JP2023110743A - ホログラムシート、コンバイナ、ヘッドアップディスプレイ、移動体、ホログラムシートの製造方法 - Google Patents

ホログラムシート、コンバイナ、ヘッドアップディスプレイ、移動体、ホログラムシートの製造方法 Download PDF

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Naoyuki Uchiya
啓介 三浦
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Abstract

【課題】ホログラム層を無色に近づける。【解決手段】ホログラムシート30は、ホログラム層40を備える。ホログラム層40は、干渉縞が記録された第1部分41を含む。第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の回折効率より低い。【選択図】図3

Description

本開示は、ホログラムシート、ホログラムシートを有するコンバイナ、コンバイナを有するヘッドアップディスプレイ、及びヘッドアップディスプレイを有する移動体に関する。また、本開示は、ホログラムシートの製造方法に関する。
ヘッドアップディスプレイは、例えば特許文献1に示すようなコンバイナを有している。コンバイナは、ホログラム層を有している。ホログラム層は、投影機から投影された光を回折して、像を結ぶ。ヘッドアップディスプレイの観察者は、当該像を観察できる。コンバイナは透明である。観察者は、コンバイナを介してコンバイナの背後を観察できる。観察者は、像と同時にコンバイナの背後を観察できる。
特開平10-119163号公報
コンバイナが有するホログラム層は、ホログラム感材に光を照射することで製造される。ホログラム感材は、記録する光の波長の色に対する補色に着色されるための色素を含む。ホログラム層が製造された後、色素は退色する。色素の一部は、十分に退色しないことがある。退色しない色素により、ホログラム層が完全な無色にはならず、色味を帯びる。とりわけ、ホログラム層は、黄色がかっていることがある。黄色がかったホログラム層は、コンバイナの外観の品質を悪化させる。本開示は、ホログラム層を無色に近づけることを目的とする。
本開示のホログラムシートは、
ホログラム層を備え、
前記ホログラム層は、干渉縞が記録された第1部分を含み、
前記第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の回折効率より低い。
本開示のホログラムシートにおいて、
前記第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比は、1.1以上5.0以下であり、
前記第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比は、1.1以上5.0以下であってもよい。
本開示のホログラムシートにおいて、前記第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の透過率の最小値は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率の最小値より高く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の透過率の最小値より高くてもよい。
本開示のホログラムシートにおいて、
前記ホログラム層は、干渉縞が記録されていない第2部分をさらに含み、
前記第2部分において、波長420nm以上490nm以下の光の透過率の最小値は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率の最小値より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の透過率の最小値より低くてもよい。
本開示のホログラムシートにおいて、
前記ホログラム層は、干渉縞が記録されていない第2部分をさらに含み、
各波長に対する前記第2部分における光の透過率から前記第1部分における光の透過率を引いた分布において、波長420nm以上490nm以下のピークの半値全幅は、波長600nm以上780nm以下のピークの半値全幅より小さく、且つ波長500nm以上570nm以下のピークの半値全幅より小さくてもよい。
本開示のホログラムシートにおいて、前記第1部分において、L表色系におけるbの値は、6.0以下であってもよい。
本開示のコンバイナは、
第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置された上述したいずれかのホログラムシートと、を備える。
本開示のヘッドアップディスプレイは、
上述したコンバイナと、
前記コンバイナに光を投影する投影機と、を備える。
本開示のヘッドアップディスプレイにおいて、前記投影機から前記コンバイナに投影される光のうち、波長420nm以上490nm以下の光の照度は、波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光の照度より大きくてもよい。
本開示の移動体は、上述したヘッドアップディスプレイを備える。
本開示の移動体は、
板状部材をさらに備え、
前記板状部材は、前記コンバイナを含んでもよい。
本開示の第1のホログラムシートの製造方法は、
色素を含むホログラム感材を樹脂層に設ける工程と、
前記ホログラム感材に干渉縞を記録する工程と、
前記色素を退色させる工程と、を備え、
前記ホログラム感材は、赤色の色素、黄色の色素及び青色の色素を含み、
前記ホログラム感材が含む黄色の色素の量は、赤色の色素の量及び緑色の色素の量より少ない。
本開示の第2のホログラムシートの製造方法は、
色素を含むホログラム感材を樹脂層に設ける工程と、
前記ホログラム感材に干渉縞を記録する工程と、
前記色素を退色させる工程と、を備え、
前記ホログラム感材に干渉縞を記録する工程において、前記ホログラム感材に照射される波長420nm以上490nm以下の光の露光量は、波長600nm以上780nm以下の光の露光量及び波長500nm以上570nm以下の光の露光量より少ない。
本開示によれば、ホログラム層を無色に近づけることができる。
図1は、ヘッドアップディスプレイを有する移動体を示す断面図である。 図2は、移動体の板状部材の正面図である。 図3は、ヘッドアップディスプレイが有するコンバイナの断面図である。 図4は、回折効率の算出方法を説明するためのグラフである。 図5は、ホログラム層の第1部分における各波長の光の透過率を示すグラフである。 図6は、ホログラム層の第2部分における各波長の光の透過率を示すグラフである。 図7は、ピークの半値全幅の算出方法を説明するためのグラフである。 図8は、ホログラム層の製造方法の一例を説明するための図である。 図9は、ホログラム層の製造方法の一例を説明するための図である。 図10は、ホログラム層の製造方法の一例を説明するための図である。 図11は、従来のホログラム層の第1部分における各波長の光の透過率を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本開示の一実施の形態について説明する。本件明細書に添付された図面における縮尺及び縦横の寸法比等は、図示と理解のため、実物のそれらから変更し誇張されている。
本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「ホログラムシート」は板やフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念である。例えば、「ホログラムシート」は、「ホログラムフィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
「シート面」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。「シート」を「板」または「フィルム」と置き換えた場合も同様である。
本明細書において用いられる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語ならびに長さや角度の値等は、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈される。
図1は、ヘッドアップディスプレイを備えた移動体を概略的に示す斜視図である。図1には、移動体の一例として自動車1が示されている。ヘッドアップディスプレイ10は、像を表示する。ヘッドアップディスプレイ10が表示する像は、自動車1の内部の観察者Pに観察される。
ヘッドアップディスプレイ10は、投影機11と、コンバイナ20と、を有している。投影機11からの光がコンバイナ20に投影されることで、像が表示される。
自動車1は、透明な板状部材3を有している。図1に示されている例では、板状部材3は、自動車1のフロントウィンドウである。板状部材3は、自動車1のリアウィンドウ、サイドウィンドウ等であってもよい。図2には、板状部材3の平面図が示されている。図1及び図2に示されている例では、板状部材3は、ヘッドアップディスプレイ10の後述するコンバイナ20を含んでいる。図1及び図2に示されている例では、コンバイナ20は、板状部材3の一部にのみ設けられている。図示されている例に限らず、コンバイナ20は、板状部材3の全体に設けられていてもよい。図示されている例では、コンバイナ20は、板状部材3と同一の部材である。図示されている例に限らず、コンバイナ20は、板状部材3とは別体であってもよい。
「透明」とは、可視光透過率が、50%以上、好ましくは80%以上であることを意味する。可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV-3100PC」、JIS K0115準拠品)を用いて測定波長380nm以上780nm以下の範囲内で1nm毎に測定したときの、各波長における全光線透過率の平均値として特定できる。
ヘッドアップディスプレイ10の各構成要素について説明する。
投影機11は、コンバイナ20に光を投影する。投影機11がコンバイナ20に投影する光には、例えば速度情報、視界補助情報、ナビゲーション情報等の情報が含まれる。投影機11は、自動車1の内部に配置される。図1に示すように、投影機11は、自動車1のダッシュボード内に配置され、ダッシュボードによって隠蔽されていてもよい。投影機11は、例えばレーザー光源であってもよい。投影機11とコンバイナ20との間に、図示しない投射光学系が設けられていてもよい。投射光学系は、投影機11からコンバイナ20へ光を誘導する。投射光学系は、ミラー、レンズ、プリズム、回折光学素子及びこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
投影機11は、赤色の光、緑色の光及び青色の光を単独でまたは混合してコンバイナ20に投影する。赤色の光とは、例えば波長600nm以上780nm以下の光である。緑色の光とは、例えば波長500nm以上570nm以下の光である。青色の光とは、例えば波長420nm以上490nm以下の光である。投影機11が波長600nm以上780nm以下の光、波長500nm以上570nm以下の光及び波長420nm以上490nm以下の光を混合してコンバイナ20に投影する場合、投影機11からコンバイナ20に投影される各波長の光の照度を適宜に調節できる。特に、投影機11からコンバイナ20に投影される光のうち、波長420nm以上490nm以下の光の照度が、波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光の照度より大きくなるように、調節できる。照度は、例えば8230光パワー・メータ(株式会社エーディーシー製)によって測定できる。
コンバイナ20は、投影機11からの光によって、ヘッドアップディスプレイ10が表示する像を結ぶ。コンバイナ20が結ぶ像は、投影機11がコンバイナ20に投影する光に含まれる情報を含む。
コンバイナ20は、透明である。図1に示すように、観察者Pは、コンバイナ20を介して、コンバイナ20の背後に位置する対象物5を観察できる。特に、観察者Pは、コンバイナ20が結ぶ像を観察しながら、コンバイナ20の背後に位置する対象物5を観察できる。ヘッドアップディスプレイ10は、いわゆる拡張現実(AR:Augmented Reality)装置として機能する。
図3には、コンバイナ20の断面図が示されている。図3に示されているように、コンバイナ20は、第1基板21及び第2基板22と、第1接合層23及び第2接合層24と、ホログラムシート30と、を有している。ホログラムシート30は、第1基板21と第2基板22との間に配置されている。
第1基板21及び第2基板22は、ホログラムシート30を支持する。第1基板21及び第2基板22は、図3に示すように、板面が互いに略平行となるように配置されている。第1基板21及び第2基板22は、透明である。第1基板21及び第2基板22の材料は、例えばソーダライムガラスや青板ガラス等のガラスであってもよいし、アクリル樹脂やポリカーボネート等の樹脂であってもよい。第1基板21及び第2基板22は、複数の層を含んでいてもよい。第1基板21及び第2基板22の厚みは、例えば、1mm以上5mm以下であってもよい。このような厚みを有する第1基板21及び第2基板22は、強度及び光学特性に優れる。第1基板21及び第2基板22は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、異なる材料で構成されてもよいし、異なる構成を有していてもよい。
第1接合層23は、第1基板21とホログラムシート30との間に位置する。第1接合層23は、第1基板21とホログラムシート30とを接合する。第2接合層24は、第2基板22とホログラムシート30との間に位置する。第2接合層24は、第2基板22とホログラムシート30とを接合する。第1接合層23及び第2接合層24は、種々の接着性または粘着性を有する材料からなる。第1接合層23及び第2接合層24は、透明である。第1接合層23及び第2接合層24は、熱可塑性樹脂材料と可塑剤とを含んでいてもよい。熱可塑性樹脂材料は、例えばポリビニルブチラールであってもよい。可塑剤は、例えばアジピン酸ブトキシエチル系、トリエチレングリコール誘導体等であってもよい。第1接合層23及び第2接合層24の厚みは、例えば0.02mm以上1mm以下であってもよい。第1接合層23及び第2接合層24は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、材料及び構成の少なくとも一方において互いに異なっていてもよい。
コンバイナ20は、図示された例に限られず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層を有していてもよい。1つの機能層が2つ以上の機能を発揮するようにしてもよい。コンバイナ20の第1基板21及び第2基板22、第1接合層23及び第2接合層24、後述するホログラムシート30の第1樹脂層31及び第2樹脂層32の、少なくとも1つに何らかの機能が付与されていてもよい。コンバイナ20に付与される機能は、例えば、反射防止機能、耐擦傷性を有したハードコート機能、赤外線遮蔽機能、赤外線反射機能、紫外線遮蔽機能、紫外線反射機能、防汚機能、接合機能等であってもよい。
ホログラムシート30は、投影機11からの光を回折する。ホログラムシート30は透明である。図2に示すように、ホログラムシート30は、平面視において、矩形形状であってもよい。ホログラムシート30は、第1樹脂層31と、第2樹脂層32と、ホログラム層40と、を有している。ホログラム層40は、第1樹脂層31と第2樹脂層32との間に位置している。
第1樹脂層31及び第2樹脂層32は、ホログラム層40を支持するよう、ホログラム層40に重ねられている。第1樹脂層31及び第2樹脂層32は、ホログラム層40を保護してもよい。例えば、第1樹脂層31及び第2樹脂層32は、ホログラム層40に記録された干渉縞が第1接合層23及び第2接合層24に接触することを回避する。第1樹脂層31及び第2樹脂層32は、図3に示すように、シート面が互いに略平行となるように配置されている。第1樹脂層31及び第2樹脂層32は、透明である。第1樹脂層31及び第2樹脂層32の材料は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース等であってもよい。第1樹脂層31及び第2樹脂層32の厚みは、例えば、5μm以上100μm以下であってもよい。第1樹脂層31及び第2樹脂層32は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、異なる材料で構成されてもよいし、異なる構成を有していてもよい。
ホログラム層40は、第1部分41と、第2部分42と、を含む。図2に示されている例では、第2部分42は、第1部分41の外周に沿って設けられている。第2部分42は、第1部分41を囲む矩形の枠形状である。第1部分41には、光を回折するための干渉縞が記録されている。第1部分41は、特定の入射方向から入射する特定波長の光を、特定の方向に高い回折効率で回折する。典型的には、第1部分41は、波長600nm以上780nm以下の光、波長500nm以上570nm以下の光及び波長420nm以上490nm以下の光を回折する。第2部分42には、干渉縞が記録されていない。第2部分42は、入射した光を回折することなく透過させる。ホログラム層40は、第1部分41において投影機11からコンバイナ20に投影された光を干渉縞で回折して、像を結ぶ。
第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の回折効率より低い。特に、第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比は、1.1以上5.0以下、好ましくは1.2以上4.0以下である。第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比は、1.1以上5.0以下、好ましくは1.2以上4.0以下である。具体的には、第1部分41において、波長420nm以上470nm以下の光の回折効率は、5%以上80%以下であり、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率は、5.5%以上90%以下であり、波長500nm以上570nm以下の光の回折効率は、5.5%%以上90%以下である。各波長域における回折効率は、例えば分光光度計((株)島津製作所製「UV-2450」)を用いて測定した分光透過率曲線において、各波長域におけるピーク透過率Aおよびベース透過率Bから、
回折効率η=|B-A|/B×100(%)
により算出できる。図4は、あるピークにおけるピーク透過率Aおよびベース透過率Bを示している。ピーク透過率Aは、図4に示すように、ピークとして最大または最小となる透過率である。ベース透過率Bは、図4に示すように、ピーク透過率Aの両側の裾野に共通する接線における、ピーク透過率Aとなる波長での透過率である。
各波長の光の回折効率は、例えば、後述するホログラムシートを製造する工程において、各波長の光の色に対応してホログラム感材に含まれる色素の量を変化させることや、ホログラム感材に照射する光の強度や光を照射する時間を変えて露光量を変化させることで、所望の値に調節できる。
ホログラム層40の第1部分41での各波長の回折効率が異なるため、投影機11からコンバイナ20に投影される各波長の光の照度の比がコンバイナ20が表示する像の各色の比と略同一である場合、コンバイナ20が表示する像は、意図された色とは異なる色に観察され得る。第1部分41での各波長の回折効率に対応して、投影機11からコンバイナ20に投影される各波長の光の照度が調節されることが好ましい。例えばコンバイナ20が白色の像を表示する場合、投影機11からコンバイナ20に投影される光のうち、波長420nm以上490nm以下の光の照度は、波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光の照度より大きくなるように調節される。好ましくは、第1部分41における波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比に対応して、投影機11からコンバイナ20に投影される光における波長420nm以上490nm以下の光の照度に対する波長600nm以上780nm以下の光の照度の比が調節される。第1部分41における波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比に対応して、投影機11からコンバイナ20に投影される光における波長420nm以上490nm以下の光の照度に対する波長500nm以上570nm以下の光の照度の比が調節される。
ホログラム層40は、透明である。ホログラム層40の材料は、例えば、銀塩感材、重クロム酸ゼラチン、架橋性ポリマー、フォトポリマー等の感光性材料であってもよい。ホログラム層40の厚みは、例えば、1μm以上100μm以下であってもよい。
図4は、ホログラム層40の第1部分41における各波長の光の透過率のグラフである。図4に示されているように、波長420nm以上490nm以下、波長600nm以上780nm以下及び波長500nm以上570nm以下において、第1部分41の光の透過率は、局所的に低くなっている。特に、第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の透過率の最小値は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率の最小値より高く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の透過率の最小値より高くなっている。
図6は、ホログラム層40の第2部分42における各波長の光の透過率のグラフである。図6に示されているように、短い波長では、透過率が低くなっている。特に、第2部分42において、波長420nm以上490nm以下の光の透過率の最小値は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率の最小値より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の透過率の最小値より低くなっている。
各波長に対して図4に示されたピーク透過率Aの両側の裾野に共通する接線から第1部分41における光の透過率を引いた分布は、各波長に対する光の透過率が干渉縞を記録したことによってどのくらい減少したのかを表す。図7は、一例として、図5に示された第1部分41における各波長の光の透過率のグラフにおける、波長455nm付近におけるピーク透過率Aの両側の裾野の接線から第1部分41における光の透過率を引いた分布である。当該分布におけるピークの半値全幅が小さい程、ピークの波長において、干渉縞を記録したことによって光を透過させやすい。各波長に対する第2部分42における光の透過率から第1部分41における光の透過率を引いた分布において、波長420nm以上490nm以下のピークの半値全幅は、波長600nm以上780nm以下のピークの半値全幅より小さく、且つ波長500nm以上570nm以下のピークの半値全幅より小さい。波長420nm以上490nm以下の光は、波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光より第1部分41を透過しやすい。具体的には、当該分布において、波長600nm以上780nm以下のピークの半値全幅は、例えば2nm以上40nm以下であり、波長500nm以上570nm以下のピークの半値全幅は、例えば2nm以上35nm以下であり、波長420nm以上490nm以下のピークの半値全幅は、例えば1nm以上30nm以下である。図7に示されている例では、波長420nm以上490nm以下のピークの半値全幅は、8.9nmである。
ホログラム層40は、透明でありながら、色味を帯びていている。第1部分41の色度は、小さいことが好ましい。具体的には、第1部分41において、L表色系におけるbの値は、6.0以下であることが好ましく、4.6以下であることがより好ましい。
表色系におけるL、a、bの各値は、例えば分光光度計((株)島津製作所製「UV-3100PC」、JIS K0115準拠品)を用いて直線透過光を測定することで得られる波長ごとの平行光線透過率より算出することができる。特に、bの値は、JIS Z8701-1999記載の等色関数を使用し、2度視野、C光源の条件で計算される。
ホログラム層40は、位相型のホログラムであってもよいし、振幅型のホログラムであってもよい。ホログラム層40は、反射型ホログラムであってもよいし、透過型ホログラムであってもよい。ホログラム層40は、レリーフホログラムであってもよいし、計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)としてのレリーフホログラムであってもよい。ホログラム層40は、体積ホログラムであってもよい。
ヘッドアップディスプレイ10の製造方法の一例について、図8乃至図10を参照しながら説明する。ヘッドアップディスプレイ10の製造方法は、コンバイナ20を製造する工程と、コンバイナ20に対して適切な位置に投影機11を配置する工程と、を含む。コンバイナ20を製造する工程は、ホログラムシート30を製造する工程と、第1基板21及び第2基板22とホログラムシート30とを接合する工程と、第1基板21及び第2基板22を圧着する工程と、を含む。
ホログラムシート30を製造する工程は、第1樹脂層31にホログラム感材を設ける工程と、ホログラム感材40aに干渉縞を記録する工程と、第2樹脂層32を重ねる工程と、ホログラム感材40aが含む色素を退色させる工程と、を含む。
図8に示すように、第1樹脂層31上にホログラム感材40aを設ける。ホログラム感材40aは、干渉縞を記録する光の波長の色に対応した色に着色されるための色素を含む。色素は、記録する光の波長の色に対する補色となっている。具体的には、波長600nm以上780nm以下の赤色の干渉縞を記録する場合、ホログラム感材40aは、青色の色素を含む。波長500nm以上570nm以下の緑色の干渉縞を記録する場合、ホログラム感材40aは、赤色の色素を含む。波長420nm以上490nm以下の青色の干渉縞を記録する場合、ホログラム感材40aは、黄色の色素を含む。これら各色の色素は、例えば、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素、シクロペンタノン系色素、シクロヘキサノン系色素等が例示される。シアニン、メロシアニン系色素の具体例としては、3,3’-ジカルボキシエチル-2,2’-チオシアニンブロミド、1-カルボキシメチル-1’-カルボキシエチル-2,2’-キノシアニンブロミド、1,3’-ジエチル-2,2’-キノチアシアニンヨージド、3-エチル-5-[(3-エチル-2(3H)-ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]-2-チオキソ-4-オキサゾリジン、3,9-ジエチル-3’-カルボキシメチル-2,2’-チアカルボシアニン・ヨウ素塩等が挙げられ、クマリン、ケトクマリン系色素の具体例としては、3-(2’-ベンゾイミダゾール)-7-ジエチルアミノクマリン、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3,3’-カルボニルビスクマリン、3,3’-カルボニルビス(5,7-ジメトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-アセトキシクマリン)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ホログラム感材40aは、赤色、黄色、青色の色素の2以上を含んでもよい。ホログラム感材40aが含む黄色の色素の量は、赤色の色素の量及び緑色の色素の量より少なくてもよい。
図8に示すように、ホログラム層40の第2部分42となる位置において、ホログラム感材40aにマスク50を設ける。マスク50は、形成されるホログラム層40の第2部分42に対応した形状となっており、例えば矩形の枠形状である。マスク50は、光を遮る。ホログラム感材40aに対して、ホログラム層40が像を結ぶべき位置から物体光を照射する。同時に、ホログラム感材40aに対して、投影機11がコンバイナ20に光を投影する方向から、参照光を照射する。物体光及び参照光は、波長600nm以上780nm以下の光、波長500nm以上570nm以下の光及び波長420nm以上490nm以下の光を含む。ホログラム感材40aに照射される物体光及び参照光の波長420nm以上490nm以下の光の露光量は、波長600nm以上780nm以下の光の露光量及び波長500nm以上570nm以下の光の露光量より少なくてもよい。ホログラム感材40aに物体光及び参照光が照射されると、対応する波長ごとに物体光と参照光とが干渉して、ホログラム感材40aに明暗パターンである干渉縞が記録される。図9に示すように、ホログラム感材40aのマスク50が設けられていない部分は、干渉縞が記録されて、ホログラム層40の第1部分41となる。ホログラム感材40aのマスク50が設けられた部分は、マスク50が光を遮るため、干渉縞が記録されず、ホログラム層40の第2部分42となる。
その後、マスク50を除去する。図10に示すように、ホログラム層40に対して第1樹脂層31とは反対側から第2樹脂層32を重ねる。
ホログラム層40が含む色素を退色させる。例えば、ホログラムシート30を蛍光灯下に48時間以上晒すことで、色素が不感化して退色する。色素が退色することで、ホログラム層40が呈する色が薄くなる。以上の工程により、ホログラムシート30が製造される。
第1基板21及び第2基板22とホログラムシート30とを接合する。第1基板21の片面に第1接合層23が貼合される。第2基板22の片面に第2接合層24が貼合される。ホログラムシート30の一方の面に第1接合層23を介して第1基板21が接合される。ホログラムシート30の他方の面に第2接合層24を介して第2基板22が接合される。
第1基板21及び第2基板22を圧着する。具体的には、低圧環境下、好ましくは真空環境下で、第1基板21及び第2基板22が、100℃以上150℃以下の範囲内の温度で約1時間加圧される。第1接合層23及び第2接合層24が第1基板21、第2基板22及びホログラムシート30にそれぞれ溶着する。このような条件であれば、第1接合層23及び第2接合層24と他の部材との界面に気泡が混入することが抑制される。これにより、第1接合層23、第2接合層24及びホログラムシート30を介して、第1基板21及び第2基板22が圧着される。
以上の工程により、図3に示されるようなコンバイナ20が製造される。
コンバイナ20を所望の位置に配置した後、コンバイナ20に対して適切な位置に投影機11を配置する。具体的には、ホログラム層40を製造する工程において、ホログラム感材に参照光を照射した方向からホログラム層40に光を投影するように、投影機11を配置する。以上の工程により、ヘッドアップディスプレイ10が製造される。
ヘッドアップディスプレイ10の作用について説明する。
投影機11から投影された光は、コンバイナ20に入射する。コンバイナ20において、光は、第1基板21、第1接合層23及び第1樹脂層31を透過して、ホログラム層40に入射する。ホログラム層40に入射した光は、ホログラム層40の第1部分41に記録された干渉縞で回折される。回折した光は、像を結び、ヘッドアップディスプレイ10が表示する像として観察者Pに観察される。また、外部からコンバイナ20に入射する光は、コンバイナ20を透過して、観察者Pに観察される。観察者Pは、コンバイナ20が結ぶ像を観察しながら、コンバイナ20の背後に位置する対象物5を観察できる。
ホログラム層は、ホログラム感材に光を照射することで製造される。ホログラム感材は、色素を含んでいる。ホログラム層が製造された後、色素は退色する。色素は、退色しても完全な無色にならないことがある。特に、ホログラム感材が青色の干渉縞を記録するために含む黄色の色素は、十分には退色しにくい。黄色の色素が十分に退色しないと、ホログラム層は、黄色がかる。黄色がかったホログラム層は、ホログラム層を有する部材の意匠性を悪化させる。とりわけ、ホログラム層を有するコンバイナがフロントガラスに適用される場合、黄色がかったホログラム層は、耐候劣化を想起させるため、好ましくない。
図11は、従来のホログラム層の干渉縞が記録された第1部分における各波長の光の透過率のグラフである。図11に示されているように、第1部分では、波長420nm以上490nm以下の光の透過率は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の透過率より低くなっている。波長420nm以上490nm以下の光は、波長600nm以上780nm以下の光や波長500nm以上570nm以下の光より第1部分41を透過しにくい。色素によって第1部分自体が黄色がかっていることと合わせて、第1部分において、ホログラム層が黄色がかる。具体的にL表色系におけるbの値を測定すると、従来のホログラム層の第1部分のbの値は、6.21であった。
本実施の形態において、ホログラムシート30のホログラム層40では、干渉縞が記録された第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の回折効率より低い。第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の透過率は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率及び波長500nm以上570nm以下の光の透過率より高くなる。波長420nm以上490nm以下の光は、波長600nm以上780nm以下の光や波長500nm以上570nm以下の光より第1部分41を透過しやすい。第1部分41自体が黄色がかっていても、第1部分41を透過する光は、青色と黄色とが混色して、無色に近くなる。ホログラム層40の色を無色に近づけることができる。
第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比は、1.1以上5.0以下であり、第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比は、1.1以上5.0以下である。波長420nm以上490nm以下の光に対する波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光の回折効率が適切な比率となっていることで、波長420nm以上490nm以下の光は、波長600nm以上780nm以下の光や波長500nm以上570nm以下の光に対して適切な割合で第1部分41を透過する。第1部分41を透過する光が、青色と黄色とが適切に混色して、無色により近くなる。ホログラム層40の色を無色により近づけることができる。
第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の透過率の最小値は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率の最小値より高く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の透過率の最小値より高い。波長420nm以上490nm以下の光は、波長600nm以上780nm以下の光や波長500nm以上570nm以下の光より第1部分41をより透過しやすい。第1部分41自体が黄色がかっていても、第1部分41を透過する光は、青色と黄色とが混色して、無色により近くなる。ホログラム層40の色を無色により近づけることができる。
各波長に対する第2部分42における光の透過率から第1部分41における光の透過率を引いた分布において、波長420nm以上490nm以下のピークの半値全幅は、波長600nm以上780nm以下のピークの半値全幅より小さく、且つ波長500nm以上570nm以下のピークの半値全幅より小さい。波長420nm以上490nm以下の光は、波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光より干渉縞を記録したことによって減少した透過率が小さい。干渉縞を記録しても、波長420nm以上490nm以下の光は、波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光より第1部分41を透過率が小さくならない。波長420nm以上490nm以下の光を波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光より第1部分41を透過しやすくできる。第1部分41自体が黄色がかっていても、第1部分41を透過する光は、青色と黄色とが混色して、無色により近くなる。ホログラム層40の色を無色により近づけることができる。
第1部分41において、L表色系におけるbの値は、6.0以下である。第1部分41の色度が十分に小さくなっている。第1部分41が色味を帯びて観察されにくい。ホログラム層の第1部分が無色に観察される。
投影機11からコンバイナ20に投影される光のうち、波長420nm以上490nm以下の光の照度は、波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光の照度より大きい。第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の回折効率より低くなっていても、コンバイナ20が適切な色で像を表示できる。
本実施の形態のホログラムシート30は、ホログラム層40を備え、ホログラム層40は、干渉縞が記録された第1部分41を含み、第1部分41において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の回折効率より低い。このようなホログラムシート30によれば、波長420nm以上490nm以下の光は、波長600nm以上780nm以下の光や波長500nm以上570nm以下の光より第1部分41で回折しにくいため、第1部分41を透過しやすい。第1部分41自体が黄色がかっていても、第1部分41を透過する光は、青色と黄色とが混色して、無色に近くなる。ホログラム層40の色を無色に近づけることができる。
コンバイナ20は、自動車以外の、鉄道車両、航空機、船舶、宇宙船等の移動体の窓或いは扉の透明部分に用いてもよい。コンバイナ20は、移動体以外にも、特に室内と室外とを区画する箇所、例えばビルや店舗、住宅の窓或いは扉の透明部分、建物の窓又は扉、冷蔵庫、展示箱、戸棚等の収納乃至保管設備の窓あるいは扉の透明部分等の板状部材に使用することもできる。
以下、実施例を用いて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1として、ホログラム感材に物体光及び参照光を1cmあたり40mJで照射してホログラム層を作製した。このホログラム層の第1部分における波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、11.89%であり、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率は42.81%であり、波長500nm以上570nm以下の光の回折効率は33.87%であった。第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比は、3.60であり、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比は、2.85である。実施例1のホログラム層の第1部分のL表色系におけるbの値は、4.59であった。実施例1のホログラム層の第1部分を目視で観察したところ、ホログラム層の色味は意匠性を害さない程度に十分に低減されていた。
実施例2として、ホログラム感材に物体光及び参照光を1cmあたり80mJで照射してホログラム層を作製した。このホログラム層の第1部分における波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、30.14%であり、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率は40.48%であり、波長500nm以上570nm以下の光の回折効率は43.91%であった。第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比は、1.34であり、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比は、1.46である。実施例2のホログラム層の第1部分のL表色系におけるbの値は、5.47であった。実施例2のホログラム層の第1部分を目視で観察したところ、ホログラム層の意匠性を害さない程度にしか黄色がかっていなかった。
比較例として、ホログラム感材に物体光及び参照光を1cmあたり120mJで照射してホログラム層を作製した。このホログラム層の第1部分における波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、62.03%であり、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率は54.15%であり、波長500nm以上570nm以下の光の回折効率は54.47%であった。第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比は、0.88であり、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比は、0.87である。比較例のホログラム層の第1部分のL表色系におけるbの値は、14.7であった。比較例のホログラム層の第1部分を目視で観察したところ、ホログラム層は、黄色がかって観察された。
実施例1,2と比較例との比較から、第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率が波長600nm以上780nm以下の光の回折効率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の回折効率より低くなっていることで、ホログラム層が無色に近く観察されることが理解される。
実施例1と実施例2との比較から、第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比が、1.1以上5.0以下であり、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比が、1.1以上5.0以下であることで、ホログラム層がより無色に近づくことが理解される。
1 自動車
3 板状部材
5 対象物
10 ヘッドアップディスプレイ
11 投影機
20 コンバイナ
21 第1基板
22 第2基板
23 第1接合層
24 第2接合層
30 ホログラムシート
31 第1樹脂層
32 第2樹脂層
40 ホログラム層
41 第1部分
42 第2部分
50 マスク
P 観察者

Claims (13)

  1. ホログラム層を備え、
    前記ホログラム層は、干渉縞が記録された第1部分を含み、
    前記第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率は、波長600nm以上780nm以下の光の回折効率より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の回折効率より低い、ホログラムシート。
  2. 前記第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長600nm以上780nm以下の光の回折効率の比は、1.1以上5.0以下であり、
    前記第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の回折効率に対する波長500nm以上570nm以下の光の回折効率の比は、1.1以上5.0以下である、請求項1に記載のホログラムシート。
  3. 前記第1部分において、波長420nm以上490nm以下の光の透過率の最小値は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率の最小値より高く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の透過率の最小値より高い、請求項1または2に記載のホログラムシート。
  4. 前記ホログラム層は、干渉縞が記録されていない第2部分をさらに含み、
    前記第2部分において、波長420nm以上490nm以下の光の透過率の最小値は、波長600nm以上780nm以下の光の透過率の最小値より低く、且つ波長500nm以上570nm以下の光の透過率の最小値より低い、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のホログラムシート。
  5. 前記ホログラム層は、干渉縞が記録されていない第2部分をさらに含み、
    各波長に対する前記第2部分における光の透過率から前記第1部分における光の透過率を引いた分布において、波長420nm以上490nm以下のピークの半値全幅は、波長600nm以上780nm以下のピークの半値全幅より小さく、且つ波長500nm以上570nm以下のピークの半値全幅より小さい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のホログラムシート。
  6. 前記第1部分において、L表色系におけるbの値は、6.0以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のホログラムシート。
  7. 第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に配置された請求項1乃至6のいずれか一項に記載のホログラムシートと、を備える、コンバイナ。
  8. 請求項7に記載のコンバイナと、
    前記コンバイナに光を投影する投影機と、を備える、ヘッドアップディスプレイ。
  9. 前記投影機から前記コンバイナに投影される光のうち、波長420nm以上490nm以下の光の照度は、波長600nm以上780nm以下の光及び波長500nm以上570nm以下の光の照度より大きい、請求項8に記載のヘッドアップディスプレイ。
  10. 請求項9に記載のヘッドアップディスプレイを備える、移動体。
  11. 板状部材をさらに備え、
    前記板状部材は、前記コンバイナを含む、請求項10に記載の移動体。
  12. 色素を含むホログラム感材を樹脂層に設ける工程と、
    前記ホログラム感材に干渉縞を記録する工程と、
    前記色素を退色させる工程と、を備え、
    前記ホログラム感材は、赤色の色素、黄色の色素及び青色の色素を含み、
    前記ホログラム感材が含む黄色の色素の量は、赤色の色素の量及び緑色の色素の量より少ない、ホログラムシートの製造方法。
  13. 色素を含むホログラム感材を樹脂層に設ける工程と、
    前記ホログラム感材に干渉縞を記録する工程と、
    前記色素を退色させる工程と、を備え、
    前記ホログラム感材に干渉縞を記録する工程において、前記ホログラム感材に照射される波長420nm以上490nm以下の光の露光量は、波長600nm以上780nm以下の光の露光量及び波長500nm以上570nm以下の光の露光量より少ない、ホログラムシートの製造方法。
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