JP2023110947A - 半導体スイッチング素子駆動回路 - Google Patents

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一之 宮島
Kazuyuki Miyajima
将伍 ▲高▼田
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Abstract

【課題】電源電圧監視回路による保護動作の解除時に半導体スイッチング素子のスイッチング動作を適切に実施する半導体スイッチング素子駆動回路を提供する。【解決手段】半導体スイッチング素子を保護するための複数の保護回路と、複数の保護回路の出力信号に対応する時間幅を有するパルス信号をそれぞれ発生可能な複数のパルス信号発生回路と、パルス信号に対応する故障信号を出力可能な故障信号出力回路と、故障信号に基づいて半導体スイッチング素子を制御するための制御回路とを備える。複数の保護回路は、半導体スイッチング素子駆動回路の電源電圧を監視するための電源電圧監視回路を含む。故障信号出力回路は、電源電圧監視回路による保護動作が行われているか又は複数のパルス信号発生回路の何れかにおいてパルス信号が出力されているか、のいずれかの条件が成立している場合、前記故障信号を出力する。【選択図】図1

Description

本開示は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子を駆動するための半導体スイッチング素子駆動回路に関する。
例えばモータ等を駆動するための半導体スイッチング素子として、IGBTが知られている。この種の半導体スイッチング素子は、半導体スイッチング素子駆動回路によってゲートに駆動電圧が供給されることで駆動され、半導体スイッチング素子駆動回路には、必要に応じて保護回路が備えられる。半導体スイッチング素子駆動回路が備える保護回路としては、例えば、半導体スイッチング素子に過電流が生じたときに保護動作を行う過電流保護回路、半導体スイッチング素子が過熱したときに保護動作を行う過熱保護回路、及び、駆動回路の電源電圧に異常が検出された場合に保護動作を行う電源電圧監視回路等がある。これらの保護回路において保護動作が行われた場合、その動作情報は故障信号として生成され、半導体スイッチング素子をコントロールするための制御回路(マイコン等)側に出力される。
特許文献1には、半導体スイッチング素子駆動回路の一例が開示されている。この文献では、半導体スイッチング素子駆動回路は、保護回路として、前述の過電流保護回路、過熱保護回路、及び、電源電圧監視回路を備えており、各保護回路が動作した際に、それぞれの保護回路に割り当てられた時間幅(オン時間)を有するパルス信号が故障信号として制御回路側に出力される。制御回路は、故障信号が有するパルス信号の時間幅に基づいて、半導体スイッチング素子における異常の検出と、どの保護回路で保護動作が行われたかの判別が行われる。
特開平11-17508号公報
ここで上記特許文献1に開示された半導体スイッチング素子駆動回路をベースに、従来技術に係る半導体スイッチング素子駆動回路について説明する。図9は従来技術に係る半導体スイッチング素子駆動回路1´を示す回路図である。半導体スイッチング素子駆動回路1´は、半導体スイッチング素子IGBTを駆動するための回路であり、IN端子に入力された入力信号Sin(ゲート駆動信号)に基づいて、ゲート制御回路3は、半導体スイッチング素子IGBTのゲートに、Highレベル(電源電圧VSUP)又はLowレベル(GND端子電圧)に切替可能な駆動電圧を供給することにより、半導体スイッチング素子IGBTのスイッチング動作を行う。
半導体スイッチング素子駆動回路1´は、半導体スイッチング素子IGBTを保護するための複数の保護回路2を備える。図9では、保護回路2の幾つかの例として、過電流保護回路2A(OCP)、過熱保護回路2B(TSD)、及び、電源電圧監視回路2C(UVLO)が設けられる。過電流保護回路2Aは、半導体スイッチング素子IGBTの電流に基づいて過電流状態にある場合に保護動作を行うための回路であり、例えば、半導体スイッチング素子IGBTのエミッタに設けられた抵抗RSの両端電位差に基づいて検出される電流値が閾値を超えた場合に過電流状態にあると判断し、出力信号O_OCPを出力する。過熱保護回路2Bは、半導体スイッチング素子IGBTの温度に基づいて過熱状態にある場合に保護動作を行うための回路であり、例えば、半導体スイッチング素子IGBTに取り付けられた温度センサ5の検出値が閾値を超えた場合に過熱状態にあると判断し、出力信号O_TSDを出力する。電源電圧監視回路2Cは、半導体スイッチング素子駆動回路1´の電源電圧VSUPを監視することで異常を検知した場合に保護動作を行うための回路である。図9では、電源電圧監視回路2Cの回路構成例として、第1コンパレータCOMP1には、電源電圧VSUPを抵抗R1及びR2によって分圧した分圧電圧(UVLO端子の入力電圧VUVLO)、及び、第1基準電圧VREF1がそれぞれ入力され、分圧電圧VUVLOが第1基準電圧VREF1以下になった場合に、電源電圧VSUPに異常がある(低電圧状態にある)と判断し、出力信号O_UVLOを出力する。
尚、過電流保護回路2A(OCP)、過熱保護回路2B(TSD)、及び、電源電圧監視回路2C(UVLO)は保護回路2の幾つかの例に過ぎず、他の保護回路を用いてもよい。
複数の保護回路2の出力信号は、それぞれに対応する複数のパルス信号発生回路4に入力される。複数のパルス信号発生回路4は、各保護回路2の出力信号に対応する時間幅を有するパルス信号をそれぞれ発生させる。図9では、複数のパルス信号発生回路4として、過電流保護回路2A、過熱保護回路2B、及び、電源電圧監視回路2Cにそれぞれ対応する第1パルス信号発生回路4A、第2パルス信号発生回路4B、及び、第3パルス信号発生回路4Cが設けられている。第1パルス信号発生回路4Aは、過電流保護回路2Aにおいて保護動作が行われる際に、過電流保護回路2Aからの出力信号O_OCPに基づいて第1時間幅t1を有するパルス信号P1を発生する。第2パルス信号発生回路4Bは、過熱保護回路2Bにおいて保護動作が行われる際に、過熱保護回路2Bからの出力信号O_TSDに基づいて第2時間幅t2を有するパルス信号P2を発生する。第3パルス信号発生回路4Cは、電源電圧監視回路2Cにおいて保護動作が行われる際に、電源電圧監視回路2Cからの出力信号O_UVLOに基づいて第3時間幅t3を有するパルス信号P3を発生する。
故障信号出力回路6は、パルス信号P1~P3に対応する故障信号Smを出力する。図9では、故障信号出力回路6は、第1パルス信号発生回路4Aからのパルス信号P1、第2パルス信号発生回路4Bからのパルス信号P2、第3パルス信号発生回路4Cからのパルス信号P3が入力されるOR回路8を有する。OR回路8は、入力される各パルス信号P1~P3の少なくとも1つがHighレベルにある場合に、Highレベルの出力電圧をNチャンネルMOSFETM1のゲートに供給する。NチャンネルMOSFETM1は、OR回路8からHighレベルの入力があった場合にオン駆動される。FLT出力端子は、NチャンネルMOSFETM1のオープンドレイン構成になっており、抵抗RFLTを介して電源電圧VSUPに接続される。これにより各保護回路2からのパルス信号P1~P3がLowレベルである状態では、NチャンネルMOSFETM1はオフされ、FLT端子からは電源電圧VSUPに等電位の故障信号Smが出力される。一方、パルス信号P1~P3の少なくとも1つがHighレベルにある状態では、NチャンネルMOSFETM1がオンされ、故障信号SmはGNDレベルまで引き下げられる。これにより、半導体スイッチング素子IGBTの動作が正常である場合にはFLT端子から出力される故障信号SmはHighレベル(第2基準電圧VREF2より高い状態)になり、正常でない場合(少なくとも1つの保護回路2で保護動作が行われる場合)にはLowレベルになる。
またFLT端子には、端子電圧を第2基準電圧VREF2と比較する第2コンパレータCOMP2の入力が接続されており、この電圧が第2基準電圧VREF2以下になった場合には、半導体スイッチング素子IGBTのゲートへの駆動電圧の供給を停止させる。
このような回路構成を有する半導体スイッチング素子駆動回路1´において、複数の保護回路2のうち、過電流保護回路2A、又は、過熱保護回路2Bに関しては、保護動作によって半導体スイッチング素子IGBTが停止されると、過電流状態、又は、過熱状態は時間の経過とともに解消される。一方、電源電圧監視回路2Cに関しては、電源電圧VSUPが起動時に立ち上がる際や、電源電圧VSUPが何らかの要因により低下した場合には、たとえ電源電圧監視回路2Cがこれを検知して保護動作を行うことで半導体スイッチング素子IGBTを停止させても、そのエラー状態は解消されない。
ここで図10は起動時における図9の電源電圧VSUP、故障信号Sm、入力信号Sin、半導体スイッチング素子IGBTのゲート端子電圧の時間変化をそれぞれ示すグラフである。この例では、半導体スイッチング素子駆動回路1´の起動時に、はじめ0Vにある電圧源VSUPが次第に増加する様子が示されている。起動直後は電源電圧VSUPが電源電圧監視回路2Cの閾値Vuvlo未満であるため、電源電圧監視回路2Cによる保護動作が開始され、電源電圧監視回路2Cに対応するパルス信号P3がHighレベルになるため、故障信号出力端子FLTから出力される故障信号SmはLowレベルになる。この状態は、パルス信号P3の時間幅t3の間継続され、その後、故障信号出力端子FLTから出力される故障信号SmはHighレベルになることで電源電圧監視回路2Cによる保護動作が解除され、半導体スイッチング素子IGBTの動作が開始される。
図10では、起動時に半導体スイッチング素子IGBTのスイッチング動作が開始されるまでの過程が示されているが、電源電圧VSUPが閾値電圧Vuvloに達するまでの時間(起動開始から時刻t0)が、電源電圧監視回路2Cに対応するパルス信号P3の時間幅t3より長い場合、当該時間t3を経過するとゲート制御回路3が出力する駆動電圧が十分でないにも関わらず、半導体スイッチング素子IGBTがスイッチング動作を可能な状態となってしまう。その結果、図10に示すように、半導体スイッチング素子IGBTのゲート端子の電圧が十分に上がり切らない不十分な状態で半導体スイッチング素子IGBTのスイッチング動作が開始されてしまうおそれがある。
図11にモータ等を駆動する構成回路の一部として、図9の半導体スイッチング素子駆動回路1´をそれぞれ有する複数の半導体スイッチング素子IGBTを備える半導体スイッチング回路100´を示す。半導体スイッチング回路100´は、半導体スイッチング素子駆動回路1´を複数備えており、図11では、各半導体スイッチング素子駆動回路1´を簡略的に示している。また半導体スイッチング回路100´が有する複数の半導体スイッチング素子駆動回路1´の各々を区別する場合には、半導体スイッチング素子駆動回路1´-1~1´-3と適宜称する。
これら複数の半導体スイッチング素子駆動回路1´は共通のコントローラ20を有する。コントローラ20は、各半導体スイッチング素子駆動回路1´に対して入力信号Sinを供給するとともに、各半導体スイッチング素子駆動回路1´のFLT端子からの故障信号Smを共通配線を介して受信することにより、複数の半導体スイッチング素子IGBTを管理する。
図11では各半導体スイッチング素子駆動回路1´のFLT端子を接続して、抵抗RFLTによって共通の電源電圧配線であるVDD端子の電圧(VSUP)にプルアップしている。VDD端子は共通の電源電圧VSUPに接続されているため、各半導体スイッチング素子駆動回路1´のUVLO端子も全て共通の配線に接続されている。
図12は図11の回路構成において電源電圧VSUPが緩やかに低下して、各半導体スイッチング素子駆動回路1´の閾値Vuvlo未満になることにより、各半導体スイッチング素子駆動回路1´における電源電圧監視回路2CのFLT端子から出力される故障信号Smを示す図である。各半導体スイッチング素子駆動回路1´のUVLO端子には同じ電圧が印可されるため、理想的な回路構成では、各半導体スイッチング素子駆動回路1´は共通の閾値Vuvloを有するため電源電圧監視回路2Cは同時に動作し、コントローラは、共通配線を介して、第3時間幅t3に対応する故障信号Smを受信することで、複数の保護回路2のうち電源電圧監視回路2Cが動作していることを適切に判定できる。
しかしながら実際の回路構成では、各半導体スイッチング素子駆動回路1´における閾値Vuvloには少なからずばらつきがあり、電源電圧監視回路2Cの動作タイミングにずれが生じることがある。図12では、各半導体スイッチング素子駆動回路1´-1~1´-3の閾値Vuvlo1~Vuvlo3にばらつきがあることにより、各半導体スイッチング素子駆動回路1´-1~1´-3の電源電圧監視回路2Cの動作時期がずれていることが示されている。これにより、半導体スイッチング素子駆動回路1´-1における故障信号SmのLow期間t3-1、半導体スイッチング素子駆動回路1´-2における故障信号SmのLow期間t3-2、及び、半導体スイッチング素子駆動回路1´-3における故障信号SmのLow期間t3-3は共通の時間幅を有するものの開始時刻にずれが生じることにより、共通配線上における故障信号SmがLowレベルにある期間が、本来の第3時間幅t3に比べて長くなっている。そのため、共通配線上における故障信号SmがLowレベルにある時間幅tFLTに基づいて、どの保護回路2が動作しているかを判定するコントローラ20側において、電源電圧監視回路2Cが動作したことを正確に判定できないおそれがある。
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、電源電圧監視回路による保護動作の解除時に半導体スイッチング素子のスイッチング動作を適切に実施可能な半導体スイッチング素子駆動回路を提供することを目的とする。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る半導体スイッチング素子駆動回路は、上記課題を解決するために、
入力信号に応じて半導体スイッチング素子を駆動するための半導体スイッチング素子駆動回路において、
前記半導体スイッチング素子を保護するための複数の保護回路と、
前記複数の保護回路の出力信号に対応する時間幅を有するパルス信号をそれぞれ発生可能な複数のパルス信号発生回路と、
前記パルス信号に対応する故障信号を出力可能な故障信号出力回路と、
前記故障信号に基づいて前記半導体スイッチング素子を制御するための制御回路と
を備え、
前記複数の保護回路は、前記半導体スイッチング素子駆動回路の電源電圧を監視するための電源電圧監視回路を含み、
前記故障信号出力回路は、(i)前記電源電圧監視回路による保護動作が行われていること、又は (ii)前記複数のパルス信号発生回路のいずれかにおいて前記パルス信号が出力されていること、のいずれかの条件が成立している場合、前記故障信号を出力するように構成される。
上記(1)の態様によれば、各保護回路において保護動作が行われた際には、各保護回路に対応するパルス信号に基づいて故障信号が出力され、当該故障信号に基づいて半導体スイッチング素子の制御が行われる。故障信号は、(i)電源電圧監視回路による保護動作が行われていること、又は (ii)いずれかパルス信号が出力されていること、のいずれかの条件が成立する場合に出力される。これにより、何らかの原因で異常が生じていた電源電圧が正常に復旧するまでの期間が、電源電圧監視回路に対応するパルス信号の時間幅より長い場合には、パルス信号が出力された後においても、電源電圧が正常に復旧するまで故障信号が継続的に出力されることで、電源電圧が復旧する前に、停止した半導体スイッチング素子の動作が開始されてしまうことを防止できる。また電源電圧が正常に復旧するまでの期間が、電源電圧監視回路に対応するパルス信号の時間幅より短い場合には、パルス信号が出力されている間、継続的に故障信号が出力されることで、電源電圧が正常に復旧した後に半導体スイッチング素子の動作を適切に開始することができる。
(2)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記故障信号出力回路は、
前記複数のパルス信号発生回路の出力が入力される第1OR回路と、
前記電源電圧監視回路の出力、及び、前記第1OR回路の出力が入力される第2OR回路と、
前記第2OR回路の出力に応じて前記故障信号を出力するスイッチング素子と
を含む。
上記(2)の態様によれば、故障信号出力回路は、このような回路構成を有することにより、上記条件の成否に基づく故障信号の出力が可能となる。
(3)他の態様では、上記(1)又は(2)の態様において、
前記電源電圧監視回路に対応する前記パルス信号発生回路は、他の前記保護回路に対応する前記パルス信号発生回路より長い時間幅を有するパルス信号を発生するように構成される。
上記(3)の態様によれば、電源電圧監視回路に対応するパルス信号が、他の保護回路に対応するパルス信号より長い時間幅を有する。これにより、故障信号の時間幅が複数の保護回路の出力信号に対応する時間幅であった場合に、電源電圧監視回路において異常が検出され保護動作が行われていることをコントローラ側が適切に判定できる。
(4)他の態様では、上記(1)から(3)のいずれか一構成において、
起動時に前記電源電圧が閾値以上になるまで前記電源電圧監視回路に対応する前記パルス信号発生回路を無効にするように構成される。
上記(4)の態様によれば、起動時に電源電圧が0Vから立ち上がる際に、電源電圧が閾値以上になるまで、電源電圧監視回路に対応するパルス信号発生回路が無効にされる。これにより、起動時に電源電圧が必然的に閾値より低くなる期間において、故障信号の出力を行わず、電源電圧が閾値以上になって正常動作が開始されてから電源電圧の監視結果に基づく故障信号を適切に出力するとともに、半導体スイッチング素子の動作が無駄な待機時間を有することなく迅速に開始できる。
(5)他の態様では、上記(1)から(4)のいずれか一態様において、
前記電源電圧監視回路に対して入力される前記電源電圧を分圧するための分圧回路と、前記電源電圧監視回路の出力に基づいて、前記分圧回路の分圧電圧が入力される入力端子に電流を供給可能な電流源とを更に備える。
上記(5)の態様によれば、電源電圧監視回路の出力に基づいて、電源電圧監視回路における電源電圧の入力端子に電流源から電流を供給することで、電源電圧監視回路において電源電圧を比較判定するための際の閾値にヒステリシス特性を付与し、ヒステリシスの幅を調整することができる。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、電源電圧監視回路による保護動作の解除時に半導体スイッチング素子のスイッチング動作を適切に実施可能な半導体スイッチング素子駆動回路を提供できる。
第1実施形態に係る半導体スイッチング素子駆動回路を示す回路図である。 図1の各パルス信号発生回路4で発生されるパルス信号の時間幅を比較して示す図である。 図1において電源電圧、電源電圧監視回路の出力信号、パルス信号、及び、FLT端子から出力される故障信号の時間変化を示す図である。 図1において電源電圧、電源電圧監視回路の出力信号、パルス信号、及び、FLT端子から出力される故障信号の時間変化を示す図である。 図1の半導体スイッチング素子駆動回路をそれぞれ有する複数の半導体スイッチング素子を備える半導体スイッチング回路の全体構成図である。 図4の改良例に係る半導体スイッチング回路の全体構成図である。 第2実施形態に係る半導体スイッチング素子駆動回路を示す回路図である。 図6において起動時に電源電圧が0Vから電源電圧監視回路が解除動作する電圧に達するまでの動作を示す図である。 第3実施形態に係る半導体スイッチング素子駆動回路を示す回路図である。 従来技術に係る半導体スイッチング素子駆動回路を示す回路図である。 起動時における図9の電源電圧、故障信号、入力信号、半導体スイッチング素子のゲート端子電圧の時間変化をそれぞれ示すグラフである。 図9の半導体スイッチング素子駆動回路をそれぞれ有する複数の半導体スイッチング素子を備える半導体スイッチング回路の全体構成図である。 図11の回路構成において電源電圧が緩やかに低下して、各半導体スイッチング素子駆動回路の閾値未満になることにより、各半導体スイッチング素子駆動回路における電源電圧監視回路のFLT端子から出力される故障信号を示す図である。
以下、添付図面を参照して幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る半導体スイッチング素子駆動回路1Aを示す回路図である。半導体スイッチング素子駆動回路1Aは、半導体スイッチング素子IGBTを駆動するための回路であり、IN端子(入力端子)に入力される入力信号Sin(ゲート駆動信号)に基づいて、ゲート制御回路3は半導体スイッチング素子IGBTを制御するための回路であり、半導体スイッチング素子IGBTのゲートに、Highレベル(電源電圧VSUP)又はLowレベル(GND端子電圧)に切替可能な駆動電圧を供給することにより、半導体スイッチング素子IGBTのスイッチング動作を行う。
半導体スイッチング素子駆動回路1Aは、半導体スイッチング素子IGBTを保護するための複数の保護回路2を備える。図1では、保護回路2の幾つかの例として、過電流保護回路2A(OCP)、過熱保護回路2B(TSD)、及び、電源電圧監視回路2C(UVLO)が設けられる。過電流保護回路2Aは、半導体スイッチング素子IGBTの電流に基づいて過電流状態にある場合に保護動作を行うための回路であり、例えば、半導体スイッチング素子IGBTのエミッタに設けられた抵抗RSの両端電位差に基づいて検出される電流値が閾値を超えた場合に過電流状態にあると判断し、出力信号O_OCPを出力する。過熱保護回路2Bは、半導体スイッチング素子IGBTの温度に基づいて過熱状態にある場合に保護動作を行うための回路であり、例えば、半導体スイッチング素子IGBTに取り付けられた温度センサ5の検出値が閾値を超えた場合に過熱状態にあると判断し、出力信号O_TSDを出力する。電源電圧監視回路2Cは、半導体スイッチング素子駆動回路1AのVDD端子に供給される電源電圧VSUPを監視することで異常を検知した場合に保護動作を行うための回路である。図1では、電源電圧監視回路2Cの回路構成例として、第1コンパレータCOMP1には、電源電圧VSUPを抵抗R1及びR2によって分圧した分圧電圧(UVLO端子の入力電圧VUVLO)、及び、第1基準電圧VREF1がそれぞれ入力され、分圧電圧VUVLOが第1基準電圧VREF1以下になった場合に、電源電圧VSUPに異常がある(低電圧状態にある)と判断し、出力信号O_UVLOを出力する。
尚、過電流保護回路2A(OCP)、及び、過熱保護回路2B(TSD)は保護回路2の幾つかの例に過ぎず、他の保護回路が用いられてもよい。
複数の保護回路2の出力信号は、それぞれに対応する複数のパルス信号発生回路4に入力される。複数のパルス信号発生回路4は、各保護回路2の出力信号に対応する時間幅を有するパルス信号をそれぞれ発生させる。図1では、複数のパルス信号発生回路4として、過電流保護回路2A、過熱保護回路2B、及び、電源電圧監視回路2Cにそれぞれ対応する第1パルス信号発生回路4A、第2パルス信号発生回路4B、及び、第3パルス信号発生回路4Cが設けられている。第1パルス信号発生回路4Aは、過電流保護回路2Aにおいて保護動作が行われる際に、過電流保護回路2Aからの出力信号O_OCPに基づいて第1時間幅t1を有するパルス信号P1を発生する。第2パルス信号発生回路4Bは、過熱保護回路2Bにおいて保護動作が行われる際に、過熱保護回路2Bからの出力信号O_TSDに基づいて第2時間幅t2を有するパルス信号P2を発生する。第3パルス信号発生回路4Cは、電源電圧監視回路2Cにおいて保護動作が行われる際に、電源電圧監視回路2Cからの出力信号O_UVLOに基づいて第3時間幅t3を有するパルス信号P3を発生する。
故障信号出力回路6は、パルス信号P1~P3に対応する故障信号Smを出力する。特に故障信号出力回路6は、(i)電源電圧監視回路2Cによる保護動作が行われていること、又は (ii)複数のパルス信号発生回路4のいずれかにおいてパルス信号P1~P3が出力されていること、のいずれかの条件が成立している場合、故障信号Smを出力するように構成される。
図1では、故障信号出力回路6は、第1OR回路8及び第2OR回路10を備える。第1OR回路8には、複数のパルス信号発生回路4の出力が入力される。具体的に言うと、第1OR回路8には、第1パルス信号発生回路4Aからのパルス信号P1、第2パルス信号発生回路4Bからのパルス信号P2、第3パルス信号発生回路4Cからのパルス信号P3が入力される。第1OR回路8は、入力される各パルス信号P1~P3のいずれかがHighレベルにある場合に、Highレベルの出力電圧を第2OR回路10に供給する。
第2OR回路10には、電源電圧監視回路2Cの出力、及び、第1OR回路8の出力が入力される。第2OR回路10では、いずれかの入力がHighレベルである場合に、Highレベルの出力電圧を、スイッチング素子であるNチャンネルMOSFETM1のゲートに供給する。NチャンネルMOSFETM1は、第2OR回路10からHighレベルの入力があった場合にオン駆動される。
FLT端子(故障信号出力端子)は、NチャンネルMOSFETM1のオープンドレイン構成になっており、抵抗RFLTを介して電源電圧VSUPに接続される。これにより第2OR回路10の出力がLowレベルである状態では、NチャンネルMOSFETM1はオフされ、FLT端子からは電源電圧VSUPに等電位の故障信号Smが出力される。一方、第2OR回路10の出力がHighレベルにある状態では、NチャンネルMOSFETM1がオンされ、故障信号SmはGNDレベルまで引き下げられる。
FLT端子は、第2コンパレータCOMP2の入力に接続される。第2コンパレータCOMP2では、FLT端子の電圧が他方の入力に接続された第2基準電圧VREF2と比較され、比較結果に基づいてゲート制御回路3に対して出力信号PROTを出力する。出力信号PROTは、FLT端子の電圧が第2基準電圧VREF2以下になった場合にはHighレベルになることで、IN端子から入力される入力信号Sinに関わらず、ゲート制御回路3から半導体スイッチング素子IGBTのゲートへの駆動電圧の供給を停止させる。
ここで図2は図1の各パルス信号発生回路4で発生されるパルス信号P1~P3の時間幅を比較して示す図である。各パルス信号P1~P3がそれぞれ有する時間幅(第1時間幅t1、第2時間幅t2、第3時間幅t3)は互いに異なるように設定される。特に、電源電圧監視回路2Cに対応するパルス信号P3の第3時間幅t3は、他の保護回路2に対応するパルス信号P1,P2の時間幅(第1時間幅t1、第2時間幅t2)より長く設定される。本実施形態では、第2時間幅t2は第1時間幅t1より長く(t2>t1)、第3時間幅t3は第2時間幅t2より長く設定されており(t3>t2)、特に、第3時間幅t3は第1時間幅t1及び第2時間幅t2の合計値より長く設定される(t3>t1+t2)。
このように各パルス信号P1~P3の時間幅を設定することにより、FLT端子から出力される故障信号Smに基づいて、動作した保護回路2を判別することができる。FLT端子から出力される故障信号SmがLowレベルである時間をtFLTとすると、0<tFLT≦t1である場合には、過電流保護回路2Aによる保護動作が行われていると判別される。またt1<tFLT≦t2である場合には、過熱保護回路2Bによる保護動作が行われていると判別される。またt3(>t1+t2)<tFLTである場合には、電源電圧監視回路2Cによる保護動作が行われていると判別される。
このような構成を有する半導体スイッチング素子駆動回路1Aでは、電源電圧監視回路2Cの出力信号O_ULVOが第2OR回路10に入力されることで、電源電圧監視回路2Cにおいて異常が検出される期間中は、パルス信号P1~P3に関わらず、NチャンネルMOSFETM1がオンされ、FLT端子から出力される故障信号Smは、継続的にLowレベルとなる。
図3A及び図3Bは、図1において電源電圧VSUP、電源電圧監視回路2Cの出力信号O_UVLO、パルス信号P3、及び、FLT端子から出力される故障信号Smの時間変化を示す図である。図3A及び図3Bでは、電源電圧VSUPが何らかの要因で一時的に低下することで、電源電圧監視回路2Cの保護動作が行われた場合が示されており、図3Aは電源電圧VSUPが電源電圧監視回路2Cの閾値VTuvloより低い期間が第3時間幅t3より短い場合を示し、図3Bは電源電圧VSUPが電源電圧監視回路2Cの閾値VTuvloより低い期間が第3時間幅t3より長い場合を示している。
図3Aでは、電源電圧VSUPが時刻taで閾値VTuvlo未満に低下し、時刻tbで閾値VTuvlo以上に復帰している。この場合、電源電圧監視回路2Cの出力信号O_UVLOは、電源電圧VSUPが閾値VTuvlo未満に低下した時刻taでHighレベルになり、その後、電源電圧VSUPが時刻tbで閾値VTuvlo以上に復帰したタイミングでLowレベルに戻っている。その一方で、電源電圧監視回路2Cに対応するパルス信号P3は、電源電圧VSUPが閾値VTuvlo未満に低下した時刻taでHighレベルになり、その後、時刻tbを超えて、時刻taから予め設定された第3時間幅t3が経過する時刻tcまでHighレベルが維持される。そのため、第2OR回路10は時刻tcに至るまでNチャンネルMOSFETM1をオンすることで、FLT端子の出力電圧(故障信号Sm)も時刻tcまでLowレベルが維持される。その結果、第2コンパレータCOMP2では、時刻tcに至るまでゲート制御回路3による半導体スイッチング素子IGBTの停止を継続することで、電源電圧VSUPが閾値VTuvlo未満の状態で、半導体スイッチング素子IGBTの駆動が開始されてしまうことを防止できる。またFLT端子からの故障信号Smを受信するコントローラ側においても、故障信号SmのLowレベルの期間tFLTがt1+t2以上となることから、複数の保護回路2のうち電源電圧監視回路2Cが動作していることを適切に判定できる。
また図3Bでは、電源電圧VSUPが時刻taで閾値VTuvlo未満に低下し、時刻tdで閾値VTuvlo以上に復帰している。この場合、電源電圧監視回路2Cの出力信号O_UVLOは、電源電圧VSUPが閾値VTuvlo未満に低下した時刻taでHighレベルになり、その後、VDD端子の電圧が時刻tdで閾値VTuvlo以上に復帰したタイミングでLowレベルに戻っている。その一方で、電源電圧監視回路2Cに対応するパルス信号P3は、電源電圧VSUPが閾値VTuvlo未満に低下した時刻taでHighレベルになり、その後、時刻tdに達する前に、予め設定された第3時間幅t3が経過した時刻tcでLowレベルに戻っている。この場合、第2コンパレータCOMP2では、時刻tcが経過して時刻tdに至るまで電源電圧監視回路2Cの出力信号O_ULVOがHighレベルになっているため、ゲート制御回路3による半導体スイッチング素子IGBTの停止が継続され、電源電圧VSUPが閾値VTuvlo未満の状態で、半導体スイッチング素子IGBTの駆動が開始されてしまうことを防止できる。またFLT端子からの故障信号Smを受信するコントローラ側においても、故障信号SmのLowレベルの期間tFLTがt1+t2以上となることから、複数の保護回路2のうち電源電圧監視回路2Cが動作していることを適切に判定できる。
このようにコントローラ側は、電源電圧VSUPに何らかの要因で異常が生じている期間の長短に関わらず、当該期間において継続的に故障信号Smをコントローラ側に適切に出力することができるとともに、またコントローラ側では故障信号のLowレベルの期間tFLTに基づいていずれの保護回路2が動作しているかを適切に判定できる。
続いて図4は図1の半導体スイッチング素子駆動回路1Aをそれぞれ有する複数の半導体スイッチング素子IGBTを備える半導体スイッチング回路100Aの全体構成図である。半導体スイッチング回路100Aは、前述の半導体スイッチング素子駆動回路1Aを複数備えており、図4では、図示をわかりやすくするために、各半導体スイッチング素子駆動回路1Aを簡略的に示している。また半導体スイッチング回路100Aが有する複数の半導体スイッチング素子駆動回路1Aの各々を区別する場合には、半導体スイッチング素子駆動回路1A-1~1A-3と適宜称する。
これら複数の半導体スイッチング素子駆動回路1Aは、図11の従来技術に係る半導体スイッチング素子駆動回路1´を複数備える半導体スイッチング回路100´と同様に、共通のコントローラ20を有する。コントローラ20は、各半導体スイッチング素子駆動回路1Aに対して入力信号Sinを供給するとともに、各半導体スイッチング素子駆動回路1AのFLT端子からの故障信号Smを共通配線を介して受信することにより、複数の半導体スイッチング素子IGBTを管理する。
図4においても図11と同様に各半導体スイッチング素子駆動回路1AのFLT端子を接続して、抵抗RFLTによって共通の電源電圧配線であるVDD端子の電圧(VSUP)にプルアップしている。VDD端子は共通の電源電圧VSUPに接続されているため、各半導体スイッチング素子駆動回路1AのUVLO端子も全て共通の配線に接続されている。
図4の回路構成においても、各半導体スイッチング素子駆動回路1A-1~1A-3の閾値電圧にばらつきがあり電源電圧VSUPが緩やかに低下した場合、共通配線上における故障信号SmがLowレベルにある期間は、本来の第3時間幅t3に比べて長くなる。このような場合でも、第1実施形態の半導体スイッチング素子駆動回路1Aでは複数の保護回路2のうち電源電圧監視回路2Cが動作していることを適切に判定できる。
また、半導体スイッチング素子駆動回路1A-1~1A-3のFLT端子を共通接続とすることで、いずれかの半導体スイッチング素子駆動回路1Aにおいて保護回路2が動作した場合に、全ての半導体スイッチング素子駆動回路1Aのゲート制御回路3から半導体スイッチング素子IGBTを停止させる駆動電圧が出力され、IN端子から入力される入力信号Sinに関わらず半導体スイッチング素子IGBTを保護することが可能となる。
図5は図4の改良例に係る半導体スイッチング回路100Bの全体構成図である。図5では、図4に比べて、1つの半導体スイッチング素子駆動回路1A(図5では半導体スイッチング素子駆動回路1A-1)のUVLO端子のみを抵抗R1及びR2間のノードに接続し、他の半導体スイッチング素子駆動回路1A(図5では半導体スイッチング素子駆動回路1A-2、及び、1A-3)のUVLO端子はVDD端子に接続(短絡)している点で異なる。これにより、電源電圧VSUPを共有する複数の半導体スイッチング素子駆動回路1Aにおいて、電源電圧VSUPに異常が生じた場合には、半導体スイッチング素子駆動回路1A-1のFLT端子から故障信号Smが出力されるが、他の半導体スイッチング素子駆動回路1A-2,1A-3のUVLO端子は実質的に機能しないため、これらからは故障信号Smが出力されない。その結果、コントローラが受信する故障信号Smは、半導体スイッチング素子駆動回路1A-1からのものとなる。そのため、コントローラはLowレベルにある時間幅tFLTが第3時間幅t3である故障信号Smを受信することができ、電源電圧監視回路2Cの動作を適切に判定できる。またこのような回路構成では、半導体スイッチング素子駆動回路1A-1のUVLO端子のみを抵抗R1及びR2間のノードに接続するため、図4に比べて配線を簡略化でき、当該回路を配置した基板の配線パターンの面積削減にも有効である。
(第2実施形態)
図6は第2実施形態に係る半導体スイッチング素子駆動回路1Bを示す回路図である。図1に示す半導体スイッチング素子駆動回路1Aでは、電源電圧監視回路2Cが動作した場合には、前述したように、故障信号SmがLowレベルになる時間幅tFLTがパルス信号P3の第3時間幅t3となる。この第3時間幅t3は、第1時間幅t1及び第2時間幅t2の合計よりも十分長くされる。そのため、起動時に電源電圧VSUPが0Vから立ち上がる際には、必然的に電源電圧監視回路2Cが動作し、故障信号SmがLowレベルとなる少なくとも第3時間幅t3の期間は半導体スイッチング素子駆動回路1Aをオン駆動することができず、無駄な待機時間が生じることとなる。
このような課題を解消するために、図6に示す半導体スイッチング素子駆動回路1Bは、起動時に電源電圧VSUPが閾値以上になるまで電源電圧監視回路2Cに対応する第3パルス信号発生回路4Cを無効にするように構成される。具体的には、半導体スイッチング素子駆動回路1Bは、D-FF回路40を更に備える。D-FF回路40は、第2コンパレータCOMP2の出力電圧がLowレベルからHighレベルに立ち上がることをトリガとして、D端子に入力されるHighレベルの論理電圧を、Q端子に接続された第3パルス信号発生回路4Cのノードに出力する。D-FF回路40から第3パルス信号発生回路4Cへの出力がLowレベルである場合、第3パルス信号発生回路4Cの動作は停止され、第3パルス信号発生回路4Cで発生されるパルス信号P3はLowレベルに固定される。一方、D-FF回路40から第3パルス信号発生回路4Cへの出力がHighレベルである場合には、パルス信号発生回路4によるパルス生成機能がアクティブにされる(前述したように、電源電圧監視回路2Cの出力信号O_ULVOに基づいて第3時間幅t3を有するパルス信号P3の生成が可能となる)。
図7は図6において起動時に電源電圧VSUPが0Vから電源電圧監視回路2Cが解除動作する電圧Vuvloに達するまでの動作を示す図である。起動時である時刻taにおいて、D-FF回路40はリセット状態にあり、D-FF回路40から第3パルス信号発生回路4Cへの出力P3_ENはLowレベルにあることで、第3パルス信号発生回路4Cは停止状態にされる。
時刻taにおいて0Vである電源電圧VSUPは次第に上昇し、電源電圧監視回路2Cの閾値VTuvlo未満である間は、FLT端子の故障信号SmはLowレベルとなる。その後、時刻tbにおいて電源電圧VSUPが閾値VTuvlo以上になると、電源電圧監視回路2Cの出力信号O_ULVOがLowレベルに切り替わり、第3パルス信号発生回路4Cも停止しているためパルス信号P3もLowレベルのままとなる。これにより、電源電圧VSUPが閾値VTuvloを超える時刻tbにおいて、NチャンネルMOSFETM1がオフしてFLT端子の故障信号SmはHighレベルに切り替わることで、ゲート制御回路3が動作可能な状態になる。
またこの時、第2コンパレータCOMP2の出力電圧がLowレベルからHighレベルに切り替わり、この立ち上がりエッジがトリガとなり、D-FF回路40のQ端子の出力電圧がHighレベルになりパルス信号発生回路の4Cが動作可能になる。これにより、その後、何らかの理由で電源電圧VSUPの出力電圧が一時的に低下しその後復帰した際には(図7においてtc~td)、前述の第1実施形態と同様に、FLT端子から一定期間の間Lowレベルを有する故障信号Smが出力される。
前述の第1実施形態では、起動時に0Vから立ち上がる電源電圧VSUPが閾値VTuvlo未満である場合に電源電圧監視回路2Cが動作していたが、このような電源電圧VSUPの振る舞いは異常ではなく必然的なものであるため、コントローラ側で認識する必要はない。そのため第2実施形態では、D-FF回路40によって起動時に電源電圧VSUPが立ち上がる際に一時的に第3パルス信号発生回路4Cを停止させることで、不要な故障信号Smの送信を行わず、閾値VTuvlo以上となった際に迅速に半導体スイッチング素子IGBTを動作可能な状態にすることで、起動時における待機時間を効果的に削減できる。
(第3実施形態)
図8は第3実施形態に係る半導体スイッチング素子駆動回路1Cを示す回路図である。半導体スイッチング素子駆動回路1Cは、電源電圧監視回路2Cの出力に基づいて、電源電圧監視回路2Cにおける電源電圧VSUPの分圧入力端子(抵抗R1及びR2の間のノード)に電流を供給可能な電流源IS1を更に備える。電流源IS1は、第1コンパレータCOMP1の出力がLowレベルになった場合に、UVLO端子に対して電流を流すための定電流回路として構成される。
電流源IS1は、UVLO端子の電圧が第1基準電圧VREF1未満である場合には、第1コンパレータCOMP1の出力がHighレベルであるため、停止状態にある。一方で、UVLO端子の電圧が第1基準電圧VREF1以上になると、第1コンパレータCOMP1の出力がLowレベルになり、UVLO端子には電流源IS1によって電流が供給されることで端子電圧が引き上げられる。
ここでUVLO端子の電圧が第1基準電圧VREF1未満である場合におけるVDD端子の電圧VDDdは次式となる。
Figure 2023110947000002
(1)式の右辺第2項は電流源IS1を含むため、ヒステリシス電圧として機能する。そのため半導体スイッチング素子駆動回路1Cでは、電源電圧監視回路2Cの閾値VREF1(電源電圧VSUPに対する閾値VTuvlo)にヒステリシスを持たせることができ、VDD端子の電圧変動によって電源電圧監視回路2Cが動作と停止を必要以上に繰り返すことを防止できる。また、抵抗R1の抵抗値を適切に設定することにより、当該ヒステリシスの幅の調整も可能である。
以上説明したように上記の各実施形態によれば、各保護回路2において保護動作が行われた際には、各保護回路2に対応するパルス信号に基づいて故障信号Smが出力され、当該故障信号Smに基づいて半導体スイッチング素子IGBTの制御が行われる。故障信号Smは、(i)電源電圧監視回路2Cによる保護動作が行われていること、又は (ii)いずれかパルス信号P1~P3が出力されていること、のいずれかの条件が成立する場合に出力される。これにより、何らかの原因で異常が生じていた電源電圧が正常に復旧するまでの期間が、電源電圧監視回路2Cに対応するパルス信号P3の時間幅より長い場合には、パルス信号が出力された後においても、電源電圧が正常に復旧するまで故障信号Smが継続的に出力されることで、電源電圧が復旧する前に、停止した半導体スイッチング素子IGBTの動作が開始されてしまうことを防止できる。また電源電圧が正常に復旧するまでの期間が、電源電圧監視回路2Cに対応するパルス信号P3の時間幅t3より短い場合には、パルス信号P3が出力されている間、継続的に故障信号Smが出力されることで、電源電圧が正常に復旧した後に半導体スイッチング素子IGBTの動作を適切に開始することができる。
1(1A,1B,1C) 半導体スイッチング素子駆動回路
2 保護回路
2A 過電流保護回路
2B 過熱保護回路
2C 電源電圧監視回路
3 ゲート制御回路
4 パルス信号発生回路
4A 第1パルス信号発生回路
4B 第2パルス信号発生回路
4C 第3パルス信号発生回路
6 故障信号出力回路
8 第1OR
10 第2OR回路
20 コントローラ
40 D-FF回路
Comp1 第1コンパレータ
Comp2 第2コンパレータ
IGBT 半導体スイッチング素子
IS1 電流源
M1 NチャンネルMOSFET

Claims (5)

  1. 入力信号に応じて半導体スイッチング素子を駆動するための半導体スイッチング素子駆動回路において、
    前記半導体スイッチング素子を保護するための複数の保護回路と、
    前記複数の保護回路の出力信号に対応する時間幅を有するパルス信号をそれぞれ発生可能な複数のパルス信号発生回路と、
    前記パルス信号に対応する故障信号を出力可能な故障信号出力回路と、
    前記故障信号に基づいて前記半導体スイッチング素子を制御するための制御回路と
    を備え、
    前記複数の保護回路は、前記半導体スイッチング素子駆動回路の電源電圧を監視するための電源電圧監視回路を含み、
    前記故障信号出力回路は、(i)前記電源電圧監視回路による保護動作が行われていること、又は (ii)前記複数のパルス信号発生回路のいずれかにおいて前記パルス信号が出力されていること、のいずれかの条件が成立している場合、前記故障信号を出力するように構成される、半導体スイッチング素子駆動回路。
  2. 前記故障信号出力回路は、
    前記複数のパルス信号発生回路の出力が入力される第1OR回路と、
    前記電源電圧監視回路の出力、及び、前記第1OR回路の出力が入力される第2OR回路と、
    前記第2OR回路の出力に応じて前記故障信号を出力するスイッチング素子と
    を含む、請求項1に記載の半導体スイッチング素子駆動回路。
  3. 前記電源電圧監視回路に対応する前記パルス信号発生回路は、他の前記保護回路に対応する前記パルス信号発生回路より長い時間幅を有するパルス信号を発生するように構成される、請求項1又は2に記載の半導体スイッチング素子駆動回路。
  4. 起動時に前記電源電圧が閾値以上になるまで前記電源電圧監視回路に対応する前記パルス信号発生回路を無効にするように構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体スイッチング素子駆動回路。
  5. 前記電源電圧監視回路に対して入力される前記電源電圧を分圧するための分圧回路と、
    前記電源電圧監視回路の出力に基づいて、前記分圧回路の分圧電圧が入力される入力端子に電流を供給可能な電流源とを更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体スイッチング素子駆動回路。
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