JP2023111735A - 電子機器及びその製造方法 - Google Patents

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Yujiro Sugaya
孝徳 木全
Takanori Kimata
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Abstract

【課題】生産性の高い電子機器を提供する。【解決手段】電子機器10は、内部基板20と、内部基板20に接続された端子30,40と、内部基板20及び端子30,40を保持する樹脂部60と、を備える。樹脂部60は、内部基板20及び端子30,40をインサート品としたインサート成形で形成されたものである。内部基板20に対する端子30,40の接続は、端子30,40が内部基板20に接触している状態が維持されるように樹脂部60が内部基板20及び端子30,40を保持していることで実現されており、内部基板20に対する端子30,40の接続箇所には、樹脂部を構成する樹脂以外の接合材が配置されていない。【選択図】図5

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年10月27日~29日 第4回[名古屋]オートモーティブワールド‐クルマの先端技術展‐にて公開 令和3年11月17日 https://www.analog.com/jp/about-adi/news-room/press-releases/2021/11-18-2021-A2B-Macnica-Iriso.html にて公開 令和3年11月19日 https://www.iriso.co.jp/jp/news/n20211119/ にて公開 令和3年11月24日~26日 第7回鉄道技術展2021 Mass-Trans Innovation Japan 2021 にて公開 令和4年1月19日~21日 第14回 オートモーティブワールド‐クルマの先端技術展‐にて公開
本開示は、電子機器及びその製造方法に関する。
特許文献1に記載された電子機器は、半田付けにより電子部品が接合された基板と、基板に半田付け等により接合された端子と、これらを覆う樹脂部と、を有している。この電子機器の製造では、あらかじめ端子を基板に半田付け等で取り付け、その後、端子が取り付けられた基板をインサート品としたインサート成形によって樹脂部を形成している。
特開2011-100718号公報 特開2000-216657号公報
本開示の第1の態様が解決しようとする課題は、生産性の高い電子機器を提供することである。
本開示の第2の態様が解決しようとする課題は、耐熱性が高くかつ電子部品の劣化が防止された電子機器を提供することである。
第1-1の態様に係る電子機器は、基板と、前記基板に接続された端子と、前記基板及び前記端子を保持する樹脂部と、を備える電子機器であって、前記樹脂部は、前記基板及び前記端子をインサート品としたインサート成形で形成されたものであり、前記基板に対する前記端子の接続は、前記端子が前記基板に接触している状態が維持されるように前記樹脂部が前記基板及び前記端子を保持していることで実現されており、前記基板に対する前記端子の接続箇所には、前記樹脂部を構成する樹脂以外の接合材が配置されていない。
本態様では、電子機器は、基板と、基板に接続された端子と、基板及び端子を保持する樹脂部と、を備える。樹脂部は、基板及び端子をインサート品としたインサート成形で形成されたものであるので、電子機器は、高い防水性、防塵性及び防振性を有する。
ここで、基板に対する端子の接続は、端子が基板に接触している状態が維持されるように樹脂部が基板及び端子を保持していることで実現されている。そして、基板に対する端子の接続箇所には、樹脂部を構成する樹脂以外の接合材(半田や接着剤など)が配置されていない。
このため、次のとおり、生産性が向上する。
すなわち、従来の電子機器では、樹脂部をインサート成形で形成する前に、あらかじめ端子を基板に半田付けによって取り付けているので、基板に対する端子の取付位置のズレによってはインサート成形の金型に基板及び端子を配置することが難しくなることがあり、このことが生産性に悪影響を及ぼしていた。
これに対し、本態様に係る電子機器は、基板に対する端子の接続箇所に、樹脂部を構成する樹脂以外の接合材が配置されていないので、樹脂部を形成する前に半田付け等によって端子を基板に取り付ける工程を省略することができる。この工程を省略すると、インサート成形の金型に基板及び端子を配置することが容易になり、その結果、生産性が向上する。
なお、後述の実施形態では、樹脂部を構成する樹脂は熱可塑性樹脂であり、樹脂部を構成する樹脂の溶融温度は、電子部品を基板に接合する半田の溶融温度よりも高い例を説明するが、本態様はこれに限定されない。
また、後述の実施形態では、端子が弾性変形した状態で樹脂部に保持されている例を説明するが、本態様はこれに限定されない。つまり、端子は弾性部を有しなくてもよい。この場合、インサート成形用の金型に弾性変形可能な部位を形成しておき、この弾性変形可能な部位を端子又は基板に押し付けることが好ましい。これにより、端子や基板の厚みにばらつき(公差)が生じる場合でも、このばらつきを金型の弾性変形によって吸収することができる。
また、後述の実施形態では、複数の端子の全てについて、基板に対する端子の接続箇所に、樹脂部を構成する樹脂以外の接合材が配置されていない例を説明するが、本態様はこれに限定されない。
第1-2の態様に係る電子機器は、第1-1の態様において、前記端子は、前記基板に接触する接触部を有し、前記端子が弾性変形し、その復元力により前記接触部が前記基板に押し付けられた状態で、前記端子が前記樹脂部に保持されている。
本態様では、端子は、基板に接触する接触部を有する。そして、端子が弾性変形し、その復元力により接触部が基板に押し付けられた状態で、端子が樹脂部に保持されている。
このため、端子の弾性変形の復元力により、インサート成形を、端子の接触部が基板に押し付けられた状態が維持されたまま行うことができる。よって、電子機器の完成品において、端子と基板との接続状態が良好になる。
第1-3の態様に係る電子機器は、第1-1の態様において、前記端子は、前記基板に接触する接触部と、前記樹脂部から露出し、インサート成形中に押圧可能な押圧部と、を有し、前記押圧部は、インサート成形中に当該押圧部を押圧することで前記接触部を前記基板に押し付けることができる位置に形成される。
本態様では、端子は、基板に接触する接触部と、樹脂部から露出しインサート成形中に押圧可能な押圧部と、を有する。そして、押圧部は、インサート成形中に当該押圧部を押圧することで接触部を基板に押し付けることができる位置に形成される。
このため、押圧部の押圧により、インサート成形を、端子の接触部が基板に押し付けられた状態が維持されたまま行うことができる。よって、電子機器の完成品において、端子と基板との接続状態が良好になる。
なお、後述する実施形態では、接触部と押圧部とが離れた位置に形成され、押圧部が押圧されることで接触部と押圧部との間の部分が弾性変形する例を説明する。しかし、本態様はこれに限定されず、接触部と押圧部とが同じ位置に形成されてもよい。
第1-4の態様に係る電子機器は、第1-3の態様において、前記接触部と前記押圧部とが離れた位置に形成され、前記接触部と前記押圧部との間の部分が弾性変形し、その復元力により前記接触部が前記基板に押し付けられた状態で、前記端子が前記樹脂部に保持されている。
本態様では、接触部と押圧部とが離れた位置に形成される。そして、接触部と押圧部との間の部分が弾性変形し、その復元力により接触部が基板に押し付けられた状態で、端子が樹脂部に保持されている。
このため、インサート成形の際に接触部を直接押さえる必要がなく、接触部を適度な力で基板に押し付けることができ、接触部又は基板の損傷を抑制することができる。
第1-5の態様に係る電子機器は、第1-1~第1-4の何れかの態様において、前記基板及び前記樹脂部は、共に、同じ方向に長い形状であり、前記端子は、前記基板の長手方向一端側の端縁付近に配置されており、前記樹脂部のゲート跡は、当該樹脂部の長手方向他端側の位置に形成される。
本態様では、基板及び樹脂部は、共に、同じ方向に長い形状である。そして、端子は、基板の長手方向一端側の端縁付近に配置されており、樹脂部のゲート跡は、当該樹脂部の長手方向他端側の位置に形成される。
このため、高圧の溶融樹脂が流入するゲートから離れた位置に端子が配置されるので、溶融樹脂によって意図しない端子の変形(例えば、端子が基板から離れるような端子の変形)が発生してしまうことを抑制するができる。
第1-6の態様に係る電子機器は、第1-1~第1-5の何れかの態様において、前記電子機器は、溶融樹脂が衝突する衝突部を備え、前記樹脂部のゲート跡は、前記衝突部に対向する位置に形成される。
本態様では、電子機器は、溶融樹脂が衝突する衝突部を備える。そして、樹脂部のゲート跡は、衝突部に対向する位置に形成されるので、インサート成形の際、高圧で注入される溶融樹脂の勢いが衝突部に衝突することによって弱められる。よって、溶融樹脂が勢いよく端子に衝突して端子を基板から引き離してしまうことを抑制するができる。
なお、後述の実施形態では、衝突部が、基板に取り付けられた内部コネクタのハウジングである例を説明するが、本態様の衝突部はこれに限定されない。
第1-7の態様に係る電子機器は、第1-6の態様において、前記基板に取り付けられた内部コネクタを備え、前記内部コネクタは、ハウジングを有し、前記ハウジングに前記衝突部が形成される。
本態様では、基板に取り付けられた内部コネクタを備え、内部コネクタは、ハウジングを有する。そして、ハウジングに衝突部が形成されるので、内部コネクタのハウジングを有効に活用できる。
なお、本態様でいうハウジングとは、樹脂製の部材(後述の実施形態における内部ハウジング52)のみを意味するのではなく、樹脂製の部材に取り付けられた他の部材(例えば、シェルや固定金具(後述の実施形態における固定部材53))をも含む概念である。
第1-8の態様に係る電子機器は、第1-6の態様において、前記樹脂部は、衝突空隙部を有し、前記樹脂部のゲート跡は、前記衝突空隙部に対向する位置に形成される。
本態様では、樹脂部は衝突空隙部を有し、樹脂部のゲート跡は衝突空隙部に対向する位置に形成される。
このため、インサート成形の際、衝突空隙部の位置に治具を配置できる。そうすると、高圧で流入する溶融樹脂の勢いが治具に衝突することによって弱められる。よって、溶融樹脂が勢いよく端子に衝突して端子を基板から引き離してしまうことを抑制するができる。
第1-9の態様に係る電子機器の製造方法は、基板と、前記基板に接続された端子と、前記基板及び前記端子を保持する樹脂部と、を備える電子機器の製造方法であって、前記樹脂部を、前記基板及び前記端子をインサート品としたインサート成形で形成するステップを含み、前記インサート成形の金型に前記基板及び前記端子を配置する段階では、前記端子が前記基板に取り付けられていない。
従来の製造方法では、インサート成形の前に、あらかじめ端子を基板に取り付けているので、基板に対する端子の取付位置のズレによってはインサート成形の金型に基板及び端子の配置することが難しくなることがあり、このことが生産性に悪影響を与えていた。
これに対し、本態様に係る製造方法では、インサート成形のための金型に基板及び端子を配置する段階では、端子が基板に取り付けられていない。このため、金型に対して基板及び端子を容易に配置することができ、その結果、生産性が向上する。
第1-10の態様に係る電子機器の製造方法は、前記樹脂部をインサート成形で形成するステップは、前記端子と、前記端子を支持する枠状の支持部と、を備える金属部材を金型にセットして行う。
本態様では、樹脂部をインサート成形で形成するステップは、端子と、端子を支持する支持部と、を備える金属部材を金型にセットして行う。そして、支持部が枠状なので、支持部が撓み難く、端子を金型の適切な位置にセットするのが容易になる。
第2-1の態様に係る電子機器は、基板と、半田付けにより前記基板に接合された電子部品と、前記基板及び前記電子部品を保持する樹脂部と、を備える電子機器であって、前記樹脂部は、前記基板及び前記電子部品をインサート品としたインサート成形により形成されたものであり、前記樹脂部を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であり、前記樹脂部を構成する樹脂の溶融温度は、前記電子部品を前記基板に接合する半田の溶融温度よりも高い。
本態様では、電子機器は、基板と、半田付けにより基板に接合された電子部品と、基板及び電子部品を保持する樹脂部と、を備える。樹脂部が基板及び電子部品をインサート品としたインサート成形により形成されたものであるので、電子機器は、高い防水性、防塵性、防振性を有する。
また、樹脂部を構成する樹脂が熱可塑性樹脂であるので、樹脂部を構成する樹脂が熱硬化性樹脂である場合と比べて、インサート成形の成形時間を短縮できて生産効率が向上すると共に樹脂バリの発生を抑制できる。
更に、樹脂部を構成する樹脂の溶融温度は、電子部品を基板に接合する半田の溶融温度よりも高い。このため、樹脂の溶融温度が半田の溶融温度よりも低い場合と比較して、溶融温度の高い樹脂を採用しやすく、かつ、低融点の半田を採用しやすい。溶融温度の高い樹脂を用いると電子機器の耐熱性を向上でき、低融点の半田を用いると半田付け時の熱による電子部品の劣化を防止できる。よって、本態様に係る電子機器は、耐熱性が高くかつ電子部品の劣化が防止されたものとなる。
なお、従来、高温の溶融樹脂が電子部品の半田付け部分に接触すると、半田付け部分の半田が溶融すると考えられていた。そのため、「樹脂部の溶融温度<半田の溶融温度」となるように樹脂及び半田が選択されていた(特許文献1参照)。しかしながら、本開示の発明者は、後述する実験の結果、「樹脂部の溶融温度>半田の溶融温度」となっても半田付け部に問題が起こらないことを見出した。
なお、後述の実施形態では、樹脂部を構成する樹脂がPPSである例を説明するが、本態様の樹脂部を構成する樹脂は、これに限定されず、例えばPA9T(ポリアミド9T)、LCP(Liquid Crystal Polymer)などの他の樹脂であってもよい。
また、後述の実施形態では、電子部品を基板に接合する半田がSAC305である例を説明するが、本態様の電子部品を基板に接合する半田はこれに限定されない。
第2-2の態様に係る電子機器は、第2-1の態様において、前記樹脂部を構成する樹脂の溶融温度は、前記電子部品を前記基板に接合する半田の溶融温度よりも60℃以上高い。
本態様では、樹脂部を構成する樹脂の溶融温度は、電子部品を基板に接合する半田の溶融温度よりも60℃以上高い。
このため、本態様に係る電子機器は、より一層、耐熱温度が高く、かつ、電子部品の劣化が防止されたものとなる。
なお、本発明者は、後述する実施例により、樹脂部を構成する樹脂の溶融温度が、電子部品を基板に接合する半田の溶融温度よりも60℃以上高くても、電子部品と基板との接続に問題が起こらないことを見出した。
第2-3の態様に係る電子機器は、第2-1又は第2-2の態様において、前記電子機器は、取付対象物に取り付けられて使用されるものであり、前記電子機器は、端子を備え、前記端子は、前記取付対象物の取付面に表面実装可能な接続部を有し、前記樹脂部を構成する樹脂の溶融温度は、270℃以上である。
本態様では、電子機器は、取付対象物に取り付けられて使用されるものである。そして、電子機器は、端子を備え、端子は、取付対象物の取付面に表面実装可能な接続部を有する。そして、樹脂部を構成する樹脂の溶融温度は、270℃以上であるので、電子機器を取付対象物に対し、例えば250℃程度の環境下でのリフロー半田付けにより取り付けることができる。
第2-4の態様に係る電子機器は、第2-1~第2-3の何れかの態様において、前記電子機器は、前記基板に接続され、取付対象物に接続可能な端子と、前記基板に接続され、外部コネクタと接続可能なコネクタ部と、を備える。
本態様では、電子機器は、基板に接続され、取付対象物に接続可能な端子と、基板に接続され、外部コネクタと接続可能なコネクタ部と、を備える。
このため、端子が基板に接続されるように電子機器を取付対象物に取り付け、更に、電子機器のコネクタ部に外部コネクタを接続することで、取付対象物と外部コネクタとを接続することができる。
なお、後述の実施形態では、基板と端子との接続箇所に半田等の接合材を用いられない例を説明するが、本態様はこれに限られず、基板と端子との接続箇所に半田等の接合材を用いてもよい。
第2-5の態様に係る電子機器は、第2-4の態様において、前記コネクタ部は、外部側端子と、前記外部側端子を保持するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記樹脂部とは別に形成される。
本態様では、コネクタ部は、外部側端子と、外部側端子を保持するハウジングと、を備える。そして、ハウジングは、樹脂部とは別に形成されるので、ハウジングの形状を自由に形成しやすい。すなわち、インサート成形では形成できない又は形成が困難な形状をハウジングに形成しやすい。
第2-6の態様に係る電子機器は、第2-4の態様において、前記コネクタ部は、外部側端子と、前記外部側端子を保持するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記樹脂部と同時にインサート成形により形成される。
本態様では、コネクタ部は、外部側端子と、外部側端子を保持するハウジングと、を備える。そして、ハウジングは、樹脂部と同時にインサート成形により形成されるので、ハウジングが樹脂部とは別に形成される態様と比較して、ハウジングを別に形成する工程などを省略でき、生産効率が良い。
コネクタの斜視図である。 コネクタの下方から見た斜視図である。 樹脂部を省略して示すコネクタの斜視図である。 コネクタを上下方向に垂直な平面で切断した断面図である。 コネクタの第一端子付近を拡大して示す断面図である。 第一端子を示す斜視図である。 第二端子を示す斜視図である。 第三端子を示す斜視図である。 コネクタの第一端子付近を拡大して示す斜視図である。 コネクタの第二端子付近を拡大して示す斜視図である。 コネクタの第三端子付近を拡大して示す斜視図である。 インサート成形の前後におけるアイパターンを比較した図である。 インサート成形の後におけるコネクタの軟エックス線写真である。 内部コネクタの分解斜視図である。 内部コネクタの斜視図である。 内部コネクタが取り付けられた基板の斜視図である。 インサート成形の金型に基板とインサート金属部材をセットした状態を示す斜視図(金型は図示省略)である。 インサート成形後の状態を示す斜視図である。 コネクタの変形例を示す図4に対応する断面図である。
以下、本開示の「電子機器」の実施形態に係るフィルタ回路内蔵コネクタ10について説明する。なお、説明の便宜上、各図に示す±X方向を前後方向、±Y方向を幅方向(左右方向)、±Z方向を上下方向として説明する。なお、各図面は、設計図面をもとに作成されたものであり、正確な寸法、割合、角度で描かれている。
(コネクタ10)
図1~図3に示すように、フィルタ回路内蔵コネクタ10(以下、単にコネクタ10という。)は、様々な電子部品21が実装された内部基板20と、内部基板20に接続された複数の端子30,40A,40Bと、内部基板20に接続された内部コネクタ50(コネクタ部)と、これらを覆う樹脂部60と、を備える。
コネクタ10は、「取付対象物」としての外部基板(図示省略)に取付可能に構成される。具体的には、コネクタ10が外部基板の面に載置された状態でコネクタ10の複数の端子30,40A,40Bが外部基板に半田付けされることで、コネクタ10が外部基板に取り付けられる。半田付けは、例えばリフロー半田付けで行われる。
コネクタ10は、「接続対象物」としての外部コネクタ(図示省略)に接続可能に構成される。具体的には、コネクタ10の内部コネクタ50が外部コネクタと嵌合することで、コネクタ10が外部コネクタに接続される。
外部基板に取り付けられた状態のコネクタ10に外部コネクタが接続されることにより、内部基板20を介して外部基板と外部コネクタとを接続することができる。
内部基板20には、様々な電子部品21が実装されていることにより、「電気回路」としてのフィルタ回路が形成される。このため、外部基板と外部コネクタとは、フィルタ回路を介して接続される。
ところで、特許文献2に開示された電子部品ユニットは、コイルとコンデンサと抵抗を有するフィルタ回路(電子回路)と、コネクタ及びバッファ出力ICと、を基板上に有している。このような電子機器では、バッファ出力ICに安定した信号を入力するために、電子回路を構成している電子部品のレイアウトを設計しなければならない。これが原因となって、上記電子部品ユニットの設計労力がかかっていた。
これに対し、本実施形態に係るコネクタ10を用いれば、フィルタ回路(電子回路)を形成するために、複雑な回路設計や電子部品のレイアウト設計をする必要がなくなる。これにより電子部品ユニットの設計労力が低減される。
次に、「電子機器」としてのコネクタ10について詳細に説明する。
(コネクタ10の製造方法)
コネクタ10の製造は、概ね、次の手順で行われる。
(1)内部基板20に、複数の電子部品21及び内部コネクタ50を取り付ける(図14参照)。具体的には、内部基板20の上に複数の電子部品21及び内部コネクタ50を載置し、リフロー半田付けを行う。
(2)インサート成形用の金型(下型)に、複数の電子部品21及び内部コネクタ50が取り付けられた内部基板20をセットすると共に、インサート金属部材70をセットする(図15参照)。
(3)金型を閉じ、溶融樹脂を注入し、樹脂を固化させて樹脂部60を形成する(図16参照)。
(4)インサート金属部材70を所定の切断位置で切断する(図1参照)。
以下、コネクタ10の各構成部品について説明する。
(内部基板20)
内部基板20は、リジッド基板である。
内部基板20の形状は、前後方向に長い形状であり、具体的には前後方向を長手方向とする長方形である。図示の例では、内部基板20の前後寸法は、内部基板20の幅寸法の2倍以上である。
内部基板20には、フィルタ回路が形成される。フィルタ回路は、内部基板20に取り付けられた複数の電子部品21と、内部基板20内の回路と、によって構成される。複数の電子部品21は、抵抗やコンデンサなどを含む。複数の電子部品21は、リフロー半田付けにより内部基板20に半田付けされることで、内部基板20に取り付けられる。半田としては、鉛フリーの半田、例えばSAC305(融点:217℃)が用いられる。
(内部コネクタ50)
図12、図13に示すように、内部コネクタ50は、複数(2つ)の内部端子51と、内部ハウジング52と、複数(2つ)の固定部材53と、を備える。
複数の内部端子51は、互いに同一の構造である。内部端子51は、内部基板20と外部コネクタとを中継する端子である。内部端子51は、内部基板20に半田付けにより接続される基板接続部51aと、外部コネクタが有する端子と接触する接触部51bと、内部ハウジング52に保持される被保持部51cと、を有する。
基板接続部51aは、リフロー半田付けにより内部基板20に半田付けされることで、内部基板20に取り付けられる。半田としては、鉛フリーの半田、例えばSAC305(融点:217℃)が用いられる。
被保持部51cは、基板接続部51aと接触部51bとの間に形成され、内部ハウジング52に圧入されることで内部ハウジング52に保持される。内部端子51は、内部ハウジング52に対して前側から圧入される。被保持部51cには、幅方向両側に圧入突起が形成される。
内部端子51は、隣接する部分に対して幅広に形成された圧入肩51dを有する。圧入肩51dは、被保持部51cの前側に形成される。圧入肩51dを前側から治具等で押圧することにより、内部端子51の被保持部51cが内部ハウジング52に圧入される。
内部端子51は、クランク部51eを有する。内部端子51のうちクランク部51eに対して一方側は、前方向に直線状に伸長し、他方側は後方向に直線状に伸長する。クランク部51eは、基板接続部51aと圧入肩51dとの間に形成される。
内部ハウジング52は、合成樹脂等の絶縁体で形成される。内部ハウジング52は、後方向に開放された凹部52c(図4参照)を有し、後側から外部コネクタが嵌合可能に構成される。
図12に示すように、内部ハウジング52は、上壁52a1と、下壁52a2(図4参照)と、一対の側壁52a3と、底壁52a4と、を有する本体部52aを有する。
内部ハウジング52は、内部端子51を保持する端子保持部52dを有する。端子保持部52dは、本体部52aの底壁52a4の幅方向中央部分に形成される。端子保持部52dには、内部端子51が貫通する貫通孔が形成され、内部端子51が貫通孔に対し前側から圧入されることで、内部端子51の接触部51bが凹部52c内に配置される。
内部ハウジング52は、固定部材53を保持する固定部材保持部52eを有する。固定部材保持部52eは、本体部52aの一対の側壁52a3に形成される。固定部材保持部52eには、固定部材53が圧入される圧入用孔が形成される。圧入用孔には、固定部材53が上側から圧入される。
内部ハウジング52は、端子保護部52bを有する。端子保護部52bは、内部端子51の基板接続部51aを幅方向両側から保護する。端子保護部52bは、内部端子51の基板接続部51aが配置される位置に対して幅方向両側に形成される。端子保護部52bは、内部ハウジング52の本体部52aから前側に向けて突出する。端子保護部52bの前端は、基板接続部51aの前端よりも前側に位置する。端子保護部52bには、前側に向けて開放された孔部52b1が形成される。孔部52b1には、樹脂部60を構成する樹脂が入り込む(図4参照)。
(端子30,40A,40B)
図3に示すように、複数の端子30,40A,40Bは、複数(4つ)の第一端子30と、複数(2つ)の第二端子40Aと、複数(2つ)の第三端子40Bと、を備える。以下、特に区別しないときは、単に端子30,40A,40Bと呼ぶ。
端子30,40A,40Bは、内部基板20と外部基板とを中継する端子である。すなわち、図6、図7A、図7Bに示すように、端子30,40A,40Bは、内部基板20に接続される内部側接続部31a,41aと、外部基板に接続可能な外部側接続部32d,42dと、を有する。
内部側接続部31a,41aは、内部基板20(具体的には内部基板20のパッド)に対して上側から接触した状態となっている。これにより、端子30,40A,40Bと内部基板20とが接続されている。
内部基板20に対し、端子30,40A,40Bの内部側接続部31a,41aが接触した状態のまま、樹脂部60がインサート成形により形成されることで、樹脂部60によって内部基板20及び端子30,40A,40Bとが保持されており、これにより接続状態が維持されている。内部側接続部31a,41aは、樹脂部60によって完全に覆われる。
外部側接続部32d,42dは、平面視で、内部基板20の外側に位置する。外部側接続部32d,42dは、樹脂部60によって覆われない。外部側接続部32dは、内部基板20に平行な平面内を内部基板20から離れる方向に延びており、外部基板に対し表面実装可能に構成される。
端子30,40A,40Bは、弾性変形した状態で樹脂部60に保持される弾性部31c,41cを有する。内部側接続部31a,41aが内部基板20に上側から接触し、かつ、端子30,40A,40Bのうち内部側接続部31a,41aから離れた部分(押圧部31b,41b)を上側から押圧された状態で、樹脂部60がインサート成形により形成されるので、内部側接続部31a,41aと押圧部31b,41bの間の部分が弾性部31c,41cとなる。押圧部31b,41bが金型等により押圧された状態でインサート成形が行われるので、押圧部31b,41bの上面は樹脂部60によって覆われない(図6、図7A、図7B参照)。他方、内部基板20に押し付けられた内部側接続部31a,41aは、樹脂部60によって完全に覆われるので良好な接続状態が維持される。
以上説明した内部側接続部31a,41a、押圧部31b,41b及び弾性部31c,41cを纏めて、弾性接触部31,41と呼ぶ。弾性接触部31,41は、弾性変形することによりその復元力で内部基板20に押圧接触する部分である。
端子30,40A,40Bは、外側延出部32,42を有する。外側延出部32,42は、下方向に延びる第一伸長部32a,42aと、内部基板20から離れる方向に延びる第二伸長部32b,42bと、下方向に延びる第三伸長部32c,42cと、内部基板20から離れる方向に延びる第四伸長部32d,42dと、をこの順に有する。
第一伸長部32a,42aは、その基板外側の面が樹脂部60から露出する。第一伸長部32a,42aのそれ以外の面は樹脂部60に覆われる。第一伸長部32a,42aのうち樹脂部60から露出する面と、それに隣接する樹脂部60の外表面とは、面一の関係となる(図6、図7A、図7B参照)。
第二伸長部32b,42bと第一伸長部32a,42aとの間には曲部が形成され、この曲部は樹脂部60に完全に埋まる。第二伸長部32b,42bと第三伸長部32c,42cとの間には曲部が形成され、この曲部は樹脂部60から完全に露出する。第四伸長部32d,42dは、内部基板20の下面よりも下側に位置する。第四伸長部32d,42dは、外部側接続部32d,42dとして機能し、外部基板に表面実装される。
次に、第一端子30に特有の構成に説明する。
第一端子30の内部側接続部31aは、内部基板20の前側端縁20a付近に位置し、第一端子30の外部側接続部32dは、内部基板20の前側に位置する。
第一端子30は、複数(4つ)設けられる。複数の第一端子30は、互いに近接して配列される。第一端子30の配列方向は、幅方向である。第一端子30は内部基板20の前側端縁20a付近に取り付けられるところ、複数の第一端子30の配列方向は、前側端縁20aが延びる方向と平行な方向である。
第一端子30の弾性部31cは、前後方向に延びる。第一端子30の弾性部31cが延びる方向は、第一端子30の配列方向に垂直な方向であり、かつ、内部基板20の長手方向と平行な方向である。第一端子30の弾性接触部31及び外側延出部32は、平面視で直線状に延びる。
次に、第二端子40A及び第三端子40Bに特有の構成ついて説明する。以下、第二端子40A及び第三端子40Bを区別しないときは、側方端子40と呼ぶ。
側方端子40の内部側接続部41aは、内部基板20の側方端縁20b付近に位置し、側方端子40の外部側接続部42dは、内部基板20の幅方向外側に位置する。
第二端子40Aは、2つ設けられる。2つの第二端子40Aは、右側の第二端子40Aと、左側の第二端子40Aと、を含む。2つの第二端子40Aは、互いに同じ構造である。
第三端子40Bは、2つ設けられる。2つの第三端子40Bは、右側の第三端子40Bと、左側の第三端子40Bと、を含む。2つの第三端子40Bは、互いに同じ構造である。
側方端子40の弾性部41cは、2つ設けられる。2つの弾性部41cは、押圧部41bから前側に延びる弾性部41cと、押圧部41bから後側に延びる弾性部41cと、から構成される。弾性部41cの先端部分が内部基板20に上側から接触する部分(内部側接続部41a、「接触部」)となる。
側方端子40の弾性部41cは、前後方向に延びる。側方端子40の弾性部41cが延びる方向である前後方向は、第二端子40Aの外側延出部42が延びる方向に垂直な方向であり、かつ、内部基板20の長手方向と平行な方向である。
側方端子40の押圧部41bは、平面視でT字形状であり、曲部を介して外側延出部42の第一伸長部42aと繋がる。
(第二端子40Aと第三端子40Bとの違い)
第二端子40Aは、第三端子40Bよりも前側に配置される。第三端子40Bの外側延出部42の幅寸法(前後方向の寸法)は、第二端子40Aの外側延出部42の幅寸法よりも大きい。第三端子40Bの弾性接触部41の長さ(前後方向の寸法)は、第二端子40Aの弾性接触部41の長さよりも長い。
(樹脂部60)
樹脂部60は、複数の電子部品21が取り付けられた内部基板20、複数の端子30,40A,40B及び内部コネクタ50をインサート品としたインサート成形により形成される。樹脂部60は、内部基板20、複数の端子30,40A,40B及び内部コネクタ50を保持する。樹脂部60を構成する樹脂は、例えばPPS(Poly Phenylene Sulfide)である。
図1、図2に示すように、樹脂部60は、前後方向に長い形状であり、具体的には略直方体の形状である。樹脂部60は、上面61と、下面62と、周面63と、を有する。周面63は、前面63aと、一対の側面63bと、後面63cと、を有する。
樹脂部60の前面63aは、法線方向を前方向に向ける。
樹脂部60の一対の側面63bは、法線方向を幅方向外側に向ける。
樹脂部60の上面61は、法線方向を上方向に向ける。
樹脂部60の下面62は、法線方向を下方向に向ける。
樹脂部60は、その上面61の高さによって、前部60aと、中間部60bと、後部60cと、に分けることができる。すなわち、樹脂部60の上面61は、前部上面61aと、中間部上面61bと、後部上面61cと、を有する。前部上面61aが一番低く、後部上面61cが一番高い。
他方、樹脂部60の下面62及び一対の側面63bは、前部60a、中間部60b及び後部60cにおいて面一である。
樹脂部60は、第一凹部64を有する。第一凹部64は、複数の第一端子30に対応する位置に形成される。第一凹部64は、上面61及び周面63(具体的には前面63a)に対して窪むように形成される。第一凹部64は、インサート成形の際に金型の一部が配置された位置に対応する。図5、図8から判るように、インサート成形の際、金型の当該一部は、第一端子30の押圧部31bの上側から押圧すると共に、複数の第一端子30の各々の押圧部31bを幅方向両側から押さえ、第一端子30の第一伸長部32aを前側から押さえる。これにより、金型に流入する溶融樹脂によって第一端子30の位置がズレないようになっている。
樹脂部60は、第二凹部65A及び第三凹部65Bを有する。第二凹部65Aは、第二端子40Aに対応する位置に形成され、第三凹部65Bは、第三端子40Bに対応する位置に形成される。第二凹部65A及び第三凹部65Bを区別しないときは、側方凹部65と呼ぶ。
側方凹部65は、上面61及び周面63(具体的には側面63b)に対して窪むように形成される。第二凹部65Aは、インサート成形の際に金型の一部が配置された位置に対応する。図7A、図7Bから判るように、インサート成形の際、金型の当該一部は、側方端子40の押圧部41bを上側から押圧すると共に、側方端子40の押圧部41bを前後方向両側から押さえ、側方端子40の第一伸長部42aを幅方向外側から押さえる。これにより、注入される溶融樹脂によって側方端子40の位置がズレないようになっている。
樹脂部60の中間部60b及び後部60cには、内部コネクタ50が埋まる。具体的には、樹脂部60の中間部60bには、内部コネクタ50のうち内部ハウジング52の端子保護部52b及び内部端子51の一部が埋まり、樹脂部60の後部60cには、内部コネクタ50のうちそれ以外の部分が埋まる。
内部コネクタ50の内部ハウジング52の後端部は、樹脂部60の埋まらず、樹脂部60から露出する。
図2に示すように、樹脂部60は、下面62から下側に突出する下側突出部62aを有する。下側突出部62aは、複数(4つ)形成される。複数の下側突出部62aのうち2つは、樹脂部60の前端における幅方向外側端に形成される。複数の下側突出部62aのうち他の2つは、樹脂部60の後部60cの幅方向外側端に形成される。
図2に示すように、樹脂部60は、下側に向けて開放された下側孔66,67を有する。下側孔66,67の形状は、円形である。下側孔66,67は、樹脂部60を上下方向に貫通する孔である。下側孔66,67は、複数形成される。複数の下側孔66,67は、複数の第一下側孔66と、複数の第二下側孔67と、を備える。
第一下側孔66は、内部基板20の貫通孔22(図3参照)に対応する位置に形成される。第一下側孔66及び内部基板20の貫通孔22の位置には、インサート成形の際に下型の一部が配置される。これにより、下型に対する内部基板20の前後方向及び幅方向の位置が固定される。
第二下側孔67の奥には、内部基板20の下面20Lが位置する。第二下側孔67が形成される位置には、インサート成形の際に下型の一部が配置され、下型の当該一部は内部基板20を下面20L側から支持する。
第二下側孔67は複数形成される。複数の第二下側孔67は、第一支持孔67aと、第二支持孔67bと、第三支持孔67cと、を含む。
第一支持孔67aは、第一端子30に対応する位置で、内部基板20を下側から支持するために形成された孔である。
第二支持孔67bは、第二端子40Aに対応する位置で、内部基板20を下側から支持するために形成された孔である。
第三支持孔67cは、第三端子40Bに対応する位置で、内部基板20を下側から支持するために形成された孔である。
第一支持孔67aの幅方向の位置は、複数の第一端子30が配置された領域の中心位置である。第一支持孔67aの前後方向の位置は、複数の第一端子30の内部側接続部31aの前後方向の位置と一致する。
第二支持孔67bの前後方向の位置は、第二端子40Aの2つの内部側接続部41aの間の位置である。
第三支持孔67cの前後方向の位置は、第三端子40Bの2つの内部側接続部41aの間の位置である。
複数の第二下側孔67は、第四支持孔67dを含む。第四支持孔67dは、内部ハウジング52に対応する位置で、内部基板20を下側から支持する。
(インサート金属部材70)
図15に示すように、インサート金属部材70は、金属板材に対し抜き加工及び曲げ加工等を施して作られる。
インサート金属部材70は、複数の端子30,40A,40Bとなる部分である複数の端子部30,40A,40Bと、複数の端子部30,40A,40Bを支持する支持部71と、を有する。
支持部71は、枠状に形成される。支持部71は、前方部71aと、一対の側方部71bと、上方部71cと、を有する。
前方部71aは、内部基板20の前側に配置され、幅方向に直線状に延びる。
一対の側方部71bの各々は、内部基板20の幅方向外側に配置され、前後方向に直線状に延びる。
上方部71cは、内部基板20の上側に配置され、幅方向に延びる。
支持部71は、一対の側方部71bと上方部71cとを連結する一対の連結部71dを有する。一対の連結部71dの各々は、上下連結部71dは、板厚方向を前後方向に向ける。
上方部71cは、一対の連結部71dの上端から後方向に延びる一対の外側部71c1と、一対の外側部71c1の幅方向内側で前方向に延びる一対の内側部71c2と、一対の内側部71c2の前端同士を幅方向に繋ぐ中央部71c3と、を有する。
上方部71cの一部(中央部71c3の一部)は、インサート成形用の金型の内部に配置され、樹脂部60に保持される。そして、上方部71cは、インサート成形後に樹脂部60から露出している部分で切断され、樹脂部60に保持された上方部71cの一部はコネクタ10の一部となる(図2参照)。上方部71cの中央部71c3は、内部コネクタ50の内部ハウジング52の端子保護部52bに対し上側から接触するように配置される。
発明者は、次の条件で、上述したコネクタ10を実際に製造した。
樹脂部60を構成する樹脂の体積:1568mm
樹脂部60を構成する樹脂の種類:PPS(融点:280℃)
注入時の溶融樹脂の温度:310℃
電子部品21及び内部コネクタ50を内部基板20との半田付け部の半田の種類:SAC305(融点:217℃)
なお、半田に関し、217℃(固相線)、220℃(液相線)のうち固相線を融点として記載している。
また、上記の各融点は、本開示の「溶融温度」に相当する。
結果を図10、図11に示す。
図10は、インサート成形の前後におけるアイパターンを比較した図である。この図によれば、インサート成形の前後でアイパターンに大きな変化がなく、内部基板20と電子部品21等との接続箇所の半田付け部に問題が起こっていないことがわかる。
図11は、インサート成形の後におけるコネクタの軟エックス線写真である。この軟エックス線写真によっても、内部基板20と電子部品21等との接続箇所の半田付け部に問題が起こっていないことがわかる。
以上の結果から、樹脂部60を構成する樹脂として、電子部品21及び内部コネクタ50を内部基板20に接合する半田の溶融温度より60℃以上高い溶融温度の樹脂を用いても、半田付け部に問題が起こらないことが判った。
また、樹脂部60を構成する樹脂の体積が小さい場合(例えば500mm程度の場合)は、充填時間が短くて済むので半田付け部に問題が起こり難いといえるところ、上記結果から、樹脂部60を構成する樹脂の体積が1000mmを超える場合(更に言うと1500mmを超える場合)でも、半田付け部に問題が起こらないことが判った。なお、本実施形態に係るコネクタ100では、樹脂部60が、フィルタ回路が形成された内部基板60及び内部コネクタ50を保持する必要があるため、樹脂部60の体積が小さくするには限界がある。
<作用効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、図1、図3に示すように、電子機器10は、内部基板20と、内部基板20に接続された端子30,40A,40Bと、内部基板20及び端子30,40A,40Bを保持する樹脂部60と、を備える。樹脂部60は、内部基板20及び端子30,40A,40Bをインサート品としたインサート成形で形成されたものであるので、電子機器10は、高い防水性、防塵性及び防振性を有する。
ここで、図5等に示すように、内部基板20に対する端子30,40A,40Bの接続は、端子30,40A,40Bが内部基板20に接触している状態が維持されるように樹脂部60が内部基板20及び端子30,40A,40Bを保持していることで実現されている。そして、内部基板20に対する端子30,40A,40Bの接続箇所には、樹脂部60を構成する樹脂以外の接合材(半田や接着剤など)が配置されていない。
このため、次のとおり、生産性が向上する。
すなわち、従来の電子機器では、樹脂部をインサート成形で形成する前に、あらかじめ端子を基板に半田付けによって取り付けているので、基板に対する端子の取付位置のズレによってはインサート成形の金型に基板及び端子の配置することが難しくなることがあり、このことが生産性に悪影響を及ぼしていた。
これに対し、本実施形態に係る電子機器10は、内部基板20に対する端子30,40A,40Bの接続箇所に、樹脂部60を構成する樹脂以外の接合材が配置されていないので、樹脂部60を形成する前に半田付け等によって端子30,40A,40Bを内部基板20に取り付ける工程を省略することができる。この工程を省略すると、インサート成形の金型に内部基板20及び端子30,40A,40Bを配置することが容易になり、その結果、生産性が向上する。
また、本実施形態では、端子30,40A,40Bは、内部基板20に接触する接触部31a,41aを有する。そして、図5等に示すように、端子30,40A,40Bが弾性変形し、その復元力により接触部31a,41aが内部基板20に押し付けられた状態で、端子30,40A,40Bが樹脂部60に保持されている。
このため、端子30,40A,40Bの弾性変形の復元力により、インサート成形を、端子30,40A,40Bの接触部31a,41aが内部基板20に押し付けられた状態が維持されたまま行うことができる。よって、電子機器10の完成品において、端子30,40A,40Bと内部基板20との接続状態が良好になる。
また、本実施形態では、端子30,40A,40Bは、内部基板20に接触する接触部31a,41aと、樹脂部60から露出しインサート成形中に押圧可能な押圧部31b,41bと、を有する。そして、押圧部31b,41bは、インサート成形中に当該押圧部31b,41bを押圧することで接触部31a,41aを内部基板20に押し付けることができる位置に形成される。
このため、押圧部31b,41bの押圧により、インサート成形を、端子30,40A,40Bの接触部31a,41aが内部基板20に押し付けられた状態が維持されたまま行うことができる。よって、電子機器10の完成品において、端子30,40A,40Bと内部基板20との接続状態が良好になる。
また、本実施形態では、図6、図7A、図7Bに示すように、接触部31a,41aと押圧部31b,41bとが離れた位置に形成される。そして、接触部31a,41aと押圧部31b,41bとの間の部分(弾性部31c、41c)が弾性変形し、その復元力により接触部31a,41aが内部基板20に押し付けられた状態で、端子30,40A,40Bが樹脂部60に保持されている。
このため、インサート成形の際に接触部31a,41aを直接押さえる必要がなく、接触部31a,41aを適度な力で内部基板20に押し付けることができ、接触部31a,41a又は基板20の損傷を抑制することができる。更に、これにより、接触部31a,41aを完全に樹脂部60に埋めることができ、内部基板20と端子30,40A,40Bとの接触状態が良好に維持される。
また、本実施形態では、内部基板20及び樹脂部60は、共に、同じ方向に長い形状である。そして、端子30は、内部基板20の長手方向一端側の端縁20a付近に配置されており、樹脂部60のゲート跡60g(図1参照)は、当該樹脂部60の長手方向他端側の位置に形成される。
このため、高圧の溶融樹脂が流入するゲートから離れた位置に端子30が配置されるので、溶融樹脂によって意図しない端子30の変形(例えば、端子30が内部基板20から離れるような端子30の変形)が発生してしまうことを抑制するができる。
また、本実施形態では、図4に示すように、電子機器10は、溶融樹脂が衝突する衝突部52a3を備える。そして、樹脂部60のゲート跡60g(図1参照)は、衝突部52a3に対向する位置に形成されるので、インサート成形の際、高圧で注入される溶融樹脂の勢いが衝突部52a3に衝突することによって弱められる。よって、溶融樹脂が勢いよく端子30,40A,40Bに衝突して端子30,40A,40Bを内部基板20から引き離してしまうことを抑制するができる。
また、本実施形態では、ハウジング52に衝突部52a3が形成されるので、内部コネクタ50のハウジング52を有効に活用できる。
なお、図17に示すように、本実施形態の変形例として、樹脂部60は衝突空隙部52cを有し、樹脂部60のゲート跡60gは衝突空隙部52cに対向する位置に形成されてもよい。この変形例では、インサート成形の際、衝突空隙部52cの位置に治具(金型など)を配置できる。そうすると、高圧で流入する溶融樹脂の勢いが治具に衝突することによって弱められる。よって、溶融樹脂が勢いよく端子30,40A,40Bに衝突して端子30,40A,40Bを内部基板20から引き離してしまうことを抑制するができる。
図示の例では、端子51の外部側接触部51bが配置される凹部52cが、衝突空隙部52cである例を示すが、衝突空隙部はこれに限定されない。
また、本実施形態では、図15に示すように、支持部71が枠状なので、支持部71が撓み難く、端子部30,40A,40B(端子)を金型の適切な位置にセットするのが容易になる。
また、本実施形態では、樹脂部60を構成する樹脂が熱可塑性樹脂である。このため、樹脂部60を構成する樹脂が熱硬化性樹脂である場合と比べて、インサート成形の成形時間を短縮できて生産効率が向上すると共に樹脂バリの発生を抑制できる。
また、本実施形態では、樹脂部60を構成する樹脂の溶融温度は、電子部品21を内部基板20に接合する半田の溶融温度よりも高い。このため、樹脂の溶融温度が半田の溶融温度よりも低い場合と比較して、溶融温度の高い樹脂を採用しやすく、かつ、低融点の半田を採用しやすい。溶融温度の高い樹脂を用いると電子機器10の耐熱性を向上でき、低融点の半田を用いると半田付け時の熱による電子部品21の劣化を防止できる。よって、本実施形態に係る電子機器10は、耐熱性が高くかつ電子部品21の劣化が防止されたものとなる。
更に、本実施形態では、樹脂部60を構成する樹脂の溶融温度は、電子部品21を内部基板20に接合する半田の溶融温度よりも60℃以上高い。
このため、本実施形態に係る電子機器10は、より一層、耐熱温度が高く、かつ、電子部品21の劣化が防止されたものとなる。
また、本実施形態では、樹脂部60を構成する樹脂の溶融温度は、270℃以上である。このため、電子機器10を取付対象物に対し、例えば250℃程度の環境下でのリフロー半田付けにより取り付けることができる。
また、本実施形態では、ハウジング52は、樹脂部60とは別に形成されるので、ハウジング52の形状を自由に形成しやすい。すなわち、インサート成形では形成できない又は形成が困難な形状をハウジング52に形成しやすい。
なお、本実施形態の変形例として、ハウジング52は、樹脂部と同時にインサート成形により形成されてもよい。この比較例では、ハウジング52が樹脂部60とは別に形成される態様と比較して、ハウジング52を別に形成する工程などを省略でき、生産効率が良い。
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上記実施形態では、電子機器がフィルタ回路内蔵コネクタ10である例を説明した。しかし、本開示の電子機器は、これに限定されず、フィルタ回路を内蔵しないコネクタであってもよいし、コネクタでなくてもよい。
また、上記実施形態では、内部基板20にフィルタ回路が形成される例を説明したが、本開示の内部基板はこれに限定されない。
10 フィルタ回路内蔵コネクタ(コネクタ、電子機器)
20 内部基板(基板)
20a 前側端縁(基板の長手方向一端側の端縁)
21 電子部品
30 第一端子(端子)
31a 内部側接続部(接触部)
31b 押圧部
31c 弾性部
32d 外部側接続部
40A 第二端子(側方端子、端子)
40B 第三端子(側方端子、端子)
41a 内部側接続部(接触部)
41b 押圧部
41c 弾性部
42 外側延出部
50 内部コネクタ(コネクタ部)
51 内部端子
52 内部ハウジング(ハウジング)
52a3 側壁(衝突部)
52c 凹部(衝突空隙部)
60 樹脂部
60g ゲート跡
70 インサート金属部材(金属部材)
71 支持部

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板に接続された端子と、
    前記基板及び前記端子を保持する樹脂部と、を備える電子機器であって、
    前記樹脂部は、前記基板及び前記端子をインサート品としたインサート成形で形成されたものであり、
    前記基板に対する前記端子の接続は、前記端子が前記基板に接触している状態が維持されるように前記樹脂部が前記基板及び前記端子を保持していることで実現されており、
    前記基板に対する前記端子の接続箇所には、前記樹脂部を構成する樹脂以外の接合材が配置されていない、
    電子機器。
  2. 前記端子は、前記基板に接触する接触部を有し、
    前記端子が弾性変形し、その復元力により前記接触部が前記基板に押し付けられた状態で、前記端子が前記樹脂部に保持されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記端子は、
    前記基板に接触する接触部と、
    前記樹脂部から露出し、インサート成形中に押圧可能な押圧部と、を有し、
    前記押圧部は、インサート成形中に当該押圧部を押圧することで前記接触部を前記基板に押し付けることができる位置に形成される、
    請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記接触部と前記押圧部とが離れた位置に形成され、
    前記接触部と前記押圧部との間の部分が弾性変形し、その復元力により前記接触部が前記基板に押し付けられた状態で、前記端子が前記樹脂部に保持されている、
    請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記基板及び前記樹脂部は、共に、同じ方向に長い形状であり、
    前記端子は、前記基板の長手方向一端側の端縁付近に配置されており、
    前記樹脂部のゲート跡は、当該樹脂部の長手方向他端側の位置に形成される、
    請求項1~請求項4の何れか一項に記載の電子機器。
  6. 前記電子機器は、溶融樹脂が衝突する衝突部を備え、
    前記樹脂部のゲート跡は、前記衝突部に対向する位置に形成される、
    請求項1~請求項5の何れか一項に記載の電子機器。
  7. 前記基板に取り付けられた内部コネクタを備え、
    前記内部コネクタは、ハウジングを有し、
    前記ハウジングに前記衝突部が形成される、
    請求項6に記載の電子機器。
  8. 前記樹脂部は、衝突空隙部を有し、
    前記樹脂部のゲート跡は、前記衝突空隙部に対向する位置に形成される、
    請求項6に記載の電子機器。
  9. 基板と、
    前記基板に接続された端子と、
    前記基板及び前記端子を保持する樹脂部と、を備える電子機器の製造方法であって、
    前記樹脂部を、前記基板及び前記端子をインサート品としたインサート成形で形成するステップを含み、
    前記インサート成形の金型に前記基板及び前記端子を配置する段階では、前記端子が前記基板に取り付けられていない、
    電子機器の製造方法。
  10. 前記樹脂部をインサート成形で形成するステップは、前記端子と、前記端子を支持する枠状の支持部と、を備える金属部材を金型にセットして行う、
    請求項9に記載の電子機器の製造方法。
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