JP2023105478A - 変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速機において変速機構から荷重を受ける部材の交換を容易にする。【解決手段】変速機100は、油圧モータ20に接続され油圧モータ20の出力回転を変速する変速機構40と、変速機構40を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジング15と、変速機構40に対して油圧モータ20とは反対側に開口する回転ハウジング15の開口端部15aに設けられ、開口端部15aを閉塞するカバー50と、変速機構40におけるカバー50に対向する端面に設けられるキャリアプレート47と、カバー50にキャリアプレート47とは反対側から着脱可能に設けられるプラグ54aと、を備え、プラグ54aは、カバー50からキャリアプレート47に向けて突出し、変速機構40からキャリアプレート47に作用するスラスト荷重を支持可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、変速機に関するものである。
特許文献1には、油圧モータが収容される固定ハウジングと、油圧モータのシャフトの出力回転を変速する変速機構と、変速機構を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する回転ハウジングと、回転ハウジングの開口端を閉塞するカバーと、を備える変速機が開示されている。特許文献1に記載の変速機構は、遊星歯車機構であり、油圧モータのシャフトに設けられるサンギヤと、回転ハウジングの内壁に設けられるインナーギヤと、サンギヤとインナーギヤとの双方に噛み合う複数のプラネタリギヤと、を有する。
特許文献1に記載の変速機では、プラネタリギヤとインナーギヤがシャフトの軸方向に対して斜めに噛み合うと、プラネタリギヤからインナーギヤに作用する力の反力により、変速機構でスラスト荷重(シャフトの軸方向に沿った荷重)が発生する。このようにして変速機構で発生する荷重は、カバーに作用する。特許文献1に記載の変速機では、変速機構で発生する荷重によりカバーが摩耗しても、カバーを取り外さないとカバーの摩耗の確認及び交換をすることができない。よって、カバーの摩耗確認及び交換を容易にすることができない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、変速機において変速機構から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易に行うことを目的とする。
本発明は、変速機であって、駆動源に接続され駆動源の出力回転を変速する変速機構と、変速機構を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジングと、変速機構に対して駆動源とは反対側に開口する回転ハウジングの開口端部に設けられ、開口端部を閉塞するカバーと、変速機構におけるカバーに対向する端面に設けられるプレートと、カバーにプレートとは反対側から着脱可能に設けられるプラグと、を備え、プラグは、カバーからプレートに向けて突出し、変速機構からプレートに作用するスラスト荷重を支持可能であることを特徴とする。
この発明では、カバーに着脱可能に設けられるプラグが、変速機構で発生するスラスト荷重を受ける。したがって、プラグをカバーから取り外すだけでプラグの摩耗を確認することができ、プラグの摩耗が大きい場合にはプラグのみを交換すればよい。よって、変速機構から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易に行うことができる。
また、本発明は、カバーには、変速機構が収容されるギヤ室に封入され変速機構を潤滑可能な潤滑剤の量を規定するための貫通孔が設けられ、プラグは、貫通孔に着脱可能に設けられ貫通孔を封止することを特徴とする。
この発明では、ギヤ室内の潤滑剤の量を規定するためにカバーに設けられる貫通孔に取り付けられるプラグが、変速機構で発生するスラスト荷重を受ける。つまり、既存のプラグを利用することで、新たな部品を追加せずに、変速機において変速機構から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易に行うことができる。
また、本発明は、カバーは、中央にプラグが取り付けられる本体部と、本体部の外周に形成され回転ハウジングの開口端部に取り付けられる環状の取付部と、を有し、本体部は、プラグが取り付けられる底部と、底部と取付部とを接続するテーパ部と、を有し、テーパ部は、底部側がプレートに近接して配置されるように傾斜することを特徴とする。
この発明では、カバーの本体部が、プラグが取り付けられる底部と、底部と取付部とを接続するテーパ部と、を有する。これにより、テーパ部が設けられない場合と比較して本体部におけるプラグが取り付けられる部分の肉厚を小さくしつつ、本体部とプレートとを対向させることができる。よって、本体部の肉厚を小さくできるとともに、プラグとして一般的な長さのプラグを用いることができるため、変速機の製造コストを低減させることができる。
本発明によれば、変速機において変速機構から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易に行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の本実施形態に係る変速機100及びこれを備える駆動装置としての変速機付モータ101について説明する。
変速機付モータ101は、例えば、油圧ショベルなどのクローラ式作業機の車軸部に設けられてクローラベルトを駆動する走行モータに用いられる。図1に示すように、変速機付モータ101は、駆動源としての油圧モータ20と、油圧モータ20のモータ軸(図示せず)に接続されモータ軸の出力回転を減速する変速機100と、を備える。
変速機100は、油圧モータ20の出力回転を変速する変速機構40と、油圧モータ20を収容する固定ハウジング10と、変速機構40を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジング15と、回転ハウジング15の開口端部15aの内周に設けられ、回転ハウジング15の開口端部15aを閉塞するカバー50と、カバー50に着脱可能に設けられるプラグ54aと、を備える。変速機構40は、遊星歯車機構であり、具体的な構成は後述する。固定ハウジング10、回転ハウジング15、及びカバー50により、変速機100のハウジング1が形成される。
回転ハウジング15は、固定ハウジング10に対して回転作動する。回転ハウジング15の開口端部15aは、変速機構40に対して油圧モータ20とは反対側(図1における右側)で開口する回転ハウジング15の端部である。回転ハウジング15の外周面にはスプロケット(図示せず)が連結される。回転ハウジング15とスプロケットとが共に回転することで、スプロケットに噛み合うクローラベルト(図示せず)が循環して車両が走行する。
固定ハウジング10及び回転ハウジング15は、クローラベルトが循環する経路の内側に配置される。回転ハウジング15は、外部部材としての車体102に連結される固定ハウジング10に対してベアリング3を介して回転自在に支持され、その中心軸を中心として回転作動する。
固定ハウジング10は、本体部11の外周面から突出して形成され車体102に取り付けられる固定フランジ部12を有する。
カバー50は、円盤状に形成されており、回転ハウジング15の開口端部15aの内周面に取り付けられる。プラグ54aは、カバー50の中央に設けられる。カバー50及びプラグ54aの具体的構成は、後に詳細に説明する。
回転ハウジング15の内面と、固定ハウジング10の本体部11の外面と、カバー50の内面と、によって変速機構40を収容するギヤ室4が画成される。ギヤ室4には、変速機構40を潤滑可能な潤滑剤としての潤滑油が封入される。
回転ハウジング15には、外周面から環状に突出する回転フランジ部16が形成される。上記のスプロケットは、複数のボルト(図示せず)によって回転フランジ部16に締結され、回転ハウジング15とともに回転作動する。
固定ハウジング10と回転ハウジング15の間には、フローティングシール5が設けられる。フローティングシール5は、回転ハウジング15の回転作動時に、変速機100内の作動油が外部に漏出しないように密封するとともに、外部から異物が変速機100内に侵入することを防止する。
また、固定ハウジング10と回転ハウジング15の間には、フローティングシール5の外側に外部からの泥などの異物が侵入することを防止するラビリンスシール6が形成される。ラビリンスシール6は、固定ハウジング10と回転ハウジング15の互いに対向する端面同士の間隙によって形成される。
油圧モータ20は、固定ハウジング10の本体部11の内部に設けられる。油圧モータ20は、例えば、作動油(作動液)の給排によって回転駆動される斜板式ピストンモータである。なお、モータは、油圧モータ20(液圧モータ)以外であってもよく、例えば、電動モータなどを用いてもよい。油圧モータ20は、公知の構成を採用できるため、図1では簡略化して図示しており、本明細書では詳細な説明を省略する。
変速機100は、油圧モータ20のモータ軸と同軸的に連結されモータ軸の出力回転が伝達されるシャフトとしてのドライブシャフト31を備える。変速機構40は、ドライブシャフト31を通じて伝達される油圧モータ20のモータ軸の出力回転を減速して回転ハウジング15に伝達する。ドライブシャフト31と油圧モータ20のモータ軸とは、例えばスプライン結合により連結される。なお、回転ハウジング15とドライブシャフト31は同軸上に設けられるため、以下では、回転ハウジング15及びドライブシャフト31の軸方向を単に「軸方向」、回転ハウジング15及びドライブシャフト31の径方向を単に「径方向」とも称する。
変速機構40は、遊星歯車機構である。変速機構40は、ドライブシャフト31に設けられるサンギヤ41と、回転ハウジング15の内周面に形成され軸方向に延びるインナーギヤ42と、サンギヤ41とインナーギヤ42との双方に噛み合う複数のプラネタリギヤ43と、各プラネタリギヤ43を支持するプラネタリキャリア44と、プラネタリキャリア44と噛み合う2段目のサンギヤ45と、サンギヤ45とインナーギヤ42との双方に噛み合う複数のプラネタリギヤ46と、を備える。ドライブシャフト31、サンギヤ41、及び各プラネタリギヤ43におけるカバー50に対向する端面は、同一平面上に位置する。
油圧モータ20のモータ軸が回転駆動されると、モータ軸に連結するドライブシャフト31がモータ軸の回転に伴って回転する。ドライブシャフト31の出力回転は、サンギヤ41とプラネタリギヤ43、及び、2段目のサンギヤ45とプラネタリギヤ46を通じてインナーギヤ42に作用し、回転ハウジング15に伝達される。本実施形態における変速機100では、プラネタリギヤ43とインナーギヤ42、及び、プラネタリギヤ46とインナーギヤ42が軸方向に対して斜めに噛み合って形成される。そのため、プラネタリギヤ43及びプラネタリギヤ46からインナーギヤ42に作用する力の反力により、変速機構40でスラスト荷重(軸方向に沿った荷重)が発生する。変速機構40で発生するスラスト荷重には変速機構40の周方向の位置によってばらつきがあり、具体的には、各プラネタリギヤ43に作用するスラスト荷重が異なる。
そこで、変速機構40で発生するスラスト荷重のばらつきを均一化するために、変速機100は、変速機構40におけるカバー50に対向する端面に設けられるプレートとしてのキャリアプレート47を備える。キャリアプレート47は、変速機構40で発生するスラスト荷重を受け、変速機構40で発生するスラスト荷重を均一化する機能を有する。キャリアプレート47は、ドライブシャフト31、サンギヤ41、及び各プラネタリギヤ43におけるカバー50に対向する端面にわたって設けられ、ボルト49により各プラネタリキャリア44に固定される。なお、キャリアプレート47は、ピン等により各プラネタリキャリア44に固定されてもよい。変速機構40で発生するスラスト荷重は、広い面積の1枚のキャリアプレート47を介して、カバー50に設けられるプラグ54aに作用する。プラグ54aが受ける変速機構40のスラスト荷重は、キャリアプレート47により均一化されるため、キャリアプレート47とプラグ54aが片当たりせずに面接触する。これにより、キャリアプレート47及びプラグ54aが偏摩耗することが防止される。
次に、カバー50の構成について具体的に説明する。図1に示すように、カバー50は、中央にプラグ54aが取り付けられる円盤状の本体部51と、本体部51の外周に形成され回転ハウジング15の開口端部15aの内周面に取り付けられる環状の取付部52と、を有する。
本体部51は、回転ハウジング15の中心軸に対して略垂直な底部51aと、底部51aと取付部52を接続するテーパ部51bと、を有する。本体部51は、底部51aを底としたいわゆるすり鉢形状(有底の円錐筒形状)に形成される。底部51aには後述する検油ポート53aが設けられ、検油ポート53aにプラグ54aが取り付けられる。テーパ部51bは底部51aと取付部52の間にわたって環状に設けられ、全周が回転ハウジング15の中心軸に対して傾斜する。テーパ部51bは、底部51a側がキャリアプレート47に近接して配置されるように傾斜する。
取付部52は、本体部51のテーパ部51bと連続して設けられ、回転ハウジング15の中心軸に対して略垂直に形成される。取付部52の外周面は、回転ハウジング15の開口端部15aの内周面に接触する。取付部52の外周面には、環状のシール溝50aが全周にわたって形成される。シール溝50aには、取付部52と回転ハウジング15の内周面との間を封止するOリング70が収容される。取付部52には、径方向外側の端部において、変速機構40に向かって軸方向に突出する突出部52aが複数形成される。カバー50は、突出部52aがインナーギヤ42と軸方向に接触することで、軸方向の位置合わせがされる。このように、カバー50は、端部(具体的には、取付部52の突出部52a)がインナーギヤ42と軸方向に接触して回転ハウジング15の開口端部15aを閉塞する。なお、カバー50は、必ずしも回転ハウジング15の開口端部15aの内周面に取り付けられる必要は無く、回転ハウジング15の開口端部15aに設けられ開口端部15aを閉塞する構成であればよい。
また、カバー50には、ギヤ室4内へ潤滑油を注入するための注入ポート(図示せず)と、潤滑油の量を規定するための貫通孔としての検油ポート53aと、ギヤ室4内の潤滑油をギヤ室4外へ排出するための排出ポート53bと、が設けられる。図1においては、注入ポートは図示されていない。注入ポート、検油ポート53a、及び排出ポート53bは、カバー50を板厚方向に貫通する。注入ポート及び排出ポート53bは取付部52に設けられ、検油ポート53aは本体部51の底部51aの中央に設けられる。検油ポート53aは、ドライブシャフト31と同軸上に設けられる。
また、カバー50には、注入ポートを封止するプラグ(図示せず)と、検油ポート53aを封止するプラグ54aと、排出ポート53bを封止するプラグ54bと、が設けられる。図1においては、注入ポートを封止するプラグは図示されていない。プラグ54aは、キャリアプレート47とは反対側から検油ポート53aにねじ結合により着脱可能に設けられ検油ポート53aを封止する。プラグ54bは、キャリアプレート47とは反対側から排出ポート53bにねじ結合により着脱可能に設けられ排出ポート53bを封止する。注入ポートを封止するプラグについても同様である。
ギヤ室4に潤滑油を封入するには、変速機100を図1に示す向きとし、排出ポート53bにプラグ54bを取り付けた状態で、注入ポートから潤滑油を注入する。そして、検油ポート53aから潤滑油が溢れ出すまで潤滑油を注入する。このように、検油ポート53aは、ギヤ室4に封入される潤滑油の量を規定する。
検油ポート53aに取り付けられたプラグ54aは、カバー50からキャリアプレート47に向けて突出し、キャリアプレート47にわずかな隙間を空けて対向する。これにより、変速機構40で発生するスラスト荷重がキャリアプレート47に作用すると、キャリアプレート47がプラグ54aに接触し支持される。この際、キャリアプレート47は、プラグ54aにのみ接触し、カバー50には接触しない。プラグ54aがキャリアプレート47を通じて受ける変速機構40のスラスト荷重は、検油ポート53aとプラグ54aとのねじ結合による結合力よりも小さい。そのため、プラグ54aが変速機構40で生じるスラスト荷重を受けることによって検油ポート53aからプラグ54aが脱落することはない。
また、変速機構40で生じるスラスト荷重を受けるプラグ54aは、本体部51の底部51aに支持される。よって、底部51aは、プラグ54aから、変速機構40で発生するスラスト荷重の方向(図1における右側)に向けた力を受ける。本体部51が底部51aを底としたいわゆるすり鉢形状に形成されるため、底部51aは、変速機構40で発生するスラスト荷重の方向に向けて変位しづらい。そのため、カバー50は、プラグ54aから受ける力に対する強度が高い。
また、カバー50の本体部51のテーパ部51bには、キャリアプレート47に向けて軸方向に突出する保持部55が設けられる。保持部55は、カバー50を加工する際にカバー50を保持するために設けられる。なお、保持部55は、テーパ部51b以外に設けられてもよい。また、後述するように取付部52の突出部52aの内周面を保持してカバー50の加工ができる場合等では、保持部55は設けられなくてもよい。
次に、カバー50及びプラグ54aの加工について説明する。
カバー50には、回転ハウジング15に取り付けられる前の状態で、環状のシール溝50aを形成する加工と、注入ポート、検油ポート53a、及び排出ポート53bを形成する穴あけ加工と、がされる。また、カバー50には、取付部52の外周面の平滑加工と、取付部52の突出部52aにおけるインナーギヤ42との接触面の平滑加工と、がされる。具体的には、取付部52の外周面の平滑加工と、取付部52の突出部52aにおけるインナーギヤ42との接触面の平滑加工は、保持部55を保持、または取付部52の突出部52aの内周面を保持した状態で、旋盤加工等により一度に行われる。平滑加工が一度に行われることにより、カバー50の加工時間が短くなり、カバー50の加工が容易になる。
また、プラグ54aには、キャリアプレート47に対向する面の平滑加工がされる。具体的には、プラグ54aには、検油ポート53aに取り付けられる前の状態で、ガス軟窒化処理及び切削加工がされる。これにより、キャリアプレート47とプラグ54aとの間で生じる摩擦力が低減される。
ここで、仮にカバーの中央にキャリアプレートに向けて突出する支持部が複数設けられ、カバーの一部である支持部が変速機構で生じるスラスト荷重を受ける場合を考える。変速機構で発生するスラスト荷重がキャリアプレートに作用すると、キャリアプレートが支持部の突出方向の端面に接触し支持される。この場合では、変速機構で生じるスラスト荷重により支持部が摩耗しても、カバーを取り外さないと支持部の摩耗確認を行うことができない。また、支持部のみが摩耗している場合であっても、カバー全体を交換する必要がある。よって、カバーの摩耗確認及び交換を容易に行うことができない。
これに対して、本実施形態における変速機100では、カバー50に着脱可能に設けられるプラグ54aが、変速機構40で発生するスラスト荷重を受ける。プラグ54aは、ねじ結合によりカバー50に取り付けられるため、容易にカバー50から取り外すことができる。したがって、プラグ54aをカバー50から取り外すだけでプラグ54aの摩耗を確認することができ、プラグ54aの摩耗が大きい場合にはプラグ54aのみを交換すればよい。よって、変速機構40から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易に行うことができる。
また、変速機構40が異常である場合には、プラグ54aが大きなスラスト荷重を受けプラグ54aが通常よりも早く摩耗する。変速機100では、プラグ54aをカバー50から取り外すことで摩耗の確認を容易に行うことができるため、定期的にプラグ54aの摩耗の確認を行うことで、変速機構40の異常を確認することができる。言い換えれば、プラグ54aは、変速機構40の異常を検知する治具としても使用することができる。
また、プラグ54aは、ギヤ室4内の潤滑油の量を規定するための検油ポート53aに設けられる既存のものである。つまり、既存のプラグ54aを利用することで、新たな部品を追加せずに、変速機100において変速機構40から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易にすることができる。
また、カバー50の本体部51は、プラグ54aが取り付けられる底部51aと、底部51aと取付部52とを接続するテーパ部51bと、を有する。これにより、テーパ部51bが設けられない場合と比較して本体部51におけるプラグ54aが取り付けられる部分(底部51a)の肉厚を小さくしつつ、本体部51とキャリアプレート47とを対向させることができる。よって、本体部51の肉厚を小さくできるとともに、プラグ54aとして一般的な長さのプラグを用いることができる。さらに、検油ポート53aの軸方向の長さが小さくなるため、検油ポート53aを容易に加工することができる。よって、変速機100の製造コストを低減させることができる。
また、本実施形態における変速機100では、インナーギヤ42は、軸方向における端部42a(図1における右側)が、キャリアプレート47の径方向に沿った延長線と交差する。言い換えれば、インナーギヤ42の軸方向の長さは、インナーギヤ42の端部42aがキャリアプレート47の径方向に沿った延長線と交差するような長さに設定される。つまり、インナーギヤ42の軸方向の長さが短くなる。
インナーギヤ42の軸方向の長さが短くなることで、回転ハウジング15へのインナーギヤ42の加工時間が短くなり、変速機100の製造コストを低減することができる。また、カバー50は、突出部52aがインナーギヤ42の端部42aと軸方向に接触して回転ハウジング15に対して位置合わせされるため、インナーギヤ42の軸方向の長さが短くなることで、変速機100全体の軸方向長さを小さくすることができる。よって、変速機100の製造コストをさらに低減することができる。
ここで、カバーの中央にキャリアプレートに向けて突出する支持部が複数設けられ、カバーの一部である支持部が変速機構で生じるスラスト荷重を受ける変速機では、キャリアプレートとカバーとの間で生じる摩擦力を低減するため、支持部におけるキャリアプレートと接触する端面に平滑加工が行われる。さらに、当該変速機のカバーには、カバー50において行われる平滑加工(取付部52の外周面の平滑加工と、取付部52の突出部52aにおけるインナーギヤ42との接触面52bの平滑加工)も行われる。しかしながら、旋盤加工等の加工装置においては、取付部52の突出部52aの内周面等のカバーの内側を保持した状態では、カバーを保持する部位と支持部の平滑加工を行う部位が干渉する。つまり、カバーの内側を保持した状態では、支持部の平滑加工を行うことができない。よって、支持部の端面の平滑加工を行うためには、カバーの表面等を保持する必要がある。このように、カバーの一部である支持部が変速機構で生じるスラスト荷重を受ける変速機では、支持部の端面の平滑加工と、取付部52の外周面の平滑加工及び取付部52の接触面52bの平滑加工は、カバーの保持位置を変える必要があるため、連続して行うことができない。
これに対して、本実施形態における変速機100では、変速機構40で発生するスラスト荷重をプラグ54aが受けるため、カバーの一部である支持部の平滑加工が不要となる。そのため、カバー50の保持位置を変えることなくカバー50の平滑加工(取付部52の外周面の平滑加工及び取付部52の接触面52bの平滑加工)を一度に行うことができる。
以上の本実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
変速機100では、カバー50に着脱可能に設けられるプラグ54aが、変速機構40で発生するスラスト荷重を受ける。したがって、プラグ54aをカバー50から取り外すだけでプラグ54aの摩耗を確認することができ、プラグ54aの摩耗が大きい場合にはプラグ54aのみを交換すればよい。よって、変速機構40から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易に行うことができる。
プラグ54aは、ギヤ室4内の潤滑油の量を規定するための検油ポート53aに設けられる既存のものであるため、新たな部品を追加せずに、変速機100において変速機構40から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易にすることができる。
変速機100では、カバー50の本体部51が、プラグ54aが取り付けられる底部51aと、底部51aと取付部52とを接続するテーパ部51bと、を有するため、本体部51におけるプラグ54aが取り付けられる部分の肉厚を小さくしつつ、本体部51とキャリアプレート47とを対向させることができる。よって、本体部51の肉厚を小さくできるとともに、プラグ54aとして一般的な長さのプラグを用いることができ、変速機100の製造コストを低減させることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。以下のような変形例も本発明の範囲内であり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
上記実施形態では、変速機構40は、遊星歯車機構である。これに限らず、変速機構40は、その他の歯車機構であってもよいし、複数の歯車機構を組み合わせて構成されるものでもよい。
また、上記実施形態では、カバー50は、本体部51と、取付部52と、を有し、本体部51は、底部51aと、テーパ部51bと、を有するいわゆるすり鉢状に形成される。しかしながら、カバー50の構成はこれに限らない。カバー50は、回転ハウジング15の開口端部15aの内周に設けられ開口端部15aを閉塞し、プラグ54aがカバー50からキャリアプレート47に向けて突出し変速機構40からキャリアプレート47に作用するスラスト荷重を支持可能である構成であればよい。
また、上記実施形態では、変速機構40で発生するスラスト荷重を受けるプラグ54aは、ギヤ室4内の潤滑油の量を規定するための検油ポート53aに設けられる既存のものである。これに限らず、プラグ54aは、変速機構40で発生するスラスト荷重を受けるために既存の変速機に新たに追加されたものであってもよい。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
変速機100は、駆動源としての油圧モータ20に接続され油圧モータ20の出力回転を変速する変速機構40と、変速機構40を収容し、変速された出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジング15と、変速機構40に対して油圧モータ20とは反対側に開口する回転ハウジング15の開口端部15aに設けられ、開口端部15aを閉塞するカバー50と、変速機構40におけるカバー50に対向する端面に設けられるプレートとしてのキャリアプレート47と、カバー50にキャリアプレート47とは反対側から着脱可能に設けられるプラグ54aと、を備え、プラグ54aは、カバー50からキャリアプレート47に向けて突出し、変速機構40からキャリアプレート47に作用するスラスト荷重を支持可能である。
この構成では、カバー50に着脱可能に設けられるプラグ54aが、変速機構40で発生するスラスト荷重を受ける。したがって、プラグ54aをカバー50から取り外すだけでプラグ54aの摩耗を確認することができ、プラグ54aの摩耗が大きい場合にはプラグ54aのみを交換すればよい。よって、変速機構40から荷重を受ける部材の摩耗確認及び交換を容易に行うことができる。
また、変速機100では、カバー50には、変速機構40が収容されるギヤ室4に封入され変速機構40を潤滑可能な潤滑剤の量を規定するための貫通孔としての検油ポート53aが設けられ、プラグ54aは、検油ポート53aに着脱可能に設けられ検油ポート53aを封止する。
この構成では、ギヤ室4内の潤滑剤の量を規定するためにカバー50に設けられる検油ポート53aに取り付けられるプラグ54aが、変速機構40で発生するスラスト荷重を受ける。つまり、既存のプラグ54aを利用することで、新たな構成を追加せずに、変速機100において変速機構40から荷重を受ける部材の摩耗の確認及び交換を容易にすることができる。
また、変速機100では、カバー50は、中央にプラグ54aが取り付けられる本体部51と、本体部51の外周に形成され回転ハウジング15の開口端部15aに取り付けられる環状の取付部52と、を有し、本体部51は、プラグ54aが取り付けられる底部51aと、底部51aと取付部52とを接続するテーパ部51bと、を有し、テーパ部51bは、底部51a側がキャリアプレート47に近接して配置されるように傾斜する。
この構成では、カバー50の本体部51が、プラグ54aが取り付けられる底部51aと、底部51aと取付部52とを接続するテーパ部51bと、を有する。これにより、テーパ部51bが設けられない場合と比較して本体部51におけるプラグ54aが取り付けられる部分の肉厚を小さくしつつ、本体部51とキャリアプレート47とを対向させることができる。よって、本体部51の肉厚を小さくできるとともに、プラグ54aとして一般的な長さのプラグを用いることができるため、変速機100の製造コストを低減させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100…変速機、4…ギヤ室、15…回転ハウジング、15a…開口端部、20…駆動源(油圧モータ)、31…ドライブシャフト(シャフト)、40…変速機構、47…キャリアプレート(プレート)、50…カバー、51…本体部、51a…底部、51b…テーパ部、52…取付部、53a…検油ポート(貫通孔)、54a…プラグ
Claims (3)
- 駆動源に接続され前記駆動源の出力回転を変速する変速機構と、
前記変速機構を収容し、変速された前記出力回転が伝達されて回転する筒状の回転ハウジングと、
前記変速機構に対して前記駆動源とは反対側に開口する前記回転ハウジングの開口端部に設けられ、前記開口端部を閉塞するカバーと、
前記変速機構における前記カバーに対向する端面に設けられるプレートと、
前記カバーに前記プレートとは反対側から着脱可能に設けられるプラグと、を備え、
前記プラグは、前記カバーから前記プレートに向けて突出し、前記変速機構から前記プレートに作用するスラスト荷重を支持可能であることを特徴とする変速機。 - 前記カバーには、前記変速機構が収容されるギヤ室に封入され前記変速機構を潤滑可能な潤滑剤の量を規定するための貫通孔が設けられ、
前記プラグは、前記貫通孔に着脱可能に設けられ前記貫通孔を封止することを特徴とする請求項1に記載の変速機。 - 前記カバーは、中央に前記プラグが取り付けられる本体部と、前記本体部の外周に形成され前記回転ハウジングの前記開口端部に取り付けられる環状の取付部と、を有し、
前記本体部は、前記プラグが取り付けられる底部と、前記底部と前記取付部とを接続するテーパ部と、を有し、
前記テーパ部は、前記底部側が前記プレートに近接して配置されるように傾斜することを特徴とする請求項1または2に記載の変速機。
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