JP2022175725A - 歯車機構の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯車機構の高面圧部位に、簡単な構成で、効率よく、かつ、適切にオイルを供給する。【解決手段】サンギヤ5に噛み合う大径ピニオン7aおよびリングギヤ6に噛み合う小径ピニオン7bが一体に形成されたステップドピニオン7、ならびに、ステップドピニオン7を支持するキャリア8を有する遊星歯車機構3と、ステップドピニオン7の公転軌道の内周側に配置され、オイル供給部22から、潤滑用のオイル2が供給される差動回転機構4とを備え、差動回転機構4が回転する際に、差動回転機構4に供給されて差動回転機構4を潤滑したオイル2を、差動回転機構4の外周部4bを通してキャリア8とステップドピニオン7との間のベアリング11に供給する歯車機構の潤滑構造において、外周部4bに、ベアリング11に供給するオイル2をステップドピニオン7に誘導する誘導リブ23を設ける。【選択図】図1

Description

この発明は、歯車機構(特に、遊星歯車機構)に潤滑用のオイルを供給する潤滑構造に関するものである。
特許文献1には、大型化を抑制することを目的とした車両用モータに関する発明が記載されている。この特許文献1に記載された車両用モータは、駆動力源として、例えば、ハイブリッド車両や電気自動車に搭載される。特許文献1には、その車両用モータを適用したインホイールモータが記載されている。そのインホイールモータには、車両用モータの出力トルクを増幅する減速機構が設けられている。減速機構は、ステップドピニオンを用いた遊星歯車機構によって構成されている。具体的には、減速機構を構成する遊星歯車機構は、サンギヤ、リングギヤ、複数のステップドピニオン、および、キャリアを有している。サンギヤは、モータシャフト(ロータの回転軸および減速機構の入力軸)の外周部分に形成されている。リングギヤは、モータケースのケース本体に固定されている。ステップドピニオンは、小ピニオンと、小ピニオンと同軸で小ピニオンよりも径が大きい大ピニオンとから形成されている。小ピニオンはサンギヤに噛み合っている。大ピニオンはリングギヤに噛み合っている。キャリアは、複数のステップドピニオンを回転自在に支持している。そして、キャリアは、減速機構の出力軸の一端に連結されている。出力軸は、モータシャフトと同軸上で、モータシャフトと相対回転可能に配置されている。出力軸の他端は、駆動輪のホイールに連結されている。
この特許文献1に記載されたインホイールモータ、すなわち、車両用モータおよび減速機構では、モータケースの蓋体の外側にオイルポンプが取り付けられており、そのオイルポンプから車両用モータおよび減速機構に潤滑用のオイルが供給される。モータシャフトの軸心部分には、軸方向に貫通するオイル流路が形成されている。それとともに、モータシャフトのオイル流路からモータシャフトの外周面まで、径方向に貫通する油路が形成されている。したがって、オイルポンプからモータシャフトのオイル流路に流入したオイルは、径方向の油路を通って、モータシャフトの外周部分に設けられたベアリング等に供給される。また、出力軸の軸心部分には、モータシャフトのオイル流路に接続する空間(オイル室)が形成されている。それとともに、出力軸のオイル室から出力軸の外周側に配置されたキャリアおよびステップドピニオンの回転軸(ピニオン軸)まで、径方向に貫通する油路が形成されている。ピニオン軸の軸心部分にも、軸方向に貫通する油路が形成されている。そして、その軸心部分の油路からピニオン軸の外周面まで、径方向に貫通する油路が形成されている。
特開2012-65499号公報
上記のように、特許文献1に記載された車両用モータおよび減速機構では、オイルポンプからモータシャフトのオイル流路に吐出されたオイルは、モータシャフトの外周部分に設けられたベアリング等に供給される。それとともに、出力軸およびキャリアに形成された油路を通って、ピニオン軸、および、ピニオン軸の軸心部分に形成された油路に供給される。そして、ピニオン軸の軸心部分の油路から、ピニオン軸の径方向に形成された油路を経由して、ピニオン軸の外周部分、すなわち、ピニオン軸とステップドピニオンとの間に設けられたベアリング等に供給される。
ところで、歯車機構の歯車同士の噛み合い部は、歯面全体が同時に接触するのではなく、例えば噛み合い接線と呼ばれるような直線部分で線接触となり、そのような線接触の部分で、局所的に歯面の面圧が高くなる。また、上記のような遊星歯車機構のステップドピニオンは、ステップドピニオンの支持構造の制約、加工誤差、あるいは、荷重の変動などの様々な要因から、歯車の噛み合い部にアンバランスが生じ、局所的に歯面の面圧が高くなってしまう場合がある。特に、小径ピニオンとリングギヤとの噛み合い部で、小ピニオンの歯面に作用する面圧が高くなってしまう高面圧部位が発生する可能性がある。そのため、そのようなステップドピニオンの高面圧部位に、集中的に、あるいは、優先的に、効率よくオイルを供給する必要ある。しかしながら、特許文献1に記載された車両用モータおよび減速機構では、ピニオン軸とステップドピニオンとの間のベアリングにオイルを供給する構造は図示されているものの、上記のようなステップドピニオンの高面圧部位にオイルを供給する構造に関しては考慮されていない。それに対して、ステップドピニオンの軸穴の内周面から、ステップドピニオンの外周面すなわちステップドピニオンの歯面まで、ステップドピニオンの径方向に貫通する油路を形成して、ステップドピニオンの高面圧部位にオイルを供給することも考えられる。しかしながら、特許文献1に図示されている構造では、上記のような径方向の油路は、ステップドピニオンの軸穴から歯面に向けて、径方向に加工穴(貫通孔)を形成しなければならず、そのような加工は容易ではない。歯車の歯面近傍の加工になるので、加工の際に歯面を傷付けることのないよう確実に保護する必要があり、高い加工精度が要求される。更に、上記のような径方向の油路を設けたとしても、径方向の油路とステップドピニオンの周方向における位相が異なる歯面には、オイルが適切に供給されない可能性がある。
この発明は上記のような技術的課題に着目して考え出されたものであり、遊星歯車機構に用いるピニオンの噛み合い部や歯面の面圧が高くなる部分など、オイルによる潤滑が必要となる部位に、簡単な構成で、効率よく、かつ、適切にオイルを供給することが可能な歯車機構の潤滑構造を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、外歯歯車のサンギヤ、内歯歯車のリングギヤ、前記サンギヤに噛み合う大径ピニオンおよび前記大径ピニオンよりも径が小さく前記リングギヤに噛み合う小径ピニオンが一体に形成されたステップドピニオン、ならびに、前記ステップドピニオンを自転かつ公転可能に支持するキャリアを有する遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構と同軸上で、前記ステップドピニオンの公転軌道の内周側に配置され、所定のオイル供給部(または、オイル供給源)から、潤滑用のオイルが供給される回転部材とを備え、前記回転部材が回転する際に、前記回転部材に供給されて前記回転部材を潤滑した前記オイルを、前記回転部材の外周部を通して前記キャリアと前記ステップドピニオンとの間の回転摺動部に供給する歯車機構の潤滑構造において、前記外周部に、前記回転摺動部に供給する前記オイルを前記ステップドピニオンに誘導する誘導リブが形成されていることを特徴とするものである。
また、この発明における前記誘導リブは、前記オイルを前記小径ピニオンに誘導するように形成されていてもよい。
また、この発明は、前記小径ピニオンと前記リングギヤとの噛み合い部分の中で前記小径ピニオンの歯面にかかる圧力が(相対的に)高い高面圧部位を有していてもよく、この発明における前記誘導リブは、前記オイルを前記高面圧部位に誘導するように形成されていてもよい。
また、この発明における前記高面圧部位は、前記噛み合い部分で、前記小径ピニオンと前記リングギヤとが線接触または点接触する部位、もしくは、前記圧力が局所的に高くなる部位であってもよい。
また、この発明における前記回転部材は、前記オイルが供給される前記回転部材の内周部から前記外周部まで貫通するとともに、前記内周部から前記外周部にかけて前記オイルの流通が可能な貫通穴を有し、この発明における前記誘導リブは、前記遊星歯車機構の径方向で前記高面圧部位と対向するとともに、前記高面圧部位に対する距離が最短になる頂点部を有し、前記外周部における前記貫通穴の開口部と前記頂点部とを結ぶ線を稜線にして前記外周部から山形に突出するように形成されていてもよい。
そして、この発明における前記貫通穴および前記誘導リブは、それぞれ、前記外周部の周方向に等間隔で、少なくとも二箇所に形成されていてもよい。
この発明の歯車機構の潤滑構造では、例えば、オイルポンプ、あるいは、この発明で対象にしていない他の被潤滑部位などに接続するオイル供給部から、例えば、歯車伝動装置、差動装置、回転軸、モータのロータなどの回転部材に、潤滑用のオイルが供給される。なお、この場合の潤滑は、オイルによる冷却を兼ねていてもよい。回転部材に供給されたオイルは、回転部材を潤滑しつつ、回転部材が回転する際に生じる遠心力を受けて、回転部材の外周部に流動する。外周部に移動したオイルは、回転部材の外周側に配置されている遊星歯車機構に供給される。具体的には、遊星歯車機構のキャリアとステップドピニオンとの間の回転摺動部(例えば、ベアリング)に供給される。そして、この発明の歯車機構の潤滑構造では、回転部材の外周部に誘導リブが設けられている。そのため、上記のように回転部材の外周部に移動したオイルは、誘導リブによってステップドピニオンに向けて誘導され、ステップドピニオンに供給される。例えば、ステップドピニオンの小径ピニオンに向けてオイルが誘導される。あるいは、小径ピニオンとリングギヤとの噛み合い部分における高面圧部位に向けてオイルが誘導される。なお、誘導リブは、ステップドピニオンのオイル必要部位に、オイルを供給するように誘導するものである。そのため、ステップドピニオンの大径ピニオンにオイルを供給する必要があれば、大径ピニオンにオイルを誘導するように構成されてもよい。また、ステップドピニオンに誘導されたオイルは、ステップドピニオンを潤滑した後に、キャリアとステップドピニオンとの間の回転摺動部に供給される。したがって、この発明の歯車機構の潤滑構造によれば、簡単な構成の誘導リブを設けることにより、遊星歯車機構に用いられるステップドピニオンに、効率よく、かつ、適切にオイルを供給することができる。
この発明の歯車機構の潤滑構造の構成を説明するための図であって、この発明で対象とする歯車機構(ステップドピニオンを用いた遊星歯車機構)、回転部材(差動回転機構)、および、誘導リブを示す断面図である。 この発明の歯車機構の潤滑構造の構成を説明するための図であって、誘導リブの詳細な構成(形状、配置位置等)を示す図である。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
図1に、この発明の実施形態における歯車機構の潤滑構造の一例を示してある。図1に示す潤滑構造1は、潤滑用のオイル2による潤滑の対象であって、この発明の実施形態における“歯車機構”に相当する遊星歯車機構3を備えている。また、この発明の実施形態における“回転部材”に相当する差動回転機構4を備えている。後述するように、図1では、差動回転機構4が、車両の“差動装置”を構成し、遊星歯車機構3が、“差動装置”に伝達するトルクを増幅する“減速機構”を構成する実施形態を示してある。
遊星歯車機構3は、サンギヤ5、リングギヤ6、ステップドピニオン7、および、キャリア8を有している。
サンギヤ5は、外歯歯車であって、サンギヤ軸9の外周部分に形成されている。あるいは、サンギヤ軸9の外周部分に取り付けられている。サンギヤ5とサンギヤ軸9とは一体に回転する。この図1に示す実施形態では、サンギヤ軸9には、所定の駆動力源(図示せず)から駆動トルクが伝達される。すなわち、サンギヤ軸9は、“減速機構”としての遊星歯車機構3に対する“入力軸”となっている。また、サンギヤ軸9は、中空構造の回転軸であって、その中空部分に、後述する第1回転軸18(一方のドライブシャフト)が配置されている。
リングギヤ6は、内歯歯車であって、上記のサンギヤ5と同軸上に配置されている。それとともに、リングギヤ6は、所定の“固定部材”に、回転不可能なように固定されている。図1に示す実施形態では、リングギヤ6は、“差動装置”および“減速機構”全体のケース10に固定されている。また、後述するように、遊星歯車機構3は、ステップドピニオン7を用いて構成されており、そのため、リングギヤ6は、上記のサンギヤ5に対して回転軸線方向(図1の左右方向)でずれた位置に配置されている。
ステップドピニオン7は、大径ピニオン7a、および、大径ピニオン7aよりも径が小さい小径ピニオン7bから構成されている。大径ピニオン7aと小径ピニオン7bとは、互いに同軸であり、回転軸線方向(図1の左右方向)に並んで配置されている。それら大径ピニオン7aおよび小径ピニオン7bは一体に形成されている。具体的には、ステップドピニオン7の回転軸であるピニオン軸7cの外周部分に、大径ピニオン7a、および、小径ピニオン7bがそれぞれ取り付けられている。大径ピニオン7aおよび小径ピニオン7bとピニオン軸7cとは一体に回転する。ステップドピニオン7は、遊星歯車機構3の“プラネタリギヤ”を構成している。ステップドピニオン7の大径ピニオン7aは、サンギヤ5に噛み合っている。ステップドピニオン7の小径ピニオン7bは、リングギヤ6に噛み合っている。遊星歯車機構3では、少なくとも二つの複数のステップドピニオン7が、サンギヤ5およびリングギヤ6の周方向に、等間隔で配置されている。それら複数のステップドピニオン7は、後述するキャリア8によって支持および保持されている。
キャリア8は、サンギヤ5およびリングギヤ6と同軸上で、それらサンギヤ5およびリングギヤ6に対して相対回転可能に配置されている。キャリア8は、上記の複数のステップドピニオン7を、それぞれ、自転かつ公転可能に支持している。具体的は、キャリア8は、ステップドピニオン7のピニオン軸7cを回転可能に支持している。図1に示す実施形態では、キャリア8は、キャリア8とステップドピニオン7のピニオン軸7cとの間に設けられたベアリング11を介して、ピニオン軸7cを回転可能に支持している。したがって、ベアリング11は、この発明の実施形態における“回転摺動部”に相当しており、ベアリング11には、後述するように差動回転機構4を潤滑した後のオイル2が供給される。そして、キャリア8は、後述する差動回転機構4のデフケース12に連結されており、キャリア8のトルクを差動回転機構4のデフケース12およびデフピニオン軸17に伝達する。したがって、キャリア8は、“減速機構”としての遊星歯車機構3に対する“出力軸”となっている。
上記のように、サンギヤ5、リングギヤ6、ステップドピニオン7、および、キャリア8によって、遊星歯車機構3が構成されている。リングギヤ6が回転不可能に固定されているので、遊星歯車機構3では、サンギヤ5にトルクが伝達されてサンギヤ5が回転する際に、サンギヤ5の回転数に対してキャリア8の回転数が減少する。したがって、遊星歯車機構3は、サンギヤ5を“入力軸”とし、キャリア8を“出力軸”とする“減速機構”として機能する。
差動回転機構4は、前述したように、この発明の実施形態における“回転部材”に相当するものであり、遊星歯車機構3と同軸上で、ステップドピニオン7の公転軌道の内周側に配置されている。具体的には、差動回転機構4は、遊星歯車機構3の径方向(図1の上下方向)で、ステップドピニオン7の小径ピニオン7bよりも内周側(図1の下側)に配置されている。図1に示す実施形態では、差動回転機構4は、車両(図示せず)の左右の駆動輪(図示せず)にトルクを分配して伝達する“差動装置”を構成している。すなわち、差動回転機構4は、従来、一般的に用いられているいわゆる“デファレンシャルギヤ”と同様の構成であり、デフケース12、第1サイドギヤ13、第2サイドギヤ14、第1デフピニオン15、第2デフピニオン16、および、デフピニオン軸17を有している。
デフケース12は、“デファレンシャルギヤ”すなわち差動回転機構4を覆うハウジング状の部材であって、“デファレンシャルギヤ”の入力部材となっている。デフケース12には、上記の遊星歯車機構3のキャリア8が連結されている。デフケース12とキャリア8とは一体に回転する。
第1サイドギヤ13は、大径のかさ歯車であり、第1回転軸18の後端(図1の右端部)に取り付けられている。第1サイドギヤ13と第1回転軸18とは一体に回転する。図1に示す実施形態では、第1回転軸18は、車両の左側の“ドライブシャフト”であり、第1回転軸18の先端(図1の左端部)には、車両の左側の駆動輪(図示せず)が取り付けられている。同様に、第2サイドギヤ14は、大径のかさ歯車であり、第2回転軸19の後端(図1の左端部)に取り付けられている。第2サイドギヤ14と第2回転軸19とは一体に回転する。図1に示す実施形態では、第2回転軸19は、車両の右側の“ドライブシャフト”であり、第2回転軸19の先端(図1の右端部)には、車両の右側の駆動輪(図示せず)が取り付けられている。
第1デフピニオン15は、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14よりも径が小さい小径のかさ歯車であり、デフピニオン軸17に回転可能に支持されている。第1デフピニオン15は、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14の両方に噛み合っている。同様に、第2デフピニオン16は、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14よりも径が小さい小径のかさ歯車であり、第1デフピニオン15と共に、デフピニオン軸17に回転可能に支持されている。第2デフピニオン16は、デフピニオン軸17上で、第1デフピニオン15と対向して配置されており、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14の両方に噛み合っている。
デフピニオン軸17は、上記のように第1デフピニオン15および第2デフピニオン16を、それぞれ、相対回転可能に支持している。デフピニオン軸17は、デフケース12に形成された貫通穴20にはめ込まれ、その軸方向が第1回転軸18および第2回転軸19の回転軸線と直交して配置されている。貫通穴20は、各サイドギヤ13,14、および、各デフピニオン15,16が配置されて、オイル2が供給される差動回転機構4の内周部4aから、差動回転機構4の外周部4bまで貫通している。貫通穴20は、差動回転機構4の内周部4aから外周部4bにかけてオイル2の流通が可能なように形成されている。また、貫通穴20は、デフピニオン軸17を両端部分をはめ込むため、外周部4bの外周面上の周方向で等間隔となる二箇所に形成されている。言い換えると、貫通穴20は、外周部4bの外周面上で、外周部4bの径方向で互いに対向する二箇所に形成されている。そして、デフピニオン軸17は、例えば、ピン部材21によって、端部がデフケース12に固定されている。これにより、第1デフピニオン15および第2デフピニオン16は、それぞれ、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14に噛み合いながら、デフピニオン軸17を中心にして自転し、かつ、デフピニオン軸17およびデフケース12と共に第1回転軸18および第2回転軸19の回転軸線を中心にして公転する。
所定の駆動力源から、遊星歯車機構3すなわち“減速機構”を介して、デフケース12に駆動トルクが入力されると、駆動トルクは、デフピニオン軸17を介して、第1デフピニオン15および第2デフピニオン16に伝達される。その際に、第1回転軸18と第2回転軸19とが、いずれも、同方向に等速で回転する場合は、第1デフピニオン15および第2デフピニオン16は、いずれも、自転することなく、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14の周りを、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14と噛み合いながら公転する。そのため、駆動トルクは、第1サイドギヤ13と第2サイドギヤ14とに等分に分配される。すなわち、駆動トルクは、第1回転軸18と第2回転軸19とに等しく分配される。一方、第1回転軸18と第2回転軸19とが差動回転する場合は、第1デフピニオン15および第2デフピニオン16は、それぞれ、自転しつつ、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14の周りを、第1サイドギヤ13および第2サイドギヤ14と噛み合いながら公転する。そのため、駆動トルクは、第1回転軸18および第2回転軸19の回転状態に応じたトルク配分(分配率)で、第1サイドギヤ13と第2サイドギヤ14とに分配される。すなわち、駆動トルクは、第1回転軸18と第2回転軸19とに、所定のトルク配分(分配率)で分配される。したがって、差動回転機構4は、駆動力源が出力し、デフケース12に入力される駆動トルクを、第1回転軸18と第2回転軸19とに分配して伝達するとともに、第1回転軸18と第2回転軸19との間の差動回転を可能にしている。
上記のように、差動回転機構4は、例えば車両の駆動トルクが伝達される伝動装置であり、大きな負荷が掛かる状態で運転される。そのため、差動回転機構4には、潤滑および冷却のためのオイル2が供給される。図1に示す実施形態では、第1回転軸18の軸心部分に、第1回転軸18の後端で開口する油路22が形成されている。また、第1回転軸18には、第1回転軸18の油路22から第1回転軸18の外周面まで、径方向に貫通する油路(図示せず)が形成されている。そして、例えばオイルポンプ(図示せず)から吐出されるオイル2が、第1回転軸18の径方向の油路から油路22を通って、差動回転機構4に供給され、第1サイドギヤ13と第1デフピニオン15との噛み合い部、および、第2サイドギヤ14と第2デフピニオン16との噛み合い部、ならびに、デフピニオン軸17を潤滑する。あるいは、他の被潤滑部位(図示せず)から第1回転軸18の油路22に流入するオイル2を、油路22を通して、差動回転機構4に供給する構成であってもよい。したがって、図1に示す実施形態では、上記のような第1回転軸の油路22が、この発明の実施形態における“オイル供給部”に相当する。
差動回転機構4は、第1回転軸18および第2回転軸19を中心にして回転する“回転部材”であり、差動回転機構4に供給されたオイル2は、上記のように差動回転機構4の内周部4aに配置された各部材を潤滑するとともに、差動回転機構4が回転する際の遠心力を受けて、差動回転機構4の外周部4bに向かって流動する。具体的には、差動回転機構4の内周部4aに供給されたオイル2が、デフケース12に形成された貫通穴20を通り、外周部4bに向かって流動する。そして、この発明の実施形態における潤滑構造1は、上記のように、差動回転機構4が回転する際に外周部4bに移動したオイル2を、その外周部4bを通して、遊星歯車機構3のキャリア8とステップドピニオン7との間の“回転摺動部”に供給するように構成されている。図1に示す実施形態では、差動回転機構4に供給されて差動回転機構4を潤滑したオイル2を、遊星歯車機構3のキャリア8とステップドピニオン7との間に設けられたベアリング11に供給するように構成されている。
更に、この発明の実施形態における潤滑構造1は、差動回転機構4の外周部4bから、遊星歯車機構3のベアリング11に供給するオイル2を、ステップドピニオン7に誘導する誘導リブ23を備えている。誘導リブ23は、差動回転機構4の外周部4bに形成されている。図1に示す実施形態では、誘導リブ23は、差動回転機構4の外周部4b、すなわち、デフケース12の外周面12aから、デフケース12の外周側に突出するように形成されている。
具体的には、図2に示すように、誘導リブ23は、差動回転機構4の径方向で、後述する高面圧部位24と対向するとともに、高面圧部位24に対する距離が最短になる頂点部23aを有している。誘導リブ23は、差動回転機構4の外周部4bにおける貫通穴20の開口部20aと頂点部23aとを結ぶ線を稜線23bにして、外周部4bから山形に突出するように、すなわち、外周部4bから外側に凸となるように、形成されている。また、誘導リブ23は、差動回転機構4の内周部4aからオイル2が供給されるように、デフケース12の貫通穴20に対応する位置に形成される。図1に示す実施形態では、貫通穴20は、デフピニオン軸17の両端部分の支持部を兼ねており、外周部4bの外周面上の二箇所に形成されている。したがって、誘導リブ23も、外周部4bの外周面上の二箇所に形成されている。すなわち、誘導リブ23は、外周部4bの外周面上の周方向で等間隔となる二箇所に形成されている。言い換えると、誘導リブ23は、外周部4bの外周面上で、外周部4bの径方向で互いに対向する二箇所に形成されている。
なお、この発明の実施形態における誘導リブ23は、外周部4bの外周面上の周方向で等間隔となる少なくとも二箇所に形成されていればよい。例えば、外周部4bの外周面上の周方向に120°ピッチで、三つの貫通穴20と、それに対応する三つの誘導リブ23が形成されてもよい。あるいは、外周部4bの外周面上の周方向に90°ピッチで、四つの貫通穴20と、それに対応する四つの誘導リブ23が形成されてもよい。
前述したように、歯車機構の歯車同士の噛み合い部は線接触となり、そのような線接触が生じる部位(噛み合い接線)で、局所的に歯面の面圧が高くなる。また、上記のようなステップドピニオン7を用いた遊星歯車機構3では、現実的には、ステップドピニオン7の支持構造の制約や、その他、様々な要因から、歯車の噛み合い部分にアンバランスが生じてしまう場合がある。例えば、噛み合い部分のアンバランスによって、上記のような歯車同士が線接触する部位が点接触する状態になってしまう場合がある。また、例えば、上記のようにステップドピニオン7はキャリア8によって支持される。図1に示す実施形態では、ステップドピニオン7の小径ピニオン7b側の端部(図1の右端部)が、ベアリング11を介して、キャリア8に支持されている。ステップドピニオン7の大径ピニオン7a側の端部(図1の左端部)は、キャリア8のカバー(図示せず)等によって軽便に保持されている。したがって、ステップドピニオン7は、実質的に、片持ちばりの構造となる。そのため、ステップドピニオン7に負荷が掛かり、ステップドピニオン7の軸方向にたわみが生じると、ステップドピニオン7の歯車の噛み合い部で、局所的に歯面の面圧が高くなる部位が発生してしまう。更に、加工誤差や歯車製品のばらつき、あるいは、運転時の荷重変動などに起因して、ステップドピニオン7の歯車の噛み合い部にアンバランスが生じ、局所的に歯面の面圧が高くなってしまう場合もある。
上記のような種々の要因により、図1に示す実施形態では、小径ピニオン7bとリングギヤ6との噛み合い部であって、特に、小径ピニオン7bとリングギヤ6との噛み合い部の中でキャリア8(すなわち、片持ちばりとしてのステップドピニオン7の固定端)に近い部位で、小ピニオンの歯面に作用する面圧が高くなる高面圧部位24が発生する頻度または可能性が高い。
そこで、この発明の実施形態における潤滑構造1では、上記のように、デフケース12の外周面12a、すなわち、この発明の実施形態における“回転部材”である差動回転機構4の外周部4bに、ベアリング11に供給するオイル2を、ステップドピニオン7の高面圧部位24に誘導する誘導リブ23を設けている。上述のように、油路22すなわち“オイル供給部”から、差動回転機構4に供給されたオイル2は、差動回転機構4の各部を潤滑しつつ、差動回転機構4が回転する際に生じる遠心力を受けて、差動回転機構4の内周部4aから外周部4bに流動する。外周部4bに移動したオイル2は、遊星歯車機構3のキャリア8とステップドピニオン7との間のベアリング11すなわち“回転摺動部”に供給される。その際、この発明の実施形態における潤滑構造1では、上記のような誘導リブ23が設けられているため、外周部4bからベアリング11に供給されるオイル2の少なくとも一部は、誘導リブ23の形状に沿って誘導され、ステップドピニオン7の高面圧部位24に供給される。そのため、ステップドピニオン7の高面圧部位24には、集中的に、あるいは、優先的に、オイル2が供給される。
したがって、この発明の実施形態における潤滑構造1によれば、上記のように簡単な構成の誘導リブ23を設けることにより、遊星歯車機構3に用いられるステップドピニオン7に、容易に、効率よく、かつ、適切にオイル2を供給することができる。ひいては、ステップドピニオン7を用いた遊星歯車機構3の耐久性を向上させることができる。
1 潤滑構造
2 (潤滑用の)オイル
3 遊星歯車機構(歯車機構)
4 差動回転機構(回転部材)
4a(差動回転機構の)内周部
4b(差動回転機構の)外周部
5 (遊星歯車機構の)サンギヤ
6 (遊星歯車機構の)リングギヤ
7 (遊星歯車機構の)ステップドピニオン
7a (ステップドピニオンの)大径ピニオン
7b (ステップドピニオンの)小径ピニオン
7c (ステップドピニオンの)ピニオン軸
8 (遊星歯車機構の)キャリア
9 (遊星歯車機構の)サンギヤ軸
10 ケース
11 ベアリング(回転摺動部)
12 デフケース
12a(デフケースの)外周面
13 第1サイドギヤ
14 第2サイドギヤ
15 第1デフピニオン
16 第7デフピニオン
17 デフピニオン軸
18 第1回転軸(ドライブシャフト)
19 第2回転軸(ドライブシャフト)
20 貫通穴
20a(貫通穴の)開口部
21 ピン部材
22 油路(オイル供給部)
23 誘導リブ
23a(誘導リブの)頂点部
23b(誘導リブの)稜線
24 高面圧部位

Claims (6)

  1. 外歯歯車のサンギヤ、内歯歯車のリングギヤ、前記サンギヤに噛み合う大径ピニオンおよび前記大径ピニオンよりも径が小さく前記リングギヤに噛み合う小径ピニオンが一体に形成されたステップドピニオン、ならびに、前記ステップドピニオンを自転かつ公転可能に支持するキャリアを有する遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構と同軸上で、前記ステップドピニオンの公転軌道の内周側に配置され、所定のオイル供給部から、潤滑用のオイルが供給される回転部材とを備え、前記回転部材が回転する際に、前記回転部材に供給されて前記回転部材を潤滑した前記オイルを、前記回転部材の外周部を通して前記キャリアと前記ステップドピニオンとの間の回転摺動部に供給する歯車機構の潤滑構造において、
    前記外周部に、前記回転摺動部に供給する前記オイルを前記ステップドピニオンに誘導する誘導リブが形成されている
    ことを特徴とする歯車機構の潤滑構造。
  2. 請求項1に記載の歯車機構の潤滑構造において、
    前記誘導リブは、前記オイルを前記小径ピニオンに誘導する
    ことを特徴とする歯車機構の潤滑構造。
  3. 請求項1または2に記載の歯車機構の潤滑構造において、
    前記小径ピニオンと前記リングギヤとの噛み合い部分の中で前記小径ピニオンの歯面にかかる圧力が高い高面圧部位を有し、
    前記誘導リブは、前記オイルを前記高面圧部位に誘導する
    ことを特徴とする歯車機構の潤滑構造。
  4. 請求項3に記載の歯車機構の潤滑構造において、
    前記高面圧部位は、前記噛み合い部分で、前記小径ピニオンと前記リングギヤとが線接触または点接触する部位、または、前記圧力が局所的に高くなる部位である
    ことを特徴とする歯車機構の潤滑構造。
  5. 請求項3または4に記載の歯車機構の潤滑構造において、
    前記回転部材は、前記オイルが供給される前記回転部材の内周部から前記外周部まで貫通するとともに、前記内周部から前記外周部にかけて前記オイルの流通が可能な貫通穴を有し、
    前記誘導リブは、前記遊星歯車機構の径方向で前記高面圧部位と対向するとともに、前記高面圧部位に対する距離が最短になる頂点部を有し、前記外周部における前記貫通穴の開口部と前記頂点部とを結ぶ線を稜線にして前記外周部から山形に突出するように形成されている
    ことを特徴とする歯車機構の潤滑構造。
  6. 請求項5に記載の歯車機構の潤滑構造において、
    前記貫通穴および前記誘導リブは、それぞれ、前記外周部の周方向に等間隔で、少なくとも二箇所に形成されている
    ことを特徴とする歯車機構の潤滑構造。
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