JP2023099177A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用シートの表皮材用に好適な積層体として、剥離強度及び通気性が高い積層体の提供を目的とする。【解決手段】軟質ポリウレタンフォーム組成物から得られた軟質ポリウレタンフォーム11に、裏基布21が接着された積層体10において、軟質ポリウレタンフォーム組成物は、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、難燃剤及び環状シロキサンを含み、軟質ポリウレタンフォーム11は、通気性が180~400cc/cm2/s、セル数が20~40個/25mmであり、裏基布21は、目付5~50g/m2の繊維体であり、裏基布21の接着剤は、散点状あるいは不織布状のホットメルト接着剤であり、積層体10の通気性は、180~400cc/cm2/sである構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームの裏面に裏基布が接着された積層体に関する。
例えば、車両のシートクッションの表面に被さる表皮材として、軟質ポリウレタンフォームの裏面に裏基布が接着された積層体の表面に表面材が積層されたものがある(特許文献1)。
表皮材は、裁断及び縫製によってシートクッションに被さる形状にされる。
軟質ポリウレタンフォーム裏面の裏基布は、縫製時の作業や表皮材をシートクッションに被せる際の作業を良好にするための滑り性向上、及び軟質ポリウレタンフォームの裏面保護等のために設けられる。裏基布は、織物や編み物あるいは不織布等の繊維体が用いられている。
軟質ポリウレタンフォーム表面の表面材は、車両のシートに要求される装飾性や感触性などに応じて本革や合成皮革あるいはファブリック等からなる適宜の材質で構成される。
ところで、近年の車両は、ヒーターユニットや冷却ユニット等を設けた空調シートの使用が広がっている。そして、車両のEV化が進む現状において、少しでもエネルギーの使用を抑えるため、空調シートのエネルギー効率向上が課題になっている。
特開2012-179792号公報
軟質ポリウレタンフォームの裏面に裏基布が接着された積層体において、空調シートのエネルギー効率を高める手段として、積層体の通気性を高めて空調に必要な時間を短縮する方法が挙げられる。
しかし、積層体の通気性を高めるために、軟質ポリウレタンフォームのセル数を少なく(セルサイズを大)したり、除膜処理をしたりすると、裏基布の剥離強度が低下するようになる。積層体における剥離強度が低くなると、表皮材の裁断や縫製等の際に裏基布が剥がれやすくなって、作業に問題を生じるようになる。
また、軟質ポリウレタンフォームと裏基布の接着性を高めるため、軟質ポリウレタンフォームと裏基布との接着を、フレームラミネート加工で行うことにすると、軟質ポリウレタンフォームのフレーム加工面(接着面)に溶融被膜が形成されて、通気性が低下するようになる。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、剥離強度及び通気性が高い積層体の提供を目的とする。
請求項1の発明は、軟質ポリウレタンフォーム組成物から得られた軟質ポリウレタンフォームに、裏基布が接着された積層体において、前記軟質ポリウレタンフォーム組成物は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、難燃剤及び環状シロキサンを含み、前記軟質ポリウレタンフォームは、通気性が180~400cc/cm/s、セル数が20~40個/25mmであり、前記裏基布は、目付5~50g/mの繊維体であり、前記裏基布の接着剤は、散点状あるいは不織布状のホットメルト接着剤であり、前記積層体の通気性が180~400cc/cm/sであり、剥離強度が4~10N/25mmであることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記軟質ポリウレタンフォームは、密度が20~40kg/mであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記環状シロキサンは、以下の(A)で表されるシロキサン化合物(n=3~6)であることを特徴とする。
Figure 2023099177000002
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記ホットメルト接着剤の量が10~40g/mであることを特徴とする。
本発明によれば、積層体の通気性が180~400cc/cm/s、剥離強度が4~10N/25mmになり、剥離強度及び通気性の高い積層体が得られる。
本発明の一実施形態の積層体を示す断面図である。 本発明の実施例と比較例の構成と、物性値等を示す表である。
図1に示す本発明の一実施形態に係る積層体10は、軟質ポリウレタンフォーム11の片面に裏基布21が接着されたものからなる。
軟質ポリウレタンフォーム11は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、難燃剤及び環状シロキサンを含む軟質ポリウレタンフォーム組成物が発泡したものであり、厚み2~20mm程度が好ましい。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールが用いられる。ポリエーテルポリオールは、多価アルコールにアルキレンオキシドを付加重合させて得られる化合物のほか、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等が用いられる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が用いられる。
ポリエーテルポリオールは、グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させたトリオール、それにさらにエチレンオキシドを付加重合させたトリオール、ジプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加重合させたジオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、ポリオキシアルキレンポリオールに、ポリカルボン酸無水物と環状エーテル基を有する化合物とを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールでもよい。ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。ポリカルボン酸無水物としては、コハク酸、アジピン酸、フタル酸等の無水物が挙げられる。環状エーテル基を有する化合物(アルキレンオキシド)としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が挙げられる。ポリエーテルポリオールはポリエステルポリオールに比べ、ポリイソシアネート類との反応性に優れているという点と、加水分解をしないという点から好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールのほか、ラクトン系ポリエステルポリオール及びポリカーボネート系ポリエステルポリオールが用いられる。
ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等を使用することができる。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、水素添加MDI、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,6-へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、1,3,6-へキサメチレントリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、ビシクロへプタントリイソシアネート、及びこれらの変性体、誘導体等が挙げられる。また、その他プレポリマーも使用することができる。ポリイソシアネートは単独でもよく、あるいは2種以上を用いてもよい。特にトリレンジイソシアネート(TDI)は好ましいポリイソシアネートである。
イソシアネートインデックス(INDEX)は80~110が好ましい。イソシアネートインデックスが80未満では、引張強さ、伸び等の機械的物性の良い軟質ポリウレタンフォーム11が得られ難くなる一方、110を越えると軟質ポリウレタンフォーム11の柔軟性が低下する。なお、イソシアネートインデックスは、ウレタン原料中に含まれる活性水素基1モルに対するイソシアネート基のモル数を100倍した値であり、[(軟質ポリウレタンフォーム組成物中のイソシアネート当量/軟質ポリウレタンフォーム組成物中の活性水素の当量)×100]で計算される。
発泡剤としては、水、代替フロンあるいはペンタンなどの炭化水素を、単独または組み合わせて使用できる。水の場合は、ポリオールとポリイソシアネートの反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡がなされる。発泡剤としての水の量は、ポリオール100重量部に対して2~6重量部程度が好ましく、より好適には3~5重量部である。また、水と共に他の発泡剤を併用する場合、他の発泡剤の量は適宜決定される。
触媒としては、ポリウレタンフォーム用のアミン系触媒、金属触媒が単独または併用される。アミン系触媒としては、モノアミン化合物、ジアミン化合物、トリアミン化合物、ポリアミン化合物、環状アミン化合物、アルコールアミン化合物、エーテルアミン化合物等が挙げられ、これらの1種類でもよく、2種類以上併用してもよい。金属触媒としては、有機錫化合物、有機鉄化合物、有機ビスマス化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物等を挙げることができ、これらの1種類でもよく、あるいは2種類以上用いてもよい。触媒の量は、適宜決定されるが、例としてポリオール100重量部に対して0.1~1.0重量部程度を挙げる。
難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジエチルフェニルホスフォネート、ジメチルフェニルホスフォネート、レゾルシノールジフェニルホスフェート等のリン酸エステル系難燃剤や、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の無機系難燃剤が挙げられる。難燃剤の量は、ポリオール100重量部に対して5~25重量部程度を挙げる。
環状シロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等を挙げることができ、特に式(A)で示した環状シロキサン(n=3~6)が好ましい。環状シロキサンの量は、ポリオール100重量部当たり0.3~3重量部が好ましい。環状シロキサンを0.3~3重量部配合することにより、軟質ポリウレタンフォーム11をセル数が少ない、通気性の高いものにできる。
軟質ポリウレタンフォーム組成物には、その他の添加剤として、例えば整泡剤を含むのが好ましい。整泡剤としては、シリコーン化合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリエーテルシロキサン、フェノール系化合物等が挙げられる。整泡剤の含有量は、ポリオール100重量部に対して0.5~2.5重量部を例示する。
さらにその他の添加剤の例として、必要に応じて充填剤、安定剤、着色剤、可塑剤、抗菌剤等、公知の添加剤を挙げることができる。
軟質ポリウレタンフォーム11の製造は、スラブ発泡が好ましい。スラブ発泡は、ポリウレタンフォーム組成物を混合させてベルトコンベア上に吐出し、大気圧下、常温で発泡させる方法である。本実施形態の軟質ポリウレタンフォーム11は、スラブ発泡で製造された軟質ポリウレタンフォームを所定厚みに裁断したものである。
軟質ポリウレタンフォーム11は、セル数(JIS K6400-1)が20~40個/25mm、通気性(JIS K6400(フラジール型)が180~400cc/cm/sであり、通気性の高いものである。また、軟質ポリウレタンフォーム11の密度(JIS K7220)は、20~40kg/mが好ましく、より好ましくは23~35kg/mである。なお、本発明の積層体10に使用される軟質ポリウレタンフォーム11は、除膜処理の行われていないものが好ましい。除膜処理に必要な作業が不要なため、コストを抑えることができる。
裏基布21としては、目付5~50g/mの繊維体が使用される。目付5~50g/mの繊維体は、通気性(JIS K6400(フラジール型)が750cc/cm/sの高通気性を有するものが好ましい。繊維体としては、織物、編物、不織布等が挙げられる。特に編物の中でもトリコットは、弾力及び伸縮性があるため、積層体11を車両用シートクッションの表皮材に使用する場合、積層体11が車両用シートクッションの表面に沿って変形し易くなり、表皮材に皺を生じ難くできる。また繊維体の材質としては、ナイロン、ポリエステル等が挙げられる。
軟質ポリウレタンフォーム11と裏基布21とは、ホットメルト接着剤31によって接着されている。ホットメルト接着剤31は、軟質ポリウレタンフォーム11または裏基布21の何れかの接着面に散点状に設け、あるいは不織布状のものを軟質ポリウレタンフォーム11と裏基布21との間に配置して硬化させる。
散点状に設ける場合のホットメルト接着剤としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系等を挙げることができる。また、散点状に設ける方法は、限定されず、スプレー塗布や、特開2000-107471に示すようなスライドコータ方式により行うことができる。
不織布状のホットメルト接着剤は、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等のホットメルト剤によって不織布を構成したものであり、呉羽テック製、製品品番LMS-7035等を挙げることができる。
積層体10の製造は、所定厚みの軟質ポリウレタンフォーム11と裏基布21の何れか一方の接着面に、ホットメルト接着剤を散点状に設け、そのホットメルト接着剤を挟んで軟質ポリウレタンフォーム11と裏基布21を積層し、あるいは不織布状のホットメルトを挟んで所定厚みの軟質ポリウレタンフォーム11と裏基布21を積層し、その積層状態で加熱・押圧してホットメルト接着剤を溶融し、その後に冷却することによりホットメルト接着剤を硬化させることにより行う。
このようにして得られた本発明の積層体10は、通気性(JIS K6400-7B法(フラジール型))が180~400cc/cm/sであり、軟質ポリウレタンフォーム11と裏基布21に対する剥離強度(JIS K6854-2)が4~10N/25mmである。
なお、その後、積層体10の裏基布21とは反対側の面に、本革や合成皮革あるいはファブリック等からなる表面材が積層され、裁断及び縫製によってシートクッションに被せられる表皮材が形成される。
シートクッション用表皮材の裁断及び縫製時、積層体10における裏基布21の剥離強度が高いため、裏基布21が剥がれ難く、作業性が良好である。
また、積層体10に表面材が積層されたシートクッション用表皮材は、積層体10の通気性が高いため、ヒーターユニットや冷却ユニット等を設けた空調シートに使用される場合、エネルギー効率を向上させることができる。
以下に示す原料を用い、図2に示す配合からなる実施例1~4及び比較例1~3の軟質ポリウレタンフォーム組成物を調製し、スラブ発泡により軟質ポリウレタンフォームを作製した。得られた実施例1~4及び比較例1~3の軟質ポリウレタンフォームは、除膜処理を施さなかった。
・ポリオール;ポリエーテルポリオール、分子量:3000、官能基数3、水酸基価56.1mgKOH/mg、品名:GP-3000、三洋化成工業社製
・アミン系触媒;品名:33LV、エアプロダクツ社製
・整泡剤;シリコーン系整泡剤、品名:B8110、ゴールドシュミット社製
・錫触媒;オクチル酸第一錫、品名:MRH110、城北化学工業社製
・環状シロキサン;式(A)におけるn=5、沸点211℃、品名:SH-245、東レ・ダウコーニング製
・難燃剤;ハロゲン化リン酸エステル系、品名:CR-504L、大八化学工業製
・ポリイソシアネート;2,4-TDI/2,6-TDI=80/20、品名:コロネートT-80、日本ポリウレタン工業社製
なお、比較例4については、品名:MF-55、株式会社イノアックコーポレーション製の軟質ポリウレタンフォーム、環状シロキサン含まず、除膜処理品を用いた。
また、比較例5については、品名:CFH-13、株式会社イノアックコーポレーション製の軟質ポリウレタンフォーム、環状シロキサン含まず、除膜処理品を用いた。
各実施例及び各比較例の軟質ポリウレタンフォームについて、密度(JIS K7220)、ILD25%硬さ(JIS K6200-2)、セル数(JIS K6400-1)、通気性(JIS K6400-7B法(フラジール型)、サンプル厚み10mm)を測定した。
次に、各実施例及び各比較例の軟質ポリウレタンフォームを、厚み10mm×150×200mmに裁断して軟質ポリウレタンフォームシートを作製した。その軟質ポリウレタンフォームシートの片面に、目付40g/m、通気性750cc/cm/s以上、材質:ポリエステル/ビニロン、クラレ製織物の裏基布を、不織布状のホットメルト接着剤、品名:LMS-7035、呉羽テック製を配置して接着し、各実施例及び各比較例(比較例2を除く)の積層体を作製した。比較例2については、ホットメルト接着剤をロール塗布した。各実施例及び各比較例におけるホットメルト接着剤の塗布方式及び塗布量(目付量)を図2に示す。
各実施例及び各比較例の積層体について、剥離強度、通気性を測定し、総合評価を行った。
積層体の剥離強度は、JIS K6854-2に基づき、厚み5mm×25mm×150mmのサンプルについて、180℃、剥離速度200mm/minで剥離試験を行い、その際の強度を測定した。
積層体の通気性は、JIS K6400-7B法(フラジール型)にしたがって測定した。
総合評価は、剥離強度が5N/25mm以上且つ、通気性が200cc/cm/sec以上の場合に「◎」、剥離強度が4N/25mm以下且つ、通気性が180cc/cm/sec以下の場合に「×」とした。結果を図2に示す。
各実施例及び各比較例について詳述する。
・実施例1
実施例1は、ポリオール100重量部、発泡剤(水)4.5重量部、アミン系触媒0.2重量部、整泡剤1重量部、錫触媒0.2重量部、環状シロキサン0.5重量部、難燃剤18重量部、ポリイソシアネート54.7重量部、INDEX:104の軟質ポリウレタンフォーム組成物を調製して軟質ポリウレタンフォームを製造し、その軟質ポリウレタンフォームを裁断して得られた軟質ポリウレタンフォームシートの片面に、不織布状のホットメルト接着剤を、目付量12g/mで載置し、その接着剤面に裏基布を重ね、190℃の熱板により、50%圧縮で30秒間熱プレスすることにより、積層体を製造した。
実施例1の軟質ポリウレタンフォームは、密度24.9kg/m、ILD25%硬さ103N、セル数31個/25mm、通気性236cc/cm/sであった。また、実施例1の積層体は、剥離強度6.5N/25mm、通気性234cc/cm/sであり、剥離強度及び通気性の何れも高く、総合評価「◎」であった。
実施例2は、実施例1における環状シロキサンの量を0.5重量部から2重量部に増加させ、その他については実施例1と同様にした例である。
実施例2の軟質ポリウレタンフォームは、密度24.6kg/m、ILD25%硬さ102N、セル数34個/25mm、通気性212cc/cm/sであった。また、実施例2の積層体は、剥離強度8.1N/25mm、通気性210cc/cm/sであり、剥離強度及び通気性の何れも高く、総合評価「◎」であった。実施例2は、環状シロキサンの量を実施例1の0.5重量部から2重量部に増加させたことにより、積層体の剥離強度が実施例1の6.5N/25mmから8.1N/25mmに増加した反面、通気性が僅かに低下した。
実施例3は、実施例1における発泡体(水)の量を4.5重量部から4重量部に減らし、INDEXが実施例1と同じ104になるようにポリイソシアネートの量を調節し、その他については実施例1と同様にした例である。
実施例3の軟質ポリウレタンフォームは、密度29.8kg/m、ILD25%硬さ131N、セル数21個/25mm、通気性380cc/cm/sであった。また、実施例3の積層体は、剥離強度5.5N/25mm、通気性372cc/cm/sであり、剥離強度及び通気性の何れも高く、総合評価「◎」であった。実施例3は、発泡体(水)の量を実施例1の4.5重量部から4重量部に減らしたことにより、軟質ポリウレタンフォームのセル数が実施例1よりも減少し、通気性については実施例1よりも増大し、また、積層体の剥離強度が実施例1よりも低下し、一方、通気性については実施例1よりも増大した。
実施例4は、実施例1と同じ軟質ポリウレタンフォームを用い、ホットメルト接着剤の塗布量(目付量)を実施例1の12g/mから36g/mに増加させた不織布状とし、その他については実施例1と同様にした例である。
実施例4の軟質ポリウレタンフォームの物性値は、実施例1と同一である。また、実施例4の積層体は、剥離強度6.4N/25mm、通気性232cc/cm/sであり、剥離強度及び通気性の何れも高く、総合評価「◎」であった。実施例4は、ホットメルト接着剤の塗布量(目付量)を実施例1の12g/mから36g/mに増加させたが、積層体の剥離強度及び通気性については、実施例1と同等であった。
比較例1は、実施例1における環状シロキサンの量を0.5重量部から0重量部にし、その他については実施例1と同様にした例である。
比較例1の軟質ポリウレタンフォームは、密度25.1kg/m、ILD25%硬さ104N、セル数30個/25mm、通気性102cc/cm/sであった。また、比較例1の積層体は、剥離強度6.8N/25mm、通気性101cc/cm/sであり、通気性が低く、総合評価「×」であった。比較例1は、環状シロキサンの量を0重量にしたことにより、軟質ポリウレタンフォームの通気性が実施例1の半分以下に大きく低下し、積層体の通気性についても実施例1の半分以下に大きく低下した。
比較例2は、実施例2と同じ軟質ポリウレタンフォームを用い、ホットメルト接着剤をロールによって塗布量60g/mの全面塗布とし、その他については実施例2と同様にした例である。
比較例2の軟質ポリウレタンフォームの物性値は、実施例2と比べてバラツキ程度の相違であり、ほぼ同一である。また、比較例2の積層体は、剥離強度10.8N/25mm、通気性172cc/cm/sであり、剥離強度が高い反面通気性が低いものであり、総合評価「×」であった。比較例2は、ホットメルト接着剤の塗布量(目付量)を実施例2の12g/mから5倍の60g/mに増加させた全面塗布としため、実施例2に比べて剥離強度は高くなったが、通気性は実施例1に対して70%程度の値に低下した。
比較例3は、実施例3における環状シロキサンの量を0.5重量部から4重量部に増加させ、その他については実施例2と同様にした例である。
比較例3の軟質ポリウレタンフォームは、密度29.4kg/m、ILD25%硬さ129N、セル数45個/25mm、通気性146cc/cm/sであった。また、比較例2の積層体は、剥離強度8.1N/25mm、通気性139cc/cm/sであり、剥離強度が高い反面、通気性が低いものであり、総合評価「×」であった。
このように、比較例3は、環状シロキサンの量を実施例3の0.5重量部から4重量部に増加させたことにより、軟質ポリウレタンフォームのセル数が実施例3の21個/25mmから、倍以上の45個/25mmmに大きく増加し、その一方で、通気性が実施例3の380cc/cm/sから38%程度の146cc/cm/sに大きく低下した。また、比較例3の積層体は、剥離強度については実施例3の5.5N/25mmから8.1N/25mmに増加したが、通気性については実施例3の372cc/cm/sから37%程度の139cc/cm/sに大きく低下した。
比較例4は、環状シロキサンを含まず、除膜処理された軟質ポリウレタンフォーム(品名:MF-55)を用い、裏基布を他の実施例と同様とし、ホットメルト接着剤、その塗布方式及び塗布量(目付量)を実施例1~3と同様にした例である。
比較例4の軟質ポリウレタンフォーム(除膜処理有り)は、密度57kg/m、ILD25%硬さ240N、セル数50個/25mm、通気性138cc/cm/sであった。また、比較例4の積層体は、剥離強度8.7N/25mm、通気性137cc/cm/sであり、剥離強度が高い反面、通気性が低いものであり、総合評価「×」であった。
このように、比較例4は、環状シロキサンを含まない軟質ポリウレタンフォームを用い、そのセル数が実施例1~4と比べて147%~238%の50個/25mmと多く、通気性については実施例1~4と比べて36%~65%の138cc/cm/sと低いため、積層体の剥離強度は高くなったが、通気性は実施例1~4の37%~65%程度に大きく低下した。
比較例5は、環状シロキサンを含まず、除膜処理された軟質ポリウレタンフォーム(品名:CFH-13)を用い、裏基布を他の実施例と同様とし、ホットメルト接着剤、その塗布方式及び塗布量(目付量)を実施例1~3と同様にした例である。
比較例5の軟質ポリウレタンフォーム(除膜処理有り)は、密度29kg/m、ILD25%硬さ180N、セル数13個/25mm、通気性508cc/cm/sであった。また、比較例5の積層体は、剥離強度3.2N/25mm、通気性495cc/cm/sであり、剥離強度が低い反面、通気性が高いものであり、総合評価「×」であった。
このように、比較例5は、環状シロキサンを含まない軟質ポリウレタンフォームを用い、そのセル数が実施例1~4と比べて39%~62%程度の13個/25mmと少なく、通気性については実施例1~4と比べて134%~240%程度の508cc/cm/sと大幅に高いため、積層体の剥離強度は実施例1~4と比べて40%~58%程度の大幅に低くなったが、通気性は実施例1~4と比べて133%~236%程度の高いものになった。
このように本発明の積層体は、裏基布の剥離強度が高く、積層体の通気性が高いものである。そのため、シートクッション用表皮材として使用される際の縫製等によっても裏基布が剥がれ難く、作業性を良好なものにできる。また、本発明の積層体は、ヒーターユニットや冷却ユニット等を設けた空調シートの表皮材用として使用される場合、通気性が高いため、エネルギー効率を向上させることができる。
10 積層体
11 軟質ポリウレタンフォーム
21 裏基布
31 ホットメルト接着剤
第1の態様は、軟質ポリウレタンフォーム組成物から得られた軟質ポリウレタンフォームに、裏基布が接着された積層体において、前記軟質ポリウレタンフォーム組成物は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、難燃剤及び環状シロキサンを含み、前記軟質ポリウレタンフォームは、通気性が180~400cc/cm/s、セル数が20~40個/25mmであり、前記裏基布は、目付5~50g/mの繊維体であり、前記裏基布の接着剤は、散点状あるいは不織布状のホットメルト接着剤であり、前記積層体の通気性が180~400cc/cm/sであり、剥離強度が4~10N/25mmであることを特徴とする。
第2の態様は、第1の態様において、前記軟質ポリウレタンフォームは、密度が20~40kg/mであることを特徴とする。
第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記環状シロキサンは、以下の(A)で表されるシロキサン化合物(n=3~6)であることを特徴とする。
Figure 2023099177000006
第4の態様は、第1の態様から第3の態様の何れか一項において、前記ホットメルト接着剤の量が10~40g/mであることを特徴とする。

Claims (4)

  1. 軟質ポリウレタンフォーム組成物から得られた軟質ポリウレタンフォームに、裏基布が接着された積層体において、
    前記軟質ポリウレタンフォーム組成物は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、難燃剤及び環状シロキサンを含み、
    前記軟質ポリウレタンフォームは、通気性が180~400cc/cm/s、セル数が20~40個/25mmであり、
    前記裏基布は、目付5~50g/mの繊維体であり、
    前記裏基布の接着剤は、散点状あるいは不織布状のホットメルト接着剤であり、
    前記積層体の通気性が180~400cc/cm/sであり、剥離強度が4~10N/25mmであることを特徴とする積層体。
  2. 前記軟質ポリウレタンフォームは、密度が20~40kg/mであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記環状シロキサンは、以下の(A)で表されるシロキサン化合物(n=3~6)であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
    Figure 2023099177000003
  4. 前記ホットメルト接着剤の量が10~40g/mであることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の積層体。
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