JP2023108260A - 振動デバイス - Google Patents

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彰 水口
Akira Mizuguchi
淳一 竹内
Junichi Takeuchi
竜太 西澤
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Abstract

【課題】ヘリウムの侵入による気密性の低下が生じ難い振動デバイスを提供すること。【解決手段】振動デバイス1は、表裏関係にある第1面9Aおよび第2面9Bを有し、少なくとも第1面9Aにヘリウム透過性の絶縁層20が配置される半導体基板9と、第1面9A側に配置される振動素子7と、第1面9A側に配置される接合層15と、接合層15を介して半導体基板9に接合され、半導体基板9とによって、振動素子7を収容するキャビティー3を有するパッケージ5を構成するリッド11と、を備え、絶縁層20は、パッケージ5の外部に露出しキャビティー3に露出しない第1絶縁膜101,103と、キャビティー3に露出しパッケージ5の外部に露出しない第2絶縁膜102,104と、を有し、パッケージ5の外部およびキャビティー3に露出し、パッケージ5の外部とキャビティー3とに連通する絶縁膜を有さない。【選択図】図2

Description

本発明は、振動デバイスに関する。
従来、特許文献1に示すように、容器に振動片が収容された振動デバイスが知られている。容器は、基体と、リッドである蓋体と、を有し、基体に蓋体を接合することにより、振動片が収容されるキャビティーが形成される。基体は、シリコン基板であり、蓋体と対向する面には酸化シリコンからなる酸化膜が形成される。蓋体は、シリコン基板であり、基体と対向する面に酸化シリコンからなる酸化膜が形成される。基体と蓋体とは、金属により形成される接合部材を介して接合される。接合部材は、基体に形成される酸化膜と蓋体に形成される酸化膜との間に配置される。
特開2021-158628号公報
しかしながら、特許文献1に記載の振動デバイスでは、基体と蓋体との接合部において、酸化シリコンからなる酸化膜が、振動デバイスの外部からキャビティーに連通するように配置されている。酸化シリコンは、ヘリウム(He)透過性を有するため、酸化シリコンからなる酸化膜を介してヘリウムがキャビティー内に侵入し、気密性の低下による周波数変動が生じる、という課題がある。
振動デバイスは、表裏関係にある第1面および第2面を有し、少なくとも前記第1面にHe透過性の絶縁層が配置される半導体基板と、前記第1面側に配置される振動素子と、前記第1面側に配置される接合層と、前記接合層を介して前記半導体基板に接合され、前記半導体基板とによって、前記振動素子を収容するキャビティーを有するパッケージを構成するリッドと、を備え、前記絶縁層は、前記パッケージの外部に露出し前記キャビティーに露出しない第1絶縁膜と、前記キャビティーに露出し前記外部に露出しない第2絶縁膜と、を有し、前記外部および前記キャビティーに露出し、前記外部と前記キャビティーとに連通する絶縁膜を有さない。
実施形態1に係る振動デバイスの平面図。 図1中のA-A線での断面図。 実施形態1に係る振動デバイスの下面図。 図2中のC部の位置に相当する断面図。 実施形態2に係る振動デバイスの平面図。 図5中のE-E線での断面図。 実施形態2に係る振動デバイスの下面図。
次に、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
説明の便宜上、各図には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。X軸に沿った方向を「X方向」、Y軸に沿った方向を「Y方向」、Z軸に沿った方向を「Z方向」と言う。また、各軸方向の矢印先端側を「プラス側」、矢印基端側を「マイナス側」とも言う。例えば、Y方向とは、Y方向プラス側とY方向マイナス側との両方の方向を言う。また、Z方向プラス側を「上」、Z方向マイナス側を「下」とも言う。また、Z方向からの平面視を、単に「平面視」とも言う。
また、図1および図5は、振動デバイスの内部の構成を説明する便宜上、リッド11を取り外した状態を図示している。
1.実施形態1
実施形態1に係る振動デバイス1について、図1~図4を参照して説明する。本実施形態では、振動デバイス1は発振器である。ただし、振動デバイス1は、発振器でなくても構わない。例えば、振動デバイス1は、慣性センサーなどであっても構わない。
図1および図2に示すように、振動デバイス1は、キャビティー3を有するパッケージ5と、キャビティー3の内部に収容される振動素子7と、を有する。
パッケージ5は、半導体基板9と、リッド11と、を有する。半導体基板9と、リッド11と、が接合することにより、キャビティー3が形成される。
半導体基板9は、板状であり、表裏関係にある第1面9Aおよび第2面9Bを有する。第1面9Aは、半導体基板9の上面であり、第2面9Bは、半導体基板9の下面である。
本実施形態では、半導体基板9はシリコン基板である。ただし、半導体基板9は、シリコン基板に限定されない。例えば、半導体基板9は、例えば、ゲルマニウム基板や、GaP、GaAs、InPなどの化合物半導体基板であっても構わない。
半導体基板9は、絶縁層20を有する。絶縁層20は、半導体基板9の表面に配置される。絶縁層20は、ヘリウム(He)透過性を有する。詳細には、ヘリウム透過性を有する絶縁層20は、酸化シリコン(SiO2)や、酸窒化シリコン(SiON)により形成される。本実施形態では、絶縁層20は、酸化シリコンにより形成される。
絶縁層20は、絶縁膜21,22,23,24,25,43,44,64,65を有する。つまり、絶縁膜21,22,23,24,25,43,44,64,65は、ヘリウム透過性を有する。本実施形態では、絶縁膜21,22,23,24,25,43,44,64,65は、酸化シリコンにより形成される。絶縁膜21,22,23,24,25,43,44,64,65については、後述する。
まず、振動デバイス1について、半導体基板9の第1面9A側から説明する。
半導体基板9の第1面9Aには、絶縁膜21と、絶縁膜22と、絶縁膜23と、が配置される。
絶縁膜21および絶縁膜22は、平面視で、半導体基板9とリッド11とが接合される接合部に重なる位置に配置される。詳細には、絶縁膜21および絶縁膜22は、平面視で、接合層15と重なる位置に配置される。
絶縁膜21は、半導体基板9の外縁に沿って配置され、平面視で、環状である。つまり、絶縁膜21は、パッケージ5の側面に沿って配置される。絶縁膜21は、パッケージ5の側面からパッケージ5の外部に露出している。
絶縁膜22は、絶縁膜21よりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜22は、平面視で、環状である。絶縁膜22は、凹部13の側面からキャビティー3に露出している。
絶縁膜23は、絶縁膜22よりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜23は、平面視で、キャビティー3と重なる位置に配置される。
絶縁膜23は、平面視で、矩形状である。絶縁膜23の上面には、配線54,55が配置される。絶縁膜23の側面、および配線54,55が配置されている部分を除く絶縁膜23の上面は、キャビティー3に露出している。
半導体基板9の第1面9A側には、振動素子7が配置される。
振動素子7は、厚みすべり振動する平板状の水晶基板により形成される。振動素子7の上面および下面には、図示しない励振電極が配置される。
振動素子7は、一対の導電性接合部材51,52によって、配線54,55に接合される。つまり、振動素子7は、導電性接合部材51,52を介して配線54,55に電気的に接続されるとともに、導電性接合部材51,52および配線54,55を介して、半導体基板9の第1面9Aに接合される。導電性接合部材51,52は、例えば、金属バンプ、導電性接着剤などである。配線54,55および導電性接合部材51,52を介して、振動素子7の励振電極に駆動信号を印加することにより、振動素子7を発振させることができる。
なお、振動素子7は、厚みすべり振動する平板状の振動素子に限定されない。例えば、複数の振動腕が面内方向に屈曲振動する振動素子であっても構わないし、複数の振動腕が面外方向に屈曲振動する振動素子であっても構わない。また、例えば、水晶以外の圧電体を用いる振動素子であっても構わない。また、例えば、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子や、シリコンなどの半導体基板に圧電素子を配置したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子などであっても構わない。
半導体基板9の第1面9A側には、リッド11が配置される。
リッド11は、有底の凹部13を有する箱状である。凹部13は、リッド11の下面に開口を有する。リッド11は、半導体基板9の第1面9A側に配置される振動素子7を、凹部13で覆って、半導体基板9の第1面9Aに接合される。
本実施形態では、リッド11は、半導体基板9と同様、シリコン基板である。ただし、リッド11は、シリコン基板に限定されない。例えば、リッド11は、ゲルマニウム基板や、GaP、GaAs、InPなどの化合物半導体基板であっても構わない。また、例えば、リッド11は、コバールなどの金属基板や、ガラス基板などであっても構わない。
半導体基板9の第1面9A側には、接合層15が配置される。詳細には、第1面9Aにおけるリッド11の下面に対向する位置に、絶縁膜21,22が配置され、接合層15は、絶縁膜21,22を介して第1面9Aに配置される。
リッド11の下面と、半導体基板9の上面である第1面9Aと、は接合層15を介して接合される。半導体基板9と、リッド11と、が接合されることにより、半導体基板9とリッド11との間に、振動素子7を収容するキャビティー3が形成される。
キャビティー3は、気密である。本実施形態では、キャビティー3は、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態である。これにより、粘性抵抗が減り、振動素子7の発振特性が向上する。
本実施形態では、接合層15は、例えば、金や銅などにより形成される金属層である。接合層15を金属層とすることにより、接合層15は、ヘリウム透過性を有さない。
接合層15としての金属層は、例えば、原子拡散接合や金属共晶接合を用いて形成することができる、詳細には、半導体基板9の第1面9Aおよびリッド11の下面にそれぞれ金属膜を形成し、半導体基板9の第1面9Aに形成した金属膜と、リッド11の下面に形成した金属膜と、を原子拡散接合や金属共晶結合などを用いて接合することにより、接合層15を形成することができる。
また、半導体基板9には、第1面9Aに開口を有する有底の溝61が形成される。
溝61は、平面視で、接合層15に重なる位置に設けられる。溝61は、平面視で、絶縁膜21と絶縁膜22との間に設けられる。溝61は、凹部13を囲むように環状に形成される。
溝61は、側面62と、側面62に対向する側面63と、を有する。側面63は、側面62よりもパッケージ5の内側に配置される。
側面62には、絶縁膜64が形成される。側面63には、絶縁膜65が形成される。絶縁膜64,65は、平面視で、環状である。
溝61内には導電体が充填され、埋込電極66が形成される。つまり、埋込電極66は、平面視で、凹部13を囲むように環状に形成される導電体である。導電体としては、例えば、銅などの金属や、ホウ素やリンなどをドープすることにより導電性を付与したポリシリコンなどの半導体を用いることができる。埋込電極66を金属や導電性を付与した半導体で形成することにより、埋込電極66は、ヘリウム透過性を有さない。
埋込電極66は、絶縁膜64と絶縁膜65との間、および絶縁膜64に接続される絶縁膜21と絶縁膜65に接続される絶縁膜22との間に配置される。埋込電極66の上面は、接合層15に接続される。埋込電極66と、接合層15と、が接続されることにより、埋込電極66と、接合層15と、は電気的に導通している。
次に、振動デバイス1について、半導体基板9の第2面9B側から説明する。
半導体基板9の第2面9Bには、絶縁膜24と、絶縁膜25と、が配置される。
絶縁膜24は、半導体基板9の外縁に沿って配置され、平面視で、環状である。つまり、絶縁膜24は、パッケージ5の側面に沿って配置される。絶縁膜24は、パッケージ5の側面からパッケージ5の外部に露出している。
絶縁膜25は、絶縁膜24よりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜25は、平面視で、矩形状である。
半導体基板9の第2面9B側には、集積回路31が配置される。詳細には、集積回路31は、絶縁膜24,25を介して第2面9Bに配置される。つまり、絶縁膜24,25は、半導体基板9の第2面9Bと、集積回路31と、の間に配置される層間絶縁膜である。なお、集積回路31は、省略しても構わない。
集積回路31は、振動素子7と電気的に接続される。詳細には、集積回路31は、発振回路を含み、集積回路31に含まれる発振回路は、振動素子7と電気的に接続される。発振回路は、振動素子7を発振させてクロック信号などの発振信号を生成する回路である。
集積回路31は、発振回路の他、振動素子7の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路、発振回路からの出力信号を処理する処理回路、静電気保護回路などを有していても構わない。
集積回路31は、配線層33と、金属間絶縁層34と、を積層した積層体である。配線層33に含まれる配線を介して、図示しない複数の能動素子が電気的に接続されることにより、集積回路31が構成される。
本実施形態では、金属間絶縁層34は、ヘリウム透過性を有する。詳細には、金属間絶縁層34は、酸化シリコンや、酸窒化シリコンにより形成される。本実施形態では、金属間絶縁層34は、酸化シリコンにより形成される。
図2および図3に示すように、集積回路31の下面には、集積回路31を保護するためのパッシベーション膜36が配置される。本実施形態では、パッシベーション膜36は、ヘリウム透過性を有さない絶縁膜である。パッシベーション膜36は、例えば、窒化シリコン(Si34)により形成される。
パッシベーション膜36の下面には、端子層37が配置される。端子層37は、集積回路31と電気的に接続される複数の外部端子38を有する。外部端子38は、例えば、金や銅などの金属より形成される。外部端子38は、例えば、グランド電位に接続するためのグランド端子や、クロック信号などを出力するための外部出力端子や、電源に接続するための電源端子や、外部出力端子からの出力を制御するための出力イネーブル端子などである。
なお、集積回路31、パッシベーション膜36、および端子層37は、パッケージ5の一部として捉えても構わない。
図2に示すように、半導体基板9には、半導体基板9を厚さ方向に貫通する一対の貫通孔41,42が形成される。貫通孔41の内周面には、絶縁膜43が形成される。貫通孔42の内周面には、絶縁膜44が形成される。
貫通孔41,42内には導電体が充填され、貫通電極46,47が形成される。
配線54は、貫通電極46を介して集積回路31と電気的に接続される。配線55は、貫通電極47を介して集積回路31と電気的に接続される。
これにより、集積回路31から出力される駆動信号を、貫通電極46,47と、配線54,55と、導電性接合部材51,52と、を介して、振動素子7の励振電極に印加し、振動素子7を発振させることができる。
図1および図2に示すように、集積回路31は、シールリング75を有する。シールリング75は、集積回路31を厚さ方向に貫通する貫通電極である。シールリング75は、絶縁膜24と絶縁膜25との間に配置される。シールリング75は、平面視で、環状である。シールリング75は、平面視で、凹部13を囲むように配置される。シールリング75は、金属や導電性を付与した半導体により形成され、ヘリウム透過性を有さない。
シールリング75が集積回路31を貫通することにより、金属間絶縁層34は、絶縁膜341と、絶縁膜342と、に分離される。つまり、シールリング75は、絶縁膜341と、絶縁膜342と、の間に配置される。絶縁膜341は、平面視で、絶縁膜24と重なる。絶縁膜342は、平面視で、絶縁膜25と重なる。
絶縁膜341は、半導体基板9の外縁に沿って配置され、平面視で、環状である。絶縁膜341は、パッケージ5の側面からパッケージ5の外部に露出している。絶縁膜342は、絶縁膜341よりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜342は、平面視で、矩形状である。
図4に示すように、シールリング75は、配線層752と、配線層753と、貫通電極755と、貫通電極756と、を有する。配線層752、配線層753、貫通電極755、および貫通電極756は、平面視で、環状である。配線層752、配線層753、貫通電極755、および貫通電極756は、平面視で、重なるように配置される。
貫通電極755は、集積回路31を厚さ方向に貫通する貫通電極である。貫通電極755は、絶縁膜341と、絶縁膜342と、の間に配置される。
貫通電極756は、層間絶縁膜としての絶縁膜24,25を厚さ方向に貫通する貫通電極であり、平面視で、絶縁膜24と、絶縁膜25と、の間に配置される。
配線層752は、集積回路31とパッシベーション膜36との間に配置され、貫通電極755の下面と接続される。配線層753は、貫通電極755と貫通電極756の間に配置され、貫通電極755の上面、および貫通電極756の下面に接続される。
シールリング75は、集積回路31の図示しないグランド配線に接続される。これにより、電磁波などのノイズから集積回路31を保護することができる。
なお、本実施形態では、パッシベーション膜36は、窒化シリコンにより形成される絶縁膜であり、詳細には、窒化シリコンにより形成される単層の絶縁膜である。ただし、パッシベーション膜36は、窒化シリコンにより形成される単層の絶縁膜に限定されない。パッシベーション膜36は、例えば、ヘリウム透過性を有する酸化シリコンにより形成される絶縁膜と、ヘリウム透過性を有さない窒化シリコンにより形成される絶縁膜と、を積層した多層の絶縁膜であっても構わない。
なお、本実施形態では、パッシベーション膜36が、ヘリウム透過性を有する絶縁膜と、ヘリウム透過性を有さない絶縁膜と、を積層した多層の絶縁膜であるときは、シールリング75は、パッシベーション膜36が有するヘリウム透過性を有する絶縁膜を厚さ方向に貫通するように設けられる。
ここまで、振動デバイス1の概略構成、および絶縁層20が有する絶縁膜21,22,23,24,25,43,44,64,65について、説明した。
次に、絶縁膜21と絶縁膜64とが接続されることにより形成される第1絶縁膜101と、絶縁膜22と絶縁膜65とが接続されることにより形成される第2絶縁膜102と、絶縁膜24により形成される第1絶縁膜103と、絶縁膜23と絶縁膜43と絶縁膜44と絶縁膜25とが接続されることにより形成される第2絶縁膜104と、について説明する。
まず、絶縁膜21と絶縁膜64とが接続されることにより形成される第1絶縁膜101について、説明する。
図2に示すように、絶縁膜21は、半導体基板9の第1面9Aに配置され、半導体基板9の外縁に沿って配置される。絶縁膜64は、第1面9Aに開口を有する溝61の側面62に形成される。絶縁膜21と、絶縁膜64と、が接続されることにより、第1絶縁膜101が形成される。
絶縁膜21および絶縁膜64は、ヘリウム透過性を有するため、第1絶縁膜101はヘリウム透過性を有する。
絶縁膜21は、パッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない。絶縁膜21に接続される絶縁膜64は、絶縁膜21を介してパッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない。このため、第1絶縁膜101は、パッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない。
なお、本開示における「絶縁膜がパッケージ5の外部に露出する」とは、絶縁膜がパッケージ5の外部に露出する場合と、絶縁膜が、ヘリウム透過性を有する部材と接続され、この部材を介して、パッケージ5の外部に露出する場合と、を含む概念である。
同様に、「絶縁膜がキャビティー3に露出する」とは、絶縁膜がキャビティー3に露出する場合と、絶縁膜が、ヘリウム透過性を有する部材と接続され、この部材を介して、キャビティー3に露出する場合と、を含む概念である。
次に、絶縁膜22と絶縁膜65とが接続されることにより形成される第2絶縁膜102について、説明する。
絶縁膜22は、半導体基板9の第1面9Aに配置され、絶縁膜21よりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜65は、第1面9Aに開口を有する溝61の側面63に形成される。絶縁膜22と、絶縁膜65と、が接続されることにより、第2絶縁膜102が形成される。
絶縁膜22および絶縁膜65は、ヘリウム透過性を有するため、第2絶縁膜102はヘリウム透過性を有する。
絶縁膜22は、キャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。絶縁膜22に接続される絶縁膜65は、絶縁膜22を介してキャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。このため、第2絶縁膜102は、キャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。
次に、絶縁膜24により形成される第1絶縁膜103について、説明する。
絶縁膜24は、半導体基板9の第2面9Bに配置され、半導体基板9の外縁に沿って配置される。
絶縁膜24は、ヘリウム透過性を有するため、第1絶縁膜103はヘリウム透過性を有する。
絶縁膜24は、パッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない。このため、第1絶縁膜103は、パッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない絶縁膜となる。
次に、絶縁膜23と絶縁膜43と絶縁膜44と絶縁膜25とが接続されることにより形成される第2絶縁膜104について、説明する。
絶縁膜23は、半導体基板9の第1面9Aに配置され、絶縁膜22よりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜43,44は、半導体基板9を厚さ方向に貫通する貫通孔41,42の内周面に形成される。絶縁膜25は、半導体基板9の第2面9Bに配置され、絶縁膜24よりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜23と絶縁膜43と絶縁膜44と絶縁膜25とが接続されることにより、第2絶縁膜104が形成される。詳細には、絶縁膜23と絶縁膜43,44とが接続され、絶縁膜43,44と絶縁膜25とが接続されることにより、絶縁膜23と絶縁膜25とが絶縁膜43,44を介して接続され、第2絶縁膜104が形成される。
絶縁膜25は、ヘリウム透過性を有する絶縁膜342に接続しているが、絶縁膜342の下面にはヘリウム透過性を有さないパッシベーション膜36が配置され、絶縁膜342の側面にはヘリウム透過性を有さないシールリング75が配置される。そのため、絶縁膜342を介して絶縁膜25にヘリウムが進入することはない。
絶縁膜23、絶縁膜43、絶縁膜44、および絶縁膜25は、ヘリウム透過性を有するため、第2絶縁膜104はヘリウム透過性を有する。
絶縁膜23は、キャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。絶縁膜43,44は、絶縁膜23を介してキャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。絶縁膜25は、絶縁膜23および絶縁膜43,44を介してキャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。このため、第2絶縁膜104は、キャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。
ここまで、第1絶縁膜101,103と、第2絶縁膜102,104と、について説明した。
上述したように、絶縁層20は、パッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない第1絶縁膜101,103と、キャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない第2絶縁膜102,104と、を有する。
また、絶縁層20は、パッケージ5の外部およびキャビティー3に露出し、パッケージ5の外部とキャビティー3とを連通する絶縁膜を有さない。
このような構成にすることにより、ヘリウム透過性を有する絶縁層20は、パッケージ5の外部とキャビティー3とを連通しないため、パッケージ5の外部からキャビティー3内へのヘリウムの侵入が抑制される。そのため、気密性の低下による周波数変動が生じ難い振動デバイス1を提供することができる。
また、本実施形態では、第1絶縁膜101と、第2絶縁膜102と、は、半導体基板9とリッド11とが接合される接合部に配置される。詳細には、第1絶縁膜101と、第2絶縁膜102と、は半導体基板9の第1面9Aにおいて、平面視で、接合層15と重なる位置に配置される。
第1絶縁膜101は、平面視で、環状である。第2絶縁膜102は、平面視で、環状である。
第2絶縁膜102は、平面視で、第1絶縁膜101よりもパッケージ5の内側に配置される。つまり、第2絶縁膜102は、平面視で、第1絶縁膜101よりもキャビティー3側に配置される。
第1絶縁膜101と、第2絶縁膜102と、の間には、埋込電極66が配置される。このようにして、第1絶縁膜101と、第2絶縁膜102と、は空間分離される。
なお、本開示における「空間分離」とは、第1絶縁膜と、第2絶縁膜と、の間にヘリウム透過性を有さない部材を配置することにより、第1絶縁膜と、第2絶縁膜と、を離間して配置することを意味する概念である。
一般的に、半導体基板9とリッド11との接合部は、キャビティー3内へのヘリウムの侵入が生じ易い部分である。しかし、第1絶縁膜101と、第2絶縁膜102と、を空間分離して配置することにより、この接合部にヘリウム透過性を有する絶縁層20を配置した場合でも、パッケージ5の外部からキャビティー3内へのヘリウムの侵入を抑制することができる。
また、本実施形態では、接合層15は金属層であり、埋込電極66は、接合層15に電気的に導通し、平面視で、環状の導電体である。
このように構成することにより、第1絶縁膜101と、第2絶縁膜102と、を容易に空間分離することができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
振動デバイス1は、表裏関係にある第1面9Aおよび第2面9Bを有し、少なくとも第1面9Aにヘリウム透過性の絶縁層20が配置される半導体基板9と、第1面9A側に配置される振動素子7と、第1面9A側に配置される接合層15と、接合層15を介して半導体基板9に接合され、半導体基板9とによって、振動素子7を収容するキャビティー3を有するパッケージ5を構成するリッド11と、を備え、絶縁層20は、パッケージ5の外部に露出しキャビティー3に露出しない第1絶縁膜101,103と、キャビティー3に露出しパッケージ5の外部に露出しない第2絶縁膜102,104と、を有し、パッケージ5の外部およびキャビティー3に露出し、パッケージ5の外部とキャビティー3とに連通する絶縁膜を有さない。
これにより、ヘリウム透過性を有する絶縁層20は、パッケージ5の外部とキャビティー3とに連通しないため、パッケージ5の外部からキャビティー3内へのヘリウムの侵入が抑制される。そのため、気密性の低下による周波数変動が生じ難い振動デバイス1を提供することができる。
2.実施形態2
次に、実施形態2に係る振動デバイス1aについて、図5、図6、および図7を参照して説明する。
実施形態2の振動デバイス1aは、実施形態1の振動デバイス1に比べ、埋込電極66およびシールリング75に代わり、貫通電極86が設けられることや、端子層37が、平面視で、貫通電極86が形成される貫通溝81と重なるように配置されること以外は、実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5および図6に示すように、半導体基板9は、絶縁層20aを有する。絶縁層20aは、半導体基板9の表面に配置される。絶縁層20aは、ヘリウム透過性を有する。本実施形態では、絶縁層20aは、酸化シリコンにより形成される。
絶縁層20aは、絶縁膜21a,22a,23,24a,25a,43,44,84,85を有する。つまり、絶縁膜21a,22a,23,24a,25a,43,44,84,85は、ヘリウム透過性を有する。本実施形態では、絶縁膜21a,22a,23,24a,25a,43,44,84,85は、酸化シリコンにより形成される。
絶縁膜21aおよび絶縁膜22aは、半導体基板9の第1面9Aに配置される。絶縁膜21aおよび絶縁膜22aは、平面視で、半導体基板9とリッド11とが接合される接合層15と重なる位置に配置される。
絶縁膜21aは、半導体基板9の外縁に沿って配置され、平面視で、環状である。つまり、絶縁膜21aは、パッケージ5の側面に沿って配置される。絶縁膜21aは、パッケージ5の側面からパッケージ5の外部に露出している。
絶縁膜22aは、絶縁膜21aよりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜22aは、平面視で、環状である。絶縁膜22aは、凹部13の側面からキャビティー3に露出している。
絶縁膜24aおよび絶縁膜25aは、半導体基板9の第2面9Bに配置される。絶縁膜24aは、半導体基板9の外縁に沿って配置され、平面視で、環状である。つまり、絶縁膜24aは、パッケージ5の側面に沿って配置される。絶縁膜24aは、パッケージ5の側面からパッケージ5の外部に露出している。
絶縁膜25aは、絶縁膜24aよりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜25aは、平面視で、矩形状である。
集積回路31は、絶縁膜24a,25aを介して第2面9Bに配置される。つまり、絶縁膜24a,25aは、半導体基板9の第2面9Bと、集積回路31と、の間に配置される層間絶縁膜である。
半導体基板9には、半導体基板9を厚さ方向に貫通する貫通溝81が形成される。詳細には、貫通溝81は、半導体基板9、集積回路31、およびパッシベーション膜36をそれぞれ厚さ方向に貫通する溝である。
貫通溝81は、平面視で、接合層15に重なる位置に設けられる。貫通溝81は、平面視で、絶縁膜21aと絶縁膜22aとの間、および絶縁膜24aと絶縁膜25aとの間に設けられる。貫通溝81は、平面視で、凹部13を囲むように環状に形成される。
貫通溝81は、側面82と、側面82に対向する側面83と、を有する。側面83は、側面82よりもパッケージ5の内側に配置される。
側面82には、絶縁膜84が形成される。側面83には、絶縁膜85が形成される。
貫通溝81内には導電体が充填され、貫通電極86が形成される。つまり、貫通電極86は、平面視で、凹部13を囲むように環状に形成される導電体である。導電体としては、例えば、金属や、導電性を付与した半導体を用いることができる。貫通電極86を金属や導電性を付与した半導体で形成することにより、貫通電極86は、ヘリウム透過性を有さない。
貫通電極86は、半導体基板9を厚さ方向に貫通している。換言すると、貫通電極86は、半導体基板9の第1面9Aと第2面9Bとの間を貫通している。詳細には、貫通電極86は、半導体基板9、集積回路31、およびパッシベーション膜36をそれぞれ厚さ方向に貫通している。
貫通電極86は、絶縁膜84と、絶縁膜85と、の間に配置される。また、貫通電極86は、絶縁膜21aと絶縁膜22aとの間、および絶縁膜24aと絶縁膜25aとの間に配置される。
貫通電極86が集積回路31を貫通することにより、金属間絶縁層34は、平面視で、絶縁膜24aと重なる絶縁膜341aと、絶縁膜25aと重なる絶縁膜342aと、に分離される。つまり、貫通電極86は、絶縁膜341aと、絶縁膜342aと、の間に配置される。
貫通電極86の上面は、接合層15に接続される。貫通電極86と、接合層15と、が接続されることにより、貫通電極86と、接合層15と、は電気的に導通している。貫通電極86の下面は、端子層37に接続される。
図6および図7に示すように、端子層37は、平面視で、貫通電極86が形成される貫通溝81と重なるように配置される。本実施形態では、端子層37は、平面視で、環状である。
端子層37は、複数の外部端子38と、絶縁層39と、を有する。絶縁層39は、平面視で、隣り合う外部端子38間に配置される。絶縁層39は、例えば、窒化シリコンにより形成されており、ヘリウム透過性を有さない。端子層37は、金属層である外部端子38と、ヘリウム透過性を有さない絶縁層39により構成される。つまり、端子層37は、ヘリウム透過性を有さない。
端子層37は、絶縁膜84,85に接続される。詳細には、端子層37と、絶縁膜84,85の下面と、が接続される。これにより、絶縁膜84,85の下面から絶縁膜84,85内へのヘリウムの侵入が抑制される。
ここまで、振動デバイス1aの概略構成、および絶縁層20aについて、説明した。
次に、絶縁膜21aと絶縁膜84と絶縁膜24aが接続されることにより形成される第1絶縁膜106と、絶縁膜22aと絶縁膜85と絶縁膜25aと絶縁膜43と絶縁膜44と絶縁膜23とが接続されることにより形成される第2絶縁膜107と、について説明する。
まず、絶縁膜21aと絶縁膜84と絶縁膜24aが接続されることにより形成される第1絶縁膜106について、説明する。
図6に示すように、絶縁膜21aは、半導体基板9の第1面9Aに配置され、半導体基板9の外縁に沿って配置される。絶縁膜84は、貫通溝81の側面82に形成される。絶縁膜24aは、半導体基板9の第2面9Bに配置され、半導体基板9の外縁に沿って配置される。絶縁膜21aと絶縁膜84とが接続され、絶縁膜84と絶縁膜24aとが接続されることにより、第1絶縁膜106が形成される。
絶縁膜21a、絶縁膜84、および絶縁膜24aは、ヘリウム透過性を有するため、第1絶縁膜106はヘリウム透過性を有する。
絶縁膜21aおよび絶縁膜24aは、パッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない。絶縁膜21aおよび絶縁膜24aに接続される絶縁膜84は、絶縁膜21aおよび絶縁膜24aを介してパッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない。このため、第1絶縁膜106は、パッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない。
次に、絶縁膜22aと絶縁膜85と絶縁膜25aと絶縁膜43と絶縁膜44と絶縁膜23とが接続されることにより形成される第2絶縁膜107について、説明する。
絶縁膜22aは、半導体基板9の第1面9Aに配置され、絶縁膜21aよりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜85は、貫通溝81の側面83に形成される。絶縁膜25aは、半導体基板9の第2面9Bに配置され、絶縁膜24aよりもパッケージ5の内側に配置される。絶縁膜22aと絶縁膜85とが接続され、絶縁膜85と絶縁膜25aとが接続され、絶縁膜25aと絶縁膜43,44とが接続され、絶縁膜43,44と絶縁膜23とが接続されることにより、第2絶縁膜107が形成される。
絶縁膜85および絶縁膜25aは、ヘリウム透過性を有する絶縁膜342aと接続しているが、絶縁膜342aの下面にはヘリウム透過性を有さないパッシベーション膜36が配置されているため、絶縁膜342aを介して絶縁膜85および絶縁膜25aにヘリウムが進入することはない。
絶縁膜22a、絶縁膜85、絶縁膜25a、絶縁膜43、絶縁膜44、および絶縁膜23は、ヘリウム透過性を有するため、第2絶縁膜107はヘリウム透過性を有する。
絶縁膜22aおよび絶縁膜23は、キャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。絶縁膜85、絶縁膜25a、絶縁膜43,44は、絶縁膜22aおよび絶縁膜23を介してキャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。このため、第2絶縁膜107は、キャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない。
上述したように、絶縁層20aは、パッケージ5の外部に露出し、キャビティー3に露出しない第1絶縁膜106と、キャビティー3に露出し、パッケージ5の外部に露出しない第2絶縁膜107と、を有する。
また、絶縁層20aは、パッケージ5の外部およびキャビティー3に露出し、パッケージ5の外部とキャビティー3とを連通する絶縁膜を有さない。
このような構成にすることにより、ヘリウム透過性を有する絶縁層20aは、パッケージ5の外部とキャビティー3とを連通しないため、パッケージ5の外部からキャビティー3内へのヘリウムの侵入が抑制される。そのため、気密性の低下による周波数変動が生じ難い振動デバイス1aを提供することができる。
また、本実施形態では、第1絶縁膜106と、第2絶縁膜107と、は、半導体基板9とリッド11とが接合される接合部に配置される。詳細には、第1絶縁膜106が有する絶縁膜21aと、第2絶縁膜107が有する絶縁膜22aと、は半導体基板9とリッド11とが接合される接合部に配置される。より詳細には、第1絶縁膜106が有する絶縁膜21aと、第2絶縁膜107が有する絶縁膜22aと、は半導体基板9の第1面9Aにおいて、平面視で、接合層15と重なる位置に配置される。
第1絶縁膜106が有する絶縁膜21aおよび絶縁膜84と、第2絶縁膜107が有する絶縁膜22aおよび絶縁膜85と、の間には、貫通電極86が配置される。このようにして、第1絶縁膜106と、第2絶縁膜107と、は空間分離される。詳細には、第2絶縁膜107は、第1絶縁膜106よりもキャビティー3側に空間分離されて配置される。
このように、半導体基板9とリッド11との接合部において、第1絶縁膜106と、第2絶縁膜107と、空間分離して配置することにより、この接合部にヘリウム透過性を有する絶縁層20aを配置した場合でも、パッケージ5の外部からキャビティー3内へのヘリウムの侵入を抑制することができる。
また、本実施形態では、接合層15は金属層であり、貫通電極86は、接合層15に電気的に導通し、平面視で、環状の導電体である。
このように構成することにより、第1絶縁膜106と、第2絶縁膜107と、を容易に空間分離することができる。
貫通電極86は、集積回路31内の図示しない配線を介して、集積回路31と電気的に導通させても構わない。貫通電極86を集積回路31と電気的に導通させることにより、集積回路31の発熱を貫通電極86を介してリッド11に伝えることができる。集積回路31の発熱をリッド11に伝えることにより、リッド11に囲まれるキャビティー3内の温度を速やかに安定させることができるので、安定した起動特性が得られる。
また、貫通電極86は、集積回路31内の図示しないグランド配線に接続されていても構わない。貫通電極86がグランド配線に接続されることにより、電磁波などのノイズから振動デバイス1aを保護することができ、振動デバイス1aにおける振動特性の劣化を抑制できる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
以上、振動デバイス1,1aについて、説明した。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていても構わない。また、各実施形態を適宜組み合わせても構わない。
1,1a…振動デバイス、3…キャビティー、5…パッケージ、7…振動素子、9…半導体基板、11…リッド、15…接合層、20,20a…絶縁層、31…集積回路、66…埋込電極、75…シールリング、86…貫通電極、101,103,106…第1絶縁膜、102,104,107…第2絶縁膜。

Claims (5)

  1. 表裏関係にある第1面および第2面を有し、少なくとも前記第1面にHe透過性の絶縁層が配置される半導体基板と、
    前記第1面側に配置される振動素子と、
    前記第1面側に配置される接合層と、
    前記接合層を介して前記半導体基板に接合され、前記半導体基板とによって、前記振動素子を収容するキャビティーを有するパッケージを構成するリッドと、を備え、
    前記絶縁層は、前記パッケージの外部に露出し前記キャビティーに露出しない第1絶縁膜と、前記キャビティーに露出し前記外部に露出しない第2絶縁膜と、を有し、
    前記外部および前記キャビティーに露出し、前記外部と前記キャビティーとに連通する絶縁膜を有さない、
    振動デバイス。
  2. 前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は前記第1面に配置されており、
    前記第1絶縁膜は、平面視で環状に配置され、
    前記第2絶縁膜は、平面視で環状に配置され、かつ、前記第1絶縁膜よりも前記キャビティー側に前記第1絶縁膜と空間分離されて配置される、
    請求項1に記載の振動デバイス。
  3. 前記接合層は金属層であり、
    前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に、前記接合層に電気的に接続し、平面視で環状の導電体が配置される、
    請求項2に記載の振動デバイス。
  4. 前記半導体基板は、前記第2面側に集積回路を有し、
    前記導電体は、前記半導体基板の前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通電極であり、前記集積回路と電気的に接続している、
    請求項3に記載の振動デバイス。
  5. 前記貫通電極は、前記集積回路のグランド配線に接続されている、
    請求項4に記載の振動デバイス。
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