JP2023112390A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】再加速時における加速性能の低下を抑制しつつ、エンジン回転数の高止まりによって違和感を抱くことを抑制できる自動変速機の変速制御装置を提供する。【解決手段】エンジンと駆動輪との間の変速段を設定する変速機構を備え、アクセル操作量が第1所定操作量を超えて低下した場合に、第1変速段から第2変速段にアップシフトするように構成された自動変速機の変速制御装置において、変速機構の変速比を設定するコントローラを備え、コントローラは、アクセル操作量の変化速度が所定速度よりも速い場合(ステップS1で肯定的に判断)に、アクセル操作量が第1所定操作量を超えた時点からアップシフトを開始するまでの遅延時間をエンジンの回転数に基づいて設定する(ステップS3およびステップS4)ように構成されている。【選択図】図3
Description
この発明は、複数の変速段を設定することができるように構成された自動変速機の変速制御装置に関し、特に、アクセル操作量に応じて変速段を変更するように構成された自動変速機の変速制御装置に関するものである。
特許文献1には、前進第1速段から前進第6速段までの変速段を設定することができる自動変速機の制御装置が記載されている。この特許文献1に記載された制御装置は、スロットル開度と車速とに応じた変速段を設定するように構成されていて、スロットル開度が所定開度を超えて低下した場合に、変速比が一段階小さい変速段にアップシフトするように構成されている。また、上記のようにアップシフトすると変速比が小さくなることによりエンジンブレーキ力が低下するため、運転者がエンジンブレーキ力が不足すると体感する可能性がある。そのため、特許文献1に記載された制御装置は、アクセル戻し操作後にブレーキ操作される頻度が多い車速領域を走行履歴に基づいて定めておき、アクセル戻し速度が所定速度よりも速く、その時点での車速が上記のように定められた車速領域である場合には、アップシフトを禁止するように、すなわちアクセル戻し操作時に設定されている変速段を維持するように構成されている。
特許文献1に記載された制御装置によれば、アクセル戻し速度が所定速度よりも速く、車速が所定車速領域の場合に、アップシフトが禁止される。そのため、変速比が大きい変速段が維持されていることにより、例えば再加速時における加速性を向上することができる。それに対して、アップシフトを禁止することによって、エンジン回転数が相対的に高回転数の状態を維持することになる。運転者によるアクセル戻し操作は、特許文献1に記載されたようにエンジンブレーキ力を駆動輪に作用させる場合に加えて、駆動力を低下させる場合にも行われる。また、運転者が駆動力の変化として体感する車両の挙動には、エンジン回転数の変化が含まれる。そのため、駆動力を低下させることを意図して運転者がアクセル戻し操作した場合にアップシフトを禁止すると、運転者が意図するエンジン回転数の変化と、実際のエンジン回転数の変化とが乖離する。すなわち、運転者がエンジン回転数の高止まりを違和感として抱く可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、再加速時における加速性能の低下を抑制しつつ、エンジン回転数の高止まりによって違和感を抱くことを抑制できる自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、エンジンに連結された入力軸と、駆動輪に連結された出力軸と、前記入力軸と前記出力軸との変速比を、予め定められた複数の変速比から選択された所定の変速比に設定することができる変速機構とを備え、アクセル操作量が予め定められた第1所定操作量を超えて低下した場合に、前記複数の変速比のうちの第1変速比から、前記第1変速比よりも変速比が小さい第2変速比にアップシフトするように構成された自動変速機の変速制御装置において、前記変速機構の変速比を設定するコントローラを備え、前記コントローラは、前記アクセル操作量の変化速度を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記アクセル操作量の変化速度が予め定められた所定速度よりも速い場合に、前記アクセル操作量が前記第1所定操作量を超えた時点から前記アップシフトを開始するまでの遅延時間を前記エンジンの回転数に基づいて設定するアップシフト遅延部とによって構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明では、前記アップシフト遅延部は、前記エンジンの回転数が高いほど、前記遅延時間を短く設定してよい。
また、この発明では、前記アップシフト遅延部は、前記エンジンの回転数が予め定められた所定回転数以下の場合に、前記遅延時間を設定してよい。
また、この発明では、前記アップシフト遅延部は、車速に基づいて前記遅延時間を設定してよい。
そして、この発明では、前記自動変速機構は、前記アクセル操作量が、前記第1所定操作量よりも更に小さい第2所定操作量を超えて低下した場合に、前記第2変速比よりも更に変速比が小さい第3変速比にアップシフトするように構成され、前記アップシフト遅延部は、前記第1変速比から前記第2変速比へのアップシフト中における前記アクセル操作量の変化速度が前記所定速度よりも速い場合に、前記アクセル操作量が前記第2所定操作量を超えた時点から、前記第2変速比から前記第3変速比へのアップシフトを開始するまでの遅延時間を前記エンジンの回転数に基づいて設定するように構成されていてよい。
この発明によれば、アクセル操作の変化速度が所定速度よりも速い場合に、アクセル操作量が第1所定操作量を超えた時点から遅れてアップシフトを開始する。すなわち、再加速するか否かを判断する時間を確保する。したがって、再加速するためにアクセル操作量を増加する場合には、アクセル操作量を増加させ始めた時点でアップシフトが実行されていることを抑制でき、更に、遅延時間中にアクセル操作量が増加することによりアップシフトが実行されなくなる。すなわち、アクセル操作量を増加させ始めた時点での変速比を大きい状態に維持することができ、再加速時の加速性能が低下することを抑制できる。また、そのようにアップシフトを遅延する場合に、その遅延時間をエンジン回転数に基づいて設定する。そのため、上記のようにアップシフトを開始するタイミングを遅延させたとしても、エンジン回転数が高止まりしていると運転者が違和感を抱くことを抑制できる。
この発明の実施形態における自動変速機を備えた車両の一例を図1に示してある。図1に示す車両Veは、エンジン(ENG)1を駆動力源とした車両Veであって、エンジン1の出力軸2に、この発明の実施形態における「変速機構」に相当する自動変速機(T/M)3の入力軸が連結され、自動変速機3の出力軸4にプロペラシャフト5、デファレンシャルギヤユニット6、およびドライブシャフト7を介して一対の後輪(以下、駆動輪と記す)8が連結されている。
エンジン1は、従来知られたガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどであって、供給される燃料と空気との混合気を燃焼することにより駆動トルクを出力し、また、その混合気の燃焼を停止すること、すなわち、燃料の供給を停止することにより、フリクショントルクやポンピングロスなどに応じた制動トルク(エンジンブレーキ)を出力することができるように構成されている。
自動変速機3は、従来知られた有段式の自動変速機と同様に構成することができ、複数のクラッチ機構やブレーキ機構などの係合機構を備え、所定の係合機構または二つ以上の係合機構を係合することによって、所定変速段(変速比)を設定するように構成されている。すなわち、所定の係合機構を解放して他の係合機構を係合することにより、または複数の係合機構のうちの少なくとも一つの係合機構を解放して、解放していた係合機構のうちの少なくとも一つの係合機構を係合することによって、変速段を切り替えることができるように構成されている。なお、変速段を設定するために係合動作および解放動作する係合機構は、摩擦式の係合機構であってもよく、噛み合い式の係合機構であってもよい。さらに、その係合機構は、油圧によって係合動作および解放動作する油圧式の係合機構であってもよく、電磁力によって係合動作および解放動作する電磁式の係合機構であってもよい。
図1に示す車両Veは、エンジン1および自動変速機3を制御するための電子制御装置(以下、ECUと記す)9を備えている。このECU9は、この発明の実施形態における「コントローラ」に相当するものであり、従来のECUと同様にマイクロコンピュータを主体に構成されていて、入力される信号、予め記憶されているマップや演算式などに基づいてエンジン1から出力するトルクや、自動変速機3で設定する変速段などを定めるように構成されている。
図1に示すECU9は、エンジン1を制御するためのエンジン制御部10と、自動変速機3を制御するための変速制御部11とを備えている。また、ECU9には、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル操作量)を検出するためのアクセル開度センサ12、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ13、およびプロペラシャフト5などの自動変速機3の出力側の回転部材の回転数を検出する出力軸回転数センサ14などが接続され、それらのセンサ12,13,14の検出値が入力されるように構成されている。
エンジン制御部10は、例えば、アクセル開度センサ12から入力されたアクセル開度と、出力軸回転数センサ14から入力された車速に相当する回転数と、予め記憶されているマップとに基づいて車両Veに要求される駆動力を求め、その求められた要求駆動力と、自動変速機3で設定されている変速段に対応した変速比とからエンジン1の出力トルクを定める。そして、その定められたエンジン1の出力トルクを出力するための信号(トルク出力指示)がエンジン1に出力される。
変速制御部11は、従来の自動変速機の制御装置と同様に、アクセル開度と車速とをパラメータとして設定する変速段を定めた変速マップに基づいて変速段を設定するように構成されている。図2には、その変速マップの一部を示してある。なお、図2における横軸に車速を採り、縦軸にアクセル開度を採ってあり、実線で示すアップシフト線を跨いで車速やアクセル開度が変化することによって、変速比が小さい変速段にアップシフトするように構成されている。
具体的には、アクセル開度および車速で定まる運転状態が図2におけるA点であることにより前進第4速段が設定されている状態で、図2におけるB点までアクセル操作量を減じた場合には、前進第5速段にアップシフトされ、また図2におけるC点までアクセル操作量を減じた場合、すなわちアクセルオフされた場合には、前進第6速段にアップシフトされる。なお、前進第4速段から前進第6速段にアップシフトするなどの一つ以上の変速段を超えてアップシフトする場合には、その中間の変速段を一時的に設定した後に、目標となる変速段にアップシフトしてもよく、中間の変速段を設定することなく目標となる変速段にアップシフトする、いわゆる飛び変速を行ってもよい。なお、前進第4速段の変速比が、この発明の実施形態における「第1変速比」に相当し、前進第5速段の変速比が、この発明の実施形態における「第2変速比」に相当し、前進第5速段の変速比が、この発明の実施形態における「第3変速比」に相当し、図2における「4⇒5」のアップシフト線上のアクセル開度が、この発明の実施形態における「第1所定操作量」に相当し、図2における「5⇒6」のアップシフト線上のアクセル開度が、この発明の実施形態における「第2所定操作量」に相当する。
上記のようにアップシフトした場合には、変速比が小さくなり、それに伴ってエンジン回転数が低下する。一方、例えば、コーナーを走行する直前にアクセル開度を一時的に低下させ、コーナーの立ち上がりで再加速するような場合には、急激にアクセル開度が低下させられ、その後にアクセル開度が増加させられる。そのようにアクセル開度を一時的に低下させたことによりアップシフトが行われた場合には、変速比が小さいことにより再加速時の加速性能が、アップシフトしない場合と比較して低下する。したがって、急激にアクセル開度が低下した場合には、再加速する可能性があるとしてアップシフトを実行しないことが好ましい。
それとは反対に、急激にアクセル開度を低下させた場合にアップシフトを実行しないとすると、変速比が高い状態が維持されてエンジン1が高回転数で回転し続けるため、エンジン回転数が高止まりしていると運転者が違和感を抱く可能性がある。
そのため、この発明の実施形態における変速制御装置は、急激にアクセル開度が低下した場合に、アクセル開度がアップシフト線を超えた時点から遅延してアップシフトを実行するように構成され、更に、その遅延時間をエンジン回転数に応じて定めるように構成されている。その制御の一例を図3に示してある。なお、図3に示す制御例は、運転者が意図的にアクセル開度を低下させていることが判断された場合、すなわちアクセル開度の低下量が予め定められた所定量以上となった場合に実行される。
図3に示す制御例では、まず、アクセル開度の低下速度(変化速度)が所定速度以上であるか否かを判断する(ステップS1)。このステップS1における低下速度は、アクセル開度センサ12によって検出される信号に基づいて求めることができる。具体的には、アクセル開度センサ12の検出値を所定時間毎に検出しておき、先に検出された検出値との差を、所定時間で除算することによってアクセル開度の低下速度を求めることができる。このステップS1が、この発明の実施形態における「検出部」に相当する。
なお、アクセル開度の低下速度のばらつきを考慮して、アクセル開度の低下速度を複数回求め、その平均値をステップS1で採用してもよい。また、このステップS1は、現時点でのアクセルの操作の仕方が、再加速する直前に行われる頻度が高いアクセルの操作の仕方と同様であるか否かを判断するためのステップである。したがって、所定速度は、予め実験やシミュレーションによって定められた速度であってもよく、走行履歴などに基づいて定められた速度であってもよい。
アクセル開度を緩やかに低下させている場合やアクセル開度を低下させていない場合などアクセル開度の低下速度が所定速度未満であることによりステップS1で否定的に判断された場合は、そのままこのルーチンを一旦終了する。すなわち、アクセル開度を緩やかに低下させてアップシフト線を超えた場合には、アップシフト線を超えた時点でアップシフトを開始する。
一方、例えば、アクセル開度を緩やかに低下させて図2におけるA点からB点に変化したことによりアップシフトを開始し、そのアップシフトを実行している過渡期に、更にアクセル開度を所定速度以上でB点からC点に変化させた場合には、アップシフトを遅延させるために既に実行しているアップシフトを中断しまたは元の変速段に戻すなどを行うと、制御が煩雑になり、あるいは低下し始めているエンジン回転数が増加するなど運転者が違和感を抱く可能性がある。そのため、アクセル開度の低下速度が所定速度以上であることによりステップS1で肯定的に判断された場合は、アップシフト中であるか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2は、変速制御部11の出力信号などに基づいて判断することができる。すなわち、エンジン回転数が低下し始めるなどの挙動の変化が生じているか否かに限らず、変速の出力の指示がECU9から出力されているか否かに基づいて判断する。
アップシフト中でないことによりステップS2で肯定的に判断された場合は、アクセル開度がアップシフト線を跨いだ時点からアップシフトを開始するまでの遅延時間をエンジン回転数に基づいて設定して(ステップS3)、このルーチンを一旦終了する。
通常、アップシフトする場合には、アップシフト前の変速段を設定するための係合機構(以下、解放側クラッチと記す)を解放させ、その後、アップシフト後の変速段を設定するための係合機構(以下、係合側クラッチと記す)を係合させる。したがって、解放側クラッチが解放するまで、またはその解放側クラッチに作用するトルクが所定トルクまで低下するまでの間は、エンジン回転数が維持され、その後、係合側クラッチが係合し始めることによってエンジン回転数が低下し始める。つまり、アップシフト線を超えてアクセル開度が低下した時点からエンジン回転数が低下し始めるまでには不可避的な遅れが生じる。
そのような不可避的な遅れを考慮して、アップシフト線を跨いでアクセル開度が低下した時点からエンジン回転数が低下し始めるまでの運転者が許容できる時間を予め実験やシミュレーションによって求める。通常、エンジン回転数が高いほど、運転者はアップシフトが実行されないこと、つまりエンジン回転数が低下しないことを違和感として抱き、またそのように違和感を抱くまでの時間が短い。そのため、エンジン回転数毎に上記の許容時間を求め、その求められた許容時間からアップシフトするために要する時間を減じて、遅延時間を定める。
そして、そのようにエンジン回転数と遅延時間との関係をマップ化しておき、ステップS3では、このルーチンを実行した時点でのエンジン回転数と、マップとに基づいて遅延時間を設定する。なお、上記のように構築されたマップの一例を図4に示してあり、エンジン回転数が高回転数になるに連れて、遅延時間が短くなり、エンジン回転数が所定回転数以上の場合には、遅延時間を設定しないように構成されている。これは、エンジン回転数が所定回転数以上では、迅速に低下しないと運転者が違和感を抱くためである。
一方、アップシフト中であることによりステップS2で否定的に判断された場合は、次のアップシフトの遅延時間をエンジン回転数に基づいて設定して(ステップS4)、このルーチンを一旦終了する。このステップS4は、アップシフト中に更にアクセル開度が低下してアップシフトを行うことが判断された場合に、進行中のアップシフトが完了した後に実行するアップシフトを遅延させる時間を定めるためのステップである。したがって、ステップS4では、ステップS3と同様にエンジン回転数と図4に示すマップとに基づいて遅延時間を設定することができる。なお、上記ステップS3やステップS4が、この発明の実施形態における「アップシフト遅延部」に相当する。
上述したステップS3およびステップS4での遅延時間の設定は、アクセル開度がアップシフト線を超えて変化するか否かに限らず、逐次設定する。したがって、アップシフト線を超えてアクセル開度が低下した場合には、時々刻々と変化するエンジン回転数に基づいて遅延時間を逐次更新するとともに、アップシフト線を超えた時点からの時間をカウントする。そして、更新された遅延時間とアップシフト線を超えた時点からの時間とを比較して、アップシフト線を超えた時点からの時間が更新された遅延時間を超えたことが判断された時点でアップシフトを開始する。なお、アクセル開度がアップシフト線を超えない場合や、遅延時間の経過時点でのアクセル開度が、アップシフト線を超えて増加した場合、すなわち再加速するアクセル操作が行われた場合には、特にアップシフトを行うことなく、変速段を維持する。
上述したようにアクセル開度が急激に低下させられた場合に、アクセル開度がアップシフト線を超えた時点から遅れてアップシフトを開始する。すなわち、再加速するか否かを判断する時間を確保することができる。したがって、再加速するためにアクセル開度が増加する場合には、アクセル開度を増加させ始めた時点でアップシフトが実行されていることを抑制でき、更に、遅延時間中にアクセル開度が増加することによりアップシフトが実行されなくなる。すなわち、アクセル開度を増加させ始めた時点での変速比を大きい状態に維持することができ、再加速時の加速性能が低下することを抑制できる。また、そのようにアップシフトを遅延する場合に、その遅延時間をエンジン回転数に基づいて設定している。具体的には、エンジン回転数が高いほど、遅延時間を短く設定する。そのため、上記のようにアップシフトを開始するタイミングを遅延させたとしても、エンジン回転数が高止まりしていると運転者が違和感を抱くことを抑制できる。
なお、この発明の実施形態における変速制御装置は、上述したようにアップシフトを開始するまでの遅延時間をエンジン回転数のみによって設定してもよく、エンジン回転数に加えて車速などの他の条件に基づいて設定してもよい。以下にエンジン回転数と車速とに基づいて遅延時間を設定するための表を示してある。
表1に示す例では、遅延時間を設定するためのエンジン回転数を三つに区分してあり、エンジン回転数が高回転数になるほど、遅延時間を短く設定してある。また、それぞれのエンジン回転数毎に車速に応じた遅延時間を設定してある。具体的には、エンジン回転数が高回転数(大)である場合には、高車速時(大)、中車速時(中)、低車速時(小)の順に遅延時間が長くなり、エンジン回転数が低回転数(小)、または中間の回転数(中)である場合には、高車速時(大)、低車速時(小)、中車速時(中)の順に遅延時間が長くなるように構成されている。上記の車速に応じた遅延時間は、エンジン1の高止まりによる違和感を運転者が抱かない時間を官能試験などに基づいて定めることができる。
なお、この発明の実施形態における自動変速機の変速制御装置は、上述したように前進第4速段から前進第6速段に変速するなどの一つの変速段を超えた飛び変速を行うこともでき、そのような場合であっても、上述したようにエンジン回転数に基づいてアップシフトを開始する遅延時間を設定してよい。
1 エンジン
3 自動変速機
8 駆動輪
9 電子制御装置(ECU)
10 エンジン制御部
11 変速制御部
12 アクセル開度センサ
13 エンジン回転数センサ
14 出力軸回転数センサ
Ve 車両
3 自動変速機
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11 変速制御部
12 アクセル開度センサ
13 エンジン回転数センサ
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Ve 車両
Claims (5)
- エンジンに連結された入力軸と、駆動輪に連結された出力軸と、前記入力軸と前記出力軸との変速比を、予め定められた複数の変速比から選択された所定の変速比に設定することができる変速機構とを備え、アクセル操作量が予め定められた第1所定操作量を超えて低下した場合に、前記複数の変速比のうちの第1変速比から、前記第1変速比よりも変速比が小さい第2変速比にアップシフトするように構成された自動変速機の変速制御装置において、
前記変速機構の変速比を設定するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記アクセル操作量の変化速度を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記アクセル操作量の変化速度が予め定められた所定速度よりも速い場合に、前記アクセル操作量が前記第1所定操作量を超えた時点から前記アップシフトを開始するまでの遅延時間を前記エンジンの回転数に基づいて設定するアップシフト遅延部と
によって構成されている
ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記アップシフト遅延部は、前記エンジンの回転数が高いほど、前記遅延時間を短く設定する
ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記アップシフト遅延部は、前記エンジンの回転数が予め定められた所定回転数以下の場合に、前記遅延時間を設定する
ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記アップシフト遅延部は、車速に基づいて前記遅延時間を設定する
ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記変速機構は、前記アクセル操作量が、前記第1所定操作量よりも更に小さい第2所定操作量を超えて低下した場合に、前記第2変速比よりも更に変速比が小さい第3変速比にアップシフトするように構成され、
前記アップシフト遅延部は、前記第1変速比から前記第2変速比へのアップシフト中における前記アクセル操作量の変化速度が前記所定速度よりも速い場合に、前記アクセル操作量が前記第2所定操作量を超えた時点から、前記第2変速比から前記第3変速比へのアップシフトを開始するまでの遅延時間を前記エンジンの回転数に基づいて設定するように構成されている
ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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- 2022-02-01 JP JP2022014149A patent/JP2023112390A/ja active Pending
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