JP2023108176A - 不活性化剤及び不活性化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非水系二次電池をより確実に不活性化させる。【解決手段】本開示の不活性化剤は、非水系二次電池を不活性化する不活性化剤であって、酸化還元電位がLi基準電位で非水系二次電池の負極活物質よりも高く非水系二次電池の正極活物質よりも低いヒドロキノン構造を含むヒドロキノン系化合物であるレドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含む。【選択図】なし

Description

本開示は、不活性化剤及び不活性化方法に関する。
従来、非水系二次電池をリサイクル又は廃棄する際に、回収電池を不活性化させる不活性化処理が行われている。こうした処理として、例えば、回収電池を充放電装置につないで0Vまで放電させる処理が可能であるが、その場合、放電に時間がかかることがあった。また、回収電池が電流遮断機構(CID)作動後の電池である場合には、放電させること自体ができなかった。そこで、回収電池の内部にリチウムの酸化還元電位に対して3.0~4.5Vの範囲に酸化還元電位を示すレドックスシャトル剤(例えばフェロセン)を添加することが提案されている(特許文献1参照)。これにより、充放電装置を用いることなく、安全かつ迅速に非水系二次電池の電池電圧を0Vまで下げることができる。
特開2018-137137号公報
ところで、レドックスシャトル剤と非水系溶媒からなる不活性化剤の添加による非水系二次電池の不活性化処理工程では、電池内の限られた空間に不活性化剤を添加する必要がある。一方で、レドックスシャトル剤の添加量を減らすと電池の放電速度が低下し、不活性化処理時間が長くなるため、不活性化剤のレドックスシャトル剤を高濃度化し、添加する液量を低減する必要があると考えられる。これに対し、特許文献1では、レドックスシャトル剤の濃度が0.01~0.1mmol/Lの範囲であり、非水系二次電池へ比較的多量の不活性化剤を添加する必要があった。非水系二次電池の不活性化処理をより確実に行うことができる不活性化剤が求められていた。
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、非水系二次電池をより確実に不活性化させる新規の不活性化剤及び不活性化方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、ヒドロキノン構造を有する化合物をレドックスシャトル剤として用いると、非水系二次電池をより確実に不活性化させることができることを見出し、本開示の発明を完成するに至った。
即ち、本開示の不活性化剤は、
非水系二次電池を不活性化する不活性化剤であって、
酸化還元電位がLi基準電位で前記非水系二次電池の負極活物質よりも高く前記非水系二次電池の正極活物質よりも低いヒドロキノン構造を含むヒドロキノン系化合物であるレドックスシャトル剤と、
非水系溶媒と、
を含むものである。
また、本開示の不活性化方法は、
非水系二次電池を不活性化する不活性化方法であって、
上述した非水系二次電池の不活性化剤を前記非水系二次電池の内部に添加する添加工程、を含むものである。
この不活性化剤及び不活性化方法では、非水系二次電池をより確実に不活性化させることができる。このような効果が得られる理由は、例えば、以下のように推察される。充電状態の非水系二次電池に、酸化還元電位が正極電位より低く負極電位より高いレドックスシャトル剤を添加すると、各電極とレドックスシャトル剤との電位差を駆動力として、電池の放電が進行し、電池の不活性化を図ることができる。さらに、本開示では、レドックスシャトル剤としてヒドロキノン構造を含むヒドロキノン系化合物を用いるが、ヒドロキノンはp-ベンゾキノンの二電子還元体であり、プロトンの影響で様々な酸化還元メカニズムを示す。例えば、ヒドロキノンからプロトンが脱離して生成したジアニオンとp-ベンゾキノンの間で2電子酸化還元が進行する反応式や、ヒドロキノンのプロトンが脱離せずに2電子酸化還元を示す反応式がある。ヒドロキノンの酸化還元において、どのメカニズムが支配的に進行するかは共存する溶媒や支持塩の組成、濃度によって異なるものと推察されるが、様々な溶媒などに対していずれかの酸化還元反応を行うことができるため、溶媒種などに影響されずに、非水系二次電池をより確実に不活性化させることができるものと推察される。
非水系二次電池20の構成の概略を表す断面図。 非水系二次電池が不活性化するメカニズムを示す説明図。 レドックスシャトル剤の酸化還元反応の一例を示すスキーム。 実験例1,2の不活性化剤を満充電状態の評価セルに添加後の放電挙動。 参考例1,2の不活性化剤を満充電状態の評価セルに添加後の放電挙動。
(不活性化剤)
本開示の非水系二次電池の不活性化剤は、レドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含むものである。レドックスシャトル剤は、酸化還元電位がLi基準電位で前記非水系二次電池の負極活物質よりも高く前記非水系二次電池の正極活物質よりも低いヒドロキノン構造を含むヒドロキノン系化合物である。本明細書において、レドックスシャトル剤とは、正極と負極との間で電荷を繰り返し輸送することができる、酸化及び還元可能な化合物をいうものとする。
[非水系二次電池]
まず、不活性化の対象となる非水系二次電池について説明する。非水系二次電池は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しキャリアイオンを伝導する非水系のイオン伝導媒体と、を備えている。キャリアイオンとしては、例えば、第1族元素イオンや第2族元素イオンが挙げられる。第1族元素イオンとしては、例えば、リチウムイオンやナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。第2族元素イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオンが挙げられる。以下では、説明の便宜のため、非水系二次電池が、負極活物質を炭素材料としたリチウムイオン二次電池である場合について主に説明する。
正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質は、Li基準の酸化還元電位が不活性化剤に含まれるレドックスシャトル剤よりも高いものであればよいが、酸化還元電位がLi基準電位で3.0Vを超えるものとしてもよく、3.5V以上が好ましく、3.8V以上がより好ましく、4.0V以上がさらに好ましい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、Li(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)、Li(1-x)Mn24などのリチウムマンガン複合酸化物、Li(1-x)CoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、Li(1-x)NiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、Li(1-x)NiaMnb2(a+b=1)やLi(1-x)NiaMnb4(a+b=2)などのリチウムニッケルマンガン複合酸化物、Li(1-x)NiaCobMnc2(a+b+c=1)などのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、LiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物、V25などの遷移金属酸化物などを用いることができる。また、Li(1-x)MnPO4などのオリビン型リチウムリン酸マンガン系化合物、Li(1-x)CoPO4などのオリビン型リチウムリン酸コバルト系化合物、Li(1-x)NiPO4などのオリビン型リチウムリン酸ニッケル系化合物などを用いることができる。また、Li(1-x)MnVO4などの逆スピネル型リチウムバナジン酸マンガン系化合物、Li(1-x)CoPO4などの逆スピネル型リチウムバナジン酸コバルト系化合物、Li(1-x)NiPO4などの逆スピネル型リチウムバナジン酸ニッケル系化合物などを用いることができる。正極活物質は、ニッケル、マンガン、コバルトのうちの1以上を含む酸化物であることが好ましく、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/32などが好ましい。
正極の導電材としては、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などを用いることができる。結着材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。溶剤としては、例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1~500μmのものが用いられる。
負極は、例えば、負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよいし、負極活物質と集電体とを密着させて形成したものとしてもよい。負極活物質は、酸化還元電位がLi基準電位で3.0V以下が好ましく、2.0V以下がより好ましく、1.0V以下がさらに好ましい。負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素質材料、複数の元素を含む複合酸化物、導電性ポリマーなどが挙げられる。炭素質材料は、例えば、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。複合酸化物としては、例えば、Li4Ti512などのリチウムチタン複合酸化物やLiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物が挙げられる。負極活物質としては、このうち、グラファイト類などの炭素質材料が好ましい。また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al-Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
イオン伝導媒体としては、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などを用いることができる。非水系電解液の溶媒としては、例えば、カーボネート化合物、エステル化合物、エーテル化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、フラン化合物、スルホラン化合物及びジオキソラン化合物などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート化合物としてエチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物や、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチル-n-ブチルカーボネート、メチル-t-ブチルカーボネート、ジ-i-プロピルカーボネート、t-ブチル-i-プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート化合物などが挙げられる。また、エステル化合物としてγ-ブチルラクトン、γ-バレロラクトンなどの環状エステル化合物、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル化合物などが挙げられる。また、エーテル化合物としてジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどが挙げられ、ニトリル化合物としてアセトニトリル、ベンゾニトリルなどが挙げられ、アミド化合物としてジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、フラン化合物としてテトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランなどが挙げられ、スルホラン化合物としてスルホラン、テトラメチルスルホランなどが挙げられ、オキソラン化合物として1,3-ジオキソラン、メチルジオキソランなどが挙げられる。これらは単独又は混合して用いることができる。このうち、非水系電解液の溶媒としては、例えば、DMC-ECや、DEC-EC、DMC-EMC-ECなど、環状カーボネート化合物と鎖状カーボネート化合物との混合液が好ましい。支持塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4 などの無機塩や、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、などの有機塩が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて用いることができる。支持塩は、電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。また、イオン伝導媒体としては、液状のイオン伝導媒体の代わりに、イオン伝導性ポリマー、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質の混合材料、若しくは有機バインダーによって結着された無機固体粉末などを利用することができる。
この非水系二次電池は、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータは、非水系二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えばポリプロピレン製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
この非水系二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものとしてもよい。非水系二次電池の一例を図1に示す。図1は、コイン型の非水系二次電池20の構成の概略を表す断面図である。図1に示すように、非水系二次電池20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。この非水系二次電池20は、正極22と負極23との間の空間にリチウム塩を溶解したイオン伝導媒体27を備えている。
[不活性化剤]
次に、不活性化剤について説明する。不活性化剤は、レドックスシャトル剤と、非水系溶媒と、を含む。レドックスシャトル剤は、例えば、ヒドロキノン構造を含むヒドロキノン系化合物である。ヒドロキノン構造とは、6員環の芳香族炭化水素骨格と水酸基を2つ有する2価フェノールの構造をいう。ヒドロキノン系化合物とは、ヒドロキノン構造を有する化合物であり、ヒドロキノン及びその誘導体を含む。ヒドロキノン誘導体は、水酸基を有する炭素以外の炭素に水素以外の置換基を有するものをいう。このヒドロキノン系化合物は、式(1)で表されるものとしてもよい。ここで、式(1)の官能基R1~R4は、例えば、水素のほか、炭化水素基や、カルボキシル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン(F、Cl、Br等)などのうち1以上の置換基が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、鎖状の炭化水素基や環状の炭化水素基が好ましい。鎖状の炭化水素は、直鎖でもよいし分岐鎖を有していてもよい。鎖状の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデカニル基、ドデカニル基などのアルキル基や、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基などのアルケニル基などが挙げられる。また、環状の炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基や、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などが挙げられる。また、これらの炭化水素基は、カルボキシル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲノ基(F-、Cl-、Br-等)などの置換基を有していてもよい。炭化水素基は、これらのうち、直鎖のアルキル基が好ましく、置換基を有さないものが好ましい。炭化水素基は、各々、炭素数20以下が好ましく、10以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。
ヒドロキノン系化合物としては、式(2)~(16)で表されるものなどが挙げられる。具体的には、基本骨格としてヒドロキノン(式(2))及びその誘導体(式(5)~(8))、ナフトヒドロキノン(式(3))及びその誘導体(式(9)~(12))、アントラヒドロキノン(式4)及びその誘導体(式(13)~(16))などが挙げられる。ナフトヒドロキノンやアントラヒドロキノンなど芳香環がより多くなると非水系溶媒への溶解性などが低下することがあるため、レドックスシャトル剤としては、ヒドロキノン及びその誘導体(式(2)、(5)~(8))などがより好ましく、ヒドロキノン(式(2))が更に好ましい。なお、式(5)~(16)には、主たる置換基としてメチル基、メトキシ基、クロロ基、ニトロ基を1つ置換した例を挙げたが、置換位置を変更してもよいし、これ以外の上記置換基を2以上任意の位置に有するものとしてもよい。
不活性化剤に含まれる非水系溶媒は、カーボネート化合物とは異なる溶媒であることが好ましい。カーボネート化合物とは、上述した環状カーボネート化合物や、鎖状カーボネート化合物などである。この非水系溶媒は、レドックスシャトル剤の溶解度がより高く、且つより安定に溶解できるものが好ましく、例えば、非プロトン性溶媒が好ましく、極性を有する極性非プロトン性溶媒がより好ましい。この非水系溶媒は、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類、ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルアセトアミド(DMA)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などのアミド類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン、ジオキサン、ジメチルエーテル(DME)、ジエチルエーテル(DEE)、ジメトキシエタン(G1)、ジグライム(G2)、トリグライム(G3)、テトラグライム(G4)などのエーテル類、のうち1以上が挙げられる。このうち、非水系溶媒としてはDMSOがより好ましい。
不活性化剤に含まれるレドックスシャトル剤の濃度は、より高い方が好ましく、1.0mol/L以上が好ましく、2.0mol/L以上がより好ましく、2.5mol/L以上がさらに好ましく、3.0mol/L以上としてもよい。レドックスシャトル剤の濃度が高いほど、電気自動車(EV)用など高エネルギー密度の電池を短時間で放電させることができ、好ましい。不活性化剤に含まれるレドックスシャトル剤の濃度は、溶解度以下としてもよく、5.0mol/L以下としてもよい。
不活性化剤は、レドックスシャトル剤以外の溶質を含むものとしてもよいが、溶質を含まないことが好ましい。不活性化剤は、レドックスシャトル剤以外の溶質を含むとしても、0.1mmol/L未満や0.01mmol/L未満であることが好ましい。不活性化剤において、レドックスシャトル剤以外の溶質が少ないほど、粘度が低い傾向にあるため、不活性化がより迅速に進行するからである。溶質としては、例えば、上述した支持塩などが挙げられる。支持塩は、不活性化の対象となる非水系二次電池のイオン伝導媒体に含まれる支持塩と同じでもよいし、異なってもよい。
[不活性化方法]
続いて、上述した不活性化剤を用いて上述した非水系二次電池を不活性化する方法について説明する。この不活性化方法は、非水系二次電池の内部に不活性化剤を添加する添加工程を含む。具体的には、非水系二次電池の正極及び負極と不活性化剤とが接触するように、不活性化剤を添加する。不活性化剤の添加方法は、特に限定されないが、電池容器を一旦開封して不活性化剤を注入した後、必要に応じて再び封止してもよいし、電池容器の外部から注射器によって注入したあと、必要に応じて封止してもよい。添加工程は、アルゴン雰囲気などの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
この添加工程では、非水系二次電池の容量に対するレドックスシャトル剤の量が0.1mol/Ah以下の範囲で不活性化剤を添加することが好ましい。非水系二次電池は、その内部空間に限りがあるため、不活性化剤の添加量はより少ない方が好ましい。この添加量は、0.01mol/Ah以下の範囲としてもよいし、0.005mol/Ah以下の範囲としてもよい。この非水系二次電池の容量に対するレドックスシャトル剤の量は、0.001mol/Ah以上の範囲としてもよいし、0.002mol/Ah以上の範囲としてもよいし、0.003mol/Ah以上の範囲としてもよい。この添加量が0.001mol/Ah以上の範囲では、不活性化に要する時間をより短縮でき、好ましい。
不活性化剤の添加量は、非水系二次電池のサイズなどに応じて適宜選択すればよく、例えば、0.005mL以上50mL以下としてもよく、0.01mL以上10mL以下としてもよく、0.05mL以上5.0mL以下としてもよい。不活性化剤の添加量は、例えば、不活性化の対象となる非水系二次電池に含まれるイオン伝導媒体の体積[mL]に対して、0.01%以上500%以下としてもよく、1%以上300%以下としてもよい。
添加工程後の非水系二次電池は、例えば、静置して保持してもよいし、加振しながら保持してもよい。保持時間は、非水系二次電池の容量や不活性化剤の添加量に応じて、不活性化が完了するまでの時間として経験的に定められる時間とすればよい。保持時間は、非水系二次電池の容量や不活性化剤の添加量にもよるが、例えば、6時間以上500時間以下としてもよく、30時間以上300時間以下としてもよく、50時間以上200時間以下としてもよい。
この不活性化方法で非水系二次電池が不活性化するメカニズムは、以下のように推察される。図2は、非水系二次電池が不活性化するメカニズムを示す説明図である。正極電位より低く負極電位より高い酸化還元電位を示すレドックスシャトル剤(図中のRS)を電池に添加すると、正極あるいは負極とレドックスシャトル剤の電位差を駆動力として、負極からレドックスシャトル剤およびレドックスシャトル剤から正極への電子移動が進行し、電池が放電する。具体的には、レドックスシャトル剤の還元体(図中のRS(red))が正極に電子を与えて酸化体(図中のRS(ox))となり、レドックスシャトル剤の酸化体が負極から電子を受け取って還元体となる、という動作が繰り返し進行し、電池が放電する。正極電位あるいは負極電位がレドックスシャトル剤の酸化還元電位に等しくなると、その電極の放電はそれ以上進行しなくなる。従って、正極電位と負極電位は、最終的にはレドックスシャトル剤の電位に等しくなり、不活性化が完了する。なお、「不活性化が完了」とは、少なくとも非水系二次電池のSOCが0%になるまで放電されていることをいうものとしてもよい。SOCが0%になるまで放電されていれば、例えばLi基準電位で1.5V超過3.0V未満など、負極電位が低すぎないため、イオン伝導媒体である電解液等の分解によるガス発生が生じにくく、電極自体の安全性も高い。したがって、不活性化後のリサイクルや廃棄を安全に行うことができる。不活性化後の電池電圧は低いほどスパークが起こりにくいため好ましく、例えば、3.0V以下としてもよく、1.2V以下や、1.0V以下、0.5V以下などとすることがより好ましい。
図3は、レドックスシャトル剤の酸化還元反応の一例であり、図3Aがヒドロキノンを用いた場合のプロトンを脱離する反応式A、図3Bがヒドロキノンを用いた場合のプロトンが脱離しない反応式B、図3Cがベンゾキノンを用いた場合の反応式Cの酸化還元スキームである。ヒドロキノンはp-ベンゾキノンの二電子還元体であるが、プロトンの影響で様々な酸化還元メカニズムを示す。例えば、ヒドロキノンからプロトンが脱離して生成したジアニオンとp-ベンゾキノンの間で2電子酸化還元が進行する反応式Aや、ヒドロキノンのプロトンが脱離せずに2電子酸化還元を示す反応式Bがある。ヒドロキノンの酸化還元において、どのメカニズムが支配的に進行するかは共存する溶媒や支持塩の組成、濃度によって異なるものと推察される(参考文献:Electrochim. Acta 81 (2012) 275-282.)。例えば、レドックスシャトル剤を非水系二次電池の電解液であるカーボネート化合物中で用いると、反応式A,Cのような酸化還元反応が不安定になることがあり得る。一方、レドックスシャトル剤としてヒドロキノンを用いた場合は、反応式Bなど、他の反応機構が存在することから、非水系二次電池の電解液中においても、より安定的に酸化還元反応が進行するものと推察される。
以上説明した不活性化剤及び不活性化方法では、非水系二次電池をより確実に不活性化させることができる。このような効果が得られる理由は、例えば、以下のように推察される。充電状態の非水系二次電池に、酸化還元電位が正極電位より低く負極電位より高いレドックスシャトル剤を添加すると、各電極とレドックスシャトル剤との電位差を駆動力として、電池の放電が進行し、電池の不活性化を図ることができる。さらに、本実施形態では、レドックスシャトル剤としてヒドロキノン構造を含むヒドロキノン系化合物を用いるが、ヒドロキノンはp-ベンゾキノンの二電子還元体であり、プロトンの影響で様々な酸化還元メカニズムを示す。例えば、ヒドロキノンからプロトンが脱離して生成したジアニオンとp-ベンゾキノンの間で2電子酸化還元が進行する反応式A(図3A)や、ヒドロキノンのプロトンが脱離せずに2電子酸化還元を示す反応式B(図3B)がある。ヒドロキノンの酸化還元において、どのメカニズムが支配的に進行するかは共存する溶媒や支持塩の組成、濃度によって異なるものと推察されるが、様々な溶媒などに対していずれかの酸化還元反応を行うことができるため、溶媒種などに影響されずに、非水系二次電池をより確実に不活性化させることができるものと推察される。
なお、本開示は、上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、不活性化する非水系二次電池は、リチウムイオン二次電池として説明したが、特にこれに限定されず、ハイブリッドキャパシタ、疑似電気二重層キャパシタ、リチウムやナトリウムのアルカリ金属二次電池、アルカリ金属イオン電池などとしてもよい。
以下には、本開示の非水系二次電池の不活性化剤及び不活性化方法を具体的に検討した例を実験例として説明する。実験例1が本開示の実施例に相当し、実験例2が比較例に相当する。
(実験例1)
不活性化剤の添加による電池の不活性化挙動を評価した。評価セルとして、黒鉛を負極活物質とする負極と、LiNi1/3Co1/3Mn1/32を正極活物質とする正極とからなるリチウムイオン電池を作製した。負極としては、黒鉛:カルボキシメチルセルロース:スチレンブタジエンゴム(質量比98:1:1)のスラリー合材を銅箔に塗工し、120℃で真空乾燥させたものを用いた。正極としては、LiNi1/3Co1/3Mn1/32:アセチレンブラック:ポリフッ化ビニリデン(質量比93:4:3)のスラリー合材をアルミニウム箔に塗工し、120℃で真空乾燥させたものを用いた。非水系電解液としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒(体積比3:4:3)にヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を濃度1mol/Lで溶解したものを用いた。セパレータとしては、ポリエチレン単層微多孔膜を用いた。正極と負極とを電解液を浸み込ませたセパレータを介して対向させ、ラミネートフィルム内に封入し、評価セルとした。このセルに対し、温度20℃、電圧範囲3.0~4.1Vで充放電を2サイクル実施した後、4.1Vまで充電し、満充電状態にした。なお、この評価セルの電池容量は17mAhである。満充電状態(電圧4.1V)にした電池をアルゴン雰囲気下で開封し、不活性化剤として、ジメチルスルホキシド(DMSO)にヒドロキノンを濃度2.5mol/Lで溶解させたものを用意した。なお、電池容量に対するヒドロキノンの添加量は、0.003mol/Ahとした。これは、実験例1で用いた電池容量(17mAh)に対して、不活性化剤の液量が0.021mLに相当する。不活性化剤の添加後、評価セルを再度封じて、温度20 ℃で電池電圧変化を測定した。
(実験例2)
不活性化剤としてDMSOにp-ベンゾキノンを濃度2.5mol/Lで溶解させたものを用いた以外は、実験例1と同様の条件で、電池不活性化評価を実施した。
(参考例1)
不活性化剤としてDMSOにヒドロキノンを濃度0.05mol/Lで溶解させたものを使用し、電池容量に対するヒドロキノンの添加量を0.004mol/Ahとした以外は、実験例1と同様の条件で、電池不活性化評価を実施した。
(参考例2)
不活性化剤としてDMSOにp-ベンゾキノンを濃度0.05mol/Lで溶解させたものを使用し、電池容量に対するp-ベンゾキノンの添加量を0.004mol/Ahとした以外は、実験例1と同様の条件で、電池不活性化評価を実施した。
(実施結果と考察)
図4は、実験例1,2の不活性化剤を満充電状態の評価セルに添加後の放電挙動である。図5は、参考例1,2の不活性化剤を満充電状態の評価セルに添加後の放電挙動である。また、実験例1,2、参考例1,2の不活性化剤の濃度、添加量、及びセル電圧が1.0(V)に至るまでの不活性化時間を表1にまとめた。図4に示すように、高濃度の不活性化剤を評価セルに少量添加した実験例1では、不活性化剤の添加後、電池電圧が4.1Vから徐々に低下し、80時間後には3.0V、120時間後には1.0V、440時間後には0V付近まで低下した。一方、実験例2では、放電速度が非常に遅く、添加から440時間後の電池電圧は3.6Vまでしか低下しなかった。また、図5に示すように、低濃度の不活性化剤を評価セルに多量に添加した場合は、参考例1,2のいずれも不活性化剤の添加後、電池電圧は4.1Vから徐々に低下して25時間後には1.0V以下となり、ヒドロキノンとp-ベンゾキノンで違いは確認されなかった。
以上より、不活性化剤としてヒドロキノン/DMSO溶液を用いた場合、ヒドロキノンの濃度や添加量によらず電池を電圧0V付近まで迅速に放電することが可能であることがわかった。特に、ヒドロキノンを高濃度化して不活性化剤の液量を低減した場合に、その効果は顕著であった。このような効果が得られる理由としては、溶媒組成とプロトンの影響が考えられる。例えば、Li+共存下において、p-ベンゾキノンはDMSO溶媒中では安定した酸化還元を示すのに対し、非水系電解液のカーボネート溶媒中では可逆な酸化還元を示さないことが考えられる。このため、p-ベンゾキノン/DMSO溶液による不活性化において、p-ベンゾキノンの高濃度化により不活性化剤の液量を低減した実験例2では、電解液のカーボネート溶媒の影響によりp-ベンゾキノンの酸化還元反応の可逆性が低下して、電池の放電速度が低下したと推察される。一方、ヒドロキノンは、p-ベンゾキノンと同様の酸化還元反応(図3A)の他にプロトンが関与した酸化還元反応(図3B)を示す。ヒドロキノンはp-ベンゾキノンの二電子還元体であるが、プロトンの影響で様々な酸化還元メカニズムを示す。例えば、ヒドロキノンからプロトンが脱離して生成したジアニオンとp-ベンゾキノンの間で2電子酸化還元が進行する反応式Aや、ヒドロキノンのプロトンが脱離せずに2電子酸化還元を示す反応式Bがある。ヒドロキノンの酸化還元において、どのメカニズムが支配的に進行するかは共存する溶媒や支持塩の組成、濃度によって異なるものと推察される。実験例1のヒドロキノン/DMSO溶液では、不活性化剤の液量低減に伴い、DMSOが少なくなり、反応式Aの可逆性が低下するものと推察された。一方、実験例1では、ヒドロキノンの高濃度化により液量を低減した場合は、反応式Bのプロトンが関与するヒドロキノンの酸化還元反応が支配的に進行し、電池を電圧0Vまで迅速に、且つより確実に放電することが可能になるものと推察された。
このように、ヒドロキノン系化合物であるレドックスシャトル剤を用いた不活性化剤では、レドックスシャトル剤の濃度に係わらず、非水系二次電池の不活性化をより確実に行うことができることがわかった。また、非水系二次電池は、液剤を添加する容量が限られていることから、不活性化剤のレドックスシャトル剤の濃度はより高い方が好ましく、ヒドロキノン系化合物の含有量は、1mol/L以上、より好ましくは2mol/L以上、更に好ましくは、2.5mol/L以上であるものと推察された。更に、非水系二次電池は、液剤を添加する容量が限られていることから、不活性化剤のレドックスシャトル剤の添加量はより小さい方が好ましく、非水系二次電池の容量に対するレドックスシャトル剤の量が0.1mol/Ah以下の範囲、より好ましくは0.01mol/Ah以下の範囲、更に好ましくは、0.005mol/Ah以下の範囲であると推察された。また、レドックスシャトル剤としては、ヒドロキノン構造を有するものとすれば、上述した同様の効果を得ることができると推察され、任意の官能基を置換基として有してもよいと推察された。
Figure 2023108176000003
なお、本開示は、上述した実施例に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本発明は、電池産業の分野に利用可能である。
20 非水系二次電池、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、27 イオン伝導媒体。

Claims (7)

  1. 非水系二次電池を不活性化する不活性化剤であって、
    酸化還元電位がLi基準電位で前記非水系二次電池の負極活物質よりも高く前記非水系二次電池の正極活物質よりも低いヒドロキノン構造を含むヒドロキノン系化合物であるレドックスシャトル剤と、
    非水系溶媒と、
    を含む不活性化剤。
  2. 前記ヒドロキノン系化合物は、式(1)で表される、請求項1に記載の不活性化剤。
  3. 前記ヒドロキノン系化合物を1mol/L以上含む、請求項1又は2に記載の不活性化剤。
  4. 前記非水系溶媒は、カーボネート化合物とは異なる溶媒である、請求項1~3のいずれか1項に記載の不活性化剤。
  5. 非水系二次電池を不活性化する不活性化方法であって、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の非水系二次電池の不活性化剤を前記非水系二次電池の内部に添加する添加工程、
    を含む不活性化方法。
  6. 前記添加工程では、前記非水系二次電池の容量に対する前記レドックスシャトル剤の量が0.1mol/Ah以下の範囲で前記不活性化剤を添加する、請求項5に記載の不活性化方法。
  7. 前記添加工程では、前記非水系二次電池の容量に対する前記レドックスシャトル剤の量が0.001mol/Ah以上の範囲で前記不活性化剤を添加する、請求項5又は6に記載の不活性化方法。
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