙げられる。
(A)成分としては、硬化物の押込み弾性率が低いことから、2官能のウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
(A)成分の官能基当たりの質量平均分子量は、600~50,000が好ましく、700~45,000がより好ましく、800~40,000が更に好ましい。
(A)成分の官能基当たりの質量平均分子量が前記範囲内であると、硬化物の押込み弾性率が低下しやすくなる。
(A)成分の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、10~99.9質量%が好ましく、10~89.8質量%がより好ましく、30~60質量%が更に好ましい。
(A)成分の含有量が前記範囲内であれば、前記硬化性組成物の硬化物の親水性、押込み弾性率、吸着力及び破断伸度等の特性を制御しやすくなる。
(B)成分は、単官能のモノマー及びオリゴマーの1種以上の化合物である。
前記単官能のモノマー及びオリゴマーとしては、例えば、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及びオリゴマーが挙げられる。
前記分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及びオリゴマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-メチルへキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ブチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルフォリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、単官能のウレタン(メタ)アクリレート、及びメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記単官能のモノマー及びオリゴマーとしては、また、例えば、分子内に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー及びオリゴマー(ただし、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及びオリゴマーを除く。)が挙げられる。
前記分子内に1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー及びオリゴマー(ただし、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及びオリゴマーを除く。)としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、α-クロロスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル及びアリルグリシジルエーテルが挙げられる。
(B)成分としては、硬化物の押込み弾性率が低いことから、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びメトキシポリエチレングリコールアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート又はメトキシポリエチレングリコールアクリレートがより好ましい。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
(B)成分の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、0~90質量%が好ましく、0~89.9質量%がより好ましく、10~89.8質量%が更に好ましく、10~75質量%が特に好ましく、30~60質量%が最も好ましい。
(B)成分の含有量が前記範囲内であれば、前記硬化性組成物の硬化物の親水性、押込み弾性率、吸着力及び破断伸度等の特性を制御しやすくなる。
光硬化性エラストマーとは、光照射により重合する未硬化のエラストマーである。前記光硬化性エラストマーとしては、例えば、アクリル系光硬化性エラストマー、シリコーン系光硬化性エラストマー、及びエポキシ系光硬化性エラストマーが挙げられる。前記光硬化性エラストマーとしては、生産性に優れる点から、アクリル系光硬化性エラストマー又はシリコーン系光硬化性エラストマーが好ましい。
前記光硬化性エラストマーとしては、特に限定されないが、硬化物の弾性率の制御が容易となる点から、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、2-メチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ブチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、モルホリン-4-イル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記硬化性組成物に含まれる前記光硬化性樹脂及び前記光硬化性エラストマーの含有量は、得られる微細凹凸構造物1の性能、製造コスト、成形性及び他の機能等の点から、適宜調整することができ、特に限定されない。
前記硬化性組成物に含まれる前記光硬化性樹脂及び前記光硬化性エラストマーの合計の含有量は、通常、前記硬化性組成物の総質量に対して、50質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましい。また、前記硬化性組成物に含まれる前記光硬化性樹脂及び前記光硬化性エラストマーの合計の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、100質量%であってもよく、99.9質量%以下であることが好ましい。
成形性及び機械的強度の向上並びに製造コストの低減等の点から、前記硬化性組成物は以下に示す(C)成分を含むことが好ましい。また、前記硬化性組成物は、必要に応じて以下に示す(D)成分を含んでいてもよい。
(C)成分は、光重合開始剤である。
(C)成分としては、例えば、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、フォスフィンオキシド系及びパーオキシド系の光重合開始剤が挙げられる。
前記光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4-フェニルベンゾフェノン、tert-ブチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2-メチル-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、及びメチルベンゾイルホルメートが挙げられる。
前記光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
前記硬化性組成物中の(C)成分の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、0.1~3質量%が好ましく、0.3~2.5質量%がより好ましく、0.5~2質量%が更に好ましい。
前記硬化性組成物中の(C)成分の含有量が前記範囲内であれば、前記硬化性組成物の硬化物の機械的強度の向上及び前記硬化性組成物を硬化させる際の適切な硬化速度の維持をしやすくなる。
(D)成分は、添加剤である。
(D)成分としては、例えば、硬化促進剤、親水化剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、消泡剤及び離型剤が挙げられる。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
前記硬化促進剤の具体例としては、例えば、第3アミン系硬化促進剤、尿素誘導体系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)系硬化促進剤、有機りん系硬化促進剤(例えば、ホスフィン系硬化促進剤等)、オニウム塩系硬化促進剤(例えば、ホスホニウム塩系硬化促進剤、スルホニウム塩系硬化促進剤及びアンモニウム塩系硬化促進剤等)、金属キレート系硬化促進剤、酸及び金属塩系硬化促進剤が挙げられる。
前記硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
前記親水化剤は、前記硬化性組成物の硬化物の親水性を向上させるために配合される添加剤である。
前記親水化剤の具体例としては、例えば、有機系低分子型親水化剤及び有機系高分子型親水化剤が挙げられる。
前記親水化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
前記難燃剤は、可燃性の素材を燃え難くする又は発火しないようにするために配合される添加剤である。
前記難燃剤の具体例としては、例えば、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカン及びヘキサブロモベンゼン等の臭素化合物;トリフェニルホスフェート等のリン化合物;塩素化パラフィン等の塩素化合物;三酸化アンチモン等のアンチモン化合物;水酸化アルミニウム等の金属水酸化物;メラミンシアヌレート等の窒素化合物;並びに、ホウ酸ナトリウム等のホウ素化合物が挙げられる。
前記難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
前記酸化防止剤は、前記硬化性組成物及びその硬化物の酸化劣化防止のために配合される添加剤である。
前記酸化防止剤の具体例としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤が挙げられる。
前記酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
前記可塑剤は、前記硬化性組成物の硬化物の柔軟性及び耐候性を改良するために配合される添加剤である。
前記可塑剤の具体例としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、シリコーン油、鉱物油及び植物油、並びにこれらの変性体が挙げられる。
前記可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
また、前記硬化性組成物は、微細凹凸構造物の吸着性、成形性及び他の機能等を向上させるために、(D)成分として微粒子、板又は球体等を含んでもよい。これらの材料は特に限定されず、金属、無機又は有機等の材料が用いられる。
前記硬化性組成物が微粒子を含むと、微細凹凸構造物の機械的強度の向上及び材料コストの低減が図られる。無機微粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ソーダガラス又はダイヤモンド等の透明性を有する無機微粒子が挙げられる。
前記硬化性組成物は、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの共重合体等の樹脂粒子を微粒子として含んでもよい。
前記硬化性組成物中の(D)成分の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、0~30質量%が好ましく、0.1~30質量%がより好ましく、5~20質量%が更に好ましい。
前記硬化性組成物中の(D)成分の含有量が前記範囲内であれば、前記硬化性組成物の硬化物の親水性、押込み弾性率、吸着力及び破断伸度等の特性を制御しやすくなる。
特に、前記硬化性組成物が前記親水化剤を含む場合、親水性向上の点から、前記親水化剤の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。
また、前記親水化剤の含有量は、前記硬化性組成物の硬化物の高押込み弾性率化及び相分離の点から、前記硬化性組成物の総質量に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
すなわち、前記親水化剤の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、0~3質量%が好ましく、3~20質量%がより好ましく、5~10質量%が更に好ましい。
前記硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて上述した光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマー以外の樹脂又はエラストマー(以下「他の樹脂等」とも記す。)を含んでいてもよい。
前記他の樹脂等としては、例えば、熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂とは、加熱により重合する未硬化の樹脂である。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂及びロジン変性マレイン酸樹脂が挙げられる。
前記硬化性組成物は、(A)成分及び(C)成分を含むことが好ましく、必要に応じて(A)成分及び(C)成分に加えて、(B)成分及び(D)成分の1つ以上を更に含むことが好ましい。
前記硬化性組成物の配合組成の一例は以下の通りである。
硬化性組成物の総質量に対して、(A)成分の含有量が10~99.9質量%であることが好ましく、(B)成分の含有量が0~89.9質量%であることが好ましく、(C)成分の含有量が0.1~3質量%であることが好ましく、(D)成分の含有量が0~30質量%であることが好ましく、(A)成分の含有量が10~89.8質量%であることがより好ましく、(B)成分の含有量が10~89.8質量%であることがより好ましく、(C)成分の含有量が0.1~3質量%であることがより好ましく、(D)成分の含有量が0.1~30質量%であることがより好ましく、(A)成分の含有量が30~60質量%であることが更に好ましく、(B)成分の含有量が30~60質量%であることが更に好ましく、(C)成分の含有量が0.5~2質量%であることが更に好ましく、(D)成分の含有量が5~20質量%であることが更に好ましい。
前記硬化性組成物中の各成分の含有量が前記範囲内であれば、前記硬化性組成物の硬化物の親水性、押込み弾性率、吸着力及び破断伸度等の特性を制御しやすくなる。
前記硬化性組成物は、B型粘度計で測定した25℃における粘度が10~5,000mPa・sであることが好ましく、20~4,000mPa・sであることがより好ましく、30~3,000mPa・sであることが更に好ましい。
<用途>
微細凹凸構造物1は、吸着シート、光学フィルム又は遮音シート等の各種用途に使用できる。これらの中でも、吸着シートを構成するのに好適に用いることができる。
なお、本発明の微細凹凸構造物は、図示例のものに限定はされない。例えば、微細凹凸構造物は基材を備えていなくてもよく、硬化物層20だけでも差し支えない。また、基材の表面に微細凹凸構造が直接形成されたものであってもよい。ただし、効率よく微細凹凸構造を形成できる点から、図示例のように微細凹凸構造が硬化物層20の表面に形成されたものが好ましい。
基材を備えていない、硬化物層20だけの微細凹凸構造物は、そのまま単独で使用してもよいし、他の基材又は物品の表面に貼着して使用してもよい。
<微細凹凸構造物の製造方法>
<<第一の実施形態>>
本発明の微細凹凸構造物の製造方法の第一の実施形態は、頂面が凹形状の複数の凸部を有する微細凹凸構造が形成された、硬化性樹脂、硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上を含む硬化物層を備える微細凹凸構造物の製造方法である。
以下では、図5~10及び12を適宜参照しながら、本発明の微細凹凸構造物の製造方法の第一の実施形態について説明する。
なお、本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法を、後述する吸着シートの製造方法の一実施形態としてもよい。
本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法は、以下の工程を備える。
(1)塗布工程
塗布工程は、複数の凹部が形成されたヤング率が50GPa以上の転写型に、前記複数の凹部内に気相を残存させた状態で前記複数の凹部の開口を閉塞するように未硬化の硬化性樹脂、硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上を含む硬化性組成物を塗布する工程である。
(2)硬化工程
硬化工程は、加圧用フィルムを、塗布した前記硬化性組成物を介して前記転写型に貼着し、前記加圧用フィルムを、前記転写型に対して330kPa以上の均質な圧力で押圧しながら、未硬化の前記硬化性組成物を硬化させる工程である。
(3)離型工程
離型工程は、前記硬化性組成物の硬化物からなる硬化物層から前記転写型を離す工程である。
(転写型)
図5の転写型40は、本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法で用いる転写型の一例である。
転写型40は、一方の面に、複数の凹部41が形成されている。
本実施形態の転写型40の凹部41は、図1に示した配列で複数の凸部22を有する微細凹凸構造物1を得るための配列としている。
転写型40のヤング率は50GPa以上であり、50~1,000GPaが好ましく、55~800GPaがより好ましく、60~500GPaが更に好ましい。
転写型40のヤング率が前記範囲の下限値以上であることにより、硬化工程において押圧しても転写型の変形が起こりにくい。転写型40のヤング率が前記範囲の上限値以下であることにより、転写型40の加工性に優れる。
転写型40の材質としては、例えば、アルミニウム合金、黄銅、鋼及び樹脂が挙げられる。転写型40のヤング率を前記範囲としやすいことから、転写型40の材質はアルミニウム合金、黄銅、鋼又は樹脂が好ましい。
転写型40の材質としては、ヤング率が高く、耐熱性及び加工性に優れ、連続生産に適していることから、アルミニウム合金が特に好ましい。
得られる微細凹凸構造物1の凸部22の底面24の形状及び大きさは、凹部41の開口の形状及び大きさを転写したものとなる。すなわち、製造する微細凹凸構造物1の凸部22の底面24に外接する最小円の直径2R’は、凹部41の開口に外接する最小円の直径2rとほぼ等しくなる(図8及び図9参照)。
凹部41が開口から底部に向けて拡径する形状であれば、製造する微細凹凸構造物1の凸部22の頂面23に外接する最小円の直径2Rは、凹部41の底部に外接する最小円の直径とほぼ等しい。
一方、得られる微細凹凸構造物1の凸部22の高さH及び頂面23の凹形状の深さである(H-h)は、凹部41の深さdだけでは決まらず、後述するように、硬化工程における圧力によって変化する。
凹部41は、図7~9に示すように、凹部41の開口から底面にかけて拡径した形状、すなわち、製造する微細凹凸構造物1の凸部22とは逆のテーパ形状である。
凹部41の開口面42を通る平面と凹部41の側面43とのなす角度のうち鋭角側の角度をテーパ角θとしたときに、テーパ角θは50~89°であり、60~87°が好ましく、70~86°がより好ましく、75~85°が更に好ましい。前記テーパ角θが前記範囲内にあると、微細凹凸構造物1の吸着性能が向上する。特に、前記テーパ角θが、前記範囲の上限値以下であると吸着性能が向上し、下限値以上であると耐久性、転写性が良好となる。
凹部41の開口に外接する最小円の直径2r(最小円の半径rの2倍)は、1μm以上、10,000μm未満が好ましく、10μm以上、10,000μm未満がより好ましく、20μm以上、5,000μm未満が更に好ましく、30μm以上、3,000μm未満が特に好ましい。
直径2rが前記範囲の下限値以上であると生産性に優れる。直径2rが前記範囲の上限値以下であると、塗布工程において、凹部41内に気相を残存させた状態で凹部41の開口を閉塞するようにして未硬化の硬化性樹脂又は硬化性エラストマーを含む硬化性組成物を塗布しやすい。
凹部41の深さdは、0.5~20,000μmが好ましく、1~20,000μmがより好ましく、1.5~20,000μmが更に好ましく、10~20,000μmより更に好ましく、20~15,000μmが特に好ましく、30~10,000μmが最も好ましい。
深さdが前記範囲の下限値以上であると、得られる微細凹凸構造物1の凸部22の高さHと、頂面23の凹形状の深さである(H-h)を充分な大きさとしやすい。深さdが前前記範囲の上限値以下であると、転写型の生産性及びハンドリング性に優れる。
凹部41の開口に外接する最小円の直径2rに対する深さdの比の値(d/2r)は、0.5以上が好ましく、0.75以上がより好ましく、1.0以上が更に好ましい。
凹部41の開口に外接する最小円の直径2rに対する深さdの比の値(d/2r)が前前記範囲であれば、硬化工程における圧力下で、硬化性組成物を凹部41の周面に沿って下降させる際、残存する気相の体積を充分に保ちやすい。その結果、得られる微細凹凸構造物1の凸部22における頂面23の凹形状の深さである(H-h)を大きくしやすい。
凹部41の深さdは、転写型40を凹部41の深さ方向に沿って見下ろすようにして画像処理装置で観察し、深さ方向の座標を測定することにより求めることができる。10個の凹部41の各々において求めたdの平均をdとする。
転写型40の各々における深さdは以下のように求めることができる。
まず、転写型40の表面に対して、10度以上の立ち下がり角度となり始めた部分を凹部41の開口の周縁とし、観察画面左側の周縁41aと観察画面右側の周縁41bの位置を定める(図8参照)。そして、周縁41aと周縁41bの高さの平均を開口の高さとする。
この開口の高さを基準とする、凹部41の最も深い部分41cの深さをdとする。
半径rは、具体的には、以下のようにして求めることができる。
転写型40の凹部41を深さ方向に沿って見下ろすようにして画像処理装置で観察し、10個の凹部41について開口の周縁に外接する最小円の半径rを各々求め、それらの値を平均して半径rとする。
なお、開口が円形又は円形と見做せる場合は、10個の凹部41について観察画面左側の周縁41aと観察画面右側の周縁41bの水平方向の距離の1/2の値をrとして求め、その平均を便宜的にrとみなしてもよい。
凹部41の開口の形状としては、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。硬化工程における圧力下で、硬化性組成物を凹部41の周面に沿って均等に下降させやすい点から、円形、楕円形が好ましく、円形がより好ましい。
複数の凹部41は、全て同じ形状かつ同じ大きさのものであってもよく、形状及び大きさの一方又は両方が異なる2種以上の凹部41を含んでいてもよい。
また、複数の凹部41が2種以上の凹部41を含んでいる場合、2種以上の凹部41はランダムに混在して存在する配列でも、同じ種類の凹部41が固まって存在するブロック状の配列でもよい。
具体的な凹部41の形状及び大きさ、並びにこれらの組み合わせは、得られる微細凹凸構造物1の用途に応じて適宜選択できる。
転写型40の全面積に対する凹部41の開口面の面積の合計の割合は、20~99%が好ましく、30~95%がより好ましく、50~93%が更に好ましい。開口面の面積の合計の割合が前記範囲の下限値以上であれば、吸着シートとして使用する場合に吸着性に優れた微細凹凸構造物1を得られる。開口面の面積の合計の割合が前記範囲の上限値以下であれば、転写型からの離型が容易となり、製造しやすい。
なお、凹部41の開口面がすべて同一の大きさの円形である場合、転写型40の全面積に対する凹部41の開口面の面積の合計の割合の最大値は、91%程度となる。
転写型40の形状としては、例えば、平板状であってもロール状であってもよい。
転写型40の製造方法としては、例えば、ダイヤモンドバイトによる切削による方法、又は国際公開第2008/69324号パンフレットに記載されるようなエッチングによる方法が挙げられる。
これらの中でも、球欠形状等の曲面を有する凹部41を形成する場合は、転写型40の生産性に優れる点から、国際公開第2008/69324号パンフレットに記載されるようなエッチングによる方法が好ましく、角錐形状等の曲面を有さない凹部41を形成する場合は、転写型40の生産性に優れることから、ダイヤモンドバイトによる切削が好ましい。
(硬化性組成物)
塗布工程で使用する硬化性組成物は、未硬化の硬化性樹脂、未硬化の硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上を含む硬化性組成物である。
前記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂でもよいし、熱硬化性樹脂でもよい。
前記硬化性エラストマーは、光硬化性エラストマーでもよいし、熱硬化性エラストマーでもよい。
前記硬化性組成物は、未硬化の硬化性樹脂又は未硬化の硬化性エラストマーを含む硬化性組成物であることが好ましく、未硬化の光硬化性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂を含む硬化性組成物であることがより好ましく、形状転写性に優れる点から、未硬化の光硬化性樹脂を含む硬化性組成物であることが更に好ましい。
また、別の側面では、前記硬化性組成物は、光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含むことが好ましく、このような硬化性組成物としては、前記の硬化物層の説明において例示した硬化性組成物が挙げられる。
前記硬化性組成物中の樹脂及びエラストマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよいが、硬化物の貯蔵弾性率及び引張破断伸度等の特性を制御することができる点から、2種以上を組み合わせることが好ましい。
光硬化性樹脂とは、光照射により重合する未硬化の樹脂である。前記光硬化性樹脂としては、例えば、光ラジカル重合性樹脂及び光カチオン重合性樹脂が挙げられる。前記光硬化性樹脂としては、光ラジカル重合性樹脂が好ましい。
前記光ラジカル重合性樹脂としては、硬化物層の説明において例示した前記の(A)成分及び(B)成分が挙げられる。
熱硬化性樹脂とは、加熱により重合する未硬化の樹脂である。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂及びロジン変性マレイン酸樹脂が挙げられる。
光硬化性エラストマーとは、光照射により重合する未硬化のエラストマーである。
光硬化性エラストマーとしては、硬化物層の説明において例示した前記の光硬化性エラストマーが挙げられる。
熱硬化性エラストマーとは、加熱により重合する未硬化のエラストマーである。前記熱硬化性エラストマーとしては、例えば、シリコーン系熱硬化性エラストマー、アクリル系熱硬化性エラストマー、エポキシ系熱硬化性エラストマー、フッ素系熱硬化性エラストマー、ウレタン系熱硬化性エラストマー、及び化学架橋された天然ゴム及び合成ゴム等の加硫ゴムが挙げられる。前記熱硬化性エラストマーとしては、微細凹凸構造物1の生産性に優れる点から、シリコーン系熱硬化性エラストマー又はアクリル系熱硬化性エラストマーが好ましい。
熱可塑性樹脂とは、加熱により軟化する樹脂である。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、テフロン(登録商標)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとは、加熱により軟化するエラストマーである。前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム系熱可塑性エラストマー及びアクリル系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
前記硬化性組成物に含まれる未硬化の硬化性樹脂、未硬化の硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上の化合物の含有量は、得られる微細凹凸構造物1の性能、製造コスト、成形性及び他の機能等の点から、適宜調整することができる。
前記硬化性組成物に含まれる未硬化の硬化性樹脂、未硬化の硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上の化合物の合計の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、通常、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。また、前記硬化性組成物に含まれる未硬化の硬化性樹脂、未硬化の硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上の化合物の合計の含有量は、前記硬化性組成物の総質量に対して、100質量%であってもよく、99質量%以下であることが好ましい。
前記硬化性組成物が光硬化性樹脂又は光硬化性エラストマーを含む場合、成形性及び機械的強度の向上並びに製造コストの低減等の点から、前記硬化性組成物は更に光重合開始剤を含むことが好ましい。
前記光重合開始剤としては、硬化物層の説明において例示した前記の(C)成分が挙げられる。
前記硬化性組成物中の前記光重合開始剤の含有量の下限は、前記硬化性組成物の総質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。前記硬化性組成物中の前記光重合開始剤の含有量の上限は、前記硬化性組成物の総質量に対して、3質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。前記硬化性組成物中の前記光重合開始剤の含有量の範囲は、前記硬化性組成物の総質量に対して、0.1~3質量%が好ましく、0.3~2.5質量%がより好ましく、0.5~2質量%が更に好ましい。
前記硬化性組成物中の前記光重合開始剤の含有量が前記範囲内であれば、前記硬化性組成物の硬化物の機械的強度の向上及び前記硬化性組成物を硬化させる際の適切な硬化速度の維持をしやすくなる。
前記硬化性組成物が光硬化性樹脂又は光硬化性エラストマーを含む場合、前記硬化性組成物は更に硬化促進剤を含んでもよい。
前記硬化性組成物は、微細凹凸構造物の吸着性、成形性及び他の機能等を向上させるために、微粒子、板又は球体等の材料を含んでもよい。前記材料としては、例えば、金属、無機又は有機等の材料が用いられる。前記硬化性組成物が微粒子を含むと、微細凹凸構造物の機械的強度の向上及び材料コストの低減が図られる。
前記硬化性組成物はその他の成分として、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、消泡剤及び離型剤等の各種添加剤を含んでもよい。
これら硬化促進剤、微粒子、板又は球体等の材料、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、消泡剤、離型剤としては、硬化物層の説明において例示した前記の(D)成分が挙げられる。
前記硬化性組成物は、B型粘度計で測定した25℃における粘度が10~5,000mPa・sであることが好ましく、20~4,000mPa・sであることがより好ましく、30~3,000mPa・sであることが更に好ましい。
前記粘度が前記範囲の下限値以上であると、凹部41内に気相を残存させた状態で塗布しやすい。前記粘度が前記範囲の上限値以下であると、硬化性組成物を均等に転写型40全体に塗布しやすい。
(塗布工程)
塗布工程における塗工方法としては、例えば、ドクターブレード、エアブレード、エアナイフ又はバーコーターが挙げられる。以下、塗工手段としてバーコーターを用いた方法で説明する。
バーコーターを用いる場合、まず、図5に示すように、転写型40の凹部41が形成された側の面であって、凹部41が形成されていない周縁部に硬化性組成物50を供給する。
その後、図6に示すように、バーコーター33のバー34を一定の速度で動かし、硬化性組成物50を転写型40全体にならし広げる。
バーコーター33のバー34の材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂若しくはポリエステル樹脂等の樹脂;又は、アルミニウム若しくはステンレス鋼等の金属が挙げられる。
バー34の形状は、特に限定されることはなく、公知の形状のバー34を用いることができる。
バーコーター33のバー34と転写型40との相対速度は1~50,000mm/分が好ましく、5~30,000mm/分がより好ましく、10~10,000mm/分が更に好ましい。
バーコーター33のバー34と転写型40との相対速度が前記範囲の下限値以上であると、凹部41内に気相を残存させた状態で塗布しやすい。
バーコーター33のバー34と転写型40との相対速度が前記範囲の上限値以下であると、充分な量の硬化性組成物50を凹部41の上に供給しやすい。
硬化性組成物50の塗布方法として、例えば、凹部41に直接滴下する方法を用いると、凹部41に硬化性組成物50が完全に充填されてしまい、内部に気相を残すことができない。これに対して、硬化性組成物50を、転写型40の凹部41が形成されていない部分に供給し、バーコーター33により転写型40全体に広げて平坦化させることにより、凹部41内に硬化性組成物50が完全に入り込むことが抑制され、内部に気相を残存させた状態で、凹部41の開口を硬化性組成物50で閉塞できる。
(硬化工程)
硬化工程では、硬化性組成物50を介して、転写型40に加圧用フィルムを貼着し、前記加圧用フィルムを転写型40に対して330kPa以上の均質な圧力で押圧しながら、未硬化の硬化性樹脂、硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上を含む硬化性組成物を硬化させる。
なお、均質な圧力とは、面方向において、加圧力がほぼ一定であることを意味する。
図7には、加圧用フィルムとして、得られる微細凹凸構造物の基材10を用いた例を示した。
すなわち、硬化性組成物50を介して予め転写型40と基材10とを貼着し、一対の加圧板32で貼着された転写型40と基材10とを挟み加圧する。このとき、転写型40の凹部41が形成されている面と反対側の面には、支持フィルム36を配置することが好ましい。
支持フィルム36としては、基材10と同等の材質のフィルムを使用することができる。
前記加圧用フィルムとして、硬化性組成物50に接する側と反対の面に粘着層を有する基材10を用いた場合、加圧板32に粘着剤層が接しないよう、離型フィルム等で粘着剤層を覆うことが好ましい。
前記加圧用フィルムとして、基材10に代えて、他のフィルムを配置してもよい。他のフィルムを使用する場合には、硬化工程後に硬化した硬化性樹脂又は硬化性エラストマーから剥離可能な材質であることが好ましい。
前記加圧用フィルムとしては、碁盤目剥離試験(JIS K 5400-8.5:1990)にて密着性が0点のものを使用することができる。
加圧板32による加圧の圧力は、330kPa以上であり、330~30,000kPaが好ましく、500~10,000kPaがより好ましい。
加圧板32による加圧の圧力が前記範囲の下限値以上であれば、得られる微細凹凸構造物1の凸部22の頂面における凹形状のアスペクト比を大きくできる。加圧板32による加圧の圧力が前記範囲の上限値以下であれば、転写型及び装置の少なくとも一方の連続使用性に優れる。
硬化工程では、上記均質な圧力で加圧した状態で、未硬化の硬化性樹脂、未硬化の硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上を含む硬化性組成物を硬化させる。
前記硬化性組成物が光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む場合、加圧板32に設けられた活性エネルギー線照射面35から活性エネルギー線を基材10等のフィルムを介して硬化性組成物50に照射する。
前記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線又は電子線が挙げられる。
前記活性エネルギー線の照射量は、用いる光硬化性樹脂等を硬化させる量であればよく、モノマー及び重合開始剤の種類及び量を参酌して、例えば、波長が200~400nmの紫外線を通常0.1~200Jの範囲で照射する。
前記活性エネルギー線の光源としては、例えば、ケミカルランプ、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ又はメタルハライドランプが用いられる。
また、前記活性エネルギー線の照射は、1段で行ってもよいが、表面性状の良好な光硬化樹脂シートを得るためには、複数段で、少なくとも2段で行うことが好ましい。
前記硬化性組成物が熱硬化性樹脂及び熱硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む場合、加圧板32にヒーターを内在させ、加圧板32により、加圧と共に加熱を行えばよい。
前記硬化性組成物を硬化させる際の加熱温度は、用いる熱硬化性樹脂及び熱硬化性エラストマーを硬化させる温度であればよく、熱硬化性樹脂及び熱硬化性エラストマーの種類及び量並びに、重合開始剤の種類及び量とを参酌して、例えば、50~200℃とすることができる。
前記硬化性組成物が熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を含む場合、加圧板32にヒーターを内在させ、加圧板32により、加熱及び加圧を共に行った後、冷却を行えばよい。
前記硬化性組成物を硬化させる際の加熱温度は、用いる熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーを軟化させる温度であればよく、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの種類及び量を参酌して、例えば、50~400℃とすることができる。
前記硬化性組成物を硬化させた後の冷却温度は、用いる熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化物を冷却させる温度であればよく、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの種類及び量を参酌して、例えば、0~100℃とすることができる。
(離型工程)
離型工程は硬化工程で硬化させた硬化性組成物の硬化物からなる硬化物層から、転写型40を外す工程である。
離型工程を容易にするため、転写型40に剥離処理を施したり、硬化性組成物50中に離型剤を含ませたりしてもよい。
図7に示すように、加圧用フィルムとして、得られる微細凹凸構造物の基材10を用いた場合、硬化させた硬化性組成物の硬化物からなる硬化物層から転写型40を外せば、図1~4に示す微細凹凸構造物1が得られる。
すなわち、図1の基材10を備える微細凹凸構造物1を得るためには、加圧用フィルムとして基材10を使用すると、製造工程が簡略化されるので好ましい。
加圧用フィルムとして、得られる微細凹凸構造物1の基材10以外のフィルムを使用した場合は、前記加圧用フィルムを剥離して、その後必要に応じて基材10を貼着すればよい。
基材10を貼着する場合は接着剤を用いることが好ましい。この場合の接着剤の種類に特に限定はない。
(硬化性組成物の挙動)
本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法における、硬化性組成物50の挙動について、図8、9を用いて説明する。
まず、硬化性組成物50を凹部41の開口を閉塞するように塗布する。このとき、凹部41内に気相51を残存させた状態とする。この段階で、図8に示すように、毛細管現象によって、凹部41の周壁にそって硬化性組成物50の一部が下降するが、残存した気相51の圧力により、凹部41内全体に硬化性組成物50が充填されることはない。
次いで、加圧用フィルムを介して、硬化性組成物50に均質な圧力が加えられると、図9に示すように、凹部41の周壁に沿った硬化性組成物50の下降が進行する。
一方、硬化性組成物50の下降が進行するに伴い、気相51の体積が小さくなり、圧力が高まるため、気相51による硬化性組成物50を支える力も強まる。そのため図3に示す凸部22の高さHに対応する凹部41の周壁に沿った硬化性組成物50の下降量が大きくなっても、頂面23の凹形状における最下点23cの高さhに対応する凹部41の中央部における硬化性組成物50の侵入量が抑制される。
したがって、硬化性組成物50に均質な圧力を充分な大きさで加えた状態で硬化性組成物50中の硬化性樹脂、硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上を硬化させると、高さHが大きく、高さhが過大とならない状態を維持したまま硬化する。そして、硬化時に、凹部41内に侵入した硬化性組成物50は、微細凹凸構造物1の凸部22となり、硬化時に、凹部41の上方に留まった硬化性組成物50はベース層21となる。
そのため、大きい圧力で加圧するほど頂面23の凹形状のアスペクト比が大きくなると考えられる。
また、本発明の吸着シートの製造方法では、ヤング率の高い転写型40を使用するため、加圧時の圧力を高くしても、転写型40が変形しにくく、良好な転写性が得られるものと考えられる。
(他の実施形態)
本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法において、転写型40における凹部41の配列に特に限定はなく、例えば、六方配列(図10(a))、矩形配列(図10(b))、菱形配列(図10(c))、直線状配列(図10(d))、円状配列(図10(e))又はランダム配列(図10(f))とすることもできる。これらの配列の中でも、吸着シートとし使用した場合の吸着性に優れることから、六方配列、矩形配列又は菱形配列が好ましく、六方配列又は矩形配列がより好ましい。
また、本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法において、塗布工程の具体的な塗布手段としては、例えば、非特許文献1に記載されているように、凹部41が形成されていない周縁部に硬化性組成物50を供給し、その後上から被せたフィルムにより、硬化性組成物50を押し広げるようにしてもよい。
また、硬化工程において、支持フィルム36は使用しなくともよい。
また、本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法において、塗布工程、硬化工程、及び離型工程を連続的に実施してもよい(図12参照)。例えば、光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物50を用いた場合の例を以下で説明する。
塗布工程、硬化工程、及び離型工程を連続的に実施する場合、塗布工程においては、硬化性組成物50を基材10上に供給する。
その後、一定の速度で図12の矢印方向に基材10を送り出し、転写型40が回転することによって、硬化性組成物50を転写型40全体にならし広げる。
基材10と転写型40との相対速度は1~50,000mm/分が好ましく、5~30,000mm/分がより好ましく、10~10,000mm/分が更に好ましい。
基材10と転写型40との相対速度が前記範囲の下限値以上であると、凹部41内に気相を残存させた状態で塗布しやすい。
基材10と転写型40との相対速度が前記範囲の上限値以下であると、充分な量の硬化性組成物50を凹部41の上に供給しやすい。
硬化工程においては、ニップロール60の硬度、圧力及び基材10の張力によって押圧時の圧力を調整する。この時、基材10を転写型40に対して330kPa以上の均質な圧力で押圧しながら、未硬化の光硬化性樹脂又は光硬化性エラストマーを硬化させる。
なお、均質な圧力とは、面方向において、加圧力がほぼ一定であることを意味する。
加圧の圧力は、330~30,000kPaが好ましく、500~10,000kPaがより好ましい。
加圧の圧力が前記範囲の下限値以上であれば、得られる微細凹凸構造物1の凸部22の頂面における凹形状のアスペクト比を大きくできる。加圧の圧力が前記範囲の上限値以下であれば、転写型及び装置の少なくとも一方の連続使用性に優れる。
その後、前記の均質な圧力で加圧した状態で、硬化源70に前記活性エネルギー線を用いて、未硬化の光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物50を硬化する。
離型工程は硬化工程で硬化させた硬化性組成物50から転写型40を外す工程であり、基材10が矢印方向に移送されることで、転写型40から硬化後の硬化性組成物50が外れる。
前述の塗布、硬化、離型工程を連続的に実施する方法は、熱硬化性樹脂、熱硬化性エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの1種以上を含む硬化性組成物を用いても実施することができるが、光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物を用いることが、微細凹凸構造物又は吸着シートの量産性、転写性の点から好ましい。
<<第二の実施形態>>
本発明の微細凹凸構造物の製造方法の第二の実施形態は、頂面が凹形状とされた複数の凸部を有する微細凹凸構造を、少なくとも1つの表面に有する微細凹凸構造物であって、前記凸部が光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物の硬化物であることが好ましく、前記硬化物の押込み弾性率は、0MPa超、12MPa以下であることが好ましい。
以下では、図5~10及び12を適宜参照しながら、本発明の微細凹凸構造物の製造方法の第二の実施形態について説明する。
なお、本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法を、後述する吸着シートの製造方法の一実施形態としてもよい。
本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法は、以下の工程を備える。
(1)塗布工程
塗布工程は、複数の凹部が形成されたヤング率が50GPa以上の転写型に、前記複数の凹部内に気相を残存させた状態で複数の凹部の開口を閉塞するように未硬化の光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物を塗布する工程である。
(2)硬化工程
硬化工程は、加圧用フィルムを、塗布した前記硬化性組成物を介して前記転写型に貼着し、前記加圧用フィルムを均質な圧力で押圧しながら、未硬化の前記硬化性組成物を硬化させる工程である。
(3)離型工程
離型工程は、前記硬化性組成物の硬化物からなる硬化物層から前記転写型を離す工程である。
(転写型)
転写型40としては、微細凹凸構造物の製造方法の第一の実施形態の説明において例示した前記の転写型が挙げられる。
(硬化性組成物)
前記硬化物の押込み弾性率及び破断伸度等の特性を制御することができる点から、塗布工程で使用する硬化性組成物は、光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む塗液であることが好ましい。
前記硬化性組成物において、光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーのいずれか一方を使用してもよいし、これらの両方を併用してもよい。
前記光硬化性樹脂は、1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の組合せ及び比率で併用してもよいが、前記硬化物の押込み弾性率及び破断伸度等の特性を制御することができる点から、2種以上の材料を組み合わせることが好ましい。
前記光硬化性エラストマーは、1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の組合せ及び比率で併用してもよいが、前記硬化物の押込み弾性率及び破断伸度等の特性を制御することができる点から、2種以上の材料を組み合わせることが好ましい。
塗布工程で使用する硬化性組成物としては、硬化物層の説明において例示した前記の硬化性組成物が挙げられる。
前記硬化性組成物は、硬化時の温度におけるB型粘度計で測定した粘度が10~5,000mPa・sであることが好ましく、20~4,000mPa・sであることがより好ましく、30~3,000mPa・sであることが更に好ましい。硬化時の温度における前記硬化性組成物の粘度が前記範囲の下限値以上であると、凹部41内に気相を残存させた状態で塗布しやすい。硬化時の温度における前記硬化性組成物の粘度が前記範囲の上限値以下であると、前記硬化性組成物を均等に転写型40全体に塗布しやすい。
(塗布工程)
塗布工程における塗工方法は、微細凹凸構造物の製造方法の第一の実施形態における塗工方法と同じであるため、その説明を省略する。
(硬化工程)
硬化工程では、硬化性組成物50を介して、転写型40に加圧用フィルムを貼着し、この加圧用フィルムを均質な圧力で押圧しながら、未硬化の光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物を硬化させる。
なお、均質な圧力とは、面方向において、加圧力がほぼ一定であることを意味する。
硬化工程における具体的な硬化方法は、微細凹凸構造物の製造方法の第一の実施形態における硬化方法と同じであるため、その説明を省略する。
なお、加圧用フィルムとして、基材に代えて他のフィルムを使用する場合には、硬化工程後に硬化した硬化性組成物から剥離可能な材質であることが好ましい。
(離型工程)
離型工程は硬化工程で硬化させた硬化性組成物の硬化物からなる硬化物層から、転写型40を外す工程である。
離型工程を容易にするため、転写型40に剥離処理を施したり、硬化性組成物50中に離型剤を含ませたりしてもよい。
離型工程における具体的な離型方法は、微細凹凸構造物の製造方法の第一の実施形態における離型方法と同じであるため、その説明を省略する。
(硬化性組成物の挙動)
本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法における、硬化性組成物50の挙動については、微細凹凸構造物の製造方法の第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
(他の実施形態)
本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法において、転写型40における凹部41の配列に特に限定はなく、例えば、図10に示す配列としてもよい。
また、本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法において、塗布工程の具体的な塗布手段としては、例えば、非特許文献1に記載されているように、凹部41が形成されていない周縁部に硬化性組成物50を供給し、その後上からかぶせたフィルムにより、硬化性組成物50を押し広げるようにしてもよい。
また、硬化工程において、支持フィルム36は使用しなくともよい。
また、本実施形態の微細凹凸構造物の製造方法において、塗布工程、硬化工程、及び離型工程を連続的に実施してもよく(図12参照)、具体的な方法については、微細凹凸構造物の製造方法の第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
<作用効果>
以上説明した本発明の微細凹凸構造物は、凸部の頂面が凹形状であり、且つ凸部は底面から頂面にかけて拡径した形状であり、凸部の底面を通る平面と凸部の側面とのなす角度(テーパ角θ)が50~89°であるため、吸着性能に優れる。
[吸着シート]
本発明の吸着シートは、上述した本発明の微細凹凸構造物を表面に有する。
本発明の微細凹凸構造物そのものを吸着シートとして用いてもよいし、シート本体に本発明の微細凹凸構造物を貼着したものを吸着シートとしてもよい。特に、微細凹凸構造物が基材を備えていない場合は、シート本体に微細凹凸構造物を貼着したものを吸着シートとすることが好ましい。シート本体に微細凹凸構造物を貼り付ける際は、微細凹凸構造物の微細凹凸構造が吸着シートの最表面となるように、シート本体に貼り付ける。
シート本体としては、微細凹凸構造物を支持可能なものであれば特に限定されないが、例えば微細凹凸構造物の説明において例示した前記の基材などが挙げられる。
吸着シートは、水中における初期吸着力に対する、10回の剥離及び吸着を繰り返した後の吸着力の割合が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。前記吸着シートの吸着力が前記範囲の下限値以上であると、吸着シートを繰り返して使用できる回数が増える。
前記吸着シートの吸着力は、後述する実施例における測定方法で測定することができる。
本発明の吸着シートは、上述した本発明の微細凹凸構造物を表面に有するので、吸着性能に優れる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[測定方法、評価方法]
実施例及び比較例において、以下の測定と評価を行った。
(押込み弾性率の測定)
硬化性組成物の硬化物の押込み弾性率を以下のようにして測定した。
硬化性組成物をSUS板に数滴滴下した後、PETフィルムを被せ、ローラーで押し付け平坦化した。その後、フュージョン社製のUVコンベアにて波長200~450nm、エネルギー量1,000mJ/mで紫外線を照射し、硬化性組成物の硬化物である平面状の硬化サンプルを得た。
得られた硬化サンプルの押込み弾性率を、微小硬度計(フィッシャー・インストルメンツ社製、商品名「HM-2000」)を用い、ISO14577-1の規格に則って、測定温度25℃で測定した。
(破断伸度の測定)
硬化性組成物の硬化物の破断伸度を以下のようにして測定した。
押込み弾性率の測定と同様にして、硬化サンプルを得た。
得られた硬化サンプルの破断伸度を、小型卓上試験機(島津サイエンス社製、商品名「EZ-TEST」)を用い、JIS K 7127の規格に則って、5mm/minの速度条件で測定した。
(静的接触角の測定)
硬化性組成物の硬化物の静的接触角を以下のようにして測定した。
押込み弾性率の測定と同様にして、硬化サンプルを得た。
25℃の純水1μLを硬化サンプルに滴下し、Dataphysics社製のTBU 90ELHを用いて、硬化サンプルの静的接触角を測定した。
(ヤング率の測定)
フィッシャー・インストルメンツ社製フィッシャースコープHM2000を用いて押込み試験を行うことによって、転写型のヤング率を測定した。
(凸部の測定)
転写型から離型した後の微細凹凸構造物のサンプルにおける10個の凸部について、画像処理装置(ニコンインステック社製、商品名「NEXIV VMZ-H3030」)を用いて凸部の高さH、及び凸部の頂面に外接する最小円の直径(吸盤径)2R、及びテーパ角θを測定した(図3、4を参照)。
(離型性の評価)
転写型から離型した後の微細凹凸構造物のサンプルを走査型顕微鏡で平面観察し、全体の凸部に対する破損した凸部(離型する際に破損した凸部)の割合を、画像処理装置(ニコンインステック社製、商品名「NEXIV VMZ-H3030」)を用いて算出した。なお、ここでいう「破損した凸部」とは、頂面の凹形状が完全に失われた凸部のことである。
離型する際に破損した凸部の割合が5%未満の場合を「A」、5%以上10%未満の場合を「B」、10%以上場合を「C」と評価した。
(吸着性能の評価)
微細凹凸構造物のサンプルの水中又は大気中における面吸着力を小型卓上試験機(島津サイエンス社製、商品名「EZ-TEST」)を用い、以下のようにして測定した。
具体的には、図11に示すように、小型卓上試験機の下チャック部分を被着体61に変更し、上チャック部分を微細凹凸構造物1に変更した。被着体61としてはSUS板を用いた。また、被着体61の上にシリコーン枠62を設置した。水中の場合はシリコーン枠62内を水で満たした。微細凹凸構造物1のサイズは、縦25mm、横25mmとした。この微細凹凸構造物1には、36個の凸部22が形成されていた。
微細凹凸構造物1の凸部22が被着体61に吸着するように、微細凹凸構造物1を被着体61に50N程度の一定の荷重で下方向に押し付けた後、上方向に引き上げ、その際に働く力を測定し、これを微細凹凸構造物1の水中における面吸着力とした。
別途、シリコーン枠62内の水を除去した状態で、微細凹凸構造物1の凸部22が被着体61に吸着するように、微細凹凸構造物1を被着体61に50N程度の一定の荷重で下方向に押し付けた後、上方向に引き上げ、その際に働く力を測定し、これを微細凹凸構造物1の大気中における面吸着力とした。
試行回数は10回とし、10回の試行回数における平均面吸着力を算出した。水中及び大気中での平均面吸着力の両方が、0.5 N/25mm以上の場合を「A」、いずれかが0.5 N/25mmより低い場合を「B」と評価した。
(吸着繰返し性の評価)
吸着性能の評価における水中での10回目の面吸着力と平均面吸着力に基づき、下記式(2)より吸着力の減少割合を求めた。吸着力の減少割合が、10%未満の場合を「A」、10%以上、20%未満の場合を「B」、20%以上の場合を「C」と評価した。
吸着力の減少割合(%)=100-(100×10回目の面吸着力/平均面吸着力) ・・・(2)
[使用原料]
以下の材料を原料として使用した。
<硬化性組成物の材料>
((A)成分:2官能以上のモノマー又はオリゴマー)
・A-1:ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、商品名「EBECRYL 230」、質量平均分子量(Mw):5,000、官能基数:2、官能基当たりの質量平均分子量:2,500)。
・A-2:ウレタンアクリレート(ARKEMA社製、商品名「CN8887NS」、質量平均分子量(Mw):18,500、官能基数:2、官能基当たりの質量平均分子量:9,250)。
・A-3:ウレタンアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、商品名「KRM7735」、質量平均分子量(Mw):7,200、官能基数:2、官能基当たりの質量平均分子量:3,600)。
((B)成分:単官能のモノマー又はオリゴマー)
・B-1:特殊アクリレート(東亞合成社製、商品名「アロニックスM-120」)。
((C)成分:光重合開始剤)
・C-1:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(BASF社製、商品名「IRGACURE 184」)と、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名「IRGACURE TPO」)との混合物(質量比(IRGACURE 184:IRGACURE TPO)=1:0.1)。
<基材>
・PETフィルム:(三菱ケミカル社製、商品名「ダイアホイル」、フィルム厚さ:125μm)。
[実施例1]
(硬化性組成物の調製)
(A)成分としてA-1を49.5質量部と、(B)成分としてB-1を49.5質量部と、(C)成分としてC-1を1.0質量部とを混合し、泡取り練太郎(シンキー社製、商品名「AR-250」)を用いて20分間撹拌し、その後10分間脱泡して、硬化性組成物を調製した。
(微細凹凸構造物の製造)
ヤング率68GPaのアルミニウム合金製で、図8、9に示すような凹部が設けられた転写型を作製した。この転写型に、硬化性組成物を温度25℃の条件で塗布した。
塗布は、転写型の凹部が形成されていない周縁部に硬化性組成物を供給し、その後、バーコーターのバーを4.1cm/秒の速度で動かし、転写型全体にならし広げることにより行った。バーコーターとしては、RK Print Coat Instruments Ltd社製の商品名「K101 CONTROL COATER」を用い、バーコーターのバーの番手は5番とした。これにより、各凹部内に気相を残した状態で、各凹部の開口を硬化性組成物で覆い、閉塞した。
その後、転写型上に基材としてPETフィルムを載せ、高圧水銀ランプを用いて波長200~450nm、エネルギー量1,000mJ/mで紫外線を照射した。
その後、金型内で硬化した硬化性組成物の硬化物をPETフィルムと共に金型から剥離させ、実施例1の微細凹凸構造物を得た。
得られた微細凹凸構造物について、押込み弾性率、破断伸度、静的接触角と、凸部の高さH、凸部の頂面に外接する最小円の直径(吸盤径)2R、及びテーパ角θを測定し、離型性、吸着性能及び吸着繰り返し性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2~4、比較例1]
表1に示す配合組成となるような各成分の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製した。
微細凹凸構造物の凸部の高さH、凸部の頂面に外接する最小円の直径(吸盤径)2R、及びテーパ角θが表1に示す値となるように、転写型の凹部の形状等を変更した以外は、実施例1と同様の転写型を用い、先に得られた硬化性組成物を用いて微細凹凸構造物を製造し、各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023112783000002
実施例1~4と比較例1との比較から、テーパ角θを低くすることで、実施例1~4で得られた微細凹凸構造物の吸着シートとしての吸着性能が高くなることがわかった。
なお、水中における初期吸着力に対する、10回の剥離及び吸着を繰り返した後の吸着力の割合は、実施例1の場合が99.2%であり、実施例2の場合が100%であり、実施例3の場合が113.9%であり、実施例4の場合が103.1%であり、比較例1の場合が131.9%であった。
本発明の微細凹凸構造物は吸着性能に優れることから、吸着シートとして有用である。
1 微細凹凸構造物
10 基材
20 硬化物層
21 ベース層
22 凸部
23 頂面
23a,23b 周縁
23c 最下点
24 底面
24a,24b 周縁
25 側面
32 加圧板
33 バーコーター
34 バー
35 活性エネルギー線照射面
36 支持フィルム
40 転写型
41 凹部
42 開口面
43 側面
50 硬化性組成物
51 気相
60 ニップロール
61 被着体
62 シリコーン枠
70 硬化源
θ,θ テーパ角

Claims (6)

  1. 頂面が凹形状の複数の凸部を有する微細凹凸構造を、1つ以上の表面に有する微細凹凸構造物であって、
    前記凸部は、前記凸部の底面から前記頂面にかけて拡径した形状であり、
    前記凸部の底面を通る平面と前記凸部の側面とのなす角度が50~89°である、微細凹凸構造物。
  2. 前記凸部が光硬化性樹脂及び光硬化性エラストマーの少なくとも一方を含む硬化性組成物の硬化物である、請求項1に記載の微細凹凸構造物。
  3. 前記硬化物の押込み弾性率が、0MPa超、12MPa以下である、請求項2に記載の微細凹凸構造物。
  4. 前記硬化物の破断伸度が、70~1,500%である、請求項2又は3に記載の微細凹凸構造物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の微細凹凸構造物を表面に有する、吸着シート。
  6. 水中における初期吸着力に対する、10回の剥離及び吸着を繰り返した後の吸着力の割合が80%以上である、請求項5に記載の吸着シート。
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