JP2023104800A - 熱伝導性シリコーン組成物および半導体装置 - Google Patents

熱伝導性シリコーン組成物および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導性充填材を多量に充填していても、圧縮性が良好である熱伝導性シリコーン組成物を提供する。【解決手段】熱伝導性シリコーン組成物であって、(A)25℃での動粘度が10~100,000mm2/sであり、アルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサン、(B)アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン、(C)熱伝導率が10W/m・K以上の不定形、丸み状、及び多面体状から選ばれる1種以上の熱伝導性充填材、及び、(D)体積基準の粒度分布におけるD50が0.005~1μmの範囲であり、D90/D10が3以下であり、平均円形度が0.8~1である疎水性球状シリカ粒子、を含み、前記(C)成分の量が、前記熱伝導性シリコーン組成物全体の40~85体積%であることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性シリコーン組成物および半導体装置に関する。
半導体素子は、使用中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として、様々な放熱技術が用いられている。一般的に、発熱部の付近に冷却部材(ヒートシンク等)を配置し、両者を密接させたうえで冷却部材から効率的に除熱することにより放熱を行っている。その際、発熱部材と冷却部材との間に隙間があると、熱伝導性の低い空気が介在することにより熱伝導率が低下し、発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような現象を防ぐため、熱伝導率がよく、部材の表面に追随性のある放熱材料、例えば放熱グリースや放熱シートが用いられている。
近年、サーバー向けCPUや車両駆動用のIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)など高品位機種の半導体に関して、ますます動作時の発熱量が増大している。発熱量の増大に伴って放熱グリースや放熱シートに要求される放熱性能も向上しており、放熱性能の向上とは即ち放熱グリースや放熱シートなどの熱抵抗を下げることであり、そのため、これらの放熱材料には熱伝導性充填材を高充填する必要がある。また、熱抵抗は厚みと比例関係にあるため、粗粒を除去する等の粒度分布が精密に制御された熱伝導性充填材が用いられている(特許文献1)。しかしながら、粒度分布が精密に制御された熱伝導性充填材を用いたとしても、熱伝導性充填材を高充填すると、放熱材料を圧縮する際に潰れにくく、放熱材料の厚みが小さくなりにくいため熱抵抗が十分に低下しないという問題があった。
特開2019-210305号公報
上述したように、低い熱抵抗のシリコーン組成物の開発が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、熱伝導性充填材を多量に充填していても、圧縮性が良好である熱伝導性シリコーン組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、熱伝導性シリコーン組成物であって、
(A)25℃での動粘度が10~100,000mm/sであり、アルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサン、
(B)アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン、
(C)熱伝導率が10W/m・K以上の不定形、丸み状、及び多面体状から選ばれる1種以上の熱伝導性充填材、及び、
(D)体積基準の粒度分布におけるD50が0.005~1μmの範囲であり、D90/D10が3以下であり、平均円形度が0.8~1である疎水性球状シリカ粒子、
を含み、前記(C)成分の量が、前記熱伝導性シリコーン組成物全体の40~85体積%である熱伝導性シリコーン組成物を提供する。
この熱伝導性シリコーン組成物は、従来の熱伝導性シリコーン組成物に比べ高い熱伝導率を有し、かつ、良好な圧縮性を有するものである。
また、本発明では、前記(C)成分が、金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる1種以上であることが好ましい。
このような熱伝導性充填材を含む熱伝導性シリコーン組成物であれば、熱伝導性及び取り扱い性がより良好なものとなる。
このとき、前記(C)成分が、D50が4~30μmの窒化アルミニウム、及びD50が0.1~3μmの不定形酸化亜鉛を含むものであることが好ましい。
このような組み合わせであれば、熱伝導性及び取り扱い性がさらに良好なものとなる。
また、本発明では、前記(D)成分が、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物、又はこれらの混合物の加水分解縮合物からなる親水性球状シリカ粒子の表面に、RSiO3/2単位(Rは置換又は非置換の炭素原子数1~20の一価炭化水素基である)、及び、R SiO1/2単位(各Rは同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1~6の一価炭化水素基である)を有する疎水性球状シリカ粒子であることが好ましい。
このような疎水性球状シリカ粒子を用いることにより、熱伝導性シリコーン組成物の圧縮性をより向上させることができる。
また、本発明では、厚み100μmの前記熱伝導性シリコーン組成物を25℃、0.1MPaで60分間加圧したときの前記熱伝導性シリコーン組成物の厚みが、前記熱伝導性シリコーン組成物中の熱伝導性充填材のうち体積基準の粒度分布におけるD95が最大のものに対し2倍以下のものであることが好ましい。
前記厚みが所定の値以下であると、熱伝導性シリコーン組成物を圧縮した際の熱抵抗を更に低くすることができる。
また、本発明では、上記に記載の熱伝導性シリコーン組成物が、発熱体と冷却体の間に形成された厚み100μm以下の間隙に介在されたものである半導体装置を提供する。
この半導体装置は、発熱体と冷却体の間に形成された狭い間隙に従来の熱伝導性シリコーン組成物に比べ高い熱伝導率を有し、かつ100μm以下への圧縮性が良好な熱伝導性シリコーン組成物が介在されたものであることから、優れた冷却性能を有するものである。
本発明によれば、従来の熱伝導性シリコーン組成物に比べ高い熱伝導率を有し、熱伝導性充填材を多量に含有しても良好な圧縮性を有し、圧縮後に低い熱抵抗を与える熱伝導性シリコーン組成物を得ることができる。
上述のように、高い熱伝導率を有し、かつ圧縮性が良好である熱伝導性シリコーン組成物の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定の動粘度を有し、アルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサン、アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン、特定の熱伝導率及び形状を有する熱伝導性充填材、特定の粒度分布および平均円形度を有する疎水性シリカ粒子を含む熱伝導性シリコーン組成物が、熱伝導性充填材を多量に充填しても良好な圧縮性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、熱伝導性シリコーン組成物であって、
(A)25℃での動粘度が10~100,000mm/sであり、アルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサン、
(B)アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン、
(C)熱伝導率が10W/m・K以上の不定形、丸み状、及び多面体状から選ばれる1種以上の熱伝導性充填材、及び、
(D)体積基準の粒度分布におけるD50が0.005~1μmの範囲であり、D90/D10が3以下であり、平均円形度が0.8~1である疎水性球状シリカ粒子、
を含み、前記(C)成分の量が、前記熱伝導性シリコーン組成物全体の40~85体積%である熱伝導性シリコーン組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[(A)成分]
(A)成分は、25℃での動粘度10~100,000mm/s、好ましくは30~10,000mm/sであり、アルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンの動粘度が上記下限値より低いとグリースにした時にオイルブリードが発生しやすくなる。また、上記上限値より大きいと、熱伝導性シリコーン組成物の伸展性が乏しくなるおそれがある。なお、本発明において、動粘度はオストワルド粘度計で測定した25℃の値である。
(A)成分は、上記動粘度を有するオルガノポリシロキサンであればよく、分子構造は特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状、環状等のいずれであってもよいが、アルコキシシリル基を有しない点において後述する(B)成分のアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンと区別される。
(A)成分としては、下記平均組成式(1)で表されるものが好ましい。
SiO(4-a)/2 (1)
上記式(1)において、Rは、互いに独立に、炭素原子数1~18、好ましくは1~14の非置換又は置換の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、及びオクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、及びアリル基等のアルケニル基、フェニル基、及びトリル基等のアリール基、2-フェニルエチル基、及び2-メチル-2-フェニルエチル基等のアラルキル基、又は、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、3,3,3-トリフロロプロピル基、2-(パーフロロブチル)エチル基、2-(パーフロロオクチル)エチル基、p-クロロフェニル基等が挙げられる。
上記式(1)において、aは1.8~2.2の範囲、特には1.9~2.1の範囲にある数である。aが上記範囲内にあることにより、得られるシリコーン組成物はグリースとして要求される良好な粘度を有することができる。
上記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、下記式(2)で表される、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 2023104800000001
上記式(2)において、Rは、互いに独立に、炭素原子数1~18、好ましくは1~14の、非置換又は置換の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、上述した基が挙げられる。中でも、両末端のRは全てメチル基であることが好ましい。mは該オルガノポリシロキサンの25℃での動粘度が10~500,000mm/s、好ましくは30~10,000mm/s、更に好ましくは100~8,000mm/sとなる数である。
(A)成分は、1種単独でも、2種以上の組合せであってもよい。
[(B)成分]
(B)成分は、アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンである。(B)成分は、後述する(C)成分の熱伝導性充填材の表面処理剤として作用し、(A)成分及び(B)成分と熱伝導性充填材との相互作用が強くなるため、熱伝導性充填材を熱伝導性シリコーン組成物に多量に充填しても、熱伝導性シリコーン組成物の流動性を保つことができる。同時に、経時でのオイル分離やポンプアウトに起因する放熱性能の低下も抑えることができる。(B)成分としては、例えば下記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。中でも、3官能の加水分解性オルガノポリシロキサンを含有することが好ましい。
Figure 2023104800000002
(式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基である。X、X、XはR又は-(R-SiR10 (OR113-gで示される基であり、それぞれ異なってもよいが、少なくとも1つは-(R-SiR10 (OR113-gである。Rは酸素原子又は炭素数1~4のアルキレン基、R10は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R11は独立に炭素数1~4のアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、又はアシル基であり、nは0又は1、gは0~2の整数である。b及びcはそれぞれ1≦b≦1,000、0≦c≦1,000である。)
上記式(3)中、Rは独立に非置換又は置換の、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは1~6、さらに好ましくは1~3の1価炭化水素基であり、その例としては、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、2-エチルヘキシル基が挙げられる。環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、2-フェニルエチル基、2-メチル-2-フェニルエチル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、例えば、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2-(ノナフルオロブチル)エチル基、2-(ヘプタデカフルオロオクチル)エチル基が挙げられる。Rとしては、メチル基、フェニル基、ビニル基が好ましい。
の炭素数1~4のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。R10は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは1~6、さらに好ましくは1~3の非置換又は置換の1価炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、ならびにこれらの基の炭素原子が結合している水素原子の一部又は全部が、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換された基等が挙げられる。
上記R11は独立に炭素数1~4のアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、又はアシル基である。上記R11のアルキル基としては、例えば、Rについて例示したものと同様の、炭素数1~4のアルキル基等が挙げられる。アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、メトキシプロピル基等が挙げられる。上記R11のアシル基としては、例えば、炭素数2~8のものが好ましく、アセチル基、オクタノイル基等が挙げられる。R11はアルキル基であることが好ましく、特にはメチル基、又はエチル基であることが好ましい。
b、cは上記の通りであるが、好ましくはb+cが10~1000であり、より好ましくは10~300である。nは0又は1であり、gは0~2の整数であり、好ましくは0である。なお、分子中にOR11基は1~6個、特に3又は6個有することが好ましい。なお、括弧内に示される各シロキサン単位の結合順序は、下記に制限されるものではない。
(B)成分の好適な具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2023104800000003
(B)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計に対し、10~99質量%であることが好ましく、50~95質量%がより好ましく、70~90質量%が特に好ましい。この範囲の(B)成分を含有することで良好な圧縮性を保ちつつ、オイル分離やポンプアウトに起因する熱抵抗の悪化を防ぐことができる。また、(B)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて配合してよい。
[(C)成分]
(C)成分は、熱伝導率が10W/m・K以上の不定形、丸み状、及び多面体状から選ばれる1種以上の熱伝導性充填材である。熱伝導率が10W/m・Kより小さいと、熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率が不足する。熱伝導率の上限は特に制限はないが、通常、500W/m・K程度である。
また、熱伝導性充填材の形状は球状を除く、不定形、丸み状、及び多面体状から選ばれる1種以上であり、このような熱伝導性充填材であれば、組成物が高い熱伝導率および良好な圧縮性を有するものとなる。なお、ここでいう丸み状とは粒子の角が少なく、粒子が丸みを帯びた滑らかな状態であり、かつ、球状は含まれない。丸み状は角を有する点で球状とは明確に異なるものである。ここでいう球状とは、平均円形度が0.8以上であることを意味し、平均円形度は、走査型電子顕微鏡にて撮影した粒子像を画像解析装置、例えばJEOL社製商品名「JSM-7500F」に取り込み、次のようにして測定することができる。すなわち、写真から粒子の投影面積(X)と周囲長(Z)を測定する。周囲長(Z)に対応する真円の面積を(Y)とすると、その粒子の円形度はX/Yとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(Z)と同一の周囲長をもつ真円を想定すると、Z=2πr、Y=πrであるから、Y=π×(Z/2π)となり、個々の粒子の円形度は、円形度=X/Y=X×4π/Zとして算出することができる。このようにして得られた任意の粒子100個の円形度を求め、その平均値を平均円形度とする。
(C)成分の粒子径は、体積基準の粒度分布におけるD50(メジアン径)が0.01~100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1~30μmの範囲である。このような範囲であれば、得られる熱伝導性シリコーン組成物がより伸展性に優れ、圧縮時の熱抵抗がより小さいものとなる。なお、熱伝導性充填材の粒度分布は日機装(株)製マイクロトラックMT330OEXにより測定できる。
熱伝導性充填材としては、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、金粉末、錫粉末、金属ケイ素粉末、インジウム粉末、ガリウム粉末、ダイヤモンド粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末などが挙げられ、(C)成分は単独、または、2種類以上組み合わせてもよいが、電子部品の絶縁を必要とする場合は、窒化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、アルミナ粉末、酸化亜鉛粉末などの金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる1種以上であることが好ましい。
中でも、D50が4~30μmの窒化アルミニウム、及びD50が0.1~3μmの不定形酸化亜鉛を含むものであることが好ましく、このような組み合わせであれば、組成物の熱伝導性及び取り扱い性がより良好なものとなる。
(C)成分の配合量は、熱伝導性シリコーン組成物全体の40~85体積%である。(C)成分が40体積%未満であると得られる熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率が低くなり、85体積%を超えると熱伝導性シリコーン組成物の粘度が高くなりすぎ、作業性が低下する。
[(D)成分]
(D)成分は体積基準の粒度分布におけるD50が0.005~1μmの範囲であり、D90/D10が3以下であり、平均円形度が0.8~1である疎水性球状シリカ粒子である。
(D)成分は(C)成分の表面に付着し、熱伝導性シリコーン組成物の粘度上昇を抑えるとともに、熱伝導性シリコーン組成物の圧縮時において熱伝導性充填材の滑剤として働き、圧縮性を向上させることができる。
(D)成分のD50は、0.005~1μmであり、好ましくは0.01~0.3μm、特に好ましくは0.01~0.25μmである。D50が0.005μmよりも小さいと、粒子の凝集が起こりやすくなり、また、1μmよりも大きいと、圧縮性の向上効果が乏しくなる。
(D)成分のD90/D10の値は、3以下であり、2.9以下であることが好ましい。D90/D10の値が3を超えると、粒度分布が広くなりすぎることにより、熱伝導性シリコーン組成物の流動性、及び圧縮性の向上効果に劣る。
ここで、D10及びD90はそれぞれ、体積基準の粒度分布において、小さい側から累積10%となる粒子径をD10、小さい側から累積90%となる粒子径をD90という。なお、疎水性球状シリカ粒子の体積基準の粒度分布は、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA-EX150)により測定することができる。
(D)成分の平均円形度は0.8~1であり、ここで「球状」とは、真球だけでなく、若干歪んだ球も含む。このような「球状」の形状とは、粒子を二次元に投影した時の円形度で評価し、円形度が0.8~1の範囲にあるものをいう。ここで円形度とは、(粒子と面積が等しい真円の周囲長)/(粒子の周囲長)から算出することができる。また、本発明における平均円形度は、電子顕微鏡で得られる粒子像を画像解析することにより測定した粒子10個の平均値である。
(D)の疎水性球状シリカ粒子は、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物、又はこれらの混合物の加水分解縮合物からなる親水性球状シリカ粒子、即ち4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物、又はこれらの混合物を加水分解、及び縮合することによって得られた実質的にSiO単位からなる親水性球状シリカ粒子の表面にRSiO3/2単位(Rは置換又は非置換の炭素原子数1~20の一価炭化水素基である)、及び、R SiO1/2単位(各Rは同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1~6の一価炭化水素基である)を有するものであることが好ましい。
上記において、親水性球状シリカ粒子が「実質的にSiO単位からなる」とは、該微粒子は基本的にはSiO単位から構成されているが該単位のみから構成されている訳ではなく、少なくとも表面に通常知られているようにシラノール基を多数個有することを意味する。また、場合によっては、原料である4官能性シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合生成物に由来する加水分解性基(ヒドロカルビルオキシ基)が一部シラノール基に転化されずに若干量そのまま微粒子表面や内部に残存していてもよいことを意味する。
以上のように、本発明においては、テトラアルコキシシランの加水分解によって得られる小粒径ゾルゲル法シリカをシリカ原体(疎水化処理前のシリカ)として、これに特定の表面処理を行なうことにより、粉体として得たときに疎水化処理後の粒子径がシリカ原体の一次粒子径を維持しており、これらの凝集を防げる。
小粒径のシリカ原体として、アルコキシ基の炭素原子数が小さいテトラアルコキシシランを用いること、溶媒として炭素原子数の小さいアルコールを用いること、加水分解温度を高めること、テトラアルコキシシランの加水分解時の濃度を低くすること、加水分解触媒の濃度を低くすることなど、反応条件を変更することにより、任意の粒子径のシリカ原体を得ることができる。
この小粒径のシリカ原体に、前述の通り、そして更に詳しく以下に述べるように、特定の表面処理を行なうことにより、所望の疎水性球状シリカ粒子が得られる。
次に、上記疎水性球状シリカ粒子の製造方法の一つについて、以下に詳細に説明する。
<成分(D)の疎水性球状シリカ粒子の製造方法>
本発明の熱伝導性シリコーン組成物に用いられる疎水性球状シリカ粒子は、
工程(D1):親水性球状シリカ粒子の合成工程、
工程(D2):3官能性シラン化合物による表面処理工程、
工程(D3):1官能性シラン化合物による表面処理工程、
によって得られる。以下、各工程を順次説明する。
・工程(D1):親水性球状シリカ粒子の合成工程
一般式:
Si(OR (4)
(式中、各Rは同一又は異種の炭素原子数1~6の一価炭化水素基である。)
で示される4官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、又はこれらの混合物を、塩基性物質を含む親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解、及び縮合することによって、親水性球状シリカ粒子の混合溶媒分散液が得られる。
上記一般式(4)中、Rは、炭素原子数1~6の一価炭化水素基であるが、好ましくは炭素原子数1~4、特に好ましくは1~2の一価炭化水素基である。Rで表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のようなアルキル基;フェニル基のようなアリール基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基、特に好ましくはメチル基、又はエチル基が挙げられる。
上記一般式(4)で示される4官能性シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、及びテトラフェノキシシランが挙げられ、好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、及びテトラブトキシシラン、特に好ましくは、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが挙げられる。また、一般式(4)で示される4官能性シラン化合物の部分加水分解縮合生成物としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート等のアルキルシリケートが挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、一般式(4)で示される4官能性シラン化合物と、この部分加水分解縮合生成物と、水とを溶解するものであれば特に制限されず、例えば、アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくは、アルコール類、セロソルブ類であり、特に好ましくはアルコール類が挙げられる。該アルコール類としては、一般式:
OH (5)
(式中、Rは炭素原子数1~6の一価炭化水素基である。)
で示されるアルコールが挙げられる。
上記一般式(5)中、Rは、好ましくは炭素原子数1~4、特に好ましくは1~2の一価炭化水素基である。Rで表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基、より好ましくはメチル基、及びエチル基が挙げられる。一般式(5)で示されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ、好ましくはメタノール、エタノールが挙げられる。アルコールの炭素原子数が増えると、生成する球状シリカ粒子の粒子径が大きくなる。従って、目的とする小粒径のシリカ粒子を得るためには、メタノールが好ましい。
また、上記塩基性物質としてはアンモニア、ジメチルアミン、ジエチルアミン等、好ましくは、アンモニア、ジエチルアミン、特に好ましくはアンモニアが挙げられる。これらの塩基性物質は、所要量を水に溶解した後、得られた水溶液(塩基性)を前記親水性有機溶媒と混合すればよい。
該塩基性物質の使用量は、一般式(4)で示される4官能性シラン化合物、及び/又はその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.01~2モルであることが好ましく、0.02~0.5モルであることがより好ましく、0.04~0.12モルであることが特に好ましい。このとき、塩基性物質の量が少ないほど所望の小粒径シリカ粒子となる。
上記加水分解、及び縮合で使用される水の量は、一般式(4)で示される4官能性シラン化合物、及び/又はその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.5~5モルであることが好ましく、0.6~2モルであることがより好ましく、0.7~1モルであることが特に好ましい。水に対する上記親水性有機溶媒の比率(親水性有機溶媒:水)は、質量比で0.5~10であることが好ましく、3~9であることがより好ましく、5~8であることが特に好ましい。親水性有機溶媒の量が多いほど所望の小粒径のシリカ粒子が得られる。
一般式(4)で示される4官能性シラン化合物等の加水分解、及び縮合は、周知の方法、即ち、塩基性物質を含む親水性有機溶媒と水との混合物中に、一般式(4)で示される4官能性シラン化合物等を添加することにより行われる。
この工程(D1)で得られる親水性球状シリカ粒子の混合溶媒分散液中のシリカ粒子の濃度は一般に、3~15質量%であり、好ましくは5~10質量%である。
・工程(D2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
工程(D1)において得られた親水性球状シリカ粒子の混合溶媒分散液に、一般式:
Si(OR (7)
(式中、Rは置換又は非置換の炭素原子数1~20の一価炭化水素基、各Rは同一又は異種の炭素原子数1~6の一価炭化水素基である。)
で示される3官能性シラン化合物、その部分加水分解生成物、又はこれらの混合物を添加して、該親水性球状シリカ粒子の表面をこれにより処理することにより、前記親水性球状シリカ粒子の表面にRSiO3/2単位(Rは前記の通りである)を導入して、第一の疎水性球状シリカ粒子の混合溶媒分散液を得る。
本工程(D2)は、次の工程である濃縮工程においてシリカ粒子の凝集を抑制するために不可欠である。凝集を抑制できないと、得られるシリカ系粉体の個々の粒子は一次粒子径を維持できないため、流動性改善・潰れ性改善効果が悪くなる。
上記一般式(7)中、Rは、好ましくは炭素原子数1~3、特に好ましくは1~2の一価炭化水素基である。Rで表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基、特に好ましくは、メチル基、又はエチル基が挙げられる。また、これらの一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されていてもよい。
上記一般式(7)中、Rは、好ましくは炭素原子数1~3、特に好ましくは1~2の一価炭化水素基である。Rで表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、又はプロピル基、特に好ましくは、メチル基、又はエチル基が挙げられる。
一般式(7)で示される3官能性シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等の非置換、若しくはハロゲン置換のトリアルコキシシラン等、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン及びエチルトリエトキシシラン、より好ましくは、メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン、又は、これらの部分加水分解縮合生成物が挙げられる。
一般式(7)で示される3官能性シラン化合物の添加量は、使用された親水性球状シリカ粒子のSi原子1モル当り0.001~1モル、好ましくは0.01~0.1モル、特に好ましくは0.01~0.05モルである。添加量が0.001モル以上であれば、得られる疎水性球状シリカ粒子の分散性が悪くならず、流動性改善・潰れ性改善効果が現れ、1モル以下であればシリカ粒子の凝集が生じるおそれがない。
この工程(D2)で得られる第一の疎水性球状シリカ粒子の混合溶媒分散液中の該シリカ粒子の濃度は通常3質量%以上15質量%未満、好ましくは5~10質量%である。かかる濃度がこの範囲内であれば、生産性が低下せず、シリカ粒子の凝集が生じない。
・濃縮工程
このようにして得られた第一の疎水性球状シリカ粒子の混合溶媒分散液から前記親水性有機溶媒と水の一部を除去し、濃縮することにより、第一の疎水性球状シリカ粒子の混合溶媒濃縮分散液を得る。この際、疎水性有機溶媒をあらかじめ(濃縮工程前)、或いは濃縮工程中に加えてもよい。この際、使用する疎水性溶媒としては、炭化水素系、又はケトン系溶媒が好ましい。具体的には該溶媒として、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、メチルイソブチルケトンが好ましい。前記親水性有機溶媒と水の一部を除去する方法としては、例えば留去、減圧留去などが挙げられる。得られる濃縮分散液はシリカ粒子濃度が15~40質量%であることが好ましく、20~35質量%であることがより好ましく、25~30質量%であることが特に好ましい。15質量%以上であれば後工程の表面処理が円滑に進み、40質量%以下であればシリカ粒子の凝集が生じない。
濃縮工程は、次の工程(D3)において表面処理剤として使用される一般式(8)で表されるシラザン化合物、及び一般式(9)で表される1官能性シラン化合物がアルコールや水と反応して表面処理が不十分となり、その後に乾燥を行った時に凝集を生じ、得られるシリカ粉体は一次粒子径を維持できず、流動性改善・潰れ性改善効果が悪くなる、といった不具合を抑制するという意義もある。
・工程(D3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
工程(D2)で得られた第一の疎水性球状シリカ粒子の混合溶媒分散液又は前記濃縮分散液に、一般式:
SiNHSiR (8)
(式中、各Rは同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1~6の一価炭化水素基である。)
で示されるシラザン化合物、又は一般式:
SiX (9)
(式中、Rは一般式(8)で定義した通りであり、XはOH基又は加水分解性基である。)
で示される1官能性シラン化合物、又はこれらの混合物を添加し、これにより前記第一の疎水性球状シリカ粒子の表面を処理し、該微粒子の表面にR SiO1/2単位(但し、Rは一般式(8)で定義の通り)を導入することにより、第二の疎水性球状シリカ粒子を得る。この工程の処理により、第一の疎水性球状シリカ粒子の表面に残存するシラノール基をトリオルガノシリル化する形でR SiO1/2単位が該表面に導入される。
上記一般式(8)、及び(9)中、Rは、好ましくは炭素原子数1~4、特に好ましくは1~2の一価炭化水素基である。Rで表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、又はプロピル基、特に好ましくは、メチル基、又はエチル基が挙げられる。また、これらの一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置換されていてもよい。
Xで表される加水分解性基としては、例えば、塩素原子、アルコキシ基、アミノ基、アシルオキシ基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基、又はアミノ基、特に好ましくはアルコキシ基が挙げられる。
一般式(8)で示されるシラザン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン等、好ましくはヘキサメチルジシラザンが挙げられる。一般式(9)で示される1官能性シラン化合物としては、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール等のモノシラノール化合物;トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のモノクロロシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン;トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のモノアミノシラン;トリメチルアセトキシシラン等のモノアシルオキシシランが挙げられ、好ましくは、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシラン、又はトリメチルシリルジエチルアミン、特に好ましくは、トリメチルシラノール、又はトリメチルメトキシシランが挙げられる。
前記シラザン化合物、及び/又は1官能性シラン化合物の使用量は、使用した親水性球状シリカ粒子のSi原子1モルに対して0.1~0.5モル、好ましくは0.2~0.4モル、特に好ましくは0.25~0.35モルである。使用量が0.1モル以上であれば、得られる疎水性シリカ粒子の分散性が悪くならず、使用量が0.5モル以下であれば、経済的に不利にならない。
上記疎水性球状シリカ粒子は、常圧乾燥、減圧乾燥等の常法によって粉体として得られる。
(D)成分の配合量は、(C)成分に対して0.01~10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05~5質量%であり、更に好ましくは0.1~3質量%である。このような範囲であれば、熱伝導性シリコーン組成物の流動性および圧縮性の向上効果に優れる。
[その他の成分]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、熱伝導性シリコーン組成物の劣化を防ぐために、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール等の酸化防止剤を必要に応じて含有してもよい。さらに、染料、顔料、難燃剤、沈降防止剤、又はチクソ性向上剤等を必要に応じて配合することができる。
[熱伝導性シリコーン組成物]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、上記(A)~(D)成分を含み、前記(C)成分の量が、前記熱伝導性シリコーン組成物全体の40~85体積%であり、良好な圧縮性を有するものである。厚み100μmの前記熱伝導性シリコーン組成物を25℃、0.1MPaで60分間加圧したときの前記熱伝導性シリコーン組成物の厚みが、前記熱伝導性シリコーン組成物中の熱伝導性充填材のうち体積基準の粒度分布におけるD95が最大のものに対し2倍以下のものであることが好ましい。なお、加圧を行った時の厚みの測定方法は、例えば後述する実施例の方法である。ここでD95は、体積基準の粒度分布において、小さい側から累積95%となる粒子径をD95という。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、高い熱伝導率と良好な圧縮性を両立しているため、低い熱抵抗を持つものとなる。熱伝導性シリコーン組成物の熱抵抗はレーザーフラッシュ法で測定した25℃で7.0mm・K/W以下が好ましく、より好ましくは6.5mm・K/W、更に好ましくは5.0mm・K/W以下である。下限については特に制限はないが、物理的な問題として例えば0.1mm・K/Wとすることができる。なお、熱抵抗の測定方法の詳細は、例えば後述する実施例の方法である。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、好ましくは、25℃にて測定される絶対粘度が3~500Pa・s、より好ましくは10~400Pa・sである。絶対粘度が3Pa・s以上であると、形状保持が容易で作業性が良くなる。一方、絶対粘度が500Pa・s以下である場合にも吐出が容易となるため作業性が良くなる。絶対粘度は、上述した各成分の配合により調整できる。本発明において、絶対粘度は、例えば(株)マルコム製スパイラル粘度計(タイプPC-1T)により測定した25℃の値である(ロータAで10rpm、ズリ速度6[1/s])。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、本発明の熱伝導性シリコーン組成物が、LSI等の電子部品その他の発熱体と冷却体との間に形成された厚み100μm以下の間隙に介在されたものである。本発明の熱伝導性シリコーン組成物は厚み100μm以下まで圧縮される。これにより従来の熱伝導性シリコーン組成物と比較して、冷却効率の向上が期待できる。
本発明の半導体装置の製造方法は特に限定されないが、熱伝導性シリコーン組成物の厚さを100μm以下にするため、好ましくは0.1MPa以上の圧力で、さらに好ましくは4.0MPa以上の圧力で組み立てられる。熱伝導性シリコーン組成物の加圧時の圧力を上げることで圧縮にかかる時間を低減できる。
[熱伝導性シリコーン組成物の製造方法]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物の製造方法について説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物を製造する方法は、従来の熱伝導性シリコーン組成物の製造方法に従えばよく、特に制限されるものでない。例えば、上記(A)~(D)成分、及び必要に応じてその他の成分をトリミックス、ツウィンミックス、プラネタリーミキサー(いずれも井上製作所(株)製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機にて混合する方法により製造することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。下記において動粘度はオストワルド粘度計(柴田科学社製)により25℃で測定した値である。
[合成例1]
・工程(D1):親水性球状シリカ粒子の合成工程
撹拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器にメタノール1,045.7gと、水112.6gと、28質量%アンモニア水33.2gとを入れて混合した。この溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながらテトラメトキシシラン436.5g(2.87モル)を6時間かけて滴下した。この滴下が終了した後も、更に0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状シリカ粒子の懸濁液を得た。
・工程(D2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
上で得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン4.4g(0.03モル)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間撹拌を継続し、シリカ粒子表面を疎水化処理することにより、疎水性球状シリカ粒子の分散液を得た。
次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前工程で得られた分散液を60~70℃に加熱してメタノールと水の混合物1,021gを留去し、疎水性球状シリカ粒子の混合溶媒濃縮分散液を得た。このとき、濃縮分散液中の疎水性球状シリカ粒子の含有量は28質量%であった。
・工程(D3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
前工程で得られた濃縮分散液に、室温において、ヘキサメチルジシラザン138.4g(0.86モル)を添加した後、この分散液を50~60℃に加熱し、9時間反応させることにより、該分散液中のシリカ粒子をトリメチルシリル化した。次いで、この分散液中の溶媒を130℃、減圧下(6,650Pa)で留去することにより、疎水性球状シリカ粒子(D-1)188gを得た。
工程(D1)で得られた親水性球状シリカ粒子について、下記の測定方法1に従って測定を行った。また、上記の工程(D1)~(D3)の各段階を経て得られた疎水性球状シリカ粒子について、下記の測定方法2~3に従って測定を行った。得られた結果を表1に示す。
[測定方法1~3]
1.工程(D1)で得られた親水性球状シリカ粒子の粒子径測定
メタノールに親水性球状シリカ粒子懸濁液を、親水性球状シリカ粒子が0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該粒子を分散させた。このように処理した粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA-EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
2.工程(D3)において得られた疎水性球状シリカ粒子の粒子径測定、及び粒度分布D90/D10の測定
メタノールに疎水性球状シリカ粒子を、0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該粒子を分散させた。このように処理した粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA-EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。粒度分布D90/D10の測定は、上記粒子径測定した際の分布において小さい側から累積が10%となる粒子径をD10、小さい側から累積が90%となる粒子径をD90とし、測定された値からD90/D10を計算した。
3.疎水性球状シリカ粒子の円形度
電子顕微鏡(日立製作所製、商品名:S-4700型、倍率:10万倍)によって観察を行い、粒子を二次元に投影した時の円形度を、(粒子と面積が等しい真円の周囲長)/(粒子の周囲長)により求めた。なお、円形度は、粒子10個を測定した結果の平均値である。
[合成例2]
・工程(D1):親水性球状シリカ粒子の合成工程
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7g、水41.4g、28質量%アンモニア水49.8gを添加して混合した。この溶液を35℃に調整し、撹拌しながら該溶液にテトラメトキシシラン1,163.7g及び5.4質量%アンモニア水418.1gを同時に添加開始し、前者は6時間、そして後者は4時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間撹拌を続けて加水分解を行い、親水性球状シリカ粒子の懸濁液を得た。
・工程(D2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
こうして得られた懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシランに対してモル比で0.01相当量)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間撹拌して、シリカ粒子表面の処理を行った。
該ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管を取り付け、上記の表面処理を施したシリカ粒子を含む分散液にメチルイソブチルケトン1,440gを添加した後、80~110℃に加熱して、メタノール水を7時間かけて留去した。
・工程(D3):1官能性シラン化合物による表面処理工程
こうして得られた分散液に、室温でヘキサメチルジシラザン357.6gを添加し、120℃に加熱し、3時間反応させて、シリカ粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去して疎水性球状シリカ粒子(D-2)472gを得た。
こうして得られたシリカ粒子について、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023104800000004
<注>
1)工程(D1)で得られた分散液の親水性球状シリカ粒子の粒子径
2)最終的に得られた疎水性球状シリカ粒子の粒子径
使用した成分は以下のとおりである。
[(A)成分]
A-1:両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が5,000mm/sのジメチルポリシロキサン(比重:1.00)
[(B)成分]
B-1:下記式で示される加水分解性オルガノポリシロキサン(比重:1.00)
Figure 2023104800000005
[(C)成分]
C-1:D50が5.0μm、D95が12.0μmである丸み状の窒化アルミニウム粉末(200W/m・K、比重3.26)
C-2:D50が20.0μm、D95が50.0μmである丸み状の窒化アルミニウム粉末(200W/m・K、比重3.26)
C-3:D50が1.3μm、D95が3.5μmである不定形の酸化亜鉛粉末
(40W/m・K、比重5.67)
C-4:D50が2.0μm、D95が3.0μmである不定形の酸化亜鉛粉末
(40W/m・K、比重5.67)
C-5:D50が5.4μm、D95が14.0μmである球状の窒化アルミニウム粉末(200W/m・K、比重3.26)(比較成分)
[(D)成分]
D-1:合成例1で得られた疎水性球状シリカ粒子(比重1.80)
D-2:合成例2で得られた疎水性球状シリカ粒子(比重1.80)
D-3:D50が16.0nm、D90/D10が3.4、円形度が0.65である疎水性球状シリカ粒子(比重1.80)(比較成分)
[実施例1~4、比較例1~5]
〈熱伝導性シリコーン組成物の調製〉
上記(A)~(D)成分を、下記表2に示す配合量に従い、下記に示す方法で配合して熱伝導性シリコーン組成物を調製した。
5リットルのプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)に(A)、(B)、(C)、(D)成分を加え、170℃で1時間半混合した。その後常温になるまで冷却し、熱伝導性シリコーン組成物を調製した。
上記方法で得られた各熱伝導性シリコーン組成物について、下記の方法に従い、粘度、熱伝導率、最少厚み、及び熱抵抗を測定した。結果を表2に示す。
[粘度]
各熱伝導性シリコーン組成物の絶対粘度を、(株)マルコム製スパイラル粘度計(タイプPC-1T)を用いて25℃下で回転数10rpmで測定した。
[熱伝導率]
各熱伝導性シリコーン組成物をキッチンラップで包み巾着状にしたものの熱伝導率を京都電子工業(株)製TPA-501で測定した。
[最小厚み]
厚み100μmの各熱伝導性シリコーン組成物を直径12.6mm、厚み1mmの円形アルミニウム板2枚で挟み、SHIMADZU社製オートグラフAG-5KNZPLUSを用いて、25℃、0.1MPaで60分間の加圧を行い作成した試験片の厚みを、マイクロメータ(株式会社ミツトヨ製)で測定し、アルミニウム板の厚みを差し引くことにより圧縮後の熱伝導性シリコーン組成物の最小厚みを測定した。
[熱抵抗の測定]
上記圧縮後の試験片を用いて、レーザーフラッシュ法に基づく熱抵抗測定器(ネッツ社製、キセノンフラッシュアナライザー;LFA447NanoFlash)により25℃にて測定した。
Figure 2023104800000006
表2に示されるように、実施例1~4の熱伝導性シリコーン組成物では、高い熱伝導率を有しながらも、良好な圧縮性を有し、低い熱抵抗を示す結果となった。
一方、(D)成分を含有しない比較例1、3、4、及び、本発明の(D)成分に代えて、D90/D10が本発明の範囲を超える疎水性シリカ粒子を用いた比較例2では、圧縮性に劣るため熱抵抗が大きくなる結果となった。
さらに、実施例1の(C)成分の1部を球状の熱伝導性充填材に置き換えた比較例5では、実施例1に比較して熱伝導率および圧縮性の悪化がみられた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (6)

  1. 熱伝導性シリコーン組成物であって、
    (A)25℃での動粘度が10~100,000mm/sであり、アルコキシシリル基を有しないオルガノポリシロキサン、
    (B)アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサン、
    (C)熱伝導率が10W/m・K以上の不定形、丸み状、及び多面体状から選ばれる1種以上の熱伝導性充填材、及び、
    (D)体積基準の粒度分布におけるD50が0.005~1μmの範囲であり、D90/D10が3以下であり、平均円形度が0.8~1である疎水性球状シリカ粒子、
    を含み、前記(C)成分の量が、前記熱伝導性シリコーン組成物全体の40~85体積%であることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
  2. 前記(C)成分が、金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  3. 前記(C)成分が、D50が4~30μmの窒化アルミニウム、及びD50が0.1~3μmの不定形酸化亜鉛を含むものであることを特徴とする請求項2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  4. 前記(D)成分が、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物、又はこれらの混合物の加水分解縮合物からなる親水性球状シリカ粒子の表面に、RSiO3/2単位(Rは置換又は非置換の炭素原子数1~20の一価炭化水素基である)、及び、R SiO1/2単位(各Rは同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1~6の一価炭化水素基である)を有する疎水性球状シリカ粒子であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  5. 厚み100μmの前記熱伝導性シリコーン組成物を25℃、0.1MPaで60分間加圧したときの前記熱伝導性シリコーン組成物の厚みが、前記熱伝導性シリコーン組成物中の熱伝導性充填材のうち体積基準の粒度分布におけるD95が最大のものに対し2倍以下のものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物が、発熱体と冷却体の間に形成された厚み100μm以下の間隙に介在されたものであることを特徴とする半導体装置。
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