JP2023105974A - 切断装置、及び切断制御方法 - Google Patents

切断装置、及び切断制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明に係る切断装置、及び切断制御方法によれば、アーク切れによる電極消耗を低減し、かつ、アーク切れに至らなかった場合にはアーク電圧の上昇が発生しても、電流等の切断パラメータをアーク電圧上昇前の値に復帰させプラズマ切断を継続して行うことができる。【解決手段】本発明に係る切断装置100は、電極11を有し、プラズマアークPを噴射して被切断材Wを切断するプラズマトーチ10と、外部から供給される電力を前記プラズマトーチ10に供給する電源部30と、前記プラズマアークPの電圧を測定し、測定値を出力する電圧検出部40と、前記測定値を常時監視し、前記測定値が降下判定閾値を上回ると前記電源部30が前記プラズマトーチ10に供給する電流を定常値から中断ステート値まで下げて、定常ステートから中断ステートに遷移させて維持する制御部50と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、切断装置、及び切断制御方法に関する。
従来より、プラズマ切断装置によって、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等などの被切断材を切断することが行われている。プラズマ切断装置によるプラズマ切断は、アーク消弧時に電極材等が消耗する。この電極消耗を低減するため、プラズマ切断装置は、NCプログラムでアーク消弧指令を受けた際、アーク消弧シーケンス制御(プラズマ切断装置の制御部またはプラズマ電源等によって、アーク電流や作動ガスの圧力を規定値に下げてからアーク消弧する)を行うことが一般的である。
プラズマ切断において、切断材料をホール形状に切断する場合、プラズマ切断装置の切断軌跡の終点をホール内部へ設ける。しかし、ホール内部の残材の抜け落ちにより、切断軌跡に切断材料がないと、プラズマアークが引き延ばされ、アーク電圧が急上昇する。この電圧が、プラズマアークを保持するプラズマ電源の許容範囲を超えたとき、プラズマアークを維持できなくなり、強制的にアーク切れが起きる。この場合、アーク消弧シーケンス制御が行われないため、電極材が急激に消耗してしまうという問題があった。この問題の解決策として、例えば、特許文献1に記載のプラズマトーチは、あらかじめ電極の保護電圧を設定しておくことで、プラズマ切断中にアーク電圧が保護電圧に達すると、アーク消弧シーケンス制御を実施してプラズマ電源を遮断することで電極の消耗を低減することが記載されている。
特開平5-92272号公報
しかしながら、プラズマ切断では、上述のアーク切れが発生する場合以外にもアーク電圧の上昇を伴う動作が存在する。例えば、プラズマトーチの切断軌跡が、コーナ(隅)部の内側を通過しないようにコーナ部の外側を通るように、コーナ部への切断軌跡にループを付けてプラズマ切断を行う作業(以下、コーナループ切断作業という)が、従来より行われている。この場合は、プラズマトーチのトーチ角度変更及び工具補正等を行う過程において、アーク電圧が、図11に示すコーナループ切断作業区間のように、定常の電圧値と比較して大きく上昇してしまう。そのため、特許文献1に記載の切断方法では、前述のコーナループ切断作業のように本来アーク消弧する状況でない作業においても、プラズマ切断中にアーク電圧が保護電圧に達すると、プラズマ電源を遮断し、切断作業を停止してしまうことが起こり得る。この場合、プラズマアークの再点弧をしなければならず、作業効率が悪化するおそれがあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、アーク切れによる電極消耗を低減し、かつ、アーク切れに至らなかった場合にはアーク電圧の上昇が発生しても、電流等の切断パラメータをアーク電圧上昇前の値に復帰させプラズマ切断を継続して行うことを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係る切断装置は、電極を有し、プラズマアークを噴射して被切断材を切断するプラズマトーチと、外部から供給される電力を前記プラズマトーチに供給する電源部と、前記プラズマアークの電圧を測定し、測定値を出力する電圧検出部と、前記測定値を常時監視し、前記測定値が降下判定閾値を上回ると前記電源部が前記プラズマトーチに供給する電流を定常値から中断ステート値まで下げて、定常ステートから中断ステートに遷移させて維持する制御部と、を備える。
本発明の第二の態様によれば、第一の態様に係る切断装置は、前記制御部が、前記降下判定閾値を複数備えている。
本発明の第三の態様によれば、第一の態様または第二の態様に係る切断装置は、前記制御部は、前記測定値が上昇判定閾値を下回ると前記電流を前記中断ステート値から前記定常値まで上げて前記定常ステートに復帰させる。
本発明の第四の態様によれば、第三の態様に係る切断装置は、前記制御部が、前記上昇判定閾値を複数備えている。
本発明の第五の態様によれば、第三の態様または第四の態様に係る切断装置は、前記制御部は、前記測定値が前記上昇判定閾値を下回り、前記電流を上げるたびに前記測定値を前記上昇判定閾値と比較して、前記定常ステートに復帰させるか判定する。
本発明の第六の態様によれば、第一から第五のいずれかの一つの態様に係る切断装置は、前記制御部は、前記測定値が前記降下判定閾値を上回り、前記電流を下げるたびに前記測定値を前記降下判定閾値と比較して、前記中断ステートに遷移するか判定する。
本発明の第七の態様によれば、第一から第六のいずれかの一つの態様に係る切断装置は、前記制御部は、前記測定値が前記降下判定閾値よりも高い消弧判定閾値を上回り、前記電流を下げて前記プラズマアークのアーク消弧シーケンスを開始する。
本発明の第八の態様に係る切断制御方法は、電極を有するプラズマトーチを用いて、プラズマアークを噴射して被切断材を切断する工程と、電源部より外部から供給される電力を前記プラズマトーチに供給する工程と、前記プラズマアークの電圧を測定し、測定値を出力する工程と、前記測定値を常時監視し、前記測定値が降下判定閾値を上回ると前記電源部が前記プラズマトーチに供給する電流を定常値から中断ステート値まで下げて定常ステートから中断ステートに遷移させて維持する工程と、を備える。
本発明の第九の態様によれば、第八の態様に係る切断制御方法は、前記降下判定閾値は、複数備えられている。
本発明の第十の態様によれば、第八の態様または第九の態様に係る切断制御方法は、前記測定値が上昇判定閾値を下回ると前記電流を前記中断ステート値から前記定常値まで上げて前記定常ステートに復帰させる工程をさらに含む。
本発明の第十一の態様によれば、第十の態様に係る切断制御方法は、前記上昇判定閾値は、複数備えられている。
本発明の第十二の態様によれば、第十の態様または第十一の態様に係る切断制御方法は、前記測定値が前記上昇判定閾値を下回り、前記電流を上げるたびに前記測定値を前記上昇判定閾値と比較して、前記定常ステートに復帰させるか判定する工程をさらに含む。
本発明の第十三の態様によれば、第八から第十二のいずれかの一つの態様に係る切断制御方法は、前記測定値が前記降下判定閾値を上回って、前記電流を下げるたびに前記測定値を前記降下判定閾値と比較して、前記中断ステートに遷移するか判定する工程をさらに含む。
本発明の第十四の態様によれば、第八から第十三のいずれかの一つの態様に係る切断制御方法は、前記測定値が前記降下判定閾値よりも高い消弧判定閾値を上回ると、前記電流を下げて前記プラズマアークのアーク消弧シーケンスを開始する工程をさらに含む。
本発明に係る切断装置、及び切断制御方法によれば、アーク切れによる電極消耗を低減し、かつ、アーク切れに至らなかった場合にはアーク電圧の上昇が発生しても、電流等の切断パラメータをアーク電圧上昇前の値に復帰させプラズマ切断を継続して行うことができる。
本発明の第一実施形態に係るプラズマ切断装置の全体構成を示す図である。 同プラズマ切断装置の各ステートにおけるアーク電圧の制御パラメータ及び被制御パラメータである電流値の関係をテーブルに示した図である。 同プラズマ切断装置の制御部によるアーク電流の制御について示すフロー図である。 同プラズマ切断装置がコーナループ切断作業をした場合のアーク電流、アーク電圧、及び時間の関係をグラフで示した図である。 同プラズマ切断装置が、アーク切れが発生する作業をした場合のアーク電流、アーク電圧、及び時間の関係をグラフで示した図である。 本発明の第二実施形態に係るプラズマ切断装置の全体構成を示す図である。 同プラズマ切断装置の各ステートにおけるアーク電圧の制御パラメータ及び被制御パラメータである作動ガス圧力の圧力値の関係をテーブルに示した図である。 同プラズマ切断装置がコーナループ切断作業をした場合の作動ガス圧力の圧力値、アーク電圧、及び時間の関係をグラフで示した図である。 同プラズマ切断装置が、アーク切れが発生する作業をした場合の作動ガス圧力の圧力値、アーク電圧、及び時間の関係をグラフで示した図である。 同プラズマ切断装置の変形例であり、(a)は、プラズマ切断装置が切断作業を完了した場合のアーク電流、アーク電圧、及び時間の関係をグラフで示した図である。(b)は、プラズマ切断装置が切断作業を完了した場合の作動ガス圧力の圧力値、アーク電圧、及び時間の関係をグラフで示した図である。 従来のプラズマ切断装置がコーナループ切断した場合のアーク電圧と時間の関係をグラフで示した図である。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るプラズマ切断装置(切断装置)100の全体構成を示す図である。図2は、プラズマ切断装置100の各ステートにおけるアーク電圧Vの制御パラメータ及び被制御パラメータである電流値Bの関係をテーブルに示した図である。図3は、プラズマ切断装置100の制御部50によるアーク電流Aの制御について示すフロー図である。図4は、プラズマ切断装置100がコーナループ切断作業をした場合のアーク電流A、アーク電圧V、及び時間の関係をグラフで示した図である。図5は、プラズマ切断装置100が、アーク切れが発生する作業をした場合のアーク電流A、アーク電圧V、及び時間の関係をグラフで示した図である。
プラズマ切断装置(切断装置)100は、図示しない載置テーブルへ略水平面に載置された被切断材Wをプラズマ切断によって切断する装置である。被切断材Wは、例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等からなる部材である。
プラズマ切断装置100は、図1に示すように、プラズマトーチ10と、作動ガス供給部20と、電源部30と、電圧検出部40と、制御部50と、を備えている。
プラズマトーチ10は、プラズマアークPを噴射して、被切断材Wを切断することができる。プラズマトーチ10は、電極11と、ノズル部12とを備える。また、電極11とノズル部12との間には、例えば、酸素ガスなどの作動ガスが流れる作動ガス流路13が形成されている。作動ガス流路13の基端部13bは、ホースなどを介して作動ガス供給部20と接続されている。
ノズル部12は、図1に示すように、水平面に垂直な鉛直方向において下側に備えられた先端側が円錐状で基端側が円筒状の筒体からなる外径を有している。ノズル部12は、内部に空間を有し、内部には電極11が配置されている。ノズル部12の先端には、作動ガス流路13の先端部13aと連通するノズル孔12aが形成されている。
電極11は、図1に示すように、先端側に底部を有する円筒状の外形を有している。電極11は、プラズマトーチ10の中心位置へ着脱可能に取り付けられる。電極11の先端には、例えばプラズマアークの高熱に耐え得る高融点材料であるハフニウム(またはジルコニウム製、またはそれらの合金製)などで形成された電極材14が設けられている。電極11は、電極11の内部空間に冷却水を循環させることで冷却することができる。電極11は、例えば銅などの比較的高い導電率を有する金属で形成されている。
作動ガス供給部20は、図1に示すように、作動ガス(不図示)を作動ガス流路13に供給することができる。作動ガス供給部20から作動ガス流路13の基端部13bに供給された作動ガスは、作動ガス流路13を通って先端部13aへ向かい、ノズル部12のノズル孔12aから噴出する。
電源部30は、図1に示すように、外部から供給される電力をプラズマトーチ10に供給する。具体的には、電源部30は、プラズマトーチ10の電極11と被切断材Wとの間にプラズマアークPを発生させるために、電極11と被切断材Wとの間にアーク電流(電流)Aを供給する。電源部30は、電極11及び被切断材Wのそれぞれと電気的に接続されている。また、電源部30は、プラズマトーチ10のノズル部12とも電気的に接続されている。電源部30は、商用電源等から供給される電力を用いて、電極11と被切断材Wとの間に所定の電流を供給する。すると、プラズマトーチ10は、プラズマアークPを発生させることができる。なお、本実施形態では、電源部30は、直流電流を供給してもよいし、交流電流を供給してもよい。
電圧検出部40は、図1に示すように、例えば、電極11と被切断材Wとの間に発生したプラズマアークPのアーク電圧(電圧)Vを測定し、測定値を出力する電圧センサである。電圧検出部40は、電源部30、電極11、及び被切断材Wへ電気的に接続され、アーク電圧Vを常時測定し、測定値を出力する。
制御部50は、図1に示すように、電源部30及び電圧検出部40と電気的に接続されている。制御部50は、図2に示すように、制御パラメータとして、プラズマ切断装置100のプラズマ切断作業中に電圧検出部40から常時取得するアーク電圧Vの測定値に対して、任意に設定可能な降下判定閾値Cと上昇判定閾値Dとを備えている。制御部50は、アーク電圧Vの測定値に基づいて、設定した閾値から下回るまたは上回る際に、アーク電流Aの電流値(中断ステート値)Bのパラメータを制御してアーク電流Aを維持することができる。電流値Bは、図2に示すように、複数のステートに合わせて設定される。制御部50は、定常ステート、第X中断ステート、及び最小中断ステートへ、制御パラメータに合わせて遷移することができる。なお、本実施形態では、第X中断ステート、降下判定閾値C、上昇判定閾値D、電流値B、及び電流量FのXへ代入されるNまたはnについては、任意の整数を設定できる。
ここで、複数のステートのうち、電源部30がプラズマトーチ10へ電力を供給し、問題なくプラズマアークPが発生して切断作業を行っている状態を定常ステートとする。この時のプラズマアークPのアーク電圧Vは、図2に示すように、定常値Cである。定常値Cは、定常ステートから第1中断ステートへ遷移する降下判定閾値Cよりも低い電圧値である。また、定常ステートにおけるアーク電流Aの定常値は、電流定常値(定常値)Bである。アーク電圧Vの測定値が定常ステートにおいて降下判定閾値Cを上回る場合、制御部50はアーク電流Aの電流値(中断ステート値)Bのパラメータを変位させてアーク電流Aを維持する。この状態を第X中断ステートとする。なおこのときXは、1以上であり、Nまたはnよりも小さい整数である。アーク電圧Vの測定値が第X中断ステートにおいて降下判定閾値Cを上回る場合、制御部50はアーク電流Aを最小電流値Bminに変位させてアーク電流A維持する。この状態を最小中断ステートとする。
まず、制御部50は、アーク電圧Vの測定値に基づいて設定した電圧の降下判定閾値Cと測定値とを比較する。制御部50は、アーク電圧Vの測定値が定常ステートから上昇し、降下判定閾値Cを上回ると、第1中断ステートへ遷移して、約△t秒間内部処理を行った後に、アーク電流Aを電流定常値(定常値)Bから第1電流値Bへ電流量Fだけ変位させて制御する。次に、制御部50は、アーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回り、さらに降下判定閾値Cを上回ると、第2中断ステートへ遷移して、アーク電流Aを第1電流値Bから第2電流値Bへ電流量Fだけ変位させて制御する。同様にして、図2に示すように、制御部50は、アーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cx-1を上回り、さらに降下判定閾値Cを上回ると、第X-1中断ステートから第X中断ステートへ遷移して、アーク電流Aを第X-1電流値Bx-1から第X電流値Bへ電流量Fだけ変位させて制御する。
制御部50は、さらに降下判定閾値Cを上回ると、第N中断ステートから最小中断ステートへ遷移し、アーク電流Aを最小電流値Bminへ電流量Fだけ変位させて、最小電流値Bminの状態を維持する。以上により、制御部50は、アーク電流Aを電流定常値Bから最小電流値Bminまで段階的に下げ、中断ステートに遷移させて維持することができる。
次に、制御部50は、アーク電圧Vの測定値が最小中断ステートから降下し、上昇判定閾値Dminを下回ると、第N中断ステートへ遷移し、約△t秒間内部処理を行った後に、アーク電流Aを最小中断ステートの最小電流値Bminから第N電流値Bへ電流量Fだけ変位させて制御する。制御部50は、アーク電圧Vの測定値が任意に複数設定した上昇判定閾値Dを下回るごとに、段階的に設定された図2に示す複数の中断ステートを一つずつ遷移させて、アーク電流Aを中断ステートに合わせて変位させて制御する。制御部50は、アーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dを下回ると、第1中断ステートから定常ステートへ遷移して、アーク電流Aを電流定常値Bまで戻し、定常ステートを維持する。以上により、制御部50は、アーク電流Aを最小電流値Bminから電流定常値Bまで段階的に上げ、定常ステートに復帰させて維持することができる。
なお、最小電流値Bminは、電流定常値Bよりも低い値である。最小電流値Bminは、アーク電流Aが電流定常値Bへ復帰するまでの時間がかからないようにしつつ、プラズマ切断中にプラズマアークPがアーク消弧しない程度の値に設定されている。例えば、制御部50は、アーク電流Aの最小電流値Bminを約80Aに設定している。ただし、最小電流値Bminは、アーク電流Aが電流定常値Bへ復帰するまでの時間がかからないようにしつつ、プラズマ切断中にプラズマアークPがアーク消弧しない程度に、約80Aに設定されているものであり、プラズマアークPが維持できる値であれば、最小電流値Bminは、80A以下であってもよい。
また、増減する電流量Fは、第X電流値Bから第X―1電流値Bx-1を引いた値である。電流量Fは、F、F、F、・・・Fが同じ電流量となるように電流値Bのパラメータを設定してもよいし、それぞれ異なる電流量となるように電流値Bのパラメータを設定してもよい。
制御部50の降下判定閾値Cと上昇判定閾値Dは、常に降下判定閾値C>上昇判定閾値Dの関係が成り立つ。また、降下判定閾値Cは、最小中断ステートにおいて降下判定閾値Cを備えていない。また、上昇判定閾値Dは、定常ステートにおいては備えていない。
なお、本実施形態では、内部処理にかかる時間を約△t秒間としているが、内部処理にかかる時間は特に限定されない。また、制御部50は、電圧検出部40よりアーク電圧Vの測定値を常時取得している。そのため、制御部50は、設定した各閾値に対してアーク電圧Vを常に監視している。
制御部50は、上記構成により、常時アーク電圧Vの測定値と制御パラメータとを比較し、各ステートに遷移するか判定する。そのため、制御部50は、アーク電流Aの電流値Bを段階的に変更することができる。制御部50は、アーク電流Aを電流定常値Bから最小電流値Bminまで段階的に下げ、各ステートに遷移させて維持することができる。制御部50は、図2に示すように、最小中断ステートになると、プラズマアークPがアーク消弧しないようにアーク電流Aを最小電流値Bminで止めることで制御する。また、制御部50は、アーク電流Aを最小電流値Bminから電流定常値Bまで段階的に上げ、定常ステートに復帰させて維持することができる。
(作用)
次に本実施形態に係るプラズマ切断装置100の作用について、図2、図3、図4、及び図5を用いて説明する。図2は、プラズマ切断装置100の各ステートにおけるアーク電圧Vの制御パラメータ及び被制御パラメータである電流値Bの関係をテーブルに示した図である。図3は、プラズマ切断装置100の制御部50によるアーク電流Aの制御について示すフロー図である。図4は、プラズマ切断装置100がコーナループ切断作業をした場合のアーク電流A、アーク電圧V、及び時間の関係をグラフで示した図である。図5は、プラズマ切断装置100が、アーク切れが発生する作業をした場合のアーク電流A、アーク電圧V、及び時間の関係をグラフで示した図である。
まず、プラズマ切断装置100は、作動ガスをノズル孔12aから噴射するとともに、電源部30によってプラズマトーチ10の電極11と被切断材Wとの間に電流をかけ、プラズマアーク(メインアーク)Pを形成し、プラズマ切断を開始する。すると、電圧検出部40は、プラズマアークPのアーク電圧Vを測定する。また、制御部50は、電圧検出部40よりアーク電圧Vの測定値を常時取得し、電源部30のアーク電流Aの制御を開始する。
(ステップS10)
ステップS10において、制御部50は、電圧検出部40より取得するアーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回るかどうかを常時監視する。制御部50は、図4及び図5に示すように、取得したアーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回る場合、ステップS11へ進む。制御部50は、取得したアーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回らない場合、再度電圧検出部40より取得するアーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回るかどうかを常時監視する。
(ステップS11)
次に、ステップS11において、制御部50は、定常ステートから第1中断ステートへ遷移する。具体的には、制御部50は、図4及び図5に示すように、アーク電流Aの電流値を電流定常値Bから第1電流値Bへ電流量Fだけ変位させて制御する。次に、ステップS12へ進む。
(ステップS12)
ステップS12において、制御部50は、電圧検出部40より取得するアーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回るかどうかを常時監視する。このとき、Xは、1以上であり、nよりも小さい整数である。制御部50は、図4及び図5に示すように、取得したアーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回る場合、ステップS13へ進む。制御部50は、アーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回らない場合、ステップS19へ進む。
(ステップS13)
次に、制御部50は、第X-1中断ステートから第X中断ステートへ遷移する。具体的には、制御部50は、アーク電流Aの電流値を第X-1電流値Bx-1から第X電流値Bへ電流量Fだけ変位させて制御する。次に、ステップS14へ進む。
(ステップS14)
次に、ステップS14において、制御部50は、電圧検出部40より取得するアーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回るかどうかを常時監視する。制御部50は、図4に示すように、取得したアーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回る場合、ステップS15へ進む。制御部50は、アーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回らない場合、ステップS16へ進む。
(ステップS15)
次に、ステップS15において、制御部50は、第N中断ステートから最小中断ステートへ遷移する。具体的には、制御部50は、図4に示すように、アーク電流Aの電流値を第N電流値Bから最小電流値Bminへ電流量Fだけ変位させて制御する。次に、ステップS16へ進む。
(ステップS16)
ステップS16において、制御部50は、電圧検出部40より取得するアーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dminを下回るかどうかを常時監視する。制御部50は、図4に示すように、取得したアーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dminを下回る場合、ステップS18へ進む。制御部50は、図5に示すように、取得したアーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dminを下回らない場合、ステップS17へ進む。
(ステップS17)
ステップS17において、図5に示すように、プラズマアークPがアーク切れを起こすと、プラズマアークPは発生されない。アーク電流Aは、アーク切れ地点KでプラズマアークPがアーク切れしたとき、0Aまで下がる。そして、制御部50は、電源部30のアーク電流Aの制御を完了する。
(ステップS18)
ステップS18において、制御部50は、最小中断ステートから第N中断ステートへ遷移する。具体的には、制御部50は、図4に示すように、アーク電流Aの電流値を最小電流値Bminから第N電流値Bへ電流量Fだけ変位させて制御する。次に、ステップS19へ進む。
(ステップS19)
次に、ステップS19において、制御部50は、電圧検出部40より取得するアーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dを下回るかどうかを常時監視する。このとき、Xは、1より大きく、n以下の整数である。制御部50は、図4に示すように、取得したアーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dを下回る場合、ステップS20へ進む。制御部50は、アーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dを下回らない場合、ステップS12へ進む。
(ステップS20)
次に、ステップS20において、制御部50は、第X中断ステートから第X-1中断ステートへ遷移する。具体的には、図4に示すように、制御部50は、アーク電流Aの電流値を第X電流値Bから第X-1電流値Bx-1へ電流量Fだけ変位させて制御する。次に、ステップS21へ進む。
(ステップS21)
次に、ステップS21において、制御部50は、電圧検出部40より取得するアーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dを下回るかどうかを常時監視する。制御部50は、図4に示すように、取得したアーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dを下回る場合、ステップS20へ進む。制御部50は、アーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dを下回らない場合、ステップS12へ進む。
(ステップS22)
次に、ステップS22において、制御部50は、第1中断ステートから定常ステートへ復帰する。具体的には、制御部50は、図4に示すように、アーク電流Aの電流値を第1電流値Bから電流定常値Bへ電流量Fだけ変位させて制御する。次に、ステップS23へ進む。
(ステップS23)
ステップS23において、制御部50は、プラズマ切断装置100による切断作業が継続される場合は、最初のステップへ戻り、引き続きアーク電圧Vの測定値を常時監視する。切断作業が完了した場合は、制御部50は、電源部30のアーク電流Aの制御を完了する。
本実施形態のプラズマ切断装置100では、上述の構成により、制御部50が設定した制御パラメータである降下判定閾値C及び上昇判定閾値Dに対してアーク電圧Vを常に監視する。制御部50は、取得したアーク電圧Vの測定値が設定した降下判定閾値Cを上回ると、アーク電流Aを電流定常値Bから各ステートにおける電流値Bまで下げて、定常ステートから中断ステートに遷移させて維持することができる。
また、本実施形態では、制御部50は、取得したアーク電圧Vの測定値が設定した上昇判定閾値Dを下回ると、アーク電流Aを各ステートにおける電流値Bから電流定常値Bまで下げて、中断ステートから定常ステートに復帰させることができる。そのため、制御部50は、コーナループ切断作業などの本来アーク消弧を行う必要のない動作において、アーク電圧Vが通常のアーク電圧Vの値より高くなっても、急にアーク消弧は実施せず、アーク電流Aを下げることができる。また、プラズマ切断装置100は、継続して、プラズマ切断作業を行うことができ、プラズマ切断の作業効率を上げることができる。
また、本実施形態では、制御部50は、降下判定閾値C及び上昇判定閾値Dをそれぞれ複数備えている。制御部50は、取得したアーク電圧Vの測定値が、設定した降下判定閾値Cを上回るまたは上昇判定閾値Dを下回るたびにアーク電圧Vの測定値と制御パラメータとを比較し、中断ステートに遷移するか定常ステートに復帰させるか判定することができる。そのため、制御部50は、アーク電圧Vが急上昇しても、アーク電流Aの電流値Bを段階的に変更することができ、アーク切れを起こしたとしてもアーク電流Aは十分低い値に変更されているので、制御部50は、電極11の消耗を低減することができる。さらに、プラズマ切断装置100は、電極11の寿命を延長させることができる。また、プラズマ切断装置100は、電極11へ急激な熱変化を与えることなく定常的な融解状態を維持できる。
さらに、本実施形態では、プラズマ切断装置100は、無駄なアーク消弧を行わないため、それによって発生していたプラズマ切断作業の復帰にかかる時間が必要なくなる。
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図6から図9を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施形態は、いずれも第一実施形態と比較して、作動ガス供給部20A及び制御部50Aが異なっている。従って、以下の説明では、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
図6は、本発明の第二実施形態に係るプラズマ切断装置100Aの全体構成を示す図である。図7は、プラズマ切断装置100Aの各ステートにおけるアーク電圧Vの制御パラメータ及び被制御パラメータである作動ガス圧力Sの圧力値Eの関係をテーブルに示した図である。図8は、プラズマ切断装置100Aがコーナループ切断作業をした場合の作動ガス圧力Sの圧力値E、アーク電圧V、及び時間の関係をグラフで示した図である。図9は、プラズマ切断装置100Aが、アーク切れが発生する作業をした場合の作動ガス圧力Sの圧力値E、アーク電圧V、及び時間の関係をグラフで示した図である。
本発明の第二実施形態に係るプラズマ切断装置100Aは、図1に示すように、プラズマトーチ10と、作動ガス供給部20Aと、電源部30と、電圧検出部40と、制御部50Aと、を備えている。プラズマトーチ10と、電源部30と、電圧検出部40とは、いずれも第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
作動ガス供給部20Aは、第一実施形態に係る作動ガス供給部20の作動ガス(不図示)を作動ガス流路13へ供給する機能に加えて、図示しない電磁弁を備えており、図6に示すように、制御部50Aと電気的に接続されている。作動ガス供給部20Aは、制御部50Aによって作動ガス圧力Sの圧力値Eを電磁弁(不図示)を用いて制御される。
制御部50Aは、図6に示すように、第一実施形態と比較して、さらに電磁弁(不図示)と電気的に接続されている。制御部50Aは、制御パラメータとして、任意に設定可能な降下判定閾値Cと上昇判定閾値Dとを備えている。制御部50Aは、アーク電圧Vの測定値に基づいて、設定した閾値から下回るまたは上回る際に、図2に示すように、第一実施形態に係るアーク電流Aの電流値(中断ステート値)Bのパラメータを制御して維持することに加えて、作動ガス圧力Sの圧力値Eのパラメータを制御することができる。作動ガス圧力Sの圧力値Eは、図2のアーク電流Aの電流値Bのパラメータと同様に、図7に示すように、複数のステートに合わせて設定される。ここで、アーク電流Aの電流値Bのパラメータの制御については、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態では、第一実施形態と同様に、Xへ代入されるNまたはnについては、任意の整数を設定できる。定常ステートにおける作動ガス圧力Sの定常値は、定常値Eである。
制御部50Aは、第一実施形態と比較して、被制御パラメータが図2に示すアーク電流Aの電流値B及び図7に示す作動ガス圧力Sの圧力値Eである。この場合は、次のように制御する。まず、制御部50Aは、アーク電圧Vの測定値に基づいて設定した電圧の降下判定閾値Cと測定値とを比較する。制御部50Aは、アーク電圧Vの測定値が定常ステートから上昇し、降下判定閾値Cを上回ると、第1中断ステートへ遷移して、約△t秒間内部処理を行った後に、アーク電流Aの電流値Bを制御するとともに作動ガス圧力Sの定常値Eから第1圧力値Eへ圧力量Gだけ変位させて制御する。次に、制御部50Aは、アーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cを上回り、さらに降下判定閾値Cを上回ると、第2中断ステートへ遷移して、アーク電流Aの電流値Bを制御するとともに作動ガス圧力Sを第1圧力値Eから第2圧力値Eへ圧力量Gだけ変位させて制御する。同様にして、図7に示すように、制御部50Aは、アーク電圧Vの測定値が降下判定閾値Cx-1を上回り、さらに降下判定閾値Cを上回ると、第X-1中断ステートから第X中断ステートへ遷移して、アーク電流Aの電流値Bを制御するとともに作動ガス圧力Sを第X-1圧力値Ex-1から第X圧力値Eへ圧力量Gだけ変位させて制御する。
制御部50Aは、さらに降下判定閾値Cを上回ると、第N中断ステートから最小中断ステートへ遷移し、アーク電流Aの電流値Bを制御するとともに、作動ガス圧力Sを最小圧力値Eminへ圧力量Gだけ変位させて、最小圧力値Eminの状態で維持する。以上により、制御部50Aは、アーク電流Aを電流定常値Bから最小電流値Bminまで段階的に下げ、中断ステートに遷移させて維持するとともに、作動ガス圧力Sを定常値Eから最小圧力値minまで段階的に下げ、中断ステートに遷移させて維持することができる。
次に、制御部50Aは、アーク電圧Vの測定値が最小中断ステートから降下し、上昇判定閾値Dminを下回ると、第N中断ステートへ遷移し、約△t秒間内部処理を行った後に、アーク電流Aの電流値Bを制御するとともに、作動ガス圧力Sを最小中断ステートの最小圧力値Eminから第N圧力値Eへ圧力量Gだけ変位させて制御する。制御部50Aは、アーク電圧Vの測定値が任意に複数設定した上昇判定閾値Dを下回るごとに、段階的に設定された図7に示す複数の中断ステートを一つずつ遷移させて、アーク電流Aの電流値Bを制御するとともに、作動ガス圧力Sを中断ステートに合わせて変位させて制御する。制御部50Aは、アーク電圧Vの測定値が上昇判定閾値Dを下回ると、第1中断ステートから定常ステートへ遷移して、アーク電流Aの電流値Bを制御するとともに、作動ガス圧力Sを定常値Eまで戻し、定常ステートを維持する。以上により、制御部50Aは、アーク電流Aを最小電流値Bminから電流定常値Bまで段階的に上げ、定常ステートに復帰させて維持するとともに、作動ガス圧力Sを最小圧力値Eminから定常値Eまで段階的に上げ、定常ステートに復帰させて維持することができる。
なお、最小圧力値Eminは、定常値Eよりも低い値である。最小圧力値Eminは、作動ガス圧力Sが定常値Eへ復帰するまでの時間がかからない程度の値に設定されている。
また、増減する圧力量Gは、第X圧力値Eから第X―1圧力値Ex-1を引いた値である。電流量Gは、G、G、G、・・・Gが同じ圧力量となるように圧力値Eのパラメータを設定してもよいし、それぞれ異なる圧力量となるように圧力値Eのパラメータを設定してもよい。
制御部50Aは、上記構成により、常時アーク電圧Vの測定値と制御パラメータとを比較して各ステートに遷移するか判定し、アーク電流Aの電流値B及び作動ガス圧力Sの圧力値Eを段階的に変更することができる。制御部50Aは、アーク電流Aを電流定常値Bから最小電流値Bminまで段階的に下げ、中断ステートに遷移させて維持するとともに、作動ガス圧力Sを定常値Eから最小圧力値Eminまで段階的に下げ、各ステートに遷移させて維持することができる。また、制御部50Aは、図7に示すように、最小中断ステートになると、作動ガス圧力Sを最小圧力値Eminで止めることで制御する。さらに、制御部50Aは、アーク電流Aを最小電流値Bminから電流定常値Bまで段階的に上げ、定常ステートに復帰させて維持するとともに、作動ガス圧力Sを最小圧力値Eminから定常値Eまで段階的に上げ、定常ステートに復帰させて維持することができる。
本実施形態の作用については、第一実施形態において図3に示すフローを用いて説明した作用と略同様である。そのため、本実施形態に係るプラズマ切断装置100Aの作用については説明を省略する。図8及び図9は、第一実施形態の図4及び図5で示した電流値の制御に加えて、制御される作動ガス圧力Sの圧力値Eのグラフを示した図である。
本実施形態のプラズマ切断装置100Aでは、制御部50Aが、降下判定閾値C及び上昇判定閾値Dをそれぞれ複数備えている。制御部50Aは、取得したアーク電圧Vの測定値が、設定した降下判定閾値Cを上回るまたは上昇判定閾値Dを下回るたびにアーク電圧Vの測定値と制御パラメータとを比較し、中断ステートに遷移するか定常ステートに復帰させるか判定することができる。そのため、制御部50Aは、アーク電圧Vが急上昇しても、すぐにプラズマアークPをアーク消弧することなく、第一実施形態のアーク電流Aの電流値Bの制御に加えて、作動ガス圧力Sの圧力値Eを段階的に変更することができる。そのため、プラズマ切断装置100Aは、電極11の消耗をさらに低減することができる。
以上、本発明の第二実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述した実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
(変形例)
本発明のプラズマ切断装置は、例えば、図2または図7に示す表を一つの変数テーブルとして、切断材料の材質や板厚、あるいは開先角度等に合わせて複数の変数テーブルを備えた記憶部等を備えていてもよい。これにより、制御部50、50Aは、変数テーブルを用途に合わせて設定し、複数のステートに合わせて設定された電流値Bまたは作動ガス圧力Sの圧力値Eを任意に変更することができる。
また、本発明のプラズマ切断装置の制御部は、消弧シーケンスを設けてもよい。消弧シーケンスとは、制御部が設定した降下判定閾値よりも高い消弧判定閾値においてアーク電圧が消弧判定閾値を上回ると、アーク電流Aを0Aとなるまで下げてプラズマアークPのアーク消弧を行うことである。このとき、消弧判定閾値は、上述の実施形態で説明したアーク切れ地点Kのときの電圧値よりもわずかに低く設定するのがよい。これにより、本発明のプラズマ切断装置の制御部は、電流を0Aとなるまで下げて制御することができる。
また、本発明のプラズマ切断装置の制御部は、プラズマ切断装置が切断作業を完了した場合にプラズマアークを消弧させて作業を完了させる完了消弧シーケンスを設けてもよい。
例えば、図10(a)及び図10(b)に示すように、上述の実施形態に係る制御部50、50Aは、アーク電流Aの制御または、アーク電流Aに加えて作動ガス圧力Sを制御する。図10(a)は、プラズマ切断装置が切断作業を完了した場合のアーク電流A、アーク電圧V、及び時間の関係をグラフで示した図である。図10(b)は、プラズマ切断装置が切断作業を完了した場合の作動ガス圧力Sの圧力値、アーク電圧V、及び時間の関係をグラフで示した図である。
制御部50、50Aは、図10(a)に示すように、常時アーク電圧Vの測定値と制御パラメータとを比較し、各ステートに遷移するか判定する。その後、切断作業が完了された地点Lで、アーク電流Aを0Aとなるまで下げてプラズマアークPのアーク消弧を行い、作業を完了させる。また、制御部50Aは、図10(b)に示すように、常時アーク電圧Vの測定値と制御パラメータとを比較し、各ステートに遷移するか判定する。その後、切断作業が完了された地点Lで、作動ガス圧力Sを十分低い値まで下げてプラズマアークPのアーク消弧を行い、作業を完了させる。以上により、制御部50、50Aは、プラズマ切断装置が切断作業を完了した場合に完了消弧シーケンスを行い、プラズマアークを消弧させて作業を完了することができる。なお、本発明では、制御部はアーク電流Aのみを制御することで完了消弧シーケンスを行ってもよいし、アーク電流Aの制御に加えて作動ガス圧力Sを制御してもよい。
また、本実施形態では、制御部50、50Aは、降下判定閾値Cと上昇判定閾値Dの個数を任意の数だけ設けることができる。そのため、降下判定閾値Cと上昇判定閾値Dの個数は特に限定されない。
また、上述の実施形態では、制御部50、50Aは、アーク電流Aの最小電流値(中断ステート値)Bminを80A程度に設定しているが、本発明の制御部は、プラズマアークPが維持できる値であれば、最小電流値Bminを80A以下に設定してもよい。
また、本発明のプラズマ切断装置(切断装置)は、図4及び図8に示すようなコーナループ切断作業時や図5及び図9に示すようなアーク切れが発生する作業時に限定されず、アーク電圧Vの上昇異常が発生するすべての事象について用いることができる。
また、上記実施形態では、被切断材Wが水平面に載置されているが、水平面である必要はなく、水平面に対して傾斜角度のついた被切断材Wであってもよい。
また、本発明の制御部は、プラズマ切断装置100と別体として備えられていてもよい。例えば、制御部は、切断方法や被切断材の形状、大きさなどをデータベースとして保管可能なプロセッサ、メモリ、ROM、RAMまたはHDDなどの記憶部等を備え、NCプログラム実行可能な装置(コンピュータ)などであってもよい。
また、上記実施形態では、電圧検出部40が電圧センサであったが、本発明では特に限定されず、電圧検出部は、電圧センサ以外の検出装置であってもよい。
また、本発明のプラズマ切断装置の制御部は、さらに従来公知のNCプログラムから指令を取得したり、切断装置及び電源部から信号等を取得したりして、アーク電流Aを制御する機能を備えていてもよい。
また、本発明のプラズマ切断装置は、さらに切断中に水平面に載置された被切断材W上においてプラズマトーチを移動させたり、鉛直方向においてプラズマトーチを上下させたりできるような駆動部を備えていてもよい。
いずれの上記実施形態においても、本発明の切断装置、及び切断制御方法によれば、アーク切れによる電極消耗を低減し、かつ、アーク切れに至らなかった場合にはアーク電圧の上昇が発生しても、電流等の切断パラメータをアーク電圧上昇前の値に復帰させプラズマ切断を継続して行うことができる。
本発明に係る切断装置、及び切断制御方法によれば、アーク切れによる電極消耗を低減し、かつ、アーク切れに至らなかった場合にはアーク電圧の上昇が発生しても、電流等の切断パラメータをアーク電圧上昇前の値に復帰させプラズマ切断を継続して行うことができるので産業上利用可能である。
100、100A プラズマ切断装置(切断装置)
10 プラズマトーチ
11 電極
12 ノズル部
20、20A 作動ガス供給部
30 電源部
40 電圧検出部
50、50A 制御部
A アーク電流
V アーク電圧
S 作動ガス圧力
P プラズマアーク
K アーク切れ地点
L 切断作業が完了された地点
W 被切断材
(アーク電圧Vの)定常値
降下判定閾値
上昇判定閾値
電流値(中断ステート値)
(アーク電流Aの)電流定常値(定常値)
圧力値
(作動ガス圧力Sの)定常値

Claims (14)

  1. 電極を有し、プラズマアークを噴射して被切断材を切断するプラズマトーチと、
    外部から供給される電力を前記プラズマトーチに供給する電源部と、
    前記プラズマアークの電圧を測定し、測定値を出力する電圧検出部と、
    前記測定値を常時監視し、前記測定値が降下判定閾値を上回ると前記電源部が前記プラズマトーチに供給する電流を定常値から中断ステート値まで下げて、定常ステートから中断ステートに遷移させて維持する制御部と、
    を備える切断装置。
  2. 前記制御部は、前記降下判定閾値を複数備えている
    請求項1に記載の切断装置。
  3. 前記制御部は、前記測定値が上昇判定閾値を下回ると前記電流を前記中断ステート値から前記定常値まで上げて前記定常ステートに復帰させる
    請求項1または請求項2に記載の切断装置。
  4. 前記制御部は、前記上昇判定閾値を複数備えている
    請求項3に記載の切断装置。
  5. 前記制御部は、前記測定値が前記上昇判定閾値を下回り、前記電流を上げるたびに前記測定値を前記上昇判定閾値と比較して、前記定常ステートに復帰させるか判定する
    請求項3または請求項4に記載の切断装置。
  6. 前記制御部は、前記測定値が前記降下判定閾値を上回り、前記電流を下げるたびに前記測定値を前記降下判定閾値と比較して、前記中断ステートに遷移するか判定する
    請求項1から請求項5のいずれかの1項に記載の切断装置。
  7. 前記制御部は、前記測定値が前記降下判定閾値よりも高い消弧判定閾値を上回り、前記電流を下げて前記プラズマアークのアーク消弧シーケンスを開始する
    請求項1から請求項6のいずれかの1項に記載の切断装置。
  8. 電極を有するプラズマトーチを用いて、プラズマアークを噴射して被切断材を切断する工程と、
    電源部より外部から供給される電力を前記プラズマトーチに供給する工程と、
    前記プラズマアークの電圧を測定し、測定値を出力する工程と、
    前記測定値を常時監視し、前記測定値が降下判定閾値を上回ると前記電源部が前記プラズマトーチに供給する電流を定常値から中断ステート値まで下げて定常ステートから中断ステートに遷移させて維持する工程と、
    を備える切断制御方法。
  9. 前記降下判定閾値は、複数備えられている
    請求項8に記載の切断制御方法。
  10. 前記測定値が上昇判定閾値を下回ると前記電流を前記中断ステート値から前記定常値まで上げて前記定常ステートに復帰させる工程をさらに含む
    請求項8または請求項9に記載の切断制御方法。
  11. 前記上昇判定閾値は、複数備えられている
    請求項10に記載の切断制御方法。
  12. 前記測定値が前記上昇判定閾値を下回り、前記電流を上げるたびに前記測定値を前記上昇判定閾値と比較して、前記定常ステートに復帰させるか判定する工程をさらに含む
    請求項10または請求項11に記載の切断制御方法。
  13. 前記測定値が前記降下判定閾値を上回って、前記電流を下げるたびに前記測定値を前記降下判定閾値と比較して、前記中断ステートに遷移するか判定する工程をさらに含む
    請求項8から請求項12のいずれかの1項に記載の切断制御方法。
  14. 前記測定値が前記降下判定閾値よりも高い消弧判定閾値を上回ると、前記電流を下げて前記プラズマアークのアーク消弧シーケンスを開始する工程をさらに含む
    請求項8から請求項13のいずれかの1項に記載の切断制御方法。
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