JP2023103995A - 電池の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池に余分な構成材料を付加することなく、初回充放電検査に要する時間を大幅に短縮化することができる電池の検査方法を提供する。【解決手段】例えばリチウムイオン二次電池の単電池を検査対象物として、第1ステップで検査対象物である単電池に内部短絡が生じているか否かについて検査し、第2ステップで検査対象物について初回充放電検査(エージング)を行うに際して、検査対象物のSOCが20%以上80%以下になるまで充電してエージングを行う。【選択図】図6

Description

本発明は、電池の検査方法に関するものである。
近時では、高容量で小型軽量な電池として、リチウムイオン電池が注目されている。一般的なリチウムイオン電池は、正極活物質、バインダ樹脂及び電解液を含む正極活物質層と、同様に負極活物質、バインダ樹脂及び電解液を含む負極活物質層とがセパレータを挾んで積層された状態で容器に収納されて構成されている。
リチウムイオン電池を製品化する際には、作製されたリチウムイオン電池について初回充放電(エージング)検査等の検査工程が行われる。この初回充放電検査では、SEI(Solid Electrolyte Interface)膜の形成、SEI膜の形成反応時に発生するガスの除去、電池の内部短絡の検出、容量や出力、抵抗の確認等の諸作業が行われるところ、比較的長時間を要するという問題があった。エージングに要する時間を短縮することを意図して、例えば特許文献1,2のように、電池の負極に特殊な添加剤を加える技術が提案されている。
特許第6583806号公報 特許第6573250号公報
しかしながら、特許文献1,2では、初回充放電検査に要する時間を短縮することは可能であるものの、そのために特殊な添加剤を用いることが必須である。このような添加剤は、電池としての機能の発揮という観点では余分なものであり、その添加により各種電気特性の劣化を惹起することも懸念される。
本発明は、電池に余分な構成材料を付加することなく、初回充放電検査に要する時間を大幅に短縮化することができる電池の検査方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のような知見に基づいて鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の態様に想到した。
順次積層された、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極集電体、及び負極活物質層を備えた電池を検査対象物とする検査方法であって、
前記検査対象物の短絡の有無を判定する第1工程と、
前記検査対象物のSOCが20%以上80%以下になるまで充電してエージングを行う第2工程と、
を有する、電池の検査方法。
本発明によれば、電池に余分な構成材料を付加することなく、初回充放電検査に要する時間を大幅に短縮化することを可能とする池の検査方法を提供することができる。
本実施形態による電池の検査方法において検査対象物として用いられる単電池の一例を模式的に示す一部切り欠き斜視図である。 本実施形態による電池の検査方法における単電池検査工程を示すフロー図である。 本実施形態による検査方法の第1ステップS1を模式的に示す側面図である。 本実施形態による検査方法の第1ステップS1の別例を模式的に示す側面図である。 本実施形態による検査方法の第1ステップS1の更なる別例を模式的に示す側面図である。 本実施形態による検査方法の第2ステップS2を説明するための図である。 電池の一例を模式的に示す一部切り欠き斜視図である。 第2の実施形態による検査方法の第2ステップS2を説明するための図である。 第3の実施形態による検査方法の第2ステップS2を説明するための図である。 第3の実施形態の変形例による検査方法の第2ステップS2を説明するための図である。
以下、本発明による電池の検査方法の諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の諸実施形態では、リチウムイオン二次電池の電極の製造方法を開示する。以下では、リチウムイオン二次電池の例を示すが、本発明に係る二次電池の種類としてリチウムイオン二次電池に限定されず、他の二次電池を含む。リチウムイオン二次電池の場合は、以下で説明する態様だけではなく、電解質に液体材料を使用した電池を含み、電解質に固体材料を使用した電池(いわゆる全固体電池)を含む。また本実施形態におけるリチウムイオン電池は、集電体として金属箔(金属集電箔)を有する電池を含み、金属箔に代わって導電性材料が添加された樹脂から構成される、いわゆる樹脂集電体を有する電池を含む。当該樹脂集電体を、バイポーラ電極用樹脂集電体として用いる場合には、当該樹脂集電体の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成して双極型電極を構成したものであってもよい。なお、本実施形態におけるリチウムイオン電池は、バインダを用いて正極または負極活物質等を正極用または負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成したものを含み、双極型の電池の場合には、集電体の一方の面にバインダを用いて正極活物質等を塗布して正極層を、反対側の面にバインダを用いて負極活物質等を塗布して負極層を有する双極型電極を構成したものを含む。
-第1の実施形態-
先ず、第1の実施形態について説明する。
[リチウムイオン二次電池の単電池]
本実施形態では、リチウムイオン二次電池の単電池を検査対象物とする。
図1は、本実施形態の検査方法において検査対象物として用いられる単電池の一例を模式的に示す一部切り欠き斜視図である。
単電池10は、略矩形平板状の正極樹脂集電体17の表面に正極活物質層15が形成された正極12と、同様に略矩形平板状の負極樹脂集電体19の表面に負極活物質層16が形成された負極13とが、同様に略平板状のセパレータ14を介して積層されて構成され、全体として略矩形平板状に形成されている。この正極12と負極13とがリチウムイオン電池の正極及び負極として機能する。
単電池10は、正極樹脂集電体17及び負極樹脂集電体19の間に配置されて正極樹脂集電体17及び負極樹脂集電体19の間にセパレータ14の周縁部を固定し、かつ正極活物質層15、セパレータ14及び負極活物質層16を封止する、環状の枠部材18を有することが好ましい。
正極樹脂集電体17及び負極樹脂集電体19は、枠部材18により所定間隔をもって対向するように位置決めされているとともに、セパレータ14と正極活物質層15及び負極活物質層16も枠部材18により所定間隔をもって対向するように位置決めされている。
正極樹脂集電体17とセパレータ14との間の間隔、及び負極樹脂集電体19とセパレータ14との間の間隔はリチウムイオン電池の容量に応じて調整され、これら正極樹脂集電体17、負極樹脂集電体19及びセパレータ14の位置関係は必要な間隔が得られるように定められている。
以下に、単電池を構成する各構成材料の好ましい態様について説明する。
正極活物質層には正極活物質が含まれる。
正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属元素が1種である複合酸化物(LiCoO2、LiNiO2、LiAlMnO4、LiMnO2及びLiMn24等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO4、LiNi1-xCox2、LiMn1-yCoy2、LiNi1/3Co1/3Al1/32及びLiNi0.8Co0.15Al0.052)及び遷移金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMaM'bM”c2(M、M'及びM”はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO4、LiCoPO4、LiMnPO4及びLiNiPO4)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV25)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ-p-フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用しても良い。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであっても良い。
正極活物質は、導電助剤及び被覆用樹脂で被覆された被覆正極活物質であることが好ましい。
正極活物質の周囲が被覆用樹脂で被覆されていると、電極の体積変化が緩和され、電極の膨張を抑制することができる。
導電助剤としては、金属系導電助剤[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、炭素系導電助剤[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの導電助剤は1種単独で用いられても良いし、2種以上併用しても良い。また、これらの合金又は金属酸化物として用いられても良い。
なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、炭素系導電助剤及びこれらの混合物であり、更に好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及び炭素系導電助剤であり、特に好ましくは炭素系導電助剤である。
また、これらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[好ましくは、上記した導電助剤のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでも良い。
導電助剤の形状(形態) は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であっても良く、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電助剤として実用化されている形態であっても良い。
被覆用樹脂と導電助剤の比率は特に限定されるものではないが、電池の内部抵抗等の観点から、重量比率で被覆用樹脂(樹脂固形分重量):導電助剤が1:0.01~1:50であることが好ましく、1:0.2~1:3.0であることがより好ましい。
被覆用樹脂としては、特開2017-54703号公報に非水系二次電池活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
また、正極活物質層は、被覆正極活物質に含まれる導電助剤以外にも導電助剤を含んでも良い。
導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
正極活物質層は、正極活物質を含み、正極活物質同士を結着する結着材を含まない非結着体であることが好ましい。
ここで、非結着体とは、正極活物質が結着材(バインダともいう)により位置を固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質と集電体が不可逆的に固定されていないことを意味する。
正極活物質層には、粘着性樹脂が含まれていても良い。
粘着性樹脂としては、例えば、特開2017-54703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10-255805公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。
なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性(水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、結着材として用いられる溶液乾燥型の電極バインダは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。
従って、溶液乾燥型の電極バインダ(結着材)と粘着性樹脂とは異なる材料である。
正極活物質層の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150μm~600μmであることが好ましく、200μm~450μmであることがより好ましい。
負極活物質層には負極活物質が含まれる。
負極活物質としては、公知のリチウムイオン電池用負極活物質が使用でき、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素-炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素-アルミニウム合金、珪素-リチウム合金、珪素-ニッケル合金、珪素-鉄合金、珪素-チタン合金、珪素-マンガン合金、珪素-銅合金及び珪素-スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等) 及び金属合金(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-アルミニウム合金及びリチウム-アルミニウム-マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
また、負極活物質は、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆用樹脂で被覆された被覆負極活物質であっても良い。
導電助剤及び被覆用樹脂としては、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆用樹脂を好適に用いることができる。
また、負極活物質層は、被覆負極活物質に含まれる導電助剤以外にも導電助剤を含んでもよい。導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層は、正極活物質層と同様に、負極活物質同士を結着する結着材を含まない非結着体であることが好ましい。また、正極活物質層と同様に、粘着性樹脂が含まれていても良い。
負極活物質層の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150μm~600μmであることが好ましく、200μm~450μmであることがより好ましい。
正極樹脂集電体及び負極樹脂集電体は、導電性高分子材料からなる樹脂集電体である。
樹脂集電体の形状は特に限定されず、導電性高分子材料からなるシート状の集電体、及び、導電性高分子材料で構成された微粒子からなる堆積層であっても良い。
樹脂集電体の厚さは、特に限定されないが、50μm~500μmであることが好ましい。
樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては例えば、導電性高分子や、樹脂に必要に応じて導電剤を添加したものを用いることができる。
導電性高分子材料を構成する導電剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
導電性高分子材料を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、更に好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
セパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム、多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム、合成繊維( ポリエステル繊維及びアラミド繊維等) 又はガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン電池用のセパレータが挙げられる。
正極活物質層及び負極活物質層には電解液が含まれる。
電解液としては、公知のリチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する公知の電解液を使用することができる。
電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiN(FSO22、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等の無機酸のリチウム塩、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22及びLiC(CF3SO23等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。これらのうち、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはイミド系電解質[LiN(FSO22、LiN(CF3SO22及びLiN(C25SO22等]及びLiPF6である。
非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
電解液の電解質濃度は、15mol/L~5mol/Lであることが好ましく、1.5mol/L~4mol/Lであることがより好ましく、2mol/L~3mol/Lであることが更に好ましい。
電解液の電解質濃度が1mol/L未満であると、電池の充分な入出力特性が得られないことがあり、5mol/Lを超えると、電解質が析出してしまうことがある。
なお、電解液の電解質濃度は、リチウムイオン電池用電極又はリチウムイオン電池を構成する電解液を、溶媒等を用いずに抽出して、その濃度を測定することで確認することができる。
[リチウムイオン二次電池の単電池の検査方法]
以下、上記の構成の単電池を検査対象物とした検査方法について説明する。図2は、本実施形態の検査方法を示すフロー図である。
単電池は、正極板形成工程、負極板形成工程、電極体形成工程等の単電池作製諸工程を経て作製される。
単電池検査工程では、第1ステップS1及び第2ステップS2が順次実行される。
第1ステップS1では、検査対象物である単電池について、内部短絡が生じているか否かについて局所分析検査を行う。
引き続き、第2ステップS2では、検査対象物について、初回充放電検査(エージング)が行われる。
[第1ステップS1]
先ず、第1ステップS1について詳述する。
(第1ステップS1の第1例)
図3は、本実施形態による検査方法の第1ステップS1を模式的に示す側面図である。
図3では、検査対象物1の両面に一対の導電体プローブ2が配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向(図3では上下方向)において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させている。この状態で、検査対象物1を矢印の向きに移動させることにより、検査対象物1の表面の複数箇所における電圧を連続的に測定することができる。なお、検査対象物の両面には、矢印の向きに沿って複数対の導電体プローブ2が配置されていても良い。
図4は、本実施形態による検査方法の第1ステップS1の別例を模式的に示す側面図である。
図4では、検査対象物1の幅方向に沿って複数対の導電体プローブ2が検査対象物1の両面に配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させている。この状態で、検査対象物1を矢印の向きに移動させることにより、検査対象物1の幅方向における電圧を同時に測定することができる。なお、複数対の導電体プローブ2は、いわゆるジグザグ状に配置されていてもよい。また、検査対象物の両面には、矢印の向きに沿って複数対の導電体プローブ2がさらに配置されていても良い。
第1ステップS1の第1例では、図3及び図4に示すように、導電体プローブが積層方向において対向した状態で配置された領域に検査対象物を通過させることで、検査対象物の表面に導電体プローブを接触させることが好ましい。なお、本発明の検査方法では、検査対象物を移動させる代わりに、導電体プローブを移動させても良い。また、検査対象物及び導電体プローブの両方を移動させても良い。
図5は、本実施形態による検査方法の第1ステップS1の更なる別例を模式的に示す側面図である。
図5では、検査対象物1の測定箇所Pに対応する箇所に複数対の導電体プローブ2が検査対象物1の両面に配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させる。これにより、検査対象物1の表面の複数箇所における電圧を同時に測定することができる。導電体プローブ2の配置は特に限定されず、例えば、千鳥状や格子状等に配置される。
(第1ステップS1の第2例)
第2例では、図3のように、検査対象物1の両面に一対の導電体プローブ2が配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向(図1では上下方向)において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させている。この状態で、検査対象物1を矢印の向きに移動させることにより、検査対象物1の表面の複数箇所における電気抵抗を連続的に測定することができる。なお、検査対象物の両面には、矢印の向きに沿って複数対の導電体プローブ2が配置されていても良い。
第2例の別例では、図4のように、検査対象物1の幅方向に沿って複数対の導電体プローブ2が検査対象物1の両面に配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させている。この状態で、検査対象物1を矢印の向きに移動させることにより、検査対象物1の幅方向における電気抵抗を同時に測定することができる。なお、複数対の導電体プローブ2は、いわゆるジグザグ状に配置されていても良い。また、検査対象物の両面には、矢印の向きに沿って複数対の導電体プローブ2が更に配置されていても良い。
第2例では、図3及び図4に示すように、導電体プローブが積層方向において対向した状態で配置された領域に検査対象物を通過させることで、検査対象物の表面に導電体プローブを接触させることが好ましい。なお、本発明の検査方法では、検査対象物を移動させる代わりに、導電体プローブを移動させても良い。また、検査対象物及び導電体プローブの両方を移動させても良い。
第2例の更なる別例では、図5のように、検査対象物1の測定箇所Pに対応する箇所に複数対の導電体プローブ2が検査対象物1の両面に配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させる。これにより、検査対象物1の表面の複数箇所における電気抵抗を同時に測定することができる。導電体プローブ2の配置は特に限定されず、例えば、千鳥状や格子状等に配置される。
第1例及び第2例において、検査対象物の表面に複数の導電体プローブを接触させる場合、導電体プローブの配置は特に限定されない。また、隣接する導電体プローブ間の距離は、等間隔であることが好ましいが、特に限定されない。
第1ステップS1を行うことにより、単電池単位で短絡の不具合を簡便に短時間(長くても数分間程度)で発見することができる。
なお、金属集電体を用いた単電池では、横方向(面方向)への電気抵抗が低いため、電流値が面内で均一化されてしまい、第1ステップS1では不具合を発見することができない。このように、第1ステップS1は、樹脂集電体を用いた単電池にのみ有効であると言える。
[第2ステップS2]
続いて、図2の第2ステップS2について詳述する。
図6は、本実施形態による検査方法の第2ステップS2を説明するための図である。図6では、工程A~Gが時系列順に示されている。図6には、本実施形態における初回充放電検査と共に、本発明前に行われていた初回充放電検査を比較例として記載している。
(比較例)
先ず、比較例の検査方法について説明する。
比較例では、上記の第1ステップS1は行わない。第2ステップS2では、先ず工程Aにおいて、検査対象物である単電池について、充電率(State Of Charge:SOC)30%程度まで充電する。工程Aでは、Cレートが0.05C程度で充電時間が6時間程度である。
続いて、工程Bにおいて、検査対象物を1時間程度放置する。
続いて、工程C、工程D、及び工程Eを順次行う。
工程Cでは、検査対象物である単電池について、SOC30%程度の状態からSOC50%程度の状態まで充電する。工程Cでは、Cレートが0.2C程度で充電時間が1時間程度である。
工程Dでは、検査対象物について、SOC50%程度の状態からSOC60%程度の状態まで充電する。工程Dでは、Cレートが0.1C程度で充電時間が1時間程度である。
工程Eでは、検査対象物について、SOC60%程度の状態からSOCがほぼ100%の状態まで充電する。工程Eでは、Cレートが0.05C程度で充電時間が10時間程度である。
工程C~Eでは、検査対象物の内部短絡の有無について検査する。SOCがほぼ100%となるまで検査対象物に印加する電圧を順次上昇させて、金属コンタミネーションやLiの析出に起因する内部短絡の有無を検査する。また、工程C~Eでは、SEIの形成時におけるガスの発生等に起因して進行する各種の電気化学反応(副反応)が完了する。
続いて、工程Fにおいて、検査対象物を放置する。
工程Fでは、工程Eで検査対象物にSOCがほぼ100%まで充電したことから、1時間程度の放置時間が必要となる。
しかる後、工程Gを行う。工程Gでは、検査対象物である単電池のSOCがほぼ0%となるまで放電する。放電に要する時間は18時間程度である。工程Gでは、検査対象物の電池容量、出力、及び抵抗の確認が行われる。
(本実施形態)
本実施形態において、第1ステップS1に引き続き、第2ステップS2では、先ず比較例と同様に、工程A及び工程Bを行う。検査対象物である単電池について工程AではSOC30%程度まで充電し、工程Bでは検査対象物を所定時間放置する。工程Aでは、Cレートが0.05C程度で充電時間が6時間程度である。工程Bでは、放置時間を1時間程度とする。
工程A及び工程Bにおいて、工程AのCレート及び工程A,Bの時間を例えば上記のように調節することにより、検査対象物にSEIが形成される。
工程Aの後に工程Bで検査対象物を上記の時間放置することにより、SEIの形成時に発生するガスの除去が進み、金属コンタミネーション(金属の異物混入)が防止され、単電池における短絡発生率が低減する。
続いて、工程C、工程D、及び工程Eを順次行う。
工程Cでは、比較例と同様に、検査対象物である単電池について、SOC30%程度の状態からSOC50%程度の状態まで充電する。工程Cでは、Cレートが0.2C程度で充電時間が1時間程度である。
工程Dでは、比較例と同様に、検査対象物について、SOC50%程度の状態からSOC60%程度の状態まで充電する。工程Dでは、Cレートが0.1C程度で充電時間が1時間程度である。
本実施形態において、工程Eでは、検査対象物について、SOC60%程度以上80%程度以下の状態まで充電する。工程Eでは、Cレートが0.05C程度で充電時間が4時間程度である。
本実施形態では、第2ステップS2に先行する第1ステップS1において、既に検査対象物の内部短絡の有無についての検査が行われている。そのため本実施形態では、比較例とは異なり、工程C,D,Eにおいて内部短絡の検査は行わない。検査対象物における副反応が完了するには、例えばSOC60程度%以上80%程度以下の充電を行うことが好ましい。この範囲に限定されず、例えばSOC40%以上60%以下、又は、後述する第2及び第3の実施形態、並びに第3の実施形態の変形例で例示するSOC20%以上40%以下の充電であってもよい。工程Eでは、検査対象物について、SOC60%程度以上80%以下の状態、例えば80%程度まで充電する。この場合、工程Eに要する充電時間、即ちSOC60%程度の状態から例えばSOC80%程度までの充電に要する時間は、4時間程度である。
本実施形態では、検査対象物について、工程EでSOC60%程度以上70%程度以下の状態、例えば70%程度まで充電することが更に好ましい。この場合、工程Eに要する充電時間、即ちSOC60%程度の状態から例えばSOC70%程度までの充電に要する時間は、SOC80%程度までの充電する場合よりも短縮され、2時間程度である。
本実施形態において、より好ましくは、工程Dで検査対象物の充電を完了する、即ちSOC60%程度まで充電すれば良い。この場合には、工程Eは不要であり、行われないため、工程Eに要する充電時間は0である。
続いて、工程Fにおいて、検査対象物を放置する。本実施形態では、検査対象物へのSOCを60%程度以上80%程度以下、例えば80%程度までとしたことから、工程Fでは放置時間は数分程度で十分である。SOC70%程度の場合や、SOC60%程度の場合には、放置時間はより短時間で済むことになる。
しかる後、工程Gで検査対象物の放電を行う。
工程Gでは、検査対象物である単電池のSOCが0%程度以上10%程度以下、例えば10%程度となるまで放電する。工程Gでは、検査対象物の電池容量、出力、及び抵抗の確認が行われる。
本実施形態では、充電検査時にはSOCを60%程度以上80%程度以下までとしている。SOC80%程度超の場合では、SOC80%程度までの放電には長時間を要するため、SOC10%程度までの放電では勿論、SOC0%程度まで放電する場合でも、充電検査時のSOCが小さい分、放電時間を短縮することができる。また、本実施形態では、第1ステップS1により既に単電池の内部短絡状態が正確に確認され、安全性が担保されているため、SOC10%程度までの放電でも問題なく検査対象物の上記の確認を正確に行うことが可能であり、その分放電時間を短縮することができる。工程Gにおいて、SOCが0%程度以上10%程度以下まで放電する場合、放電に要する時間は、5時間程度~15時間程度である。
工程Gでは、検査対象物である単電池のSOCが10%程度以上20%程度以下(例えば20%程度)、更には20%程度以上30%程度以下(例えば30%程度)までの放電に留めても良い。
本発明らの実験により、SOCが10%程度以上20%程度以下、更には20%程度以上30%程度以下までの放電であっても、検査対象物の電池容量、出力、及び抵抗の測定の正確性は十分に許容範囲内であることが確認されている。工程Gにおいて放電に要する時間は、SOCが10%程度以上20%程度以下まで放電する場合には2時間程度~14時間程度、SOCが20%程度以上30%程度以下まで放電する場合には1時間程度~13時間程度である。
比較例の検査方法では、第1ステップS1は行わずに、第2ステップS2を行う。第2ステップS2の工程A~工程Gを順次行うことにより、合計で約38時間を要する。
これに対して本実施形態の検査方法では、第1ステップS1を行った後、第2ステップS2を行う。第1ステップS1は、比較例における第2ステップS2の工程Eのように内部短絡の検査を行うべくSOC100%程度まで低Cレートで充電するために長時間を要するような検査ではなく、長くても数分間で終了する。本実施形態では、第1ステップS1で既に検査対象物の内部短絡の有無についての検査が行われているため、第2ステップS2では当該検査は不要となる。比較例のように第2ステップS2で当該検査を行う場合には、SOC100%程度まで低Cレートで充電することを要するところ、本実施形態ではその分の時間が短縮される。更に本実施形態では、充電時のSOCを80%以下までに抑えられることとも相俟って、放電検査に要する時間も大幅に短縮される。
以上より本実施形態では、第1ステップS1及び第2ステップS2で要する時間は、合計で10時間程度~28時間程度(+数分間程度)で済む。
このように、本実施形態によれば、簡易な手法により、比較例と比べて、リチウムイオン二次電池の単電池についての初回充放電検査に要する時間を大幅に短縮化することができる。
[リチウムイオン二次電池の組電池]
本実施形態の検査方法により短絡箇所が存在しないと判定された検査対象物である複数の単電池は、積層されて組電池とされる。
図7は、組電池の一例を模式的に示す一部切り欠き斜視図である。図7では、外装体の一部を除去して示している。
図7に示す組電池100は、単電池10が複数個接続されてなる。図7には、図1に示す単電池10が5つ積層された組電池100を例示している。組電池100では、隣り合う単電池10の負極樹脂集電体19の上面と正極樹脂集電体17の下面が隣接するように積層されている。この場合、単電池10は複数個直列接続されている。
組電池100は、外装体110に収容されている。外装体110としては、金属缶ケース、高分子金属複合フィルム等を使用することができる。
組電池100の最下面の正極樹脂集電体17の上には導電性シートが設けられ、導電性シートの一部が外装体110から引き出されて正極引出端子120となる。また、組電池100の最上面の負極樹脂集電体19の上には導電性シートが設けられ、導電性シートの一部が外装体110から引き出されて負極引出端子130となる。正極引出端子120及び負極引出端子130を構成する導電性シートとしては、導電性を有する材料であれば特に限定されず、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性高分子材料、導電性ガラス等の材料を適宜選択して用いることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、リチウムイオン電池に余分な構成材料を付加することなく、初回充放電検査に要する時間を大幅に短縮化することを可能とするリチウムイオン電池の検査方法を提供することができる。
-第2の実施形態-
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と同様にリチウムイオン二次電池の単電池を検査対象物とした検査方法について例示するが、図2の第2ステップS2が異なる点で第1の実施形態と相違する。
以下、第2の実施形態における第2ステップS2について詳述する。図8は、本実施形態による検査方法の第2ステップS2を説明するための図である。図8では、工程A,B,Gが時系列順に示されている。
本実施形態において、第1ステップS1に引き続き、第2ステップS2では、工程A及び工程Bを行う。検査対象物である単電池について工程AではSOC20%程度以上40%程度以下の所定値まで充電し、工程Bでは検査対象物を所定時間程度放置する。工程Aでは、Cレートが0.05C程度で充電時間が4時間程度(SOC20%程度の場合)~8時間程度(SOC40%程度の場合)である。工程Bでは、放置時間を1時間程度とする。
本実施形態では、工程Aのみで充電が完了する。工程A及び工程Bにおいて、工程AのCレート及び工程A,Bの時間を例えば上記のように調節することにより、検査対象物にSEIが形成される。
工程Aの後に工程Bで検査対象物を上記の時間放置することにより、SEIの形成時に発生するガスの除去が進み、金属コンタミネーション(金属の異物混入)が防止され、単電池における短絡発生率が低減する。
本実施形態では、第2ステップS2に先行する第1ステップS1において、既に検査対象物の内部短絡の有無についての検査が行われているため、第2ステップS2では内部短絡の検査は行わない。本実施形態では、例えばSOC10%程度%以上40%程度以下の充電を行うことが好ましい。より好ましくは、上述のように20%程度%以上40%程度以下の充電を行えば良い。
しかる後、工程Gで検査対象物の放電を行う。
工程Gでは、検査対象物である単電池のSOCが0%程度以上10%程度以下、例えば10%程度となるまで放電する。工程Gでは、検査対象物の電池容量、出力、及び抵抗の確認が行われる。
本実施形態では、充電検査時にはSOCを20%程度以上40%程度以下までとしている。SOC10%程度までの放電では勿論、SOC0%程度まで放電する場合でも、充電検査時のSOCが小さい分、放電時間を短縮することができる。また、本実施形態では、第1ステップS1により既に単電池の内部短絡状態が正確に確認され、安全性が担保されているため、SOC10%程度までの放電でも問題なく検査対象物の上記の確認を正確に行うことが可能であり、その分放電時間を短縮することができる。工程Gにおいて、SOCが0%程度以上10%程度以下まで放電する場合、放電に要する時間は、1時間程度~10時間程度である。
工程Gでは、検査対象物である単電池のSOCが20%を少し下回る程度、例えば15%程度までの放電に留めても良い。この場合には、放電に要する時間は、例えば0.5時間程度~10時間程度である。
本実施形態の検査方法では、第1ステップS1を行った後、第2ステップS2を行う。第1ステップS1は、第1の実施形態で例示した比較例における第2ステップS2の工程Eのように内部短絡の検査を行うべくSOC100%程度まで低Cレートで充電するために長時間を要するような検査ではなく、長くても数分間で終了する。本実施形態では、第1ステップS1で既に検査対象物の内部短絡の有無についての検査が行われているため、第2ステップS2では当該検査は不要となる。第1の実施形態で例示した比較例のように第2ステップS2で当該検査を行う場合には、SOC100%程度まで低Cレートで充電することを要するところ、本実施形態ではその分の時間が短縮される。更に本実施形態では、充電時のSOCを例えば20%程度以上40%程度以下までに抑えられることとも相俟って、放電検査に要する時間も大幅に短縮される。
以上より本実施形態では、第1ステップS1及び第2ステップS2で要する時間は、合計で6時間(5.5時間)程度~19時間程度(+数分間程度)で済む。
このように、本実施形態によれば、簡易な手法により、リチウムイオン二次電池の単電池についての初回充放電検査に要する時間を大幅に短縮化することができる。
-第3の実施形態-
次に、第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と同様にリチウムイオン二次電池の単電池を検査対象物とした検査方法について例示するが、図2の第2ステップS2が異なる点で第1の実施形態と相違する。
以下、第3の実施形態における第2ステップS2について詳述する。図9は、本実施形態による検査方法の第2ステップS2を説明するための図である。図9では、工程A~Gが時系列順に示されている。
本実施形態において、第1ステップS1に引き続き、第2ステップS2では、工程A及び工程Bを行う。検査対象物である単電池について工程AではSOC5%程度まで充電し、工程Bでは検査対象物を所定時間程度放置する。工程Aでは、Cレートが0.05C程度で充電時間が1時間程度である。工程Bでは、放置時間を1時間程度とする。
本実施形態では、工程A及び工程Bにおいて、工程AのCレート及び工程A,Bの時間を例えば上記のように調節することにより、検査対象物にSEIが形成される。
工程Aの後に工程Bで検査対象物を上記の時間放置することにより、SEIの形成時に発生するガスの除去が進み、金属コンタミネーション(金属の異物混入)が防止され、単電池における短絡発生率が低減する。
続いて、工程C、工程D、及び工程Eを順次行う。
工程Cでは、検査対象物である単電池について、SOC5%程度の状態からSOC15%程度の状態まで充電する。工程Cでは、Cレートが0.2C程度で充電時間が0.5時間程度である。
工程Dでは、検査対象物について、SOC15%程度の状態からSOC20%程度の状態まで充電する。工程Dでは、Cレートが0.1C程度で充電時間が0.5時間程度である。
工程Eでは、検査対象物について、SOC20%程度以上40%程度以下の状態まで充電する。工程Eでは、Cレートが0.05C程度で充電時間が0時間程度~4時間程度である。
本実施形態では、第2ステップS2に先行する第1ステップS1において、既に検査対象物の内部短絡の有無についての検査が行われているため、第2ステップS2では内部短絡の検査は行わない。本実施形態では、例えばSOC10%程度%以上40%程度以下の充電を行うことが好ましい。より好ましくは、上述のように20%程度%以上40%程度以下の充電を行えば良い。
本実施形態において、工程Dで検査対象物の充電を完了するようにしても良い。即ちこの場合、SOC20%程度まで充電すれば良い。この場合には、工程Eは不要であり、行われないため、工程Eに要する充電時間は0である。
続いて、工程Fにおいて、検査対象物を放置する。本実施形態では、検査対象物へのSOCを例えば20%程度以上40%程度以下としたことから、工程Fでは放置時間は10分間程度で十分である。
しかる後、工程Gで検査対象物の放電を行う。
工程Gでは、検査対象物である単電池のSOCが0%程度以上10%程度以下、例えば10%程度となるまで放電する。工程Gでは、検査対象物の電池容量、出力、及び抵抗の確認が行われる。
本実施形態では、充電検査時にはSOCを20%程度以上40%程度以下までとしている。SOC10%程度までの放電では勿論、SOC0%程度まで放電する場合でも、充電検査時のSOCが小さい分、放電時間を短縮することができる。また、本実施形態では、第1ステップS1により既に単電池の内部短絡状態が正確に確認され、安全性が担保されているため、SOC10%程度までの放電でも問題なく検査対象物の上記の確認を正確に行うことが可能であり、その分放電時間を短縮することができる。工程Gにおいて、SOCが0%程度以上10%程度以下まで放電する場合、放電に要する時間は、1時間程度~10時間程度である。
本実施形態の検査方法では、第1ステップS1を行った後、第2ステップS2を行う。第1ステップS1は、第1の実施形態で例示した比較例における第2ステップS2の工程Eのように内部短絡の検査を行うべくSOC100%程度まで低Cレートで充電するために長時間を要するような検査ではなく、長くても数分間で終了する。本実施形態では、第1ステップS1で既に検査対象物の内部短絡の有無についての検査が行われているため、第2ステップS2では当該検査は不要となる。第1の実施形態で例示した比較例のように第2ステップS2で当該検査を行う場合には、SOC100%程度まで低Cレートで充電することを要するところ、本実施形態ではその分の時間が短縮される。更に本実施形態では、充電時のSOCを例えば20%程度以上40%程度以下までに抑えられることとも相俟って、放電検査に要する時間も大幅に短縮される。
以上より本実施形態では、第1ステップS1及び第2ステップS2で要する時間は、合計で4時間10分(3時間40分)程度~10時間程度(+数分間程度)で済む。
このように、本実施形態によれば、簡易な手法により、リチウムイオン二次電池の単電池についての初回充放電検査に要する時間を大幅に短縮化することができる。
-変形例-
次に、第3の実施形態の変形例について説明する。
本変形例では、第3の実施形態と同様に検査方法の第2ステップS2を行うが、図10に示すように、工程Bの放置時間を10分間程度、工程Fの放置時間を1時間程度とする。本変形例は、工程Eにおいて例えばSOC20%程度以上40%程度以下、例えば30%程度の状態において、電池におけるガス抜きを行うために工程Fの放置時間を長くする必要がある場合に適用して好適である。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン電池は、順次積層された、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極集電体、及び負極活物質層を備えた電池を検査対象物とする検査方法であって、前記検査対象物の短絡の有無を判定する第1工程と、前記検査対象物のSOCが20%以上80%以下になるまで充電してエージングを行う第2工程と、を有する。
上記一実施形態では、前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物のSOCが60%以上80%以下になるまで充電するようにしても良い。
上記一実施形態では、前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物のSOCが60%以上70%以下になるまで充電するようにしても良い。
上記一実施形態では、前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物のSOCが60%になるまで充電するようにしても良い。
上記一実施形態では、前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物を充電した後、前記検査対象物のSOCが0%以上20%以下になるまで放電するようにしても良い。
上記一実施形態では、前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物を充電した後、前記検査対象物のSOCが20%以上30%以下になるまで放電するようにしても良い。
上記一実施形態では、前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物のSOCが20%以上40%以下になるまで充電するようにしても良い。
上記一実施形態では、前記検査対象物は、前記正極集電体及び前記負極集電体が樹脂集電体であることが好ましい。
上記一実施形態では、前記第1工程は、前記検査対象物の表面に導電体プローブを接触させて、前記検査対象物の表面の複数箇所における電圧を測定する工程と、前記電圧に基づいて前記電池に短絡箇所が存在するか否かを判定する工程と、を有するものとすることが好ましい。
上記一実施形態では、前記第1工程は、前記検査対象物の表面に導電体プローブを接触させて、前記検査対象物の表面の複数箇所における電気抵抗を測定する工程と、前記電気抵抗が許容範囲外である箇所が前記検査対象物に存在するか否かを判定する工程と、を有するものとすることが好ましい。
1 検査対象物
2 導電体プローブ
10 単電池
12 正極
13 負極
14 セパレータ
15 正極活物質層
16 負極活物質層
17 正極樹脂集電体
18 枠部材
19 負極樹脂集電体
100 組電池
110 外装体
120 正極引出端子
130 負極引出端子

Claims (10)

  1. 順次積層された、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極集電体、及び負極活物質層を備えた電池を検査対象物とする検査方法であって、
    前記検査対象物の短絡の有無を判定する第1工程と、
    前記検査対象物のSOCが20%以上80%以下になるまで充電してエージングを行う第2工程と、
    を有する、
    電池の検査方法。
  2. 前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物のSOCが60%以上80%以下になるまで充電する、
    請求項1に記載の電池の検査方法。
  3. 前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物のSOCが60%以上70%以下になるまで充電する、
    請求項1に記載の電池の検査方法。
  4. 前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物のSOCが60%になるまで充電する、
    請求項1に記載の電池の検査方法。
  5. 前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物を充電した後、前記検査対象物のSOCが0%以上20%以下になるまで放電する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電池の検査方法。
  6. 前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物を充電した後、前記検査対象物のSOCが20%以上30%以下になるまで放電する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電池の検査方法。
  7. 前記第2工程は、前記エージングにおいて、前記検査対象物のSOCが20%以上40%以下になるまで充電する、
    請求項1に記載の電池の検査方法。
  8. 前記検査対象物は、前記正極集電体及び前記負極集電体が樹脂集電体である、
    請求項1に記載の電池の検査方法。
  9. 前記第1工程は、
    前記検査対象物の表面に導電体プローブを接触させて、前記検査対象物の表面の複数箇所における電圧を測定する工程と、
    前記電圧に基づいて前記電池に短絡箇所が存在するか否かを判定する工程と、
    を有する、
    請求項8に記載の電池の検査方法。
  10. 前記第1工程は、
    前記検査対象物の表面に導電体プローブを接触させて、前記検査対象物の表面の複数箇所における電気抵抗を測定する工程と、
    前記電気抵抗が許容範囲外である箇所が前記検査対象物に存在するか否かを判定する工程と、
    を有する、
    請求項8に記載の電池の検査方法。
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