JP2023103804A - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パイロット密度が疎な信号フォーマットであっても、前ゴースト波を考慮したFFT窓位置の制御を行えるようにする。【解決手段】本例の無線通信装置は、OFDM信号に対し、OFDMの有効シンボル長分の切り出し区間であるFFT窓を設定してFFT処理を行うFFT部102と、FFT窓の位置を制御するために、OFDM信号から検出されたシンボルタイミングをFFT部102に与えるFFT窓位置制御部104と、FFT処理された共通の信号に対して複数の異なる位相回転を与えて復調処理を行って、復調誤差が最小となる位相回転数を特定し、その位相回転数に対応するタイミング補正量を算出する最適FFT窓位置探索部106とを備え、FFT窓位置制御部104は、シンボルタイミングをタイミング補正量に従って補正してFFT部102に与えるように構成される。【選択図】図1
Description
本発明は、OFDM信号を受信して処理する無線通信装置に関する。
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の無線通信システムでは、復調処理を行う上で、FFT(Fast Fourier Transform)処理が必要である。FFT処理では、予め定められたサンプル数(有効シンボル長)を受信信号から切り出す処理を行う。以下、OFDMの有効シンボル長分の切り出し区間を「FFT窓」と呼称する。このFFT窓の位置によってはシンボル間干渉が増加し、コンスタレーションの各点の広がりが大きくなってしまう。
以下に、図2、図3を用いて、FFT窓の重要性について説明する。
図2に示すように、シンボル長は、有効シンボル長とGI(ガードインターバル)長の合計である。GIとは、有効シンボルの後半部分をコピーして先頭に付加したものである。図3(a)に示すように、FFT窓がOFDMシンボルの境界を含まない場合は、高精度に復調可能である。これに対し、図3(b)に示すように、FFT窓がOFDMシンボルの境界を含む場合には、シンボル間干渉が増加してしまい、コンステレーションが広がってしまう。したがって、FFT窓はOFDMシンボルの境界を含まないように制御する必要がある。
図2に示すように、シンボル長は、有効シンボル長とGI(ガードインターバル)長の合計である。GIとは、有効シンボルの後半部分をコピーして先頭に付加したものである。図3(a)に示すように、FFT窓がOFDMシンボルの境界を含まない場合は、高精度に復調可能である。これに対し、図3(b)に示すように、FFT窓がOFDMシンボルの境界を含む場合には、シンボル間干渉が増加してしまい、コンステレーションが広がってしまう。したがって、FFT窓はOFDMシンボルの境界を含まないように制御する必要がある。
また、FFT窓位置は、遅延時間が異なる受信波の復調を高精度に行う際にも重要である。図4に示すように、最も電力が大きい受信信号(以下、「主波」と呼称)の他に、遅延時間が長い電波(以下、「後ゴースト波」と呼称)を受信することがある。OFDMの特徴であるGI付加により、後ゴースト波が存在する場合でもシンボルの境界を含まないようにFFT窓を設けることができる。そのため、後ゴースト波に対して最もGIを有効に使用するには、最も遅延時間の短い受信波(図4では主波)の有効シンボルの先頭からFFT窓を設けることが望ましい。
FFT窓位置を決定する方式の一例として、GIの相関性を利用した方式について説明する。図5に示す波形は、受信信号と受信信号を有効シンボル長遅延させた信号との相関の絶対値をとり、GI長で移動平均を行い、更にシンボル平均を行ったものである。GIは有効シンボルの一部をコピーしたものであるため、GI部分の相関レベルが高くなる。移動平均を行ったことで図5に示すような波形が得られ、この波形のピーク位置を用いてOFDMのシンボルタイミングを検出することで、FFT窓を望ましい位置に制御することができる。
本発明に係る技術分野の従来技術としては、以下のようなものがある。例えば、特許文献1には、パイロットシンボルのシンボル長よりデータシンボルのシンボル長の方が大きく、かつ、パイロットシンボルのガードインターバル比率よりデータシンボルのガードインターバル比率が小さいフォーマットのフレームを用いてデータを伝送するデータ伝送システムの発明が開示されている。
先に説明した従来のシンボル同期方式では、前ゴースト波が存在する場合に、FFT窓をシンボル間干渉が発生しない位置に制御することが難しくなるという問題がある。ここでは、前ゴースト波を、主波よりも時間的に早く到達する電波と定義する。以下に、前ゴースト波が発生し得る状況として、図6及び図7に示す2つの例について説明する。
図6(a)では、送信局601から受信局604へ直接伝搬する電波が、建造物602で遮蔽され、電力が減衰している。これとは別に、受信局604には、建造物603で反射された電波も到来している。この場合、建造物603からの反射波の電力は、建造物602で遮蔽された直接波の電力より大きくなる。したがって、受信局604では、建造物603からの反射波が主波となり、建造物602で遮蔽された直接波が前ゴースト波となる。
図6(b)では、送信局601から受信局604に直接伝搬する伝搬路と、中継局605を介して受信局604に到来する伝搬路がある。中継局605では電波の増幅も行っており、中継局605から受信局604への伝送距離は送信局601から受信局604への伝送距離に比べ短く、減衰が小さい。このため、受信局604における受信電力は、送信局601から直接受信する電波に比べ、中継局605から受信する電波のほうが大きい。また、電波の遅延時間は、送信局601から受信局604に直接伝搬する伝搬路に比べ、中継局605を介する伝搬路の方が中継局605での遅延時間が付加されるために長くなる。したがって、この場合も、受信局604では、主波(中継局605からの電波)に対して直接波が前ゴースト波として観測される。
上記のような前ゴースト波が発生する環境においては、図7(a)に示すように、前ゴースト波のシンボルタイミングを検出してFFT窓位置を制御する必要がある。これにより、FFT窓内にシンボルの境界は含まれない。一方、図7(b)に示すように、前ゴースト波を検出できずに主波を基準にしてFFT窓位置を制御した場合、前ゴースト波のシンボルの境界がFFT窓内に含まれ、その結果、シンボル間干渉が発生してしまう。先に説明したGIの相関性を利用した方式ではタイミング検出精度が低く、前ゴースト波のシンボルタイミングを検出することが難しい。
前ゴースト波位置を検出する方法の一つとして、遅延プロファイルを用いる従来技術がある。以下では、先に遅延プロファイルの算出方法の一例を説明する。主波と遅延時間が異なる電波が混入した場合、主波と混入した電波との重ね合わせにより、OFDMのサブキャリア周波数に応じて受信信号は強め合ったり弱め合ったりする。強め合い、弱め合いの間隔は遅延時間に比例する。この重ね合わせによる周波数特性を時間領域に変換することで、主波と混入した電波とを分離した遅延プロファイルを算出することができる。
OFDMのサブキャリアには、既知の擬似ランダムパターンが等間隔で挿入される。このキャリアを「パイロットキャリア」と呼ぶ。受信側では、パイロットキャリアを抽出して擬似ランダムパターンの逆パターンを乗算することで、パイロットキャリアにおける伝搬路特性を得ることができる。また、パイロットキャリアにおける伝搬路特性をローパスフィルタ(以下、「伝搬路推定フィルタ」と呼称)で内挿することで、全帯域の伝搬路特性を推定することができる。この伝搬路推定の結果にIFFT処理を行って時間領域に変換することで、遅延プロファイルを算出することができる。この遅延プロファイルを観測し、最も時間的に早い信号を検出することで、前ゴースト波を検出することができる。そして、前ゴースト波のシンボルタイミングでFFT窓位置を制御することで、シンボル間干渉を抑えることができる。
ただし、図8(a)に示すように、パイロットキャリアが周波数方向に十分に密に配置されている必要がある。ここで、有効シンボル長をTsym とし、パイロット間隔をPとすると、イメージが発生せずに観測したい時間幅Tobs は、以下の式(1)で表すことができる。
パイロット間隔Pが大きい場合、つまり、パイロットキャリアが疎な場合は、Tobs が小さな値となる。この場合、図8(b)に示すように、パイロットキャリアの内挿時に後ゴースト波のイメージが主波の近隣に発生する。このため、最も時間的に早い信号を検出する方式では、前ゴースト波と後ゴースト波の見分けがつかない問題が発生し、FFT窓位置を前ゴースト波のシンボルタイミングで制御することができないため、シンボル間干渉が増加してしまう。
一例として、FPU(Field Pickup Unit)のOFDM規格(ARIB STD-B71,STD-B57,STD-B33)では、パイロットキャリアが8キャリアに1本の密度で設定されている。この場合、パイロットキャリアから推定した伝搬路推定結果をIFFTした遅延プロファイル波形では、シンボル長(約100μs)の1/8である約12.5μs周期でイメージが発生してしまう。周波数にもよるが、12.5μs以上の後ゴースト波は存在し得るため、前ゴースト波と後ゴースト波の見分けがつかないという問題が発生する。
前ゴースト波の問題を解決するために必要となる従来技術に関し、FFT窓位置と伝搬路推定フィルタの通過域との関係について説明する。先に説明した通り、パイロットキャリアを周波数方向に内挿する際には、式(1)で示したTobs の間隔でイメージが発生する。したがって、伝搬路推定フィルタの時間通過域幅は、Tobs 以下にしてイメージを含まない時間通過域幅にする必要がある。この制約の範囲内で、長遅延な後ゴースト波をでき限り通過域内に収めるように設計することが望ましい。
FFT窓を有効シンボルの先頭に制御すると、パイロットキャリアの周波数方向に観測したときの位相回転数は0rad/Hzになるため、主波成分は、図9(a)に示すように、伝搬路推定フィルタの通過域の中央に位置する。後ゴースト波が混入した場合のその成分は、フィルタの中央から時間の遅い方向に生じる。そのため、フィルタの通過域を超えた位置に存在する後ゴースト波2は、減衰されてしまう。そこで、図9(b)に示すように、パイロットキャリアに対して周波数領域で位相回転成分を乗算し、主波をフィルタの早い方の帯域端にシフトさせることで、長遅延の後ゴースト波2をフィルタの通過域内に収めることができる。これにより、フィルタの通過域を有効活用することができる。
上記のような処理を行う場合、もしも前ゴースト波が存在すると、図9(c)に示すように、前ゴースト波はフィルタの帯域外となってしまう。その結果、前ゴースト波がフィルタで減衰してしまい、伝搬路推定誤差が増加することになる。これに対し、図9(d)に示すように、パイロットキャリアに乗じる位相回転数を変更し、前ゴースト波をフィルタの通過域内に入れることができれば、伝搬路推定誤差は減少する。しかしながら、先に述べた通り、パイロットキャリアの密度が疎な場合、前ゴースト波と後ゴースト波のイメージを見分けることができないため、最適な位相回転数を定めることができない。
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、パイロットキャリアの密度が疎な信号フォーマットであっても、前ゴースト波を考慮したFFT窓位置の制御を行えるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様に係る無線通信装置は、以下のように構成される。すなわち、本発明に係る無線通信装置は、OFDM信号を受信して処理する無線通信装置であって、OFDM信号に対し、OFDMの有効シンボル長分の切り出し区間であるFFT窓を設定してFFT処理を行うFFT部と、FFT窓の位置を制御するために、OFDM信号から検出されたシンボルタイミングをFFT部に与えるFFT窓位置制御部と、FFT処理された共通の信号に対して複数の異なる位相回転を与えて復調処理を行って、復調誤差が最小となる位相回転数を特定し、その位相回転数に対応するタイミング補正量を算出する最適FFT窓位置探索部とを備え、FFT窓位置制御部は、シンボルタイミングをタイミング補正量に従って補正してFFT部に与えることを特徴とする。
ここで、本発明に係る無線通信装置において、最適FFT窓位置探索部は、所定のタイミングが経過する毎に、共通の信号に対して該タイミングに対応する位相回転を与えて復調処理を行うように構成され得る。
また、本発明に係る無線通信装置において、最適FFT窓位置探索部は、FFT処理された1シンボル分の信号を記憶するメモリを有し、所定のタイミングが経過する毎に、メモリに記憶されている信号に対して該タイミングに対応する位相回転を与えて復調処理を行い、位相回転の種類数と同数のタイミングが経過した後に、メモリの内容を更新するように構成され得る。
また、本発明に係る無線通信装置において、最適FFT窓位置探索部は、共通の信号に対して異なる位相回転を与えて復調処理を行う処理部を複数有し、複数の処理部を並列的に動作させる。
また、本発明の別の態様に係る無線通信方法は、以下のように構成される。すなわち、OFDM信号を受信して処理する無線通信方法であって、OFDM信号に対し、OFDMの有効シンボル長分の切り出し区間であるFFT窓を設定してFFT処理を行うステップと、FFT処理された信号に対して複数の異なる位相回転を与えて復調処理を行って、復調誤差が最小となる位相回転数を特定し、その位相回転数に対応するタイミング補正量を算出するステップと、OFDM信号から検出されたシンボルタイミングをタイミング補正量に従って補正し、当該補正後のシンボルタイミングに基づいてFFT窓の位置を制御するステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、パイロットキャリアの密度が疎な信号フォーマットであっても、前ゴースト波を考慮したFFT窓位置の制御を行えるようになる。
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る無線通信装置の構成例を示してある。図1の無線通信装置は、ADC101と、FFT部102と、シンボル同期部103と、FFT窓位置制御部104と、本線受信処理部105と、最適FFT窓位置探索部106とを有する。本線受信処理部105は、固定位相回転部107と、等化部108と、パイロット抽出部109と、内挿フィルタ110と、復号部111とを含む。最適FFT窓位置探索部106は、スキャン制御カウンタ112と、1シンボルメモリ113と、位相回転スキャン部114と、等化部108と、パイロット抽出部109と、内挿フィルタ110と、MER算出部115と、最適回転数算出部116と、補正値算出部117とを含む。
ADC101では、受信されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、シンボル同期部103及びFFT部102へ出力する。シンボル同期部103では、先に説明したGIの相関性などを利用して、OFDM信号のシンボルタイミングWを検出する。シンボル同期部103で検出されたタイミング信号は、FFT窓位置制御部104へ入力される。FFT窓位置制御部104では、後述の補正値算出部117から入力される補正値Wcomp(S)に従い、シンボルタイミングWを補正したタイミング信号W’をFFT部102に出力する。ここで、補正タイミングW’は、以下の式(2)で表される。
FFT部102では、ADC101から入力される信号に対し、FFT窓位置制御部104から入力されるタイミング信号W’に基づいてFFT窓を設け、FFT処理を行って周波数領域の信号F(ω)に変換する。ここでωは、周波数方向のサブキャリア番号を示している。FFT処理された信号は、復調・復号を行う本線受信処理部105と、最適な窓位置を探索する最適FFT窓位置探索部106とに出力される。
以降では、最初に本線の受信処理を担う本線受信処理部105について説明し、次に最適な窓位置を探索する最適FFT窓位置探索部106について説明する。
本線受信処理部105では、FFT処理された信号が固定位相回転部107に入力される。固定位相回転部107では、以下の式(3)に示すように、周波数領域の信号に固定位相回転信号ej2πωRfix/NFFT を乗算する。ここで、NFFT は、FFT処理のポイント数を示している。また、固定回転数Rfix は、位相回転信号がNFFT サンプルで回転する回転数を示しており、整数である必要はない。
この処理により、図9で説明したように、パイロットキャリアの周波数方向の位相回転数を変更し、後述する内挿フィルタ110の通過域の帯域端へシフトさせることができる。これにより、後ゴースト波が混入した際に、内挿フィルタを効率的に使用することができる。
固定位相回転信号ej2πωRfix/NFFT が乗算された信号F’(ω)は、等化部108及びパイロット抽出部109へ出力される。パイロット抽出部109では、入力された信号からパイロットキャリアを抽出し、内挿フィルタ110へ出力する。内挿フィルタ110では、パイロットキャリアを周波数方向に内挿補間するためのフィルタ処理を行うことで、パイロットキャリアが存在しないサブキャリアの周波数特性を推定することができる。
周波数内挿されたパイロット信号(以下、「伝搬路推定結果」と呼称)は、等化部108へ出力される。等化部108では、固定位相回転部107から入力された信号F’(ω)と内挿フィルタ110から入力される伝搬路推定結果とを用いて等化処理を行い、等化結果を復号部111へ出力する。復号部111では、誤り訂正処理などを行い、復号結果を無線伝送の結果として出力する。以上が、本線の受信処理の流れである。
次に、FFT窓位置を高精度に制御するための最適FFT窓位置探索部106の処理について説明する。
最適FFT窓位置探索部106は、1シンボル分の信号に対して複数の異なる位相回転を与えて復調処理を行い、その中で復調品質が最も高くなる位相回転数を探索し、その結果に基づいてFFT窓位置の補正値Wcompを出力するものである。本例では、過去の受信信号を用いて現在のFFT窓位置を制御するため、その間の伝搬路の変動は無視できるものとする。なお、近年の信号処理デバイスの進展により、単位時間当たりの演算量を増大させることでFFT窓位置の制御をリアルタイムに行うことも可能であり、その場合には伝搬路の変動が大きくても対応することができる。
最適FFT窓位置探索部106は、1シンボル分の信号に対して複数の異なる位相回転を与えて復調処理を行い、その中で復調品質が最も高くなる位相回転数を探索し、その結果に基づいてFFT窓位置の補正値Wcompを出力するものである。本例では、過去の受信信号を用いて現在のFFT窓位置を制御するため、その間の伝搬路の変動は無視できるものとする。なお、近年の信号処理デバイスの進展により、単位時間当たりの演算量を増大させることでFFT窓位置の制御をリアルタイムに行うことも可能であり、その場合には伝搬路の変動が大きくても対応することができる。
FFT部102にてFFT処理された受信信号F(ω)は、スキャン制御カウンタ112及び1シンボルメモリ113に入力される。
スキャン制御カウンタ112は、1シンボル分のデータが入力される毎にカウントアップし、最大値に達したら再び0からカウントするカウンタである。スキャン制御カウンタ112によるカウント値cは、1シンボルメモリ113、位相回転スキャン部114、及び最適回転数算出部116へ出力される。カウント最大値は、後述の位相回転スキャン部114で行う位相回転数の種類と同数とする。
スキャン制御カウンタ112は、1シンボル分のデータが入力される毎にカウントアップし、最大値に達したら再び0からカウントするカウンタである。スキャン制御カウンタ112によるカウント値cは、1シンボルメモリ113、位相回転スキャン部114、及び最適回転数算出部116へ出力される。カウント最大値は、後述の位相回転スキャン部114で行う位相回転数の種類と同数とする。
1シンボルメモリ113では、スキャン制御カウンタ112から入力されたカウント値cが0のときに、FFT部102から入力された信号を1シンボル分メモリに書き込み、カウント値cが0以外のときは、新たな信号の書き込みは行わない。1シンボルメモリ113からの読み出しはカウント毎に行われ、1シンボルメモリ113から読み出された信号は位相回転スキャン部114に入力される。
位相回転スキャン部114では、スキャン制御カウンタ112から入力されるカウント毎に位相回転数R(c)を変化させながら、入力される信号に対してR(c)に応じた位相回転信号ej2πωR(c)/NFFT を乗算し、位相回転された信号F”(ω)を算出する(式(4)参照)。
この処理により、内挿フィルタ110に対する主波の位置を変更することができる。位相回転された信号F”(ω)には、先に説明した本線と同様の処理が、パイロット抽出部109、内挿フィルタ110、及び等化部108によって施される。
等化部108による等化後の信号は、MER算出部115に入力される。MER算出部115は、入力された信号に基づいて、MER(Modulation Error Ratio)を算出する。MERとは、送信または受信信号の品質を判断するためによく用いられる指標である。ここでは、受信側における等化後の受信点と理想受信点との誤差電力と、信号の平均電力との比率を求め、この比率を全キャリアで平均して算出するものとする。この場合、等化後の信号が最も理想受信点に近い結果となるときに、MERが最大となる。ここでは、等化後の信号品質を算出する方法としてMERを採用したが、EVM(Error Vector Magnitude)や相互情報量といった他の値を用いて、信号品質を測定する方法を再移用してもよい。
MER算出部115によって算出されたMERは、最適回転数算出部116に入力される。最適回転数算出部116では、スキャン制御カウンタ112から入力されるカウント値cが0から最大値になるまでの間にMERが最大となった位相回転数Ropt を特定し、補正値算出部117へ出力する。
補正値算出部117では、位相回転数Ropt を用いて、シンボルタイミングWに対する補正値Wcomp(S)を算出する。ここで、Sは、スキャン番号を示す。補正値Wcomp(S)と MER最大位相回転数Ropt (S)との関係は、以下の式(5)で表される。
時間領域のFFT窓位置と周波数領域の位相回転数は一対一の関係にあるが、最適FFT窓位置探索部106では、FFT窓位置W’を固定した上で、最適な位相回転数Ropt を算出する。したがって、この段階ではFFT窓位置は最適位置ではないため、固定回転数Rfix から最適位相回転数Ropt を引いた値の整数部分を、一つ前のスキャン時の補正値Wcomp(S-1)に加算して、補正値Wcomp(S)を算出する。
先に述べた通り、FFT窓位置制御部104では、補正値算出部117からの補正値Wcomp(S)を用いてFFT窓位置の補正を行う。以上の処理により、前ゴースト波を考慮したFFT窓位置の制御が可能となり、前ゴースト波が発生する受信環境においてもシンボル間干渉の発生を抑えることが可能である。
以上のように、本例の無線通信装置は、OFDM信号に対し、OFDMの有効シンボル長分の切り出し区間であるFFT窓を設定してFFT処理を行うFFT部102と、FFT窓の位置を制御するために、OFDM信号から検出されたシンボルタイミングをFFT部102に与えるFFT窓位置制御部104と、FFT処理された共通の信号に対して複数の異なる位相回転を与えて復調処理を行って、復調誤差が最小となる位相回転数を特定し、その位相回転数に対応するタイミング補正量を算出する最適FFT窓位置探索部106とを備え、FFT窓位置制御部104は、シンボルタイミングをタイミング補正量に従って補正してFFT部102に与えるように構成される。
このような構成により、パイロットキャリアの密度が疎な信号フォーマットであっても、前ゴースト波を考慮した最適なFFT窓位置を探索することが可能となる。つまり、伝搬路推定フィルタの通過域に対して主波・前ゴースト波・後ゴースト波の位置関係を複数試して、復調誤差が最小となる位相回転数から最適なFFT窓位置を算出することができる。これにより、前ゴーストを考慮したFFT窓位置の制御が可能となり、シンボル間干渉の発生を抑えた復調処理を実施できるので、受信性能が向上する。また、FFT窓位置が確定された信号を用いて最適FFT窓位置を探索できるため、本線の受信処理とは別に最適FFT処理窓位置の探索を行うことが可能である。
ここで、本例の最適FFT窓位置探索部106は、FFT処理された1シンボル分の信号を記憶する1シンボルメモリ113を有し、1シンボル分のタイミングが経過する毎に、1シンボルメモリ113に記憶されている信号に対して該タイミングに対応する位相回転を与えて復調処理を行い、位相回転の種類数と同数のタイミングが経過した後に、1シンボルメモリ113の内容を更新する構成となっている。このような構成によれば、位相回転の種類数と同数のシンボルタイミング分の時間で、最適FFT窓位置を探索することが可能となる。
なお、変形例1として、最適FFT窓位置探索部106の部品(例えば、位相回転部14、パイロット抽出部109、内挿フィルタ110、等化部108、及びMER算出部115)を高性能化することで、異なる位相回転を与えて行う復調処理をより短いタイミングで実行するようにしてもよい。これにより、最適FFT窓位置の探索をより短時間で完了できるようになる。
また、変形例2として、1シンボルメモリ113に記憶されている信号に対して異なる位相回転を与えて復調処理を行う処理部(例えば、位相回転部14、パイロット抽出部109、内挿フィルタ110、等化部108、及びMER算出部115)を複数有し、これら処理部を並列的に動作させるようにしてもよい。このような構成によっても、最適FFT窓位置の探索をより短時間で完了できるようになる。また、変形例1と変形例2を組み合わせることも可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態は例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、その他の様々な実施形態をとることが可能であると共に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等の種々の変形を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、本発明は、上記の説明で挙げたような装置や、これら装置で構成されたシステムとして提供することが可能なだけでなく、これら装置により実行される方法、これら装置の機能をプロセッサにより実現させるためのプログラム、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
本発明は、OFDM信号を受信して処理する無線通信装置に利用することが可能である。
101:ADC、 102:FFT部、 103:シンボル同期部、 104:FFT窓位置制御部、 105:本線受信処理部、 106:最適FFT窓位置探索部、 107:固定位相回転部、 108:等化部、 109:パイロット抽出部、 110:内挿フィルタ、 111:復号部、 112:スキャン制御カウンタ、 113:1シンボルメモリ、 114:位相回転スキャン部、 115:MER算出部、 116:最適回転数算出部、 117:補正値算出部
Claims (5)
- OFDM信号を受信して処理する無線通信装置であって、
前記OFDM信号に対し、OFDMの有効シンボル長分の切り出し区間であるFFT窓を設定してFFT処理を行うFFT部と、
前記FFT窓の位置を制御するために、前記OFDM信号から検出されたシンボルタイミングを前記FFT部に与えるFFT窓位置制御部と、
前記FFT処理された共通の信号に対して複数の異なる位相回転を与えて復調処理を行って、復調誤差が最小となる位相回転数を特定し、その位相回転数に対応するタイミング補正量を算出する最適FFT窓位置探索部とを備え、
前記FFT窓位置制御部は、前記シンボルタイミングを前記タイミング補正量に従って補正して前記FFT部に与えることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1に記載の無線通信装置において、
前記最適FFT窓位置探索部は、所定のタイミングが経過する毎に、前記共通の信号に対して該タイミングに対応する位相回転を与えて復調処理を行うことを特徴とする無線通信装置。 - 請求項2に記載の無線通信装置において、
前記最適FFT窓位置探索部は、前記FFT処理された1シンボル分の信号を記憶するメモリを有し、所定のタイミングが経過する毎に、前記メモリに記憶されている信号に対して該タイミングに対応する位相回転を与えて復調処理を行い、位相回転の種類数と同数のタイミングが経過した後に、前記メモリの内容を更新することを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無線通信装置において、
前記最適FFT窓位置探索部は、前記共通の信号に対して異なる位相回転を与えて復調処理を行う処理部を複数有し、前記複数の処理部を並列的に動作させることを特徴とする無線通信装置。 - OFDM信号を受信して処理する無線通信方法であって、
前記OFDM信号に対し、OFDMの有効シンボル長分の切り出し区間であるFFT窓を設定してFFT処理を行うステップと、
前記FFT処理された信号に対して複数の異なる位相回転を与えて復調処理を行って、復調誤差が最小となる位相回転数を特定し、その位相回転数に対応するタイミング補正量を算出するステップと、
前記OFDM信号から検出されたシンボルタイミングを前記タイミング補正量に従って補正し、当該補正後のシンボルタイミングに基づいて前記FFT窓の位置を制御するステップとを有することを特徴とする無線通信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022004543A JP2023103804A (ja) | 2022-01-14 | 2022-01-14 | 無線通信装置及び無線通信方法 |
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JP2022004543A JP2023103804A (ja) | 2022-01-14 | 2022-01-14 | 無線通信装置及び無線通信方法 |
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-
2022
- 2022-01-14 JP JP2022004543A patent/JP2023103804A/ja active Pending
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