JP2023108756A - 車両統合制御装置、車両統合制御方法 - Google Patents

車両統合制御装置、車両統合制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】動揺病への感受性が高い乗員に対して動揺病を未然に防ぐように車両の姿勢を制御することが可能な車両統合制御装置を提供する。【解決手段】車両の運動の制御目標値を生成または取得する目標値生成部と、前記車両に乗車している少なくとも1人の乗員について乗員特性により異なる動揺病の発症しやすさの定量値である動揺病感受性指数を取得する動揺病感受性取得部と、前記制御目標値と前記動揺病感受性指数に基づき、前記制御目標値を補正する目標値補正部と、を備えることを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、車両の運動量を制御する車両統合制御装置の構成とその制御に係り、特に、乗員の乗り心地の改善や乗り物酔い(動揺病)発症の防止をするように車両の姿勢を制御する技術に関する。
乗員にとっての乗り物酔い(動揺病)を推定し、低減のための車両運動を制御する従来の車両制御装置としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1の要約書には、「乗り物酔い推定装置(100)は、乗り物の揺れによって生じる乗員の頭部の動きに基づいて、前記乗員の頭部の動きに関して前記乗員が知覚する複数種類の感覚量の間の矛盾量を推定する感覚矛盾量算出部(10)と、前記乗員の頭部の動きと前記乗り物の動きの少なくともいずれか一方に基づいて、走行状況から乗り物酔いに関連する走行状況の特徴を抽出する走行状況特徴抽出部(30)と、前記乗員の生体情報に基づいて、前記走行状況に対して前記乗員の慣れが進行しているかどうかを判定する慣れ進行状態判定部(20)と、慣れ進行状態に基づいて前記走行状況の特徴に対する感度を設定する感度設定部(40)と、前記感度に基づいて前記感覚矛盾量を補正する感覚矛盾量補正部(50)と、前記補正後の感覚矛盾量に基づいて前記乗員の乗り物酔い状態を推定する乗り物酔い推定部(60)とを備える」ことが記載されている。
国際公開第2020/170640号
しかしながら、特許文献1の動揺病の推定方法は、過去の走行状態から当該の乗員が現在どの程度動揺病を発症しているかを推定するもので、乗員の動揺病の発症が進んでから乗り物酔いを低減する制御が行われる可能性がある。
より効果的に乗員の動揺病を低減するためには、予め当該乗員が動揺病を発症しやすいか否か(感受性)を推定し、乗員が動揺病を発症する前に、動揺病を引き起こし得る車両運動を予め防止することが必要となる。
そこで、本発明の目的は、動揺病への感受性が高い乗員に対して動揺病を未然に防ぐように車両の姿勢を制御することが可能な車両統合制御装置及びそれを用いた車両統合制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、車両の運動の制御目標値を生成または取得する目標値生成部と、前記車両に乗車している少なくとも1人の乗員について乗員特性により異なる動揺病の発症しやすさの定量値である動揺病感受性指数を取得する動揺病感受性取得部と、前記制御目標値と前記動揺病感受性指数に基づき、前記制御目標値を補正する目標値補正部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、(a)車両の運動の制御目標値を生成または取得するステップ、(b)前記車両に乗車している少なくとも1人の乗員について乗員特性により異なる動揺病の発症しやすさの定量値である動揺病感受性指数を取得するステップ、(c)前記制御目標値と前記動揺病感受性指数に基づき、前記制御目標値を補正するステップ、を有することを特徴とする。
本発明によれば、動揺病への感受性が高い乗員に対して動揺病を未然に防ぐように車両の姿勢を制御することが可能な車両統合制御装置及びそれを用いた車両統合制御方法を実現することができる。
これにより、乗員の乗り心地の改善や乗り物酔い(動揺病)発症の抑制が可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1に係る車両1の全体構成を示す平面図である。 実施例1の車両統合制御装置2の入出力信号を例示した概略図である。 実施例1の車両統合制御装置2の機能ブロック図である。 実施例1の乗員特性取得部23の一例を示す図である。 実施例1の乗員特性取得部23の一例を示す図である。 動揺病発症率(MSI)の演算方法を示す機能ブロック図である。 実施例1の乗員特性取得部23の一例を示す図である。 実施例1の乗員特性取得部23の一例を示す図である。 実施例1の目標値22の推移の一例を示す図である。 実施例1の動揺病発症度61の推移の一例を示す図である。 実施例1の動揺病感受性指数26の変化の一例を示す図である。 左カーブに進入する車両1を示す平面図である。 実施例1の動揺病感受性指数26の推移の一例を示す図である。 実施例1の動揺病感受性指数26の推移の一例を示す図である。 実施例1の動揺病感受性指数26の推移の一例を示す図である。 モータトルクまたはサスペンション力による車両1の姿勢制御を概念的に示す図である。 実施例1の動揺病感受性指数26と乗員の頭部ロール角74との関係の一例を示す図である。 実施例1の動揺病感受性指数26の推移の一例を示す図である。 実施例2の車両統合制御装置2の機能ブロック図である。 横加速度72により頭部ロール角74が発生する様子を示す図である。 実施例2の個人差学習部83の機能の一例を概念的に示す図である。 車両の走行軌道と横加速度及び乗員の頭部ロール角の関係を示す図である。 実施例2の車両統合制御装置2の処理を示すフローチャートである。 実施例3の車両統合制御装置2の機能ブロック図である。 実施例3の車両統合制御装置2による制御の一例を示す図である。 実施例3の車両統合制御装置2による制御の一例を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1から図14を参照して、本発明の実施例1に係る車両統合制御装置及び車両統合制御方法について説明する。
図1は、本実施例の車両1の全体構成を示す平面図である。
図1において、2は車両統合制御装置、3は外部制御装置、4はコンバインセンサ、11は車輪、12はモータ、13はブレーキ機構、14はステアリング機構、15はサスペンション、16はアクセルペダル、17はブレーキペダル、18はハンドルである。図中、FLは左前、FRは右前、RLは左後、RRは右後に対応する構成であることを示す符号であり、車輪11を例にすれば、11FL,11FR,11RL,11RRはそれぞれ、左前輪、右前輪、左後輪、右後輪である。また、Fは前側、Rは後側に対応する構成であることを示す符号である。
以下、車両1の前後方向をx軸(前方向を正)、左右方向をy軸(左方向を正)、上下方向をz軸(上方向を正)と定義したうえで、各構成の詳細を順次説明する。
車両統合制御装置2は、運転者の操作や、外部制御装置3からの外部指令、及び、コンバインセンサ4の検出信号(前後,左右,上下の各加速度、及び、ロール,ピッチ,ヨーの各レートの合計6自由度の制御軸に関する検出信号)に応じて、モータ12、ブレーキ機構13、ステアリング機構14、サスペンション15等の各アクチュエータを統合制御する制御装置である。
この車両統合制御装置2は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置、半導体メモリ等の主記憶装置、補助記憶装置、及び、通信装置などのハードウェアを備えたECU(Electronic Control Unit)である。そして、補助記憶装置から主記憶装置にロードしたプログラムを演算装置が実行することで、後述する各機能を実現するが、以下では、このような周知技術を適宜省略しながら説明する。
外部制御装置3は、車両統合制御装置2を介して運転支援制御や自動運転制御を実行するための上位コントローラであり、外界センサ19(カメラ,レーダ,LiDAR等)が取得した外界情報に基づいて、先行車に追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を実現するための速度指令値や加速指令値、或いは、車線内走行を維持するレーン・キープ・コントロール(LKC)を実現するためのヨー指令値等を演算し、それらを外部指令として車両統合制御装置2に出力する。
なお、図1では、車両統合制御装置2と外部制御装置3を別体としているが、両者を一つのECUで実現しても良い。
外界センサ19として、例えば180゜の視野角を持った魚眼カメラを車両1の前面、左右側面、後面それぞれに設置することで(19,19SL,19SR,19)、車両1の周囲に存在する他の車両、自転車、歩行者、障害物等の物体との相対距離及び相対速度を検出することができる。
なお、本実施例では、センサ構成の一例として上記センサの組み合わせを示しているが、それに限定するものではなく、超音波センサ、ステレオカメラ、赤外線カメラなどとの組み合わせでも良く、車両1の天井に周囲360゜をセンシング可能なレーザレーダを搭載しても良い。上記センサ信号(上記センサから出力される信号)が、車両統合制御装置2もしくは外部制御装置3に入力される。
ここで、車両1の駆動系を説明する。車両1は、駆動系の要部として、車輪11の各々に駆動力を与えるトルク発生装置を搭載している。このトルク発生装置の一例は、デファレンシャルギアとドライブシャフトを介して左右一対の車輪11に駆動力を伝達するエンジンやモータである。トルク発生装置の他の例は、車輪11の各々を独立駆動させるインホイールモータ式のモータ12である。以下では、インホイールモータ式のモータ12を車輪11の各々に搭載した、図1の車両構造を前提に本実施例の詳細を説明する。
運転者が車両1を前進(または後退)させたい場合、運転者はシフトレバーを所望の設定にしてから、アクセルペダル16を操作する。このとき、ストロークセンサ16aは、アクセルペダル16の踏み込み量を検出し、加速制御装置16bは、踏み込み量を変換したアクセル指令を車両統合制御装置2に出力する。車両統合制御装置2は、入力されたアクセル指令に応じた電力を図示しないバッテリから各輪のモータ12に供給し、各々のモータトルクを制御する。この結果、アクセルペダル16の操作に応じて、車両1を加減速させることができる。
また、外部制御装置3からの外部指令に応じて運転支援や自動運転を実施する場合、車両統合制御装置2は、入力された外部指令に応じて所望の電力を各輪のモータ12に供給することで、各々のモータトルクを制御する。この結果、車両1が加減速され、所望の運転支援や自動運転が実行される。
次に、車両1の制動系を説明する。車両1は、制動系の要部として、車輪11の各々に制動力を与えるホイルシリンダ13aを搭載している。このホイルシリンダ13aは、例えば、シリンダ、ピストン、パッド、ディスクロータ等から構成されている。このホイルシリンダ13aでは、マスタシリンダから供給された作動液によってピストンが推進され、ピストンに連結されたパッドが車輪11と共に回転しているディスクロータに押圧されることで、ディスクロータに作用したブレーキトルクが、車輪11と路面との間に作用する制動力となる。
運転者が車両1を制動させたい場合、運転者はブレーキペダル17を操作する。このとき、運転者がブレーキペダル17を踏む踏力は、ブレーキブースタ(不図示)で増加され、マスタシリンダによって、その踏力に略比例した油圧を発生させる。発生した油圧は、ブレーキ機構13を介して、各輪のホイルシリンダ13aFL,13aFR,13aRL,13aRRに供給されるので、運転者のブレーキペダル操作に応じて、各輪のホイルシリンダ13aのピストンがディスクロータに押圧され、各輪に制動力を発生させる。
なお、車両統合制御装置2を搭載した車両1では、ブレーキブースタやマスタシリンダを省略しても良く、その場合は、ブレーキペダル17とブレーキ機構13を直結させ、運転者がブレーキペダル17を踏めばブレーキ機構13が直接動作する機構であっても良い。
また、外部制御装置3からの外部指令に応じて運転支援や自動運転を実施する場合、車両統合制御装置2は、入力された外部指令に応じ、制動制御装置13bを介して、ブレーキ機構13と各輪のホイルシリンダ13aを制御する。この結果、車両1が制動され、所望の運転支援や自動運転が実行される。
なお、制動制御装置13bは、運転者によるブレーキペダル17の操作量をブレーキ指令に変換し、車両統合制御装置2に外部指令として出力する機能も担っている。
次に、車両1の操舵系を説明する。車両1は、操舵系の要部として、車輪11の各々に操舵力を与えるステアリング機構14を搭載している。図1では、前輪11(左前輪11FL、右前輪11FR)を操舵する前側のステアリング機構14と、後輪11(左後輪11RL、右後輪11RR)を操舵する後側のステアリング機構14を示しているが、前後にステアリング機構14を備える必要は無く、例えば、後側のステアリング機構14を省略しても良い。
運転者が車両1を操舵したい場合、運転者はハンドル18を操作する。このとき、運転者がハンドル18を介して入力した「操舵トルク」と「操舵角」は、操舵トルク検出装置18aと操舵角検出装置18bで検出される。前側の操舵制御装置14aは、検出された操舵トルクと操舵角に基づいて、前側の操舵用モータ14bを制御して、前輪11を操舵するためのアシストトルクを発生させる。同様に、後側の操舵制御装置14aは、検出された操舵トルクと操舵角に基づいて、後側の操舵用モータ14bを制御して、後輪11を操舵するためのアシストトルクを発生させる。
また、外部制御装置3からの外部指令に応じて運転支援や自動運転を実施する場合、車両統合制御装置2は、操舵制御装置14aを介して、操舵用モータ14bの操舵トルクを制御する。この結果、車両1が操舵され、所望の運転支援や自動運転が実行される。その場合、ハンドル18を省略しても良い。
次に、車両1の懸架系を説明する。車両1は、懸架系の要部として、車輪11の各々に発生する振動や衝撃を吸収し、車体の安定性、乗り心地を良くするための、サスペンション15を搭載している。このサスペンション15は、例えば、粘性を変更可能なダンパとコイルスプリングを組み合わせたセミアクティブサスペンションや、長さを調節可能なアクチュエータとダンパとコイルスプリングを組み合わせ、車体と車輪11の相対距離を任意に変更できるフルアクティブサスペンションである。
車両統合制御装置2は、セミアクティブサスペンションの粘性や、フルアクティブサスペンションの長さを制御することで、乗り心地等を改善するだけでなく、環境に応じて車両1の姿勢を適切に制御する。
次に、図2を用いて、車両統合制御装置2の入出力を説明する。図2は、車両統合制御装置2の入出力信号を列挙した概略図である。図2に示すように、車両統合制御装置2には、運転者がアクセルペダル16、ブレーキペダル17、ハンドル18等を操作することで生成された、アクセル指令、ブレーキ指令、操舵トルク、操舵角等が外部指令として入力される。
また、車両統合制御装置2には、運転支援制御中や自動運転制御中に外部制御装置3が生成した、前後加速指令値、左右加速指令値、上下加速指令値、ロール指令値、ピッチ指令値、ヨー指令値の中から、最大6自由度の外部指令が入力される。
さらに、車両統合制御装置2には、コンバインセンサ4から、前後,左右,上下の各加速度、及び、ロール,ピッチ,ヨーの各レートの各検出値が入力される。
そして、車両統合制御装置2は、上記の外部指令、検出値に基づいて、モータ12(12FL~12RR)、ブレーキ機構13(ホイルシリンダ13aFL~13aRR)、ステアリング機構14(操舵用モータ14b,14b)、サスペンション15(15FL~15RR)(以降、符号12~15を総称してアクチュエータと称することがある)の各々の操作量を適切に配分して、駆動、制動、操舵、懸架の各制御を実行することで、姿勢制御を含む所望の車両制御を実現する。
なお、図1の車両1は、手動運転に対応するものであるため、図2では運転者起因の外部指令も例示しているが、本発明は、完全自動運転または遠隔操作にのみ対応した車両1にも適応でき、その場合は、運転者起因の外部指令を省略した構成とすれば良い。自動運転時は外部制御装置3から最大6自由度の外部指令が入力されても良いし、外界センサ19からの外界情報及び車両統合制御装置2内部に記憶された地図情報を用いて自動走行用の目標値を生成してもよい。本実施例においては、車両統合制御装置2内部で自動運転用の目標値を生成する前提で説明する。
車両統合制御装置2には、さらに乗員特性5が入力される。詳細は後述するが、車両1の車室内にカメラを搭載し、乗員の頭部の動きを計測して動揺病(乗り物酔い)の感受性を推定する。或いは、乗車中の乗員の動揺病(乗り物酔い)感受性に関わる情報を、乗員が所有する携帯端末から取得する仕組みを備えても良い。
図3は、車両統合制御装置2の機能ブロック図である。図2では、運転者起因の3種の外部指令(アクセル指令,ブレーキ指令,操舵トルク・操舵角)が入力され、また、外部制御装置3からの最大6種の外部指令が入力される車両統合制御装置2を例示したが、本実施例においては前述の通り、車両統合制御装置2内部で自動運転用の目標値を生成する構成を例にとって、本実施例の車両統合制御装置2の詳細を説明する。
本実施例の車両統合制御装置2は、図3に示すように、少なくとも目標値生成部21、乗員特性取得部23、動揺病感受性指数取得部25、目標値補正部27から構成されている。
目標値生成部21は、自動運転における特定の運転タスク(経路に追従する、先行車と同じ速度で走行する等)を実現するような車両運動目標を目標値22とし、目標値補正部27に出力する。目標値22は、前後加速指令値、左右加速指令値、ヨー指令値の3種であることが一般的であり、加えてロール角指令値、ピッチ角指令値、上下方向加速指令値を加えて最大6種の指令値を生成する。なお、運転者起因の3種の外部指令(アクセル指令,ブレーキ指令,操舵トルク・操舵角)が入力された場合は、目標値生成部21は、それらの外部指令を前後加速指令値、左右加速指令値、ヨー指令値に変換して目標値22として出力するものとする。
乗員特性取得部23は、車両1の車内に搭載されたセンサや入力手段を通じて乗員特性24を取得する。乗員特性24は後述の通り、乗車中の乗員に関する動揺病の発症しやすさ(感受性)を表す指数や物理量である。
図4A及び図4Bを用いて、乗員特性取得部23に関する一例を説明する。図4Aは、車両1aが自動運転可能な乗り合いバスの形状をしている場合を例にとって図示したものである。図4Aにおいて、乗員特性取得部23aは天井に取り付けられた360゜の視野を持つカメラである。このカメラで乗員52a(図4Aの例では2人の乗員52a,52’a)の乗車位置、乗車方向、姿勢、頭部の姿勢、頭部の動き、視線、乗車中タスク(読書中、睡眠中など)などを乗員特性24として検知する。なお、カメラはこのような形状・位置に限定されるものではなく、車室内に複数台設置してあっても良いし、360゜の視野でなくとも良い。
或いは、図4Bのように、車両1bが乗用車の形状をしている場合、乗員特性取得部23bはフロントガラスと天井との接続点付近(通常ルームミラーがついている部分)に設置したカメラであっても良い。この場合、後部座席に着席している乗員52bの乗員特性24を検知する。
動揺病感受性指数取得部25は、乗員特性取得部23により取得された乗員特性24に基づき、当該の乗員が動揺病を発症しやすいか否か(動揺病感受性)を予測もしくは取得し、動揺病感受性指数26を算出する。
ここで、図5を用いて、乗員の動揺病感受性を評価する動揺病感受性指数26の一つの例として、動揺病(いわゆる「車酔い」)の発症率である動揺病発症率(MSI)について説明する。
動揺病発症率(MSI)は、例えば、図5に示すような演算方法によって、演算することができる。つまり、3軸頭部加速度+重力加速度と、3軸頭部角速度と、3軸頭部加速度とに基づいて、MSIを演算することができる。
なお、図5中の「頭部加速度」と「頭部角速度」は、車両1に乗車中の乗員の頭部が受ける加速度と角速度とである。動揺病発症率(MSI)は、その値が小さいほど動揺病が発症しにくい車両運動とされる指標であるため、動揺病発症率(MSI)が小さくなるような車両運動の目標値の生成が望まれる。
動揺病感受性指数26の他の例としては、MSDV(Motion Sickness Dose Value)が挙げられる。これは、人体に発生した加速度の中で、特に動揺病を発症しやすいとされる特定の周波数成分を抜き出した値であり、この値が高いほど動揺病を発症しやすいことが一般に知られている。従って、この感性指標に着目する場合は、その特定の周波数成分を発生させないように前後・左右・上下の加速度を制御するような車両運動の目標値を生成する。
動揺病感受性指数26の他の例としては、生体信号(たとえば発汗・心拍など)が挙げられる。乗員が動揺病を発症した場合、心拍数の増加、掌部または額部の発汗が見られることが一般に知られている。従って、この感性指標に着目する場合は、この生体信号が改善するように車両運動の目標値を生成する。
動揺病感受性指数26の他の例としては、動揺病の発症しやすさを当該乗員が入力する手段を備えることが挙げられる。図6は、入力手段の一例を示した図である。図6では車両1が自動運転可能な乗り合いバスの形状をしており、乗員52は事前に携帯端末53で乗車予約をして利用するケースを想定している。
予約画面において「乗り物酔いしやすいか」の質問を設けてYes/Noを選択させる例を示している。乗員特性取得部23は、携帯端末53から通信で予約情報を取得する際に本質問への回答を取得し、動揺病感受性指数取得部25は、本質問への回答に基づき動揺病感受性指数26を設定する。例えば「Yes」と回答した場合、当該乗員の動揺病感受性指数を1と設定する。これにより、後述する目標値補正部27が当該の乗員を「動揺病を発症しやすい」と判断し、適切に車両運動を補正することが可能となる。
動揺病感受性指数26の他の例としては、乗員の過去の動揺病発症度合から動揺病感受性を推定する手段を備えることが挙げられる。図7Aから図7Dは、動揺病感受性を推定する手段の一例を示した図である。図7Aに示す通り、車両1が自動運転可能な乗り合いバスの形状をしており、乗員52が前回このバスを利用した際には動揺病感受性指数を1.0と設定されていたとする。乗車中、車両1は乗員特性取得部23により乗員52が今どの程度動揺病を発症しているかを表す動揺病発症度61を推定もしくは計測する。
ここで、目標値22(例えば横加速度)が図7Bに示す通り時間経過し、同時刻に動揺病発症度61が図7Cに示す通り増加し、閾値61’を超えて動揺病を発症している状態と判定された場合、乗員52が次回乗車する際は、図7Dに示すように動揺病感受性指数26を1.0から2.0に変化させる。これにより、後述する目標値補正部27が当該の乗員を「動揺病を発症しやすい」と判断し、適切に車両運動を補正することが可能となる。
目標値補正部27は、入力された種類の目標値22を補正し、入力されなかった種類の目標値を生成し、最終目標値28を出力する。ここで、目標値補正部27は、乗り心地の改善や動揺病低減を考慮した車両運動目標を生成する役割を担っており、動揺病感受性指数取得部25で取得された動揺病感受性指数26を最適化するような最終目標値28を生成する。
図8から図14を用いて、目標値補正部27の動作の一例を説明する。図8は、左カーブに進入する車両1を示す平面図である。ここで説明する道路形状は左カーブであり、車両1がこの左カーブの形状の道路に進入する。ここで実行される運転動作は左旋回である。
図8に示す道路は、曲率0(直線)の第一区間(~A)と、曲率が徐々に大きくなる(曲率単調増加:左右加速度増加)第二区間(A~B)と、曲率が一定(定常旋回)の第三区間(B~C)と、曲率が徐々に小さくなる(曲率単調減少:左右加速度減少)第四区間(C~D)と、曲率0(直線)の第五区間(D~)と、に分割されている。
図9に、図8のような左カーブにおける車両1の挙動と動揺病感受性指数26の時間変化の一例を示す。図9は、上から順に、車両1の速度71、横加速度72、ロール角73、動揺病感受性指数26の推移を示しており、横軸はカーブに差し掛かる直前の位置からの移動距離である。一点鎖線はそれぞれ図8に示す区間A~Dの位置に対応する。
先ず、速度71は、カーブに差し掛かる前の第一区間(~A)から減速を開始し、第二区間(A~B)にかけても減速を続け、第三区間(B~C)では一定速度で走行する。その後、第四区間(C~D)に差し掛かると速度を上げ、第五区間(D~)に入っても加速を続けて元の速度に戻る。
このような速度推移で走行すると、車両1に発生する横加速度72は、第二区間(A~B)で曲率が徐々に大きくなるとともに増加し、曲率が一定(定常旋回)の第三区間(B~C)では一定値で推移し、曲率が徐々に小さくなる第四区間(C~D)では徐々に減少する。ロール角73も横加速度72とほぼ同様に推移する。
なお、横加速度72は、車両1が進行方向に対して左方向に移動した場合、つまり、車両1が左方向に旋回した場合を正と定義し、この時に演算されるロール角73も正(進行方向に対して時計回り)、つまり、旋回外側(右側)方向へのロールとなる。
このような車両挙動において、動揺病感受性指数26の推移の一例を示すと図9の最下段のようになる。図9の最下段の動揺病感受性指数26の推移は、図5に示した動揺病発症率(MSI)を例にとった時間経過である。
車両1が左カーブに差し掛かると、乗員52の頭部は横方向の慣性加速度を知覚する。また、慣性により旋回外側に動揺することで、頭部のロール角が生じる。この2つの効果により、特に横加速度72及びロール角73が変化する第二区間(A~B)と第四区間(C~D)において上昇傾向が顕著となり、一定の横加速度・ロール角となる区間では上昇率が徐々に低下する。なお、MSIは前後加速度・ピッチ角によっても生じるため、車両1が減速を開始している第一区間(~A)からすでにMSIは上昇を開始している。
この時、同じ車両挙動(横加速度・ロール角)でも、乗員によっては、或いは、同じ乗員でも乗車中のタスクによっては、頭部の揺動が異なる。その結果、頭部が揺動しにくい乗員aの動揺病感受性指数は26aのように推移し、頭部が揺動しやすい乗員bの動揺病感受性指数は26bのように推移する。MSIの原理によれば、後者の乗員bが動揺病を受容しやすいことになる。
図10及び図11を用いて、頭部が揺動しにくい乗員aの乗車時と、頭部が揺動しやすい乗員bの乗車時を例にとって、目標値補正部27が最終目標値28を変更する一例を説明する。
図10は、最終目標値28として速度71を変更する例を示したものである。上から順に、車両1の速度71、横加速度72、動揺病感受性指数26の推移を示しており、横軸はカーブに差し掛かる直前の位置からの移動距離である。一点鎖線はそれぞれ図8に示す区間A~Dの位置に対応する。
頭部が揺動しにくい乗員aに対しての挙動、すなわち速度71a、横加速度72a、動揺病感受性指数26aの挙動は図9と同様である。それに対し、頭部が揺動しやすい乗員bが乗車中に同様の速度71aで左カーブを通過すると、動揺病感受性指数は26bのように26aより高い値となる。従って、目標値補正部27は速度を71bのように低減する最終目標値28を生成する。
具体的には、乗員aに対してよりも手前で減速を開始する前後加速度(不図示)を最終目標値28として生成する。これにより、カーブ通過中の横加速度が72bのように低減され、動揺病感受性指数26bが26aと同等の26’bとなる。すなわち、動揺病の感受性が高い乗員bに対してはカーブ通過時の速度が低減され、それに起因する頭部の揺動が抑えられることで動揺病の発症が抑制される。
なお、ここではMSIを動揺病感受性指数26の例にとって挙動例を説明したが、図6及び図7Aから図7Dに示す方法で取得した動揺病感受性指数26に対しても同様の挙動が実現可能である。すなわち、乗員aの動揺病感受性指数が1.0、乗員bの動揺病感受性指数が2.0と設定された場合にも図10と同様の最終目標値28を生成可能である。
また、図10では、動揺病感受性指数26bが26aと同等の26’bとなるように最終目標値28を生成する例を示したが、動揺病感受性指数26の絶対値もしくは変化率が所定以内となるように最終目標値28を生成しても良い。以降の説明においても、動揺病感受性指数26としてMSIを用いて、26bが26aと同等の26’bとなるように最終目標値28を生成する例を用いて説明するが、上記と同様に挙動を変更可能である。
さらに、図4Aのように乗員が複数人いる場合、動揺病感受性指数26が一番高い乗員を選択し、当該乗員にとっての動揺病感受性指数26を抑えるように最終目標値28を生成する。
図11は、最終目標値28として速度71は変更せず、車両1のロール角73を変化させる例を示したものである。上から順に、車両1の速度71、ロール角73、動揺病感受性指数26の推移を示しており、横軸はカーブに差し掛かる直前の位置からの移動距離である。一点鎖線はそれぞれ図8に示す区間A~Dの位置に対応する。
頭部が揺動しにくい乗員aに対しての挙動、すなわち速度71a、ロール角73a、動揺病感受性指数26aの挙動は図9と同様である。それに対し、頭部が揺動しやすい乗員bが乗車中に同様の速度71aで左カーブを通過すると、動揺病感受性指数は26bのように26aより高い値となる。従って、目標値補正部27はロール角を73bのように、旋回内側方向に傾ける最終目標値28を生成する。その結果、カーブ通過中に乗員bの頭部が感じる慣性による横加速度が低減され、動揺病感受性指数26bが26aと同等の26’bとなる。
前述の通り、曲線路への進入時の横加速度・ロール角の発生だけでなく、加減速時の前後加速度・ピッチ角も動揺病の原因となる。従って、乗員によっては曲線路の手前でむやみに減速をすることがかえって動揺病につながる可能性もあり、曲線路通過時に速度以外の目標値を変更する状況があり得る。図11に示す方法では、MSIという指標を用いることで前後と左右の両方の車両運動に起因する動揺病を適切に抑圧可能となる。
ここで、図12を用いて、モータ12によりロール角を変化させる方法の一例を説明する。図11のように旋回内側(進行方向に向かって左方向)にロール角を発生させる場合、先ず図12の左図に示すようにモータ12を用いて左前輪11FLと右後輪11RRには正方向の駆動力を発生させ、右前輪11FRと左後輪11RLには負方向の駆動力を発生させる。
この結果、車両1には、図12の右図に示すような、左側ではDOWN方向の、右側ではUP方向のサスペンション力が発生し、これらのサスペンション力によって車両1が左方向に傾き、内部指令として生成した最終目標値28に適った車両1の姿勢制御が実現される。或いは、サスペンション15にアクチュエータを搭載し、直接サスペンション力を発生させても良い。
図13及び図14を用いて、同じ車両運動(速度、横加速度)において、乗員毎に動揺病感受性指数26が異なるメカニズム、及び旋回内側方向のロール角が動揺病感受性指数26を低減させるメカニズムについて説明する。
図13は、図11の乗員aにおける走行方法と同様の方法で走行した場合に、乗員a,bそれぞれについて、上から順に車両1の横加速度72、乗員52の頭部ロール角74、動揺病感受性指数26の推移を示している。また、図13の下段には、第三区間(B~C)における車両1の横加速度72とロール角73、乗員a,bそれぞれの頭部ロール角74a,74bの挙動を模式的に示している。
図14は、図11と同様に、頭部が揺動しやすい乗員bに対して旋回内側方向にロール角を変更した場合の挙動を、上から順に車両1のロール角73(図11の再掲)、乗員の頭部ロール角74、動揺病感受性指数26(図11の再掲)で示している。横軸はカーブに差し掛かる直前の位置からの移動距離である。一点鎖線はそれぞれ図8に示す区間A~Dの位置に対応する。
先ず、図13の例では、頭部が揺動しにくい乗員a,頭部が揺動しやすい乗員bどちらも同じ速度でカーブを通過するため、その際に発生する横加速度は72a,72bの通り同一である。一方、乗員の頭部ロール角74は、同じ横加速度に対しても一般に乗員によって頭部の揺動が異なることが知られており、図13においては乗員aの頭部ロール角74aに対し、乗員bの頭部ロール角74bが正方向に大きくなっている。
この時、図13の下段の模式図に示すように、車両1は横加速度72の発生に伴い、慣性の法則によりロール角73が反対側に生じる。さらに、乗員52の頭部は、車両1のロール角73に加えて横方向の慣性加速度が生じるため、車両1のロール角73以上にロール角が発生する。この際、乗員aに比べて乗員bの方が首を大きく傾けていることになる。
この頭部の揺動の違いは、乗員によって慣性加速度による頭部の揺動を自らの意思で抑えようとするか否かが異なること、経験や乗車中のタスクによって車両1に発生する慣性加速度の発生が予測できるか否かが異なることが一因と考えられる。MSIの原理に基づけば、同じ横加速度に対する頭部ロール角74が旋回外側方向に大きいほどMSIは増大し、図13において動揺病感受性指数が26aに比べて26bが増大する原因となっている。すなわち、乗員bの方が動揺病を発症しやすいことが示唆される。
従って、頭部が揺動しやすい乗員bに対しては、車両運動の目標値を変更して頭部運動を抑制することが動揺病低減につながる。
図14では、図11と同様に、頭部が揺動しにくい乗員aに対して、頭部が揺動しやすい乗員bはロール角を73に示すように旋回内側に変更し、最終目標値28を決定する。その結果、乗員bの頭部ロール角74bは、車両1のロール角変更前の74bと比べて74’bとなり、乗員aと同等になる。これにより、乗員bの動揺病感受性指数も26bから26’bに変化し、乗員aと同等になる。
以上述べたように、目標値補正部27は、乗員52に対する動揺病感受性指数26に基づき、或いは、動揺病感受性指数26の数値もしくはその上昇率が所定以内となるように目標値22を修正して最終目標値28を生成する。換言すると、乗員の頭部揺動(例えば頭部ロール角)が所定以内となるように目標値22を補正するともいえる。
以上説明したように、本実施例の車両統合制御装置2によれば、乗員の動揺病感受性に関する個人差に対応し、動揺病を効果的に低減する車両運動目標値を生成する車両統合制御装置を提供することが可能となる。
図15から図18を参照して、本発明の実施例2に係る車両統合制御装置及び車両統合制御方法について説明する。
実施例1では、乗員特性24を取得(計測)する手段を備え、乗員特性24から動揺病感受性指数26を算出して最終目標値28を生成するという構成を示した。その中で乗員特性24の一例として、頭部の揺動を挙げ、頭部の揺動に基づき算出するMSIを例にとって最終目標値28の変化を示した。
一方で、乗員の動揺病をより効果的に低減することを考慮すると、予め車両運動から乗員の頭部運動がどのように発生するかを予測し、車両運動を変更することが望ましい。そのためには、乗員の頭部運動に関する運動モデルを車両統合制御装置2内に有し、乗員の頭部揺動の特性に応じて当該運動モデルのパラメータを適合する構成であっても良い。
図15は、実施例2の車両統合制御装置2の機能ブロック図である。
本実施例の車両統合制御装置2は、図15に示すように、少なくとも目標値生成部21、車両運動取得部81、頭部運動取得部82、個人差学習部83、個人差記憶部84、動揺病感受性指数取得部25、目標値補正部27から構成されている。目標値生成部21、動揺病感受性指数取得部25、目標値補正部27は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
車両運動取得部81は、コンバインセンサ4から、最大6軸の車両運動(前後,左右,上下の各加速度、及び、ロール,ピッチ,ヨーの各レートの各検出値)を取得する。一般的な車両1に搭載されているコンバインセンサ4は、前後、左右の各加速度とヨーレイトの計3軸が取得されることが一般的である。この場合は、これら3軸の車両運動と速度71、ステアリング機構14から操舵角を取得することで、ロール及びピッチのレートまたは角度を推定する構成であっても良い。
頭部運動取得部82は、車両1に乗車している乗員52の頭部について、最大6軸の運動量を取得する。ここでは特に、頭部のロール角とピッチ角の少なくとも1つが取得されることが必要となる。取得方法としては、例えば図4A及び図4Bに示したように、車室内に搭載されたカメラの映像から乗員52の頭部映像を撮影し、画像からロール角やピッチ角を認識することが一例である。
なお、頭部運動取得部82は、乗員52が能動的に頭部を動かしている場合は、その運動量を除外して、車両運動に起因した頭部運動を抽出する。
個人差学習部83は、取得した車両運動および乗員の頭部運動に基づき、当該乗員の頭部運動モデルパラメータを同定(決定)する。
図16Aから図17を用いて、個人差学習部83の動作の一例を説明する。
図16Aは、乗員52に対する横加速度72により、頭部ロール角74が発生する様子を示している。図16Bは、頭部運動モデルとして一般的なバネ・マス・ダンパの力学モデルを採用した場合の例を示している。なお、図16A及び図16Bではロール方向を例に説明するが、ピッチ方向も同様のモデルで表現可能である。
先ず、図16Aに示すように、乗員52に対して横加速度72が生じると、頭部には慣性加速度が生じることで頭部のロール角74が発生する。この時、乗員52の頸部(肩部と頭部の接続部)は一般に、バネ(変位に比例した反力発生)とダンパ(変位の時間変化に比例した反力発生)の特性を持つことが知られている。この構成を頭部運動モデルとして単純化すると、図16Bに示すように、慣性93がバネ91、ダンパ92を介して接地している構成として表せる。
本モデルへの力学的な入力は、慣性93の重心点に発生する慣性加速度であり、その結果発生する変位94が頭部ロール角74と等価である。このようなモデルを想定することで、目標値22で設定された横加速度の時間変化に起因する乗員の頭部ロール角74の時間変化が推定可能となる。
図16Bで示したバネ91、ダンパ92の係数は人によって異なる(個人差がある)と考えられ、個人差学習部83が同定するのはこのバネ91、ダンパ92の係数である。一般に、バネやダンパの係数が大きいほど頭部の揺動が小さい。
図17を用いて、バネ91、ダンパ92の係数の同定例を説明する。図17では車両1が2車線の道路で左から右に車線変更する場合を想定しており、横加速度72が図の通り生じる。すなわち、最初に右方向に操舵をすることで負の横加速度が生じ、次に左方向に操舵をすることで正の加速度が生じる。この時、頭部が揺動しにくい乗員aと頭部が揺動しやすい乗員bでは、同じ横加速度72に対する頭部ロール角が74a,74bと異なる。
個人差学習部83は、この横加速度72と頭部ロール角74との時系列の関係からバネ91、ダンパ92の係数を同定する。例えば図17において、頭部ロール角の振幅は74aに比べて74bは略2倍の大きさであることから、同定されるバネ係数は、乗員aに比べて乗員bが概ね半分の大きさになることが想定される。
個人差記憶部84は、以上述べた頭部運動モデルと、個人差学習部83で同定した当該乗員のバネ係数値及びダンパ係数値を記憶する。
動揺病感受性指数取得部25は、個人差記憶部84に記憶された頭部運動モデルとバネ係数、ダンパ係数、目標値22内に設定されている横加速度72の値に基づき、乗員の頭部運動(ロール角・ピッチ角等)を算出する。そして、算出した乗員の頭部運動に基づき動揺病感受性指数26を算出する。動揺病感受性指数26の算出例は実施例1と同様であり、説明を省略する。
図18は、本実施例の車両統合制御装置2の処理を示すフローチャートである。本処理では、計算ステップ毎に、車両1に乗車中の乗員52に対して頭部運動モデルが同定完了しているか否かを判定し、同定完了でなければ同定しつつ一般的な係数で、同定完了していれば同定された係数でそれぞれ動揺病感受性指数26を算出する。
先ず、ステップS101において、頭部運動取得部82は、乗員52の個人を識別する。例えば、カメラ映像により、当該乗員52が過去に車両1に乗車したことがあるか否かを判定する。
次に、ステップS102において、個人差学習部83は、当該乗員52に関し、頭部運動モデルを学習済みか否かを判定する。すなわち、個人差記憶部84内に当該乗員52のバネ係数、ダンパ係数が記憶されているか否かを判定する。
当該乗員52の頭部運動モデルを学習済みでない場合(No)、ステップS103において、車両運動取得部81は車両運動を取得し、さらにステップS104において、頭部運動取得部82は当該乗員52の頭部運動を取得する。そして、ステップS105において、個人差学習部83は、取得した車両運動および乗員52の頭部運動に基づき、当該乗員52の頭部運動モデルパラメータを同定する。その後、ステップS106において、同定完了したか否かを判定する。ここで、同定には所定時間分の車両運動及び乗員52の頭部運動の時系列情報を要する。したがって、学習開始から所定時間経過したか否かが主な判定基準となる。
ステップS106において、同定が完了していないと判定した場合(No)、ステップS107において、動揺病感受性指数取得部25は、一般的な人体のバネ係数、ダンパ係数を用いて乗員52の頭部運動を算出する。
一方、ステップS102において、当該乗員52の頭部運動モデルを学習済みである場合(Yes)、もしくは、ステップS106において、同定が完了していると判定した場合(Yes)、ステップS108において、同定されたバネ係数、ダンパ係数を用いて乗員52の頭部運動を算出する。
そして、ステップS109において、算出した乗員52の頭部運動に基づき、動揺病感受性指数26を算出する。
最後に、ステップS110において、目標値補正部27は、算出された動揺病感受性指数26に基づき最終目標値28を算出する。
以上説明したように、本実施例の車両統合制御装置2によれば、予め車両運動から乗員52の頭部運動がどのように発生するかを、個人差も含めて予測し、車両運動を変更することで、より効果的に乗員52の動揺病を低減することが可能となる。
図19から図21を参照して、本発明の実施例3に係る車両統合制御装置及び車両統合制御方法について説明する。
実施例1及び実施例2では、車両統合制御装置2は最終目標値28を出力し、最終目標値28に基づいて各アクチュエータ12~15もしくは下位の制御器の操作量を決定する構成となっているが、車両統合制御装置2の内部に各アクチュエータの操作量を決定する構成を備えていても良い。
図19は、実施例3の車両統合制御装置2の機能ブロック図である。
本実施例の車両統合制御装置2は、図19に示すように、少なくとも目標値生成部21、乗員特性取得部23、動揺病感受性指数取得部25、目標値補正部27、操作量割付部85から構成されている。目標値生成部21、乗員特性取得部23、動揺病感受性指数取得部25、目標値補正部27は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
操作量割付部85は、目標値補正部27により生成された最終目標値28に基づいて、モータ12、ブレーキ機構13、ステアリング機構14、サスペンション15などの各アクチュエータの操作量を適切に配分する。この操作量割付部85が車両統合制御装置2内に存在することで、車両統合制御装置2は最終目標値28の指令を満たしつつ、アクチュエータの消費電力を抑える等の機能が実現され、乗員52の特性により異なるニーズを満たすことが可能となる。
図20及び図21を用いて、図19に示す本実施例の車両統合制御装置2による制御の一例を説明する。
図20,図21はいずれも、実施例1と同様に、図8に示す左カーブを走行する場合を例にとって、動揺病の感受性が低い(頭部が揺動しにくい)乗員aと、動揺病の感受性が高い(頭部が揺動しやすい)乗員bがそれぞれ乗車した際の各アクチュエータの動作例を示している。
なお、図20及び図21では、車両1のロール角73を制御する観点に着目し、アクチュエータとしては、特にモータ12、サスペンション15に着目して示している。すなわち、ブレーキ機構13、ステアリング機構14については、乗員aと乗員bで動作が同じであるものとして説明を省略する。
図20は、上から順に、車両1の速度71、ロール角73、乗員aの乗車時のモータ12のトルクであるモータトルク76a、乗員bの乗車時のモータトルク76bの推移を示している。また、図21は、上から順に、サスペンション15に取り付けられたアクチュエータの推進力である乗員aの乗車時のサスペンション力77a、乗員bの乗車時のサスペンション力77b、当該区間を走行中の車両1のトータルの消費電力78、乗員の動揺病感受性指数26の推移を示している。いずれも横軸はカーブに差し掛かる直前の位置からの移動距離である。一点鎖線はそれぞれ図8に示す区間A~Dの位置に対応する。
なお、サスペンション力77については、車体を持ち上げる方向の推進力を正方向と定義する。
先ず、図20の速度71に着目する。ここでは、図10と同様に、頭部が揺動しにくい乗員aに比べて頭部が揺動しやすい乗員bで速度を落とす例を示している。すなわち、速度71bは速度71aに比べてよりカーブ手前で減速を開始している。なお、図10と異なり、図20では地点Aに到達する前に減速を完了し、区間A~Dでは一定速度で走行する例を示している。
次に、ロール角73に着目すると、本カーブにおいて速度71aでロール方向の制御無しに通過した場合、ロール角は73’の通り発生する。それに対し、図20ではより乗員bにとっての動揺病低減効果を狙い、ロール角73bは旋回内側に積極的に傾けるロール角となっている。また、乗員aに対してのロール角73aも、ロール方向の制御が全く無い場合の73’に比べるとロール角の増加を抑制するように制御されている。
このロール角の変化を実現するため、モータ12、サスペンション15は、それぞれ以下の通り制御されている。
先ず、図20のモータトルク76に着目すると、乗員aに対するモータトルク76aは、地点Aの手前で減速のため4輪とも負方向に同量発生している。その後、区間A~Dにかけての曲線路通過時、左前輪のモータトルク76aFL及び右後輪のモータトルク76aRRは正方向に発生し、右前輪のモータトルク76aFR及び左後輪のモータトルク76aRLは負方向に発生している。
これにより、図12で説明した通り旋回内側(進行方向左側)に傾くロール角が発生し、このロール角変化は73’を73aに変化させる程度の寄与度である。その後、地点Dを越えて加速する際には、モータトルク76aは4輪とも正方向に同量発生している。
一方、乗員bに対するモータトルク76bは、地点Aの手前で減速のため4輪とも負方向に同量発生している点は乗員aと同様であるが、減速開始地点が乗員aより手前になり、減速期間が長くなっている。その後、区間A~Dにかけての曲線路通過時は乗員aに対するモータトルクと同様のモータトルクが生じている。地点D以降は4輪とも正方向に同量発生しているが、これも地点Aの手前と同様、加速終了地点が後倒しになり、乗員aよりも加速期間が長くなっている。
次に、図21のサスペンション力77に着目すると、乗員aに対するサスペンション力77aはいずれの区間においても特に発生せずゼロとなっている。それに対し、乗員bに対するサスペンション力77bは、区間A~Dにかけて、右側2輪分のサスペンション力77bFR,77bRRは正方向(車体を持ち上げる方向)に発生し、左側2輪分のサスペンション力77bFL,77bRLは負方向(車体を沈み込ませる方向)に発生している。これにより旋回内側(進行方向左側)に傾くロール角が発生し、このロール角変化はロール角73aを73bに変化させる程度の寄与度である。
そして、モータ12及びサスペンション15の働きにおける消費電力78に着目すると、先ず、第一区間(~A)においては78a,78bともに消費電力は負となる。これは減速時にモータ12による回生ブレーキが電力をバッテリに戻しているためであり、より減速期間の長い78bは78aより一時的に消費電力が小さく(負の方向に大きく)なっている。
その後、区間A~Dにかけてはどちらも消費電力が増加しているが、これはモータトルク76が発生していることによる銅損・鉄損による消費電力と、サスペンション力77による消費電力である。特に、乗員bに対するサスペンション力77bによる消費電力の寄与率が大きく、その結果、当該区間で78bの消費電力が急激に上昇して78aを越えている。
最後に、第五区間(D~)においては、モータトルク76による加速で消費電力が増加しており、この区間では加速期間が長い78bの消費電力の上昇が大きい。以上により、トータルで78bの消費電力が最終的に78aより大きくなっている。
以上のアクチュエータ動作による速度71及びロール角73により、乗員bの動揺病感受性指数26bは、乗員aの動揺病感受性指数26aと同等となっている。すなわち、動揺病への感受性が高い乗員bに対して、乗員aと同等に動揺病を発症しにくい車両運動を実現したことになる。
一方で、乗員aに対しては速度71aの低下幅が少ないこと、消費電力78aが小さいことから、目的地までの到達時間が短いという利便性と、走行効率が高い(走行コストが低い)というメリットを提供したことになる。
すなわち、本実施例では、動揺病への感受性が高い乗員に対しては高い動揺病抑制効果を提供し、動揺病への感受性が低い乗員に対しては利便性やコスト抑制などの別のメリットを提供可能である。
以上説明したように、本実施例の車両統合制御装置2によれば、車両統合制御装置2の内部に各アクチュエータの操作量を決定する操作量割付部を備えることにより、乗員により異なる動揺病感受性や乗車ニーズに対応することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1,1a,1b…車両
11…車輪
12…モータ
13…ブレーキ機構
13a…ホイルシリンダ
13b…制動制御装置
14…ステアリング機構
14a…操舵制御装置
14b…操舵用モータ
15…サスペンション
16…アクセルペダル
16a…ストロークセンサ
16b…加速制御装置
17…ブレーキペダル
18…ハンドル
18a…操舵トルク検出装置
18b…操舵角検出装置
19…外界センサ
2…車両統合制御装置
21…目標値生成部
22…目標値
23,23a,23b…乗員特性取得部
24…乗員特性
25…動揺病感受性指数取得部
26,26a,26b,26’b…動揺病感受性指数
27…目標値補正部
28…最終目標値
3…外部制御装置
4…コンバインセンサ
5…乗員特性
52,52a,52’a,52b…乗員
53…携帯端末
61…動揺病発症度
61’…動揺病発症度の閾値
71,71a,71b…速度
72…横加速度
73,73a,73b,73’…ロール角
74,74a,74b,74’b…乗員の頭部ロール角
75…走行軌道
76,76a,76b…モータトルク
77,77a,77b…サスペンション力
78,78a,78b…消費電力
81…車両運動取得部
82…頭部運動取得部
83…個人差学習部
84…個人差記憶部
85…操作量割付部
91…頭部運動モデルのバネ
92…頭部運動モデルのダンパ
93…頭部運動モデルの慣性
94…頭部運動モデルの慣性の変位

Claims (15)

  1. 車両の運動の制御目標値を生成または取得する目標値生成部と、
    前記車両に乗車している少なくとも1人の乗員について乗員特性により異なる動揺病の発症しやすさの定量値である動揺病感受性指数を取得する動揺病感受性取得部と、
    前記制御目標値と前記動揺病感受性指数に基づき、前記制御目標値を補正する目標値補正部と、
    を備える車両統合制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記動揺病感受性取得部は、前記乗員特性として、前記乗員の乗車位置、乗車方向、視線情報、頭部姿勢、動揺病発症率、過去の動揺病発症経歴の少なくとも1つを取得する車両統合制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記動揺病感受性取得部は、前記乗員が入力手段により入力した動揺病の発症しやすさを前記動揺病感受性指数として取得する車両統合制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記動揺病感受性取得部は、前記動揺病感受性指数として、前記乗員の過去の動揺病発症度合いから発症しやすさを予測する車両統合制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記目標値補正部は、前記動揺病感受性指数が大きいほど前記制御目標値の補正幅を大きくする車両統合制御装置。
  6. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記目標値補正部は、前記動揺病感受性指数が所定値以内となるよう前記制御目標値を補正する車両統合制御装置。
  7. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記目標値補正部は、前記制御目標値に対する前記乗員の頭部姿勢の変化が大きいほど前記制御目標値の補正幅を大きくする車両統合制御装置。
  8. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記目標値補正部は、前記制御目標値に対する前記乗員の頭部姿勢の変化が所定値以内となるよう前記制御目標値を補正する車両統合制御装置。
  9. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記車両の現在の車両運動を取得する車両運動取得部と、
    前記乗員の頭部運動を取得する頭部運動取得部と、をさらに備え、
    前記動揺病感受性取得部は、前記車両運動と前記頭部運動に基づき、乗員特性により異なる前記乗員の動揺病の発症しやすさを予測する車両統合制御装置。
  10. 請求項9に記載の車両統合制御装置であって、
    前記車両運動および前記頭部運動から、前記乗員の乗員特性により異なる頭部運動の特徴を学習する個人差学習部をさらに備え、
    前記動揺病感受性取得部は、前記個人差学習部により学習した前記頭部運動の特徴に基づき、前記制御目標値に起因する前記乗員の頭部運動を予測し、
    前記頭部運動に基づき、動揺病の発症しやすさである動揺病発症率を予測する車両統合制御装置。
  11. 請求項1に記載の車両統合制御装置であって、
    前記車両に複数設けられたアクチュエータに対し、前記制御目標値に近づくように、前記アクチュエータの操作量を決定する操作量割振部をさらに備える車両統合制御装置。
  12. 請求項11に記載の車両統合制御装置であって、
    前記目標値補正部は、前記動揺病感受性指数が大きいほど、前記アクチュエータの操作量が大きくなるように前記制御目標値を補正する車両統合制御装置。
  13. 以下のステップを有する車両統合制御方法;
    (a)車両の運動の制御目標値を生成または取得するステップ、
    (b)前記車両に乗車している少なくとも1人の乗員について乗員特性により異なる動揺病の発症しやすさの定量値である動揺病感受性指数を取得するステップ、
    (c)前記制御目標値と前記動揺病感受性指数に基づき、前記制御目標値を補正するステップ。
  14. 請求項13に記載の車両統合制御方法であって、
    前記(b)ステップにおいて、前記乗員特性として、前記乗員の乗車位置、乗車方向、視線情報、頭部姿勢、動揺病発症率、過去の動揺病発症経歴の少なくとも1つを取得する車両統合制御方法。
  15. 請求項13に記載の車両統合制御方法であって、
    前記(b)ステップにおいて、前記乗員が入力手段により入力した動揺病の発症しやすさを前記動揺病感受性指数として取得する車両統合制御方法。
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