JP2023100020A - 建物に対するハチ接近阻止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果に優れ、ハチをノックダウン又は致死させない、燃焼型ハチ接近阻止剤を用いた、建物に対するハチ接近阻止方法を提供する。【解決手段】建物に対するハチ接近阻止方法であって、(a)ピレスロイド系化合物と、(b)燃焼基材と、を含有する燃焼型ハチ接近阻止剤を建物の中又は建物から離れた位置で燃焼する工程を含み、前記工程が、煙量指数500~5000の煙量となるように煙を発生させることを特徴とする建物に対するハチ接近阻止方法。【選択図】なし
Description
特許法第30条第2項適用申請有り (1)第33回日本環境動物昆虫学会年次大会 開催日 令和3年11月27日 (2)第33回日本環境動物昆虫学会年次大会 シンポジウム 要旨集 発行日 令和3年11月27日 (3)第33回日本環境動物昆虫学会年次大会 発表資料 開催日 令和3年11月27日
本発明は、燃焼型ハチ接近阻止剤を用いた建物に対するハチ接近阻止方法に関する。
屋外に生息するハチは、庭先、玄関先、軒下等の家屋周辺での刺咬被害をもたらすため、問題となっており、日本では約3000種類が知られ、そのうち、刺咬性の強いハチは約20種類と言われている。近年、都市周辺の丘陵地帯等の宅地化が進み、刺咬性の強いハチによる人的被害が増大しており、それに伴って、エアゾール剤等のハチ防除用製品が多く市販されている。
従来から、ハチの駆除に際しては、種々の検討が行われてきた。特に、速効性を有する薬剤の使用が求められ、例えば、4-メトキシメチル-2,3,5,6-テトラフルオロベンジル 3-(2-シアノ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを有効成分とするハチ行動停止剤が提案されている(特許文献1)。また、そのほかにも速効性を有するハチ防除用組成物として、メトフルトリンとテトラメトリンを有効成分とした組成物が開示されるが、いずれも速効性を目的とするものである(特許文献2)。このような駆除をメインに考える製品では、一見ハチを積極的に殺虫するということは一般の使用者の方から使い易いと受け取られる反面、ハチからの逆襲を受けるという危険も伴うため、一般の人が実施する方法としては必ずしもよい方法と言えない部分もあった。さらに、十分に駆除しきれなかったハチがいる場合は、家屋等の建物に営巣する場合があり、二次被害につながるおそれもあった。そのため、ハチに対して積極的な方法で駆除するのではなく、むしろハチが寄ってこない空間を作るといった方法の方が一般の人にも望まれているとも考えられた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果に優れ、ハチをノックダウン又は致死させない、燃焼型ハチ接近阻止剤を用いた、建物に対するハチ接近阻止方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、ピレスロイド系化合物を用い、これを特定の煙量となるように煙を発生させ、燃焼させることで家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果に優れ、ハチをノックダウン又は致死させないことを見出し、本発明の完成に至った
すなわち、本発明は以下の構成が前記目的を達成するために優れた効果を発揮することを見出したものである。
(1)建物に対するハチ接近阻止方法であって、
(a)ピレスロイド系化合物と、
(b)燃焼基材と、
を含有する燃焼型ハチ接近阻止剤を建物の中又は建物から離れた位置で燃焼する工程を含み、
前記工程が、煙量指数500~5000の煙量となるように煙を発生させることを特徴とする建物に対するハチ接近阻止方法。
(2)前記煙の上昇速度は、0.15~0.45m/sであることを特徴とする(1)に記載のハチ接近阻止方法。
(3)前記燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時間は、14時間以内であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のハチ接近阻止方法。
(4)(a)ピレスロイド系化合物は、アレスリン、プラレトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、及び天然ピレトリン類からなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする(1)~(3)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(5)前記建物から離れた位置は、建物の外壁から10m以内離れた位置であることを特徴とする(1)~(4)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(6)前記ハチは、ミツバチ、アシナガバチ、及びスズメバチからなる群より選択される1種又は2種以上である(1)~(5)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(7)前記燃焼型ハチ接近阻止剤を日中に燃焼することを特徴とする(1)~(6)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(8)前記接近阻止は、忌避及び/又は営巣防止であることを特徴とする(1)~(7)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(a)ピレスロイド系化合物と、
(b)燃焼基材と、
を含有する燃焼型ハチ接近阻止剤を建物の中又は建物から離れた位置で燃焼する工程を含み、
前記工程が、煙量指数500~5000の煙量となるように煙を発生させることを特徴とする建物に対するハチ接近阻止方法。
(2)前記煙の上昇速度は、0.15~0.45m/sであることを特徴とする(1)に記載のハチ接近阻止方法。
(3)前記燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時間は、14時間以内であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のハチ接近阻止方法。
(4)(a)ピレスロイド系化合物は、アレスリン、プラレトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、及び天然ピレトリン類からなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする(1)~(3)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(5)前記建物から離れた位置は、建物の外壁から10m以内離れた位置であることを特徴とする(1)~(4)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(6)前記ハチは、ミツバチ、アシナガバチ、及びスズメバチからなる群より選択される1種又は2種以上である(1)~(5)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(7)前記燃焼型ハチ接近阻止剤を日中に燃焼することを特徴とする(1)~(6)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
(8)前記接近阻止は、忌避及び/又は営巣防止であることを特徴とする(1)~(7)のいずれか1に記載のハチ接近阻止方法。
本発明のハチ接近阻止方法を用いることで、家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果に優れ、ハチをノックダウン又は致死させないものとなる。さらに、ハチからの逆襲やハチの家屋等の建物に対する営巣による二次被害も防ぐことができ、その実用性は極めて高く、使用者が安心して庭先、玄関先、軒下等での作業や活動をすることができる。
以下、本発明のハチ接近阻止方法について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や実施例に限定されることを意図しない。なお、本明細書における範囲を示す表記「~」がある場合は、上限と下限を含有するものとする。
[燃焼型ハチ接近阻止剤]
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤は、建物に対するハチの接近を阻止するために燃焼して用いられる燃焼型のハチ接近阻止剤であり、(a)ピレスロイド系化合物(これを、(a)成分とする)、及び(b)燃焼基材(これを、(b)成分とする)、を含有する燃焼型ハチ接近阻止剤である。なお、本明細書では、建物に対するハチの忌避効果や営巣防止効果をハチ接近阻止効果と呼び、ノックダウン効果や致死効果に基づくハチに対する駆除効果は、ハチ接近阻止効果に含まないものとする。
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤は、建物に対するハチの接近を阻止するために燃焼して用いられる燃焼型のハチ接近阻止剤であり、(a)ピレスロイド系化合物(これを、(a)成分とする)、及び(b)燃焼基材(これを、(b)成分とする)、を含有する燃焼型ハチ接近阻止剤である。なお、本明細書では、建物に対するハチの忌避効果や営巣防止効果をハチ接近阻止効果と呼び、ノックダウン効果や致死効果に基づくハチに対する駆除効果は、ハチ接近阻止効果に含まないものとする。
[(a)成分]
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤に含まれる(a)成分は、ピレスロイド系化合物である。ピレスロイド系化合物としては、特に限定されないが、イミプロトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ぺルメトリン、シペルメトリン、シフルトリン、トラロメトリン、フタルスリン、レスメトリン、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、エトフェンプロックス、ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、天然ピレトリン類(ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンIIの混合物)等が挙げられる。これらの中でも、アレスリン、プラレトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、及び天然ピレトリン類からなる群より選択される1種又は2種以上を含有することが好ましく、アレスリン、トランスフルトリン、及びメトフルトリンからなる群より選択される1種又は2種以上を含有することがより好ましく、トランスフルトリン及び/又はメトフルトリンを含有することがさらに好ましい。これらの化合物は、他のピレスロイド系殺虫化合物と比較すると揮散性がより高く、本発明で使用される燃焼型ハチ接近阻止剤に適している。また、これらのピレスロイド系化合物は、その分子内に各種の立体異性体や幾何異性体を含む場合があるが、これらいずれの異性体も本発明に含まれるのは勿論である。ピレスロイド系化合物の濃度は、有効成分の種類によって適宜変更され特に限定されないが、0.01~3.0質量%の濃度で用いられ、0.02~2.0質量%であることが好ましく、0.05~1.0質量%であることがより好ましい。
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤に含まれる(a)成分は、ピレスロイド系化合物である。ピレスロイド系化合物としては、特に限定されないが、イミプロトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ぺルメトリン、シペルメトリン、シフルトリン、トラロメトリン、フタルスリン、レスメトリン、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、エトフェンプロックス、ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、天然ピレトリン類(ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンIIの混合物)等が挙げられる。これらの中でも、アレスリン、プラレトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、及び天然ピレトリン類からなる群より選択される1種又は2種以上を含有することが好ましく、アレスリン、トランスフルトリン、及びメトフルトリンからなる群より選択される1種又は2種以上を含有することがより好ましく、トランスフルトリン及び/又はメトフルトリンを含有することがさらに好ましい。これらの化合物は、他のピレスロイド系殺虫化合物と比較すると揮散性がより高く、本発明で使用される燃焼型ハチ接近阻止剤に適している。また、これらのピレスロイド系化合物は、その分子内に各種の立体異性体や幾何異性体を含む場合があるが、これらいずれの異性体も本発明に含まれるのは勿論である。ピレスロイド系化合物の濃度は、有効成分の種類によって適宜変更され特に限定されないが、0.01~3.0質量%の濃度で用いられ、0.02~2.0質量%であることが好ましく、0.05~1.0質量%であることがより好ましい。
[(b)成分]
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤に含まれる(b)成分は、燃焼基材である。燃焼基材としては、支燃剤、粘結剤、紙やパルプ等の繊維材料など、通常の線香等で用いられる燃焼基材はいずれも用いることができる。支燃剤としては、植物由来の粉末が挙げられ、例えば、ビャクシン粉末、ビャクダン粉末、クスノキ粉末、モミノキ粉末、スギ粉末、ツガ粉末、マツ粉末、ヤナギ粉末、ハリギリ粉末、ホオノキ粉末、シナノキ粉末、トウヒ粉末、イエローポプラ粉末、カツラ粉末、アカシア粉末、ヤマナラシ粉末、オオバボダイジュ粉末、オオバヤナギ粉末、サワグルミ粉末、ネズコ粉末、キリ粉末、シオジ粉末、バルサ粉末、ラワン粉末、シラカバ粉末、柑橘類木粉末などの木粉;キク科植物粉末、アカネ科植物粉末、スイカズラ科植物粉末、センダン科植物粉末、ジンチョウゲ科植物粉末、シソ科植物粉末、フトモモ科植物粉末、セリ科植物粉末、イネ科植物粉末、クワ科植物粉末、モクセイ科植物粉末、除虫菊抽出粉末、除虫菊抽出粕粉、ココナッツ粉、ココナッツシェル粉末などの植物乾燥粉末、木炭粉、素灰等の炭素粉末、柑橘類の表皮粉などが挙げられる。支燃剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤に含まれる(b)成分は、燃焼基材である。燃焼基材としては、支燃剤、粘結剤、紙やパルプ等の繊維材料など、通常の線香等で用いられる燃焼基材はいずれも用いることができる。支燃剤としては、植物由来の粉末が挙げられ、例えば、ビャクシン粉末、ビャクダン粉末、クスノキ粉末、モミノキ粉末、スギ粉末、ツガ粉末、マツ粉末、ヤナギ粉末、ハリギリ粉末、ホオノキ粉末、シナノキ粉末、トウヒ粉末、イエローポプラ粉末、カツラ粉末、アカシア粉末、ヤマナラシ粉末、オオバボダイジュ粉末、オオバヤナギ粉末、サワグルミ粉末、ネズコ粉末、キリ粉末、シオジ粉末、バルサ粉末、ラワン粉末、シラカバ粉末、柑橘類木粉末などの木粉;キク科植物粉末、アカネ科植物粉末、スイカズラ科植物粉末、センダン科植物粉末、ジンチョウゲ科植物粉末、シソ科植物粉末、フトモモ科植物粉末、セリ科植物粉末、イネ科植物粉末、クワ科植物粉末、モクセイ科植物粉末、除虫菊抽出粉末、除虫菊抽出粕粉、ココナッツ粉、ココナッツシェル粉末などの植物乾燥粉末、木炭粉、素灰等の炭素粉末、柑橘類の表皮粉などが挙げられる。支燃剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘結剤としては、例えば、タブ粉(ジョス粉)、シャム粉、トビ粉、澱粉、トランガム、アラビアガム、グァーガム、ガンビル抽出粉末、カゼインなどの天然高分子;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、加工澱粉(例えば、カルボキシメチル澱粉、ジアルデヒド澱粉およびカチオン澱粉)などの合成高分子等が挙げられる。粘結剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
燃焼基材には、必要に応じて、増量剤、燃焼調整剤、効力共力剤、色素、防腐剤、安定剤、界面活性剤、分散剤、溶剤等が含有されていても良い。なお、増量剤は燃焼調整剤として作用するものも存在する。増量剤又は燃焼調節剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、パーライト、ケイソウ土、ゼオライトのような無機粉体などが挙げられる。効力共力剤としては、例えば、ピペロニルブトキサイド、N-(2-エチルヘキシル)-ビシクロ[2,2,1]ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-プロピルイゾーム、サイネピリン222(商品名)、サイネピリン500(商品名)、リーセン384(商品名)、オクタクロロジプロピルエーテル、チオシアノ酢酸イソボルニル、シネトリンなどが挙げられる。
色素としては、例えば、マラカイトグリーン等の有機染料や顔料等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、p-ヒドロキシ安息香酸等の酸、あるいはその塩等が挙げられる。安定剤としては、一般に酸化防止剤として知られるジ-t-ブチル-フェノール系安定剤や、前記炭素粉末に対する安定剤としてのポリエチレングリコール等があげられ、特に、沸点が250℃以上のジ-ターシャリーブチル-フェノール系安定剤を添加することは好ましい。かかる安定剤には、2,6-ジ-ターシャリーブチル-4-メチルフェノール(BHT)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-ターシャリーブチルフェノール、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール、4,4’-チオビス(3-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、2-ターシャリーブチル-6-(3-ターシャリーブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニル アクリレート、2,4-ジ-ターシャリーブチルフェニル 3,5-ジ-ターシャリーブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
界面活性剤や分散剤は、ピレスロイド系化合物の分散等の目的のために適宜用いられ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類などのエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類などの脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、脂肪酸のポリアルカロールアミドなどの非イオン系界面活性剤や、例えば、ポリオキシエチレン(POE)スチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼン硫酸塩などのアニオン系界面活性剤が挙げられる。上記分散液の調製に用いられる溶剤としては特に限定されないが、沸点が150~350℃の飽和炭化水素系溶剤等が挙げられる。燃焼型ハチ防除剤中における燃焼基材の配合量は特に限定されず、好ましくは90.0~99.5質量%である。
[香料成分]
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤は、香料成分を含んでも良い。かかる香料成分としては特に限定されないが、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、エチレンブラシレート、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、トリシクロデセニルアセテート、オレンジャークリスタル、アンブロキサン、キャシュメラン、カロン、ヘリオトロピン、ジヒドロインデニル-2,4-ジオキサン、インドール、メチルセドリルケトン、メチルβ-ナフチルケトン、メチルジヒドロジャスモネート、ローズフェノン、クマリン、バニリン、スチラックスレジノイド、イソ-イ-スーパー(7-アセチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-1,1,6,7-テトラメチルナフタレン)、ベンジルベンゾエート、ベンジルサリチレート、イオノン、リリーアルデヒド、イソロンギホラノン、ジヒドロミルセノール、オクタン酸アリル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、イソアミルオキシ酢酸アリル、シクロヘキシルオキシ酢酸アリル、テルピネオール、シトロネラール、シトラール、ノナナール、ゲラニオール、ネロール、ボルネオール、デカノール、リナロール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、ロジノール、メントール、p‐メンタン‐3,8‐ジオール、チモール、メンタン、カンフェン、ピネン、リモネン、β‐イオノン、α-イソメチルイオノン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸アリル、蟻酸ゲラニル、蟻酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸シトロネリル、酢酸ネリル、メチルサリシレート、ウンデカナール、シス-3-ヘキセノール、6-アセチル-1,1,2,4,4,7-ヘキサメチルテトラリン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、アセチルセドレン、シトロネラ油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、ヒバ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、シダーウッド油、ゼラニウム油、タイムホワイト油、ハッカ油等が挙げられる。燃焼型ハチ接近阻止剤に含まれる香料成分の配合量は特に限定されず、好ましくは0.05~5質量%である。
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤は、香料成分を含んでも良い。かかる香料成分としては特に限定されないが、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、エチレンブラシレート、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、トリシクロデセニルアセテート、オレンジャークリスタル、アンブロキサン、キャシュメラン、カロン、ヘリオトロピン、ジヒドロインデニル-2,4-ジオキサン、インドール、メチルセドリルケトン、メチルβ-ナフチルケトン、メチルジヒドロジャスモネート、ローズフェノン、クマリン、バニリン、スチラックスレジノイド、イソ-イ-スーパー(7-アセチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-1,1,6,7-テトラメチルナフタレン)、ベンジルベンゾエート、ベンジルサリチレート、イオノン、リリーアルデヒド、イソロンギホラノン、ジヒドロミルセノール、オクタン酸アリル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、イソアミルオキシ酢酸アリル、シクロヘキシルオキシ酢酸アリル、テルピネオール、シトロネラール、シトラール、ノナナール、ゲラニオール、ネロール、ボルネオール、デカノール、リナロール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、ロジノール、メントール、p‐メンタン‐3,8‐ジオール、チモール、メンタン、カンフェン、ピネン、リモネン、β‐イオノン、α-イソメチルイオノン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸アリル、蟻酸ゲラニル、蟻酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸シトロネリル、酢酸ネリル、メチルサリシレート、ウンデカナール、シス-3-ヘキセノール、6-アセチル-1,1,2,4,4,7-ヘキサメチルテトラリン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、アセチルセドレン、シトロネラ油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、ヒバ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、シダーウッド油、ゼラニウム油、タイムホワイト油、ハッカ油等が挙げられる。燃焼型ハチ接近阻止剤に含まれる香料成分の配合量は特に限定されず、好ましくは0.05~5質量%である。
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤の剤形については特に限定されず、線香形態であってもよく、紙やパルプなどの繊維材料に特定のピレスロイド系化合物等が保持された形態であってもよい。具体的には、特定のピレスロイド系化合物等が、紙やパルプなどの繊維材料に含浸された形態、塗布された形態、練り込まれた形態などが挙げられる。
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤を線香形態で使用する場合の製造方法は、公知の製造方法を採用できる。例えば、プレミックス粉(ピレスロイド系化合物、効力増強剤等の燃焼基材の一部を含有させたもの)と残部の燃焼基材(支燃剤、粘結剤等)を混合したものに水を加えて混錬し、続いて、押出機、打抜機によって所望の形状に成型後、乾燥して線香形態の燃焼型ハチ接近阻止剤を製造すればよい。形状としては、例えば、円形渦巻状、多角形渦巻状、棒状、円筒形状、管状、平板状、塊状等が挙げられる。また、燃焼基材の一部(支燃剤、粘結剤等)のみを成型後、これにピレスロイド系化合物等を含む液剤をスプレーあるいは塗布または含浸して製造しても構わない。
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時間を調整するために、連結部を備えていても良い。さらに着火部にパラフィンワックス、硝酸エステル、硝酸塩、過塩素酸塩等の燃焼助剤を塗布してもよく、流動パラフィンを燃焼性の向上目的で混合しても構わない。
本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤の1個当たりの重量は特に限定されないが、5~30gであることが好ましく、10~25gであることがより好ましく、19~24gであることがさらに好ましい。
[建物に対するハチ接近阻止方法]
本発明の建物に対するハチ接近阻止方法は、本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤のような(a)ピレスロイド系化合物、及び(b)燃焼基材を含む燃焼型のハチ接近阻止剤を建物の中又は建物から離れた位置で燃焼する工程を含み、前記工程が、煙量指数500~5000の煙量となるように煙を発生させるものである。また、本発明における建物とは、家屋、アパート、公衆トイレ、ガレージ、倉庫、プレハブ小屋、ビニールハウス等が挙げられる。本発明の建物に対するハチ接近阻止方法を用いることで、家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果に優れ、ハチをノックダウン又は致死させないものとなる。さらに、ハチからの逆襲やハチの家屋等の建物に対する営巣による二次被害も防ぐことができ、その実用性は極めて高く、使用者が安心して庭先、玄関先、軒下等での作業や活動をすることができる。
本発明の建物に対するハチ接近阻止方法は、本発明の燃焼型ハチ接近阻止剤のような(a)ピレスロイド系化合物、及び(b)燃焼基材を含む燃焼型のハチ接近阻止剤を建物の中又は建物から離れた位置で燃焼する工程を含み、前記工程が、煙量指数500~5000の煙量となるように煙を発生させるものである。また、本発明における建物とは、家屋、アパート、公衆トイレ、ガレージ、倉庫、プレハブ小屋、ビニールハウス等が挙げられる。本発明の建物に対するハチ接近阻止方法を用いることで、家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果に優れ、ハチをノックダウン又は致死させないものとなる。さらに、ハチからの逆襲やハチの家屋等の建物に対する営巣による二次被害も防ぐことができ、その実用性は極めて高く、使用者が安心して庭先、玄関先、軒下等での作業や活動をすることができる。
本発明の方法では、燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時の煙量指数は、500~5000であり、1000~4000であることが好ましく、1050~3000であることがより好ましく、1100~2000であることがさらに好ましく、1150~1500であることがとりわけ好ましい。燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時の煙量指数が、前記範囲にあることで、家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果により優れ、ハチをノックダウン又は致死させないものとなる。一方、燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時の煙量指数が、5000を超える場合は、建物の中又は建物から近い場所で燃焼した場合に、建物の中や建物付近で発生する煙の量が多くなりすぎるため、好ましくない。なお、本実施形態では、このような燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時の煙量指数は、後述の[燃焼時の煙量指数の測定方法]により算出した。なお、本発明において、燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時の煙量指数は、燃焼型ハチ接近阻止剤に配合する各種成分等により適宜調整することができる。
[燃焼時の煙量指数の測定方法]
ゴム栓で閉じられた透明円筒内(直径19cm、高さ43cm)で燃焼型ハチ接近阻止剤を3分間燃焼させ、燃焼型ハチ接近阻止剤を取り出した後、2分間煙を拡散後、センサー(OMRONスマートセンサー、ZX-LT010透過型センサーヘッド)により、円筒内を通過するレーザー光の受光レベルを検知した。円筒内に何も入れないブランクの表示値と、線香を用いた測定終了時の表示値との差を煙量指数として求めた。
ゴム栓で閉じられた透明円筒内(直径19cm、高さ43cm)で燃焼型ハチ接近阻止剤を3分間燃焼させ、燃焼型ハチ接近阻止剤を取り出した後、2分間煙を拡散後、センサー(OMRONスマートセンサー、ZX-LT010透過型センサーヘッド)により、円筒内を通過するレーザー光の受光レベルを検知した。円筒内に何も入れないブランクの表示値と、線香を用いた測定終了時の表示値との差を煙量指数として求めた。
本発明の方法では、燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時に発生する煙の上昇速度は、0.15~0.45m/sであることが好ましく、0.20~0.35m/sであることがより好ましい。燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時に発生する煙の上昇速度が、前記範囲にあることで、ハチは他の飛翔害虫より高いところを飛行するため、ハチに対して煙がより到達しやすいものとなり、家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果により優れ、ハチをノックダウン又は致死させないものとなる。なお、本実施形態では、煙の上昇速度の測定には、線香の燃焼部分の1cm上方にガラスシリンダ(内径3cm、長さ20cm)を縦向きに置き、ガラスシリンダ上面開口部に設置した風速計(KANOMAX6004)のセンサー部を通過する煙の速度を測定して求めた。
本発明の方法では、建物の中又は建物から離れた位置で燃焼する工程を含むものであり、建物から離れた位置で燃焼する工程を含むものであることが好ましい。ここで、建物から離れた位置とは、外壁から10m以内離れた位置であることが好ましく、外壁から5m以内離れた位置であることがより好ましい。建物の外壁から10m以内離れた位置で燃焼させることで、家屋等の建物にハチが接近するのを阻止するのをより効果的に阻止することができる。また、建物から離れた位置とは、外壁から僅かに離隔した位置もしくは外壁から0.1m以上離れた位置であることが好ましく、外壁から0.1m以上離れた位置であることがより好ましく、0.5m以上離れた位置であることがさらに好ましい。
本発明の方法では、燃焼時間は、燃焼型ハチ接近阻止剤の形態によっても調製可能であり、コーン等小塊状の線香形態では1~60分程度の燃焼時間を設定でき、渦巻状の線香形態では1~14時間の燃焼時間を設定できる。本発明の建物に対するハチ接近阻止方法は、燃焼型ハチ接近阻止剤を日中に燃焼して使用するものであるので、燃焼時間が14時間以内であることが好ましく、燃焼時間が1分~14時間以内であることがより好ましく、燃焼時間が3~12時間であることがさらに好ましく、燃焼時間が6~10時間であることがとりわけ好ましい。
本発明の建物へのハチ接近阻止方法の有効な対象害虫としては、ハチであり、具体的には、ミツバチ、クマバチ、アシナガバチ(フタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ等)、スズメバチ(コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、チャイロスズメバチ等)等が挙げられ、ミツバチ、アシナガバチ、及びスズメバチからなる群より選択される1種又は2種以上を対象とすることが好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[製造例]
(実施例1)
(a)トランスフルトリン0.2部とBHT0.04部を、(b)燃焼基材(木粉、除虫菊粕粉、タブ粉、澱粉)99.76部に均一に混合後、防腐剤を含む水を加えて混錬した。押出機と打抜機にかけて渦巻型に成型し、一定の長さに切り、風乾にて乾燥し、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤(渦巻型)を製造した。また、明細書[0025]段落に記載の測定方法により、煙量指数を測定したところ、1210であり、明細書[0026]段落に記載の測定方法により、上昇速度を測定したところ、0.27m/sであった。
(実施例1)
(a)トランスフルトリン0.2部とBHT0.04部を、(b)燃焼基材(木粉、除虫菊粕粉、タブ粉、澱粉)99.76部に均一に混合後、防腐剤を含む水を加えて混錬した。押出機と打抜機にかけて渦巻型に成型し、一定の長さに切り、風乾にて乾燥し、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤(渦巻型)を製造した。また、明細書[0025]段落に記載の測定方法により、煙量指数を測定したところ、1210であり、明細書[0026]段落に記載の測定方法により、上昇速度を測定したところ、0.27m/sであった。
(実施例2)
(a)メトフルトリン0.1部とBHT0.02部を、(b)燃焼基材(木粉、除虫菊粕粉、タブ粉、澱粉)99.88部に均一に混合後、防腐剤を含む水を加えて混錬した。押出機と打抜機にかけて渦巻型に成型し、一定の長さに切り、風乾にて乾燥し、実施例2の燃焼型ハチ接近阻止剤(渦巻型)を製造した。また、明細書[0025]段落に記載の測定方法により、煙量指数を測定したところ、1160であり、明細書[0026]段落に記載の測定方法により、上昇速度を測定したところ、0.30m/sであった。
(a)メトフルトリン0.1部とBHT0.02部を、(b)燃焼基材(木粉、除虫菊粕粉、タブ粉、澱粉)99.88部に均一に混合後、防腐剤を含む水を加えて混錬した。押出機と打抜機にかけて渦巻型に成型し、一定の長さに切り、風乾にて乾燥し、実施例2の燃焼型ハチ接近阻止剤(渦巻型)を製造した。また、明細書[0025]段落に記載の測定方法により、煙量指数を測定したところ、1160であり、明細書[0026]段落に記載の測定方法により、上昇速度を測定したところ、0.30m/sであった。
(実施例3)
(a)dl・d-T80-アレスリン0.3部を、(b)燃焼基材(木粉、除虫菊粕粉、タブ粉、澱粉)99.70部に均一に混合後、防腐剤を含む水を加えて混錬した。押出機と打抜機にかけて渦巻型に成型し、一定の長さに切り、風乾にて乾燥し、実施例3の燃焼型ハチ接近阻止剤(渦巻型)を製造した。また、明細書[0025]段落に記載の測定方法により、煙量指数を測定したところ、1010であり、明細書[0026]段落に記載の測定方法により、上昇速度を測定したところ、0.19m/sであった。
(a)dl・d-T80-アレスリン0.3部を、(b)燃焼基材(木粉、除虫菊粕粉、タブ粉、澱粉)99.70部に均一に混合後、防腐剤を含む水を加えて混錬した。押出機と打抜機にかけて渦巻型に成型し、一定の長さに切り、風乾にて乾燥し、実施例3の燃焼型ハチ接近阻止剤(渦巻型)を製造した。また、明細書[0025]段落に記載の測定方法により、煙量指数を測定したところ、1010であり、明細書[0026]段落に記載の測定方法により、上昇速度を測定したところ、0.19m/sであった。
(比較例1)
(a)dl・d-T80-アレスリン0.3部を、(b)燃焼基材(澱粉、CMC、ゼオライト、素灰)99.70部に均一に混合後、防腐剤を含む水を加えて混錬した。押出機と打抜機にかけて渦巻型に成型し、一定の長さに切り、風乾にて乾燥し、比較例1の燃焼型ハチ接近阻止剤(渦巻型)を製造した。また、明細書[0025]段落に記載の測定方法により、煙量指数を測定したところ、300であり、明細書[0026]段落に記載の測定方法により、上昇速度を測定したところ、0.15m/sであった。
(a)dl・d-T80-アレスリン0.3部を、(b)燃焼基材(澱粉、CMC、ゼオライト、素灰)99.70部に均一に混合後、防腐剤を含む水を加えて混錬した。押出機と打抜機にかけて渦巻型に成型し、一定の長さに切り、風乾にて乾燥し、比較例1の燃焼型ハチ接近阻止剤(渦巻型)を製造した。また、明細書[0025]段落に記載の測定方法により、煙量指数を測定したところ、300であり、明細書[0026]段落に記載の測定方法により、上昇速度を測定したところ、0.15m/sであった。
<建物に対するハチの接近阻止試験1>
(試験例1)
植物に覆われたビニールハウス(高さ2.5m、横5m、奥行き2mの大きさ)の横方向の外壁から3m離れた位置で、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤を3時間燃焼して、その様子をビデオカメラで撮影し、燃焼している3時間において、セグロアシナガバチが誘引源の植物に触れた回数(X)を確認した。燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼をしない条件で、同様の3時間の観察を行い、セグロアシナガバチが誘引源の植物に触れた回数(Y)を確認した。そして、以下の式(I)により接近阻止率を算出したところ、接近阻止率は93%であった。
[接近阻止率(%)]=(Y-X)/Y×100・・・(I)
(試験例1)
植物に覆われたビニールハウス(高さ2.5m、横5m、奥行き2mの大きさ)の横方向の外壁から3m離れた位置で、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤を3時間燃焼して、その様子をビデオカメラで撮影し、燃焼している3時間において、セグロアシナガバチが誘引源の植物に触れた回数(X)を確認した。燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼をしない条件で、同様の3時間の観察を行い、セグロアシナガバチが誘引源の植物に触れた回数(Y)を確認した。そして、以下の式(I)により接近阻止率を算出したところ、接近阻止率は93%であった。
[接近阻止率(%)]=(Y-X)/Y×100・・・(I)
(試験例2)
試験例1において、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤の代わりに実施例2の燃焼型ハチ接近阻止剤を使用して、他は試験例1と同様にして試験を行い、接近阻止率を算出したところ、接近阻止率は91%であった。
試験例1において、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤の代わりに実施例2の燃焼型ハチ接近阻止剤を使用して、他は試験例1と同様にして試験を行い、接近阻止率を算出したところ、接近阻止率は91%であった。
(試験例3)
試験例1において、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤の代わりに実施例3の燃焼型ハチ接近阻止剤を使用して、他は試験例1と同様にして試験を行い、接近阻止率を算出したところ、接近阻止率は86%であった。
試験例1において、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤の代わりに実施例3の燃焼型ハチ接近阻止剤を使用して、他は試験例1と同様にして試験を行い、接近阻止率を算出したところ、接近阻止率は86%であった。
(試験例4)
試験例1において、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤の代わりに比較例1の燃焼型ハチ接近阻止剤を使用して、他は試験例1と同様にして試験を行い、接近阻止率を算出したところ、接近阻止率は56%であった。
試験例1において、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤の代わりに比較例1の燃焼型ハチ接近阻止剤を使用して、他は試験例1と同様にして試験を行い、接近阻止率を算出したところ、接近阻止率は56%であった。
試験例1~4の結果より、燃焼型ハチ接近阻止剤を燃焼した際の、煙量指数が500~5000の煙量である実施例1~3の燃焼型ハチ接近阻止剤はいずれもセグロアシナガバチに対して、85%以上の高い接近阻止率を示した。中でも、トランスフルトリン及び/又はメトフルトリンを含み、煙量指数が1150以上である実施例1~2では、いずれもセグロアシナガバチに対して、90%以上の高い接近阻止率を示し優れた建物に対するハチ接近阻止方法であることが分かった。一方、煙量指数が500未満である比較例1の燃焼型ハチ接近阻止剤は、接近阻止率が56%であり、実施例1~3の燃焼型ハチ接近阻止剤と比較して、接近阻止率が低下することが分かった。
<建物に対するハチの接近阻止試験2>
9月の晴れた日、木造の一軒家の玄関外壁から3m離れた位置で、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤を7時間(午前9時から午後4時まで)燃焼して使用した。その間、玄関先で作業をしていたが、アシナガバチ、ミツバチやスズメバチ等の接近も見られず、アシナガバチ、ミツバチやスズメバチの死骸も見られなかった。一方、この間蚊に刺されることはなかったが、蚊の死骸は燃焼型ハチ接近阻止剤の周辺に見られた。したがって、家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果に優れ、ハチをノックダウン又は致死させないという効果は、飛翔害虫の中でもハチに特有の効果であることが分かった。
9月の晴れた日、木造の一軒家の玄関外壁から3m離れた位置で、実施例1の燃焼型ハチ接近阻止剤を7時間(午前9時から午後4時まで)燃焼して使用した。その間、玄関先で作業をしていたが、アシナガバチ、ミツバチやスズメバチ等の接近も見られず、アシナガバチ、ミツバチやスズメバチの死骸も見られなかった。一方、この間蚊に刺されることはなかったが、蚊の死骸は燃焼型ハチ接近阻止剤の周辺に見られた。したがって、家屋等の建物に対するハチ接近阻止効果に優れ、ハチをノックダウン又は致死させないという効果は、飛翔害虫の中でもハチに特有の効果であることが分かった。
Claims (8)
- 建物に対するハチ接近阻止方法であって、
(a)ピレスロイド系化合物と、
(b)燃焼基材と、
を含有する燃焼型ハチ接近阻止剤を建物の中又は建物から離れた位置で燃焼する工程を含み、
前記工程が、煙量指数500~5000の煙量となるように煙を発生させることを特徴とする建物に対するハチ接近阻止方法。 - 前記煙の上昇速度は、0.15~0.45m/sであることを特徴とする請求項1に記載のハチ接近阻止方法。
- 前記燃焼型ハチ接近阻止剤の燃焼時間は、14時間以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハチ接近阻止方法。
- (a)ピレスロイド系化合物は、アレスリン、プラレトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、及び天然ピレトリン類からなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のハチ接近阻止方法。
- 前記建物から離れた位置は、建物の外壁から10m以内離れた位置であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のハチ接近阻止方法。
- 前記ハチは、ミツバチ、アシナガバチ、及びスズメバチからなる群より選択される1種又は2種以上である請求項1~5のいずれか1項に記載のハチ接近阻止方法。
- 前記燃焼型ハチ接近阻止剤を日中に燃焼することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のハチ接近阻止方法。
- 前記接近阻止は、忌避及び/又は営巣防止であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のハチ接近阻止方法。
Priority Applications (1)
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JP2022000339A JP2023100020A (ja) | 2022-01-05 | 2022-01-05 | 建物に対するハチ接近阻止方法 |
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