JP2023110759A - 靴底用部材、靴、及び、靴底用部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介した第1靴底部材と第2靴底部材との接着強度が向上されている靴底用部材などを提供することを課題としている。【解決手段】 靴の底部に配置される第1靴底部材と、前記第1靴底部材よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材と、を備え、ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介して、前記第1靴底部材と前記第2靴底部材とが接着されており、前記第1靴底部材が、スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物の架橋体であり、前記第1靴底部材における前記第2靴底部材と対向する面が、放電処理されている、靴底用部材などを提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、靴の底部に配置されて使用される靴底用部材に関する。また、本発明は、上記の靴底用部材を備える靴、及び、上記の靴底用部材の製造方法に関する。
従来、靴底用部材を備えた靴が知られている。この種の靴は、例えば、靴の底部に配置されるアウターソールなどの第1靴底部材と、該第1部材よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材とを有する靴底用部材を備える。斯かる靴底用部材において、第1靴底部材及び第2靴底部材は、例えば、含有するゴム種が互いに異なるゴム組成物の架橋体でそれぞれ形成され、互いに接着されている。
この種の靴底用部材としては、例えば、天然ゴム及びイソプレンゴムの少なくとも一方を含むゴム成分と、架橋された樹脂とを含むゴム組成物の架橋体で形成された第1靴底部材を備えるものが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載された靴底用部材では、第1靴底部材の上記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部中に天然ゴム及びイソプレンゴムの少なくとも一方を70質量部以上含み、架橋されたエチレン-酢酸ビニル系共重合体の粒子をさらに含む。
特許文献1に記載の靴底用部材では、第1靴底部材が、架橋されたエチレン-酢酸ビニル系共重合体の粒子を含むため、第1靴底部材の強度が比較的高い。
国際公開第2015/019490号
ところで、上記のごとき靴底用部材においては、ポリウレタン樹脂を含む一般的なウレタン樹脂系接着剤によって第1靴底部材と第2靴底部材とが接着されて製造される場合が比較的多い。
しかしながら、ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介して単に第1靴底部材と第2靴底部材とが接着されている靴底用部材は、第1靴底部材と第2靴底部材との接着強度が必ずしも良好でない場合がある。換言すると、一般的に使用されるウレタン樹脂系接着剤によって第1靴底部材と第2靴底部材とを単に接着して靴底用部材を製造すると、両部材の間における接着強度を必ずしも向上させることができないという問題を有する。
そこで、ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介した第1靴底部材と第2靴底部材との接着強度が向上されている靴底用部材、及び、該靴底用部材を備える靴が要望されている。また、ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介した第1靴底部材と第2靴底部材との接着強度を向上させる靴底用部材の製造方法が要望されている。
上記の問題点、要望点等に鑑み、本発明は、ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介した第1靴底部材と第2靴底部材との接着強度が向上されている靴底用部材を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記靴底用部材を備える靴を提供することを課題とする。
また、本発明は、ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介した第1靴底部材と第2靴底部材との接着強度が向上された靴底用部材を製造できる、靴底用部材の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る靴底用部材は、
靴の底部に配置される第1靴底部材と、前記第1靴底部材よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材と、を備え、
ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介して、前記第1靴底部材と前記第2靴底部材とが接着されており、
前記第1靴底部材が、スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物の架橋体であり、
前記第1靴底部材における前記第2靴底部材と対向する面が、放電処理されていることを特徴とする。
本発明に係る靴は、上記の靴底用部材を備える。
本発明に係る靴底用部材の製造方法は、靴の底部に配置される第1靴底部材と、前記第1靴底部材と接着されており且つ前記第1靴底部材よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材とを備える靴底用部材の製造方法であって、
スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物に架橋処理を施すことによって前記第1靴底部材を作製する工程と、
前記第1靴底部材における前記第2靴底部材と接着される面に放電処理を施す工程と、
ポリウレタン樹脂を含有する接着剤によって、前記第1靴底部材における前記放電処理が施された面と、前記第2靴底部材とを接着する工程と、を備える。
本発明に係る靴底用部材及び靴では、ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介した第1靴底部材と第2靴底部材との接着強度が向上されている。本発明に係る靴底用部材の製造方法は、ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介した第1靴底部材と第2靴底部材との接着強度が向上された靴底用部材を製造できる。
図1は、本実施形態に係る靴底用部材及び靴の外観を表す模式図である。 図2は、本実施形態に係る靴底用部材の一例を靴の着用時において上下方向に切断した断面を表す模式断面図である。 図3は、本実施形態に係る靴底用部材の他の例を靴の着用時において上下方向に切断した断面を表す模式断面図である。 図4は、本実施形態に係る靴底用部材の製造方法の一例の様子を模式的に示す模式図である。 図5は、本実施形態に係る靴底用部材の製造方法の他の例の様子を模式的に示す模式図である。 図6は、靴底用部材における第1靴底部材と第2靴底部材との間の接着強度の測定結果を表すグラフである。 図7は、靴底用部材における第1靴底部材と第2靴底部材との間の接着強度の測定結果を表すグラフである。 図8は、靴底用部材における第1靴底部材と第2靴底部材との間の接着強度の測定結果を表すグラフである。 図9は、靴底用部材における第1靴底部材と第2靴底部材との間の接着強度の測定結果を表すグラフである。
以下、本発明に係る靴底用部材及び靴の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の靴100は、図1に示すように、本実施形態の靴底用部材10を備える。
本実施形態の靴100は、図1に示すように、アッパー材50と靴底用部材10とを備える。靴底用部材10は、靴の底部に配置される第1靴底部材11と、第1靴底部材11よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材12と、を有する。第1靴底部材11と第2靴底部材12とは、図2又は図3に示すように、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介して接着されている。なお、図面における各図は模式図であり、実物における縦横の長さ比と必ずしも同じではない。
本実施形態において、第1靴底部材11は、例えばアウターソールであり、第2靴底部材12は、例えばミッドソール又はアッパー材である。
本実施形態における第1靴底部材11は、アウターソール全体を構成していてもよく、一方、アウターソールの一部を構成していてもよい。靴100は、例えば図1に示すように、靴100の側面や靴底において表面が露出した状態の第1靴底部材11を備えていてもよい。なお、第1靴底部材11の表面は、靴100の側面や靴底において露出していなくてもよい。
本実施形態の一例における第1靴底部材11及び第2靴底部材12は、それぞれ板状に形成されている。第1靴底部材11及び第2靴底部材12を厚さ方向の一方側から見たときの形状は、例えば、着用者の足裏形状と同様の形状である。第1靴底部材11及び第2靴底部材12は、靴100の底部に配置され、厚さ方向に積層されて、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介して互いに接着されている。
なお、第1靴底部材11の形状は、足裏を全て覆うようなシート形状であってもよい。一方、第1靴底部材11は、例えば面方向(着用時の前後左右方向)で不連続な複数のパーツを有してもよい(図3参照)。例えば複数のシート部材を有する第1靴底部材11を厚さ方向の一方側から見たときに、中央部分などに単数又は複数の孔が形成されていてもよい。同様に厚さ方向の一方側から見たときに、面方向に互いに離間した複数のパーツによって第1靴底部材11が構成されていてもよい。
第1靴底部材11の厚さは、特に限定されず、例えば、1mm以上20mm以下であってもよく、好ましくは2mm以上10mm以下である。第1靴底部材11の厚さは、第2靴底部材12の厚さよりも厚くてもよい。
第1靴底部材11は、スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物の架橋体である。本実施形態では、上記のゴム組成物は、ゴム成分として、イソプレンゴムなどをさらに含み得る。また、上記のゴム組成物は、シリカとして、湿式シリカ及び乾式シリカのうち少なくとも一方を含む。本実施形態では、上記のゴム組成物は、カップリング剤、架橋剤などをさらに含み得る。
上記のゴム組成物が、スチレン-ブタジエンゴムとブタジエンゴムとシリカと上記特定の粒子状の架橋樹脂とを含むため、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介した第1靴底部材11と第2靴底部材12との接着強度が向上されている。
スチレン-ブタジエンゴムは、スチレンとブタジエンとの共重合体から得られたゴムであれば特に限定されない。スチレン-ブタジエンゴムは、例えば、スチレンと1,3-ブタジエンとの共重合体から得られるゴムである。
スチレン-ブタジエンゴムにおけるスチレン含有量は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。このようなスチレン-ブタジエンゴムを上記のゴム組成物が含むことにより、斯かるゴム組成物の硬化体である第1靴底部材11は、より良好な強度を有することができる。また、第1靴底部材11と第2靴底部材12とが、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介してより強く接着され得る。スチレン含有量は、60質量%以下であってもよく、50質量%以下であってもよい。なお、スチレン含有量は、JIS K6239によって求められる。
スチレン-ブタジエンゴムとしては、乳化重合によって得られたもの、溶液重合によって得られたものなどを採用できる。スチレン-ブタジエンゴムとしては、有機リチウム触媒等を用いたリビング重合によって分子中におけるブロック配列又はランダム配列が適度に調整されているという点で、溶液重合によって得られたものが好ましい。
スチレン-ブタジエンゴムの数平均分子量は、例えば、10000~500000程度であってもよい。
なお、上記のゴム組成物は、1種類のスチレン-ブタジエンゴムを含んでもよく、複数種のスチレン-ブタジエンゴムを含んでもよい。
ブタジエンゴムは、ブタジエンの重合体から得られたゴムであれば、特に限定されない。ブタジエンゴムは、例えば、いわゆるローシスタイプであってもよく、ハイシスタイプであってもよい。ローシスタイプのブタジエンゴムでは、分子鎖を構成する主な単位がトランス-1,4単位であり、他の単位が1,2単位(ビニル単位)、又は、シス-1,4単位である。ハイシスタイプのブタジエンゴムでは、分子鎖を構成する単位の80%以上がシス-1,4単位である。ブタジエンゴムとしては、ハイシスタイプが好ましい。
また、ブタジエンゴムは、上記のような一般的なブタジエンゴム以外のブタジエンゴムであってもよい。例えば、ブタジエンゴムとしては、水酸基、カルボキシ基、アクリル基、イソシアネート基などの官能基が分子末端に導入された官能基含有ブタジエンゴムなどが挙げられる。
なお、上記のゴム組成物は、1種類のブタジエンゴムを含んでもよく、複数種のブタジエンゴムを含んでもよい。
イソプレンゴムは、イソプレンの重合体から得られたゴムであれば、特に限定されない。イソプレンゴムは、通常、シス-1,4ポリイソプレン構造を分子中に有する。イソプレンゴムは、分子中に、1,2ポリイソプレン構造、3,4ポリイソプレン構造、1,2ポリイソプレン構造、又はトランス-1,4ポリイソプレン構造を有してもよい。
上記のゴム組成物におけるゴム成分(スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどを含む)の含有率は、40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。これにより、上記のゴム組成物の架橋体である第1靴底部材11が、適度な軟質性を有し得る。従って、第1靴底部材11を有する靴底用部材10を備えた靴100は、着用者の足裏への良好なフィット感を有し、また、歩行時の良好な屈曲性を有し得る。
なお、上記のゴム組成物における上記ゴム成分の含有率は、90質量%以下であってもよく、85質量%以下であってもよい。
上記のゴム組成物中のゴム成分に占めるスチレン-ブタジエンゴムの質量割合は、半分以上であることが好ましい。これにより、第1靴底部材11と第2靴底部材12とが、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介してより強く接着され得る。ゴム成分100質量部のうちスチレン-ブタジエンゴムが60質量部以上を占めることがより好ましい。なお、スチレン-ブタジエンゴムの量は、ゴム成分100質量部のうち80質量部以下であってもよい。
上記のゴム組成物中のゴム成分100質量部のうち(100質量部としたときに)ブタジエンゴムが20質量部以上を占めることが好ましい。これにより、第1靴底部材11と第2靴底部材12とが、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介してより強く接着され得る。なお、ブタジエンゴムの量は、ゴム成分100質量部のうち80質量部以下であってもよい。
上記のゴム組成物中のゴム成分100質量部のうちイソプレンゴムの量が50質量部以下であることが好ましい。これにより、第1靴底部材11と第2靴底部材12とが、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介してより強く接着され得る。
本実施形態において、上記のゴム組成物は、少なくとも乾式シリカをシリカとして含むことが好ましい。上記のゴム組成物は、乾式シリカと湿式シリカとをシリカとして含んでもよい。なお、上記のゴム組成物に含まれるシリカは、粒子状である。
上記のゴム組成物がシリカを含むため、上記のゴム組成物の架橋体である第1靴底部材11は、良好な強度を有することができる。また、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介した第1靴底部材11と第2靴底部材12との接着強度が向上されている。
乾式シリカは、燃焼法やアーク法などの乾式法によって一次粒子に近い形で得られる。乾式シリカとしては、ヒュームドシリカが好ましい。乾式シリカの平均粒子径は、5nm以上50nm以下であることが好ましい。BET法による乾式シリカの比表面積は、50m/g以上500m/g以下であることが好ましい。
湿式シリカは、沈降法やゲル法などの湿式法によって凝集粒子として得られる。
上記のゴム組成物は、ゴム成分(スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなど)の総量100質量部に対して、10質量部以上のシリカを含むことが好ましく、20質量部以上のシリカを含むことがより好ましく、35質量部以上のシリカを含むことがさらに好ましい。また、上記のゴム組成物は、ゴム成分の総量100質量部に対して、60質量部以下のシリカを含むことが好ましく、45質量部以下のシリカを含むことがより好ましい。
上記のゴム組成物は、ゴム成分(スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなど)の総量100質量部に対して、10質量部以上60質量部以下の乾式シリカを含むことがさらに好ましく、20質量部以上の乾式シリカを含むことがよりさらに好ましく、35質量部以上45質量部以下の乾式シリカを含むことが特に好ましい。
なお、上記のゴム組成物におけるシリカの総含有率(乾式シリカ及び湿式シリカの合計の含有率)は、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、15質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
上記のゴム組成物に含まれる粒子状の架橋樹脂は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定された融点が100℃以下である。融点が100℃以下の架橋樹脂を上記のゴム組成物が含むため、融点が100℃より高い架橋樹脂をゴム組成物が含んだ場合よりも、第1靴底部材11と第2靴底部材12との接着強度が向上されている。
粒子状の架橋樹脂の融点を測定するための示差走査熱量測定の測定条件は、以下の通りである。
(示差走査熱量測定の測定条件)
サンプル量:約5mgを秤量
容器:アルミ容器
測定温度:25℃~200℃
昇温速度:10℃/分
窒素ガス雰囲気下で測定を実施し、得られた融解ピークの頂点における値を融点とする。
上記の架橋樹脂の融点は、接着層13を介した第1靴底部材11と第2靴底部材12との接着強度がより向上され得るという点で、90℃以下であることが好ましく、85℃以下であることがより好ましい。上記の架橋樹脂の融点は、75℃以上であってもよい。
例えば120℃のキシレン中に所定時間(24~72時間)浸漬させたあとに完全溶解する樹脂(ゲル分率が0%である樹脂)は、上記の架橋樹脂でないと判断される。
上記の架橋樹脂の材質は、特に限定されないが、架橋処理されたオレフィン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系樹脂とは、少なくともエチレン又はプロピレンの構成単位を分子中に有する樹脂である。
架橋されたポリオレフィン系樹脂としては、例えば、架橋処理されたエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、架橋処理されたポリエチレン樹脂、架橋処理されたポリプロピレン樹脂、又は架橋処理されたスチレン系共重合樹脂などが挙げられる。上記の架橋樹脂の材質は、比較的融点が低いという点で、架橋処理されたエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂であることが好ましい。
架橋樹脂の粒子の大きさは、例えば100μm以上5,000μm以下であってもよい。
上記の粒子状の架橋樹脂は、例えば、架橋処理された樹脂の塊を粉砕し、粉末状にすることによって得られる。粉砕される前の架橋処理された樹脂は、新たに合成した樹脂であってもよく、所定の用途で使用された後の廃棄物の樹脂であってもよい。廃棄物の樹脂から得られた粒子状の架橋樹脂を採用することにより、資源のリサイクルに寄与することができる。
上記のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して(ゴム成分の量を100質量部としたときに)上記の粒子状の架橋樹脂を1質量部以上含むことが好ましく、5質量部以上含むことがより好ましく、10質量部以上含むことがさらに好ましい。上記のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して上記の粒子状の架橋樹脂を20質量部以上含んでもよく、30質量部以上含んでもよく、40質量部以上含んでもよい。
上記のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して(ゴム成分の量を100質量部としたときに)上記の粒子状の架橋樹脂を60質量部以下含んでもよい。
第1靴底部材における第2靴底部材と対向する面は、放電処理されている。具体的にはプラズマ放電処理されている。プラズマ放電処理としては、例えば、熱平衡プラズマをプラズマとして利用するプラズマ放電処理、又は、非熱平衡プラズマをプラズマとして利用するプラズマ放電処理などが挙げられる。比較的低温で放電処理できるという点で、非熱平衡プラズマによるプラズマ放電処理が好ましい。
非熱平衡プラズマによるプラズマ放電処理としては、例えば、グロー放電処理又はコロナ放電処理が挙げられる。グロー放電処理は、主に減圧下(真空条件など)で実施され、コロナ放電処理は、主に大気圧下で実施される。
非熱平衡プラズマによるプラズマ放電処理としては、大気圧下で実施できるコロナ放電処理が好ましい。斯かるコロナ放電処理は、ヘリウムガス又は窒素ガスなどの共存下で実施され得る。
本実施形態において、上記のゴム組成物は、カップリング剤又は架橋剤の少なくとも一方を含むことが好ましく、カップリング剤及び架橋剤の両方を含むことがより好ましい。これにより、第1靴底部材11と第2靴底部材12とが、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介してより強く接着され得る。
本実施形態において、上記のゴム組成物は、少なくともスチレン-ブタジエンゴムと乾式シリカとを化学的に結合させるためのカップリング剤を含み得る。
カップリング剤(シランカップリング剤)は、分子中に少なくともアルコキシシラン構造を有する化合物である。
上記のゴム組成物は、シリカ(乾式シリカ及び湿式シリカの総量)100質量部に対して5質量部以上10質量部以下のカップリング剤を含むことが好ましい。
カップリング剤としては、シランカップリング剤(アルコキシシラン化合物)などが採用できる。カップリング剤としては、例えば、メルカプト系シランカップリング剤、モノスルフィド系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、テトラスルフィド系シランカップリング剤などが挙げられる。シランカップリング剤としては、第1靴底部材11がより大きい強度を有することができるという点で、メルカプト系シランカップリング剤及びモノスルフィド系シランカップリング剤からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
メルカプト系シランカップリング剤は、上記のゴム組成物中で乾式シリカをより十分に分散させることができる。そのため、第1靴底部材11がより大きい強度を有し得る。
メルカプト系シランカップリング剤としては、例えば、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2-メルカプトエチルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、4-メルカプトブチルトリメトキシシラン、4-メルカプトブチルトリエトキシシラン等が挙げられる。また、メルカプト系シランカップリング剤としては、上記のアルコキシシシラン化合物のメトキシ基またはエトキシ基をジオールで置換・縮合したシランカップリング剤などが挙げられる。
メルカプト系シランカップリング剤としては、エトキシ基を有するシランカップリング剤またはエトキシ基をジオールで置換・縮合したシランカップリング剤が好ましい。
モノスルフィド系シランカップリング剤は、例えば、下記一般式(1)で表される。
ただし、一般式(1)において、「R」は、炭素数1以上20以下の、アルキル基、アルケニル基、又は、アシル基のいずれかであり、前記アルキル基、前記アルケニル基、又は、前記アシル基は、1以上の置換基を有してもよい。「R」は、炭素数1以上20以下の、アルカンジイル基、アルケンジイル基、カルボニル基のいずれかであり、前記のアルカンジイル基、アルケンジイル基、又は、カルボニル基は、1以上の置換基を有してもよい。「X」は、下記一般式(2)で表されるアルコキシシリル基である。
(ただし、式中の「R」、「R」、及び、「R」は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は、アルコキシ基のいずれかであり、「R」、「R」、及び「R」のうちの少なくとも1つがアルコキシ基である。)
「R」は、炭素数4以上12以下の非置換のアシル基であることが好ましい。「R」は、炭素数2以上5以下の非置換のアルカンジイル基であることが好ましい。「X」は、トリメトキシシリル基、又は、トリエトキシシリル基であることが好ましい。
モノスルフィド系シランカップリング剤は、下記一般式(3)又は一般式(4)でそれぞれ表される、3-アルカノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン、又は、3-アルカノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシランのいずれかであることが好ましい。
(ただし、「n」は2以上10以下の整数を表し「m」は2以上5以下の整数を表している。)
(ただし、「n」は2以上10以下の整数を表し「m」は2以上5以下の整数を表している。)
一般式(3)及び一般式(4)でそれぞれ表されるモノスルフィド系シランカップリング剤としては、「n」が「6」であり、「m」が「3」であるものが特に好ましい。具体的には、モノスルフィド系シランカップリング剤は、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン、又は、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシランであることが特に好ましい。
このような好ましいモノスルフィド系シランカップリング剤は、分子末端に適度な長さのアルキル基を有することから、ゴム組成物に良好な可塑化を発揮させることができる。また、ゴム組成物を架橋して得られる第1靴底部材11が比較的低い硬度を有することができる。
エポキシ系シランカップリング剤としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
テトラスルフィド系シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-ベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが挙げられる。
上記のゴム組成物に含まれ得る架橋剤は、上記のゴム組成物中のゴム成分の架橋反応を促進させる化合物である。架橋剤としては、例えば、有機過酸化物、又は、硫黄などが挙げられる。
本実施形態において、上記のゴム組成物は、架橋剤を含み、架橋剤が有機過酸化物又は硫黄であることが好ましい。これにより、第1靴底部材11と第2靴底部材12とが、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介してより強く接着され得る。
有機過酸化物としては、例えば、1,1-ビス(1,1-ジメチルエチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(1,1-ジメチルブチルパーオキシ)シクロヘキサン、4,4-ビス[(t-ブチル)パーオキシ]ペンタン酸ブチル、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルα-クミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチル-3-ヘキシン、ジベンゾイルパーオキサイド、ビス(4-メチルベンゾイル)パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、1,1-ビス(t-ブチルジオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
上記のゴム組成物は、架橋剤としての硫黄と、硫黄による架橋反応を促進させる架橋促進剤とを含んでもよい。架橋促進剤としては、例えば、チアゾール系架橋促進剤、チウラム系架橋促進剤などが挙げられる。
チアゾール系架橋促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2-メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)、2-(2,4-ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2-(N,N-ジエチルチオ・カルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2-(4’-モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
チウラム系架橋促進剤としては、例えば、TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィドなどが挙げられる。
上記のゴム組成物は、粒子状の炭酸カルシウムを含んでもよく、粒子状の炭酸カルシウムを含まなくてもよい。炭酸カルシウムは、上述したシリカと同様に第1靴底部材11の補強剤として作用すると一般的には考えられているが、本実施形態においては、炭酸カルシウムの量が少ないことが好ましい。
上記のゴム組成物においてゴム成分100質量部に対する(ゴム成分の量を100質量部としたときに)炭酸カルシウムの量は、40質量部未満であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、1質量部未満であることがさらに好ましく、上記のゴム組成物が炭酸カルシウムを含まないことが特に好ましい。
炭酸カルシウムの含有率がより低くなることによって、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間の接着強度がより向上し得る。
上記のゴム組成物は、脂肪酸を含んでもよく、脂肪酸を含まなくてもよい。脂肪酸は、金属塩、アンモニウム塩などの塩の状態であってもよい。
脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
脂肪酸の塩としては、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。
上記のゴム組成物においてゴム成分100質量部に対する(ゴム成分の量を100質量部としたときに)脂肪酸の量は、1質量部未満であることが好ましく、0.5質量部以下であることがより好ましく、上記のゴム組成物が脂肪酸を含まないことがさらに好ましい。これにより、第1靴底部材11と第2靴底部材12とが、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介してより強く接着され得る。
本実施形態において、上記のゴム組成物は、ゴム成分100質量部のうちスチレン-ブタジエンゴムを60質量部以上90質量部以下含み、且つ、ゴム成分100質量部に対してシリカを20質量部以上60質量部以下含むことが好ましい。このとき、上記のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して粒子状の架橋樹脂を5質量部以上60質量部以下含むことが好ましい。シリカは乾式シリカであることが好ましい。このようなゴム組成物であることにより、第1靴底部材11と第2靴底部材12とが、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介してより強く接着され得る。
本実施形態の靴底用部材10が備える第2靴底部材12の材質は、例えばゴム製であるが、特に限定されない。第2靴底部材12は、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂若しくはオレフィン樹脂をベースとする架橋発泡体、天然皮革、人工皮革、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、又は、ポリアミド樹脂などで形成されている。
上記の靴底用部材10において第1靴底部材11と第2靴底部材12との間に配置されている接着層13は、ポリウレタン樹脂を含有する。接着層13は、一般的に使用されているウレタン樹脂系接着剤が硬化されたものである。ウレタン樹脂系接着剤は、ウレタン樹脂が有機溶媒に溶解した溶液状態であってもよく、水を含む液体中にウレタン樹脂が分散したエマルジョン状態であってもよい。なお、本実施形態において、接着層13は、第1靴底部材11に含まれるようなゴム成分の架橋体や粒子状の架橋樹脂を含まない。
上記のゴム組成物は、本発明の効果が著しく損なわれない範囲内で、上述した成分以外の成分をさらに含んでもよい。上記のゴム組成物は、例えば、パラフィン系若しくはナフテン系のプロセスオイルなどの硬さ調整剤、テルペン樹脂などの粘着性付与剤、老化防止剤、加工助剤、無機充填剤、抗菌剤、香料などを適宜含んでもよい。
本実施形態の靴底用部材10は、上述したゴム組成物の架橋体である第1靴底部材11が、ポリウレタン樹脂を含有する接着層13を介して、第2靴底部材12と接着されている構成を有する。接着層13を形成することとなる接着剤は、一般的に使用されるポリウレタン樹脂を含有する接着剤である。この接着剤の成分と、第1靴底部材11との親和性が比較的高いため、第1靴底部材11と第2靴底部材12とを比較的強く接着できると考えられる。
続いて、本実施形態の靴底用部材の製造方法について説明する。
本実施形態の靴底用部材の製造方法は、靴の底部に配置される第1靴底部材と、前記第1靴底部材と接着されており且つ前記第1靴底部材よりも着用者の足裏側に配置されることとなる第2靴底部材とを備える靴底用部材の製造方法であって、
スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物に架橋処理を施すことによって前記第1靴底部材を作製する工程(架橋処理工程)と、
前記第1靴底部材における前記第2靴底部材と接着される面に放電処理を施す工程(放電処理工程)と、
ポリウレタン樹脂を含有する接着剤によって、前記第1靴底部材における前記放電処理が施された面と、前記第2靴底部材とを接着する工程(接着工程)と、を備える。
例えば、本実施形態の靴底用部材の製造方法は、
(a)スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、シリカ、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂、及び、シランカップリング剤といった原材料を混合する工程(混合工程)と、
(b)上記混合によって調製された混和物に架橋剤を添加してさらに混合したゴム組成物をシート化して、未架橋状態の第1靴底部材の予備成形シートを作製する工程(シート化工程)と、
(c)第1靴底部材の予備成形シートに圧縮力を加えつつ加熱処理を施して、ゴム組成物の架橋体である第1靴底部材11を作製する工程(架橋処理工程)と、
(d)作製された第1靴底部材11の一方の面であって第2靴底部材12と接着される面に放電処理を施す工程(放電処理工程)と、
(e)必要に応じて、作製された第1靴底部材11の一方の面であって第2靴底部材12と接着される面に前処理を施す工程(前処理工程)と、
(f)第1靴底部材11の放電処理された面と、あらかじめ用意しておいた第2靴底部材12と間に、ポリウレタン樹脂を含有する接着剤を配置して、第1靴底部材11と第2靴底部材12との積層体に対して厚さ方向に圧縮力を与えることによって、両部材を接着する工程(接着工程)とを備える。
(a)混合工程では、例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどの混練装置を用いて、上述した原材料を110℃~150℃程度の温度において混錬する。
(b)シート化工程では、例えば、ゴム組成物をカレンダーロールなどに供給し、該カレンダーロールでゴム組成物をさらに混錬する。そして、混錬されたゴム組成物をカレンダーロールなどによってシート化し、未架橋状態の予備成形シートを作製する。
(c)架橋処理工程では、例えば、成形型を装着した熱プレス機によって、成形型内に配置した第1靴底部材の予備成形シートを熱プレスする。これにより、所望形状の予備成形シートを成形型内で形成する。同時に、熱プレスによって第1靴底部材の予備成形シートのゴム組成物に対して架橋処理を施し、架橋体(架橋ゴム)からなる第1靴底部材11を作製する。
(d)放電処理工程では、以下のようにして第1靴底部材11の表面にプラズマ放電処理を施す。例えば、大気圧下でコロナ放電によって金属電極間で発生させたプラズマ内において第1靴底部材11を一方向へ移動させる。所定の速度で所定の時間をかけて、移動距離が所定の距離となるように第1靴底部材11を移動させること等によって、プラズマ放電処理(表面処理)を実施する。
(e)前処理工程では、接着後の接着強度をより高めるために、必要に応じて、第1靴底部材11における接着される面、又は、第2靴底部材12における接着される面の少なくともいずれか一方に対して、前処理を施す。前処理としては、例えば、表面を研磨する処理、又は、有機溶剤を含む前処理液を塗布する処理が採用される。
(f)接着工程では、例えば、第1靴底部材11の一方の面に接着剤を塗布する。次に、接着剤が塗布された面と、シート状の第2靴底部材12の片面とを対向させつつ、第1靴底部材11及び第2靴底部材12の積層体に対して厚さ方向に圧縮力を加える。このようにして、ポリウレタン樹脂を含有する接着剤によって第1靴底部材11と第2靴底部材12とを接着する。
なお、第2靴底部材12を作製するための材料は、特に限定されず、例えば上述した材料などが採用される。
接着工程において使用する接着剤は、一般的なウレタン樹脂系接着剤である。ウレタン樹脂系接着剤としては、ウレタン樹脂が有機溶媒に溶解してなる溶液タイプ、水を含む液体にウレタン樹脂を含む粒子が分散したエマルジョンタイプが挙げられる。一般的に、溶液タイプの上記接着剤を使用して接着工程を実施した場合よりも、エマルジョンタイプの上記接着剤を使用して接着工程を実施した場合の方が、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間の接着強度がより小さくなる。エマルジョンタイプの上記接着剤では、接着成分であるウレタン樹脂が接着剤中で均一に溶解せず、分散しているためと考えられる。
しかしながら、溶液タイプの上記接着剤は、有機溶剤を含むため、製造工程において揮発した有機溶剤が空気中に放出されることとなる。そのため、人体への安全性の観点、火災予防の観点、地球環境保護の観点で、溶液タイプの上記接着剤の使用を抑える必要がある。
そこで、エマルジョンタイプの上記接着剤を使用した場合であっても、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間において良好な接着強度を発揮させることができる製造方法が要望されている。
本実施形態の製造方法では、エマルジョンタイプの上記接着剤を使用する場合、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間の接着強度を大きくするために、例えば図4に示すような方法を採用できる。
斯かる方法では、作製された第1靴底部材11に対して、上述した放電処理工程を実施する。放電処理工程では、例えば図4に示すように、第1靴底部材11の一方の面であって後に第2靴底部材12と接着される面に対して、プラズマ放電処理又はコロナ放電処理などの放電処理を施す(図4の(4-2)を参照)。この放電処理工程によって、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間の接着強度が良好となる。
次に、前処理工程を実施する。前処理工程では、例えば図4に示すように、第1靴底部材11の上記放電処理が施された面に、有機溶媒を含む前処理液Aを塗布する(図4の(4-3)を参照)。この前処理液Aによって、第2靴底部材12との間の接着強度がより大きくなり得る。
続いて、前処理工程では、例えば60℃程度に加熱することによって、前処理液Aに含まれる有機溶媒を揮発させる(図4の(4-4)を参照)。
続いて、前処理液Aを塗布した面に、上述したエマルジョンタイプの上記接着剤Bを塗布する(図4の(4-5)を参照)。
さらに、例えば60℃程度に加熱することによって、エマルジョンタイプの上記接着剤Bに含まれる水などの液体を揮発させる(図4の(4-6)を参照)。
そして、上記接着剤を塗布した面に、第2靴底部材12の片面を重ね合わせて、第1靴底部材11と、第2靴底部材12とを接着させる(図4の(4-7)を参照)。
図4に示すような製造方法によれば、比較的大きい接着強度を発揮できるが、有機溶媒を使用するため、地球環境保護の観点では、あまり望ましくない。このように、有機溶媒を含まないエマルジョンタイプの上記接着剤を使用する場合であっても、上述した前処理工程のように有機溶媒を含有する前処理液を使用すること等は、可能な限り控える必要がある。
上述した図4に示すような製造方法に対して、図5に示すような以下の製造方法であっても、エマルジョンタイプの上記接着剤を使用し且つ前処理工程を実施せずに、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間の接着強度を高めることができる。詳しくは、上述した図4に示す方法から前処理液を塗布する操作を除いた製造方法を実施できる。
より詳しくは、本実施形態の製造方法では、例えば図5に示すように、まず、第1靴底部材11の一方の面であって後に第2靴底部材12と接着される面に、上記と同様の放電処理を施す(図5の(5-2)を参照)。
次に、放電処理された面に有機溶媒を含む前処理液を塗布することなく、上述したエマルジョンタイプの上記接着剤Bを塗布する(図5の(5-3)を参照)。
続いて、例えば60℃程度に加熱することによって、エマルジョンタイプの上記接着剤Bに含まれる水などの液体を揮発させる(図5の(5-4)を参照)。
そして、上記接着剤を塗布した面に、第2靴底部材12の片面を重ね合わせて、第1靴底部材11と第2靴底部材12とを接着させる(図5の(5-5)を参照)。
図5に示した製造方法で靴底用部材10を製造すると、エマルジョンタイプの上記接着剤を使用するため、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間の接着強度が比較的低くなり得ると予想される。しかしながら、本実施形態の製造方法では、上述した特定組成のゴム組成物の架橋体で第1靴底部材11が形成され、さらに、第1靴底部材11の接着面が放電処理されているため、エマルジョンタイプの上記接着剤を用いて図5に示すような方法で靴底用部材10を製造しても、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間の接着強度が十分に大きくなる。なお、本実施形態において、溶液タイプの接着剤を使用して靴底用部材10を製造しても、第1靴底部材11と第2靴底部材12との間の接着強度は、十分に大きくなる。
上記のごとく製造された靴底用部材10を備える靴100は、例えば、スポーツ用シューズの用途で使用される。上記の靴100は、その他、例えばスニーカーの用途で使用されてもよい。
本実施形態の靴底用部材、靴、及び、靴底用部材の製造方法は上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の靴底用部材、靴、及び、靴底用部材の製造方法に限定されるものではない。
即ち、一般的な靴底用部材、靴、又は、靴底用部材の製造方法において用いられる種々の形態が、本発明の効果を損ねない範囲において、採用され得る。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
靴の底部に配置される第1靴底部材と、前記第1靴底部材よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材と、を備え、
ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介して、前記第1靴底部材と前記第2靴底部材とが接着されており、
前記第1靴底部材が、スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物の架橋体であり、
前記第1靴底部材における前記第2靴底部材と対向する面が、放電処理されている、靴底用部材。
(2)
前記ゴム組成物中のゴム成分に占める前記スチレン-ブタジエンゴムの質量割合が半分以上である、上記(1)に記載の靴底用部材。
(3)
前記ゴム組成物が炭酸カルシウムを含まない、又は、前記ゴム組成物が炭酸カルシウムを含み且つ前記ゴム組成物中でゴム成分100質量部に対する炭酸カルシウムの量が40質量部未満である、上記(1)又は(2)に記載の靴底用部材。
(4)
前記ゴム組成物がカップリング剤又は架橋剤の少なくとも一方をさらに含む、上記(1)乃至(3)のいずれか記載の靴底用部材。
(5)
前記ゴム組成物が前記架橋剤をさらに含み、前記架橋剤が有機過酸化物又は硫黄である、上記(4)に記載の靴底用部材。
(6)
前記ゴム組成物が脂肪酸を含まない、又は、前記ゴム組成物が脂肪酸を含み且つ前記ゴム組成物中でゴム成分100質量部に対する脂肪酸の量が1質量部未満である、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の靴底用部材。
(7)
前記ゴム組成物中のゴム成分100質量部のうちイソプレンゴムの量が50質量部未満である、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の靴底用部材。
(8)
前記ゴム組成物に含まれるゴム成分100質量部のうち60質量部以上90質量部以下が前記スチレン-ブタジエンゴムであり、且つ、前記ゴム組成物が前記ゴム成分100質量部に対して20質量部以上の前記乾式シリカを含む、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の靴底用部材。
(9)
前記ゴム組成物に含まれるゴム成分100質量部に対して(ゴム成分の量を100質量部としたときに)、前記ゴム組成物は、融点が100℃以下の粒子状の前記架橋樹脂を5質量部以上60質量部以下含む、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の靴底用部材。
(10)
上記(1)乃至(9)のいずれかに記載された靴底用部材を備える靴。
(11)
靴の底部に配置される第1靴底部材と、前記第1靴底部材と接着されており且つ前記第1靴底部材よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材とを備える靴底用部材の製造方法であって、
スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物に架橋処理を施すことによって前記第1靴底部材を作製する工程と、
前記第1靴底部材における前記第2靴底部材と接着される面に放電処理を施す工程と、
ポリウレタン樹脂を含有する接着剤によって、前記第1靴底部材における前記放電処理が施された面と、前記第2靴底部材とを接着する工程と、を備える、靴底用部材の製造方法。
(12)
前記接着剤が、水を含む液体に前記ポリウレタン樹脂が分散したエマルジョンタイプの接着剤である、上記(11)に記載の靴底用部材の製造方法。
次に実験例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下のようにして、第1靴底部材と第2靴底部材とを接着剤によって接着し、靴底用部材を製造した。各実施例及び各比較例の靴底用部材を製造するための原料、及び、第1靴底部材を形成するためのゴム組成物の配合組成を表1乃至表4に示す。
<第1靴底部材の原料>
[第1靴底部材のゴム組成物の配合原料]
(I)ゴム成分
・S-SBR:スチレン-ブタジエンゴム
製品名「アサプレン303」(旭化成社製)
分子中におけるスチレンの割合:46質量%
・BR:ブタジエンゴム
製品名「Nipol BR1220」(日本ゼオン社製)
・IR:イソプレンゴム
製品名「Nipol IR2200」(日本ゼオン社製)
(II)シリカ
・乾式シリカ:ヒュームドシリカ
製品名「アエロジル200V」(日本アエロジル社製)
平均粒子径:12nm/BET法による比表面積:200[m/g]
・湿式シリカ
製品名「ウルトラジルVN3」(デグサ社製)
平均粒子径:18nm/BET法による比表面積:170[m/g]
(II’)補強剤
炭酸カルシウム(CaCO)の粉末
(III)粒子状の架橋樹脂
・架橋処理されたエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の粒子
融点:82℃(上述したDSC測定方法による)
・架橋処理されたポリエチレン樹脂(PE)の粒子
融点:101℃(上述したDSC測定方法による)
(IV)カップリング剤
・SiSH:メルカプト系カップリング剤 化学名:2-メルカプトエチルトリエトキシシラン
製品名「NXT-Z-100」(モメンティブ社製)
・SiMS:モノスルフィド系カップリング剤 化学名:3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン
製品名「NXT-Silane」(モメンティブ社製)
(V)架橋剤
・CrPO:有機過酸化物を含む架橋剤
1,1-ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)シクロヘキサンと乾式シリカとを1:1質量比で混合したもの
・CrS:硫黄
製品名「微細硫黄200メッシュ」(細井化学社製)
(VI)架橋促進剤
・DM(チアゾール系架橋促進剤 化学名:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)
製品名「ノクセラーDM-P」(大内新興化学工業社製)
・M(チアゾール系架橋促進剤 化学名:2-メルカプトベンゾチアゾール)
製品名「ノクセラーM-P」(大内新興化学工業社製)
・TS(チウラム系架橋促進剤 化学名:テトラメチルチラウムモノスルフィド)
製品名「ノクセラーTS」(大内新興化学工業社製)
(VII)脂肪酸
・ステアリン酸
(VIII)プロセスオイル
製品名「JOMOプロセスP200」(JX日鉱日石エネルギー社製)
<ウレタン樹脂系接着剤(エマルジョンタイプ)>
1液型水性ウレタン接着剤(不揮発性分49質量%、pH約7、粘度約7000mPa・s[BM型粘度計])
<第2靴底部材>
第2靴底部材として、ポリウレタン樹脂製のシート(板状 厚さ2mm JIS K7312に準拠したA硬度95)を用意した。
<プラズマ放電処理>
大気圧下でコロナ放電によって金属電極間に1.5kWのエネルギーで発生させたプラズマ内において第1靴底部材を一方向へ移動させた。10mm/秒の速度で50秒かけて第1靴底部材を移動させる(移動距離500mm)ことによって、プラズマ放電処理(表面処理)を実施した。
なお、プラズマ放電処理装置として、大具企業有限公司(台湾メーカー)製のDJ-4347を用いた。照射源から被処理表面までの距離は30mmであった。
(試験例1~10)
表1~表4に示す各配合組成により各成分を混合して、第1靴底部材用の各ゴム組成物(未加硫状態)を調製した。次に、ゴム組成物に対して160℃、15MPaの条件で10分間、加熱プレス処理を施して、架橋体を得ることにより、第1靴底部材(厚さ2mm)を作製した。
続いて、第2靴底部材と接着される側の第1靴底部材の面をプラズマ放電処理した。処理した面に接着剤を塗布し、60℃、7分間の乾燥処理を実施した。
その後、圧力を加えつつ、塗布面を第2靴底部材と貼り合わせて、各靴底用部材を製造した。
各試験例で製造した靴底用部材について、以下のようにして、第1靴底部材と第2靴底部材との間の接着強度をそれぞれ評価した。
<接着強度の測定>
各試験例で製造された靴底用部材の試験サンプルについて、第1靴底部材と第2靴底部材との間の接着強度を測定した。測定は、「接着剤-はく離接着強さ試験方法-第3部:T形はく離(JIS K6854-3:1999)」に準拠した。
測定結果を表1乃至表4にそれぞれ示す。また、表1乃至表4の各表における結果をグラフ化したものをそれぞれ図6乃至図9に示す。各図において黒丸のプロットがプラズマ放電処理を実施した結果であり、白丸のプロットがプラズマ放電処理を実施しなかった結果である。
表1乃至表4から把握されるように、スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物の架橋体である第1靴底部材を有する靴底用部材は、その他の靴底用部材に比べて、第1靴底部材と第2靴底部材との間の接着強度が良好であった。融点100℃以下の架橋樹脂の量がゴム成分に対して多くなるほど、第1靴底部材と第2靴底部材との間の接着強度が高くなる傾向があった。
表1乃至表4に示される結果から把握されることを以下に記載する。
融点が100℃以下の架橋樹脂の量が増えるほど、接着強度が向上する傾向があった。プラズマ放電処理を実施しない場合は、融点が100℃以下の架橋樹脂の量が増えるほど接着強度が低下する傾向があったことから、斯かる架橋樹脂とプラズマ放電処理との組み合わせによって相乗的に接着強度が向上したといえる。
また、融点が100℃より高い架橋樹脂をゴム組成物が含んだ場合(試験例4)との比較から把握されるように、ゴム組成物に配合される粒子状の架橋樹脂の融点が100℃以下であるからこそ、接着強度が向上したといえる。また、ゴム組成物がシリカを含まない場合(試験例9)やシリカの代わりに炭酸カルシウムを含む場合(試験例10)との比較からわかるように、ゴム組成物がさらにシリカを含むからこそ良好な接着強度が発揮されるといえる。
ゴム組成物におけるゴム成分としては、スチレン-ブタジエンゴムとブタジエンゴムとの組み合わせが良好であった。これらのゴムを含むゴム組成物が、融点100℃以下の架橋樹脂を含むことから、良好な接着強度が発揮されるといえる(試験例5及び6)。
ゴム組成物がイソプレンゴムを含有すると、接着強度が低くなる傾向があったが、イソプレンゴムをゴム組成物に比較的少量配合することは可能である(試験例6)。
ゴム組成物は、シリカとして乾式シリカ及び湿式シリカの両方を含んでもよいが、シリカの量に占める乾式シリカの量が高いほど、接着強度がより向上する傾向がある(試験例7及び8)。
架橋剤として硫黄又は有機過酸化物のいずれを採用しても、接着強度への影響はあまり大きくなかったが、有機過酸化物を採用する方が、より接着強度を向上できた(試験例1及び2)。
なお、ゴム組成物に一般的に配合される脂肪酸(ステアリン酸)は、接着強度を下げる傾向があった(試験例3)。しかしながら、脂肪酸(ステアリン酸)をゴム組成物に比較的少量配合することは可能である。
本発明の靴底用部材は、靴の底部に配置されて好適に使用される。本発明の靴は、着用者の各足に着用されて好適に使用される。本発明の靴は、例えば、スポーツ用シューズの用途で好適に使用される。
本発明の靴底用部材の製造方法は、上記の靴底用部材を製造するために好適に使用される。
100:靴、
10:靴底用部材、
11:第1靴底部材、 12:第2靴底部材、 13:接着層、
50:アッパー材。

Claims (5)

  1. 靴の底部に配置される第1靴底部材と、前記第1靴底部材よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材と、を備え、
    ポリウレタン樹脂を含有する接着層を介して、前記第1靴底部材と前記第2靴底部材とが接着されており、
    前記第1靴底部材が、スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物の架橋体であり、
    前記第1靴底部材における前記第2靴底部材と対向する面が、放電処理されている、靴底用部材。
  2. 前記ゴム組成物中のゴム成分に占める前記スチレン-ブタジエンゴムの質量割合が半分以上である、請求項1に記載の靴底用部材。
  3. 前記ゴム組成物が炭酸カルシウムを含まない、又は、
    前記ゴム組成物が炭酸カルシウムを含み前記ゴム組成物中でゴム成分100質量部に対する炭酸カルシウムの量が40質量部未満である、請求項1又は2に記載の靴底用部材。
  4. 前記ゴム組成物が脂肪酸を含まない、又は、
    前記ゴム組成物が脂肪酸を含み前記ゴム組成物中でゴム成分100質量部に対する脂肪酸の量が1質量部未満である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の靴底用部材。
  5. 靴の底部に配置される第1靴底部材と、前記第1靴底部材と接着されており且つ前記第1靴底部材よりも着用者の足裏側に配置される第2靴底部材とを備える靴底用部材の製造方法であって、
    スチレン-ブタジエンゴムと、ブタジエンゴムと、シリカと、融点が100℃以下の粒子状の架橋樹脂とを少なくとも含むゴム組成物に架橋処理を施すことによって前記第1靴底部材を作製する工程と、
    前記第1靴底部材における前記第2靴底部材と接着される面に放電処理を施す工程と、
    ポリウレタン樹脂を含有する接着剤によって、前記第1靴底部材における前記放電処理が施された面と、前記第2靴底部材とを接着する工程と、を備える、靴底用部材の製造方法。
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