JP2023110704A - 車両の制御装置 - Google Patents

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友宏 珍部
Tomohiro Chinbe
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武 明樂
Takeshi Akira
孝志 井上
Takashi Inoue
貴彦 堤
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Abstract

【課題】低温下においてエンジン始動後のシフト操作による応答性を確保しつつ、エンストの発生を抑制できる車両の制御装置を提供する。【解決手段】車両10の電子制御装置90は、(a)エンジントルクTeが自動変速機28の入力軸であるAT入力軸26に伝達された状態であり且つブレーキB2(所定の係合装置)の作動状態を制御する作動油OILの油温THoilが所定の低温度範囲にある場合、非走行レンジから走行レンジへの切替前において係合状態に切り替えられるとエンジン回転速度Neを変動させるブレーキB2を係合状態に切り替える係合制御を開始し且つブレーキB1,クラッチC1,C3,C4(第2の係合装置)を解放状態に維持する制御を実行する係合装置制御部98cと、(b)ブレーキB2の係合制御の実行中に、その係合制御の開始前に比較してエンジントルクTeを高くするトルクアップ制御を実行するトルクアップ制御部98dと、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンと遊星歯車式の自動変速機とを備える車両の、制御装置に関する。
エンジンと遊星歯車式の自動変速機とを備える車両の制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両の制御装置がそれである。特許文献1に記載の車両の制御装置では、低温下においてエンジン始動後のシフト操作による応答性確保(=応答性の低下の抑制)のため、複数の摩擦係合装置のうち走行レンジで係合状態とされる一部の摩擦係合装置を非走行レンジから走行レンジへの切替前に事前に係合させておくことが開示されている。
特開2012-17822号公報
特許文献1に記載の車両の制御装置では、低温下において作動油の粘性が高いために前記一部の摩擦係合装置(特に、ブレーキ)を係合状態にすると、その一部の摩擦係合装置が作動油を引き摺ることにより自動変速機内で回転変動が生じる。この自動変速機内での回転変動によりエンジンの回転速度が引き下げられることによってエンジン・ストール(以下、「エンスト」と記す。)が発生するおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、低温下においてエンジン始動後のシフト操作による応答性を確保しつつ、エンストの発生を抑制できる車両の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられ且つ油圧式の複数の摩擦係合装置を有する遊星歯車式の自動変速機と、を備え、前記複数の摩擦係合装置は、第1の係合装置及び複数の第2の係合装置を含み、前記第2の係合装置が解放状態とされると前記自動変速機がニュートラル状態とされ且つ走行レンジにおける変速段を形成する場合には前記第2の係合装置のうちの少なくとも一部の係合装置及び前記第1の係合装置がいずれも係合状態とされる、車両の、制御装置であって、(a)前記エンジンの出力トルクが前記自動変速機の入力軸に伝達された状態であり且つ前記第1の係合装置の作動状態を制御する作動油の油温が所定の低温度範囲にある場合、非走行レンジから前記走行レンジへの切替前において前記第1の係合装置のうち係合状態に切り替えられると前記エンジンの回転速度を変動させる所定の係合装置を係合状態に切り替える係合制御を開始し且つ前記第2の係合装置を解放状態に維持する制御を実行する係合装置制御部と、(b)前記係合制御の実行中に、前記係合制御の開始前に比較して前記エンジンの出力トルクを高くするトルクアップ制御を実行するトルクアップ制御部と、を有することにある。
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記トルクアップ制御部は、前記係合制御の実行中における前記所定の係合装置が半係合状態である期間において、前記トルクアップ制御を実行することにある。
第3発明の要旨とするところは、第1発明又は第2発明において、前記トルクアップ制御部は、前記係合制御の実行中における前記所定の係合装置のパック詰め期間において、前記トルクアップ制御を実行することにある。
第4発明の要旨とするところは、第1発明乃至第3発明のいずれか1の発明において、前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量は、前記油温に応じて設定されることにある。
第5発明の要旨とするところは、第1発明乃至第4発明のいずれか1の発明において、前記トルクアップ制御の実行中に前記非走行レンジから前記走行レンジへ切り替えられた場合には、前記トルクアップ制御部は、前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量を漸減させることにある。
第6発明の要旨とするところは、第1発明乃至第5発明のいずれか1の発明において、前記トルクアップ制御の実行により前記エンジンの回転速度が所定の回転速度以上となった場合には、前記トルクアップ制御部は、前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量を漸減させることにある。
第7発明の要旨とするところは、第1発明乃至第6発明のいずれか1の発明において、前記エンジンを起動させる起動スイッチがオン状態の場合には、前記係合装置制御部は前記係合制御を実行するとともに前記トルクアップ制御部は前記トルクアップ制御を実行し、前記起動スイッチがオフ状態の場合には、前記係合装置制御部は前記係合制御を実行せず且つ前記トルクアップ制御部は前記トルクアップ制御を実行しないことにある。
第1発明の車両の制御装置によれば、(a)前記エンジンの出力トルクが前記自動変速機の入力軸に伝達された状態であり且つ前記第1の係合装置の作動状態を制御する作動油の油温が所定の低温度範囲にある場合、非走行レンジから前記走行レンジへの切替前において前記第1の係合装置のうち係合状態に切り替えられると前記エンジンの回転速度を変動させる所定の係合装置を係合状態に切り替える係合制御を開始し且つ前記第2の係合装置を解放状態に維持する制御を実行する係合装置制御部と、(b)前記係合制御の実行中に、前記係合制御の開始前に比較して前記エンジンの出力トルクを高くするトルクアップ制御を実行するトルクアップ制御部と、が備えられる。作動油の油温が所定の低温度範囲にある場合、非走行レンジから走行レンジへの切替前において所定の係合装置を係合状態に切り替える係合制御が開始されることからエンジン始動後のシフト操作による応答性が確保されるとともに、エンジンの出力トルクを高くするトルクアップ制御が実行されることから自動変速機内での回転変動に起因したエンストの発生が抑制される。
第2発明の車両の制御装置によれば、第1発明において、前記トルクアップ制御部は、前記係合制御の実行中における前記所定の係合装置が半係合状態である期間において、前記トルクアップ制御を実行する。係合制御の実行中における所定の係合装置が半係合状態である期間においてトルクアップ制御が実行されることから、この期間における自動変速機内での回転変動に起因したエンストの発生が抑制される。
第3発明の車両の制御装置によれば、第1発明又は第2発明において、前記トルクアップ制御部は、前記係合制御の実行中における前記所定の係合装置のパック詰め期間において、前記トルクアップ制御を実行する。係合制御の実行中における所定の係合装置のパック詰め期間においてトルクアップ制御が実行されることから、この期間における自動変速機内での回転変動に起因したエンストの発生が抑制される。
第4発明の車両の制御装置によれば、第1発明乃至第3発明のいずれか1の発明において、前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量は、前記油温に応じて設定される。自動変速機内での回転変動(時間当たりの変動量)は、油温に応じて変化する。トルクアップ制御におけるエンジンの出力トルクの増量が油温に応じて設定されることから、油温に応じて設定されない場合に比較して自動変速機内での回転変動に起因したエンストの発生を抑制するためのエンジンの出力トルクの増量を小さくすることが可能となる。これにより燃費の増加が抑制される。
第5発明の車両の制御装置によれば、第1発明乃至第4発明のいずれか1の発明において、前記トルクアップ制御の実行中に前記非走行レンジから前記走行レンジへ切り替えられた場合には、前記トルクアップ制御部は、前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量を漸減させる。走行レンジに切り替えられた場合には、それに伴ってエンジンの出力トルクが高くされるため、トルクアップ制御におけるエンジンの出力トルクの増量は零値でも良い。トルクアップ制御におけるエンジンの出力トルクの増量が漸減させられることで、トルクアップ制御におけるエンジンの出力トルクの増量が瞬時に減少させられる場合に比較して、駆動輪に伝達される駆動トルクの減少によって運転者(=ドライバー)が覚える違和感が低減される。
第6発明の車両の制御装置によれば、第1発明乃至第5発明のいずれか1の発明において、前記トルクアップ制御の実行により前記エンジンの回転速度が所定の回転速度以上となった場合には、前記トルクアップ制御部は、前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量を漸減させる。トルクアップ制御の実行によりエンジンの回転速度が所定の回転速度以上となった場合(例えば、エンジンが吹き上がった場合)に、トルクアップ制御におけるエンジンの出力トルクの増量が漸減させられることで、エンジンの吹き上がりが解消される。
第7発明の車両の制御装置によれば、第1発明乃至第6発明のいずれか1の発明において、前記エンジンを起動させる起動スイッチがオン状態の場合には、前記係合装置制御部は前記係合制御を実行するとともに前記トルクアップ制御部は前記トルクアップ制御を実行し、前記起動スイッチがオフ状態の場合には、前記係合装置制御部は前記係合制御を実行せず且つ前記トルクアップ制御部は前記トルクアップ制御を実行しない。起動スイッチがオフ状態の場合には、エンジンを停止する制御が実行されるため、エンストの発生を抑制する必要がない。そのため、起動スイッチがオフ状態の場合に係合装置制御部による係合制御が実行されず且つトルクアップ制御部によるトルクアップ制御が実行されない場合には、そうでない場合に比較してエンジンが速やかに停止させられる。
本発明の実施例に係る電子制御装置を備える車両の概略構成図であるとともに、車両における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。 図1に示す自動変速機の概略構成を説明する図である。 図2に示す自動変速機の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動状態の組み合わせとの関係を説明する作動係合表である。 図1に示す電子制御装置の制御作動を説明するフローチャートの一例である。 図4のフローチャートが実行された場合におけるタイムチャートの一例である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。また、本明細書において、クラッチK0や複数の変速用係合装置CBにおいて、「完全係合状態」と「半係合状態(スリップ状態)」とを特に区別していない場合には、「係合状態」とは「完全係合状態」のことを意味する。
図1は、本発明の実施例に係る車両10の概略構成図であるとともに、車両10における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。
車両10は、走行用駆動力源PGであるエンジン12及び電動機MGと、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路PTに設けられた動力伝達装置16と、を備えるハイブリッド車両である。また、車両10は、補機バッテリ40、スタータリレー42、スタータモータ44、エンジン制御装置50、EOP駆動装置52、EOP54、メインバッテリ56、インバータ58、油圧制御回路60、シフトレバー84、イグニッションスイッチ88、及び電子制御装置90を備える。
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース18内において、エンジン12側から順に、エンジン連結軸20、クラッチK0、電動機連結軸22、トルクコンバータ24、自動変速機28の入力回転部材であるAT入力軸26、自動変速機28等を備える。また、動力伝達装置16は、自動変速機28の出力回転部材であるAT出力軸30に連結されたデフ32、デフ32に連結された一対の車軸34等を備える。
エンジン12は、周知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTe[Nm]が制御される。なお、本明細書では、特に区別しない場合には、トルク、駆動力、動力、及び力(パワー)は同意である。
スタータモータ44は、例えば補機バッテリ40に蓄えられた電力がスタータリレー42を介して供給されて回転駆動されることによりエンジン12をクランキングして運転状態にさせる直流モータである。
エンジン連結軸20は、エンジン12とクラッチK0とを連結する部材であって、例えばクランク軸である。
電動機MGは、例えば電気エネルギーから機械的な動力を発生させる電動機としての機能(電動機機能)及び機械的な動力から電気エネルギーを発生させる発電機としての機能(発電機機能)を備えた所謂モータジェネレータである。電動機MGは、動力伝達経路PTに動力伝達可能に接続されている。電動機MGは、後述する電子制御装置90によってインバータ58が制御されることにより、電動機MGの出力トルクであるMGトルクTmg[Nm]が制御される。
電動機MGは、メインバッテリ56に蓄えられた電力がインバータ58を介して供給されて回転駆動されることにより例えば車両10の走行用駆動力を出力したり、エンジン12からクラッチK0を介して入力される駆動力或いは駆動輪14側から入力される被駆動力を電力に変換して発電したりする。それら発電された電力は、インバータ58を介してメインバッテリ56に充電される。メインバッテリ56は、電動機MGに対して電力を授受する蓄電装置である。
インバータ58は、電動機MGとメインバッテリ56との間に設けられ、電子制御装置90によって制御されることにより直流を交流に変換したり交流を直流に変換したりする電源回路である。
クラッチK0は、エンジン12に連結されたエンジン連結軸20と、電動機MGのロータに連結された電動機連結軸22と、の間の動力伝達を断接する摩擦係合装置であり、例えば湿式多板型の油圧式の摩擦係合装置である。
トルクコンバータ24は、電動機連結軸22に連結されたポンプ翼車と、AT入力軸26に連結されたタービン翼車と、ポンプ翼車とタービン翼車とを直結するロックアップクラッチLUと、を備える周知のトルクコンバータである。トルクコンバータ24は、走行用駆動力源PGから出力された走行用駆動力を流体を介して電動機連結軸22からAT入力軸26へ伝達できる流体式伝動装置である。車両10は、機械式のオイルポンプであるMOP36を備える。MOP36は、ポンプ翼車に連結されており、走行用駆動力源PG(エンジン12、電動機MG)により回転駆動させられて、ケース18内の各部で用いられる作動油OILを吐出する。作動油OILは、例えばATF(Automatic Transmission Fluid)等の自動変速機用の作動油であって、自動変速機28の変速制御やクラッチK0の断接制御などを行うために設けられた油圧アクチュエータの作動油として用いられるとともにケース18内のトルクコンバータ24や自動変速機28などの各部に供給される冷却油及び潤滑油として用いられる。
EOP54は、不図示のEOP駆動用モータを含むEOP駆動装置52により駆動され、これによりケース18内の各部で用いられる作動油OILを吐出する周知の電動式オイルポンプである。EOP駆動装置52は、補機バッテリ40に蓄えられた電力を用いて駆動される。EOP54は、必要なときに必要なだけ駆動することが可能である。例えば、EOP54は、エンジン12や電動機MGの回転とは独立して、EOP駆動装置52によって任意のタイミングで任意の期間だけ駆動可能である。EOP駆動用モータは、EOP54を駆動できればその形式に特に限定はないが、例えば三相のブラシレスDCモータである。
自動変速機28は、動力伝達経路PTに設けられ、複数の変速用係合装置CBを有し、複数の変速用係合装置CBのいずれかの掴み替えによる所謂クラッチツゥクラッチ変速が実行される遊星歯車式の有段変速機である。複数の変速用係合装置CBは、例えばクラッチC1~C4やブレーキB1~B2(図2参照)等の油圧式の摩擦係合装置である。自動変速機28は、クラッチツゥクラッチ変速により複数の変速段(=ギヤ段)から一の変速段が選択的に形成させられることにより、AT入力軸26の回転を変速してAT出力軸30から出力することが可能である。また、自動変速機28は、ニュートラル状態とすることも可能である。AT入力軸26は、トルクコンバータ24のタービン翼車によって回転駆動されるタービン軸でもある。自動変速機28では、複数の変速用係合装置CBのそれぞれの作動状態(係合状態や解放状態)を制御する係合解放制御により、運転者のアクセル操作や車速V[km/h]等に応じて所定の変速段が形成させられる。なお、AT入力軸26は、本発明における「自動変速機の入力軸」に相当する。複数の変速用係合装置CBは、本発明における「複数の摩擦係合装置」に相当する。
図2は、図1に示す自動変速機28の概略構成を説明する図である。自動変速機28は、AT入力軸26及びAT出力軸30に共通する回転軸線に対して略対称的に構成されており、図2ではその回転軸線に対して下半分が省略されている。図3は、図2に示す自動変速機28の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動状態の組み合わせとの関係を説明する作動係合表である。図3において、「○」は「係合状態」を表し、「△」は「係合・解放のいずれの状態も可」を表し、「空欄」は「解放状態」を表している。自動変速機28は、トルクコンバータ24のタービン軸に連結されたAT入力軸26の回転を多段階で変速してAT出力軸30から出力する。自動変速機28は、複数組の遊星歯車装置(遊星歯車装置62,64,66,68)と、複数の変速用係合装置CBと、を備え、図2に示すように連結されている。遊星歯車装置62,66,68は、それぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、遊星歯車装置64は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置である。遊星歯車装置62及び遊星歯車装置64は、所謂ラビニヨ型の遊星歯車列を構成している。自動変速機28は、複数の変速用係合装置CBが図3の作動係合表に示すように、個別に制御された係合状態及び解放状態の組み合わせによって変速比γat(=AT入力軸回転速度Nin[rpm]/AT出力軸回転速度Nout[rpm])が異なる前進用10速の変速段(第1速変速段「1st」~第10速変速段「10th」)のいずれかが形成させられたり、後進用の変速段が形成させられたりする。AT入力軸回転速度NinはAT入力軸26の回転速度であり、AT出力軸回転速度NoutはAT出力軸30の回転速度である。AT出力軸回転速度Noutは車速Vに対応する。
自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられた場合において、例えばDレンジのうち変速比γatが最も大きいすなわち最も低速側の変速段「1st」が形成された場合には、ブレーキB2及びクラッチC2はいずれも係合状態とされている。また、自動変速機28が非走行レンジからRレンジへ切り替えられた場合にも、ブレーキB2及びクラッチC2はいずれも係合状態とされている。ブレーキB2及びクラッチC2の断接状態にかかわらず、ブレーキB1及びクラッチC1,C3,C4が解放状態とされると、自動変速機28はニュートラル状態とされる。Dレンジの変速段「1st」が形成された場合には、クラッチC1が係合状態とされ、Rレンジへ切り替えられた場合には、クラッチC3が係合状態とされている。なお、ブレーキB2及びクラッチC2は、本発明における「第1の係合装置」に相当し、ブレーキB1及びクラッチC1,C3,C4は、本発明における「複数の第2の係合装置」に相当する。自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられて変速段「1st」が形成される場合には、クラッチC1は、本発明における「第2の係合装置のうちの少なくとも一部の係合装置」に相当し、自動変速機28が非走行レンジからRレンジへ切り替えられる場合には、クラッチC3は、本発明における「第2の係合装置のうちの少なくとも一部の係合装置」に相当する。
複数の変速用係合装置CBは、それぞれ周知の油圧式の摩擦係合装置であって、例えば油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される。複数の変速用係合装置CBは、油圧制御回路60によってそれぞれ係合解放制御され、その油圧制御回路60内のリニアソレノイドバルブ等の調圧によりそれぞれのトルク容量すなわち係合力が例えば連続的に変化させられて、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結する。
図1に戻り、デフ32は、自動変速機28のAT出力軸30から伝達された走行用駆動力を受けて、一対の車軸34に対し適宜回転速度差を許容しつつ相互に等しい駆動トルクを伝達する、周知のデフである。
シフトレバー84のシフト操作ポジションPOSshは、例えば「P操作ポジション」、「R操作ポジション」、「N操作ポジション」、「D操作ポジション」の各操作ポジションである。P操作ポジションは、自動変速機28をPレンジ(=ニュートラル状態とされ且つAT出力軸30が回転不能に機械的に固定されるレンジ)にするパーキング操作ポジションである。R操作ポジションは、自動変速機28をRレンジ(=車両10の後進走行を可能とするレンジ)にする後進走行操作ポジションである。N操作ポジションは、自動変速機28をNレンジ(=ニュートラル状態とされるレンジ)にするニュートラル操作ポジションである。D操作ポジションは、自動変速機28をDレンジ(=自動変速機28の全ての変速段を用いて自動変速制御を実行して前進走行を可能とするレンジ)にする前進走行操作ポジションである。運転者により「P操作ポジション」、「R操作ポジション」、「N操作ポジション」、「D操作ポジション」の各操作ポジションが選択されることにより、自動変速機28がPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジにそれぞれ切り替えられる。Pレンジ及びNレンジは自動変速機28の非走行レンジであり、Rレンジ及びDレンジは自動変速機28の走行レンジである。
油圧制御回路60は、MOP36やEOP54から吐出された作動油OILの油圧を元圧として、ケース18内の各部に必要な作動油OILを供給する。例えば、油圧制御回路60は、クラッチK0の断接制御用の油圧、自動変速機28の変速制御用の油圧、トルクコンバータ24のロックアップクラッチLUの断接制御用の油圧をそれぞれ生成し、ケース18内の各油圧アクチュエータに供給する。
エンジン12から出力される走行用駆動力は、クラッチK0が係合された場合には、エンジン連結軸20から、クラッチK0、電動機連結軸22、トルクコンバータ24、自動変速機28、デフ32、及び車軸34等を順次介して駆動輪14へ伝達される。電動機MGから出力される走行用駆動力は、クラッチK0の断接状態にかかわらず、電動機連結軸22から、トルクコンバータ24、自動変速機28、デフ32、及び車軸34等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
車両10においては、例えば走行用駆動力源PGのうちエンジン12のみを駆動源とするエンジン走行を行う駆動モード(以下、「エンジン走行モード」と記す。)及び走行用駆動力源PGのうち電動機MGのみを駆動源とするBEV走行(Battery Electric Vehicle)を行う駆動モード(以下、「BEV走行モード」と記す。)が選択可能である。エンジン走行モードでは、クラッチK0が係合状態とされる。
電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、電動機制御用、油圧制御用等の各コンピュータを含んで構成される。なお、電子制御装置90は、本発明における「制御装置」に相当する。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、タービン回転速度センサ72、出力回転速度センサ74、MG回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、バッテリセンサ82、シフトポジションセンサ86、イグニッションスイッチ88など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne[rpm]、AT入力軸回転速度Nin[rpm]と同値であるタービン回転速度Nt[rpm]、車速Vに対応するAT出力軸回転速度Nout[rpm]、電動機MGの回転速度であるMG回転速度Nmg[rpm]、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc[%]、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth[%]、メインバッテリ56のバッテリ温度THbat[℃]やバッテリ充放電電流Ibat[A]やバッテリ電圧Vbat[V]、運転者により操作されたシフトレバー84の操作ポジションを表すシフト操作ポジションPOSsh、イグニッションスイッチ88が運転者により操作されたか否かを表すエンジン起動信号IGなど)が、それぞれ入力される。なお、イグニッションスイッチ88は、本発明における「起動スイッチ」に相当する。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ58、油圧制御回路60、EOP駆動装置52など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御するためのエンジン制御信号Se、インバータ58を介して電動機MGを制御するためのMG制御信号Smg、複数の変速用係合装置CBを制御するための変速制御信号SatやクラッチK0を制御するためのK0制御信号Sk0やロックアップクラッチLUを制御するためのLU制御信号Slu、EOP54を制御するためのEOP制御信号Seopなど)が、それぞれ出力される。
電子制御装置90は、駆動源制御部92、K0クラッチ制御部94、変速制御部96、及びレンジ切替前制御部98を機能的に備える。
駆動源制御部92は、エンジン12の作動を制御するエンジン制御部92aと、インバータ58を介して電動機MGの作動を制御する電動機制御部92bと、を機能的に備え、それらの制御機能によりエンジン走行モードやBEV走行モードによる走行を実行する。
駆動源制御部92は、例えば要求駆動量マップに実際のアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する要求駆動量(例えば要求駆動トルクTrdem[Nm])を算出する。要求駆動量マップは、アクセル開度θacc及び車速Vと要求駆動量との間の関係が実験的に或いは設計的に予め定められて記憶されたマップである。要求駆動量は、車両10に要求される駆動量であって、例えば要求駆動トルクTrdemである。要求駆動トルクTrdemは、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動パワーPrdem[W]である。要求駆動量としては、駆動輪14における要求駆動力Frdem[N]、AT出力軸30における要求出力トルク等を用いることもできる。要求駆動量の算出では、車速Vに替えてAT出力軸回転速度Noutなどを用いても良い。このように、要求駆動トルクTrdem、要求駆動パワーPrdem、要求駆動力Frdem、及びAT出力軸30における要求出力トルクは、車両10の要求駆動量である点では同意である。
駆動源制御部92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機28の変速比γat、メインバッテリ56の充電可能電力Win[W]や放電可能電力Wout[W]等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御するエンジン制御信号Seと、電動機MGを制御するMG制御信号Smgと、を出力する。エンジン制御信号Seは、例えばそのときのエンジン回転速度NeにおけるエンジントルクTeを出力するエンジン12のパワーであるエンジンパワーPe[W]の指令値である。MG制御信号Smgは、例えばそのときのMG回転速度NmgにおけるMGトルクTmgを出力する電動機MGの消費電力Wm[W]の指令値である。
メインバッテリ56の充電可能電力Winは、メインバッテリ56の入力電力の制限を規定する入力可能な最大電力であって、メインバッテリ56の入力制限を示している。メインバッテリ56の放電可能電力Woutは、メインバッテリ56の出力電力の制限を規定する出力可能な最大電力であり、メインバッテリ56の出力制限を示している。メインバッテリ56の充電可能電力Winや放電可能電力Woutは、例えばバッテリ温度THbat及びメインバッテリ56の充電状態値(予め定められた満充電容量に対する実際に蓄電されている充電量の比)SOC[%]に基づいて電子制御装置90により算出される。
駆動源制御部92は、例えば電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合には、駆動モードをBEV走行モードとする。一方で、駆動源制御部92は、電動機MGの出力のみでは要求駆動トルクTrdemを賄えない場合には、駆動モードをエンジン走行モードとする。他方で、駆動源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動トルクTrdemを賄える場合であっても、メインバッテリ56の充電状態値SOCが予め定められたエンジン始動閾値未満となる場合やエンジン12等の暖機が必要な場合などには、エンジン走行モードを成立させる。エンジン始動閾値は、エンジン12を強制的に始動してメインバッテリ56を充電する必要がある充電状態値SOCであることを判定するための予め定められた閾値である。
エンジン制御部92aは、車両10に対する駆動要求量を実現するようにエンジントルクTeを制御する。電動機制御部92bは、車両10に対する駆動要求量を実現するようにMGトルクTmgを制御する。具体的には、BEV走行モードにおいては、電動機制御部92bは、要求駆動トルクTrdemを実現するようにMGトルクTmgを制御する。エンジン走行モードにおいては、エンジン制御部92aは、要求駆動トルクTrdemの全部を実現するようにエンジントルクTeを制御する。
K0クラッチ制御部94は、エンジン走行中やBEV走行中に、クラッチK0の断接状態を制御する。例えば、K0クラッチ制御部94は、エンジン走行中にクラッチK0を係合状態に制御し、BEV走行中にクラッチK0を解放状態に制御する。また、エンジン走行モードにおいてエンジン12の始動が実行される場合には、K0クラッチ制御部94は、エンジン12が完爆して自立運転可能になった後にエンジントルクTeを電動機連結軸22に伝達させるために、クラッチK0を解放状態から半係合状態を経て完全係合状態になるように制御する。
変速制御部96は、例えば変速マップを用いて自動変速機28の変速判断を行い、必要に応じて変速制御を実行するための変速制御信号Satを油圧制御回路60へ出力する。変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機28の変速が判断されるための変速線を有する予め定められた所定の関係である。変速マップでは、車速Vに替えてAT出力軸回転速度Noutなどを用いても良いし、又、要求駆動トルクTrdemに替えて要求駆動力Frdemやアクセル開度θaccやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。
駆動源制御部92は、さらにスタータ制御部92cを機能的に備える。スタータ制御部92cは、必要に応じてスタータモータ44を用いてエンジン12をクランキングしてエンジン12を運転させるエンジン始動制御を実行する。また、スタータ制御部92cは、スタータモータ44によるエンジン12のクランキングに連動して、エンジン12への燃料供給や点火などの開始時期を制御する。なお、ここにいう「エンジン始動制御」とは、単にエンジン12が完爆して(運転を開始して)自立運転可能になるまでのことの他に、後述するクラッチK0が完全係合されてエンジン12からエンジントルクTeがAT入力軸26へ出力されるまでのエンジン始動に関わる一連の制御作動のことでもある。
ここから、イグニッションスイッチ88が起動状態(オン状態)にされ、エンジン走行モードにおいてエンジン12が運転状態とされ且つクラッチK0が係合状態とされてエンジントルクTeが電動機連結軸22へ伝達されている状態において、自動変速機28が非走行レンジから走行レンジ(例えばDレンジ)へ切り替えられる場合について説明する。ここで、自動変速機28の非走行レンジから走行レンジへの切替前は、電動機連結軸22へ伝達されているエンジントルクTeは、例えばエンジン12がアイドリング状態にある場合におけるものであり、MOP36を回転駆動しつつエンジン12のアイドリングが可能なアイドリング時トルクTeidle[Nm]である。自動変速機28の非走行レンジから走行レンジへの切替後は、電動機連結軸22へ伝達されているエンジントルクTeは、走行レンジへの切り替えに伴って車両10を駆動するためにエンジントルクTeが高くされる。例えば、エンジントルクTeは、アクセル開度θaccが零値であるアクセルオフの状態のままで車両10がゆっくり動くクリープ現象を生じさせるためのクリープトルクとされる。
レンジ切替前制御部98は、レンジ判定部98a、油温判定部98b、係合装置制御部98c、及びトルクアップ制御部98dを機能的に備える。
レンジ判定部98aは、非走行レンジであるか否かを判定する。例えば、シフトレバー84がP操作ポジション或いはN操作ポジションである場合には、非走行レンジであると判定される。レンジ判定部98aにより非走行レンジではないと判定された場合すなわち走行レンジであると判定された場合には、変速制御部96は、走行レンジに応じて複数の変速用係合装置CBの作動状態を制御する。例えば、レンジ判定部98aにより自動変速機28がDレンジであると判定された場合には、変速制御部96は、前述した変速マップを用いて変速が判断された変速段を形成するように複数の変速用係合装置CBの作動状態を制御する。
油温判定部98bは、油温THoil[℃]が第1判定温度THoil_jdg1[℃]以下であるか否かを判定するとともに、油温THoilが第2判定温度THoil_jdg2[℃](<THoil_jdg1)以上であるか否かを判定する。
ところで、作動油OILは、その油温THoilが低下すると粘性が増加する。例えば、ブレーキB2を解放状態から係合状態へ切り替える制御(以下、「係合制御」と記す。)の実行中におけるブレーキB2のパック詰め期間において、油温THoilが第1判定温度THoil_jdg1以下且つ第2判定温度THoil_jdg2以上である所定の低温度範囲にある場合には、作動油OILの粘性が高く、ブレーキB2がその摩擦板の間にある作動油OILを引き摺ることとなる。このブレーキB2による引き摺りにより、遊星歯車装置66のリングギヤの回転速度が変動することとなる。駆動輪14が回転せずAT出力軸30が回転していない場合において遊星歯車装置66のリングギヤの回転速度が変動すると、遊星歯車装置66のサンギヤの回転速度(=遊星歯車装置68のサンギヤの回転速度)が変動し、さらに遊星歯車装置68のキャリアの回転速度(=AT入力軸回転速度Nin)が変動する。また、クラッチC2が係合状態にある場合には、遊星歯車装置66のサンギヤの回転速度の変動がクラッチC2を介して遊星歯車装置64のサンギヤに伝達され、これによっても遊星歯車装置64のキャリアの回転速度(=AT入力軸回転速度Nin)が変動する。このように、ブレーキB2による引き摺りに起因して、自動変速機28内における遊星歯車装置64,66,68を介してAT入力軸回転速度Ninが変動する。このAT入力軸回転速度Ninが変動は、エンジン12に対する負荷トルクの増加と同意である。したがって、油温THoilが所定の低温度範囲にある場合には、ブレーキB2が作動油OILを引き摺ることによりAT入力軸回転速度Ninが変動し、エンストが発生するおそれがある。
第1判定温度THoil_jdg1及び第2判定温度THoil_jdg2は、実験的に或いは設計的に予め定められた油温THoilの判定温度であって、以下の条件を満たすものである。油温THoilが第1判定温度THoil_jdg1以下且つ第2判定温度THoil_jdg2以上の温度範囲(すなわち、所定の低温度範囲)にある場合には、非走行レンジから走行レンジへの切替前にブレーキB2を係合させると、ブレーキB2による作動油OILの引き摺りが発生するが、ブレーキB2の係合制御の開始前(本実施例では、アイドリング状態)に比較してエンジントルクTeを高くすることによりエンストの発生を抑制できる。油温THoilが第2判定温度THoil_jdg2よりも低い場合(すなわち、所定の低温度範囲よりも低い場合)には、非走行レンジから走行レンジへの切替前にブレーキB2を係合させると、油温THoilが所定の低温度範囲にある場合のようにエンジントルクTeを高くしてもエンストの発生を抑制できない。なお、第1判定温度THoil_jdg1以下且つ第2判定温度THoil_jdg2以上の温度範囲は、本発明における「所定の低温度範囲」に相当する。
レンジ判定部98aにより非走行レンジであると判定され、且つ、油温判定部98bにより油温THoilが第1判定温度THoil_jdg1以下且つ第2判定温度THoil_jdg2以上であると判定された場合には、係合装置制御部98cは、非走行レンジから走行レンジへの切替前においてブレーキB2及びクラッチC2の係合制御をそれぞれ開始し且つブレーキB1及びクラッチC1,C3,C4を解放状態に維持する制御をそれぞれ実行する。係合装置制御部98cによるブレーキB2の係合制御の実行中に、トルクアップ制御部98dは、ブレーキB2のパック詰め期間において、ブレーキB2の係合制御の開始前に比較してエンジントルクTeを高くするトルクアップ制御を実行する。トルクアップ制御において高くされるエンジントルクTeの大きさを表すトルク増加要求量Teup[Nm]は、非走行レンジから走行レンジへの切替前において、エンストが発生しないように、ブレーキB2の係合制御の開始前に比較して高くするように要求されるエンジントルクTeの増加量であって、実験的に或いは設計的に予め定められた量である。なお、ブレーキB2は、本発明における「所定の係合装置」に相当する。トルク増加要求量Teupは、本発明における「エンジンの出力トルクの増量」に相当する。
係合装置制御部98cによりブレーキB2の係合制御が開始され、エンジン制御部92aによりトルクアップ制御が実行されている場合、レンジ判定部98aは、非走行レンジから走行レンジへ切り替えられたか否かを判定する。レンジ判定部98aにより非走行レンジから走行レンジへ切り替えられたと判定された場合には、変速制御部96は、切り替えられた走行レンジに応じて複数の変速用係合装置CBの作動状態を制御する。例えば、自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられたと判定された場合、変速制御部96は、Dレンジの第1速変速段「1st」を形成させるように、クラッチC1の係合制御を実行する。例えば、自動変速機28が非走行レンジからRレンジへ切り替えられたと判定された場合、変速制御部96は、Rレンジを形成させるように、クラッチC3の係合制御を実行する。なお、自動変速機28の非走行レンジからDレンジへの切り替え及び自動変速機28の非走行レンジからRレンジへの切り替えのいずれの場合にも、ブレーキB2及びクラッチC2は、係合装置制御部98cにより非走行レンジから走行レンジへの切替前から既に係合制御がそれぞれ開始されている。
レンジ判定部98aにより非走行レンジであると判定され、且つ、油温判定部98bにより油温THoilが第2判定温度THoil_jdg2未満であると判定された場合には、油温判定部98bは、油温THoilが第2判定温度THoil_jdg2以上であるか否かの判定を繰り返す。この判定は、油温THoilが第2判定温度THoil_jdg2以上となるまで繰り返される。
レンジ判定部98aにより非走行レンジであると判定され、且つ、油温判定部98bにより油温THoilが第1判定温度THoil_jdg1を超過すると判定された場合には、レンジ判定部98aは、非走行レンジから走行レンジへ切り替えられたか否かを判定する。レンジ判定部98aにより非走行レンジから走行レンジへ切り替えられたと判定された場合には、変速制御部96は、切り替えられた走行レンジに応じて複数の変速用係合装置CBの作動状態を制御する。例えば、自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられたと判定された場合には、変速制御部96は、Dレンジの第1速変速段「1st」を形成させるように、ブレーキB2及びクラッチC1,C2の係合制御をそれぞれ実行する。例えば、自動変速機28が非走行レンジからRレンジへ切り替えられたと判定された場合には、変速制御部96は、Rレンジを形成させるように、ブレーキB2及びクラッチC2,C3の係合制御をそれぞれ実行する。
図4は、図1に示す電子制御装置90の制御作動を説明するフローチャートの一例である。図4のフローチャートは、イグニッションスイッチ88がオン状態にされ、エンジン走行モードにおいてエンジン12が運転状態とされ且つクラッチK0が係合状態とされてエンジントルクTeが電動機連結軸22へ伝達されている状態において、繰り返し実行される。
まず、レンジ判定部98aの機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、非走行レンジであるか否かが判定される。S10の判定が否定された場合すなわち走行レンジであると判定された場合には、変速制御部96の機能に対応するS130において、走行レンジに応じて複数の変速用係合装置CBの作動状態が制御される。
S10の判定が肯定された場合には、油温判定部98bの機能に対応するS20において、油温THoilが第1判定温度THoil_jdg1以下であるか否かが判定される。S20の判定が肯定された場合には、油温判定部98bの機能に対応するS30において、油温THoilが第2判定温度THoil_jdg2以上であるか否かが判定される。
S30の判定が肯定された場合には、係合装置制御部98c及びトルクアップ制御部98dの機能に対応するS40において、ブレーキB2及びクラッチC2の係合制御がそれぞれ開始され且つブレーキB1及びクラッチC1,C3,C4の解放状態がそれぞれ維持される。また、S40において、ブレーキB2の係合制御の実行中におけるブレーキB2のパック詰め期間においてトルクアップ制御が実行される。S30の判定が否定された場合には、再度S30が実行される。
S40の実行後、レンジ判定部98aの機能に対応するS50において、自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられたか否かが判定される。S50の判定が肯定された場合には、変速制御部96の機能に対応するS60において、Dレンジの第1速変速段「1st」を形成させるようにクラッチC1の係合制御が実行される。S50の判定が否定された場合には、レンジ判定部98aの機能に対応するS70において、自動変速機28が非走行レンジからRレンジへ切り替えられたか否かが判定される。S70の判定が肯定された場合には、変速制御部96の機能に対応するS80において、Rレンジを形成させるようにクラッチC3の係合制御が実行される。S70の判定が否定された場合には、再度S50が実行される。
S20の判定が否定された場合には、レンジ判定部98aの機能に対応するS90において、自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられたか否かが判定される。S90の判定が肯定された場合には、変速制御部96の機能に対応するS100において、Dレンジの第1速変速段「1st」を形成させるようにブレーキB2及びクラッチC1,C2の係合制御がそれぞれ実行される。S90の判定が否定された場合には、レンジ判定部98aの機能に対応するS110において、自動変速機28が非走行レンジからRレンジへ切り替えられたか否かが判定される。S110の判定が肯定された場合には、変速制御部96の機能に対応するS120において、Rレンジを形成させるようにブレーキB2及びクラッチC2,C3の係合制御がそれぞれ実行される。S110の判定が否定された場合には、再度S90が実行される。
S60の実行後、S80の実行後、S100の実行後、S120の実行後、及びS130の実行後は、リターンとなる。
図5は、図4のフローチャートが実行された場合におけるタイムチャートの一例である。図5では、油温THoilは、第1判定温度THoil_jdg1以下且つ第2判定温度THoil_jdg2以上の温度範囲にある。図5において、横軸は時間t[ms]である。B2指示圧Pb2[Pa]は、ブレーキB2の断接状態を制御する油圧アクチュエータに供給される作動油OILの油圧の指示圧であり、C2指示圧Pc2[Pa]は、クラッチC2の断接状態を制御する油圧アクチュエータに供給される作動油OILの油圧の指示圧である。トルク増加要求量Teupにおける実線及び破線は、時刻t5及び時刻t6でそれぞれ自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられた場合である。
時刻t0において、イグニッションスイッチ88が運転者に操作されてエンジン起動信号IGがオフ状態からオン状態へ切り替えられる。これにより、スタータモータ44が回転駆動されて、エンジン12の運転が開始される。エンジン12が運転状態になった後、スタータモータ44の回転駆動が停止され、EOP54の回転駆動が開始され、且つクラッチK0が解放状態から半係合状態を経て完全係合状態とする制御が開始される。
時刻t1(>t0)において、クラッチK0が完全係合状態となり、エンジン回転速度NeとMG回転速度Nmgとが同じになる。時刻t1は、レディーオフ状態からレディーオン状態に切り替わった時点であり、エンジン走行モードにおいてエンジン12が運転状態とされ且つクラッチK0が係合状態とされてエンジントルクTeが電動機連結軸22へ伝達されている状態となった時点である。なお、タービン回転速度Ntは、MG回転速度Nmgから少し遅れてエンジン回転速度Neと同じになる。
時刻t1から時刻t2(>t1)までの期間において、B2指示圧Pb2は、急速充填圧とされ、時刻t2から時刻t9(>t2)までの期間において、B2指示圧Pb2は、定圧待機圧とされる。時刻t1から時刻t9までの期間は、ブレーキB2のパック詰め期間である。時刻t1以降において、C2指示圧Pc2は、クラッチC2を係合状態にさせる係合圧とされる。
時刻t0から時刻t3(>t2)までの期間は、エンジントルクTeはアイドリング時トルクTeidleとされ、トルク増加要求量Teupは零値である。ところで、ブレーキB2の係合制御が実行されると、ブレーキB2が作動油OILを引き摺るためにブレーキB2の引き摺りトルク(=エンジン12に対する負荷トルク)が増加する。この負荷トルクの増加に応じて、トルクアップ制御におけるトルク増加要求量Teupが増加させられる。トルク増加要求量Teupは、時刻t3から時刻t4(>t3)までの期間において一定の増加率Csp1[Nm/ms]で増加させられ、時刻t4以降において一定値とされる。遅延時間tdlyは、時刻t1から時刻t3までの期間であって、レディーオン状態となってブレーキB2の係合制御が開始されてから、ブレーキB2の引き摺りトルクが増加し始めるまでの遅延時間である。遅延時間tdlyは、油温THoil、急速充填圧及びその期間、定圧待機圧及びその期間に基づいて、実験的に或いは設計的に予め定められる。遅延時間tdlyが経過してブレーキB2の引き摺りトルクが増加し始める時点に合わせて、トルクアップ制御が開始される。また、遅延時間tdly経過後の引き摺りトルクの増加に応じて、トルク増加要求量Teupが増加させられる。
時刻t4以降において、自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられた場合には、それに伴って車両10を駆動するためにエンジントルクTeが高くされる。そのため、トルクアップ制御におけるトルク増加要求量Teupは零値でも良い。
例えば、時刻t5(>t4)において、自動変速機28が非走行レンジ(例えばPレンジ)からDレンジへ切り替えられた場合には、それに伴って時刻t5から時刻t7(>t5)までの期間においてトルク増加要求量Teupが一定の減少率Csp2[Nm/ms]で漸減させられる。時刻t7において、トルク増加要求量Teupは零値とされる。例えば、時刻t6(>t4)において、自動変速機28が非走行レンジ(例えばPレンジ)からDレンジへ切り替えられた場合には、それに伴って時刻t6から時刻t8(>t6)までの期間においてトルク増加要求量Teupが一定の減少率Csp3[Nm/ms]で漸減させられる。時刻t8において、トルク増加要求量Teupは零値とされる。図5に示す実行期間texe[ms]は、自動変速機28の非走行レンジからDレンジへの切替前におけるブレーキB2の係合制御の実行中において、トルクアップ制御が実行される期間である。
時刻t9(>t7,t8)において、B2指示圧Pb2が漸増させられてブレーキB2が半係合状態から次第に完全係合状態とされる。また、不図示ではあるが、時刻t9以降、クラッチC1の断接状態を制御する油圧アクチュエータに供給される作動油OILの油圧の指示圧(=C1指示圧)は、クラッチC1を係合状態にさせる係合圧とされる。
本実施例によれば、(a)エンジントルクTeがAT入力軸26に伝達された状態であって油温THoilが第1判定温度THoil_jdg1以下であり且つ油温THoilが第2判定温度THoil_jdg2以上である場合、非走行レンジから走行レンジへの切替前においてブレーキB2及びクラッチC2の係合制御をそれぞれ開始し且つブレーキB1及びクラッチC1,C3,C4を解放状態に維持する制御をそれぞれ実行する係合装置制御部98cと、(b)ブレーキB2の係合制御の実行中におけるパック詰め期間において、ブレーキB2の係合制御の開始前に比較してエンジントルクTeを高くするトルクアップ制御を実行するトルクアップ制御部98dと、が備えられる。油温THoilが第1判定温度THoil_jdg1以下且つ第2判定温度THoil_jdg2以上である場合、非走行レンジから走行レンジへの切替前においてブレーキB2の係合制御が開始されることからエンジン始動後のシフト操作による応答性が確保されるとともに、エンジントルクTeを高くするトルクアップ制御が実行されることから自動変速機28内での回転変動に起因したエンストの発生が抑制される。
本実施例によれば、トルクアップ制御の実行中に非走行レンジからDレンジへ切り替えられた場合には、トルクアップ制御部98dは、トルク増加要求量Teupを漸減させる。Dレンジに切り替えられた場合には、それに伴ってエンジントルクTeが高くされるため、エンストの発生を抑制するためのトルク増加要求量Teupは零値でも良い。トルク増加要求量Teupが漸減させられることで、トルク増加要求量Teupが瞬時に零値に減少させられる場合に比較して、Dレンジへの切替後において駆動輪14に伝達される駆動トルクTr[Nm]の減少によって運転者が覚える違和感が低減される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例では、ブレーキB2の係合制御の実行中におけるパック詰め期間において、トルクアップ制御が実行される態様であったが、例えば図5のタイムチャートに示す時刻t9以降において自動変速機28が非走行レンジからDレンジへ切り替えられる場合には、時刻t9からDレンジへ切り替えられるまでの期間すなわちブレーキB2の係合制御の実行中における半係合状態である期間において、トルクアップ制御が実行される態様であっても良い。時刻t9以降のブレーキB2が半係合状態である期間においてトルクアップ制御が実行されることにより、この期間における自動変速機28内での回転変動に起因したエンストの発生が抑制される。
前述の実施例では、トルク増加要求量Teupと油温THoilとの関係については特に言及していなかったが、好適にはトルク増加要求量Teupは、油温THoilに応じて実験的に或いは設計的に予め定められた量に設定される。自動変速機28内での回転変動(時間当たりの変動量)は、油温THoilに応じて変化する。トルク増加要求量Teupが油温THoilに応じて設定されることにより、油温THoilに応じて設定されない場合に比較して自動変速機28内での回転変動に起因したエンストの発生を抑制するためのトルク増加要求量Teupを小さくすることが可能となる。これにより燃費の増加が抑制される。
前述の実施例における図5のタイムチャートでは、トルクアップ制御の実行によりエンジン回転速度Neが変化していなかったが、例えばトルクアップ制御の実行によりエンジン回転速度Neがアイドリング時回転速度よりも所定値だけ高い判定回転速度Ne_jdg[rpm]以上となった場合には、トルクアップ制御部98dは、トルク増加要求量Teupを漸減させる態様であっても良い。判定回転速度Ne_jdgは、エンジン12が吹き上がったことを判定するために、実験的に或いは設計的に予め定められたエンジン回転速度Neの判定値である。トルクアップ制御の実行によりエンジン12が吹き上がってエンジン回転速度Neが判定回転速度Ne_jdg以上となった場合に、トルク増加要求量Teupが漸減させられることで、エンジン12の吹き上がりが解消される。なお、判定回転速度Ne_jdgは、本発明における「所定の回転速度」に相当する。
前述の実施例では、イグニッションスイッチ88がオン状態の場合において自動変速機28の非走行レンジからDレンジへの切替前に、係合装置制御部98cが係合制御を実行するとともにトルクアップ制御部98dがトルクアップ制御を実行する態様であった。例えば、イグニッションスイッチ88がオン状態とされて自動変速機28の非走行レンジからDレンジへの切替前に係合制御が開始され且つトルクアップ制御が実行されても、それらの制御が実行完了前にイグニッションスイッチ88がオフ状態とされると、係合装置制御部98cは係合制御を実行せず且つトルクアップ制御部98dはトルクアップ制御を実行しない態様であっても良い。イグニッションスイッチ88がオフ状態の場合には、エンジン12を停止する制御が実行されるため、エンストの発生を抑制する必要がない。そのため、イグニッションスイッチ88がオフ状態の場合には、係合装置制御部98cによる係合制御が実行されず且つトルクアップ制御部98dによるトルクアップ制御が実行されない場合には、そうでない場合に比較してエンジン12が速やかに停止させられる。
前述の実施例では、非走行レンジからDレンジへの切替前においてブレーキB2及びクラッチC2の係合制御がそれぞれ開始される態様であったが、例えば非走行レンジからDレンジへの切替前においてブレーキB2の係合制御は開始されるがクラッチC2の係合制御は開始されない態様であっても良い。なお、この態様において、ブレーキB2は、本発明における「所定の係合装置」に相当する。この態様においても、ブレーキB2による引き摺りにより遊星歯車装置66,68を介してAT入力軸回転速度Ninが変動する。したがって、油温THoilが所定の低温度範囲にある場合には、トルクアップ制御が実行されることでエンストの発生が抑制される。
前述の実施例における図5のタイムチャートでは、非走行レンジからDレンジへ切り替えられる態様であったが、非走行レンジからRレンジへ切り替えられる場合にも同様である。ただし、時刻t9以降、C1指示圧の替わりに、クラッチC3の断接状態を制御する油圧アクチュエータに供給される作動油OILの油圧の指示圧(=C3指示圧)がクラッチC3を係合状態にさせる係合圧とされる。
前述の実施例では、車両10はスタータモータ44の回転駆動によりエンジン12が始動される構成であったが、例えば車両10がスタータモータ44を備えず、電動機MGの回転駆動とクラッチK0の係合とによりエンジン12が始動される構成にも本発明は適用可能である。また、車両10がクラッチK0及び電動機MGを備えない構成にも本発明は適用可能である。
前述の実施例では、車両10は、走行用駆動力源PGと自動変速機28との間の動力伝達経路PTに流体式伝動装置であるトルクコンバータ24が設けられた態様であったが、例えばトルクコンバータ24の替わりにトルク増幅作用のないフルードカップリングなどの他の流体式伝動装置が設けられても良い。また、車両10には、流体式伝動装置は必ずしも備えられている必要はなく、例えば発進用のクラッチに置き換えられても良い。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
26:AT入力軸(自動変速機の入力軸)
28:自動変速機
88:イグニッションスイッチ(起動スイッチ)
90:電子制御装置(制御装置)
98c:係合装置制御部
98d:トルクアップ制御部
B1:ブレーキ(複数の第2の係合装置)
B2:ブレーキ(第1の係合装置、所定の係合装置)
C1:クラッチ(複数の第2の係合装置、第2の係合装置のうちの少なくとも一部の係合装置)
C2:クラッチ(第1の係合装置)
C3:クラッチ(複数の第2の係合装置、第2の係合装置のうちの少なくとも一部の係合装置)
C4:クラッチ(複数の第2の係合装置)
CB:変速用係合装置(複数の摩擦係合装置)
Ne:エンジン回転速度(エンジンの回転速度)
Ne_jdg:判定回転速度(所定の回転速度)
OIL:作動油
PT:動力伝達経路
Te:エンジントルク(エンジンの出力トルク)
Teup:トルク増加要求量(エンジンの出力トルクの増量)
THoil:油温

Claims (7)

  1. エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられ且つ油圧式の複数の摩擦係合装置を有する遊星歯車式の自動変速機と、を備え、前記複数の摩擦係合装置は、第1の係合装置及び複数の第2の係合装置を含み、前記第2の係合装置が解放状態とされると前記自動変速機がニュートラル状態とされ且つ走行レンジにおける変速段を形成する場合には前記第2の係合装置のうちの少なくとも一部の係合装置及び前記第1の係合装置がいずれも係合状態とされる、車両の、制御装置であって、
    前記エンジンの出力トルクが前記自動変速機の入力軸に伝達された状態であり且つ前記第1の係合装置の作動状態を制御する作動油の油温が所定の低温度範囲にある場合、非走行レンジから前記走行レンジへの切替前において前記第1の係合装置のうち係合状態に切り替えられると前記エンジンの回転速度を変動させる所定の係合装置を係合状態に切り替える係合制御を開始し且つ前記第2の係合装置を解放状態に維持する制御を実行する係合装置制御部と、
    前記係合制御の実行中に、前記係合制御の開始前に比較して前記エンジンの出力トルクを高くするトルクアップ制御を実行するトルクアップ制御部と、を有する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記トルクアップ制御部は、前記係合制御の実行中における前記所定の係合装置が半係合状態である期間において、前記トルクアップ制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記トルクアップ制御部は、前記係合制御の実行中における前記所定の係合装置のパック詰め期間において、前記トルクアップ制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量は、前記油温に応じて設定される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の車両の制御装置。
  5. 前記トルクアップ制御の実行中に前記非走行レンジから前記走行レンジへ切り替えられた場合には、前記トルクアップ制御部は、前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量を漸減させる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の車両の制御装置。
  6. 前記トルクアップ制御の実行により前記エンジンの回転速度が所定の回転速度以上となった場合には、前記トルクアップ制御部は、前記トルクアップ制御における前記エンジンの出力トルクの増量を漸減させる
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の車両の制御装置。
  7. 前記エンジンを起動させる起動スイッチがオン状態の場合には、前記係合装置制御部は前記係合制御を実行するとともに前記トルクアップ制御部は前記トルクアップ制御を実行し、前記起動スイッチがオフ状態の場合には、前記係合装置制御部は前記係合制御を実行せず且つ前記トルクアップ制御部は前記トルクアップ制御を実行しない
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の車両の制御装置。
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