JP2023104389A - 板状部品移動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各種の部品を好適に積み重なった状態とすることが可能な板状部品移動装置を提供する。【解決手段】 板状部品製造装置1は、加工部30による加工後の部品13に対しての外形を含む部品13を撮影して当該部品13の画像を取得可能とする固定撮像機器46と、固定撮像機器46により取得した部品13の画像に基づいて加工部30によって部品13に対しての加工が実施されたか否かを判定して当該判定の結果に応じた異なる制御を実行可能な制御部90とを備えている。このため、板状の部品を積込部70により複数の層に積み重なった状態とする場合において部品13に対して必要な加工が実施されていない場合に対しての対応を迅速に実施することができる。【選択図】 図1
Description
本発明は、板状部品移動装置に関する。
従来、住宅等の建築物には、柱や梁等の棒状の部材(部品)や、屋根を形成する屋根部材又はその屋根部材を敷き詰める下地となる下地部材、外壁や区画空間の内壁を形成する壁部材、区画空間の床を形成する床部材等として板状の部材(部品)が用いられている。このような部材は、建築物における使用場所に応じて予め切削や切断等によって多様な形状に加工された後、所謂プレカット加工が行われた後に、複数の層に積み重なった状態とされ、建築現場に配送される。そして、このような多様な形状に加工された部品の種類や向きをCCDカメラ等の撮像装置によって識別し、多関節ロボット等の部品移動装置によって積み重なった状態とする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、多様な形状の部材(部品)を積み重なった状態とする構成に関して、未だ改良の余地のある可能性があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、各種の部材(部品)を好適に積み重なった状態とすることが可能な板状部品移動装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1に記載の板状部品移動装置は、
板状の材料を複数に分断可能な加工装置によって加工された加工部品であって、当該加工部品の向きを識別して板状の部品を複数の層に積み重なった状態とする積込手段と、
その積込手段によって前記部品を前記複数の層に積み重なった状態とする場合における前記部品の位置と向きとを記憶する配置記憶手段と、
前記板状の材料を配置可能な大きさに設定された加工部品支持領域に、前記加工装置によって加工された前記加工部品を支持する加工部品支持手段と、
その加工部品支持手段によって支持された前記加工部品の向きを識別し、前記配置記憶手段によって記憶された前記部品の向きとなるように前記積込手段の動作を制御して前記所定数の板状の部品を複数の層に積み重なった状態とする積込制御手段と、
前記加工装置による加工後の加工部品の少なくとも一部に対しての外形を少なくとも含む前記加工部品を撮影して当該加工部品の画像を取得可能とする部品撮像手段と、
該部品撮像手段により取得した前記加工部品の画像に基づいて、当該加工部品に対する前記積込手段の移動動作の制御と、前記加工装置によって前記加工部品に所定の加工が実施されたか否かを判定して当該判定の結果に応じた異なる制御との少なくともいずれかを実行可能な部品制御手段とを備えていることを特徴とする。
板状の材料を複数に分断可能な加工装置によって加工された加工部品であって、当該加工部品の向きを識別して板状の部品を複数の層に積み重なった状態とする積込手段と、
その積込手段によって前記部品を前記複数の層に積み重なった状態とする場合における前記部品の位置と向きとを記憶する配置記憶手段と、
前記板状の材料を配置可能な大きさに設定された加工部品支持領域に、前記加工装置によって加工された前記加工部品を支持する加工部品支持手段と、
その加工部品支持手段によって支持された前記加工部品の向きを識別し、前記配置記憶手段によって記憶された前記部品の向きとなるように前記積込手段の動作を制御して前記所定数の板状の部品を複数の層に積み重なった状態とする積込制御手段と、
前記加工装置による加工後の加工部品の少なくとも一部に対しての外形を少なくとも含む前記加工部品を撮影して当該加工部品の画像を取得可能とする部品撮像手段と、
該部品撮像手段により取得した前記加工部品の画像に基づいて、当該加工部品に対する前記積込手段の移動動作の制御と、前記加工装置によって前記加工部品に所定の加工が実施されたか否かを判定して当該判定の結果に応じた異なる制御との少なくともいずれかを実行可能な部品制御手段とを備えていることを特徴とする。
請求項1に記載の板状部品移動装置によれば、部品撮像手段によって加工後の加工部品の外形を含む画像が取得され、当該加工部品の画像に基づいて、積込手段の移動動作の制御が実行されるか、加工部品に所定の加工が実施されたか否かが判定されて判定の結果に応じた異なる制御が実行される。このため、加工後の加工部品の外形を含む画像を用いて部品を移動する移動動作を制御する機能を付加したり、加工部品の画像加工部品の外形に対して必要な所定の加工が実施されていない状況の見落としを少なくし、所定の加工が実施されていない部品に対しての対応を迅速に実施することができる機能を付加することができる。
請求項2に記載の板状部品移動装置は、請求項1に記載の板状部品移動装置において、
前記加工部品に対して、当該加工部品の向きを識別可能な方向識別情報を付す識別情報付加手段と、
前記方向識別情報を撮影して当該方向識別情報の画像を取得可能な方向識別情報撮像手段とを備え、
前記積込制御手段は、前記方向識別情報撮像手段によって取得された前記方向識別情報の画像に基づいて前記加工部品の向きを識別して前記積込手段の動作を制御するものであり、
前記方向識別情報撮像手段は、前記積込手段の一部として移動可能に設けられ、
前記部品撮像手段は、前記方向識別情報撮像手段より前記加工部品から上方側に離間した位置に移動不能に設置されていることを特徴とする。
前記加工部品に対して、当該加工部品の向きを識別可能な方向識別情報を付す識別情報付加手段と、
前記方向識別情報を撮影して当該方向識別情報の画像を取得可能な方向識別情報撮像手段とを備え、
前記積込制御手段は、前記方向識別情報撮像手段によって取得された前記方向識別情報の画像に基づいて前記加工部品の向きを識別して前記積込手段の動作を制御するものであり、
前記方向識別情報撮像手段は、前記積込手段の一部として移動可能に設けられ、
前記部品撮像手段は、前記方向識別情報撮像手段より前記加工部品から上方側に離間した位置に移動不能に設置されていることを特徴とする。
請求項1に記載の板状部品移動装置によれば、加工後の加工部品の外形を含む画像を用いて部品を移動する移動動作を制御する機能を付加することができる。また、加工部品の外形に対して必要な所定の加工が実施されていない未加工の状況や適切な加工が実施できていない状況の見落としを少なくし、不適切な部品加工や加工品質の低下等に対しての対応を迅速に実施することができる機能を付加することができる。
請求項2に記載の板状部品移動装置によれば、方向識別情報撮像手段と部品撮像手段とが別々に設けられているので、部品撮像手段と方向識別情報撮像手段とを利用して、各加工部品を適切な位置に効率良く配置可能とすることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、板状部品製造装置1の構成の一例を示す模式図である。また、図2(A)は、所定数の部品及び桟部材が複数の層に積み重なった状態とした積層体の一例を部分的に分解して示す斜視図であり、図2(B)は、上下に重なる2層のうちの上層における部品及び桟部材の配置の一例を示す上面図であり、図2(C)は、その下層における部品及び桟部材の配置の一例を示す上面図である。
板状部品製造装置1は、板状の材料を加工する加工装置と、加工装置によって加工された加工部品等を含む所定数の板状の部品が複数の層に積み重なった状態とすることが可能な板状部品移動装置とを備え、板状の材料に対する加工と、その加工により切り出される部品の積み重ねとを連動して行える装置である。具体的には、板状部品製造装置1は、図1に示すように、材料支持部10と、識別情報付加部20と、加工部30と、部品支持部40と、積層支持部50と、桟部材支持部60と、積込部70と、残材回収部80と、制御部90とを備えている。加工部30は、加工装置としての機能部分と、板状部品移動装置としての機能部分とを含んでおり、加工部30の一部を含む各部位が板状部品移動装置を構成する。
材料支持部10は、加工前の板状の材料12を多段に積み重ねられた状態で支持し、後述する識別情報付加部20を介して、その材料12を1つずつ加工部30に供給する。材料支持部10には、作業者によって、製造する部品に適した材質及び大きさの板状の材料12が供給される。
識別情報付加部20は、材料支持部10から加工部30へ材料12を搬送する搬送経路において、各材料12に対して、製造予定(積層予定)の所定数の部品13を互いに識別可能な個体識別情報と、各部品13の向きを識別可能な方向識別情報とを含む所定の識別情報を付すことが可能な装置であって、具体的には、各材料12の一面(上面)に、文字、記号、バーコード、QRコード(登録商標)等の識別情報を印刷可能な印刷機(印字機)を備えている。
識別情報付加部20は、個体識別情報としての建築物における各部品の使用位置との対応を示す使用位置情報等を含むコード情報としてバーコード21を印刷する。また、識別情報付加部20は、バーコード21の位置に対して予め定めた方向へ一定の距離だけ離れた所定の位置には、各材料12から切り出される予定の各部品13の向きを示す方向識別情報として利用可能で、各部品13に共通な共通記号22(図3(C)参照)を印刷する。共通記号22が付される位置としては、各部品13において重心から離れた縁部分に付されるよりも、重心に近い一定範囲(例えば、10cm)内の位置に付されることが好ましく、各部品13の重心に重なる位置に付すようにしてもよい。
識別情報付加部20によって識別情報が付加される各部品13には、加工部30による加工によって形成される部品13a~13d(加工部品:以下においては部品13a等と略記する)があり、また、加工部30による加工が不要な部品(加工不要部品)が含まれる。加工部30による加工によって分離された一部分であって、部品13として利用不能な廃材(残材15)については、識別情報付加部20が識別情報を付加しないように構成されている。
なお、バーコード21には、個体識別情報に加えて、積層体11を構成する複数の層のいずれの層に配置されるかを指定する層情報と、配置すべき層内における配置の位置を指定する層内位置情報を含む構成であってもよい。この構成の場合、後述する制御部90において、積層体11の積層態様を記憶した制御機器と、後述する積込部70による積み込みを管理する制御機器とが異なる場合に、後者の管理機器に積層態様に関する情報がなくても、バーコード21と共通記号22との情報に基づいて、所定数の部品13を適切に積み重ねることができる。また、個体識別情報を1つのバーコード21によって付加する必要はなく、これに代えて、又はこれに加えて、QRコードなどの別のコード情報を付加してもよいし、2以上のコード情報を付加してもよい。また、共通記号22を必ずしも付加する必要はなく、個体識別情報を、特定の方向を識別可能な形のみを利用して付加し、その個体識別情報を方向識別情報としても利用するようにしてもよい。
また、識別情報付加部20は、識別情報を材料12に印刷する構成に限らず、これに代えて、又は、これに加えて、識別情報を印刷したシールや識別情報を記憶したICチップを材料12に貼着する構成であってもよい。また、識別情報付加部20は、加工部30による加工前に、識別情報を材料12に付加する構成に限らず、加工部30による加工後において、識別情報を各部品13に付加する構成であってもよい。また、少なくとも一部の部品13に、識別情報の少なくとも一部(例えば、共通記号22)が付加されないようにしてもよく、例えば、加工不要部品は、加工が行われない分、移動に際しての位置ずれを少なく抑え易く、また、一定の大きさ以下(例えば、最長の辺の長さが30cm以下)の小型の部品については回転のズレがあっても積み込みに際してのズレ量の大きさは小さいため、バーコード21のみを利用して積み込みを行うようにしてもよい。
加工部30は、板状の材料12を切削加工する加工装置と、材料12及び部品13を搬送する搬送装置とで構成されており、例えば、図示しないが、電動鋸やカッター等の切断機器と、切断機器と材料12及び部品13を移動させる移動機構と、それら移動機構を駆動させる駆動機器とを含む構成である。加工部30は、材料支持部10から順次に供給される材料12を加工し、各材料12から1又は複数の部品13を製造し、製造された1又は複数の部品13を部品支持部40へ搬送する。加工不要部品については、材料12を未加工のまま、部品支持部40へ移動する。
また、加工部30における加工は、制御部90の制御により施工順や歩留まり等を考慮して、材料12に対して1又は複数の部品13を割り当てて加工を行う。この割り当てによって、部品13として利用不能な残り部分は、廃材(残材15)としてもよいし、部品13を積層する場合に部品13の間に介在させる桟部材14(以下において、加工桟部材14Rとも称す)に利用してもよい。この材料12の残り部分を加工桟部材14Rとする場合の加工や使用の詳細については、まとめて後述する。
部品支持部40は、板状の材料12を配置可能な大きさに設定されて部品13a等を支持可能な部品支持領域40Aに、加工部30によって加工された部品13a等を、バーコード21及び共通記号22が上下方向(高さ方向、又は鉛直方向)の少なくとも一方側を向いた状態にして支持することが可能な構成である。また、部品支持部40は、加工不要部品についても、バーコード21及び共通記号22が上下方向の少なくとも一方側を向いた状態にして支持する。
ここで、本実施形態では、全てのバーコード21及び共通記号22を上方から読み取る場合について主に説明し、バーコード21及び共通記号22が上方向を向くように印刷され、部品支持領域40Aにてバーコード21及び共通記号22が上方向を向く場合について説明するが、バーコード21及び共通記号22が下方向を向くように印刷し、部品支持部40において、例えば、透明な支持面によって部品13a等の下側を支持し、部品13a等の下側からバーコード21及び共通記号22を読み取るようにしてもよい。
また、部品支持部40は、加工部30から受け取った各部品13を所定の方向(図1の下方向)に移送可能な構成であって、加工部30から搬送されてくる部品13を順次に受け取る。この受け取りにおいては、1つの材料12から部品13の全てを切削加工した後に一括して搬送してもよいし、各部品13が互いに離間して支持され易いように、例えば、1つの材料12から複数の部品13が順に切断される場合に、早く切断されたものを早い段階で部品支持部40へ搬送してもよい。
部品支持部40は、具体的には、動力によって駆動する複数の駆動ローラ41と、複数の駆動ローラ41の間に配置され、空転可能な複数の空転ローラ42と、複数の駆動ローラ41及び複数の空転ローラ42の外縁の一部に接触するように、環状に巻回された支持ベルト43と、複数の駆動ローラ41に動力を供給し、支持ベルト43を周回移動させる駆動モータ44とを含む構成である。部品支持部40は、材料12から部品13a等を製造した後に残る残材15も支持するが、その残材15は、支持ベルト43の周回移動によって、後述する残材回収部80に搬送される。
部品支持部40には、部品支持部40に搬送された部品13が配置され得る全域を撮影可能に上方側に離間した高さ位置に、固定式の撮像機器(固定撮像機器46)が設けられている。固定撮像機器46は、部品支持部40の周囲を囲うフレーム(図示せず)に固定され、部品13の外形形状を画像として取得して制御部90に出力することが可能な撮像機器によって構成される。固定撮像機器46についての説明については図6を参照して後述する。
積層支持部50は、図2(A)に示すような積層体11の下側を支持可能に構成された部位である。積層支持部50には、部品支持部40に支持された部品13が順に積み重ねられる。その積み重ねによって、一定の高さの積層体11に積み重ねられると、その積層体11が別の位置にまとめて搬送される。
積層支持部50に積み重ねられる積層体11には、加工部30によって加工された部品13a~13dが含まれ、加工不要部品が含まれる場合があり、桟部材14が含まれる場合がある。積層体11を構成する複数の層としては、1つの部品13で構成される層、複数の部品13で構成される層、又は、少なくとも1つの部品13及び少なくとも1つの桟部材14とで構成される層などがあり、製造が必要な部品13の数及び大きさ等によって複数の層の構成が制御部90によって決定される。
桟部材支持部60は、積層支持部50において部品13を安定的に積み重ねるために必要な桟部材14を多段に積み重ねた状態で支持可能な構成であって、形状の異なる2種類の桟部材14、例えば、長辺が積層支持領域50Aの短い方の一辺と同じ長さであり、短辺が積層支持領域50Aの短い方の一辺より短い帯板状の桟部材14(以下、長桟部材14Lとも称す)と、一辺が長桟部材14Lの長辺よりも短く、かつ、その短辺よりも長い正方形の桟部材14(以下、短桟部材14Sとも称す)とを支持している。
積込部70(積込手段)は、加工された部品13a等を含む所定数の板状の部品13が複数の層に積み重なった状態とすることが可能な構成であって、部品13a等(加工部品)に接触して部品13a等を吊り上げるための接触部と、当該接触部を基部74に対して移動可能に動作させる動作部とを備える構成である。具体的には、積込部70は、部品13や桟部材14を吊り上げるために、部品13に吸着する又は部品13を把持する接触部によって部品13を保持する保持機器71と、保持機器71を移動させるための多関節ロボットやクレーン等の動作機器73(動作部)とを備えている。動作機器73は、各部品13が保持機器71によって保持されている場合に、部品支持部40に配置された部品13や、桟部材支持部60に支持された桟部材14を積層支持部50へ移動させる。
積込部70には、共通記号22(方向識別情報)を含む識別情報を制御部90(制御手段)に入力するための情報入力装置が、動作機器73(動作部)に対して保持機器71(接触部)が位置する先端部側に取り付けられている。具体的には、情報入力装置は、CCDカメラ等の識別情報を読み取ることが可能な移動式の撮像機器(移動撮像機器72)で構成されている。
積込部70は、部品支持部40の部品支持領域40Aに支持された1又は複数の部品13を、移動撮像機器72によってバーコード21及び共通記号22を検出することによって検知し、検知された部品13を、共通記号22に基づく重心位置を考慮した態様、例えば、重心を含む範囲に接触して吊り上げ、吊り上げた部品13を、バーコード21の情報に基づいて、積層支持部50における積層支持領域50A内の予定された位置に移動させる。また、この移動の過程において、積込部70は、共通記号22の向きに基づいて、必要であれば、部品13の向きを予定された向きに合わせるように回転させる。なお、積込部70の詳細な動作については、後述する。
残材回収部80は、材料12から部品13を切り出した残りの残材15を回収して保持する構成であって、例えば、ベルトコンベアや、車輪を有する移動可能な回収槽で構成される。なお、残材回収部80は、残材15を所定の大きさ以下に破断する機器等の他の機器を含む構成であってもよく、更に、残材15を配置しておく空間のみが確保されている構成であってもよい。
ここで、材料支持部10、部品支持部40、積層支持部50、及び、残材回収部80は、必ずしも板状部品製造装置1の一部とする必要はない。各部位には、材料12、部品13、又は、残材15を配置可能なスペースが設けられていればよく、例えば、残材15を床面の上に排出して後から回収したり、部品13a等を薄板状のパレットによって支持するようにしたり、移動可能な台車の上に材料12を配置したりして、板状部品製造装置1を構成してもよい。
制御部90は、例えば、パーソナルコンピュータによって構成され、記憶装置としての各種のプログラム及び各種のデータを記憶するROM(ICチップ)又はRAM(磁気ディスクやSSD)や一時的に各種のデータを記憶するRAM、演算処理装置としてのCPU、入力装置としての記録媒体や他の制御装置から取得するための通信装置や各種の動作指示を入力するキーボード及びマウス、出力装置としての稼働状況を出力するディスプレイを備えて構成される。
制御部90は、所定数の多様な形状の部品13及び部品13の安定的な支持を補助する各種の桟部材14の積層態様(荷姿)を決定するための積層態様決定プログラム(配置決定手段)と、加工部30における材料12の加工を制御する材料加工プログラムと、所定数の部品13及び桟部材14を複数の層に積み重ねるための板状部品移動プログラム(部品移動プログラム)とを記憶している。制御部90には、製造予定の各部品13の形状及び建築現場にての施工順に関する部品データが入力され、制御部90は、積層態様決定プログラムの実行によって、材料加工プログラムによって参照される各部品の加工に関する加工データと、板状部品移動プログラムで参照される積層態様に関する積層データとを生成する。
制御部90は、積層態様決定プログラムの実行による積層態様の決定において、各部品13に対して、配置する層と、その層内での位置や向きを、部品データに基づいて決定すると共に、各層において必要となる桟部材14の位置や向きを決定する。この場合に、桟部材14の配置の決定においては、複数種類の大きさに設定された桟部材14としての短桟部材14S、長桟部材14Lを必要に応じて選択して設定し、使用する部材数を減らすことを可能としている。なお、必ずしも制御部90において、部品13及び桟部材14の積層態様(荷姿)を決定する構成とする必要はなく、例えば、積層態様決定プログラムを省略し、制御部90に積層態様(荷姿)に関するデータを入力する構成とし、その入力されたデータに基づいて部品13及び桟部材14を積層するようにしてもよい。
次に、部品支持部40に関する構成について、更に詳細に説明する。
部品支持部40は、部品支持領域40Aとして、1つの材料12から切り出された加工部品を、上下に重ならせることなく少なくとも配置できる領域を確保した構成である。
なお、部品支持部40は、部品支持領域40Aとして、1つの材料12から切り出され、順次に搬送されてくる加工部品を少なくとも配置できる領域に加えて、後続して加工される少なくとも1つの材料12から切り出された加工部品をも配置できる領域を確保可能な構成であってもよい。この構成の場合、部品支持部40は、先行する材料12に基づく各部品13が積込部70によって移動させられる前に、後続する材料12に基づく各部品13が搬送されて来たとしても、それらを受け入れることができ、先行する材料12に基づく各部品13の積み込みの進捗によって、後続する材料12を加工する加工部30の動作を一時的に停止しなければならなくなることを抑制可能になる。また、部品支持部40に、連続して加工される材料12から切り出される部品13を1つの層に、容易に配置可能とすることができる。
また、部品支持部40は、識別情報付加部20で付加された各種の情報(方向識別情報を含む)が上下方向の少なくとも一方側(図3においては上側)を向いた状態を保ち、加工部30における加工や、加工部30から部品支持部40への受け渡しや、部品支持部40による移動において、それらの位置や向きに所定の基準位置や所定の基準方向に対してズレが生じたとしても、その各種の情報を部品支持部40の上側から読み取ることができるように、各部品13の表裏を反転させることなく所定の方向(図3(A)及び(B)における右側であって図3(C)の下側)に移動させる。
また、制御部90(制御手段)は、部品支持部(加工部品支持手段)によって支持された加工部品に付された方向識別情報に基づいて加工部品の向きを識別し、制御部90(配置記憶手段)によって決定された部品の向きとなるように積込部(積込手段)の動作を制御して所定数の板状の部品を複数の層に積み重なった状態とすることが可能に構成されている。
具体的には、積込部70は、動作機器73(動作部)の先端に設けられた保持機器71(接触部)及び移動撮像機器72を、図1に破線の円で示す範囲において、自由に移動可能に構成とされており、また、保持機器71による保持中心(例えば、吸着パッドによる吸着中心)を通る上下方向(部品13や桟部材14の表面に垂直な方向:鉛直方向)の軸を中心軸として回動可能に構成されている。
なお、保持機器71と移動撮像機器72とは、一体的に(相対的な位置や向きが変化することなく)移動や回転を行う場合について説明するが、それらが個別に移動や回転を行う構成であってもよい。また、以下においては、説明の便宜のために、制御部90が、保持機器71や移動撮像機器72の移動や回動を直接に制御するかのように記載するが、保持機器71や移動撮像機器72の移動や回動は、動作機器73により間接的に行われ、制御部90が動作機器73の動作を制御することによって実現する。
制御部90は、図3(A)に実線で示すように、移動撮像機器72を、移動対象とする部品13aの重心が位置することが推定される位置の近傍であって、部品13aの上面(共通記号やバーコードが付加されている面)から所定の距離だけ上方に離れた位置に移動させる。その後、制御部90は、移動撮像機器72により撮像された画像に基づいて、方向識別情報としての共通記号22を探索する。
制御部90は、その位置からの探索によって共通記号22の有無を識別可能である認識範囲(以下において、広域認識範囲72Hとも称す)において、共通記号22を検出できれば、図3(A)に破線で示すように、その共通記号22に近づくように移動撮像機器72を移動させる。
具体的には、制御部90は、移動撮像機器72を、広域認識範囲72Hの中央近くに共通記号22が位置するように水平面(上下方向を垂線とする平面)内で移動させて(図3(C)参照)、再度、共通記号22を撮影し、その撮影された画像に基づいて、共通記号22の向きを認識する。このように、広域認識範囲72Hの中で、再度の移動による位置調整を行った後に共通記号22を撮影することで、共通記号22の向き、すなわち、部品支持領域40Aに支持された状態での部品13の向きを高精度で検出することができる。制御部90は、認識した部品13aの向きと、積層支持部50において配置すべき向きとの差を検知して、図3(B)に示すように、その差分の角度だけ、上下方向を軸として回転させる。
なお、共通記号22に近づくように移動撮像機器72を移動させる再度の移動による位置調整の制御は、水平面内における移動に限らず、これに加えて、広域認識範囲72Hよりも、共通記号22を識別可能である認識範囲を狭めた狭域認識範囲72Lとなるようにしてもよい。具体的には、実線で示す高位置よりも部品13aの表面からの距離が短く低い位置となるように高さ方向にも移動させてから、共通記号22を撮影し、共通記号22の向きを認識するようにしてもよい。また、共通記号22に近づくように移動撮像機器72を移動させる制御は、広域認識範囲72Hにおける最初の撮影において中央に近い等の一定の範囲内に共通記号22が位置している場合であれば、再度の撮影を省略してもよい。
また、制御部90は、移動撮像機器72の画像から個体識別情報であるバーコード21に含まれる情報を読み出し、移動対象である部品13aであるかを判断する。このバーコード21の情報の読み出しは、バーコード21を小さく表示したり、多くの情報を含ませたりするためには、移動撮像機器72をバーコード21に近づけて撮影した画像を使用することが好ましく、共通記号22の撮影とは別に撮影を行うようにしてもよく、移動撮像機器72をバーコード21に近付けてから撮影するようにしてもよい。
制御部90は、検出したバーコード21が、移動対象である部品13aのバーコード21であった場合には、保持機器71を部品13aに接触するまで下方に移動させる。なお、バーコード21の認識と、共通記号22の認識は、1回の撮影による画像に基づいて行ってもよい。
その後、制御部90は、保持機器71を、部品13aを持ち上げ可能な状態で保持するように作動させる。この場合において、制御部90は、検出したバーコード21が、移動対象である部品13のものであったとしても、移動対象である部品13が所定の保持態様で支持できない場合、例えば、図3(C)に示す部品13bのように、その重心(矢印の先端)が支持ベルト43の両端近傍の所定の領域40Bに位置しており、その重心を保持機器71の中心となるように保持しようとすると、保持機器71が支持ベルト43からの部品13の落下を防止する落下防止壁45と干渉してしまうような位置に支持されている場合には、標準(基準、又は最適)として初期設定された保持すべき向きから重心を通る上下方向の軸周りに回転させて保持できるか判断し、保持できる場合には、標準とは異なる向きで保持し、それでも保持できない場合には、標準の保持すべき位置から所定の方向に離れた位置で保持する。この場合には、制御部90は、標準の保持態様からの変更を特定する情報、例えば、標準の保持角度からの差分の回転角度や、標準の保持位置からの差分の距離を記憶し、その保持ズレを差し引いて、保持機器71の移動や回転の制御を行う。
なお、制御部90は、部品13を所定の保持位置及び保持角度で保持できない場合の候補となる保持位置や保持角度を予め複数設定して記憶しておき、それらの候補から選択する構成であってもよい。
制御部90は、部品13aを保持した保持機器71を所定の高さまで上昇させ、図3(C)に示すように、共通記号22(部品13a)の向きを基準方向(図3(C)における下向き)に合わせるように回転させる。その後、制御部90は、保持機器71を前後左右に移動させて、部品13aを部品支持領域40Aの上方から、積層支持領域50Aにおいて配置が予定されている予定積込位置の上方に移動させる。制御部90は、部品13aを予定積込位置の上方に移動させた後に、保持機器71を下降させて、下層に配置された部品13dや短桟部材14Sや長桟部材14Lに接触させる。制御部90は、保持機器71による部品13aの保持状態を解除させる。これによって、部品13aに対する所定の位置及び向きでの積み重ねが完了する。制御部90は、他の部品13b,13cに対しても同様の制御を繰り返し、それらを順次に積み重ねる。
なお、制御部90は、移動対象である部品13の共通記号22の位置に応じた経路で、移動対象の部品13の共通記号を探索するように、移動撮像機器72の移動を制御する構成について説明したが、移動対象である部品13の位置に応じた経路で、移動撮像機器72の移動を制御する構成であってもよく、この場合でも、結果的に移動対象である部品13に付加された共通記号22の位置に応じた経路にて移動撮像機器72を共通記号22に近付けることができる。
また、制御部90は、共通記号22の位置に応じない予め定められた1つの経路に沿って、移動撮像機器72を移動させて共通記号22を探索する機能を有するようにしてもよい。例えば、移動対象である部品13に依らない規定の経路を設定しておき、例えば、左端の後側から前側までを移動し、その後、中央の後側から前側までを移動し、その後、右端の後側から前側までを移動するジグザクの経路を設定しておき、移動対象となる部品13に依らずに一定の経路で、移動撮像機器72の移動を制御部90が制御する構成であってもよい。制御部90が、広域認識範囲72Hの画像から共通記号22を検出できない特殊な状況において、部品支持部40において上方側から共通記号22を認識可能な範囲内に、探索している部品13があるのか、どこにもないのかを確認することができる。
また、制御部90が、移動対象となる部品13を予め設定しないで移動撮像機器72を一定の経路に沿って移動させ、認識した共通記号を有する部品13を、認識した順序で積層支持部50に移動させることもできる。
また、広域認識範囲72Hの画像から共通記号22を検出できない特殊な状況が発生した場合、例えば、移動対象の部品13の位置が部品支持部40(部品支持領域40A)において、大きくズレてしまったり、他の部品13の下に入り込んでしまうような状況が生じた場合には、予め定めた別処理を制御部90が行うようにしてもよい。例えば、エラーの発生を制御部90の音や表示によって作業者に報知し、作業者が移動対象の部品13を確認可能にしてもよく、また、広域認識範囲72Hに対して予め定めた方向(例えば、部品支持部40において部品13や桟部材14を移動させることが可能な移動方向)に沿って所定の距離だけ移動撮像機器72を移動させて、再度、共通記号22を探索するようにしてもよい。このとき、制御部90は、その移動前後において、共通記号22を認識できる認識範囲の一部が重複するように、移動撮像機器72を移動させることが好ましく、この移動によっても共通記号22を検出できなかった場合には、制御部90は、更に、同一方向への移動撮像機器72の移動と共通記号22の探索とを繰り返すようにしてもよい。また、同一方向への移動によっては、共通記号22を検出できなかった場合には、その移動方向に交差する方向に沿って所定の距離だけ移動させた後に、上記と同様に移動方向に沿った位置を変化させながら共通記号22の探索を行うようにしてもよい。
また、例えば、広域認識範囲72Hの画像から検知したバーコード21が、移動対象である部品(例えば、部品13a)でなく別の部品(例えば、部品13b,13c)のみであった場合に、当該別の部品を移動させたとしても、予定積込位置が設定された層への全ての部品の積み込みが可能であれば、その検知したバーコード21に対応する別の部品を予定積込位置へ移動する制御を行うように、すなわち識別情報の検知結果に応じて移動対象を変更する制御を制御部90が行うようにしてもよい。また、別の部品(例えば、部品13b,13c)については、積層支持部50とは別に仮置きが可能な別の支持台(仮置き部)を予め設定しておいて、その別の部品を仮置きするようにしてもよい。
このように、板状部品製造装置1によれば、積込部70の動作を制御して、部品13a等を少なくとも含む所定数の板状の部品13を複数の層に積み重なった状態とする場合に、部品支持部40によって支持された部品13a等に付された共通記号22に基づいて部品13の向きを識別し、部品13の向きを制御部90の積層態様決定プログラムによって決定された向きに合わせる制御が行われる。これによって、材料12から加工される際の部品13の向きと、積み重なった状態とされる場合に配置される向きとが異なる場合や、加工時や積込部70による積み重ね前に部品13の向きにずれが生じていた場合であっても、その向きを共通記号22(方向識別情報)に基づいて調整することができ、部品13を所望の位置に所望の向きで高精度に配置することができる。したがって、部品13を好適に積み重なった状態とすることができ、積み重ねられた部品13の向きのずれに基づく荷崩れの発生を抑制できる。また、部品13が所定数の部品13を積み重ねる積層支持領域50Aからはみ出すことを防止でき、はみ出した部分が建築現場への搬送途中や、建築現場にて容易に破損してしまうといったことも抑制できる。
また、板状部品製造装置1であれば、加工部30によって加工されることで多様な形状となる各部品13の向きを、方向識別情報を認識することによって特定できるために、そのような多様な形状の各部品13の外形を個別に認識してその向きを特定する場合に比べて、部品13の向きを簡素な板状部品移動プログラムに基づき高速に特定でき、各部品13を所望の位置に所望の向きで簡便かつ高速に配置することができる。
また、板状部品製造装置1によれば、部品支持領域40Aの中で、移動対象である部品13又はそれに付された共通記号22が位置している可能性の高い推定位置に応じた異なる経路にて、部品支持領域40Aに保持機器71と移動撮像機器72とが近付くように、積込部70の動作が制御される。これによって、共通記号22が位置している可能性の高い位置の近傍から移動対象である部品13の共通記号22を探索することができ、移動対象である部品13の共通記号22を効率良く認識することができる。したがって、各部品13を所望の位置に所望の向きで効率良く配置することが可能になる。
なお、制御部90の制御によって、部品13a等に付された共通記号22に基づいて部品13の向きを識別して板状の部品13を複数の層に積み重なった状態とする装置としては、加工装置を含む板状部品製造装置1に限らず、加工装置を含まない板状部品移動装置として構成しても、同様の効果を奏するものとすることができ、この場合、制御部90における材料12の加工に関する制御部分を省略してもよい。
次に、材料12の残り部分を加工桟部材14Rとする場合の加工や使用に関する板状部品製造装置1の構成について詳細に説明する。
制御部90は、加工部30(加工装置)によって加工される板状の材料12に対して部品13a等(加工部品)と加工桟部材14R(桟部材)とを割り当てて加工部30(加工装置)に部品13a等と加工桟部材14Rとを加工させる加工制御を行うことが可能な構成である。具体的には、制御部90は、上記の積層態様決定プログラムの実行に基づいて、各層において必要となる桟部材14の位置や向きを決定する。このとき、制御部90は、各材料12から切り出される1又は2以上の部品13a等の全てに対する割り当て領域を決定した後に、各材料12においていずれの部品13a等も割り当てられていない領域に、加工桟部材14Rを割り当てる。また、制御部90は、材料12に所定の大きさよりも小さい加工桟部材14Rを割り当てる場合には、その外形を、個体を識別する必要がないように特定の形状、例えば、短桟部材14Sと同一の形状に決定する。
なお、加工桟部材14Rの形状は、桟部材として利用可能であれば一定の形状に限るものでなく、複数種類が設定されてもよいし、また、加工桟部材14Rの形状を、基準形状としての短桟部材14Sと必ずしも同一の形状とする必要はなく、角部分の一部が切除された形状など、基準形状の代わりに利用可能な別の形状であってもよい。すなわち、材料12に対して部品13を加工した残り部分の大きさが一定の条件範囲内である場合、特に外形形状の加工をしないで桟部材とする制御を制御部90に設けてもよく、残り部分の大きさとして、長さ又は幅のいずれか又は両方が、桟部材として利用可能な一定の条件範囲内(例えば、外形が基準形状より小さく大きさ差が3cm以下など)であれば、追加工を実施しないで、そのまま桟部材として使用する制御を付加してもよいし、残り部分が桟部材として大き過ぎる場合、複数に分断して加工桟部材14Rとする制御を付加してもよく、例えば、短冊切りにして細かくすることで加工桟部材14Rとして利用してもよい。
識別情報付加部20は、制御部90の制御に基づいて、部品13a等の場合と同様に、加工桟部材14Rにおける厚み方向を向く少なくとも一面に、部品13等であるか加工桟部材14Rであるかを識別可能な識別情報を付す。具体的には、識別情報付加部20は、所定の大きさよりも大きな加工桟部材14Rに対しては、個体識別情報としてのバーコード21と同様な桟部材14に対応したバーコードと、方向識別情報としての部品13a等と同一の共通記号22を印刷し、所定の大きさよりも小さい加工桟部材14Rに対しては、方向識別情報としての部品13a等と同一の共通記号22のみを印刷する。なお、加工桟部材14Rに付す方向識別情報は、部品13a等と同一の共通記号でなくてもよく、部品13a等に採用できる上述のような他の形態であってもよく、更に、部品13a等に採用しない専用の形態であってもよい。
部品支持部40は、加工桟部材14Rについても、部品13a等の場合と同様に、共通記号22(方向識別情報)が上下方向の少なくとも一方側を向いた状態にして支持する。更に、部品支持部40は、部品13等の場合と同様に、加工桟部材14Rが各部品13等や他の加工桟部材14Rと離間させて支持する。
制御部90は、移動対象である部品13a等やそれに付された共通記号22の移動撮像機器72による探索において、共通記号22の存在は認識できたが、その共通記号22に対する所定の位置にバーコード21の存在を認識できない場合には、特定の形状に加工された小さい加工桟部材14Rであると判断する。また、制御部90は、認識したバーコード21が移動対象である部品13aのものでなく、大きい加工桟部材14Rのものである場合や、バーコード21が認識されない小さい加工桟部材14Rのものであったとしても、移動対象である部品13aの移動を完了する前に移動させたとしても、他のいずれかの部品13や桟部材14を正常に配置できなくなることがない場合には、認識された加工桟部材14Rを移動させる。
このように、板状部品製造装置1によれば、制御部90が、材料12に対して部品13a等と加工桟部材14Rとを割り当てて加工部30に部品13a等と加工桟部材14Rとを加工させ、識別情報付加部20により、部品13a等と加工桟部材14Rとを識別可能な識別情報としてのバーコード及び共通記号22を、部品13a等や加工桟部材14Rの厚み方向を向く少なくとも一面に付加させる。これにより、材料12から加工された部品13a等と加工桟部材14Rとの向きを識別情報に基づいて調整して積み込みをすることが可能となる。
また、加工桟部材14Rには、方向識別情報としての共通記号22が付加されるので、制御部90(積層態様決定プログラム)によって決定された位置と向きに高精度で合わせて配置することが可能となる。したがって、部品13a等や加工桟部材14Rを好適に積み重ねていくことができ、積み重ねられた部品13a等や加工桟部材14Rの向きのずれに基づく荷崩れの発生を抑制できる。
また、板状部品製造装置1であれば、部品13a等を安定に支持することを補助するために用いられる加工桟部材14Rを、材料12において部品13a等を加工した残りの部分から加工することが可能となるために、部品13a等や加工桟部材14Rの加工に係る歩留まりを向上させることができる。
また、板状部品製造装置1であれば、上記のように部品13a等や加工桟部材14Rの向きを共通記号22に基づいて調整することが可能となるために、1つの材料12に部品13a及び加工桟部材14Rを含む複数の加工対象を割り当てる場合に、材料12における複数の加工対象の向きを制御部90(積層態様決定プログラム)によって決定された向きに合わせなくてもよく、1つの材料12に割り当てることができる複数の加工対象の組み合わせの自由度が高くなる。これによって、材料12における複数の加工対象の向きを制御部90によって決定された向きに合わせる場合に比べて、部品13a等や加工桟部材14Rの加工に係る歩留まりを向上させることができる。
また、板状部品製造装置1として、制御部90(積層態様決定プログラム)によって複数の層のうちいずれの層に部品13a等と加工桟部材14Rとが配置されるかが決定された後に、その決定された層の位置に応じて部品13a等と加工桟部材14Rとの割り当てを行ってそれらの加工を行う構成を採用することができる。この構成を採用した場合には、複数の層における各層に配置される部品13a等と加工桟部材14Rとは、同じ材料12から加工することになり、材料12に部品13a等や加工桟部材14Rを割り当てる制御を簡素化できると共にその処理負荷を低減できる。更に、各材料12における部品13a等と加工桟部材14Rとを、その配置が各層を構成する部品13a等と加工桟部材14Rとの配置と同一となるように割り当てるようにしてもよい。
なお、部品13を仮置きする仮置き部が設定されている場合において、部品13と加工桟部材14Rとが仮置き可能な共通仮置き部として構成してもよいし、部品13を仮置きする場所とは別に加工桟部材14Rのみを仮置きする加工桟部材用仮置き部を設けてもよい。
次に、桟部材支持部60について詳細に説明する。図4(A)は、桟部材支持部60の構成の一例を示す模式的な上面図であり、(B)は、その模式的な正面図であり、(C)は、単一の桟部材14(長桟部材14L)を供給する動作態様の一例を示す模式的な側面図であり、(D)は、複数の桟部材14(長桟部材14L)を同時に供給する動作態様の一例を示す側面図である。
桟部材支持部60は、図1、図4(A)及び図4(B)に示すように、長桟部材14L(帯板状の桟部材)を、上面視において、その長手方向における端部の位置をずらし、長手方向に交差する短手方向に並べた横並び状態にして支持する構成である。
具体的には、桟部材支持部60は、図4(A)及び図4(B)に示すように、開口61a~開口61cを有する中間壁61から上方に突設される壁として、手前側(図4(A)における下側であって図4(B)における紙面に垂直な方向の表側)に支持される長桟部材14Lの長手方向の両端位置を規制する長手側規制壁62a,63aと、その長桟部材14Lの短手方向の両端位置を規制する短手側規制壁64aとを備えている。同様に、奥側に支持される長桟部材14Lの長手方向の両端位置を規制する長手側規制壁62b,63bと、その長桟部材14Lの短手方向の両端位置を規制する短手側規制壁64bとを備えており、長手側規制壁62b,63bは、長手側規制壁62a,63aに対して長桟部材14Lの長手方向に沿ってずらして設けられている。桟部材支持部60は、各種の規制壁に沿った方向に長桟部材14Lが積み重なる状態で支持する。
更に、桟部材支持部60は、図4(A)及び図4(B)に示すように、底壁65の上方に形成されて中間壁61を支持し、開口61a(開口61b,61c)に連通する開口66a(開口66b,66c)を有する支持枠66と、底壁65に固定され、積み重さなった状態において最下層に位置する手前側(奥側)の長桟部材14Lの下面に接触し、積み重さなった手前側(奥側)の長桟部材14Lを一体的に上下方向に移動可能である規制板67a(規制板67b)と、規制板67a(規制板67b)を駆動するシリンダ68a(シリンダ68b)とを備えている。
制御部90は、保持機器71(接触部)に、2以上の桟部材14を接触させて吊り上げ、複数の層(積層体11を構成する層)の少なくとも一部の層に、2以上の桟部材14をまとめて移動させる制御を行うことが可能な構成である。例えば、2以上の長桟部材14Lをまとめて移動させる制御を行う構成であっても、2以上の短桟部材14Sをまとめて移動させる制御を行う構成であってもよく、更に、1以上の長桟部材14Lと1以上の短桟部材14Sをまとめて移動させる制御を行う構成であってもよい。
また、制御部90は、桟部材支持部60(桟部材支持手段)によって横並び状態にして支持された2以上の長桟部材14L(帯板状の桟部材)に対して保持機器71(接触部)が上側に位置するように積込部70(積込手段)の動作を制御し、2以上の長桟部材14Lと前記接触部とが接触した後に当該2以上の長桟部材14Lを吊り上げて、複数の層の少なくとも一部の層にまとめて移動させる複数桟部材移動制御を行う構成である。更に、保持機器71(接触部)に、長桟部材14L(帯板状の桟部材)を1つだけ接触させて吊り上げ、複数の層の少なくとも一部の層に、1つの長桟部材14Lを移動させる単一桟部材移動制御も行う構成である。
具体的には、制御部90は、シリンダ68a,68bの動作を制御することによって、規制板67a,67bの位置を、最上層の長桟部材14Lの上面の位置を一定の高さH1に保つように構成されており、最上層の長桟部材14Lが取り出された場合には、残りの積み重なった長桟部材14Lを一体的に、長桟部材14Lの厚み分だけ上昇させるように制御する。また、制御部90は、最上層の長桟部材14Lを保持機器71によって保持させる場合に、保持機器71を、手前側と奥側の長桟部材14Lがその長手方向に沿って重複する部分の中央であって、最上層の長桟部材14Lの上面と保持機器71の下端とが所定の距離H2(例えば、長桟部材14Lの厚み)となる位置(以下において保持待機位置と称す)に移動させる。その後、制御部90は、シリンダ68a,68bの制御によって、規制板67a,67bを、最上層の長桟部材14Lの上面と保持機器71の下端とが接触するまで上昇させる。制御部90は、シリンダ68aとシリンダ68bとを個別に制御可能な構成であり、図4(C)に示すように、シリンダ68a又はシリンダ68bを作動させることによって(図中はシリンダ68bを作動した場合)、手前側又は奥側の長桟部材14Lを上昇させたり、図4(D)に示すように、シリンダ68a及びシリンダ68bを同時に作動させて、手前側及び奥側の長桟部材14Lを一括して上昇させたりすることができる。これによって、制御部90は、単一の長桟部材14Lのみを保持機器71に保持させることも、複数(図中は2つ)の長桟部材14Lを保持機器71に保持させることもできる。また、図示は省略するが、短桟部材14Sに関しても、長桟部材14Lの場合と同様に、制御部90は、単一の短桟部材14Sのみを保持機器71に保持させることも、複数(図中は2つ又は4つ)の短桟部材14Sを保持機器71に保持させることもできる。
ここで、桟部材支持部60は、上面視において、長桟部材14Lが長手方向に交差する短手方向に並ぶようにして設けられている。このため、一方の手前側の長桟部材14Lは、その長手方向の右側の端部(奥側の長桟部材14Lと対向しない側の端部:以下において右端部と略記する)が長手側規制壁62aに揃うように支持させ、他方の奥側の長桟部材14Lは、その長手方向の左側の端部(奥側の長桟部材14Lと対向しない側の端部:以下において左端部と略記する)を長手側規制壁62bによって揃うように支持させることが可能な構成である。これにより、手前側や奥側の長桟部材14Lの長手方向の長さが不均一であったとしても、手前側の長桟部材14Lの右端部と奥側の長桟部材14Lの左端部とが隔たる長さ(以下において、ずらし配置全長と称す)を一定に保つことができる。また、桟部材支持部60において、そのずらし配置全長が、積層支持領域50A(図1及び図2参照)の長辺に対応する長さに設定されており、制御部90は、桟部材支持部60で支持された相対位置を保ちながら2つの長桟部材14Lを移動させれば、それらを積層支持領域50Aの長辺に渡って過不足なく配置させることができる。
桟部材支持部60は、手前側と奥側との長桟部材14Lを、その長手方向が積層支持領域50Aの長辺と略平行となるように支持する構成であり、長桟部材14Lを積層支持領域50Aの長辺に沿って配置する場合に、保持機器71による保持状態が直線的な移動に比べて解除され易い回転を伴わずに、長桟部材14Lを移動させることを可能としている。これによって、長桟部材14Lを、回転を伴って移動させる場合に比べて、高速で移動させることができる。
なお、桟部材支持部60は、手前側と奥側との長桟部材14Lをその短手方向に近接させた状態で支持する構成に限らず、それらを短手方向に所定の間隔で離間させた状態で支持する構成であってもよい。
また、制御部90は、2つの長桟部材14Lを移動する場合に、必ずしも同時に保持させる必要はなく、別々に保持するようにしてもよい。すなわち、手前側と奥側との一方の長桟部材14Lを保持機器71によって保持させた後に、その長桟部材14Lを動作機器73によって他方の長桟部材14Lに近接させるように移動させてから、他方の長桟部材14Lを保持機器71によって保持させてもよい。
また、桟部材支持部60は、手前側や奥側等、長桟部材14Lが積み重なった積層物を複数並べて設ける場合に限らず、1つの積層物のみを設ける構成であってもよい。この構成を採用する場合には、制御部90は、1つの長桟部材14Lを保持機器71によって保持させた後に、その長桟部材14Lを動作機器73によって移動させてから、他の長桟部材14Lを、保持機器71によって、先に保持した長桟部材14Lを保持している部分とは異なる部分で保持させる構成とする。長桟部材14Lを動作機器73によって移動させる際に、長桟部材14Lの長手方向に沿った移動量によって、保持機器71によって保持される2つの長桟部材14Lに対するずらし配置全長を調整し、また、長桟部材14Lの短手方向に沿った移動量によって、それらの長桟部材14Lの間隔を調整する。更に、桟部材支持部60を、長桟部材14Lの長手方向の一端部を揃えて支持する構成とし、制御部90を、先に保持される長桟部材14Lを保持させた後に、長桟部材14Lの表裏方向を中心軸として180度回転させてから、保持された長桟部材14Lにおいて支持状態で揃えられていた一端部が次に保持される長桟部材14Lに対向しないように、他の長桟部材14Lを保持させる構成とすることが好ましい、この構成を採用すれば、長桟部材14Lの長手方向の長さが不均一であったとしても、保持される2つの長桟部材14Lのずらし配置全長を一定に保つことができる。
また、制御部90は、単一桟部材移動制御と複数桟部材移動制御とを行う構成に限らず、単一桟部材移動制御を行わない構成であってもよい。この構成を採用する場合には、桟部材支持部60は、手前側と奥側の長桟部材14Lを個別に移動させることができない構成、例えば、シリンダ68a及びシリンダ68bが連動してしか動作しない構成や、手前側と奥側の長桟部材14Lを1つの規制板で支持する構成であってもよい。制御部90は、単一桟部材移動制御によって、1つの長桟部材14Lを移動させる場合には、手前側の長桟部材14Lと奥側の長桟部材14Lとが均等に利用されるように、それらを交互に選択して移動させる構成とすることが好ましい。また、制御部90は、1つの長桟部材14Lを移動させる場合には、複数の長桟部材14Lを保持する場合とは異なる位置、例えば、各長桟部材14Lの中央(重心)の位置を保持機器71によって保持させるように、保持機器71により保持させる位置を変更する構成であることが好ましい。
また、制御部90は、保持機器71によって1又は2以上のものを保持させる場合に、それらを保持機器71における保持可能な領域の中央側(保持中心)に寄せて保持させる構成に限らず、一端側に寄せて保持させる構成であってもよい。この場合、制御部90は、保持機器71によって保持したものを、中央側に寄せて保持させた場合よりも基部74(図1参照)に対して離れた範囲にまで、動作機器73によって移動させることができる。
このように、板状部品製造装置1であれば、積込手段(積込部70)の動作を少なくとも制御し、部品13と長桟部材14Lや短桟部材14Sとを複数の層に積み重なった状態とする場合に、接触部(保持機器71)に、2以上の長桟部材14Lや短桟部材14Sを接触させて吊り上げ、複数の層の少なくとも一部の層に、2以上の長桟部材14Lや短桟部材14Sをまとめて移動させる制御を行うことが可能である。これによって、2以上の桟部材14Lを吊り上げて所望の位置に一度で移動させることができ、各層に桟部材を配置する時間効率を向上させることができる。これによって、効率良く、板状又は棒状の部品を複数の桟部材を含めて積み重なった状態とすることができる。
また、板状部品製造装置1であれば、2以上の桟部材14Lを同時に吊り上げることができ、桟部材14L,14Sを吊り上げる時間効率を向上させることができる。また、複数の桟部材14Lを予め移動場所における相対位置と同一の相対位置となるようにずらしておくことによって、層上に移動させた後にそれらの少なくとも1つの桟部材14Lを更に移動させたりすることなく、2以上の桟部材14Lを同時に所望の位置に配置させることも可能になる。
また、板状部品製造装置1であれば、単一の桟部材を移動させるか、複数の桟部材を移動させるかを選択できるために、1つの桟部材しか必要の無い層に対しても、複数の桟部材が必要な層に対して、所定数の桟部材を簡便に移動させることができる。
なお、制御部90の制御によって、接触部(保持機器71)に、2以上の桟部材14を接触させて吊り上げ、複数の層の少なくとも一部の層に、2以上の桟部材14をまとめて移動させる制御を行う装置としては、加工装置を含む板状部品製造装置1に限らず、加工装置を含まない板状部品移動装置として構成しても、同様の効果を奏するものとすることができる。また、この板状部品移動装置として、識別情報付加部20、及び、加工部30の少なくともいずれかを省略してもよいし、制御部90における材料12の加工に関する制御部分を省略してもよい。
また、制御部90の制御によって、2以上の桟部材14をまとめて移動させる制御を行う装置としては、積込部70による移動対象の部品が板状の部品13である場合に限らず、棒状の部品を移動対象とする部品移動装置として構成してもよく、例えば、建築物の骨格を形成する柱材や横架材等の構造材又は羽柄材等の補助部材に使用される桟部材14として利用してもよい。この場合に、上記した長桟部材14Lを利用し、棒状の部品を複数並べて複数段に積み重ねた状態の一部に長桟部材14Lを配置し、トラックの荷台の幅に合わせて2つの長桟部材14Lの端部位置のズレ量を異ならせて長手方向における重なり代を調整してもよく、これにより、多様なトラックの荷台の幅に調整可能な桟部材14として長桟部材14Lを利用することができる。
また、制御部90は、単一桟部材移動制御と複数桟部材移動制御とを行う構成に限らず、複数桟部材移動制御は行わずに単一桟部材移動制御のみを行う構成としてもよい。
次に、識別情報付加部20によって部品13及び桟部材14に付加する方向識別情報に関する構成について、図5を参照して、更に説明する。図5は、方向識別情報として用いられる共通記号22に、文字及び記号を利用した場合を例示した図である。具体的には、1つの材料12を用いて製造される複数の加工部品(部品13及び桟部材14)に対して識別情報付加部20によって識別情報としてのバーコード21と共通記号22とを付加した形態を模式的に示している。
方向識別情報として利用可能な共通記号22は、図5に示すように、文字や図形を用いて付加してもよい。共通記号22は、制御部90としてのパーソナルコンピュータによって利用可能な文字や記号、図形を用いることが好ましい。文字としては、平仮名、片仮名、アルファベット、数字、漢字等が例示され、記号としては、「¥」、「&」等が例示される。この共通記号22に用いる方向識別情報としては、漢字のみや、記号のみの一種類の分類に属するもののみを用いるようにしてもよいし、2以上の分類に属するものを用いるようにしてもよい。
方向識別情報として利用可能な図形としては、例えば、半円や三角形や長方形といった図形が例示できる。方向識別情報としての図形を構成する外形線は、一定の太さとするよりも、部分的に太い箇所を含むことが好ましく、線幅の太い箇所が、コーナー部分(例えば、三角形の各頂点)に位置するような図形を用いることが好ましい。これにより、比較的小さなサイズの非使用情報を方向識別情報として利用しても、方向識別情報の位置及び向きを精度良く判定し易くすることができる。 また、文字及び記号の情報のうち、共通記号22として、いずれの情報を、方向識別情報として用いてもよいが、部品13の番号や部品13の配置位置等、部品13の特定に使用している情報(以下、「使用情報」ともいう)とは別の情報(以下、「非使用情報」ともいう)を用いることが好ましい。これにより、使用情報を誤って、方向識別情報として認識してしまう事態を回避することができる。 また、方向識別情報として利用可能な非使用情報としては、漢字を利用することは好ましい。漢字は、数多くの種類があり、それらの中から非使用情報を容易に選択可能であるし、後から変更や追加をする場合の対象も多数あって、容易に変更や追加をすることができる。
ここで、共通記号22は、制御部90によって識別情報付加部20が制御されて印字される。このため、制御部90に、共通記号22として予め使用可能な1又は複数種類の非使用情報を記憶(設定)させておき、その非使用情報を、制御部90によって識別情報付加部20を制御して付加するものとしてもよいし、未設定の非使用情報を制御部90に対して入力(追加)することで、共通記号22として利用可能な新たな非使用情報を追加可能に構成してもよい。
方向識別情報として利用する漢字としては、特定の一方向を識別可能な形をした漢字が利用可能である。例えば、「土」、「円」、「山」、「出」、といった漢字が利用可能である。この漢字の設定において、方向識別情報として利用する漢字は、単純すぎると、木製の材料を加工して部品13を製造する場合における部品13の木目や汚れ等によって誤認識を生じる可能性がある。一方、複雑すぎると、識別情報の識別を正確に行うために、高解像度のカメラを必要としたり、距離が遠いと正確な識別がし難くなるなど情報入力の可能な位置が限定される可能性がある。このため、方向識別情報として利用する漢字は、例えば、画数として、三画以上にして単純すぎないような漢字が好ましく、また、五画以下といった複雑過ぎない漢字を用いることが好ましい。
また、方向識別情報として利用する漢字は、複数の方向を向く直線状の部位を有する漢字を用いることが好ましく、例えば、漢数字の「三」といった漢字を用いるよりも、「工」や「土」といった漢字の方が好ましい。これにより、一定の方向に向かって多数並んだ状態となりやすい木目が、誤って方向識別情報と認識されてしまう事態を回避し易くすることができる。
また、直線部分の長さが僅かに変化すると別の方向の文字と認識され得る漢字(例えば、「工」)より、直線部分の長さが僅かに変化しても方向が一方向に限定可能な形をした漢字(例えば、「土」)を用いることが好ましい。これにより、一部の直線状の部分に、木目や汚れが重なることで向きが逆になるなど、誤認識されてしまう事態を回避し易くすることができる。
また、複数の方向のうち少なくともいずれかの方向(例えば、縦方向)を向く直線状の部位が2以上平行して設けられる漢字(例えば、「山」)を方向識別情報として利用することが、誤認識を回避し易くすることができて好ましい。また、直線状の部位が2以上平行する方向が2つの方向に設けられる漢字(例えば、「円」)を方向識別情報として利用することが好適である。
また、方向識別情報として、識別情報付加部20によって付加する共通記号22は、1種類のみが設定される構成としてもよいが、複数種類が設定されることが好ましい。例えば、方向識別情報としての漢字を、予め複数種類設定しておいて、板状の材料が切断された場合に分断される複数の部品13に対して、別々の文字を割り当てて、識別情報付加部20によって付加することが好ましい。これにより、制御部90によって共通記号22が検知された場合に、移動対象となる1つの部品を特定し易くすることができ、共通記号22のみを検知して、部品13の移動先を制御部90によって簡易に識別し、積込部70を制御して部品13を移動することができる。
方向識別情報として複数種類の識別情報を利用する場合には、識別情報付加部20によって付加する文字又は記号を異なる大きさで印字し、その文字等の大きさの相違によって異なる方向識別情報であることを制御部90によって識別して制御するようにしてもよい。例えば、板状の材料が切断された場合に複数に分断される部品13に対して、同一の漢字を異なる大きさで付加するようにし、その漢字の種類と大きさとによって、部品13を特定するようにしてもよい。図5には、「¥」及び「山」の方向識別情報が異なる大きさで共通記号22として用いられる場合を例示している。
また、方向識別情報を設定する種類の数としては、1つの材料から分断されて移動が必要となる数分を設定しておくことは好ましい。例えば、最大で6個の部品13が1つの材料12から製造され得る場合には、6以上の異なる方向識別情報を予め設定しておくことが好ましい。図5には、3種類の部品13a~13cに対して異なる方向識別情報が共通記号22として付加された場合を例示している。
また、方向識別情報として、同一の部品13(形状及び大きさが同一の部品13)が1つの材料12から複数製造される場合には、当該同一の部品13に対しては、同一の方向識別情報を付加するようにしてもよい。図5には、同一の形状及び大きさの加工部品である桟部材14に対して、同一の方向識別情報である「山」が共通記号22として付加された場合を例示している。
また、方向識別情報として、同一の方向識別情報を、1つの材料12を切断して製造される複数の部品13に付加するようにしてもよい。この場合には、複数の部品13に対して印字される同一の方向識別情報が予め定めた一定の距離以上に離間する場合に限って、同一の方向識別情報を付加するようにすることが好ましい。例えば、上記した広域認識範囲72Hの中に、同一の方向識別情報が配置されない距離分以上に離間した位置に対しては、同一の方向識別情報を付加する制御を行うようにしてもよい。
また、方向識別情報として、色が異なる方向識別情報を複数の部品13に付加し、付加された識別情報の色を含めた方向識別情報の種類を制御部90によって識別することで、方向識別情報を判別するようにしてもよい。
また、1つの部品13に対して付加する共通記号22は、1つの文字又は記号を方向識別情報として付加してもよいし、複数の異なる識別情報(例えば、文字又は記号の種類と大きさとのいずれか又は両方が異なる識別情報)を付加してもよい。図5には、3種類の部品13a~13cに対して、それぞれ2種類の方向識別情報が付加された場合を例示している。
1つの部品13に対して複数種類の異なる識別情報を共通記号22として付加する場合、同一の文字又は記号(例えば、漢字)を異なる大きさで複数箇所に付加してもよいし、異なる文字又は記号(例えば、2種類の漢字)を付加してもよい。この場合には、1つの部品13に対して付加された複数種類の識別情報に対して、制御部90において、部品13の重心位置と印字位置との相対位置関係を記憶させておき、いずれかの識別情報が検知できれば、積込部70を制御して部品13を移動可能とすることが好ましい。図5には、1つの部品13に対して異なる大きさの方向識別情報を、共通記号22として付加する場合を例示している。
ここで、1つの部品13に対して、複数の文字又は記号を方向識別情報として付加する場合の制御例について説明する。まず、複数の方向識別情報が付加された部品13の画像を情報入力装置(移動撮像機器72)を介して制御部90に入力し、その画像の中に、1つの方向識別情報が検知できた場合には、その方向識別情報に基づいて、部品13の移動の制御を実行する。複数の方向識別情報が検知できた場合には、予め記憶されている理想形の方向識別情報のデータと比較して、正しい部分の割合(スコア)が高い一方の識別情報を、移動の制御に利用する方向識別情報として制御を実行する。この場合に、複数種類の方向識別情報を、複数回の撮影によって制御部90に入力してもよいが、移動撮像機器72による1回の撮影によって情報の入力が可能な程度に近接した位置に、複数種類の方向識別情報を付加するようにすることが好ましい。これにより、複数種類の方向識別情報を、数少ない情報入力(撮影)によって制御部90に入力することができるので、部品13の移動の制御を高速化し易くすることができる。
このように、識別情報付加手段としての識別情報付加部20は、加工装置としての加工部30の制御によって加工された加工部品としての部品13及び桟部材14に対して、識別情報として設定された複数種類の漢字又は記号の一部(いずれか又は複数)を、共通記号22として加工部品に付すように構成されている。このため、加工部品に付された漢字又は記号の種類と大きさとを制御部90が識別し、この加工部品に付された漢字又は記号の種類と大きさの組合せで構成される方向識別情報の種類に応じた加工部品の移動の制御を制御部90に実行させることができる。
すなわち、1枚の材料12から複数の加工部品が製造される場合において複数の加工部品に対して異なる方向識別情報を付すことができ、この場合、バーコード21などの個体識別情報を情報入力装置(移動撮像機器72)によって制御部90へ入力しなくても、複数の加工部品のいずれであるかを、共通記号22によって特定して加工部品を移動することができる。よって、情報入力装置による識別情報の入力を簡易化して加工部品の移動を完了するまでの時間を短くしたり、方向識別情報を入力するための情報入力装置として低解像度の移動撮像機器72を利用可能にして板状部品製造装置1のコストを低減するなど、加工部品の向きを識別可能な識別情報(方向識別情報)を用いた移動制御を好適に行うことができる。
また、制御部90に設定される方向識別情報として、パーソナルコンピュータなどで一般的に利用可能な漢字の情報が含められている。これにより、識別情報として設定し得る対象を多様にして適切な識別情報を設定(選定)し易くすることができ、また、既存の文字を利用することで、制御部90に対する識別情報の設定や、情報入力装置(移動撮像機器72)の情報入力に基づく識別情報の識別制御の設定等を行い易くすることができる。
また、制御部90に設定される方向識別情報として、文字の大きさが異なることで異なる種類とした方向識別情報が含められている。よって、限られた文字や図形を用いて、多種の識別情報を用いた制御を行うことができる。
次に、識別情報付加部20によって識別情報を付加するために利用する材料(インク)について、説明する。識別情報付加部20による識別情報の付加は、黒色や紺色等の有色のインクを用いて、識別情報付加部20としての印字装置によって印字するのが一般的であるが、この印字に使用するインクとして、紫外線を受けて発光する蛍光剤を用いるようにしてもよい。
具体例として、印字装置としての識別情報付加部20には、紫外線を受けて発光する蛍光剤を含むインク(以下、発光インクともいう)が、インクを貯留するインクタンクに注入され、発光インクを用いて識別情報としてのバーコード21や共通記号22を印字可能に構成する。また、積込部70の動作機器73(動作部)の先端に設けられる保持機器71には、移動撮像機器72に加えてブラックライト(紫外線ライト、UVライト)が取り付けられ、制御部90の制御によってブラックライトを点灯させて識別情報が発光した状態の画像を制御部90に入力可能に構成する。制御部90では、発光した識別情報を含む画像から共通記号22を検出し、検出した共通記号22の向きに応じて積込部70を制御して加工部品を移動する。
このように、発光インクを用いて識別情報を印字することにより、ブラックライトを利用して印字された情報を確認することができる。このため、プレカット加工を行う対象となる材料(木材)の色味が、濃い色や白色に近い色などのいずれの場合であっても、識別情報としての共通記号22を検出し易くすることができる。すなわち、プレカット加工を行う対象となる材料(木材)の色味に依らず、また、木目や節が識別情報に重なっても、発光インクを用いて印字を行うことで、制御部90において識別情報を正確に検出し易くことができる。これにより、識別情報の識別が困難となって、方向識別情報に基づく加工部品の移動の処理が滞って作業の進行が遅れたり、誤って動作してしまう事態を回避することができる。また、複数の異なる色のインクを準備し、色味が異なる木材の種類に応じて使い分けを行う必要がないので、識別情報付加部20を複数色の対応とすることによるコスト増を抑制したり、制御部90における色変更の制御によるコスト増を抑制することができる。
ここで、識別情報付加部20によって発光インクを用いて識別情報を印字する場合、発光インクを用いた印字と同一又は略同一の外形形状の印字が、紫外線を受けることなく視認可能に印字を行うように、制御部90及び識別情報付加部20を構成してもよい。例えば、ブラックライトを照射しない場合においては無色(透明)又は略無色(略透明)の発光インク(以下、「無色発光インク」ともいう)を用いて識別情報の印字を行うようにし、その無色発光インクによる印字と同じ位置に、黒色等のインク(ブラックライトを照射しない場合に視認可能な有色の染料インク又は有色の顔料インクであり、以下、「有色インク」ともいう)で識別情報の印字を行うようにしてもよい。これにより、必要な部位に限って、発光インクのみを用いた識別情報の印字を行うことができる。この場合には、制御部90の制御として、発光インクのみを用いて印字される識別情報と、有色インクのみを用いて印字される識別情報とのいずれか又は両方の識別情報と、発光インク及び有色インクを用いて印字される識別情報とを混在させて印字を行う制御を設けるようにしてもよい。
また、無色発光インクと、有色インクとを含むように混ぜ合わせたインク(以下、「有色発光インク」ともいう)を用いて、識別情報付加部20によって識別情報を印字するようにしてもよい。この場合、1回の識別情報の印字によって、短い時間で、紫外線の有無に依らずに視認可能な識別情報の印字を行うことができる。
このように、紫外線の有無に依らず視認可能に識別情報の印字を行うことにより、ブラックライトを照射した場合であっても、また、ブラックライトを照射をしなくても、制御部90において識別情報を識別可能とすることができ、制御部90によって多様な対応が可能な板状部品製造装置1とすることができる。例えば、識別情報の識別が困難な色味の材料に限って、ブラックライトを照射した画像を制御部90へ入力して、識別情報の検出をすることができる。
ここで、方向識別情報などの建築現場においては不要となる情報については、無色発光インクによって印字を行い、紫外線ライトの照射がなければ、無色(透明)に近い状態となるようにしてもよい。これにより、建築現場では不必要な印字を部品等に対して行っても目立たないようにすることができ、製品としての見栄えを損なったり、建築現場での作業者に誤った情報として理解されてしまう可能性を低減することができる。
また、発光インクを用いた識別情報付加部20による識別情報の印字は、個体識別情報及び方向識別情報のいずれか一方としてもよいし、別の情報を含めるようにしてもよい。例えば、柱材や横架材の端部に、他の部材と接合するための金属製の部品(金物)が取り付けられる場合に、その金物の取付位置や種類に応じた文字や図形を印字(印刷)してもよく、プレカット加工の他に加工部品に対して手作業で後加工を施す必要がある場合に、その後加工の作業内容に応じた文字又は図形を印字(印刷)してもよい。
次に、図6を主に参照して、固定撮像機器46について説明する。図6は、移動撮像機器72及び固定撮像機器46の配置を示す模式図である。
固定撮像機器46は、移動撮像機器72と同様に、撮像素子を用いたCCDカメラ等により構成される撮像機器である。固定撮像機器46は、移動撮像機器72よりも、図6に示すように、部品13から上方側に遠く離れた高さ位置に設けられる。固定撮像機器46は、部品支持部40に支持された部品13の外形形状の全体を撮影可能に構成され、図6には、固定撮像機器46の撮影方向(レンズの向き)を鉛直下方側にして設置した場合を例示している。
なお、固定撮像機器46は、必ずしも移動撮像機器72における上下移動可能な範囲の中で最も高い位置よりも、更に高い位置に設けられる必要はなく、積込部70が部品13を移動する場合において部品13に接触する状況における移動撮像機器72の高さ位置よりも高い位置に設けられていればよく、積込部70が部品13を水平方向に移動する場合における高さ位置よりも高い位置に設けられることが好ましい。また、固定撮像機器46は、部品支持領域40Aに支持された一部の部品13に対して鉛直上方側に位置するように、部品支持領域40Aの鉛直上方側に相当する範囲内に設けられてもよいし、または、部品支持領域40Aの鉛直上方側に相当する範囲から外れた位置に設けられ、部品支持部40に支持された部品13を斜め上方側から撮影するように、固定撮像機器46のレンズが斜め下側を向くようにして配置する構成としてもよい。
固定撮像機器46は、制御部90に対して、配線を介して接続されるか、または、無線通信機能を用いて通信可能に接続され、部品13に対して正しい加工ができたか否かの検品機能を発揮させるために利用される。制御部90は、加工部30から部品支持部40へ部品13が搬送されたタイミングで固定撮像機器46で部品13の画像を撮影する。部品13の画像が制御部90に入力されると、制御部90において、部品13の外形形状が検出される。部品13の外形形状の検出は、部品13の画像に基づいて、外形形状、凹み、穴などの表面形状におけるエッジ(角)部分を検出して実施される。エッジ部分の検出には、例えば、画像の色の変化の度合いから、エッジに相当する境界の位置を検出して実施することができる。なお、制御部90において、ディープラーニングを活用したAI(人工知能)の機能を付加して、部品13のエッジ部分を検出してもよい。
部品13のエッジ部分を検出することで、制御部90は、部品13に対して加工が必要な切削加工が未実施となっている状況を検出する制御を実行することができる。例えば、刃物としてのキリ(ドリル)の刃が切損していた場合には、必要な穴加工が実施されていない状況が発生し得るので、その穴加工が実施されていない状況を検出して加工部30を一旦停止し、刃物を新品に交換する時期を検出することができる。また、外形加工の一部が正しく実施されているか否かを部品13の画像に基づいた画像解析により検出する制御を実行し、外形加工の一部が正しく実施されていない場合(例えば、穴加工の位置がずれていた場合)には加工部30を一旦停止して外形加工の一部が正しく実施できていない状況であることを表示画面(ディスプレイ)に表示する。これにより、制御プログラムの不備が含まれていた場合に制御プログラムを更新する等の対応を、プレカット工場の作業者や板状部品製造装置1の製造メーカーの担当者が実施することができる。
また、検品機能に限らず、固定撮像機器46又は移動撮像機器72の画像を制御部90で解析することで、板状部品製造装置1に他の機能を付加するようにしてもよい。例えば、部品13のエッジ部分の仕上がり具合を、画像の解析により検出し、バリが予め設定した長さ以上に突出しているなどの一定以上の加工処理の仕上がりの劣化が検出された場合に、制御部90で作業者に注意を促す表示をするように制御を実行してもよい。例えば、作業者に注意を促す内容として、仕上がりの劣化が検出された加工を実施した工具(刃物)の交換を促す表示を実施してもよい。
また、画像の解析により加工処理の仕上がりの劣化を検出する場合には、仕上がりの劣化した状況と、その加工を実施した工具(刃物)の交換からの使用時間を記録して集計可能とし、その工具(刃物)の交換の目安となる使用時間に対応した時間情報を、仕上がりの劣化状況に基づいて出力するようにしてもよい。この交換の目安となる時間情報は、板状部品製造装置1の製造メーカーにインターネットなどの通信回線を介して情報出力する機能を板状部品製造装置1に付加し、製造メーカー側で、その情報を収集して、刃物の適切な交換時期を推定し易くするようにすることが好ましい。
ここで、刃物交換の目安となる時期の検出方法としては、上記した画像解析による場合に限らず、他の方法による検出機能を付加してもよく、例えば、刃物を用いて部品13の加工をしている状況における電流値を監視し、その電流値が一定の閾値から外れた場合に刃物交換の時期であることを検出してもよい。
また、画像を用いた部品13の検品としては、部品13の形状に限らず、部品13の表面に傷などの切損がないかの確認であってもよいし、部品13の材質が正しいかを表面の色や木目により確認してもよいし、印字装置(識別情報付加部20)による印字の確認であってもよい。例えば、印字装置による印字が正しく実施されているかを検出し、画像の解析により印字の内容の正否や、印字の品質が一定の水準以上であるかを識別してもよい。そして、印字に一定以上のかすれなど品質が一定の水準を満たさないと判断できた場合には、識別情報付加部20の早期確認を促すメッセージを制御部90の表示画面に表示する制御を実行してもよい。また、必要な印字が実施されていない場合には、加工部30を一旦停止して、識別情報付加部20を含む板状部品製造装置1における問題箇所を見直す必要がある状況であることを表示画面に表示する制御を実行してもよい。このような制御を実行することにより、多数の部品13が印字無しで製造されてしまう事態を回避し易くすることができる。
このように、板状部品製造装置1は、加工部30による加工後の部品13に対しての外形を含む部品13を撮影して当該部品13の画像を取得可能とする固定撮像機器46と、固定撮像機器46により取得した部品13の画像に基づいて加工部30によって部品13に対しての加工が実施されたか否かを判定して当該判定の結果に応じた異なる制御を実行可能な制御部90とを備えている。このため、部品13の外形に対して必要な加工が実施されていない状況の見落としを少なくすることができ、板状の部品を積込部70により複数の層に積み重なった状態とする場合において部品13に対して必要な加工が実施されていない場合に対しての対応を迅速に実施することができる。よって、不適切な部品13の加工や加工品質の低下等に対しての対応を迅速に実施することができ、建築現場において部品13に対しての検品作業や、追加の加工を実施するなどの作業工程を簡略化し易くし、建築現場における作業効率を高めることができる。
また、板状部品製造装置1は、部品13に対して、部品13の向きを識別可能な方向識別情報としての共通記号22を付す識別情報付加部20と、共通記号22を撮影して方向識別情報の画像を取得可能な移動撮像機器72とを備え、積込部70は、移動撮像機器72によって取得された方向識別情報の画像に基づいて部品13の向きを識別して積込部70の動作を制御し、移動撮像機器72は、積込部70の一部として移動可能に設けられ、固定撮像機器46は、移動撮像機器72よりも、部品支持部40に支持された部品13から上方側に離間した位置に移動不能に設置されている。すなわち、移動撮像機器72と固定撮像機器46とが別々に設けられているので、移動撮像機器72と固定撮像機器46とを利用して、各部品13を適切な位置に効率良く配置可能とすることができる。
ここで、移動撮像機器72と固定撮像機器46とを用いた制御部90による好適な制御例について説明する。まず、固定撮像機器46により部品支持部40に支持された部品13を撮影するタイミング(時期)については、共通記号22及び各部品13の外形形状や加工部分といった検品の対象となる箇所と、固定撮像機器46との間に、移動撮像機器72を含む積込部70の一部が入り込まないようなタイミングを制御部90によって識別して、積込部70の動作と固定撮像機器46による部品13の撮影とを制御することが好ましい。具体的には、固定撮像機器46による部品13の撮影タイミングにおいては、積込部70は、部品支持部40以外の方向側に保持機器71が位置するように制御してもよいし、部品支持部40の上方側に保持機器71や移動撮像機器72が配置されている箇所として、共通記号22及び各部品13の検品の対象となる箇所を識別して、それらと固定撮像機器46との間に積込部70の一部が入り込まないように、積込部70の動作を制御してもよい。
また、移動撮像機器72の画像と、固定撮像機器46の画像とを組み合わせて上記した検品機能や他の機能を発揮させるための画像解析を実施してもよい。例えば、固定撮像機器46から移動撮像機器72の配置により死角となった箇所について、移動撮像機器72の画像を利用し、死角となった箇所に当該画像を挿入して補完した画像を元に、画像解析を実施し、検品機能を発揮する構成としてもよい。この場合には、制御部90が積込部70の動作を制御して、移動撮像機器72による画像の撮影方向が変化するように、例えば、移動撮像機器72の撮影方向を鉛直下方から斜め下方向に変化させる制御を実行することが好ましく、これにより、死角となる箇所を完全に補完することが可能な画像を撮影し易くすることができる。
次に、共通記号22に関する好適な構成例について、更に説明する。
共通記号22は、必ずしも重心に対して一定の方向に一定距離ずれた位置(基準位置)に印字する制御のみを含めて制御部90を構成する必要はない。共通記号22の印字制御として、基準位置に共通記号22を印字する制御と、基準位置とは別の位置に共通記号22を印字する制御とを含めて制御部90を構成することが好ましい。例えば、小さい部品13や、材料12に共通記号が印字される面(印字面)が材料12の搬送や位置決めのために部分的に把持される場合における把持位置又はその把持位置付近に基準位置が位置する場合などでは、基準位置に共通記号22を印字することが難しい。この場合、共通記号22を付すことが可能な別の位置であって、重心に対してずれる方向又は量の少なくとも一方が基準位置とは異なる別の位置に、共通記号22を付すようにしてもよい。
別の位置に印字された共通記号22を利用することで、制御部90により保持機器71を移動制御して、部品13を移動して積み込むことができる。これにより、共通記号22の印字ができない部品13を減らし、作業者の手作業によって積み込みが必要になる部品13を少なくすることができ、作業者が手作業で積み込みを実施する必要が生じて板状部品製造装置1を一時停止する状況を少なくし、効率良く積層体11を生成することができる。
このように、制御部90は、部品13の外形形状に応じて予め設定された基準位置へ部品13の識別情報としての共通記号22を付加する制御(第1識別情報付加制御)と、基準位置とは別の位置に識別情報を付加する制御(第2識別情報付加制御)とを制御部90が含むように構成することが好ましい。これにより、手作業による積み込みの必要を減らして作業者の負担を軽減し、また、効率良く積み込みを可能にすることができる。
なお、材料12の搬送や位置決めの際に、印字面が複数箇所で把持される構成の場合、共通記号22を基準位置として付加する位置で把持している把持部(例えば、材料12を厚み方向において把持する把持爪)は、一時印字面から離間させ、基準位置に共通記号22を印字した後に、離間させていた把持部で材料12を把持し直すようにしてもよい。
また、基準位置に共通記号22を印字する場合と、基準位置とは別の位置に共通記号22を印字する場合とにおいて、共通記号22の種類を異ならせて印字してもよい。例えば、重心位置に印字する場合には「円」の文字を印字し、重心位置から一定の方向に一定距離ずれた基準位置に印字する場合には「山」の文字を印字をしてもよく、共通記号22の大きさを異ならせて印字してもよい。これにより、共通記号22の種類に基づいて制御部90が部品13の重心位置や向きを識別し易くすることができる。
また、制御部90は、別の位置に印字した共通記号22が重心又は基準位置からずれた方向と量とを記憶する記憶部と、基準位置に共通記号22を印字した部品13であるか、基準位置とは別の位置に印字した部品13であるかを記憶する記憶部とを含み、部品13の重心位置を、別の位置に印字された共通記号22に基づいても識別可能とし、別の位置に印字された共通記号22の位置に基づいて保持機器71が部品13に接触する位置を決定してもいよい。
次に、積層支持部50に積層体11として部品13を積み重ねる制御部90の制御についての好適な構成例について、更に説明する。
制御部90の制御により、複数段に部品13が積み重なった積層体11が完成すると、積層体11が結束バンド等によって梱包され、梱包された部品13が、トラックの荷台等に積み込まれて建築現場へと出荷される。この積層体11となった後に梱包されて出荷される状況における部品13の配置位置(以下、「荷姿」ともいう。)は、制御部90の制御によって、3次元で表現されたデータとして制御部90表示画面に表示したり、プレカット工場の作業者が荷姿を容易に認識可能とする制御を含むことが好ましい。これにより、積層体11としての積み重ねの開始前や部品13の加工前において、トラックに積載される梱包状態を容易に把握することができる。よって、トラックに積載された積層体11の状態として、不都合が生じる可能性のある状況を事前に把握し、積層体11として積み重ねられる部品13の配置位置を必要に応じて変更し易くすることができる。
荷姿は、プレカット工場毎の梱包状態の違いや、建築施工業者の違い、トラックの仕様の違いなどにより好適な形が異なる可能性がある。これに対して、3次元で荷姿を表示する制御を含めることでプレカット工場の作業者が梱包状態を把握し易くすることができ、更には、積層体11の高さを変更したり、必要に応じて部品13の配置位置を一部変更してから、部品13の加工や積み込みを開始する制御を実行し易くすることができる。
また、荷姿を3次元で表現したデータは、梱包を開封して建築現場で施工を行う施工業者が容易に理解できるように、最終の荷姿を紙媒体で出力したり、荷姿データとして、フラッシュメモリ等の記憶媒体に対してや、無線通信を通じて携帯情報端末に情報出力する制御を含むことが好ましい。これにより、施工業者が3次元で表現されたデータを確認することができ、多数の部品13が搬入される建築現場において、どの梱包の中の、どの位置に、必要な製品が配置されているのかを施工業者が確認し易くすることができる。
また、荷姿を設定する制御として、1度設定された荷姿を変更する制御を制御部90に設けることが好ましい。例えば、荷姿が1度設定された状態においてプレカット工場の作業者の操作により作業者の指定した層の範囲までを、1つの梱包とする制御を制御部90に設けてもよい。これにより、作業者が意図した高さまでの荷姿による梱包を容易に設定することができる。この場合に、荷姿が設定された1つの梱包に属さない残りの部品13は、そのまま1つの別梱包とする制御を設けてもよいし、更に、その残りの部品13に他の部品13を付加して別梱包とする制御を設けてもよい。
また、作業者の指定する層は、部品13が使用される使用対象(例えば、屋根の一面や床面の属する部屋名など)を基準として荷姿の高さ位置を指定可能な制御を含むことが好ましく、また、作業の施工順(例えば、屋根に部品13を貼り付ける順番)を基準として荷姿の高さ位置を指定可能な制御を含むことが好ましい。また、これら使用対象に対応した情報(例えば、部屋情報)や施工順に対応した数字情報などは、部品13に印字する制御を含むことが好ましい。
また、荷姿が設定された場合には、各梱包毎に、初期番号(例えば、「1」)からの連番となる番号(梱包内識別番号)を各部品13に付すことが好ましく、この番号は、施工順に対応した番号とすることが好適である。例えば、1の荷姿を2つに分割する変更を行った場合には、分割した後の各梱包ごとに、初期番号から始まる番号を付加することが好ましい。
また、施工順の情報は、荷姿における高さ方向の並び順を決める情報として利用することが好ましく、施工順の早い部品13が上側に位置し、遅いものが下側に位置するように荷姿が設定されることが好ましい。すなわち、荷姿を構成する複数の部品13のうち最後に利用する部品13が最下段、又は、その近くの下段に位置するように荷姿が設定されることが好ましい。また、下段に位置する部品13ほど早期に加工が完了し、施工順の早い部品13ほど、後に完成して積み重ねていく順に部品13の加工順を設定することが、部品13を積み込む際の仮置き部の利用を少なくすることができて好ましい。
ここで、施工順に従って上から下に部品13が並んだ荷姿にしようとした場合、多数の桟部材14が必要となったり、荷姿として設定された高さ範囲内に配置可能な部品13が少なくなってしまったり、加工の順番と積み込みの順番とが異なることで仮置き部を広く設定する必要が生じてしまう可能性がある。
図7は、荷姿を設定する説明図であり、図7(A)は、施工順の早い第1部品13pから施工順が最後の第7部品13vまでの形状を例示し、第2部品13qと、第4部品13sと、第6部品13uは、1枚の材料12を加工して製造され、他の部品13p,13r,13t,13vは、材料12を、そのまま加工不要部品として使用する場合を例示している。また、図7(B)は荷姿の一例を示し、図7(C)及び図7(D)は荷姿の別例を示している。
施工順通りに部品13を積み重ねた場合、図7(B)に示すように、荷姿として7段の高さが必要となる。桟部材14(長桟部材14L)は6つ使用した場合を示している。この状況に対する制御部90の制御として、1枚の材料12から、2枚以上の部品13を加工して製造する場合に、それら部品13は、施工順通りに積み重ねると別の高さ位置に配置される場合であっても、同一の高さ位置に配置する制御が設けられる。
すなわち、制御部90は、部品13の施工順に対応した施工順情報の並び順に基づいて、複数の層に部品13を積み重なった状態とする第1の制御と、1の材料12から複数の加工部品(例えば、第2部品13q、第4部品13s、及び、第6部品13u)が加工された場合に当該複数の加工部品が施工順情報の並び順とはならないものの同一の層に配置する第2の制御とを含めて構成される。この第2の制御により、図7(C)に示すように、4段目に1の材料12から加工された3つの部品13q,13s,13uをまとめて配置することができ、桟部材14は使用しないで荷姿を設定することができる。
このように、制御部90が第1の制御と第2の制御とを含むことにより、基本的には、施工順に従って上から下に部品13が並んだ荷姿を可能とし、且つ、1の材料12から製造された複数の部品13は、施工順とはならないものの、同一の高さ位置に配置することができる。これにより、建築現場で廃棄が必要な桟部材14を少なくすることができ、また、荷姿として設定された高さ範囲内に配置可能な部品13を多くした好適な荷姿を設定することができる。
なお、第2の制御は、一定の条件を満たす場合に限って実施し、第1の制御よりも第2の制御が優先される場合と、第2の制御よりも第1の制御が優先される場合とがあるように構成されることが好ましい。この一定の条件としては、施工順からのズレが一定の範囲内(例えば、3番以内や5番以内)である場合や、施工順通りとした場合に異なる高さとなる高さ層のズレが一定の範囲内(例えば、3つの層以内)である場合が例示でき、一定の条件は、作業者が選択可能に制御部90を構成することが好ましい。
図7(C)は、施工順のズレが5番以内である場合を例示し、図7(D)には、施工順のズレが3番以内である場合を例示している。図7(C)の場合、第2部品13qを施工した後、第3部品13rを施工するためには、第4部品13sと第6部品13uとを同時に別の場所に仮置きしなければならず、また、第6部品13uは、第3部品13rから第5部品13tが施工されるまで、ずっと仮置きする必要がある。一方、図7(D)の場合は、第3部品13rが施工される時間だけ、第4部品13sを仮置きすればよい。すなわち、一定の条件を満たす場合に限って第2の制御を実施することで、建築現場で部品13の仮置きが必要となる場所や時間を少なくした荷姿を設定することができる。
次に、保持機器71が部品支持部40に支持された部品13に接触する状況における制御部90の制御についての好適な構成例について、説明する。
保持機器71は、複数枚の吸着パッドを用いて構成したり、多数個の吸盤状の部材を用いて構成したり、複数の爪部材を用いて構成することができる。この場合において、保持機器71は、上方側から見た場合に円形状でなく、矩形状や複数の矩形状の組合せなどで方向性を持つ形状となる可能性がある。この場合に、部品13への保持機器71の接触は、部品13の形状に対して予め定めた1つの位置や向きで接触するものでなく、部品13の外形形状や、1の材料12から取り出した加工箇所などに応じて、上面側から見て異なる位置や向きで部品13に接触可能に、制御部90の制御を構成することが好ましい。例えば、部品13に共通記号22が印字されている状況において、共通記号22に対応した1の向きに保持機器71が部品13に接触して部品13を移動する制御だけでなく、共通記号22に対応した1の向きとは別の向き(例えば、上方側から見て90度回転した向きや、180度回転した向き)にて部品13に接触して部品13を移動する制御を含めることが好ましい。
これにより、例えば、部品支持部40の支持ベルト43から部品13の落下を防止する落下防止壁45(図3(C)参照)と、保持機器71とが基本の向きでは干渉してしまう位置に部品13が支持されている場合があっても、別の向きで部品13に接触させることで、部品13を効率良く積層支持部50まで移動することができる。これにより、部品13が保持機器71で移動できないと制御部90で判定され、作業者が手作業で部品13を移動する状況を少なくすることができる。なお、落下防止壁45と部品13との相対位置に基づく移動可否の判定は、固定撮像機器46で撮像した画像を用いて判定してもよいし、制御部90に落下防止壁45の位置情報を記憶させておき、その位置情報と、撮影された共通記号22の位置及び向きとに基づいて判定してもよい。
また、保持機器71が部品13へ接触する向きを異ならせず、部品13に対して接触する位置のみを異ならせて部品13を移動する制御を行ってもよく、共通記号22に対応した1の相対位置(例えば、上方側から見て共通記号22に対して10cmずれた位置)とは別の相対位置(例えば、上方側から見て共通記号22に対して20cmずれた位置や、30cmずれた位置)が保持機器71の中心となるようにして部品13に接触して部品13を移動する制御を行ってもよい。この保持機器71が部品へ接触する向き及び位置の判定としては優先度を設定して、複数段階の判定をすることが好ましく、例えば、保持機器71が保持すべき基本の向きから鉛直方向を中心とする軸周りに回転させて部品13を保持できるか判定し、保持できる場合には、向きを異ならせて部品13を保持して移動する制御を行い、保持できない場合には、基本となる接触位置から保持機器71をずらした接触位置で部品13を保持できるか判定し、保持できる場合には、接触位置を異ならせて部品13を保持して移動する制御を行ってもよい。
また、制御部90は、共通記号22に基づいて基本となる保持機器71の接触位置を判定する必要はなく、共通記号22に基づかずに基本となる接触位置を判定してもよく、例えば、部品13の外形形状を固定撮像機器46により撮影し、撮影された画像に基づいて基本となる接触位置を判定してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものであり、例えば、以下に記載するように変形して実施してもよい。
上記実施形態においては、方向識別情報を用いて、部品13の向きを検出したが、固定撮像機器46によって部品13の外形を検出して部品13の向きを検出し、その検出結果を用いて積込部70の移動動作を制御してもよい。この場合には、検出した部品13の向きと、方向識別情報の向きとを組み合わせて積込部70の動作を制御してもよいし、方向識別情報の印字を省略してもよく、移動撮像機器72を省略して積込部70の動作を制御してもよい。また、移動撮像機器72により部品13の外形形状を検出するように、移動撮像機器72の移動を制御して固定撮像機器46による撮影画像の代わりに移動撮像機器72の撮影画像を利用して検品機能等を発揮する構成としてもよく、この場合には、固定撮像機器46を省略してもよい。
また、上記実施形態においては、部品支持部40に支持された部品13を撮影可能な1箇所に固定撮像機器46を設置する場合について説明したが、固定撮像機器46の設置箇所は、当該設置箇所に限らず、別の箇所にしてもよいし、2箇所以上としてもよく、また、部品支持部40に支持された部品13とは別の箇所(材料支持部10、識別情報付加部20、加工部30、積層支持部50、桟部材支持部60のいずれか又は2以上の組合せ)に支持された材料12または部品13を撮像可能な1以上の固定撮像機器を含む構成としてもよい。
例えば、積層支持部50に支持された部品13を撮像可能な位置(例えば、積層支持部50の上方側)に固定撮像機器を設置してもよく、この場合には、設置した固定撮像機器と、撮影される部品13の上下の間隔が略一定となるように、積層支持部50の上面を上下方向に移動可能な機構(リフター機構)を設けて、部品13が最上面に積層された場合には、その後に部品13の厚み分下方に上面を下降させて、次に積層される部品13の上面が、常に一定の高さ位置となるように構成することが好ましい。これにより、部品13の撮影を適切に実施し易くし、また、部品13を積層する際の積込部70の上下移動量を少なくして、短時間で多数の部品13を積層した状態とし易くすることができる。
また、上記実施形態においては、板状部品製造装置1において、加工部30によって加工が不要であり材料12そのものを部品13として使用する加工不要部品であったとしても、識別情報付加部20、加工部30及び部品支持部40を通して、積層支持部50に移動する構成について説明したが、加工不要部品となる材料12については、材料支持部10から直接に積層支持部50に移動させる構成であってもよい。この加工不要部品や、材料12そのものの外形を利用する部品13の外形の一部形状については、加工が不要な箇所であるため、固定撮像機器46の撮影画像を用いた画像解析を省略してもよく、例えば、長方形状の外形のうち、一つの辺については加工が実施されない未加工となる場合には、当該未加工の辺についての画像解析を省略し、残りの辺に対してのみ、画像解析を実施して検品の制御を実行するようにしてもよいし、外周形状に対しての加工を全く実施しない部品13に対しては、固定撮像機器46による撮影と、その撮影した画像に基づく検品に関する制御を省略してもよい。
また、上記実施形態においては、固定撮像機器46と制御部90とを用いた検品機能や他の機能を付加した制御として、板状の部品13に対する制御について説明したが、検品機能や刃物の交換時期を検出するなどの他の機能は、建築物の骨格を形成する柱材や横架材等の構造材又は羽柄材等の他の部品を対象にした制御として実行してもよい。
また、上記実施形態において、板状部品製造装置1は、積込部70によって部品13や桟部材14を移動させる構成であるが、動作機器73によって材料12も移動させる構成、例えば、材料支持部10から識別情報付加部20へ移動させる構成や、材料12を識別情報付加部20から加工部30へ移動させる構成であってもよい。更に、板状部品製造装置1は、積込部70によって加工部30による加工が不要である材料12を、材料支持部10や識別情報付加部20から積層支持部50へ移動させる構成であってもよい。
また、上記実施形態においては、板状部品製造装置1の積込部70を制御部90により制御し、方向識別情報(共通記号22)に基づいて、加工部品としての部品13や桟部材14を複数の層に積み重なった状態とする構成であったが、方向識別情報を、必ずしも複数の層に積み重なった状態とする場合に利用する必要はなく、これに代えて、又は、これに加えて、方向識別情報を用いて加工部品の移動をするようにしてもよく、例えば、仮置きが可能な支持台に加工部品を移動する場合の制御部90の制御において方向識別情報を利用してもよい。
また、上記実施形態においては、識別情報付加部20により部品13に印字が施される場合を例示したが、これに代えて、又はこれに加えて、別の箇所で印字を実施可能な機能を設けてもよく、例えば、材料支持部10、積層支持部50、又は、積込部70のいずれか又は複数に印字装置を設けてもよい。例えば、積込部70の保持機器71が設けられる箇所に、保持機器71と一緒に移動動作可能に印字装置を付加してもよく、この場合には、加工不要部品であっても共通記号22などの識別情報を印字して、材料支持部10から積層支持部50へ部品13を直接移動することができる。
以上説明したように、この発明は、板状部品移動装置に適している。
1…板状部品製造装置、11…積層体、12…材料、13,13a~13d…部品、10…材料支持部、20…識別情報付加部(識別情報付加手段)、21…バーコード、22…共通記号(方向識別情報)、30…加工部(加工装置)、40…部品支持部(加工部品支持手段)、46…固定撮像機器(部品撮像手段)、50…積層支持部、60…桟部材支持部(桟部材支持手段)、70…積込部(積込手段)、71…保持機器(接触部)、72…移動撮像機器(方向識別情報撮像手段)、80…残材回収部、90…制御部(配置記憶手段、積込制御手段、部品制御手段)
Claims (2)
- 板状の材料を複数に分断可能な加工装置によって加工された加工部品であって、当該加工部品の向きを識別して板状の部品を複数の層に積み重なった状態とする積込手段と、
その積込手段によって前記部品を前記複数の層に積み重なった状態とする場合における前記部品の位置と向きとを記憶する配置記憶手段と、
前記板状の材料を配置可能な大きさに設定された加工部品支持領域に、前記加工装置によって加工された前記加工部品を支持する加工部品支持手段と、
その加工部品支持手段によって支持された前記加工部品の向きを識別し、前記配置記憶手段によって記憶された前記部品の向きとなるように前記積込手段の動作を制御して前記所定数の板状の部品を複数の層に積み重なった状態とする積込制御手段と、
前記加工装置による加工後の加工部品の少なくとも一部に対しての外形を少なくとも含む前記加工部品を撮影して当該加工部品の画像を取得可能とする部品撮像手段と、
該部品撮像手段により取得した前記加工部品の画像に基づいて、当該加工部品に対する前記積込手段の移動動作の制御と、前記加工装置によって前記加工部品に所定の加工が実施されたか否かを判定して当該判定の結果に応じた異なる制御との少なくともいずれかを実行可能な部品制御手段とを備えていることを特徴とする板状部品移動装置。 - 前記加工部品に対して、当該加工部品の向きを識別可能な方向識別情報を付す識別情報付加手段と、
前記方向識別情報を撮影して当該方向識別情報の画像を取得可能な方向識別情報撮像手段とを備え、
前記積込制御手段は、前記方向識別情報撮像手段によって取得された前記方向識別情報の画像に基づいて前記加工部品の向きを識別して前記積込手段の動作を制御するものであり、
前記方向識別情報撮像手段は、前記積込手段の一部として移動可能に設けられ、
前記部品撮像手段は、前記方向識別情報撮像手段より前記加工部品から上方側に離間した位置に移動不能に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の板状部品移動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022005337A JP2023104389A (ja) | 2022-01-17 | 2022-01-17 | 板状部品移動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022005337A JP2023104389A (ja) | 2022-01-17 | 2022-01-17 | 板状部品移動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023104389A true JP2023104389A (ja) | 2023-07-28 |
Family
ID=87379352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022005337A Pending JP2023104389A (ja) | 2022-01-17 | 2022-01-17 | 板状部品移動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023104389A (ja) |
-
2022
- 2022-01-17 JP JP2022005337A patent/JP2023104389A/ja active Pending
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