JP2023106870A - 建設機械の制御装置およびこれを備えた建設機械 - Google Patents

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    • E02F9/22Hydraulic or pneumatic drives

Abstract

【課題】地面に対する押付力を安定して維持しながら整地作業を行うことが可能な建設機械の制御装置およびこれを備えた建設機械を提供する。【解決手段】制御装置1Aは、ブームシリンダ21Sと、電磁比例弁5と、コントロールバルブ7と、姿勢検出部31と、制御部50とを備える。制御部50は、姿勢検出部31が検出する作業アタッチメント20の姿勢情報に基づいて作業アタッチメント20の重心速度を演算する一方、作業アタッチメント20が地面に与える対地仕事と目標対地仕事との差に基づいて前記重心速度の目標値である目標重心速度を演算し、前記重心速度が前記目標重心速度に近づくように、フィードバック補正をかけた指令信号を電磁比例弁5に入力する。【選択図】図2

Description

本発明は、建設機械の制御装置およびこれを備えた建設機械に関するものである。
従来、建設機械として、機体と、前記機体に起伏可能に支持された作業アタッチメントとを有する油圧ショベルが知られている。油圧ショベルの作業アタッチメントは、機体に起伏可能に支持されたブームと、前記ブームに回動可能に支持されたアームと、前記アームに回動可能に支持されたバケットとを含み、それぞれが伸縮可能な油圧シリンダによって動かされる。このような油圧ショベルでは、バケットの先端部を用いて地面に対して整地作業が行われる場合がある。当該整地作業は、均し作業、底すらし作業、法面成形作業などを含む。このような整地作業において、オペレータが作業アタッチメントの起伏を操作することによって地面に対する押付力(転圧力)を調整する作業は、非熟練者にとって容易ではない。
特許文献1には、作業アタッチメントの姿勢および負荷を検出し、検出された情報から地面に対するバケットの押付力を求め、当該押付力が目標値と一致するようにブームシリンダの伸縮を自動制御する技術が開示されている。
特開平10-219727号公報
特許文献1に記載された技術では、上記の押付力を油圧シリンダの圧力から推定しているため、地面の凹凸による圧力変動や、土質に起因する反力などの影響を受けて押付力が変動しやすく、油圧シリンダの伸縮によってこの押付力を一定に制御することが難しいという問題があった。
本発明の目的は、地面に対する押付力を安定して維持しながら整地作業を行うことが可能な建設機械の制御装置およびこれを備えた建設機械を提供することにある。
本発明により提供されるのは、建設機械の制御装置である。前記建設機械は、機体と、互いに相対移動可能な複数の部材を含み前記機体に起伏可能に支持された作業装置と、を有する。前記制御装置は、操作指令受付部と、駆動部と、姿勢情報取得部と、制御部とを備える。前記駆動部は、前記作業装置を動かすための指令信号に応じた速度で前記作業装置を動かす。前記姿勢情報取得部は、前記機体に対する前記作業装置の相対的な姿勢情報を取得する。前記制御部は、前記駆動部に前記指令信号を入力する。前記制御部は、前記姿勢情報に基づいて前記複数の部材の合成重心の速度である重心速度を演算する一方、前記作業装置が地面に対して行う仕事である対地仕事と当該対地仕事の目標値である目標対地仕事との差に基づいて前記重心速度の目標値である目標重心速度を演算し、前記重心速度を前記目標重心速度に近づけるためのフィードバック補正を前記指令信号にかけて前記駆動部に入力する。
本構成によれば、作業装置による整地作業を行う際に、作業装置の合成重心速度が目標重心速度に近づくように制御部が駆動部に指令信号を入力して作業装置の動きを制御することができる。この際、制御部は、作業装置が地面に対する対地仕事と目標対地仕事との差に基づいて目標重心速度を演算する。この結果、作業装置の合成重心速度を安定化させることで作業装置の地面に対する転圧力(押圧力)が安定し、整地作業を精度良く行うことができる。
上記の構成において、入力されるエネルギに応じて前記駆動部が行うことが可能な仕事である入力仕事に関する情報を取得する仕事情報取得部を更に備え、前記制御部は、前記仕事情報取得部によって取得される前記入力仕事と、前記作業装置の駆動に関する仕事である駆動仕事との差から前記対地仕事を演算するものでもよい。
従来では、建設機械の作業状態に起因して変動し易いシリンダのシリンダ内圧を用いて、作業装置の姿勢も考慮しながら地面に対する転圧力を計算する必要があったが、このような導出過程においてノイズや誤差を含み易く、前記転圧力を容易かつ精度良く演算することが困難であった。一方、本構成では、仕事情報取得部によって取得された駆動部の入力仕事と、作業装置の駆動に消費される駆動仕事との差から地面に対する対地仕事を容易かつ精度良く演算することができる。
上記の構成において、前記重心速度に基づく前記作業装置の運動エネルギから前記作業装置の前記駆動仕事を演算するものでもよい。
本構成によれば、作業装置の重心速度を用いて、当該作業装置の駆動仕事を容易に演算することができる。
上記の構成において、前記目標対地仕事の入力を受け付ける入力部を更に備え、前記制御部は、前記対地仕事と前記入力部に入力された前記目標対地仕事との差に基づいて前記目標重心速度を演算するものでもよい。
本構成によれば、入力される目標対地仕事に応じて、安定した整地作業を行うことができる。
上記の構成において、前記制御部は、少なくとも一つの作業条件の大きさに応じて前記目標対地仕事を決定し、前記対地仕事と前記決定された前記目標対地仕事との差に基づいて前記目標重心速度を演算するものでもよい。前記作業条件は、前記作業装置が行う作業に関する条件である。
本構成によれば、作業条件に応じて好適な目標対地仕事を設定することが可能であるため、容易かつ効率的に整地作業を行うことができる。
上記の構成において、前記少なくとも一つ作業条件は、前記作業装置によって整地される地面の整地後の角度である整地角度、前記作業装置の駆動速度、前記作業装置の地面に対する転圧強さ、地面の土質のうちの少なくとも一つを含むものでもよい。
本構成によれば、整地角度、作業装置の駆動速度、転圧強さ、地面の土質などに応じて、その大きさに見合った目標対地仕事を自動で設定することができる。
上記の構成において、前記作業装置の前記複数の部材は、前記機体に起伏可能に支持されたブームと、前記ブームに回動可能に支持されたアームと、前記アームに回動可能に支持され地面に対して仕事をすることが可能な先端部材とを有し、前記ブームを起伏させるための操作を受けるブーム操作部と、前記アームを回動させるための操作を受けるアーム操作部とを更に備え、前記駆動部は、前記ブームが起伏するように伸縮するブームシリンダと、入力されるブーム指令信号に応じて前記ブームシリンダを伸縮させるブームシリンダ操作機構と、前記アームが回動するように伸縮するアームシリンダと、入力されるアーム指令信号に応じて前記アームシリンダを伸縮させるアームシリンダ操作機構と、を含み、前記制御部は、前記アーム操作部が受ける操作の操作量に応じた前記アーム指令信号を前記アームシリンダ操作機構に入力する一方、前記重心速度を前記目標重心速度に近づけるためのフィードバック補正を前記ブーム指令信号にかけて前記ブームシリンダ操作機構に入力するものでもよい。
本構成によれば、制御部がブーム操作を安定してサポートすることができるため、オペレータはアーム操作および先端部材の操作に注力しながら整地作業を容易に行うことができる。このため、非熟練者であっても、整地作業をスムーズに行うことができる。
本発明によって提供されるのは、機体と、前記機体に起伏可能に支持される作業装置と、上記の何れか1に記載の建設機械の制御装置と、を備える、建設機械である。
本構成によれば、地面に対する押付力を安定して維持しながら整地作業を行うことが可能な建設機械を提供することができる。
本発明によれば、地面に対する押付力を安定して維持しながら整地作業を行うことが可能な建設機械の制御装置およびこれを備えた建設機械を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置を備える建設機械を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置の油圧回路図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置の制御フロー図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置が実行する制御のフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る制御装置の制御フロー図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置1A(図2)が搭載される油圧ショベル1(建設機械)を示す側面図である。この油圧ショベル1は、走行面(地面G)上を走行可能なクローラ式の下部走行体10と、前記走行面に対して垂直な旋回中心軸まわりに旋回可能となるように下部走行体10の上に搭載される上部旋回体12と、この上部旋回体12に起伏可能に搭載される作業アタッチメント20(作業装置)と、を備える。当該作業アタッチメント20は、前記上部旋回体12に起伏可能に支持されるブーム21と、当該ブーム21の先端に回動可能に連結されるアーム22と、当該アーム22の先端に回動可能に連結されるバケット23(先端部材)とを備える。バケット23は、バケット底部23Hを有する。また、上部旋回体12は、旋回フレーム121と、キャブ13とを有する。下部走行体10および上部旋回体12は、本発明の機体1Sを構成する。また、ブーム21、アーム22およびバケット23は、互いに相対移動可能な、本発明の複数の部材に相当する。
前記油圧ショベル1は、前記上部旋回体12に対して前記ブーム21を起伏動作させるように作動するブームシリンダ21Sと、当該ブーム21に対して前記アーム22を回動動作させるように作動するアームシリンダ22Sと、当該アーム22に対して前記バケット23を回動動作させるように作動するバケットシリンダ23Sと、を備える。各シリンダは、油圧ポンプから作動油を受け入れて伸縮するように作動する。
図2は、本実施形態に係る制御装置1Aの油圧回路図である。図2において、図1に示す油圧ショベル1と同じ構成要素には同じ符号を付している。また、図2において、g1はブーム21の重心、g2はアーム22の重心、g3 はバケット23の重心、gは作業アタッチメント20の合成重心を示す。
油圧ショベル1は、更に、エンジン100と、油圧式の第1ポンプ2Aおよび第2ポンプ2Bと、パイロット圧油用油圧ポンプ3と、操作部4と、電磁比例弁5と、コントロールバルブ7と、制御部50とを備える。
エンジン100は、後記のECU32によって制御され、所定の噴射量の燃料を受け入れて回転する。第1ポンプ2Aおよび第2ポンプ2Bは、エンジン100の出力軸に接続され、エンジン100の駆動力を受けて回転する。各ポンプは、油圧式のポンプであり、ブームシリンダ21S、アームシリンダ22Sおよびバケットシリンダ23Sを作動させるための作動油を吐出する。
前述のブームシリンダ21Sは、第1ポンプ2Aにより吐出される作動油の供給を受けることによりブーム21を起伏させる(動かす)ように伸縮する。本実施形態では、ブームシリンダ21Sは、シリンダ本体と、シリンダ本体をヘッド室とロッド室とに仕切るピストン部を含みシリンダ本体に対して相対移動可能なシリンダロッドとを有する。シリンダロッドの先端部は不図示のリンク機構を介してブーム21に接続されている。ブームシリンダ21Sは、第1ポンプ2Aにより吐出される作動油をコントロールバルブ7を介してヘッド室に受け入れロッド室から作動油を排出することでブーム21を起立させるように伸長する(ブーム上げ動作)ことが可能である一方、第1ポンプ2Aにより吐出される作動油をコントロールバルブ7を介してロッド室に受け入れヘッド室から作動油を排出することで、ブーム21を倒伏させるように収縮する(ブーム下げ動作)ことが可能である。なお、アームシリンダ22S、バケットシリンダ23Sも、ブームシリンダ21Sと同様の構造を有する。
操作部4は、オペレータによって操作されるレバーを含み、作業アタッチメント20のブーム21、アーム22およびバケット23を動かすための操作を受ける。すなわち、操作部4は、ブーム操作部、アーム操作部、バケット操作部を含む。各操作は、操作方向および操作量が可変とされている。なお、操作部4は、上部旋回体12の旋回動作、下部走行体10の走行動作に関する操作なども受け付ける。操作部4は、本発明の操作指令受付部を構成する。操作部4が受ける操作は、本発明の操作指令情報に相当する。
コントロールバルブ7(ブームシリンダ調整機構、アームシリンダ調整機構)は、各油圧ポンプとブームシリンダ21Sとの間に介在するように配置され、各油圧ポンプから当該ブームシリンダ21Sに供給される作動油の流量および流路を変化させるように(制御するように)移動するスプールを有する。具体的に、コントロールバルブ7は、主に、ブーム21がブーム上げ動作およびブーム下げ動作を行う際に、ブームシリンダ21Sに油圧ポンプの作動油を供給するとともにブームシリンダ21Sから排出された作動油を不図示のタンクに排出するように作動する。コントロールバルブ7は、一対のパイロットポートを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁からなる。
コントロールバルブ7は、一対のパイロットポートの何れにもパイロット圧が入力されないときは中立位置に保たれ、前記油圧ポンプと前記ブームシリンダ21Sとの間を遮断する。
コントロールバルブ7は、一のパイロットポートにブーム下げパイロット圧が入力されると、そのブーム下げパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置からブーム下げ位置に切り換えられる。これにより、コントロールバルブ7は、前記油圧ポンプから前記ブームシリンダ21Sのロッド室に前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該ブームシリンダ21Sのヘッド室から作動油が排出されることを許容するように、開弁する。これにより、前記ブームシリンダ21Sは前記ブーム下げパイロット圧に対応した速度で前記ブーム下げ方向に駆動される。
コントロールバルブ7は、他のパイロットポートにブーム上げパイロット圧が入力されると、そのブーム上げパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置からブーム上げ位置に切り換えられる。これにより、コントロールバルブ7は、前記油圧ポンプから前記ブームシリンダ21Sのヘッド室に前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該ブームシリンダ21Sのロッド室から作動油が排出されることを許容するように、開弁する。これにより、前記ブームシリンダ21Sは前記ブーム上げパイロット圧に対応した速度で前記ブーム上げ方向に駆動される。
なお、上記と同様の動作を行うコントロールバルブ7が、各油圧ポンプと、アームシリンダ22Sおよびバケットシリンダ23Sとの間にそれぞれ配置されている。アームシリンダ22Sに対応するコントロールバルブ7は、アーム押し位置、中立位置、アーム引き位置に切り換え可能とされている。
電磁比例弁5(ブームシリンダ調整機構、アームシリンダ調整機構)は、操作部4に入力される操作に対応するパイロット圧(二次圧)がパイロット圧油用油圧ポンプ3から供給されるパイロット油によってコントロールバルブ7の各パイロットポートに作用するように開弁する。電磁比例弁5の開度は、制御部50から入力される比例信号によって調整される。なお、他の実施形態において、操作部4のレバーの角度に応じて開弁する不図示のリモコン弁が二次圧としてコントロールバルブ7に圧力を伝えるものでもよい。この場合、前記レバーとコントロールバルブ7との間に比例弁が設けられ、前記二次圧がコントロールバルブ7に到達する前に前記比例弁によって調整されればよい。
図2に示すように、操作部4が受ける操作の大きさである操作量に応じてポンプ2A、2Bから作動油の供給を受けることで、ブームシリンダ21S、アームシリンダ22Sおよびバケットシリンダ23Sが伸縮する。ブームシリンダ21S、アームシリンダ22Sおよびバケットシリンダ23Sには、供給油の方向を切り替えるコントロールバルブ7を通じてポンプ2A、2Bから作動油が供給される。なお、図2では、作業アタッチメント20を動かすための油圧回路およびエンジン100をまとめて駆動部30として定義している。制御部50は、前記操作量に応じて駆動部30に指令信号を入力する。制御部50は、図2に示す油圧系統を制御することにより作業アタッチメント20の駆動を制御する。駆動部30は、作業アタッチメント20を動かすために電磁比例弁5に入力される指令信号(比例信号)に応じた速度で、作業アタッチメント20の各部材を動かす機能を有している。
本実施形態では、制御部50が、作業アタッチメント20を構成する複数の部材(本実施形態ではブーム21、アーム22およびバケット23)の合成重心の速度を測定もしくは算出し、当該速度が所定の目標値に追従するように、作業アタッチメント20の操作機構(作業アタッチメント20に対する操作者の操作量を調整する機構:本実施形態では電磁比例弁5)に対する指示値をフィードバック制御を用いて決定し、当該指示値に基づき、駆動部30に対する操作者の操作量を調整することに特徴を有する。
図3は、本実施形態に係る制御装置1Aのブロック図である。本実施形態において、制御部50は、例えば、上部旋回体12上の運転室内に搭載してもよい。また、制御部50は、コンピュータを備えており、当該コンピュータがプログラムを実行することによって、各機能が実施される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わないが、例えば半導体集積回路(IC)又はLSI(Large Scale Integration)を含む一つ又は複数の電子回路により構成されていてもよい。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは一つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
上記のような態様の一例として、制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部50は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、第1制御部501、第2制御部502、仕事演算部503及び記憶部504の各機能部を備えるように機能する。これらの機能部は、実体を有するものではなく、前記制御プログラムによって実行される機能の単位に相当する。なお、制御部50のすべてまたは一部は、油圧ショベル1内に設けられるものに限定されず、油圧ショベル1がリモート制御される場合には、油圧ショベル1とは異なる位置に配置されても良い。また、前記制御プログラムは遠隔地のサーバ(管理装置)やクラウドなどから油圧ショベル1内の制御部50に送信され実行されるものでもよいし、前記サーバやクラウド上で前記制御プログラムが実行され、生成された各種の指令信号が油圧ショベル1に送信されるものでもよい。
第1制御部501は、制御部50が実行する制御において、作業アタッチメント20の重心速度が目標重心速度に追従する(近づく)ように、電磁比例弁5へのブーム入力を調整する。第2制御部502は、制御部50が実行する制御において、作業アタッチメント20が地面Gに対して行い転圧仕事(対地仕事ともいう)が目標転圧仕事(目標対地仕事ともいう)に追従する(近づく)ように、作業アタッチメント20の目標重心速度を調整する。目標転圧仕事は、前記転圧仕事の目標値である。仕事演算部503は、パワーコンバータとして、作業アタッチメント20の合成重心速度に基づいて作業アタッチメント20が地面Gに施す転圧仕事を演算する。記憶部504は、制御部50が実行する各種の処理において必要とされるパラメータ、閾値を記憶する。
油圧ショベル1は、更に、入力部6と、姿勢検出部31(姿勢情報取得部)と、ECU(Engine Control Unit)32(仕事情報取得部)と、IMU(慣性計測装置:inertial measurement unit)33と、表示部34とを備える。入力部6は、キャブ13内に設けられており、制御部50が実行する制御に必要な情報の入力を受け付ける。一例として入力部6は、後記の目標転圧仕事の入力を受け付ける。
姿勢検出部31は、作業アタッチメント20の姿勢に関する情報を検出する。詳しくは、姿勢検出部31は、上部旋回体12に対する作業アタッチメント20の相対的な姿勢情報を取得する。一例として、姿勢検出部31は、前述のブームシリンダ21S、アームシリンダ22Sおよびバケットシリンダ23Sにそれぞれ装着される3つのセンサを含み、各シリンダのストローク(伸長量、長さ)を検出する。各センサによって検出された各シリンダのストロークは、ブーム21、アーム22およびバケット23の位置や姿勢を演算するために使用され、更に、作業アタッチメント20の合成重心の位置、速度を算出するために用いられる。なお、ブーム21、アーム22およびバケット23の位置や姿勢を演算するために、シリンダストロークセンサに代えて、ブーム21、アーム22およびバケット23の回動角度をそれぞれ検出するアングルセンサが用いられても良い。
ECU32は、制御部50から回転数指令信号を受け入れ当該回転数指令信号に応じた燃料噴射量でエンジン100を回転させるように、エンジン100を制御する。また、ECU32は、前記駆動部が行う仕事に関する情報を取得する仕事情報取得部として機能する。特に、ECU32は、エンジン100の機体動力P(t)に関する情報を取得する。
IMU33は、地面Gに対する上部旋回体12の姿勢に関する情報を検出する。すなわち、IMU33は、油圧ショベル1の機体の姿勢、角度(傾き)を検出する。一例として、IMU33は、キャブ13の上面部に装着されている。
表示部34は、キャブ13内に設けられた液晶ディスプレイであり、油圧ショベル1の作動、制御装置1Aの制御に関する各種の情報を表示して、オペレータに報知する。
図4は、本実施形態に係る制御装置1Aの制御フロー図である。図5は、制御装置1Aが実行する制御のフローチャートである。本発明の発明者は、油圧ショベル1の整地作業において、精度が良く、安定した動作では作業アタッチメント20の合成重心の速度が概ね一定となることを実験的に新たに知見した。本実施形態では、制御部50が、この合成重心の速度を目標重心速度に追従させる制御を行うことで、バケット23の地面Gに対する転圧力(押圧力)を一定に維持し、安定した整地作業を実現する。
本実施形態では、オペレータが操作部4を操作して、作業アタッチメント20のブーム21、アーム22およびバケット23をそれぞれ動かしながら、バケット23のバケット底部23Hによって地面を整地する整地作業を例に説明する。オペレータは、図1において、バケット底部23Hを地面に押圧し、アーム22を手前に引きながらブーム21を上げることで、バケット底部23Hを後方、すなわち、上部旋回体12に向かって移動させる。やがてアーム22が鉛直方向に延びる姿勢となると、オペレータは、アーム22を引きつつブーム21を下げながら整地作業を継続する。この際、図4に示すように、アーム22およびバケット23については、操作部4に入力されるアーム操作およびバケット操作の操作量に応じた比例信号がそれぞれ電磁比例弁5に入力され、アームシリンダ22Sおよびバケットシリンダ23Sがそれぞれ動く一方、バケット底部23Hの地面Gに対する転圧力に大きく寄与するブーム21の動きについては、操作部4に入力されるブーム操作の操作量に所定の補正がかけられた上で、補正後の操作量に応じた比例信号が電磁比例弁5に入力される。
図1、図2に示すように、作業アタッチメント20のブーム21の回動基端部を原点0として、鉛直方向にY座標、水平方向にX座標をとり、ブーム21の質量をm1、ブーム21の重心gの座標を(x(t)、y(t))、アーム22の質量をm2、アーム22の重心gの座標を(x(t)、y(t))、バケット23の質量をm3、バケット23の重心gの座標を(x(t)、y(t))と定義する。なお、各座標は、作業アタッチメント20が動作することに伴って変化するため、時間tの変数として表記している。この場合、作業アタッチメント20の合成重心gの座標(x(t)、y(t))は、以下の式1によって表すことができる。
Figure 2023106870000002
更に、式1を用いると、合成重心gの速度Vg(t)は、以下の式2によって表すことができる。
Figure 2023106870000003
図4に示すように、この合成重心速度Vg(t)をフィードバックし、第1制御部501が、合成重心速度Vg(t)を目標重心速度r(t)に追従させるように、整地作業におけるブーム操作の入力u(t)を調整する。なお、入力u(t)は、電磁比例弁5に入力される比例信号に対応する。ここで、入力u(t)の調整則には、式3、式4、式5のPID(Proportional Integral Differential)制御則を用いることができる。なお、uh(t)は、オペレータによるブーム操作量であり、uc(t)は制御部50の第1制御部501が設定するブーム操作量である。
Figure 2023106870000004
Figure 2023106870000005
Figure 2023106870000006
ここで、式4で示されるPID制御則では、Kp1は比例ゲイン、Ki1は積分ゲイン、Kd1は微分ゲインを示しており、制御偏差e(t)に応じて入力u(t)すなわちブーム操作量が調整される。
更に、制御部50が実行する制御では、図4に示すように、上記の第1制御部501が実行する合成重心速度を補償する閉ループ系を内側に持ちつつ、転圧仕事を補償する閉ループを外側に持つカスケード制御系を構築している。図4の外部ループについて、まず、仕事演算部503が、作業アタッチメント20の動きに応じた合成重心速度Vg(t)を用いて、作業アタッチメント20の運動エネルギを式6から算出する。なお、式6のMは作業アタッチメント20全体の質量であり、既知の値である。
Figure 2023106870000007
次に、仕事演算部503が、式5で算出した運動エネルギEATT(t)から、作業アタッチメント20の駆動に用いる仕事(駆動仕事)を式7に基づいて算出する。なお、Tsは制御部50が実行する制御のサンプリング時間を示す。
Figure 2023106870000008
ここで、作業アタッチメント20の作業に投入される大元の機体動力P(t)が既知であるとすると、仕事演算部503は、バケット23のバケット底部23Hが地面Gを押し付ける仕事にのみ用いられる仕事(転圧仕事PLeveling(t))を、式8によって求めることができる。
Figure 2023106870000009
なお、P(t)は、たとえば、入力されるエネルギ(燃料噴射)に応じてエンジン100が行うことが可能な仕事(出力)であり、図3のECU32から取得することができる。前記仕事は、入力仕事ともいうことができる。
また、式8では、機械損失などを考慮せず、エンジン100の出力が作業アタッチメント20の動作、地面Gへの仕事として100%変換されるものとしているが、油圧ショベル1の仕様によって効率が既知な場合は、式9のように損失係数ηを考慮して、地面Gを押し付ける仕事にのみ用いられる転圧仕事を算出しても良い。
Figure 2023106870000010
また、式9に代えて、式8の右式に所定の損失定数が付加されてもよい。
更に、式8または式9における転圧仕事PLeveling(t)をフィードバックし、第2制御部502が、目標転圧仕事Pr(t)に追従するように、整地作業における目標重心速度r(t)を調整する。この際の調整則には、例えば下記の式10、式11のPID制御則を用いることができる。
Figure 2023106870000011
Figure 2023106870000012
ここで、式10に示されるPID制御則では、Kp2は比例ゲイン、Ki2は積分ゲイン、Kd2は微分ゲインを示しており、制御偏差e’(t)に応じて目標重心速度r(t)が調整される。
なお、目標転圧仕事Pr(t)は任意に設定されるものでもよいし、予め、強、中、弱のように強さの指標を設定し、作業条件(整地角度、アタッチメントの速度:主にアームの速度)なども考慮の上、記憶部504に格納されたLUT(ルックアップテーブル)を参照して決定されてもよい。また、公知のデータベース駆動型アプローチを用いて、現在の作業条件とデータベースに格納されている条件を公知のL1ノルムに基づき比較し、近しい条件を複数データベースから参照した上で、これらを用いて重み付き局所線形平均法により目標転圧仕事を新たに算出してもよい。
次に、油圧ショベル1において上記の制御を実行する際の具体的な流れについて説明する。図5に示すように、油圧ショベル1において本制御が開始されると、制御部50が制御に必要な稼働データを取得する(ステップS01)。例えば、作業アタッチメント20の姿勢情報が姿勢検出部31によって取得される。また、エンジン100の機体動力P(t)がECU32から制御部50に入力される。
次に、制御部50は、ブーム21、アーム22およびバケット23について、操作部4に入力される操作の操作方向および操作量から、アーム引き操作およびブーム上げ操作が入力されているか否かを判定する(ステップS02)。ここで、アーム引き操作およびブーム上げ操作が操作部4に入力されている場合(ステップS02でYES)、第1制御部501が合成重心速度Vgを算出する(ステップS03)。なお、ステップS02において、アーム引き操作およびブーム上げ操作が操作部4に入力されていない場合(ステップS02でNO)、制御部50は図5のフローを終了する。
一方、ステップS03において合成重心速度Vg(t)が算出されると、仕事演算部503が、前述の式7に基づいて仕事PATT(t)を算出する(ステップS04)。更に、仕事演算部503は、転圧仕事PLev(t)を算出する(ステップS05)。
次に、第2制御部502が、上記で算出された転圧仕事が、予め設定された目標転圧仕事と合致しているか否かを判定する(ステップS06)。この際、所定の誤差範囲が加味されても良い。ステップS06において転圧仕事が目標転圧仕事と合致している場合には、図4のフローを終了する。一方、ステップS06において、転圧仕事が目標転圧仕事と合致していない場合(ステップS06でNO)、第2制御部502は、前述の式11に基づいて、転圧仕事PLev(t)と目標転圧仕事Pr(t)との偏差(差)を算出する(ステップS07)。そして、第2制御部502が、転圧仕事PLev(t)が目標転圧仕事Pr(t)に近づくように、目標重心速度r(t)を算出する(ステップS08)。更に、第1制御部501が、式5から目標重心速度r(t)と重心速度Vg(t)との偏差を算出し(ステップS09)、新たに算出された目標重心速度r(t)を用いて式3、式4からブーム入力u(t)を算出する。そして、第1制御部501は、操作部4に入力されたブーム操作量を補正した上で、その補正された値に応じた比例信号を電磁比例弁5に入力し(ステップS10)、図5のフローを終了する。なお、図5のフローは、油圧ショベル1の作動中、所定の制御周期で繰り返される。
以上のように、本実施形態では、制御部50が、姿勢検出部31が取得した姿勢情報に基づいて作業アタッチメント20の複数の部材の合成重心の速度である重心速度を演算する一方、作業アタッチメント20が地面Gに与える転圧仕事と目標転圧仕事との差に基づいて前記重心速度の目標値である目標重心速度を演算し、前記重心速度を前記目標重心速度に近づけるためのフィードバック補正を前記指令信号にかけて前記駆動部の電磁比例弁5に入力する。なお、上記のフィードバック補正のかけ方は、操作部4が受ける操作量に対して補正を掛けた上で、補正された操作量に対応する指令信号を生成するものでもよいし、操作部4が受けた操作量に対応する指令信号に対して、当該指令信号を補正するものでもよい。
このような構成によれば、オペレータが操作部4を操作しながら作業アタッチメント20による整地作業を行う際に、制御部50は作業アタッチメント20の合成重心速度が目標重心速度に近づくように電磁比例弁5に指令信号を入力して、作業アタッチメント20の動きを制御する。この際、制御部50は、作業アタッチメント20が地面Gに対して行う転圧仕事と目標転圧仕事との差に基づいて目標重心速度を演算する。なお、目標転圧仕事は、前記転圧仕事の目標値である。このような構成によれば、作業アタッチメント20の地面Gに対する転圧力が安定し、整地作業を精度良く安定して行うことができる。また、従来のように、作業アタッチメント20を動かす各シリンダの圧力によって地面Gに対する転圧力を推測しながら制御する場合のように、複数のシリンダの圧力の合成誤差の影響を受けることがなく、大局的かつばらつきの少ない転圧力制御を行うことができる。
特に、アーム22を動かすためにオペレータが操作するアーム操作が一定の場合には、各シリンダ(アクチュエータ)の速度を個別にセンシングし制御せずとも、地面Gに対する負荷調整操作であるブーム操作を容易に調整することができる。この結果、整地作業における地面Gに対する転圧力が安定することで、整地作業における作業アタッチメント20のバケット23の動作軌跡、すなわち整地面の精度を安定化することができる。
また、ブーム21以外の動作、例えばアーム22の速度が変化し、作業アタッチメント20の動作バランスが変化した場合においても、転圧仕事が一定となるように目標重心速度が調整されるため、地面Gに対する転圧力の大きさを一定に保持することができる。更に、整地作業中にブーム上げ動作におけるブームシリンダ21Sの負荷抜きとブーム下げ動作におけるブームシリンダ21Sへの負荷入れの切り替わり前後においても、各状態で転圧仕事が一定となるように目標速度およびブーム操作量が調整されるため、ブーム上げおよびブーム下げ時の整地作業が容易かつスムーズとなる。
上記のように、本実施形態によれば、作業アタッチメント20を構成する複数の部材(ブーム21、アーム22およびバケット23)の合成重心速度に着目し、作業アタッチメント20の動きを合成重心のみで等価的に表現したシステムとして取り扱うことができる。このため、例えばオペレータの過剰な操作によって合成重心速度が目標値を外れる場合に、当該目標値に前記速度が追従するように操作者の操作量を抑制することができる。
また、本実施形態では、制御部50は、ECU32から取得された前記駆動部、特にエンジン100の仕事(入力仕事)と、前記エンジン100の仕事のうち作業アタッチメント20の駆動に消費される仕事(駆動仕事)との差から、作業アタッチメント20が地面Gに与える前記転圧仕事を演算する。この際、制御部50は、前記重心速度を変数とする作業アタッチメント20の運動エネルギに基づいて、作業アタッチメント20の作動に消費される仕事を演算する。
従来では、作業状態に起因して変動し易い各シリンダのシリンダ内圧等から力を計算し、更に作業アタッチメント20の姿勢も考慮して、地面Gに対する転圧力を計算する必要があったが、このような導出過程においてノイズや誤差を含み易く、前記転圧力を容易かつ精度良く算出することが困難であった。一方、本実施形態では、作業アタッチメント20の動きによる仕事を合成重心1つで捉えることができる。また、その算出に用いられる仕事、すなわち機体動力P(t)は機器側の情報であるため、たとえばECU32などから精度良く取得することが可能である。更に、作業アタッチメント20の運動エネルギに基づく仕事と転圧仕事とに相関があることに着目して、簡易な計算によって地面Gへの転圧に使用される仕事(転圧仕事)を算出することができる。
更に、本実施形態では、前記目標転圧仕事の入力を受け付ける入力部6を更に備え、制御部50は、作業アタッチメント20が地面Gに与える転圧仕事とオペレータによって入力部6に入力された目標転圧仕事との差に基づいて目標重心速度を演算する。
このような構成によれば、オペレータが望む目標転圧仕事に応じて、安定した整地作業を行うことができる。
なお、制御部50は、少なくとも一つの作業条件の大きさに応じて目標転圧仕事を決定し、作業アタッチメント20が地面Gに与える転圧仕事と前記決定された目標転圧仕事との差に基づいて目標重心速度を演算するものでもよい。
このような構成によれば、作業条件に応じて好適な目標転圧仕事を設定することが可能であるため、オペレータが負荷を感じることなく、容易に整地作業を行うことができる。
なお、上記の少なくとも一つ作業条件は、作業アタッチメント20によって整地される地面の整地後の角度である整地角度、作業アタッチメント20の駆動速度、オペレータによって選択される作業アタッチメント20の地面に対する転圧強さ(強、中、弱など)、地面の土質のうちの少なくとも一つを含むものでもよい。前記整地角度は、IMU33によって取得することができる。また、地面の土質に関する情報は、作業現場に応じて予めオペレータによって入力されてもよい。
このような構成によれば、作業条件に加え、オペレータが所望とする転圧強さ、例えば、強、中、弱などの設定に応じて、その大きさに見合った目標転圧仕事を自動で設定することができる。これらの情報は、記憶部504などのデータベースに格納されていることが望ましい。なお、たとえデータベース内に無い条件であっても、既知の条件の範囲内である内挿条件であれば、作業状態に近い複数の条件を組み合わせることで目標転圧仕事を生成することができるため、オペレータが希望する作業に合致した動きとなるような目標転圧仕事を設定することができる。
なお、本実施形態では、作業アタッチメント20の前記複数の部材は、上部旋回体12に起伏可能に支持されたブーム21と、ブーム21の先端部に回動可能に支持されたアーム22と、アーム22の先端部に回動可能に支持され地面に対して仕事をすることが可能なバケット23(先端部材)とを有する。また、操作部4は、操作指令情報としてのブーム21を起伏させるための操作を受けるブーム操作部と、前記操作指令情報としてのアーム22を回動させるための操作を受けるアーム操作部とを含む。更に、前記駆動部は、ブーム21が起伏するように伸縮するブームシリンダ21Sと、ブーム指令信号を受け付け当該ブーム指令信号に応じてブームシリンダ21Sを伸縮させるブームシリンダ操作機構(電磁比例弁5、コントロールバルブ7)と、アーム22が回動するように伸縮するアームシリンダ22Sと、アーム指令信号を受け付け当該アーム指令信号に応じてアームシリンダ22Sを伸縮させるアームシリンダ操作機構(電磁比例弁5、コントロールバルブ7)と、を含む。そして、制御部50は、前記アーム操作部が受ける操作の操作量に応じた前記アーム指令信号を前記アームシリンダ操作機構に入力する一方、前記ブーム操作部が受ける操作の操作量に対して前記重心速度が前記目標重心速度に近づくようにフィードバック補正をかけて、補正された操作量に応じた前記ブーム指令信号を前記ブームシリンダ操作機構に入力する。
このような構成によれば、制御部50がブーム操作を安定してサポートすることができるため、オペレータはアーム操作およびバケット操作に注力しながら整地作業を容易に行うことができる。このため、非熟練者であっても、整地作業をスムーズに行うことができる。
以上、本発明に係る制御装置1Aおよびこれを備えた油圧ショベル1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば以下のような変形実施形態をとることができる。
(1)図6は、本発明の他の実施形態に係る制御装置の制御フロー図である。本実施形態では、第1制御部501がブーム入力u(t)を調整する際に、オペレータによるブーム操作量と第1制御部501が設定する操作量との割合が予め設定される。この場合、駆動部30(電磁比例弁5)に入力される最終的なブーム入力u(t)は、以下の式12によって表すことができる。
Figure 2023106870000013
ここで、式3と同様に、uh(t)は、オペレータによるブーム操作量であり、uc(t)は制御部50の第1制御部501が設定するブーム操作量である。図6に示すように、uh(t)、uc(t)の割合が予め設定可能な任意のkとすると、式12によって最終的なブーム入力u(t)を表すことができる。なお、kは、0<k<1を満たす。
このような構成によれば、割合kの値に応じて、オペレータの操作における操作量と制御部50による操作量とのいずれを重視するかを調整することができる。このため、オペレータの熟練度に応じて、整地作業における望ましいアシスト制御を実現することができる。
(2)上記の実施形態では、作業アタッチメント20を動かす駆動部としてエンジン100を用いたが、エンジン100に代えて電動モータが用いられてもよい。また、機体動力P(t)はエンジン100の出力に限定されるものではなく、第1ポンプ2A、第2ポンプ2Bの容量、出力トルクなどでもよい。
(3)また、上記の実施形態では、制御部50がブーム21の操作をアシストする態様にて説明したが、制御部50は、ブーム21、アーム22、バケット23の少なくとも一つの操作を制御するものでもよい。
(4)また、上記の実施形態では、オペレータが操作部4を操作して作業アタッチメント20を操作して整地作業を行う際に、制御部50が当該作業をアシストする態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、油圧ショベル1が自動運転制御される場合にも適用可能である。この場合、制御部50が、本発明の操作指令受付部を構成する。すなわち、制御部50が整地作業用のプログラムを実行することで、作業アタッチメント20が整地作業を実行する。制御部50は、作業アタッチメント20を動かすための操作指令情報を上記のプログラムから取得する(受け付ける)。この際、前記プログラムに基づいて予め設定された作業アタッチメント20の動きを更に補正するように、前述のフィードバック補正制御が実行されることで、安定かつ効率的な整地作業を実行することができる。なお、上記のプログラムは、油圧ショベル1の外部から制御部50に対して送信、指令されるものでもよい。
(5)また、作業アタッチメント20に設けられる先端部材は、バケット23に限られず、地面Gに所定の仕事を行う他の先端アタッチメントであってもよい。また、本発明の制御装置が搭載される建設機械は、前記油圧ショベルに限られず、他の建設機械であってもよい。
(6)先の実施形態では、機体が下部走行体10を含むが、前記機体は下部走行体10のように走行可能なものに限定されず、特定の場所に設置されて上部旋回体12を支持する基台であってもよい。
1 油圧ショベル
10 下部走行体
100 エンジン
12 上部旋回体
121 旋回フレーム
13 キャブ
1A 制御装置
1S 機体
20 作業アタッチメント(作業装置)
21 ブーム
21S ブームシリンダ
22 アーム
22S アームシリンダ
23 バケット(先端部材)
23S バケットシリンダ
23H バケット底部
2A 第1ポンプ
2B 第2ポンプ
3 パイロット圧油用油圧ポンプ
30 駆動部
31 姿勢検出部(姿勢情報取得部)
32 ECU(仕事情報取得部)
33 IMU
34 表示部
4 操作部(ブーム操作部、アーム操作部)
5 電磁比例弁(ブームシリンダ調整機構、アームシリンダ調整機構)
50 制御部
501 第1制御部
502 第2制御部
503 仕事演算部
504 記憶部
6 入力部
7 コントロールバルブ(ブームシリンダ調整機構、アームシリンダ調整機構)

Claims (8)

  1. 機体と、互いに相対移動可能な複数の部材を含み前記機体に起伏可能に支持された作業装置と、を有する建設機械の制御装置であって、
    前記作業装置を動かすための指令信号に応じた速度で前記作業装置を動かす駆動部と、
    前記機体に対する前記作業装置の姿勢情報を取得する姿勢情報取得部と、
    前記駆動部に前記指令信号を入力する制御部であって、前記姿勢情報に基づいて前記複数の部材の合成重心の速度である重心速度を演算する一方、前記作業装置が地面に対して行う仕事である対地仕事と当該対地仕事の目標値である目標対地仕事との差に基づいて前記重心速度の目標値である目標重心速度を演算し、前記重心速度を前記目標重心速度に近づけるためのフィードバック補正を前記指令信号にかけて前記駆動部に入力する制御部と、
    を備える、建設機械の制御装置。
  2. 入力されるエネルギに応じて前記駆動部が行うことが可能な仕事である入力仕事に関する情報を取得する仕事情報取得部を更に備え、
    前記制御部は、前記仕事情報取得部によって取得される前記入力仕事と、前記作業装置の駆動に関する仕事である駆動仕事との差から前記対地仕事を演算する、請求項1に記載の建設機械の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記重心速度に基づく前記作業装置の運動エネルギから、前記作業装置の前記駆動仕事を演算する、請求項2に記載の建設機械の制御装置。
  4. 前記目標対地仕事の入力を受け付ける入力部を更に備え、
    前記制御部は、前記対地仕事と前記入力部に入力された前記目標対地仕事との差に基づいて前記目標重心速度を演算する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の建設機械の制御装置。
  5. 前記制御部は、少なくとも一つの作業条件に応じて前記目標対地仕事を決定し、前記対地仕事と前記決定された前記目標対地仕事との差に基づいて前記目標重心速度を演算する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の建設機械の制御装置。
  6. 前記少なくとも一つの作業条件は、前記作業装置によって整地される地面の整地後の角度である整地角度、前記作業装置の駆動速度、前記作業装置の地面に対する転圧強さ、地面の土質のうちの少なくとも一つを含む、請求項5に記載の建設機械の制御装置。
  7. 前記作業装置の前記複数の部材は、前記機体に起伏可能に支持されたブームと、前記ブームに回動可能に支持されたアームと、前記アームに回動可能に支持され地面に対して仕事をすることが可能な先端部材とを有し、
    前記ブームを起伏させるための操作を受けるブーム操作部と、前記アームを回動させるための操作を受けるアーム操作部とを更に備え、
    前記駆動部は、前記ブームが起伏するように伸縮するブームシリンダと、入力されるブーム指令信号に応じて前記ブームシリンダを伸縮させるブームシリンダ操作機構と、前記アームが回動するように伸縮するアームシリンダと、入力されるアーム指令信号に応じて前記アームシリンダを伸縮させるアームシリンダ操作機構と、を含み、
    前記制御部は、前記アーム操作部が受ける操作の操作量に応じた前記アーム指令信号を前記アームシリンダ操作機構に入力する一方、前記重心速度を前記目標重心速度に近づけるためのフィードバック補正を前記ブーム指令信号にかけて前記ブームシリンダ操作機構に入力する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の建設機械の制御装置。
  8. 機体と、
    前記機体に起伏可能に支持される作業装置と、
    請求項1乃至7の何れか1項に記載の建設機械の制御装置と、
    を備える、建設機械。
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