JP2023106664A - ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】シースの外周に補強部材を配置しなくても、高い屈曲耐久性を得ることが可能なケーブルを提供する。【解決手段】プローブケーブル5は、信号線51を含むケーブルコア50と、ケーブルコア50の外周を覆うシース8とを備える。プローブケーブル5は、ケーブル長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部においてシース8が折り返されており、当該折り返された部分のシース8によって少なくとも一方の端部の曲げ剛性が高められている。【選択図】図2
Description
本発明は、信号線を含むケーブルコアとシースとを備えたケーブルに関する。
従来、医師や臨床検査技師が被検者の診断に用いる超音波診断装置は、超音波画像の形成処理などを行う装置本体と、被検者に対して超音波の送受波を行う超音波プローブとを有している。超音波プローブは、被検者の体表に押し当てられる超音波送受波面を有する探触子、装置本体との接続のためのプローブコネクタ、及び探触子とプローブコネクタとを接続するプローブケーブルによって構成されている。被検者の体表には、例えば超音波ゼリーと呼ばれるゲル状体が塗られ、このゲル状体が塗られた部位に探触子の超音波送受波面が押し当てられる。
プローブケーブルは、複数の信号線と外皮としてのシースとを有している。プローブケーブル用のシースは、探触子の超音波送受波面を様々な角度で被検者の体表に押し当てやすいように、柔軟性の高い樹脂製のものが用いられている。プローブケーブルにおける探触子側の端部には、プローブケーブルが小さな曲率半径で曲げられることによる信号線の断線やシースの亀裂の発生を抑制して屈曲耐久性を高めるために、シースの外周に樹脂製の補強部材が配置されている。特許文献1のブッシング、特許文献2のストレインリリーフ、及び特許文献3のケーブルブーツは、この補強部材に相当する。このような補強部材は、ゲル状体が付着しても拭き取りをしやすいように、外表面が凹凸のない滑面で形成された専用品が用いられている。
上記のようにケーブルの端部に設けられる補強部材は、その成形のための金型の作製にコストが嵩んでしまう。特に、超音波プローブ用の補強部材は、専用品であるため生産数が限られ、補強部材一個当たりの単価が高価となる。そこで、本発明は、シースの外周に補強部材を配置しなくても、高い屈曲耐久性を得ることが可能なケーブルを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、信号線を含むケーブルコアと、前記ケーブルコアの外周を覆うシースとを備え、ケーブル長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部において前記シースが折り返されており、当該折り返された部分の前記シースによって前記少なくとも一方の端部の曲げ剛性が高められている、ケーブルを提供する。
本発明に係るケーブルによれば、シースの外周に補強部材を配置しなくても高い屈曲耐久性を得ることが可能となる。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るケーブルがプローブケーブルとして用いられた超音波プローブ、及びこの超音波プローブと組み合わされて超音波診断装置を構成する装置本体を示す構成図である。
図1は、本発明の実施の形態に係るケーブルがプローブケーブルとして用いられた超音波プローブ、及びこの超音波プローブと組み合わされて超音波診断装置を構成する装置本体を示す構成図である。
超音波診断装置1は、医師や臨床検査技師が被検者の診断に用いるものであり、装置本体10と超音波プローブ2とを備えている。装置本体10は、超音波画像の形成処理を行い、超音波画像をディスプレイ100に表示する。超音波プローブ2は、超音波送受波面3aを有する探触子3と、装置本体10に設けられた本体側コネクタ101に嵌合されるプローブコネクタ4と、探触子3とプローブコネクタ4とを接続するプローブケーブル5とを有している。
被検者の体表には、ゲル状の超音波ゼリーが塗られ、超音波ゼリーが塗られた部位に探触子3の超音波送受波面3aが押し当てられる。超音波送受波面3aから送波された超音波は、被検者の体内で反射して超音波送受波面3aに受波される。受波された超音波は、電気信号に変換され、プローブケーブル5及びプローブコネクタ4を介して装置本体10に送られる。装置本体10は、この電気信号に基づいて超音波画像を形成し、ディスプレイ100に表示する。
図2は、探触子3及びプローブケーブル5の一部を示す断面図である。図3は、図2のA-A線におけるプローブケーブル5の断面図である。プローブケーブル5は、複数の信号線51を含むケーブルコア50と、ケーブルコア50の外周に押え巻きされた押え巻きテープ6と、押え巻きテープ6の外周を覆う編組シールド7と、編組シールド7の外周を覆うシース8と、環状部材9とを備えている。シース8の材料としては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)やシリコーンゴムを好適に用いることができ、可塑剤添加によって柔軟性が高められた軟質ポリ塩化ビニルをより好適に用いることができる。
探触子3は、探触子ケース31を備えており、探触子ケース31に形成された貫通孔30から探触子ケース31の内部にプローブケーブル5の一部が導入されている。探触子ケース31の内部では、複数の信号線51、押え巻きテープ6、及び編組シールド7が、固定金具32及びボルト33によって固定されている。信号線51は、探触子ケース31の内部で押え巻きテープ6から導出され、超音波センサに接続されている。
図4は、一つの信号線51を示す断面図である。信号線51は、内部導体511及び外部導体512と、内部導体511と外部導体512との間の絶縁体513と、外部導体512の外周を覆うジャケット514とを有する同軸線である。信号線51によって伝送される電気信号の周波数は、例えば数MHzから数10MHz程度である。ケーブルコア50には、例えば100本以上の多数の信号線51が含まれており、これらの信号線51が押え巻きテープ6によって束ねられている。押え巻きテープ6は、ポリイミド等の樹脂からなる帯状体であり、幅方向の一部が重なり合うように螺旋状に巻かれている。編組シールド7は、例えば錫メッキ銅線からなる複数の素線71を格子状に編み組みして構成されている。
探触子3とプローブコネクタ4との間のプローブケーブル5の長さL1(図1参照)は、例えば2~3mである。また、プローブケーブル5のシース8の外径は、例えば5mm以上11mm以下である。本実施の形態では、プローブケーブル5におけるケーブル長手方向の両端部においてシース8が折り返されており、この折り返された部分のシース8によってプローブケーブル5の両端部の曲げ剛性が高められている。なお、例えば、プローブコネクタ4側では、シース8が折り返されていなくてもよい。すなわち、プローブケーブル5におけるケーブル長手方向の少なくとも一方の端部において、図2に示すようにシース8が折り返されていればよい。
環状部材9は、例えば樹脂からなる円環状の部材であり、図2に符号83で示すシース8が折り返されていない部分の外周に配置されている。ケーブル長手方向に沿った断面における環状部材9の断面形状は、図2に示すように円形である。環状部材9の内径Diは、シース8が折り返されていない部分83のプローブケーブル5の外径Doと同等もしくは外径Doよりも大きく、環状部材9の内側にプローブケーブル5が挿通されている。図2に示す環状部材9の円形状断面の直径Dは、シース8の厚さTよりも大きく、本実施の形態ではプローブケーブル5の外径Doと同等である。環状部材9の直径Dは、プローブケーブル5の外径Doの50%以上120%以下であることが望ましい。環状部材9の材料としては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)やシリコーンゴムを好適に用いることができる。なお、環状部材9が動かないように、環状部材9とシース8とを接着剤によって接着してもよい。
シース8は、プローブケーブル5の端部において、環状部材9の内側から外側に折り返されている。環状部材9は、シース8の折り返し部81が大きな曲率で曲げられないようにし、折り返し部81における亀裂の発生を抑止する機能を有している。折り返されたシース8の先端部82は、折り返されていない部分83のシース8の外周面8aに接着剤21によって接着されている。また、シース8は、探触子ケース31の外部において折り返されており、シース8の折り返し部81が探触子ケース31の外面31aに接着剤22によって接着されている。
これらの接着剤21,22としては、耐水性や耐薬品性に優れ、かつ弾性を有するシリコーンゴム系の接着剤を好適に用いることができる。環状部材9の周辺への水分等の浸入は、接着剤21によって抑止されており、探触子ケース31の内部への水分等の浸入は、接着剤22によって抑止されている。
図5(a)~(c)は、超音波プローブ2の製造工程において、プローブケーブル5を加工する工程を示す説明図である。プローブケーブル5を加工する際には、切り出されたプローブケーブル5のシース8の全周を所定の切断位置Pで切断する。その後、切断位置Pよりもケーブル長手方向中央側(図5(a)の右側)にあたる部分のシース8を、環状部材9を巻き込むと共に、空間800を形成するように外側に折り返す。次に、図5(b)に示すように、折り返したシース8の先端部82を、環状部材9よりもケーブル長手方向中央側におけるシース8の外周面8aに接着剤21によって接着する。これにより、プローブケーブル5の側面視において円錐台形状の補強部80が形成される。この補強部80の外周面80aは、折り返す前のシース8の内周面8bであり、凹凸のない滑面である。プローブケーブル5の長手方向に沿った補強部80の長さL2(図2参照)は、環状部材9の円形状断面の直径Dの4倍以上8倍以下である。
その後、シース8から露出した編組シールド7及び押え巻きテープ6を段剥ぎして複数の信号線51を露出させる端末処理を行う。なお、本実施の形態では、プローブケーブル5の両端部においてシース8を折り返して補強部80を形成するので、上記の加工をプローブケーブル5の両端部についてそれぞれ行う。
プローブケーブル5のケーブル長手方向における一方の端部では、複数の信号線51の内部導体511及び外部導体512が超音波センサに接続され、シース8の折り返し部81が探触子ケース31の外面31aに接着剤22によって接着される。プローブケーブル5のケーブル長手方向における他方の端部では、複数の信号線51の内部導体511及び外部導体512がプローブコネクタ4のコネクタピンに接続され、図1に示すようにシース8の折り返し部81がプローブコネクタ4のハウジング41の外面41aに接着剤23によって接着される。
図6は、探触子3の近傍でプローブケーブル5が曲げられた際の補強部80の形状を示す説明図である。図6では、プローブケーブル5の曲げ方向を矢印500で示している。探触子3の近傍でプローブケーブル5が曲げられると、補強部80における曲げ方向側の部分801では折り返されたシース8が圧縮されるように変形し、補強部80における曲げ方向と反対側の部分802では折り返されたシース8が延ばされるように変形する。そして、このように変形した部分801,802の復元力により、補強部80の内側におけるプローブケーブル5の曲率半径が過小となることが抑制される。これにより、プローブケーブル5の屈曲耐久性が高められる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、シース8の外周に別部材の補強部材を配置しなくても、高い屈曲耐久性を得ることが可能となる。
以上説明した実施の形態によれば、シース8の外周に別部材の補強部材を配置しなくても、高い屈曲耐久性を得ることが可能となる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]信号線(51)を含むケーブルコア(50)と、前記ケーブルコア(50)の外周を覆うシース(8)とを備え、ケーブル長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部において前記シース(8)が折り返されており、当該折り返された部分の前記シース(8)によって前記少なくとも一方の端部の曲げ剛性が高められている、ケーブル(5)。
[2]前記少なくとも一方の端部に配置され、折り返されていない部分(83)の前記シース(8)の外周に配置された環状部材(9)を備え、前記少なくとも一方の端部において前記環状部材(9)の内側から外側に前記シース(8)が折り返されている、上記[1]に記載のケーブル(5)。
[3]前記少なくとも一方の端部において折り返された前記シース(8)の先端部(82)が、折り返されていない部分(83)の前記シース(8)の外周面(8a)に接着されている、上記[1]又は[2]に記載のケーブル(5)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、ケーブルコア50の外周に巻かれた押え巻きテープ6の外周を編組シールド7で覆うと共に、シース8を環状部材9の内側から外側に折り返した場合について説明したが、押え巻きテープ6、編組シールド7、及び環状部材9の少なくとも何れかを省略してもよい。また、上記の実施の形態では、信号線51が同軸線である場合について説明したが、これに限らず、例えば導体を絶縁体で被覆してなる単純線であってもよい。またさらに、上記の実施の形態では、本発明のケーブルをプローブケーブル5として超音波診断装置1の超音波プローブ2に用いた場合について説明したが、本発明のケーブルの用途はこれに限らない。
5…プローブケーブル 50…ケーブルコア
51…信号線 8…シース
80a…外周面 81…折り返し部
82…先端部 8a…外周面
9…環状部材
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82…先端部 8a…外周面
9…環状部材
Claims (3)
- 信号線を含むケーブルコアと、前記ケーブルコアの外周を覆うシースとを備え、
ケーブル長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部において前記シースが折り返されており、当該折り返された部分の前記シースによって前記少なくとも一方の端部の曲げ剛性が高められている、
ケーブル。 - 前記少なくとも一方の端部に配置され、折り返されていない部分の前記シースの外周に配置された環状部材を備え、
前記少なくとも一方の端部において前記環状部材の内側から外側に前記シースが折り返されている、
請求項1に記載のケーブル。 - 前記少なくとも一方の端部において折り返された前記シースの先端部が、折り返されていない部分の前記シースの外周面に接着されている、
請求項1又は2に記載のケーブル。
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- 2022-01-21 JP JP2022007516A patent/JP2023106664A/ja active Pending
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