JP2023110689A - 電装品、及び電装品の製造方法 - Google Patents

電装品、及び電装品の製造方法 Download PDF

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辰雄 平林
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Abstract

【課題】複数の銅粒子で構成された配線パターンにおいて銅粒子同士の導通が良好に確保され、かつ基材の熱的ダメージが小さい電装品を提供する。【解決手段】回路部材と、絶縁性樹脂からなる第一部材と、を備え、前記回路部材は、第一面及び第二面を有する絶縁性樹脂からなる基材と、前記第一面上に設けられた下地層と、前記下地層上に設けられた配線部と、を備え、前記配線部は、複数の銅粒子が結合した主層を備え、前記主層における前記下地層側の面の表面粗さは、最大高さRzで0.5μm以下であり、前記第一部材は、前記回路部材を支持するように前記第一面及び前記第二面の少なくとも一方に設けられている、電装品。【選択図】図2

Description

本開示は、電装品、及び電装品の製造方法に関する。
特許文献1には、絶縁性基材の上に第一の導電層と第二の導電層とが順に設けられたプリント配線板が開示されている。第一の導電層は、金属ナノ粒子を含む導電性インクの塗布によって配線パターンとして形成されている。金属ナノ粒子の具体的な構成金属は銀である。第二の導電層は、メッキ処理によって形成されている。第一の導電層と絶縁性基材との境界領域において、第一の導電層の空隙内に絶縁性基材の一部が入り込んでいる。
特開2018-74055号公報
配線パターンを主に銅で構成したいというニーズがある。銅は、低コストで、かつイオンマイグレーションを生じさせ難い。
銅は、焼成時に酸化し易いという問題を有する。銅粒子は、一般的に酸化防止用の高分子材料からなる保護膜でコーティングされている。銅粒子で配線パターンを構成する場合、保護膜でコーティングされた銅粒子を基材に塗布し、200℃以上の高温で熱処理する必要がある。この熱処理によって、保護膜が分解され、銅粒子同士の導通が確保される。しかし、このような高温での熱処理では、銅粒子の酸化が促進され易いという問題、及び基材が熱的ダメージを受け易いという問題がある。銅粒子で配線パターンを構成する場合、銅粒子同士の導通確保、及び基材の熱的ダメージの抑制の両立が難しい。
本開示は、複数の銅粒子で構成された配線部において銅粒子同士の導通が良好に確保され、かつ基材の熱的ダメージが小さい電装品を提供することを目的の一つとする。本開示は、複数の銅粒子で構成された配線部において銅粒子同士の導通が良好に確保され、かつ基材の熱的ダメージが小さい電装品を容易に得られる電装品の製造方法を提供することを別の目的の一つとする。
本開示の電装品は、
回路部材と、
絶縁性樹脂からなる第一部材と、を備え、
前記回路部材は、
第一面及び第二面を有する絶縁性樹脂からなる基材と、
前記第一面上に設けられた下地層と、
前記下地層上に設けられた配線部と、を備え、
前記配線部は、複数の銅粒子が結合した主層を備え、
前記主層における前記下地層側の面の表面粗さは、最大高さRzで0.5μm以下であり、
前記第一部材は、前記回路部材を支持するように前記第一面及び前記第二面の少なくとも一方に設けられている。
本開示の電装品の製造方法は、
絶縁性樹脂からなる基材に配線部が設けられた回路部材を作製する工程Aと、
絶縁性樹脂からなる第一部材を前記回路部材に一体化する工程Bと、を備え、
前記工程Aは、
第一面及び第二面を有する前記基材を用意する工程A1と、
前記第一面上に下地層を設ける工程A2と、
前記下地層上に前記配線部を設ける工程A3と、を備え、
前記工程A3は、
銅粒子の表面に銅を含む酸化物層を備える複数の被覆粒子が分散媒中に分散された導電ペーストを前記下地層上に塗布する工程A31と、
前記導電ペーストが塗布された前記基材に前記酸化物層を還元するような熱処理を施す工程A32と、を備える。
本開示の電装品は、複数の銅粒子で構成された配線部において銅粒子同士の導通が良好に確保され、かつ基材の熱的ダメージが小さい。本開示の電装品の製造方法は、複数の銅粒子で構成された配線部において銅粒子同士の導通が良好に確保され、かつ基材の熱的ダメージが小さい電装品を容易に得られる。
図1は、実施形態1の電装品を示す概略平面図である。 図2は、実施形態1の電装品を構成する各部材の関係を模式的に示す断面図である。 図3は、実施形態1の電装品を構成する基材と配線部との境界領域を模式的に示す拡大断面図である。 図4は、実施形態1の電装品の製造方法における工程A31の説明図である。 図5は、実施形態1の電装品の製造方法における工程A32の説明図である。 図6は、実施形態1の電装品の製造方法における工程A33の説明図である。 図7は、実施形態1の電装品の製造方法における工程Bの説明図である。 図8は、実施形態2の電装品を構成する各部材の関係を模式的に示す断面図である。 図9は、実施形態3の電装品を構成する各部材の関係を模式的に示す断面図である。 図10は、実施形態4の電装品を構成する各部材の関係を模式的に示す断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係る電装品は、
回路部材と、
絶縁性樹脂からなる第一部材と、を備え、
前記回路部材は、
第一面及び第二面を有する絶縁性樹脂からなる基材と、
前記第一面上に設けられた下地層と、
前記下地層上に設けられた配線部と、を備え、
前記配線部は、複数の銅粒子が結合した主層を備え、
前記主層における前記下地層側の面の表面粗さは、最大高さRzで0.5μm以下であり、
前記第一部材は、前記回路部材を支持するように前記第一面及び前記第二面の少なくとも一方に設けられている。
本開示の電装品では、配線部は、複数の銅粒子が結合した主層を備える。複数の銅粒子は、後述するように、複数の被覆粒子が熱処理されて形成されたものである。各被覆粒子は、銅粒子の表面に銅を含む酸化物層を備える。熱処理は、各被覆粒子の酸化物層を還元するように行われる。熱処理による酸化物層の還元によって、複数の銅粒子が結合されて、配線部の主層が構成される。酸化物層の還元による銅粒子同士の結合では、銅粒子同士の導通が良好に確保される。酸化物層を還元するような熱処理の温度は、200℃未満といった比較的低い温度でよい。よって、熱処理によって基材が受ける熱的ダメージは小さい。基材が受ける熱的ダメージが小さいため、主層における下地層側の面の表面粗さが最大高さRzで0.5μm以下である。本開示の電装品では、配線部は、下地層によって基材に良好に接合されている。
銅で構成された配線部は、イオンマイグレーションが生じ難い。よって、本開示の電装品の品質は、長期にわたって維持され易い。銅は銀に比べて安価であるため、電装品の製造コストが低くなり易い。
(2)本開示の電装品において、前記第一部材がパネルであってもよい。
電装品は、例えば車両に搭載される。第一部材がパネルであると、例えば車両を構成する内装パネル、インストルメントパネル、又はディスプレイのスイッチ類が設けられる操作パネルに電装品を配置し易い。
(3)本開示の電装品において、前記主層の厚さが0.01μm以上10μm以下であってもよい。
主層の厚さが0.01μm以上であると、主層を構成する銅粒子の個数が十分に確保され、銅粒子同士の導通がより良好に確保され易い。主層の厚さが10μm以下であると、銅粒子同士の結合が強固になり易い。
(4)本開示の電装品において、前記複数の銅粒子の平均粒径が20nm以上300nm以下であってもよい。
複数の銅粒子の平均粒径が20nm以上であると、主層の形成過程において、銅粒子同士の凝集が抑制され、複数の銅粒子が均一な分散状態となり易い。よって、複数の銅粒子の平均粒径が20nm以上であると、複数の銅粒子が主層として安定して存在し易い。複数の銅粒子の平均粒径が300nm以下であると、主層の形成過程において、銅粒子同士が焼結によってネッキング状態で結合され易い。よって、複数の銅粒子の平均粒径が300nm以下であると、銅粒子同士の結合が強固になり易い。複数の銅粒子の平均粒径が300nm以下であると、複数の銅粒子が最密充填状態になり易く、銅粒子同士の導通が良好に確保され易い。複数の銅粒子の平均粒径が300nm以下であると、主層の厚さが均一的に確保され易い。
(5)本開示の電装品において、前記主層の体積抵抗率が150μΩ・cm以下であってもよい。
主層の体積抵抗率が150μΩ・cm以下であれば、主層の導電性が十分に確保される。
(6)本開示の電装品において、前記下地層は、ポリウレタン樹脂、又はアクリル系樹脂を含んでいてもよい。
下地層は、基材と配線部とを接合するために設けられている。下地層が上記の樹脂を含むと、基材と配線部とがより強固に接合される。
(7)本開示の電装品において、前記下地層の厚さが1μm以下であってもよい。
下地層の厚さが1μm以下であると、基材と配線部とが強固に接合されつつ、下地層の厚肉化が抑制される。
(8)本開示の電装品において、前記基材の厚さが0.025mm以上1mm以下であってもよい。
基材の厚さが0.025mm以上であると、基材に割れ及びシワが発生し難い。基材の厚さが1mm以下であると、基材を第一部材の形状に追従させ易い。
(9)本開示の電装品において、150℃×30分の大気雰囲気における前記基材の熱収縮率が5%以下であってもよい。
基材の上記熱収縮率が5%以下であると、基材の耐熱性が良好に確保される。電装品は、後述するように、複数の被覆粒子が分散媒中に分散された導電ペーストを下地層付きの基材に塗布し、その基材を熱処理することで形成される。基材の耐熱性が高いと、電装品の製造過程における熱処理によって基材が受ける熱的ダメージが小さくなり易い。
(10)本開示の電装品において、前記配線部は、前記主層の表面に設けられたメッキ層を備え、前記メッキ層は、銅を含んでいてもよい。
メッキ層を備えると、配線部の導電性が向上する。
(11)メッキ層を備える本開示の電装品において、前記メッキ層の厚さが0.01μm以上50μm以下であってもよい。
メッキ層の厚さが0.01μm以上であると、配線部の導電性が向上し易い。メッキ層の厚さが50μm以下であると、配線部の導電性が向上しつつ、メッキ層の厚肉化が抑制される。
(12)メッキ層を備える本開示の電装品において、前記メッキ層の体積抵抗率が20μΩ・cm以下であってもよい。
メッキ層の体積抵抗率が20μΩ・cm以下であれば、配線部の導電性が非常に高く、大電流用の電装品に適用できる。
(13)本開示の電装品において、前記第一部材とは別部材である第二部材をさらに備え、前記第二部材は、前記回路部材及び前記第一部材の少なくとも一方に設けられていてもよい。
電装品が第二部材を備えると、第二部材の特性に応じて電装品の性能が向上し、電装品の用途が広がる。
(14)第二部材を備える本開示の電装品において、前記第二部材がフィルム状の形状を有していてもよい。
第二部材がフィルム状であると、第二部材が電装品の形状に沿って配置され易い。
(15)第二部材を備える本開示の電装品において、前記第二部材は、前記配線部の一部を覆う保護層であり、前記保護層は、カバーレイ及びソルダーレジストの少なくとも一方を含んでいてもよい。
第二部材が保護層であると、配線部が電気的及び機械的に外部環境から保護される。カバーレイは、曲げて使用されるフレキシブルな回路部材に利用し易い。ソルダーレジストは、曲げずに使用されるリジットな回路部材に利用し易い。
(16)本開示の実施形態に係る電装品の製造方法は、
絶縁性樹脂からなる基材に配線部が設けられた回路部材を作製する工程Aと、
絶縁性樹脂からなる第一部材を前記回路部材に一体化する工程Bと、を備え、
前記工程Aは、
第一面及び第二面を有する前記基材を用意する工程A1と、
前記第一面上に下地層を設ける工程A2と、
前記下地層上に前記配線部を設ける工程A3と、を備え、
前記工程A3は、
銅粒子の表面に銅を含む酸化物層を備える複数の被覆粒子が分散媒中に分散された導電ペーストを前記下地層上に塗布する工程A31と、
前記導電ペーストが塗布された前記基材に前記酸化物層を還元するような熱処理を施す工程A32と、を備える。
本開示の電装品の製造方法では、上述した本開示の電装品を容易に得られる。
工程A31では、導電ペーストに分散された各被覆粒子として、銅粒子の表面に銅を含む酸化物層を備える被覆粒子を用いている。酸化物層は、銅粒子の酸化を抑制するために設けられている。導電ペーストが下地層の表面に塗布されることで、導電ペーストが基材上に良好に密着される。
工程A32では、各被覆粒子の酸化物層を還元するように熱処理を行っている。熱処理による酸化物層の還元によって、複数の銅粒子が結合されて、配線部の主層が構成される。酸化物層の還元による銅粒子同士の結合では、銅粒子同士の導通が良好に確保される。酸化物層を還元するような熱処理であるため、熱処理時に銅粒子の酸化が促進されることは防止される。酸化物層を還元するような熱処理の温度は、200℃未満といった比較的低い温度でよい。よって、熱処理によって基材が受ける熱的ダメージは小さい。基材が受ける熱的ダメージが小さいため、熱処理時に、基材及び下地層が各被覆粒子の空隙内に入り込むように変形することが抑制される。本開示の電装品の製造方法で得られた電装品は、上述した本開示の電装品のように、配線部の主層における下地層側の面の表面粗さが最大高さRzで0.5μm以下を満たす。
工程Aは、基材上に構成を追加していくアディティブ法である。アディティブ法では、サブトラクティブ法に比べて、廃液の発生が大幅に低減される。サブトラクティブ法は、エッチング等の薬液によって不要な銅箔を取り除くことで配線部を形成する方法である。工程Bも、回路部材に絶縁性樹脂からなる第一部材を付加している。本開示の電装品の製造方法では、薬液によって構成を取り除く工程を含んでいない。よって、本開示の電装品の製造方法では、電装品の製造時の環境負荷が小さい。
(17)本開示の電装品の製造方法において、前記銅粒子の平均粒径が20nm以上300nm以下であり、前記酸化物層の平均厚さが2nm以上5nm以下であってもよい。
銅粒子の平均粒径が20nm以上であると、導電ペースト中の銅粒子同士の凝集が抑制され、複数の銅粒子が均一な分散状態となり易い。銅粒子の平均粒径が300nm以下であると、熱処理時に銅粒子同士がネッキング状態で結合され易い。銅粒子の平均粒径が300nm以下であると、配線部の主層の厚さが均一的に確保され易い。
酸化物層の平均厚さが2nm以上であると、銅粒子の酸化が抑制され易い。酸化物層の平均厚さが5nm以下であると、熱処理時に酸化物層が良好に還元され易い。
(18)本開示の電装品の製造方法において、前記導電ペーストに占める前記複数の被覆粒子の割合が10質量%以上80質量%以下であってもよい。
上記割合が10質量%以上であると、配線部を構成する銅粒子の個数が十分に確保され、銅粒子同士の導通がより良好に確保され易い。上記割合が80質量%以下であると、導電ペーストの塗布が行い易い。
(19)本開示の電装品の製造方法において、前記酸化物層は、亜酸化銅、及び炭酸銅の少なくとも一方を含んでいてもよい。
酸化物層が亜酸化銅及び炭酸銅の少なくとも一方を含んでいると、銅粒子の酸化が抑制され易い上に、熱処理時に酸化物層が良好に還元され易い。
(20)本開示の電装品の製造方法において、前記工程A32における熱処理は、還元雰囲気下で120℃以上200℃未満の温度で行われてもよい。
還元雰囲気下での熱処理であると、熱処理時に酸化物層が良好に還元され易い。熱処理温度が120℃以上であると、熱処理時に酸化物層が良好に還元され易く、かつ銅粒子同士が良好に結合され易い。熱処理温度が200℃未満であると、熱処理によって基材が受ける熱的ダメージは小さい。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。図面における各部の寸法比も実際と異なる場合がある。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
図1から図7を参照して、実施形態1の電装品1を説明する。電装品1は、図1に示すように、回路部材2と第一部材3を備える。回路部材2は、配線部22を備える電気回路である。第一部材3は絶縁性樹脂からなる。第一部材3は、回路部材2を支持するように設けられている。本例の電装品1は、第二部材4、及び実装部品6をさらに備える。以下では、まず図1から図3を参照して電装品1の各構成を詳細に説明し、その後に図4から図7を参照して電装品の製造方法を説明する。
≪電装品≫
電装品1は、回路部材2と第一部材3とが一体に成形された一体物である。本例の電装品1は、さらに第二部材4及び実装部品6が一体に成形された一体物である。
〔回路部材〕
回路部材2は、図2に示すように、基材20、下地層21、及び配線部22を備える。
〈基材〉
基材20は絶縁性樹脂からなる。基材20の構成樹脂は、例えば熱可塑性樹脂である。後述するように、回路部材2は第一部材3と一体化される。基材20が熱可塑性樹脂で構成されていると、回路部材2と第一部材3とが良好に一体化され易い。
熱可塑性樹脂は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン9T、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、及びシクロオレフィンポリマー(COP)である。基材20の構成樹脂は、上述した熱可塑性樹脂の少なくとも一種を含むとよい。SPS、LCP、PTFE、PEN、ナイロン9T、PPS、PPE、m-PPE、及びCOPは、誘電特性に優れる樹脂である。基材20が誘電特性に優れる樹脂で構成されていると、高速・高周波用途に適した電装品1が得られる。
基材20は、好ましくは所定の耐熱性を有する。所定の耐熱性は、150℃×30分の大気雰囲気における基材20の熱収縮率が5%以下を満たすことである。後述するように、電装品の製造過程では、基材20に熱が加わる。上記150℃×30分という条件は、電装品の製造過程において基材20に施される熱処理の条件を模擬している。基材20の熱収縮率は、{(加熱前の基材20の長さ-加熱後の基材20の長さ)/加熱前の基材20の長さ}×100によって求められる。加熱前の温度は常温である。加熱後の基材20の長さは、150℃×30分の熱処理が施された後で常温に戻った際の基材20の長さである。基材20の熱収縮率が5%以下であると、基材20が受ける熱的ダメージは小さい。基材20の熱収縮率は、好ましくは3%以下である。基材20が方向性フィルムで構成されている場合、基材20におけるMD(machine direction)の熱収縮率、及びTD(transverse direction)の熱収縮率の双方が5%以下、さらに3%以下であることが好ましい。
基材20は、フィルム又はシートである。フィルムは、厚さが0.25mm未満の膜状のものである。シートは、厚さが0.25mm以上の薄い板状のものである。基材20は、互いに向かい合う第一面20a及び第二面20bを有する。
基材20の厚さは、例えば0.025mm以上1mm以下である。基材20の厚さは、第一面20aと第二面20bとの間の距離である。基材20の厚さが0.025mm以上であると、基材20の機械的強度が確保され易い。基材20の厚さが0.025mm以上であると、基材20に割れ及びシワが発生し難い。基材20の厚さが1mm以下であると、回路部材2の厚肉化が抑制される。基材20の厚さが1mm以下であると、基材20を第一部材3の形状に追従させ易い。例えば、第一部材3が車両を構成する内装パネルの形状を有する場合、基材20を内装パネルの形状に追従させ易く、内装パネルに電装品1を配置し易い。基材20の厚さは、回路部材2における基材20、下地層21、及び配線部22の積層方向に沿った断面を顕微鏡観察することで求められる。回路部材2の断面から5視野以上の顕微鏡画像を取得する。各顕微鏡画像において主層23における上記積層方向に沿った厚さを測定する。全顕微鏡画像における異なる複数の測定点で測定された基材20の厚さの平均値が、基材20の厚さである。測定点の数は、例えば5以上である。基材20の厚さは、好ましくは0.05mm以上0.5mm以下、さらに好ましくは0.1mm以上0.25mm以下である。
〈下地層〉
下地層21は、基材20の第一面20a上に設けられている。下地層21は、基材20と後述する配線部22とを接合するために設けられている。下地層21は、本例では第一面20aの全面に設けられている。下地層21は、第一面20aのうち配線部22に対応した箇所のみに設けられていてもよい。
下地層21は、例えばポリウレタン樹脂、又はアクリル系樹脂を含むことが好ましい。下地層が上記の樹脂を含むと、基材20と配線部22とがより強固に接合される。
下地層21の厚さは、例えば1μm以下である。下地層21の厚さが1μm以下であると、基材20と配線部22とが強固に接合されつつ、下地層21の厚肉化が抑制される。下地層21の厚さは、0μm超1μm以下、好ましくは0μm超0.8μm以下である。下地層21の厚さは、回路部材2における基材20、下地層21、及び配線部22の積層方向に沿った断面を顕微鏡観察することで求められる。下地層21の厚さの求め方は、基材20の厚さの求め方と同様である。下地層21の厚さは、下地層21における異なる複数の測定点、例えば5以上の測定点で測定された厚さの平均値である。
〈配線部〉
配線部22は、下地層21上に設けられている。配線部22は、図3に示すように、複数の銅粒子231が結合した主層23を備える。本例の配線部22は、主層23の表面に設けられたメッキ層25をさらに備える。
主層23を構成する銅粒子231は、純銅又は銅合金からなる。純銅では、銅の含有量が99.95質量%以上である。銅合金では、銅の含有量が50質量%超であり、銅以外に添加元素が含まれる。添加元素は、例えばニッケル又は亜鉛である。
隣り合う銅粒子231同士は、単に接触しているのではなく、焼結によってネッキング状態で結合されている。隣り合う銅粒子231同士がネッキング状態で結合されていることは、顕微鏡写真によって確認できる。
複数の銅粒子231の平均粒径は、例えば20nm以上300nm以下である。複数の銅粒子231の平均粒径が20nm以上であると、主層23の形成過程において、銅粒子231同士の凝集が抑制され、複数の銅粒子231が均一な分散状態となり易い。よって、複数の銅粒子231の平均粒径が20nm以上であると、複数の銅粒子231が主層23として安定して存在し易い。複数の銅粒子231の平均粒径が300nm以下であると、主層23の形成過程において、銅粒子231同士が焼結によってネッキング状態で結合され易い。よって、複数の銅粒子231の平均粒径が300nm以下であると、銅粒子231同士の結合が強固になり易い。複数の銅粒子231の平均粒径が300nm以下であると、主層23の厚さが均一的に確保され易い。複数の銅粒子231の平均粒径は、好ましくは50nm以上250nm以下、さらに好ましくは100nm以上200nm以下である。
複数の銅粒子231の平均粒径は、配線部22の断面を顕微鏡観察することで求められる。配線部22の断面は、例えば配線部22の積層方向に沿った断面である。配線部22の積層方向は、基材20、下地層21、及び配線部22の積層方向である。配線部22の断面から5視野以上の顕微鏡画像を取得する。各顕微鏡画像を二値化処理し、画像中の全ての銅粒子231の粒径を求める。測定される銅粒子231の粒径は、断面における各銅粒子231の断面積と同じ面積を有する真円の直径である。全ての銅粒子231の粒径の平均値が、複数の銅粒子231の平均粒径である。
各銅粒子231の形状はほぼ球形である。各銅粒子231の形状が球形であれば、複数の銅粒子231が最密充填状態になり易く、銅粒子231同士の導通が良好に確保され易い。
本例の主層23には、銅粒子231以外に添加剤を含めることができる。銅粒子231以外に添加剤を含めない構成としてもよい。添加剤は、例えば酸化防止剤である。
主層23における下地層21側の面の表面粗さは、最大高さRzで0.5μm以下である。上記表面粗さが最大高さRzで0.5μm以下であるのは、基材20が受けた熱的ダメージが小さいからである。基材20が受けた熱的ダメージが小さいほど、基材20上に設けられる配線部22、及び後述する実装部品6が基材20上の所定箇所に精度よく接合される。上記表面粗さは小さいほど好ましい。上記表面粗さは、最大高さRzで好ましくは0.4μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下、0.2μm以下である。最大高さRzは、回路部材2における基材20、下地層21、及び配線部22の積層方向に沿った断面を顕微鏡観察することで求められる。最大高さRzは、回路部材2の断面から顕微鏡画像を取得し、JIS B 0601(2013)に準拠して測定される。
主層23の厚さは、例えば0.01μm以上10μm以下である。主層23の厚さが0.01μm以上であると、主層23を構成する銅粒子231の個数が十分に確保され、銅粒子231同士の導通がより良好に確保され易い。主層23の厚さが10μm以下であると、銅粒子231同士の結合が強固になり易い。主層23の厚さは、好ましくは0.05μm以上5μm以下である。主層23の厚さは、回路部材2における基材20、下地層21、及び配線部22の積層方向に沿った断面を顕微鏡観察することで求められる。主層23の厚さの求め方は、基材20の厚さの求め方と同様である。主層23の厚さは、主層23における異なる複数の測定点、例えば5以上の測定点で測定された厚さの平均値である。
主層23の体積抵抗率は、例えば150μΩ・cm以下である。主層23の体積抵抗率が150μΩ・cm以下であれば、主層23の導電性が十分に確保される。主層23の体積抵抗率が150μΩ・cm以下であれば、配線部22が後述するメッキ層25を備えていなくても、配線部22の導電性が十分に確保される。主層23の体積抵抗率は、好ましくは100μm・cm以下、さらに好ましくは60μm・cm以下である。
メッキ層25は、主層23の導電性を補い、配線部22の導電性を向上させる。メッキ層25は、図2に示すように、主層23の表面の少なくとも一部に設けられている。本例のメッキ層25は、主層23の表面のうち、基材20に密着する部分を除く部分に設けられている。
メッキ層25は銅を含む。メッキ層25は、例えば純銅からなる。純銅からなるメッキ層25だと、配線部22の導電性が良好に確保され易い。メッキ層25の体積抵抗率は、例えば20μΩ・cm以下である。メッキ層25の体積抵抗率が20μΩ・cm以下であれば、配線部22の導電性が非常に高く、大電流用の電装品1に適用できる。メッキ層25の体積抵抗率は、好ましくは10μm・cm以下である。
メッキ層25の厚さは、例えば0.01μm以上50μm以下である。メッキ層25の厚さが0.01μm以上であると、配線部22の導電性が向上し易い。メッキ層25の厚さが50μm以下であると、配線部22の導電性が向上しつつ、メッキ層25の厚肉化が抑制される。メッキ層25の厚さは、好ましくは1μm以上10μm以下である。メッキ層25の厚さは、回路部材2における基材20、下地層21、及び配線部22の積層方向に沿った断面を顕微鏡観察することで求められる。メッキ層25の厚さの求め方は、基材20の厚さの求め方と同様である。メッキ層25の厚さは、メッキ層25における異なる複数の測定点、例えば5以上の測定点で測定された厚さの平均値である。
〔実装部品〕
実装部品6は、回路部材2に後付けされる電気部品である。実装部品6は、例えばLEDライト、ICチップ、又はコンデンサである。
〔第一部材〕
第一部材3は、回路部材2を支持し、電装品1の形状を保つ役割を担う部材である。第一部材3は、例えば基材20よりも高い剛性を有する。第一部材3は、例えばパネルである。電装品1は、例えば車両に搭載される。第一部材3がパネルであると、例えば車両を構成する内装パネル、インストルメントパネル、又はディスプレイのスイッチ類が設けられる操作パネルに電装品を配置し易い。例えば、回路部材2が室内灯の配線を構成し、第一部材3が室内灯近傍の内装パネルを構成する。第一部材3は、パネル以外の形状、例えばブロック体であってもよい。
第一部材3は、図2に示すように、回路部材2を支持するように基材20の第一面20a及び第二面20bの少なくとも一方に設けられている。第一面20aは、基材20における配線部22が設けられている面である。第二面20bは、第一面20aと反対側の面である。第一部材3は、第一面20a又は第二面20bに接触して設けられていてもよいし、他の部材を介して第一面20a又は第二面20bに設けられていてもよい。他の部材は、例えば後述する第二部材4である。本例の第一部材3は、第二面20bに接触して設けられている。
第一部材3と回路部材2との間には、図示しない下地層及び接着層の少なくとも一方が設けられていてもよい。下地層及び接着層は、第一部材3と回路部材2との密着性を高めるために設けられる。下地層は、例えば上述した下地層21と同様の樹脂で構成される。接着層は、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、又はシリコーン樹脂で構成される。
第一部材3の構成樹脂は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、及びアクリル(PMMA)である。第一部材3の構成樹脂は、上述した樹脂の少なくとも一種を含むとよい。
〔第二部材〕
第二部材4は、電装品1にデザイン性及び機能性の少なくとも一方を付与する部材である。第二部材4は、第一部材3とは別部材である。デザイン性には、装飾性が含まれる。機能性には、電気的特性、化学的特性、光学的特性、及び機械的特性が含まれる。第二部材4の形態の具体例は、フィルム又はシートである。第二部材4は、例えばフィルム状の形状を有する。第二部材4がフィルム状であると、第二部材4が電装品1の形状に沿って配置され易い。
装飾性を有する第二部材4は、例えば視覚で感知できる装飾部、及び触覚で感知できる表面処理部の少なくとも一方を有する。装飾部の構成要素には、部材の色彩及び模様が含まれる。装飾部を有する第二部材4は、例えば光沢フィルムである。表面処理部を有する第二部材4は、例えば凹凸を有するフィルムである。
電気的特性を有する第二部材4は、例えば、電磁波シールドフィルム、又は帯電防止フィルムである。化学的特性を有する第二部材4は、例えば、撥水フィルム、防水フィルム、防汚フィルム、又は抗菌フィルムである。光学的特性を有する第二部材4は、例えば、光透過フィルム、反射防止フィルム、又は偏光フィルムである。機械的特性を有する第二部材4は、例えば、耐傷付きフィルムである。
第二部材4は、絶縁性樹脂等の有機材料で構成されていてもよいし、金属又はセラミックスの無機材料で構成されていてもよい。第二部材4は、絶縁性樹脂と金属との複合体で構成されていてもよい。第二部材4の材質は、第二部材4に求められる特性に応じて適宜選択される。
第二部材4は、図2に示すように、回路部材2及び第一部材3の少なくとも一方に設けられている。本例の第二部材4は、第一部材3に設けられている。
第二部材4は、図1及び図2に示すように、配線部22の一部を覆う保護層5であってもよい。保護層5は、配線部22を電気的及び機械的に保護する。保護層5は、カバーレイ及びソルダーレジストの少なくとも一方を含む。カバーレイは、接着剤層を有する絶縁フィルムである。カバーレイは、曲げて使用されるフレキシブルな回路部材2に利用し易い。ソルダーレジストによる保護層5は、配線部22上に塗布した原液を硬化させたものである。ソルダーレジストは、曲げずに使用されるリジットな回路部材2に利用し易い。
≪電装品の製造方法≫
電装品の製造方法は、回路部材2を作製する工程A、及び第一部材3を回路部材2に一体化する工程Bを備える。本例の電装品の製造方法は、回路部材2及び第一部材3の少なくとも一方に第二部材4を一体化する工程Cをさらに備える。工程Bと工程Cはどちらが先に行われてもよい。工程Bと工程Cが同時に行われてもよい。電装品1が第二部材4を備えない場合、工程Cは省略される。
〔工程A〕
工程Aは、絶縁性樹脂からなる基材20に配線部22が設けられた回路部材2を作製する工程である。工程Aは、基材20を用意する工程A1、基材20の第一面20a上に下地層21を設ける工程A2、及び下地層21上に配線部22を設ける工程A3を備える。
〈工程A1〉
工程A1で用意する基材20は、電装品の項目で説明した基材20である。基材20の第一面20aには、表面処理を施してもよい。表面処理は、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、又はUV照射である。表面処理によって、第一面20aと後述する下地層21との密着性が向上し易い。
〈工程A2〉
工程A2で基材20の第一面20a上に設ける下地層21は、電装品の項目で説明した下地層21である。下地層21は、例えばポリウレタン樹脂、又はアクリル系樹脂を基材20上に塗布することで設けられる。下地層21は、例えば第一面20aの全面に設けるとよい。
〈工程A3〉
工程A3は、下地層21上に配線部22を設けるにあたり、図4に示す導電ペースト230を下地層21上に塗布する工程A31、及び熱処理を施す工程A32を備える。本例の工程A3は、配線部22の一部としてメッキ層25を形成する工程A33をさらに備える。
(工程A31)
工程A31において下地層21上に塗布する導電ペースト230は、図4に示すように、複数の被覆粒子230aが分散媒230b中に分散されている。各被覆粒子230aは、銅粒子231の表面に銅を含む酸化物層232を備える。
銅粒子231は、電装品の項目で説明した銅粒子231である。銅粒子231は、例えば乾式法で形成されている。乾式法で形成された銅粒子231は、高い結晶性を有する。
酸化物層232は、銅粒子231の表面の少なくとも一部を覆っている。酸化物層232は、好ましくは銅粒子231の全表面を覆っている。酸化物層232は、銅粒子231の酸化を抑制するために設けられている。酸化物層232は、亜酸化銅、及び炭酸銅の少なくとも一方を含むことが好ましい。酸化物層232が亜酸化銅及び炭酸銅の少なくとも一方を含んでいると、銅粒子231の酸化が抑制され易い上に、後述する熱処理時に酸化物層232が良好に還元され易い。本例の酸化物層232は、亜酸化銅と炭酸銅が複合された層である。酸化物層232の平均厚さは、例えば2nm以上5nm以下である。酸化物層232の平均厚さが2nm以上であると、銅粒子231の酸化が抑制され易い。酸化物層232の平均厚さが5nm以下であると、後述する熱処理時に酸化物層232が良好に還元され易い。被覆粒子230aの比表面積に対する酸素濃度の割合は、例えば0.1質量%・g/m以上1.5質量%・g/m以下である。被覆粒子230aの比表面積に対する炭素濃度の割合は、例えば0.5質量%・g/m以下である。
分散媒230bは、例えばエチレングリコールといった極性溶媒である。分散媒230bには、焼結助剤として、アルコールアミン系溶剤を添加することが好ましい。アルコールアミン系溶剤は、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンである。焼結助剤として、上述したアルコールアミン系溶剤の少なくとも一種を含むとよい。分散媒230bには、分散剤、及び沈降防止剤の少なくとも一つをさらに添加してもよい。
導電ペースト230に占める複数の被覆粒子230aの割合は、例えば10質量%以上80質量%以下である。上記割合が10質量%以上であると、主層23を構成する銅粒子231の個数が十分に確保され、銅粒子231同士の導通がより良好に確保され易い。上記割合が80質量%以下であると、導電ペースト230の塗布が行い易い。
導電ペースト230の塗布は、例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷、クラビア印刷、クラビアオフセット印刷、インクジェット印刷、又はディスペンサーによって行う。導電ペースト230の塗布は、後述する熱処理後に得られる主層23の厚さが0.01μm以上10μm以下となるように行う。
(工程A32)
工程A32では、図5に示すように、導電ペースト230が塗布された基材20に熱処理を施す。熱処理は、各被覆粒子230aの酸化物層232(図4)を還元するように行われる。熱処理による酸化物層232の還元によって、複数の銅粒子231が結合されて、主層23が構成される。主層23は、配線部22を構成する。
熱処理は、例えば、還元雰囲気下で120℃以上200℃未満の温度で行われる。還元雰囲気下での熱処理であると、熱処理時に酸化物層232が良好に還元され易い。還元雰囲気は、還元性ガスのみからなる雰囲気、又は還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスからなる雰囲気である。還元性ガスは、例えば水素、一酸化炭素、又は炭化水素である。不活性ガスは、例えば窒素である。本例の還元雰囲気は、水素と窒素の混合ガス雰囲気である。熱処理温度が120℃以上であると、熱処理時に酸化物層232が良好に還元され易く、かつ銅粒子231同士が良好に結合され易い。熱処理温度が200℃未満であると、熱処理によって基材20が受ける熱的ダメージを小さくできる。熱処理温度は、好ましくは120℃以上180℃以下である。
熱処理は、例えば熱風加熱炉、近赤外線加熱、又はプラズマ焼成法によって行う。上記の熱処理であれば、例えばPET又はPCといった耐熱性の低い樹脂で基材20が構成されていても、基材20が受ける熱的ダメージは小さい。
本例の導電ペースト230は、下地層21によって基材20上に良好に密着される。導電ペースト230由来の配線部22も、下地層21によって基材20上に良好に密着される。本例では、特許文献1の技術のような加圧処理を行う必要はない。本例では、配線部22を基材20側に加圧しておらず、かつ基材20が受ける熱的ダメージが小さい。そのため、熱処理時に、基材20及び下地層21が各銅粒子231の空隙内に入り込むように変形することが抑制される。
(工程A33)
工程A33で形成するメッキ層25は、電装品の項目で説明したメッキ層25である。メッキ層25は、図6に示すように、熱処理によって構成された主層23の表面に形成する。メッキ層25は、無電解メッキによって形成してもよいし、電解メッキによって形成してもよい。
(その他の工程)
配線部22の表面には、図6に示すように、保護層5を設けてもよい。保護層5は、電装品の項目で説明した保護層5である。ソルダーレジストで保護層5を形成する場合、配線部22の表面にUV硬化型又は熱硬化型のソルダーレジストをスクリーン印刷する。次いで、ソルダーレジストにUV照射又は熱処理することで、保護層5が形成される。
〔工程B〕
工程Bは、例えば、図7に示すように、インサート成形によって実施される。インサート成形では、まず、金型9の内部に回路部材2及び第二部材4を配置する。第二部材4は、例えば意匠フィルムである。回路部材2と第二部材4との間には、所望の間隔を有する隙間を形成しておく。この隙間に第一部材3の構成樹脂となる未固化の樹脂を注入する。図7に示す矢印は、樹脂の注入方向を示している。その結果、回路部材2と第二部材4とが第一部材3によって一体化された状態となる。本例では、工程Bと工程Cとが同時に行われる。
本例では、実装部品6が搭載された回路部材2が用いられている。実装部品6は、回路部材2と第二部材4とが第一部材3によって一体化された後に、回路部材2に取付けられてもよい。
工程Bは、回路部材2に第一部材3を接着剤によって貼り合わせてもよい。
〔工程C〕
本例の工程Cでは、第二部材4の一部が工程Bと同時にインサート成形によって設けられている。第二部材4の一部は、第一部材3に一体化される意匠フィルムである。第二部材4のうち、配線部22の表面に設けられた保護層5は、工程Bの前に設けられている。
工程Cは、工程Bと独立して実施することもできる。工程Bと工程Cとが独立している場合、工程Cは、工程Bの後に実施することもできるし、工程Bの前に実施することもできる。工程Cは、回路部材2及び第一部材3の少なくとも一方に第二部材4を接着剤によって貼り合わせてもよい。
<実施形態2>
図8を参照して、実施形態2の電装品1を説明する。実施形態2の電装品1は、実施形態1の電装品1に対して、第二部材4の位置が異なる。実施形態2の電装品1は、第二部材4の位置を除いて実施形態1の電装品1と同じ構成を備える。図8では、図2に示す主層23とメッキ層25をまとめて配線部22として図示している。この点は、後述する図9及び図10でも同様である。
本例の第二部材4は、回路部材2に設けられている。具体的には、第二部材4は、回路部材2における基材20の第一面20a側に設けられている。第二部材4は、第一面20a上の下地層21に接触して設けられている。本例の第二部材4は、回路部材2及び実装部品6の双方を覆うように設けられている。基材20の第二面20bには、第一部材3が設けられている。回路部材2は、第一部材3と第二部材4とで覆われている。第二部材4が透光性材料で構成されていれば、実装部品6がLEDライトであっても、第二部材4の外側、図8では上側からLEDライトの点灯を確認できる。本例の第二部材4は、配線部22の一部を覆う保護層の機能も有する。
本例の電装品1は、例えば、基材20の第二面20bに第一部材3を一体化した後、基材20の第一面20aに第二部材4を一体化することで作製される。基材20への第一部材3の一体化と第二部材4の一体化は、どちらを先に行ってもよい。基材20への第一部材3の一体化と第二部材4の一体化は、インサート成形で行ってもよいし、接着で行ってもよい。本例の電装品1では、第一面20aが第二部材4で覆われているため、配線部22を別途保護層で覆わなくもよい。
実施形態2の変形例として、第一面20aに第一部材3が設けられ、第二面20bに第二部材4が設けられていてもよい。
<実施形態3>
図9を参照して、実施形態3の電装品1を説明する。実施形態3の電装品1は、実施形態1の電装品1に対して、第一部材3及び第二部材4の位置が異なる。
本例の第二部材4は、回路部材2と第一部材3との間に設けられている。言い換えると、回路部材2における基材20の第二面20bから順に、第二部材4と第一部材3とが設けられている。第一部材3は、第二部材4を介して回路部材2を支持している。配線部22の一部は、図示しない保護層が設けられていることが好ましい。
本例の電装品1は、例えば、回路部材2と第一部材3との間に第二部材4をインサート成形することで作製される。回路部材2、第一部材3、及び第二部材4をそれぞれ用意し、互いに接着剤によって貼り合わせてもよい。
<実施形態4>
図10を参照して、実施形態4の電装品1を説明する。実施形態4の電装品1は、実施形態1の電装品1に対して、第一部材3及び第二部材4の位置が異なる。
本例の第一部材3は、回路部材2における基材20の第一面20aに設けられている。本例の第一部材3は、配線部22及び実装部品6の双方を覆うように設けられている。
本例の第二部材4は、第一部材3に設けられている。回路部材2における基材20の第一面20aから順に、第一部材3と第二部材4とが設けられている。
本例の電装品1は、例えば、基材20の第一面20aと第二部材4との間に第一部材3をインサート成形することで作製される。本例の電装品1では、第一面20aが第一部材3及び第二部材4に覆われているため、配線部22を別途保護層で覆わなくてもよい。
1 電装品
2 回路部材
20 基材、20a 第一面、20b 第二面、21 下地層
22 配線部
23 主層、230 導電ペースト、230a 被覆粒子、230b 分散媒
231 銅粒子、232 酸化物層
25 メッキ層
3 第一部材
4 第二部材
5 保護層
6 実装部品
9 金型

Claims (20)

  1. 回路部材と、
    絶縁性樹脂からなる第一部材と、を備え、
    前記回路部材は、
    第一面及び第二面を有する絶縁性樹脂からなる基材と、
    前記第一面上に設けられた下地層と、
    前記下地層上に設けられた配線部と、を備え、
    前記配線部は、複数の銅粒子が結合した主層を備え、
    前記主層における前記下地層側の面の表面粗さは、最大高さRzで0.5μm以下であり、
    前記第一部材は、前記回路部材を支持するように前記第一面及び前記第二面の少なくとも一方に設けられている、
    電装品。
  2. 前記第一部材がパネルである、請求項1に記載の電装品。
  3. 前記主層の厚さが0.01μm以上10μm以下である、請求項1又は請求項2に記載の電装品。
  4. 前記複数の銅粒子の平均粒径が20nm以上300nm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電装品。
  5. 前記主層の体積抵抗率が150μΩ・cm以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電装品。
  6. 前記下地層は、ポリウレタン樹脂、又はアクリル系樹脂を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電装品。
  7. 前記下地層の厚さが1μm以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電装品。
  8. 前記基材の厚さが0.025mm以上1mm以下である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電装品。
  9. 150℃×30分の大気雰囲気における前記基材の熱収縮率が5%以下である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電装品。
  10. 前記配線部は、前記主層の表面に設けられたメッキ層を備え、
    前記メッキ層は、銅を含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電装品。
  11. 前記メッキ層の厚さが0.01μm以上50μm以下である、請求項10に記載の電装品。
  12. 前記メッキ層の体積抵抗率が20μΩ・cm以下である、請求項10又は請求項11に記載の電装品。
  13. 前記第一部材とは別部材である第二部材をさらに備え、
    前記第二部材は、前記回路部材及び前記第一部材の少なくとも一方に設けられている、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の電装品。
  14. 前記第二部材がフィルム状の形状を有する、請求項13に記載の電装品。
  15. 前記第二部材は、前記配線部の一部を覆う保護層であり、
    前記保護層は、カバーレイ及びソルダーレジストの少なくとも一方を含む、請求項13に記載の電装品。
  16. 絶縁性樹脂からなる基材に配線部が設けられた回路部材を作製する工程Aと、
    絶縁性樹脂からなる第一部材を前記回路部材に一体化する工程Bと、を備え、
    前記工程Aは、
    第一面及び第二面を有する前記基材を用意する工程A1と、
    前記第一面上に下地層を設ける工程A2と、
    前記下地層上に前記配線部を設ける工程A3と、を備え、
    前記工程A3は、
    銅粒子の表面に銅を含む酸化物層を備える複数の被覆粒子が分散媒中に分散された導電ペーストを前記下地層上に塗布する工程A31と、
    前記導電ペーストが塗布された前記基材に前記酸化物層を還元するような熱処理を施す工程A32と、を備える、
    電装品の製造方法。
  17. 前記銅粒子の平均粒径が20nm以上300nm以下であり、
    前記酸化物層の平均厚さが2nm以上5nm以下である、請求項16に記載の電装品の製造方法。
  18. 前記導電ペーストに占める前記複数の被覆粒子の割合が10質量%以上80質量%以下である、請求項16又は請求項17に記載の電装品の製造方法。
  19. 前記酸化物層は、亜酸化銅、及び炭酸銅の少なくとも一方を含む、請求項16から請求項18のいずれか1項に記載の電装品の製造方法。
  20. 前記工程A32における熱処理は、還元雰囲気下で120℃以上200℃未満の温度で行われる、請求項16から請求項19のいずれか1項に記載の電装品の製造方法。
JP2022012283A 2022-01-28 2022-01-28 電装品、及び電装品の製造方法 Pending JP2023110689A (ja)

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