以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の車輪駆動装置を示す断面図である。図2は、図1の車輪駆動装置のカバー側を示す側面図である。図3は、図1の車輪駆動装置のモータ側を示す側面図である。本明細書においては、中心軸O1に沿った方向を軸方向、中心軸O1から垂直な方向を径方向、中心軸O1を中心に回転する方向を周方向と定義する。
実施形態1の車輪駆動装置1は、相手機械としての無人搬送装置(台車)本体に取り付けられ、無人搬送装置のモータ付き車輪を構成する装置である。車輪駆動装置1は、ホイール11と、モータ21と、減速装置31とを備える。
ホイール11は、環状であり走行面上を転がるリム部11aと、リム部11aを支持するディスク部11bと、リム部11aの外周に設けられ走行面に接触するタイヤ部11cと、を有する。
ディスク部11bは、第2延在部材34BにボルトB3により連結され、中心軸O1を中心に内歯歯車33と一体的に回転する。図2に示すように、複数のボルトB3が周方向に配置されて、ディスク部11bと第2延在部材34Bとを連結する。
モータ21は、中心軸O1を中心に回転するモータ軸23と、図示略の回転子、固定子及び制動部と、ハウジング25とを備え、電力によりモータ軸23を回転駆動する。ハウジング25には、相手機械に接続するためのタップ穴25aが設けられている。
減速装置31は、偏心揺動型減速機であり、内歯歯車33と、内歯歯車33に内接噛合する外歯歯車35と、外歯歯車35を揺動する偏心体37と、偏心体37と一体的に回転する入力軸39とを備える。また、減速装置31は、偏心体37と外歯歯車35との間に配置される偏心体軸受41と、入力軸39を回転自在に支持する入力軸受53と、主軸受51A、51Bとを備える。また、減速装置31は、内ピン43、キャリア45、ケーシング部材47、カバー49及びカウンタウェイト55を備える。主軸受51Bは、本発明に係る第1主軸受の一例に相当し、主軸受51Aは、本発明に係る第2主軸受の一例に相当する。
入力軸39は、モータ軸23に連結され、あるいはモータ軸23と一体的に構成され、中心軸O1を中心に回転する。偏心体37は、中心軸O1に垂直な断面外形が円形であり、中心軸O1から偏心されて入力軸39と一体的に回転する。偏心体37は、入力軸39と一体化された単一の部材としてもよいし、キー接続されるなど入力軸39に相対回転しないように接続される構成としてもよい。
外歯歯車35は、偏心体37に偏心体軸受41を介して組み込まれ、偏心体37が偏心回転することで揺動する。外歯歯車35には、複数の内ピン43をそれぞれ通す複数の内ピン孔35aが互いに周方向に離間して設けられている。内ピン孔35aは、内ピン43よりも径が大きく、内ピン43が固定された状態で外歯歯車35が揺動可能である。
偏心体軸受41は、内輪41aと、複数の転動体(例えばコロ)41bと、複数の転動体41bを保持する保持器(リテーナ)41cとを有する(図4を参照)。内輪41aは、偏心体37に圧入されている。なお、内輪41aがなく、転動体41bが直接に偏心体37に接触する構成としてもよい。
内歯歯車33は、内周部に複数のピン溝が設けられた内歯歯車本体33Aと、複数のピン溝にそれぞれ回転自在に支持された複数の外ピン33Bとを有する。複数のピン溝は内歯歯車本体33Aの周方向に並んで設けられ、複数の外ピン33Bは内歯として機能する。内歯歯車33の歯数は外歯歯車35の歯数と僅かに異なるように設定される(例えば歯数差が1)。
内歯歯車本体33Aには、第1延在部材34Aと第2延在部材34Bとが複数のボルトB2(図3も参照)により連結されて一体化されている。第1延在部材34Aは、軸方向の一方側(モータ側)において、内歯歯車本体33Aの側部から、外ピン33B及び外歯歯車35の側部まで延設されている。一方の第2延在部材34Bは、軸方向の他方側(カバー側)において、内歯歯車本体33Aの側部から外ピン33B及び外歯歯車35の側部まで延設されている。第1延在部材34Aの一部は、外ピン33B及び外歯歯車35の軸方向の一方(モータ側)の端面に対向して、外ピン33B及び外歯歯車35の軸方向の移動を規制する規制部K1を構成する。第2延在部材34Bの一部は、外ピン33B及び外歯歯車35の軸方向の一方(カバー側)の端面に対向して、外ピン33B及び外歯歯車35の軸方向の移動を規制する規制部K2を構成する。規制部K1、K2は、外ピン33Bの径方向への脱落も規制している。さらに、第1延在部材34A及び第2延在部材34Bは、主軸受51A、51Bと接触する部位まで延設され、主軸受51A、51Bを位置決めする。内歯歯車本体33Aと第1延在部材34A、あるいは、内歯歯車本体33Aと第2延在部材34Bは、一体化された単一の部材であってもよい。また、第1延在部材34A及び第2延在部材34Bは、内歯歯車本体33Aと一体化されているので、内歯歯車33の構成要素と見なすことができる。規制部K2は、本発明に係る規制部の一例に相当する。モータ側とは、カバー49の反対側に相当する。
キャリア45は、外歯歯車35の軸方向側部(モータ側)に配置され、複数の内ピン43を保持する。キャリア45は、減速装置31の径方向の外方を覆うケーシング部材47と、複数のボルトB1(図2も参照)により連結されて一体化されている。また、キャリア45は、モータ21のハウジング25と一体化されている。なお、キャリア45とケーシング部材47とは一体化された単一の部材であってもよい。また、ケーシング部材47は、キャリア45と一体化されているため、キャリア45の構成要素と見なすことができる。
主軸受51A、51Bは、例えばテーパコロ軸受であり、内歯歯車33の外周とケーシング部材47(キャリア45の一部)の内周との間に配置され、これらを相対回転自在に支持する。主軸受51A、51Bは、軸方向の一方の側と他方の側とにそれぞれ配置される。主軸受51A、51Bの内径は、偏心体軸受41の外径よりも大きく、また、主軸受51A、51Bの内半径は、偏心体軸受41の最も偏心した外周の部位と中心軸O1との距離よりも大きい。
カウンタウェイト55は、入力軸39にキー接続され、入力軸39が回転したときに、外歯歯車35の揺動により生じる荷重と反対の荷重が作用するように回転する。
内歯歯車33と一体化された第2延在部材34Bは、径方向の中央に、中心軸O1を中心としかつ軸方向に通じる開口部W1(図4を参照)を有する。開口部W1の径は、偏心体軸受41の外径及び入力軸受53の外径よりも大きい。また、開口部W1の半径は、偏心体軸受41が最大に偏心した外周位置から中心軸O1までの距離より長い。同様に開口部W1の半径は、カウンタウェイト55が最大に偏心した外周位置から中心軸O1までの距離(中心軸O1からの最大距離)より長い。開口部W1は、カバーによって閉塞される本発明に係る開口部の一例に相当する。
ホイール11のディスク部11bは、径方向の中央に、中心軸O1を中心としかつ軸方向に通じる開口部W2を有する。この開口部W2の径は、第2延在部材34Bの開口部W1の径よりも大きく、また、カバー49の外径よりも大きい。
カバー49は、第2延在部材34Bに複数のボルトB4(図2も参照)により着脱可能に連結され、軸方向の一方側(反モータ側)から開口部W1を塞ぐ。カバー49は、ホイール11のディスク部11bの開口部W2内に収まり、ディスク部11bよりも軸方向に突出しない。
入力軸受53は、入力軸39とカバー49との間に配置され、カバー49に対して入力軸39を回転自在に支持する。
<動作説明>
モータ21の回転駆動により入力軸39が回転すると、偏心体37が偏心回転して外歯歯車35が揺動する。偏心体37は偏心体軸受41を介して外歯歯車35の内周側で回転する。また、入力軸39が回転すると、カウンタウェイト55が回転して、外歯歯車35の揺動で生じる荷重と反対の向きに荷重を加える。これにより、外歯歯車35とカウンタウェイト55との間で回転バランスが保たれる。
外歯歯車35の内ピン孔35aには、内ピン43が通され、内ピン43はケーシング部材47に連結されたキャリア45に保持されている。さらに、外歯歯車35の一部が内歯歯車33に内接噛合し、外歯歯車35が揺動することで外歯歯車35と内歯歯車33との内接噛合する位置が周方向に変化する。このため、入力軸39が1回転するごとに、内歯歯車33は外歯歯車35に対して歯数差分(例えば1歯分)だけ回転(自転)する。
これらの結果、モータ21の回転運動が、1/(内歯歯車33の歯数)で減速されて、内歯歯車33と一体化されたホイール11が回転する。そして、ホイール11の回転により車輪駆動装置1を搭載した無人搬送装置が走行する。
<偏心体軸受の取外し方法>
図4は、図1の車輪駆動装置から偏心体軸受を取り外した状態を示す説明図である。
偏心体軸受41を交換する際、先ず、メンテナンス員は、車輪駆動装置1が相手機械(車体)に取り付けられ、かつ、ホイール11に相手機械の重量が加わったまま、ボルトB4を緩めてカバー49を取り外す。入力軸受53はカバー49に隙間嵌めされており、カバー49の取外しの際、カバー49は入力軸受53から容易に離間される。
入力軸受53は入力軸39に圧入され、かつ、カウンタウェイト55は入力軸39にキー接続されている。メンテナンス員は、続いて、圧入されている入力軸受53を、工具を用いて入力軸39から抜き、さらに、キー接続されているカウンタウェイト55を、入力軸39から取り外す。これにより、偏心体37と外歯歯車35との間に配置された偏心体軸受41が開口部W1の側へ露出する。偏心体軸受41の内輪41aは、偏心体37に圧入されている。
この状態で、メンテナンス員は、工具を用いて偏心体軸受41を偏心体37から抜き、新たな偏心体軸受41を偏心体37に圧入することで、偏心体軸受41を交換できる。なお、偏心体軸受41の内輪41aが無い構成の場合、偏心体軸受41の転動体41bと保持器41cのみを偏心体37から外して交換すれば良いし、偏心体37と偏心体軸受41とを同時に入力軸39から抜いて交換しても良い。
その後、メンテナンス員は、カウンタウェイト55と入力軸受53とを入力軸39に取り付け、カバー49をボルトB4により取り付けることで、交換作業を終了する。
以上のように、実施形態1の車輪駆動装置1によれば、反モータ側のカバー49を外すことで、主軸受51A、51Bとホイール11とを含む車輪駆動装置1を相手機械(車体)から取り外すことなく、偏心体軸受41を交換することができる。したがって、例えば車輪駆動装置1を相手機械に接続して、ホイール11に相手機械の重量が加わったままでも、偏心体軸受41を交換することができ、交換の作業性が向上する。
また、実施形態1の車輪駆動装置1によれば、内歯歯車33の外周と、キャリア45の一部(キャリア45と連結されて一体化されたケーシング部材47)の内周との間に、主軸受51A、51Bが配置されている。ここでは、キャリア45と連結されて一体化されたケーシング部材47を、キャリア45の一部と見なしている。さらに、内歯歯車33と連結されて一体化されたホイール11が、キャリア45の一部(ケーシング部材47)の径方向外方の位置まで延在している。このような構成により、減速装置31の軸方向の幅の縮小化を図ることができ、ホイール11の幅を増大せずにホイール11の内側に減速装置31を収容できる。また、上記の構成により、ホイール11と入力軸39との間にかかる大きな荷重を、減速装置31により安定的に支えることができる。
実施形態1の車輪駆動装置1によれば、内歯歯車33の一部(内歯歯車33と連結されて一体化された第2延在部材34B)が外歯歯車35の軸方向に対向する部位まで延設されている。ここでは、内歯歯車本体33Aと連結されて一体化された第2延在部材34Bを、内歯歯車33の一部と見なしている。そして、この部分が、外歯歯車35の軸方向の移動を規制する規制部K2を構成する。このような構成により、偏心体軸受41の交換の際にも、規制部K2により外歯歯車35の軸方向の移動が規制され、偏心体軸受41の取外し及び取付けの作業性が向上する。また、一般に、偏心揺動型減速機は、外歯歯車35の軸方向の移動を規制する必要がある。しかし、仮に、キャリア45と一体化された部材を、外歯歯車35の反モータ側にも配置し、これで外歯歯車35の軸方向の移動を規制すると、この部材を避けるように、内歯歯車33の一部を軸方向に延設しなければならない。そして、この延設された部位にホイール11と内歯歯車33との連結部位を確保する必要が生じる。このため、減速装置31が軸方向に増大してしまう。一方、実施形態1のように内歯歯車33の一部が規制部K2を構成することで、キャリア45によって規制する場合と比較して、減速装置31の軸方向の寸法が増大することを抑制できる。
また、実施形態1の車輪駆動装置1によれば、主軸受51A、51Bが軸方向の一方と他方とに設けられ、カバー側の主軸受51Bの内径は、偏心体軸受41の外径よりも大きい。したがって、偏心体軸受41を交換する際に、主軸受51Bが干渉することがなく、交換の作業性が向上する。
また、実施形態1の車輪駆動装置1によれば、カバー49と入力軸39との間に入力軸受53が配置される。したがって、カバー49を外すことで入力軸39の一端が解放されるが、入力軸39の一端を別の部材で支える場合と比較して、減速装置31の軸方向の短縮化を図ることができる。さらに、入力軸39の安定的な支持を実現できる。
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2の車輪駆動装置を示す断面図である。
実施形態2の車輪駆動装置101は、相手機器としての無人搬送装置本体に取り付けられ、無人搬送装置のモータ付き車輪を構成する装置である。車輪駆動装置101は、ホイール111と、モータ121と、減速装置131とを備える。
ホイール111は、環状であり走行面上を転がるリム部111aと、リム部111aを支持するディスク部111bとを有する。リム部111aの外周には走行面に接触するタイヤ部111c設けられている。ディスク部111bは、キャリア145に連結され、キャリア145と一体的に中心軸O1を中心に回転する。ディスク部111bとキャリア145とは、互いに周方向に離間して配置される複数のボルトB15によって連結される。
モータ121は、中心軸O1を中心に回転するモータ軸123と、図示略の回転子、固定子及び制動部と、相手機械に接続するためのタップ穴125aを有するハウジング125とを備え、電力によりモータ軸123を回転駆動する。ハウジング125は第1延在部材134Aに連結されて一体化される。ハウジング125と第1延在部材134Aとは、周方向に離間して配置される複数のボルトB14によって連結される。
減速装置131は、偏心揺動型減速機であり、内歯歯車133と、内歯歯車133に内接噛合する外歯歯車135と、外歯歯車135を揺動する偏心体137と、偏心体137と一体的に回転する入力軸139とを備える。また、減速装置131は、偏心体137と外歯歯車135との間に配置される偏心体軸受141と、入力軸139を回転自在に支持する入力軸受153と、主軸受151A、151Bとを備える。また、減速装置131は、内ピン143、キャリア145、ケーシング部材147、カバー149及びカウンタウェイト155を備える。主軸受151Bは、本発明に係る第1主軸受の一例に相当し、主軸受151Aは、本発明に係る第2主軸受の一例に相当する。
入力軸139は、モータ軸123に連結され、あるいはモータ軸123と一体的な軸であり、中心軸O1を中心に回転する。偏心体137は、中心軸O1に垂直な断面外形が円形であり、中心軸O1から偏心されて入力軸139と一体的に回転する。偏心体137は、入力軸139と一体化された単一の部材としてもよいし、キー接続されるなど入力軸139に相対回転しないように接続される構成としてもよい。
外歯歯車135は、偏心体137に偏心体軸受141を介して組み込まれ、偏心体137が偏心回転することで揺動する。外歯歯車135には、複数の内ピン143をそれぞれ通す複数の内ピン孔135aが互いに周方向に離間して設けられている。各内ピン孔135aは内ピン143よりも径が大きく、内ピン143が固定された状態で外歯歯車135が揺動可能である。
偏心体軸受141は、内輪141aと、複数の転動体(例えばコロ)141bと、複数の転動体141bを保持する保持器141cとを有する(図6を参照)。内輪141aは、偏心体137に圧入されている。なお、内輪141aがなく、転動体141bが直接に偏心体137に接触する構成としてもよい。
内歯歯車133は、内周部に複数のピン溝が設けられた内歯歯車本体133Aと、複数のピン溝にそれぞれ回転自在に支持された複数の外ピン133Bとを有する。複数のピン溝は内歯歯車本体133Aの周方向に並んで設けられ、複数の外ピン133Bは内歯として機能する。内歯歯車133の歯数は外歯歯車135の歯数と僅かに異なるように設定される(例えば歯数差が1)。
内歯歯車本体133Aには、第1延在部材134Aと第2延在部材134Bとが連結されて一体化されている。これらは、周方向に離間して配置される複数のボルトB12によって連結されている。第1延在部材134Aは、軸方向の一方側(モータ側)において、内歯歯車本体133Aの側部から、外ピン133B及び外歯歯車135の側部を経て、モータ軸123の近傍まで延設されている。第1延在部材134Aの径方向中央の開口部にはオイルシールS1を介してモータ軸123が通される。第1延在部材134Aは、モータのハウジング125と連結されて一体化される。これらは、周方向に離間して配置された複数のボルトB14によって連結されている。モータ側とは、カバー149の反対側に相当する。
第2延在部材134Bは、軸方向の他方側(カバー側)において、内歯歯車本体133Aの側部から、外ピン133B及び外歯歯車135の側部まで延設されている。
第1延在部材134Aの一部は、外ピン133B及び外歯歯車135の軸方向の一方(モータ側)の端面に対向して、外ピン133B及び外歯歯車135の軸方向の移動を規制する規制部K11を構成する。第2延在部材134Bの一部は、外ピン133B及び外歯歯車135の軸方向の一方(カバー側)の端面に対向して、外ピン133B及び外歯歯車135の軸方向の移動を規制する規制部K12を構成する。さらに、第1延在部材134A及び第2延在部材134Bは、主軸受151A、151Bと接触する部位まで延設され、主軸受151A、151Bを位置決めする。内歯歯車本体133Aと第1延在部材134A、あるいは、内歯歯車本体133Aと第2延在部材134Bは、一体化された単一の部材であってもよい。また、第1延在部材134A及び第2延在部材134Bは、内歯歯車本体133Aと一体化されているので、内歯歯車133の一部と見なしてもよい。
キャリア145は、外歯歯車135の軸方向側部(カバー側)に配置され、複数の内ピン143を保持する。キャリア145は、減速装置131の径方向の外方を覆うケーシング部材147に連結されて一体化されている。キャリア145とケーシング部材147とは、周方向に離間して配置される複数のボルトB11によって連結されている。キャリア145とケーシング部材147とは一体化された単一の部材であってもよい。ケーシング部材147は、キャリア145と一体化されているため、キャリア145の一部と見なしてもよい。
主軸受151A、151Bは、例えばアンギュラコロ軸受であり、内歯歯車133とケーシング部材147(キャリア145の一部)との間に配置され、これらを相対回転自在に支持する。主軸受151A、151Bは、軸方向の一方の側と他方の側とにそれぞれ配置される。主軸受151A、151Bの内径は、偏心体軸受141の外径よりも大きく、また、主軸受151A、151Bの内半径は、偏心体軸受141の最も偏心した外周の部位と中心軸O1との距離よりも大きい。
カウンタウェイト155は、偏心体137よりもモータ側に配置され、入力軸139にキー接続されている。カウンタウェイト155は、入力軸139が回転したときに、外歯歯車135の揺動により生じる荷重と反対の荷重が作用するように回転する。
キャリア145は、径方向の中央に、中心軸O1を中心としかつ軸方向に通じる開口部W11(図6を参照)を有する。開口部W11の径は、偏心体軸受141の外径及び入力軸受153の外径よりも大きい。また、開口部W11の半径は、偏心体軸受141が最大に偏心した外周位置から中心軸O1までの距離より長い。ホイール111のディスク部111bは、径方向の中央に、中心軸O1を中心としかつ軸方向に通じる開口部W12を有する。開口部W12の径は、上記の開口部W11の径よりも大きく、また、カバー149の外径よりも大きい。開口部W11は、カバーによって閉塞される本発明に係る開口部の一例に相当する。
カバー149は、キャリア145に着脱可能に連結され、軸方向の一方側(反モータ側)から開口部W11を塞ぐ。カバー149とキャリア145とは周方向に離間して配置される複数のボルトB13によって連結される。カバー149は、ホイール111のディスク部111bの開口部W12内に収まり、ディスク部111bよりも軸方向に突出しない。
入力軸受153は、入力軸139とカバー149との間に配置され、カバー149に対して入力軸139を回転自在に支持する。
<動作説明>
モータ121の回転駆動により入力軸139が回転すると、偏心体137が偏心回転して外歯歯車135が揺動する。偏心体137は偏心体軸受141を介して外歯歯車135の内周側で回転する。また、入力軸139が回転すると、外歯歯車135の揺動で生じる荷重と反対の向きに荷重が生じるようにカウンタウェイト155が回転し、外歯歯車135とカウンタウェイト155との間で回転バランスが保たれる。
外歯歯車135は、内歯歯車133に内接噛合しており、内歯歯車133はモータ121のハウジング125と連結されている。このため、外歯歯車135は、入力軸139が1回転するごとに、内歯歯車133に対して歯数差分(例えば1歯分)だけ相対回転(自転)する。外歯歯車135の自転成分は、内ピン143を介してキャリア145に伝達される。これらの結果、入力軸139の回転運動が、1/(外歯歯車135の歯数)の減速比で減速されて、キャリア145の回転として取り出すことができる。キャリア145は、ホイール111と一体的に回転し、これにより車輪駆動装置101を搭載した無人搬送装置が走行する。
<偏心体軸受の取外し方法>
図6は、図5の車輪駆動装置から偏心体軸受を取り外した状態を示す説明図である。
偏心体軸受141を交換する際、先ず、メンテナンス員は、車輪駆動装置101が相手機械に接続され、かつ、ホイール111に相手機械の重量が加わったまま、ボルトB13を緩めてカバー149を取り外す。入力軸受153はカバー149の隙間嵌めされており、カバー149の取外しの際、カバー149は入力軸受153から容易に離間される。
入力軸受153は、入力軸139に圧入されている。メンテナンス員は、続いて、圧入されている入力軸受153を、工具を用いて入力軸139から抜く。これにより、偏心体137と外歯歯車135との間に配置された偏心体軸受141が開口部W11の側へ露出する。偏心体軸受141の内輪141aは、偏心体137に圧入されている。
この状態で、メンテナンス員は、工具を用いて偏心体軸受141を偏心体137から抜き、新たな偏心体軸受141を偏心体137に圧入することで、偏心体軸受141を交換できる。なお、偏心体軸受141の内輪141aが無い構成の場合、偏心体軸受141の転動体141bと保持器141cのみを偏心体137から外して交換しても良い。あるいは、偏心体137と偏心体軸受141とを同時に入力軸139から抜いて交換しても良い。
その後、メンテナンス員は、入力軸受153を入力軸139に嵌め、カバー149をボルトB13により取り付けることで、交換作業を終了する。
以上のように、実施形態2の車輪駆動装置101によれば、反モータ側のカバー149を外すことで、主軸受151A、151Bとホイール111とを含む車輪駆動装置101を相手機械(車体)から取り外すことなく、偏心体軸受141を交換することができる。したがって、例えば車輪駆動装置101を相手機械に接続して、ホイール111に相手機械の重量が加わったままでも、偏心体軸受141を交換することができ、交換の作業性が向上する。
また、実施形態2の車輪駆動装置101によれば、主軸受151A、151Bが軸方向の一方と他方とに設けられ、カバー側の主軸受151Bの内径は、偏心体軸受141の外径よりも大きい。したがって、偏心体軸受141を交換する際に、主軸受151Bが干渉することがなく、交換の作業性が向上する。
また、実施形態2の車輪駆動装置101によれば、カバー149と入力軸139との間に入力軸受153が配置される。したがって、カバー149を外すことで入力軸139の一端が解放されるが、入力軸139の一端を別の部材で支える場合と比較して、減速装置131の軸方向の短縮化を図ることができる。さらに、入力軸139の安定的な支持を実現できる。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3の車輪駆動装置を示す断面図である。
実施形態3の車輪駆動装置201は、例えば無人搬送装置(台車)の本体に取り付けられ、無人搬送装置のモータ付き車輪を構成する。車輪駆動装置201は、ホイール211と、モータ221と、減速装置231とを備える。
ホイール211は、外周部に設けられるタイヤ部211cと、タイヤ部211cが取り付けられるリム部211aと、リム部211aを支持するディスク部211bとを有する。ディスク部211bは、装置の反モータ側で径方向に延設され、ボルトB23により減速装置231に連結される。具体的には、ディスク部211bは、内歯歯車233の保持部材233dに連結される。
モータ221は、中心軸O1を中心に回転するモータ軸223と、図示略の回転子、固定子及び制動部と、ハウジング225とを備え、電力によってモータ軸223を回転駆動する。ハウジング225には、無人搬送装置の本体に連結されるタップ穴225aが設けられている。モータ軸223は、本発明に係る入力軸の一例に相当する。
減速装置231は、偏心揺動型減速機であり、内歯歯車233、外歯歯車235、偏心体237、偏心体軸受241、複数の内ピン243、複数の内ローラ244、キャリア245、ケーシング部材247、カバー249、主軸受251A、251B、入力軸受253A、253B、カウンタウェイト255、スリーブ257及びスペーサ259を備える。
外歯歯車235は、外歯に加えて、軸心からオフセットされた位置に軸方向に貫通する複数の内ピン孔235aと、中央孔と、を有する。複数の内ピン孔235aは、外歯歯車235の軸心を中心とする同一半径の円周上の複数の箇所に設けられている。外歯歯車235の軸心とは、外歯のピッチ円の中心軸を意味する。
偏心体237は、例えばキー接続によりモータ軸223に連結され、モータ軸223と一体的に回転する。偏心体237は、外歯歯車235の中央孔に軸方向に通されて組み込まれる。偏心体237と外歯歯車235との間には偏心体軸受241が配置され、偏心体237は外歯歯車235の内側で外歯歯車235に対して相対的に回転可能にされる。偏心体237が回転することで、外歯歯車235が偏心揺動する。
偏心体軸受241は、内輪241aと、複数の転動体(例えばコロ)241bと、複数の転動体241bを保持する保持器241cとを有する(図8を参照)。内輪241aは、偏心体237に圧入されている。なお、内輪241aがなく、転動体241bが直接に偏心体237に接触する構成としてもよい。
内歯歯車233は、内周部に複数のピン溝が設けられた内歯歯車本体233aと、複数のピン溝にそれぞれ回転自在に支持された複数の外ピン233bと、内歯歯車本体233aに連結されて複数の外ピン233bを保持する保持部材233c、233dとを有する。複数のピン溝は周方向に並んで設けられる。複数の外ピン233bが内歯として機能する。内歯歯車233の歯数(外ピン233bの数)は外歯歯車235の歯数と異なる(例えば歯数差が1)。内歯歯車233の内側には外歯歯車235が配置され、外歯歯車235の最も偏心した部分の外歯が外ピン233b(内歯)と噛み合う。
内歯歯車本体233aには、保持部材233c、233dが複数のボルトB22により連結されている。一方の保持部材233cは、内歯歯車本体233aのモータ側の側部から、外ピン233b及び外歯歯車235の側部まで延設されている。もう一方の保持部材233dは、内歯歯車本体233aの反モータ側の側部から外ピン233b及び外歯歯車235の側部まで延設されている。保持部材233dは、中央が開口された環状の形態を有し、軸方向から見て、内ローラ244とは重ならない(保持部材233dの中央の開口部に内ローラ244が重なる)。一方の保持部材233cの一部は、外ピン233b及び外歯歯車235の軸方向の一方(モータ側)の端面に対向して、外ピン233b及び外歯歯車235の軸方向の移動を規制する規制部K21を構成する。もう一方の保持部材233dの一部は、外ピン233b及び外歯歯車235の軸方向の一方(カバー側)の端面に対向して、外ピン233b及び外歯歯車235の軸方向の移動を規制する規制部K22を構成する。規制部K21、K22は、外ピン233bの径方向への脱落も規制している。内歯歯車本体233aと保持部材233c、あるいは、内歯歯車本体233aと保持部材233dは、一体化された単一の部材であってもよい。規制部K22は、本発明に係る規制部の一例に相当する。モータ側は、軸方向におけるモータ221が有る側、反モータ側及びカバー側は、軸方向におけるカバー249が有る側で、モータ側の反対側に相当する。
キャリア245は、外歯歯車235の軸方向の一方(モータ側)に配置され、複数の内ピン243と連結される。外歯歯車235の各内ピン孔235aには内ピン243が軸方向に挿通される。各々の内ピン243には、内ローラ244が外嵌され、内ピン243の外周面と内ピン孔235aの内周面との間に内ローラ244が介在する。内ローラ244は、例えば筒体の部材である。
キャリア245は、モータ221のハウジング225と一体化されたベース部245aと、複数の内ピン243が保持される環状の保持枠245bとを有する。保持枠245bはベース部245aにボルトB25により連結される。キャリア245は複数組の内ピン243及び内ローラ244を介して外歯歯車235と係合され、これによりキャリア245の運動(固定により静止)と外歯歯車235の自転成分とが同期する。キャリア245は、減速装置231の径方向の外方を覆うケーシング部材247と、複数のボルトB21により連結されて一体化されている。ケーシング部材247は、キャリア245と一体化されているため、キャリア245の構成要素と見なすことができる。
主軸受251A、251Bは、例えば玉軸受であり、中心軸O1を中心に内歯歯車233を回転自在に支持する。2つの主軸受251A、251Bは、軸方向の一方の側と他方の側とにそれぞれ配置される。主軸受251A、251Bの内径は、偏心体軸受241の外径よりも大きく、また、主軸受251A、251Bの内半径は、偏心体軸受241の最も偏心した外周の部位と中心軸O1との距離よりも大きい。主軸受251Bは、本発明に係る第1主軸受の一例に相当し、主軸受251Aは、本発明に係る第2主軸受の一例に相当する。
カウンタウェイト255は、モータ軸223にキー接続され、モータ軸223が回転したときに、外歯歯車235の揺動により生じる荷重と反対の荷重が作用するように回転する。具体的には、カウンタウェイト255は、偏心体237の偏心方向と反対側に重心を有する。
内歯歯車233に含まれるカバー側の保持部材233dは、径方向の中央に、中心軸O1を中心としかつ軸方向に通じる開口部W21(図8を参照)を有する。開口部W21の径は、複数の内ローラ244の外接円径、偏心体軸受241の外径及び反モータ側の入力軸受253Bの外径よりも大きい。また、開口部W21の半径は、偏心体軸受241が最大に偏心した外周位置から中心軸O1までの距離より長い。同様に開口部W21の半径は、カウンタウェイト255が最大に偏心した外周位置から中心軸O1までの距離(中心軸O1からの最大距離)より長い。開口部W21は、カバーによって閉塞される本発明に係る開口部の一例に相当する。
ホイール211のディスク部211bは、径方向の中央に、中心軸O1を中心としかつ軸方向に通じる開口部W22(図8を参照)を有する。この開口部W22の径は、保持部材233dの開口部W21の径よりも大きく、また、カバー249の外径よりも大きい。
カバー249は、内歯歯車233のカバー側の保持部材233dに複数のボルトB24により着脱可能に連結され、軸方向の一方側(反モータ側)から開口部W21を塞ぐ。カバー249は、ホイール211のディスク部211bの開口部W22内に収まり、ディスク部211bよりも軸方向に突出しない。カバー249は、周方向の全周において軸方向の反モータ側に突出したローラ規制部K23を有する。ローラ規制部K23は、内ローラ244に対して軸方向の反モータ側から対向し、内ローラ244の軸方向の移動を規制する。
入力軸受253A、253Bは、外歯歯車235よりも軸方向の一方と他方とで、モータ軸223を回転自在に支持する。一方の入力軸受253Aは、キャリア245とモータ軸223との間に配置され、他方の入力軸受253Bは、カバー249とモータ軸223との間に配置されている。モータ軸223の反モータ側の端部は、モータ側よりも小径であり、この端部には、スリーブ257を介して入力軸受253Bが外嵌されている。さらに、モータ221には軸受227が設けられ、軸受227は、モータ軸223のモータ側の部位を回転自在に支持している。
スペーサ259は、モータ軸223に外嵌する環状の部材であり、反モータ側の入力軸受253Bと、カウンタウェイト255との間に介在し、これらを離間させる。スペーサ259は、入力軸受253Bの外輪に接触しない径を有する。
<動作説明>
モータ221の駆動によりモータ軸223が回転すると、偏心体237が回転して外歯歯車235が偏心揺動する。偏心体237の回転に伴い、カウンタウェイト255が回転し、外歯歯車235の偏心揺動で生じる荷重と反対の向きに荷重が加わることで、減速装置231の内部の回転のバランスが保たれる。外歯歯車235はキャリア245に内ピン243を介して接続されている一方、キャリア245はモータ221のハウジング225に固定されている。このため外歯歯車235の自転成分はキャリア245に同期してゼロとなり、外歯歯車235は偏心揺動するのみで回転(自転)しない。
一方、外歯歯車235の外歯と内歯歯車233の内歯との噛合する位置は、外歯歯車235の偏心揺動に応じて周方向に変化する。このため、偏心体237が1回転するごとに、内歯歯車233と外歯歯車235との歯数差分(例えば1歯)、内歯歯車233が回転(自転)する。これらの結果、モータ221の回転運動が1/(内歯歯車の歯数)で減速されて内歯歯車233と一体化されたホイール211に出力される。ホイール211の回転により無人搬送装置が走行する。
<偏心体軸受の取外し方法>
図8は、図7の車輪駆動装置から偏心体軸受を取り外す前段の状態を示す説明図である。
偏心体軸受241を交換する際、先ず、メンテナンス員は、車輪駆動装置201が相手機械(車体)に取り付けられ、かつ、ホイール211に相手機械の重量が加わったまま、ボルトB24を緩めてカバー249を取り外す。反モータ側の入力軸受253Bはカバー249に隙間嵌めされており、カバー249の取外しの際、カバー249は入力軸受253Bから容易に離間される。
入力軸受253Bはスリーブ257を介してモータ軸223に圧入され、スペーサ259はモータ軸223に隙間嵌めされ、かつ、カウンタウェイト255はモータ軸223にキー接続されている。メンテナンス員は、続いて、圧入されている入力軸受253Bを、工具を用いてモータ軸223から抜き、さらに、スペーサ259と、キー接続されているカウンタウェイト255とを、モータ軸223から取り外す。これにより、偏心体237と外歯歯車235との間に配置された偏心体軸受241が開口部W21の側へ露出する。
次に、メンテナンス員は、内ピン243から内ローラ244を取り外す。内ローラ244は内ピン243に隙間嵌めされており、容易に取り外すことができる。この状態で、メンテナンス員は、工具を用いて偏心体軸受241を偏心体237から抜き、新たな偏心体軸受241を偏心体237に圧入することで、偏心体軸受241を交換できる。このとき、内ローラ244が取り外されて、外歯歯車235の固定が緩んでいるため、偏心体軸受241の取外し及び取付けが容易になる。なお、偏心体軸受241の内輪241aが無い構成の場合、偏心体軸受241の転動体241bと保持器241cのみを偏心体237から外して交換すれば良いし、偏心体237と偏心体軸受241とを同時にモータ軸223から抜いて交換しても良い。
その後、メンテナンス員は、内ピン243に内ローラ244を嵌め、カウンタウェイト255、スペーサ259、スリーブ257及び入力軸受253Bをモータ軸223に取り付け、カバー249をボルトB24により取り付けることで、交換作業を終了する。
以上のように、実施形態3の車輪駆動装置201によれば、実施形態1と同様の構成により、実施形態1と同様の作用効果が得られる。さらに、実施形態3の車輪駆動装置201によれば、カバー249を取り外すことで、ホイール211と主軸受251A、251Bと含む部分を相手機械に取り付けたまま、開口部W21から内ローラ244を取り外すことができる。したがって、偏心体軸受241を交換する際に、外歯歯車235の固定を緩めることができ、偏心体軸受241の取外し及び取付けを容易に行うことができる。
さらに、実施形態3の車輪駆動装置201によれば、カバー249に、内ローラ244の軸方向の移動を規制するローラ規制部K23が設けられている。これにより、カバー249を取り外すことで、内ローラ244を取り外すことが可能となり、かつ、カバー249を取り付けることで、内ローラ244が内ピン243に沿って位置ズレしたり内ピン243から脱落したりすることを抑制できる。
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、無人搬送装置に取り付けられる車輪駆動装置を示したが、本発明の車輪駆動装置は、種々の走行装置(相手機械)に適用されてもよい。例えば、荷物を運ぶ機能を有さない走行装置に適用されてもよい。また、上記実施形態では、内歯歯車33、233又はキャリア145に、カバー49、149、249が着脱自在に連結される構成を示した。しかし、カバーは、例えばホイール11、111、211のディスク部11b、111b、211bに着脱自在に連結されて、開口部W1、W2、W11、W12、W21、W22を閉塞する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、主軸受として、軸方向の一方側と他方側とにそれぞれ配置される2組の主軸受51A、51B、151A、151B、251A、251Bを示したが、例えばクロスローラ軸受等を適用すれば、1つの主軸受とすることができる。この場合、主軸受は軸方向のモータ側に配置し、主軸受の内径は偏心体軸受41、141、241の外径以下としてもよい。
また、上記実施形態では、偏心体と一体に回転する1本の偏心体軸(入力軸、モータ軸)を減速装置の軸心に配置した所謂センタークランク式の偏心揺動型減速装置を示した。しかし、本発明は、2個以上の偏心体軸が減速機の軸心からオフセットして配置された所謂振り分け型の偏心揺動型減速装置に適用してもよい。振り分け型の偏心揺動型減速装置を適用した場合、偏心体軸受を交換するのに開閉されるカバーは、各偏心体軸を別箇に露出させるように、複数の偏心体軸にそれぞれ対応する位置に複数設けられていてもよい。あるいは、複数の偏心体軸を一緒に露出させるように、カバーは、複数の偏心体軸が配置される範囲を含む大きさで、中央に1つ設けられていてもよい。また、上記実施形態では、外歯歯車及び偏心体が一組の構成を示したが、複数組の構成であっても良い。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。