JP2023107049A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨液の消費量を抑制する。【解決手段】基板処理装置は、基板WFを支持するためのテーブル100と、テーブル100に支持された基板WFの被研磨面を研磨するための研磨パッド222を保持するためのパッドホルダ226と、パッドホルダ226を回転させるためのパッド回転機構と、パッドホルダ226を囲む筒状部材225-1を有し、筒状部材225-1の下端がテーブル100に支持された基板WFの被研磨面の近傍に配置される、堰部材225と、パッドホルダ226と堰部材225との間に研磨液を供給するための供給ノズル228-1,228-2と、を含む。【選択図】図5
Description
本願は、基板処理装置に関する。
半導体加工工程において用いられる基板処理装置の一種にCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)装置が存在する。CMP装置は、基板の被研磨面が向いている方向によって「フェースアップ式(基板の被研磨面が上向きの方式)」と「フェースダウン式(基板の被研磨面が下向きの方式)」に大別され得る。
特許文献1には、フェースアップ式の研磨装置が開示されている。この研磨装置は、基板を支持するためのテーブルと、基板の被研磨面を研磨するための研磨パッドを保持するホルダと、ホルダの周囲に配置されたノズルと、を備えている。この研磨装置は、ノズルから基板の被研磨面に対して研磨液を供給し、テーブルおよびホルダを回転させながら研磨パッドを基板に接触させることによって、基板を研磨するように構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、研磨液の消費量を抑制することは考慮されていない。
すなわち、特許文献1に記載された研磨装置では、ホルダの周囲にノズルが配置されている。したがって、基板の被研磨面に供給された研磨液の一部は、研磨パッドおよび基板の回転による遠心力によって、研磨に寄与する前に研磨パッドから離れる方向に飛散するおそれがある。このため、基板を十分に研磨するために大量の研磨液を供給することとなり、その結果、研磨液の消費量が増加するおそれがある。
そこで、本願は、研磨液の消費量を抑制することを1つの目的としている。
一実施形態によれば、基板を支持するためのテーブルと、前記テーブルに支持された基板の被研磨面を研磨するための研磨パッドを保持するためのパッドホルダと、前記パッドホルダを回転させるためのパッド回転機構と、前記パッドホルダを囲む筒状部材を有し、前記筒状部材の下端が前記テーブルに支持された基板の被研磨面の近傍に配置される、堰部材と、前記パッドホルダと前記堰部材との間に研磨液を供給するための供給ノズルと、を含む、基板処理装置が開示される。
以下に、本発明に係る基板処理装置の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
図1は、一実施形態による基板処理装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。図2は、一実施形態による基板処理装置の全体構成を概略的に示す平面図である。図1および図2に示される基板処理装置1000は、テーブル100と、多軸アーム200と、支持部材300A,300Bと、ドレッサ500と、膜厚計測器(終点検出器)600と、を有する。なお、図1においては、図示の明瞭化のために、多軸アーム200を省略している。
<テーブル>
テーブル100は、処理対象となる基板WFの被研磨面が鉛直方向の上を向くように基板WFを支持するための部材である。一実施形態において、テーブル100は、基板WFの被研磨面の反対側の裏面を支持するための支持面100aを有し、図示していないモータなどの駆動機構によって回転可能に構成される。支持面100aには複数の穴102が形成されており、テーブル100は、穴102を介して基板WFを真空吸着することができるように構成される。本実施形態の基板処理装置1000は、基板WFの被研磨面を上に向けて基板WFを研磨するフェースアップ式の基板処理装置である。
テーブル100は、処理対象となる基板WFの被研磨面が鉛直方向の上を向くように基板WFを支持するための部材である。一実施形態において、テーブル100は、基板WFの被研磨面の反対側の裏面を支持するための支持面100aを有し、図示していないモータなどの駆動機構によって回転可能に構成される。支持面100aには複数の穴102が形成されており、テーブル100は、穴102を介して基板WFを真空吸着することができるように構成される。本実施形態の基板処理装置1000は、基板WFの被研磨面を上に向けて基板WFを研磨するフェースアップ式の基板処理装置である。
<多軸アーム>
図3は、一実施形態による多軸アームを概略的に示す斜視図である。図2および図3に示すように、多軸アーム200は、テーブル100に支持された基板WFに対して各種処理を行うための複数の処理具を保持する部材であり、テーブル100に隣接して配置される。本実施形態の多軸アーム200は、基板WFを研磨するための大径の研磨パッド222と、基板WFを洗浄するための洗浄具232と、基板WFを仕上げ研磨するための小径の研磨パッド242と、基板WFの直径を計測するための撮影部材(カメラ)252と、を保持するように構成される。
図3は、一実施形態による多軸アームを概略的に示す斜視図である。図2および図3に示すように、多軸アーム200は、テーブル100に支持された基板WFに対して各種処理を行うための複数の処理具を保持する部材であり、テーブル100に隣接して配置される。本実施形態の多軸アーム200は、基板WFを研磨するための大径の研磨パッド222と、基板WFを洗浄するための洗浄具232と、基板WFを仕上げ研磨するための小径の研磨パッド242と、基板WFの直径を計測するための撮影部材(カメラ)252と、を保持するように構成される。
多軸アーム200は、基板WFに対して直交する方向(高さ方向)に伸びる揺動シャフト210と、揺動シャフト210を回転駆動するモータなどの回転駆動機構212と、揺動シャフト210に支持されており揺動シャフト210の周りに放射状に配置される第1のアーム220、第2のアーム230、第3のアーム240、および第4のアーム250と、を含む。
第1のアーム220には高さ方向に伸びる回転シャフト224が取り付けられており、回転シャフト224の先端には円板状のパッドホルダ226が取り付けられている。パッドホルダ226には大径の研磨パッド222が保持される。多軸アーム200は、パッドホルダ226を基板WFに対して昇降させるための昇降機構227を備える。昇降機構227は、例えばエアシリンダなどの公知の機構によって実現することができる。また、多軸アーム200は、パッドホルダ226を回転させるためのパッド回転機構229を備える。パッド回転機構229は、例えばモータなどの公知の機構によって実現することができ、回転シャフト224を回転させることによってパッドホルダ226を回転させることができる。
多軸アーム200は、パッドホルダ226の周囲に配置された供給ノズル228を備える。供給ノズル228は、研磨液(スラリー)を基板WFに対して供給するように構成される。供給ノズル228は、パッドホルダ226の揺動経路に配置された第1の供給ノズル228-1と、パッドホルダ226を挟んで第1の供給ノズル228-1と反対側のパッドホルダ226の揺動経路に配置された第2の供給ノズル228-2と、を備える。第1の供給ノズル228-1および第2の供給ノズル228-2はそれぞれ、基板WFの被研磨面に対して研磨液を供給するように構成される。
第2のアーム230には高さ方向に伸びる回転シャフト234が取り付けられており、回転シャフト234の先端には洗浄具ホルダ236が取り付けられている。洗浄具ホルダ236には洗浄具232が保持される。多軸アーム200は、洗浄具ホルダ236を基板WFに対して昇降させるための昇降機構237を備える。昇降機構237は、例えばエアシリンダなどの公知の機構によって実現することができる。また、多軸アーム200は、洗浄具ホルダ236を回転させるための洗浄具回転機構239を備える。洗浄具回転機構239は、例えばモータなどの公知の機構によって実現することができ、回転シャフト234を回転させることによって洗浄具ホルダ236を回転させることができる。
多軸アーム200は、洗浄具ホルダ236の周囲に洗浄液を供給するためのアトマイザ238を備える。アトマイザ238は、洗浄具ホルダ236を挟んで洗浄具ホルダ236の揺動方向の両側に設けられ、洗浄液を基板WFに放出するように構成される。
第3のアーム240には高さ方向に伸びる回転シャフト244が取り付けられており、回転シャフト244の先端には円板状のパッドホルダ246が取り付けられている。パッドホルダ246には小径の研磨パッド242が保持される。多軸アーム200は、パッドホルダ246を基板WFに対して昇降させるための昇降機構247を備える。昇降機構247は、例えばエアシリンダなどの公知の機構によって実現することができる。また、多軸アーム200は、パッドホルダ246を回転させるためのパッド回転機構249を備える。パッド回転機構249は、例えばモータなどの公知の機構によって実現することができ、回転シャフト244を回転させることによってパッドホルダ246を回転させることができる。第4のアーム250には撮影部材252が保持される。
多軸アーム200は、パッドホルダ246の周囲に研磨液を供給するための供給ノズル248を備える。供給ノズル248は、パッドホルダ246の揺動経路に配置された第1の供給ノズル248-1と、パッドホルダ246を挟んで第1の供給ノズル248-1と反対側のパッドホルダ246の揺動経路に配置された第2の供給ノズル248-2と、を備える。第1の供給ノズル248-1および第2の供給ノズル248-2は、基板WFの被研磨面に対して研磨液を供給するように構成される。
図2に示すように、本実施形態では、第1のアーム220、第2のアーム230、第3のアーム240、および第4のアーム250は、平面視で反時計回りに90度ずれて揺動シャフト210の周りに放射状に伸びる。回転駆動機構212は、揺動シャフト210を回転駆動することによって、大径の研磨パッド222、洗浄具232、小径の研磨パッド242、および撮影部材252のいずれかを基板WF上に移動させることができる。また、回転駆動機構212は、揺動シャフト210を回転駆動することによって、研磨パッド222または研磨パッド242をドレッサ500上に移動させることができる。また、回転駆動機構212は、揺動シャフト210を時計回りおよび反時計回りに交互に回転駆動することによって、第1のアーム220、第2のアーム230、第3のアーム240、および第4のアーム250を揺動させる揺動機構の機能を有する。具体的には、回転駆動機構212は、研磨パッド222、洗浄具232、または研磨パッド242が基板WF上に位置している状態で、揺動シャフト210を時計回りおよび反時計回りに交互に回転駆動することによって、研磨パッド222(パッドホルダ226)、洗浄具232(洗浄具ホルダ236)、または研磨パッド242(パッドホルダ246)を基板WFに対して揺動させることができる。本実施形態では、研磨パッド222、洗浄具232、または研磨パッド242を回転駆動機構212によって基板WFの径方向に旋回揺動させる、すなわち円弧に沿って往復運動させる例を示すが、これに限定されない。例えば、揺動機構は、研磨パッド222、洗浄具232、または研磨パッド242を基板の径方向に直線揺動させる、すなわち直線に沿って往復運動させるような構成を有し得る。
基板処理装置1000は、例えば研磨パッド222が基板WF上にある場合には、テーブル100を回転させるとともに研磨パッド222を回転させ、昇降機構227によって研磨パッド222を基板WFに押圧しながら回転駆動機構212によって研磨パッド222を揺動させることによって、基板WFの研磨を行うように構成される。
<支持部材>
図1および図2に示すように、基板処理装置1000は、テーブル100の外側の研磨パッド222の揺動経路に配置された第1の支持部材300Aと、テーブル100を挟んで第1の支持部材300Aと反対側の研磨パッド222の揺動経路に配置された第2の支持部材300Bと、を含む。第1の支持部材300Aおよび第2の支持部材300Bは、基板WFを挟んで線対称になっている。このため、以下では、適宜、第1の支持部材300Aおよび第2の支持部材300Bをまとめて支持部材300として説明する。また、以下では、一例として、大径の研磨パッド222を基板WFに対して揺動させる場合の支持部材300の機能について説明を行うが、洗浄具232または小径の研磨パッド242についても同様である。
図1および図2に示すように、基板処理装置1000は、テーブル100の外側の研磨パッド222の揺動経路に配置された第1の支持部材300Aと、テーブル100を挟んで第1の支持部材300Aと反対側の研磨パッド222の揺動経路に配置された第2の支持部材300Bと、を含む。第1の支持部材300Aおよび第2の支持部材300Bは、基板WFを挟んで線対称になっている。このため、以下では、適宜、第1の支持部材300Aおよび第2の支持部材300Bをまとめて支持部材300として説明する。また、以下では、一例として、大径の研磨パッド222を基板WFに対して揺動させる場合の支持部材300の機能について説明を行うが、洗浄具232または小径の研磨パッド242についても同様である。
支持部材300は、揺動シャフト210の回転によってテーブル100の外側へ揺動された研磨パッド222を支持するための部材である。すなわち、基板処理装置1000は、基板WFを研磨する際に研磨パッド222を基板WFの外側に飛び出すまで揺動させる(オーバーハングさせる)ことによって、基板WFの被研磨面を均一に研磨するように構成される。ここで、研磨パッド222をオーバーハングさせた場合には、パッドホルダ226が傾くなど様々な要因によって基板WFの周縁部に研磨パッド222の圧力が集中して、基板WFの被研磨面が均一に研磨されないおそれがある。そこで、本実施形態の基板処理装置1000は、基板WFの外側にオーバーハングした研磨パッド222を支持するための支持部材300をテーブル100の両側に設けている。
第1の支持部材300Aおよび第2の支持部材300Bはそれぞれ、研磨パッド222の基板WFと接触する研磨面222cの全体を支持可能な支持面301a,301bを有する。すなわち、支持面301a,301bはそれぞれ、研磨パッド222の研磨面222cの面積よりも大きな面積を有しているので、研磨パッド222が完全に基板WFの外側までオーバーハングしたとしても研磨面222cの全体が支持面301a,301bに支持される。これにより、本実施形態では、研磨パッド222は、基板WF上を揺動しているときには研磨パッド222の研磨面の全体が基板WFに接触して支持されており、テーブル100の外側まで揺動しているときも研磨面の全体が支持部材300に支持されているので、揺動中に基板WFの被研磨面および支持面301a,301bの領域からはみ出さないようになっている。
<膜厚計測器>
図1および図2に示すように、基板処理装置1000は、基板WFを研磨しながら基板WFの被研磨面の膜厚プロファイルを計測するための膜厚計測器600を含む。膜厚計測器600は、渦電流式センサまたは光学式センサなどの様々なセンサで構成することができる。図1に示すように、高さ方向に伸びる回転シャフト610がテーブル100に隣接して配置されている。回転シャフト610は、図示していないモータなどの回転駆動機構によって回転シャフト610の軸周りに回転可能になっている。回転シャフト610には揺動アーム620が取り付けられおり、膜厚計測器600は、揺動アーム620の先端に取り付けられている。膜厚計測器600は、回転シャフト610の回転によって回転シャフト610の軸周りに旋回揺動するように構成される。具体的には、膜厚計測器600は、基板WFの研磨中に、回転シャフト610の回転によって基板WFの径方向に沿って揺動することができるようになっている。膜厚計測器600は、研磨パッド222が基板WF上を揺動しているときには基板WF上から退避した位置に揺動し、研磨パッド222が基板WF上を揺動していないときに基板WF上を揺動するように構成される。すなわち、膜厚計測器600は、基板WF上を揺動する研磨パッド222と干渉しないタイミングで基板WF上を揺動することができるようになっており、研磨パッド222によって研磨される基板WFの膜厚プロファイルを経時的に計測することができる。膜厚計測器600は、計測した基板WFの膜厚プロファイルが所望の膜厚プロファイルになったら、基板WFの研磨の終点を検出することができる。
図1および図2に示すように、基板処理装置1000は、基板WFを研磨しながら基板WFの被研磨面の膜厚プロファイルを計測するための膜厚計測器600を含む。膜厚計測器600は、渦電流式センサまたは光学式センサなどの様々なセンサで構成することができる。図1に示すように、高さ方向に伸びる回転シャフト610がテーブル100に隣接して配置されている。回転シャフト610は、図示していないモータなどの回転駆動機構によって回転シャフト610の軸周りに回転可能になっている。回転シャフト610には揺動アーム620が取り付けられおり、膜厚計測器600は、揺動アーム620の先端に取り付けられている。膜厚計測器600は、回転シャフト610の回転によって回転シャフト610の軸周りに旋回揺動するように構成される。具体的には、膜厚計測器600は、基板WFの研磨中に、回転シャフト610の回転によって基板WFの径方向に沿って揺動することができるようになっている。膜厚計測器600は、研磨パッド222が基板WF上を揺動しているときには基板WF上から退避した位置に揺動し、研磨パッド222が基板WF上を揺動していないときに基板WF上を揺動するように構成される。すなわち、膜厚計測器600は、基板WF上を揺動する研磨パッド222と干渉しないタイミングで基板WF上を揺動することができるようになっており、研磨パッド222によって研磨される基板WFの膜厚プロファイルを経時的に計測することができる。膜厚計測器600は、計測した基板WFの膜厚プロファイルが所望の膜厚プロファイルになったら、基板WFの研磨の終点を検出することができる。
<ドレッサ>
図1および図2に示すように、ドレッサ500は、揺動シャフト210の回転による研磨パッド222、242の旋回経路に配置される。ドレッサ500は、表面にダイヤモンド粒子などが強固に電着しており、研磨パッド222、242を目立て(ドレッシング)するための部材である。ドレッサ500は、図示していないモータなどの回転駆動機構によって回転するように構成される。ドレッサ500の表面には図示していないノズルから純水を供給可能になっている。基板処理装置1000は、ノズルから純水をドレッサ500に供給しながらドレッサ500を回転させるとともに、研磨パッド222、242を回転させ、ドレッサ500に押圧しながらドレッサ500に対して揺動させる。これによって、ドレッサ500により研磨パッド222、242が削り取られ、研磨パッド222、242の研磨面がドレッシングされる。
図1および図2に示すように、ドレッサ500は、揺動シャフト210の回転による研磨パッド222、242の旋回経路に配置される。ドレッサ500は、表面にダイヤモンド粒子などが強固に電着しており、研磨パッド222、242を目立て(ドレッシング)するための部材である。ドレッサ500は、図示していないモータなどの回転駆動機構によって回転するように構成される。ドレッサ500の表面には図示していないノズルから純水を供給可能になっている。基板処理装置1000は、ノズルから純水をドレッサ500に供給しながらドレッサ500を回転させるとともに、研磨パッド222、242を回転させ、ドレッサ500に押圧しながらドレッサ500に対して揺動させる。これによって、ドレッサ500により研磨パッド222、242が削り取られ、研磨パッド222、242の研磨面がドレッシングされる。
<パッドホルダおよび堰部材>
図4は、一実施形態によるパッドホルダおよび堰部材を概略的に示す斜視図である。図5は、一実施形態によるパッドホルダおよび堰部材を概略的に示す断面図である。図6は、図5に示したパッドホルダおよび堰部材を概略的に示す平面図である。図4では、図示の明瞭化のために堰部材を概略的に破線で示している。なお、以下ではパッドホルダ226に対して配置される堰部材等の構成を説明するが、パッドホルダ246にも同様の堰部材等が配置されてもよい。
図4は、一実施形態によるパッドホルダおよび堰部材を概略的に示す斜視図である。図5は、一実施形態によるパッドホルダおよび堰部材を概略的に示す断面図である。図6は、図5に示したパッドホルダおよび堰部材を概略的に示す平面図である。図4では、図示の明瞭化のために堰部材を概略的に破線で示している。なお、以下ではパッドホルダ226に対して配置される堰部材等の構成を説明するが、パッドホルダ246にも同様の堰部材等が配置されてもよい。
図4~図6に示すように、基板処理装置1000は、パッドホルダ226を囲むように配置された堰部材225を備える。堰部材225は、パッドホルダ226を囲む筒状部材225-1を含む。本実施形態では筒状部材225-1は円筒状の部材である。図5に示すように筒状部材225-1の下端は、テーブル100に支持された基板WFの被研磨面の近傍に配置される。
また、堰部材225は、筒状部材225-1の下端から研磨パッド222またはパッドホルダ226に近づく方向に水平に伸びるフランジ部材225-2を含む。フランジ部材225-2の下端は、筒状部材225-1の下端と同様に、テーブル100に支持された基板WFの被研磨面の近傍に配置される。
堰部材225は、パッドホルダ226および供給ノズル228-1,228-2を囲むように配置される。これにより、供給ノズル228-1,228-2は、パッドホルダ226と堰部材225との間に研磨液を供給するように構成される。
図5に示すように、基板処理装置1000は、回転シャフト224を保護するためのカバー部材223を備える。カバー部材223は、回転シャフト224を囲む筒状部材223-1と、筒状部材223-1の上端に取り付けられたフランジ部材223-2と、を含む。カバー部材223は、図5には図示されていない第1のアーム220に固定されている。カバー部材223を設けることによって、供給ノズル228-1,228-2から供給された研磨液が跳ねて回転シャフト224に付着するのを抑制することができる。
また、図5に示すように、基板処理装置1000は、堰部材225および供給ノズル228-1,228-2を支持するための環状の支持部材220-1を備える。支持部材220-1は、カバー部材223に固定されており、カバー部材223を介して第1のアーム220に固定されている。堰部材225および供給ノズル228-1,228-2は、支持部材220-1に固定されている。これにより、支持部材220-1は、堰部材225および供給ノズル228-1,228-2を吊り下げ固定するようになっている。
本実施形態の基板処理装置1000によれば、研磨液の消費量を抑制することができる。すなわち、本実施形態の基板処理装置1000では、パッドホルダ226および供給ノズル228-1,228-2を囲むように堰部材225が設けられており、堰部材225の下端は基板WFの被研磨面の近傍に配置されている。これにより、堰部材225は基板WFの被研磨面に供給された研磨液を堰き止めることができるので、研磨液が研磨パッド222および基板WFの回転による遠心力によって研磨パッド222から離れる方向に飛散するのを抑制することができる。
これに加えて、堰部材225には、フランジ部材225-2が設けられているので、堰部材225の重量を増大させることなく、研磨液を堰部材225の外側に流出し難くすることができる。すなわち、研磨液を堰部材225の外側に流出し難くするためには、堰部材225の下面と基板WFの被研磨面との対向面積を大きくすることによって、研磨液の通流抵抗を大きくすることが考えられる。この点、筒状部材225-1を肉厚にすることで筒状部材225-1の下面の面積を大きくすることもできるが、この場合、堰部材225の重量が増大するので好ましくない。これに対して、本実施形態では、フランジ部材225-2を設けることによって、筒状部材225-1を肉厚にすることなく、堰部材225の下面と基板WFの被研磨面との対向面積を大きくすることができる。これにより、供給ノズル228-1,228-2から基板WFの被研磨面に供給された研磨液が堰部材225の下面と基板WFの被研磨面との間を流れるときの通流抵抗が大きくなるので、研磨液を堰部材225の外側に流出し難くすることができる。なお、本実施形態では、フランジ部材225-2は、筒状部材225-1の下端から研磨パッド222またはパッドホルダ226に近づく方向に伸びるが、これに限らず、筒状部材225-1の下端から水平方向外側に、言い換えれば研磨パッド222またはパッドホルダ226から遠ざかる方向に伸びていてもよい。
また、基板処理装置1000は、堰昇降機構225aを備える。堰昇降機構225aは、堰部材225を昇降させるように構成されている。堰昇降機構225aは、例えばアクチュエータなどの公知の機構によって実現することができる。堰昇降機構225aは、研磨パッド222の厚みまたは基板WFの厚みに応じて堰部材225を昇降させることによって、堰部材225の高さを適切に調整することができる。すなわち、堰部材225を降下させすぎると、堰部材225が基板WFの被研磨面と接触して被研磨面に傷が付くので好ましくない。一方、堰部材225を上昇させすぎて堰部材225と基板WFの被研磨面との間の距離が広がると、堰部材225と基板WFの被研磨面との間の研磨液の通流抵抗が小さくなり、研磨液が流出するので好ましくない。そこで、堰昇降機構225aは、堰部材225が基板WFの被研磨面と接触せず、かつ、堰部材225と基板WFの被研磨面との間の研磨液の通流抵抗が大きくなるように、堰部材225の高さを調整することができる。
また、本実施形態によれば、基板WFの被研磨面の研磨プロファイルを均一化することができる。すなわち、単にパッドホルダ226の周囲に研磨液を供給する場合、基板WFの中央部と外周部では遠心力の違いにより研磨液の飛散量が異なり、その結果、被研磨面全体の研磨プロファイルの均一性が損なわれるおそれがある。これに対して本実施形態によれば、堰部材225を設けることによって、パッドホルダ226が基板WFの被研磨面のどの位置に配置されているかに関わらず、研磨パッド222と基板WFの被研磨面との間に十分に研磨液が保持されるので、基板WFの被研磨面の研磨プロファイルを均一化することができる。
次に、パッドホルダ226および堰部材225の他の実施形態を説明する。図7は、一実施形態によるパッドホルダおよび堰部材を概略的に示す断面図である。図8は、図7に示したパッドホルダおよび堰部材を概略的に示す平面図である。以下の説明では、図5および図6を用いて説明した部材と同じ部材については説明を省略する。
基板処理装置1000は、パッドホルダ226と堰部材225との間に供給された研磨液を吸引するための吸引機構221を含む。吸引機構221は、筒状部材225-1に形成された吸引路221-1を含む。吸引路221-1は、筒状部材225-1の下面に環状に形成された溝221-1aと、筒状部材225-1の上面と溝221-1aとを連通するように筒状部材225-1に鉛直方向に伸びる複数(本実施形態では4個)の吸引孔221-1bと、を含む。複数の吸引孔221-1bは、筒状部材225-1の周方向に沿って相互に間隔(本実施形態では90°間隔)をあけて形成される。この構成により、吸引路221-1は、筒状部材225-1の下端に開口する。
吸引機構221は、筒状部材225-1の下端から吸引路221-1を介して研磨液を吸引するための吸引部材221-3を含む。一例では、吸引部材221-3は、エジェクタによって構成することができるが、これに限らず研磨液を吸引可能な部材を用いることができる。吸引機構221は、さらに、吸引路221-1を介して吸引された研磨液をパッドホルダ226と堰部材225との間に供給するための循環ノズル221-4を含む。循環ノズル221-4は、本実施形態では、吸引機構221によって吸引された研磨液をパッドホルダ226と堰部材225との間に直接供給するように構成されているが、これに限定されない。循環ノズル221-4、例えば、吸引機構221によって吸引されて一旦タンクに貯留された研磨液をパッドホルダ226と堰部材225との間に供給するように構成されていてもよい。
本実施形態によれば、上記の実施形態と同様に、堰部材225が設けられているので、研磨液の消費量を抑制することができる。これに加えて、本実施形態によれば、吸引機構221を用いることにより、さらに研磨液の消費量を抑制することができる。すなわち、堰部材225を設けたとしても、堰部材225と基板WFの被研磨面との間には僅かな隙間があるので、そこから研磨液が流出するおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、堰部材225と基板WFの被研磨面との間の隙間の研磨液を溝221-1aによって捕捉することができる。さらに、溝221-1aに捕捉された研磨液を吸引部材221-3によって吸引孔221-1bを介して吸引し、循環ノズル221-4からパッドホルダ226と堰部材225との間に供給することができる。これにより、研磨液を効率よく使用することができるので、研磨液の消費量を抑制することができる。
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
本願は、一実施形態として、基板を支持するためのテーブルと、前記テーブルに支持された基板の被研磨面を研磨するための研磨パッドを保持するためのパッドホルダと、前記パッドホルダを回転させるためのパッド回転機構と、前記パッドホルダを囲む筒状部材を有し、前記筒状部材の下端が前記テーブルに支持された基板の被研磨面の近傍に配置される、堰部材と、前記パッドホルダと前記堰部材との間に研磨液を供給するための供給ノズルと、を含む、基板処理装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記パッドホルダと前記堰部材との間に供給された研磨液を吸引するための吸引機構をさらに含む、基板処理装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記吸引機構は、前記筒状部材に形成され前記筒状部材の下端に開口する吸引路と、前記筒状部材の下端から前記吸引路を介して研磨液を吸引するための吸引部材と、を含む、基板処理装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記吸引機構は、前記吸引路を介して吸引された研磨液を前記パッドホルダと前記堰部材との間に供給するための循環ノズルをさらに含む、基板処理装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記堰部材は、前記筒状部材の下端から前記研磨パッドまたは前記パッドホルダに近づく方向、あるいは、前記研磨パッドまたは前記パッドホルダから遠ざかる方向に伸びるフランジ部材をさらに含む、基板処理装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記堰部材を昇降させるための堰昇降機構をさらに含む、基板処理装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記パッドホルダを前記基板の径方向に揺動させるための揺動機構と、前記揺動機構によって前記テーブルの外側へ揺動された研磨パッドを支持するための支持部材と、をさらに含む、基板処理装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記供給ノズルは、前記パッドホルダの揺動経路に配置された第1の供給ノズルと、前記パッドホルダを挟んで前記第1の供給ノズルと反対側の前記パッドホルダの揺動経路に配置された第2の供給ノズルと、を含む、基板処理装置を開示する。
さらに、本願は、一実施形態として、前記支持部材は、前記テーブルの外側の前記パッドホルダの揺動経路に配置された第1の支持部材と、前記テーブルを挟んで前記第1の支持部材と反対側の前記パッドホルダの揺動経路に配置された第2の支持部材と、を含む、基板処理装置を開示する。
100 テーブル
212 回転駆動機構
221 吸引機構
221-1 吸引路
221-1a 溝
221-1b 吸引孔
221-3 吸引部材
221-4 循環ノズル
222、242 研磨パッド
224 回転シャフト
225 堰部材
225-1 筒状部材
225-2 フランジ部材
225a 堰昇降機構
226 パッドホルダ
227 昇降機構
228 供給ノズル
228-1 第1の供給ノズル
228-2 第2の供給ノズル
229 パッド回転機構
300 支持部材
300A 第1の支持部材
300B 第2の支持部材
1000 基板処理装置
WF 基板
212 回転駆動機構
221 吸引機構
221-1 吸引路
221-1a 溝
221-1b 吸引孔
221-3 吸引部材
221-4 循環ノズル
222、242 研磨パッド
224 回転シャフト
225 堰部材
225-1 筒状部材
225-2 フランジ部材
225a 堰昇降機構
226 パッドホルダ
227 昇降機構
228 供給ノズル
228-1 第1の供給ノズル
228-2 第2の供給ノズル
229 パッド回転機構
300 支持部材
300A 第1の支持部材
300B 第2の支持部材
1000 基板処理装置
WF 基板
Claims (9)
- 基板を支持するためのテーブルと、
前記テーブルに支持された基板の被研磨面を研磨するための研磨パッドを保持するためのパッドホルダと、
前記パッドホルダを回転させるためのパッド回転機構と、
前記パッドホルダを囲む筒状部材を有し、前記筒状部材の下端が前記テーブルに支持された基板の被研磨面の近傍に配置される、堰部材と、
前記パッドホルダと前記堰部材との間に研磨液を供給するための供給ノズルと、
を含む、
基板処理装置。 - 前記パッドホルダと前記堰部材との間に供給された研磨液を吸引するための吸引機構をさらに含む、
請求項1に記載の基板処理装置。 - 前記吸引機構は、前記筒状部材に形成され前記筒状部材の下端に開口する吸引路と、前記筒状部材の下端から前記吸引路を介して研磨液を吸引するための吸引部材と、を含む、
請求項2に記載の基板処理装置。 - 前記吸引機構は、前記吸引路を介して吸引された研磨液を前記パッドホルダと前記堰部材との間に供給するための循環ノズルをさらに含む、
請求項3に記載の基板処理装置。 - 前記堰部材は、前記筒状部材の下端から前記研磨パッドまたは前記パッドホルダに近づく方向、あるいは、前記研磨パッドまたは前記パッドホルダから遠ざかる方向に伸びるフランジ部材をさらに含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記堰部材を昇降させるための堰昇降機構をさらに含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記パッドホルダを前記基板の径方向に揺動させるための揺動機構と、
前記揺動機構によって前記テーブルの外側へ揺動された研磨パッドを支持するための支持部材と、
をさらに含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記供給ノズルは、前記パッドホルダの揺動経路に配置された第1の供給ノズルと、前記パッドホルダを挟んで前記第1の供給ノズルと反対側の前記パッドホルダの揺動経路に配置された第2の供給ノズルと、を含む、
請求項7に記載の基板処理装置。 - 前記支持部材は、前記テーブルの外側の前記パッドホルダの揺動経路に配置された第1の支持部材と、前記テーブルを挟んで前記第1の支持部材と反対側の前記パッドホルダの揺動経路に配置された第2の支持部材と、を含む、
請求項7または8に記載の基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022008139A JP2023107049A (ja) | 2022-01-21 | 2022-01-21 | 基板処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023107049A true JP2023107049A (ja) | 2023-08-02 |
Family
ID=87473442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022008139A Pending JP2023107049A (ja) | 2022-01-21 | 2022-01-21 | 基板処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023107049A (ja) |
-
2022
- 2022-01-21 JP JP2022008139A patent/JP2023107049A/ja active Pending
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