JPH11309798A - 形状保持性に優れた立体的に成形された軟質ポリウレタンフォーム熱成形体 - Google Patents

形状保持性に優れた立体的に成形された軟質ポリウレタンフォーム熱成形体

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JPH11309798A
JPH11309798A JP11725298A JP11725298A JPH11309798A JP H11309798 A JPH11309798 A JP H11309798A JP 11725298 A JP11725298 A JP 11725298A JP 11725298 A JP11725298 A JP 11725298A JP H11309798 A JPH11309798 A JP H11309798A
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JP
Japan
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polyurethane foam
flexible polyurethane
thermoformed
film
resin film
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JP11725298A
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Koichi Kusakawa
公一 草川
Toshiaki Kimura
敏明 木村
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NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱成形性と形状保持性および耐久性に優れる剛
性の高い軟質ポリウレタンフォーム熱成形体に関する。 【解決手段】150℃における伸びが70%以上である
軟質ポリウレタンフォームの少なくとも片面に樹脂フィ
ルムが一体に積層された熱成形体であって、前記樹脂フ
ィルムが、厚み100μm以下、融点或いは軟化点が1
60〜300℃、引張り弾性率が、100kg/mm2
以上であることを特徴とする形状保持性に優れる立体的
に絞り成形された軟質ポリウレタンフォーム熱成形体で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車・建設機械
・船舶等のエンジンルーム内等の防音材や車両・家電等
のエアコン用断熱材等において、形状保持性に優れる成
形品を必要とする部位に提供できる剛性の高い軟質ポリ
ウレタンフォームの熱成形体に関する。
【0002】
【従来技術】従来、自動車のエンジンルーム等の防音材
としては、熱硬化性接着剤が含浸されたグラスウールと
表皮材としてアルミ箔や耐久性を高めた不織布等が積層
された熱成形体等が用いられ、立体的な凹凸を有する施
工面とのフィット性に優れている。しかしガラスウール
は、ちくちくし取扱い性が悪く、防音効果も劣り、これ
に置き換わるような防音材が求められていた。また、軟
質ポリウレタンフォームは、防音材として広く使用され
ており、この物を熱成形して立体的な形状を付与するこ
とが知られているが、得られた熱成形体は、形状保持性
が悪いため、大型サイズの成形体である場合は、アッセ
ンブリー時に柔軟なために取扱いが悪いという欠点が有
った。例えば、1m2の面積で厚み10mm程度の成形
体を、軟質ポリウレタンフォームで作製し、手作業で所
定の位置に施工して見ようとしても、柔らか過ぎて位置
決めが出来ず、とても自動車のアッセンブリーラインで
使える様な部品ではなかった。この点を改良するため
に、軟質ポリウレタンフォーム厚みを大幅に高めて熱成
形する方法も考えられるが、この場合、成形体の密度が
高まるため、吸音性が悪化すると同時に、成形体が重く
且つコストアップになる欠点があり実用的ではなかっ
た。最近、特許第2599976号公報には熱成形性を
有するポリウレタンフォームが開示されている。しか
し、この公報に述べられているものは官能基3〜5及び
平均水酸基価200〜1000mgKOH/gのポリエ
ーテルポリオールと重合性不飽和基を有するモノマーの
重合によって得られるポリマーポリオールとのポリオー
ルと多官能性イソシアネートとの反応によって得られる
ポリウレタンフォームよりなる熱成形体であるが、この
ものは、剛性が高いため、前記のアッセンブリー時の取
扱い性には問題は無いものの、絞りの深い成形体を得る
ことが困難であった。また成形体をエンジン周りの様な
高温部位に使用すると、成形が戻ってしまい適用出来な
い。更に硬質ポリウレタンフォームのため、独立気泡が
主体のため、吸音性は大幅に劣る。また、材料が脆いた
め、熱や振動の激しい部位での適用は不可能である。以
上の考え方以外に、軟質ポリウレタンフォームにフェノ
ール樹脂やメラミン樹脂、ウレタンプレポリマー等を含
浸した後、熱成形または、水蒸気キュアーする方法も考
えられているが、得られた成形体は、剛性が有り、取扱
い性は向上するが、材料の成型までの可使時間の制約や
複雑な工程、溶剤使用により環境問題など多数の欠点が
ある。また得られた成形体は、逆に脆い性質が出てしま
い、エンジン周りの防音材の様な過酷な使用環境では、
材料が脆過ぎて適用出来ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軟質
ポリウレタンフォームを使用し、熱成形により、剛性の
高まった立体的な深い絞り成形で熱成形体を提供するこ
とである。更に、本発明の他の目的は、剛性が高いもの
の、脆くなく柔軟で、かつ複雑表面の施工部位にも少し
押しつけることでフィットする程度の軟らかさと強靱な
成形体を提供することである。また、本発明では、エン
ジン周りの防音材として、熱、振動、水や油にも耐えら
れる熱成形された防音材を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これら問
題点を解決すべく種々検討した結果、厚み100μm以
下、好ましくは50μm以下、融点或いは軟化点が16
0〜300℃、引張り弾性率が100kg/mm2以上
である樹脂フィルムと、150℃における伸びが70%
以上、好ましくは100%以上である軟質ポリウレタン
フォーム材とを積層することによってその目的を達成す
ることを見出し、本発明を完成したもので、本発明は形
状保持性と熱成形性及び耐久性等に優れる軟質ポリウレ
タンフォームの熱成形体を提供することが本願発明の目
的である。
【0005】即ち、本発明の要旨は、150℃における
伸びが70%以上、好ましくは100%以上である軟質
ポリウレタンフォームの少なくとも片面に樹脂フィルム
が一体に積層された熱成形体であって、前記樹脂フィル
ムが、厚み100μm以下、融点或いは軟化点が160
〜300℃、引張り弾性率が、100kg/mm2以上
であることを特徴とする形状保持性に優れる立体的に絞
り成形された熱成形体である。本発明の熱成形体は、樹
脂フィルムと軟質ポリウレタンフォームとが反応接着に
より積層した積層体であることが好ましく、また、樹脂
フィルムが軟質ポリウレタンフォームの両面に積層され
た積層体である熱成形体で有ることが好ましい。本発明
の熱成形体は、防音材、断熱材として使用される。即
ち、本発明における軟質ポリウレタンフォーム熱成形体
は、熱成形性及び形状保持性を左右する重要な要素とな
るものであり、樹脂フィルムの厚みが100μm以下、
融点或いは軟化点が160〜300℃、引張り弾性率が
100kg/mm2以上であり、軟質ポリウレタンフォ
ームが150℃における伸びが70%以上、好ましくは
100%以上を有する熱特性を合致させることで、熱成
形性と形状保持性および耐久性に優れる熱成形体とする
ことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細を述べ
る。本発明における軟質ポリウレタンフォーム熱成形体
とは加熱成形手段によって得られた軟質ポリウレタンフ
ォームで構成された成形品であって、具体的には、従来
より使用されてる自動車・建設機械・船舶等のエンジン
ルーム内等の防音材や車両・家電等のエアコン用断熱材
等の形状を有するものをいう。そして、軟質ポリウレタ
ンフォームで構成された成形品は、軟質ポリウレタンフ
ォームと樹脂フィルムとの積層体である。本発明におけ
る軟質ポリウレタンフォームとしては、150℃におけ
る伸びが70%以上、好ましくは100%以上のもので
ある。このウレタンフォームは、ポリオールとイソシア
ネート化合物とを、整泡剤、触媒、発泡剤及び必要によ
り他の添加剤の存在下で反応させて軟質ポリウレタンフ
ォームを製造する。使用するポリオールとしては、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオール及び重合
体ポリオール等の何れでも良い。具体的に、これらの化
合物を挙げると、ポリエーテルポリオールとしては、エ
チレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン等の多価アルコール、これらの多価アルコールにエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド
を付加重合した付加重合物があるが、これらに限定され
るものではなく、これら単独または混合物として使用で
きる。
【0007】ポリエステルポリオールとしては、アジピ
ン酸、フタル酸、コハク酸などの多価カルボン酸とエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、ブチレングリコール、トリメチロールプロパ
ンなどの多価アルコール類から合成される化合物が挙げ
られるが、これらに限定されるものではなく、これらは
混合物として使用できる。重合体ポリオールとしては、
前記に列記したポリオールの少なくとも1種中で、ラジ
カル開始剤の存在下でアクリルニトリル、スチレン等の
ビニルモノマーを重合し安定分散させたものが挙げられ
る。但し、これに限定されるものではなく、これら単独
または混合物として使用できる。その他のポリオールと
して、ポリジエン系ポリオールも使用することができ
る。
【0008】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ばトリレンジイソシアナート、ポリメチレンフェニレン
ポリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、キシレンジイソシアナートおよび水添ポリメチレン
ポリフェニレンジイソシアナート等が挙げられる。これ
らは単独または混合物として使用される。さらにイソシ
アナートの一成分として、ポリオールをイソシアナート
化合物と反応させて得られる末端にイソシアナート基を
有するウレタン変成イソシナートも使用することができ
る。しかし、これに限定されるものではない。整泡剤と
しては、例えばシリコーン系界面活性剤、ジエチルアミ
ノオレエート、ソルビタンモノステアレート、グリセリ
ンモノオレエート等が挙げられる。しかし、これに限定
されるものではない。
【0009】触媒としては、例えば3級アミン、有機ス
ズ化合物等が挙げられ、その代表的な化合物としては、
トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、n−メチル
モルフォリン、n−エチルモルフォリン、N,N,
N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、オクチル酸
第1スズ、ジブチルラウリン酸第2スズ等が挙げられ
る。しかし、これに限定されるものではない。発泡剤と
しては、通常のウレタンフォーム用発泡剤が使用され
る。例えば、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジク
ロロメタンなどのハロゲン化アルカン;ブタン、ペンタ
ンなどの低沸点アルカン;分解窒素ガス等を発生するア
ゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これらは単
独または混合物として使用される。しかし、これに限定
されるものではない。更に必要により使用される他の添
加剤としては、顔料、フィラー、アスファルト、可塑
剤、粘着性付与剤、安定剤、難燃剤等が挙げられる。
【0010】上記の軟質ポリウレタンフォームに積層さ
れる樹脂フィルムとしては、厚み100μm以下、好ま
しくは50μmm以下で、融点或いは軟化点が160〜
300℃、引張り弾性率100kg/mm2以上のもの
が使用される。本発明で使用できる樹脂フィルムとして
は、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンフタレート、ナイロン−11&12、
ナイロン−6&66、ポリピロメリットイミド、ポリア
ミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリビニルフロリド等の樹脂が
無延伸及び二軸延伸等で製造されるフィルムを一例とし
て挙げることができる。これらの樹脂フィルムとポリウ
レタンフォームとの接着性を向上させるためにコロナ処
理、化学処理等や輻射熱を防ぐ金属蒸着処理等でフィル
ム表面処理を行ったもの、ガラス繊維等で強化されたも
の、粘着剤加工されたもの等が含まれる。但し、これに
限定されるものではなく、これら樹脂フィルムは単一層
または2層以上の積層体も使用できる。2層以上の積層
フィルムを使用する場合は、個々のフィルムの融点或い
は軟化点の温度差が50℃以下に選定することが好まし
い。
【0011】
【作用】本発明の軟質ポリウレタンフォーム熱成形体で
は、樹脂フィルムと軟質ポリウレタンフォームの熱特性
を合致させることが、熱成形性および形状保持性を両立
させるための重要な要素である。樹脂フィルムが、厚み
100μm以下、好ましくは50μm以下、融点或いは
軟化点が160〜300℃、引張り弾性率が、100k
g/mm2以上を有し、軟質ポリウレタンフォームが1
50℃で伸びが70%以上、好ましくは100%以上の
ものとを組み合わせた積層体によって、本願発明の目的
を達成することができる。
【0012】本願の軟質ポリウレタンフォームとして
は、更に、密度が0.01〜0.15g/cm3、好ま
しくは0.02〜0.1g/cm3であり、50%圧縮
応力としては、10〜300g/cm2、好ましくは2
0〜100g/cm2であることが好ましい。これらの
密度及び圧縮応力を前記の範囲に特定すると熱成形性が
より良くなるものである。また、ポリウレタンフォーム
の通気度が、10mm厚さで0.1〜100cc/cm
2/sec、好ましくは1〜30cc/cm2/secの
場合、吸音性が良好なため望ましい。次に本発明で使用
する軟質ポリウレタンフォーム及び樹脂フィルムの条件
設定の理由について述べる。 本願の軟質ポリウレタンフォームは、150℃におけ
る伸びが70%以上、好ましくは100%以上であり、
このフォームの好ましい熱成形温度は、160〜240
℃、特に180〜220℃が好ましい。その熱成形温度
で樹脂フィルムの融点或いは軟化点が160℃以下の場
合は、フィルムが溶融状態となり良好な熱成形体は得ら
れない。また熱成形温度をフィルムの融点或いは軟化点
以下の低温で熱成形を行えば成形性が十分でなく、たと
え成形出来ても長時間の成形を必要とし実用性に問題が
ある。更には、得られた熱成形体は、フィルムの剛性が
十分でなく形状保持性が劣る。
【0013】使用する樹脂フィルムの融点或いは軟化
点は160℃〜300℃である。ポリウレタンフォーム
の熱成形温度は160〜240℃であるので樹脂フィル
ムの融点或いは軟化点は160℃以上必要である。樹脂
フィルムの融点或いは軟化点が300℃を超える場合
は、熱成形温度を高く設定する必要があり、たとえ成形
できてもウレタンフォームが著しい熱劣化を受け、強度
低下や亀裂等が生じ良好な熱成形体が得られない。 樹脂フィルムの引張り弾性率が100kg/mm2
下の場合は、剛性に欠けており、充分な形状保持性が発
揮できない。 樹脂フィルムの厚みが100μmを超える場合は、熱
成形時のフィルム伸び性が低下し、形状再現性が悪化す
るので、良好な熱成形体を得る事は困難である。 樹脂フィルムを両面に積層したものは、薄いフィルム
を使用しても高い剛性の成形体が得られる特徴がある。 本発明では、軟質ポリウレタンフォームの熱特性とし
て、150℃での伸びに着目し、70%以上の場合に、
本発明の樹脂フィルムとの熱特性が合致し、熱成形性が
満足出来ることを見出した。特に150℃での伸びが1
00%以上の場合はより好ましい結果を得る。軟質ポリ
ウレタンフォームが150℃における伸びが70%以下
の場合は、フォームの熱特性が劣り伸びが低い。このた
め、変色、強度低下、亀裂等の諸問題が発生する。
【0014】本発明におけるウレタンフォームの伸び調
整は、ポリオールの平均官能基数、平均分子量およびポ
リイソシアネートの種類やイソシアナートインデック
ス、その他添加剤等によって変化するので、これらを本
願の熱特性を有するウレタンフォームに調製するもので
あり、従来のスラブストック法、シート状連続法、モー
ルド法等で製造される。つまり、高温時の軟質ポリウレ
タンフォームの伸びは、常温における伸びとはまったく
異なり、常温の伸びが高いものが高温でも伸びが高いと
は限らない。高温時の伸びを高める調製方法の一例を下
記に示す。
【0015】軟質ポリウレタンフォームの調製は、次の
様に行う。ポリオールの平均官能基数2〜6、平均水酸
基価20〜100を使用し、イソシアナートインデック
スが90〜120に設定することが望ましい。150℃
における伸びを向上させる手段としては、i)ポリオー
ルの平均官能基数が2.5〜3.5の好ましい範囲内で
高めに調製を行う方法、ii)ポリオールの平均水酸基価
が40〜60の好ましい範囲内で高めに調製を行う方
法、iii)ポリイソシアナートのインデックスが90〜
120の望ましい範囲内で高めに調製を行う方法等で耐
熱性を向上する方法が挙げられる。但し、これに限定さ
れるものではない。
【0016】本発明での樹脂フィルムと軟質ポリウレタ
ンフォーム積層体の製造方法は、i)フィルムと軟質ポ
リウレタンフォームを反応接着する方法、ii)フィルム
とウレタンフォーム間にフィルム状、繊維状、粉末状等
のホットメルト接着剤および粘着剤や接着材を介する
法、iii)フレームラミネーション法等の従来技術で行
うものである。ここで反応接着とはポリウレタン発泡原
液が樹脂フィルムと直接に接する状態で発泡反応を行う
ことで、ポリウレタンフォーム自体の接着力により樹脂
フィルムとが一体に接着したものをいう。これら積層体
から熱成形体を得る場合、フィルムが熱成形される時の
最適温度条件に合致した融点或いは軟化点を有する材料
を選定し使用する必要がある。本発明の熱成形体は、雄
型と雌型を使用し、従来の装置の加熱および加圧による
絞り成形によって得る。加熱手段としては、通常のヒー
ター、オイル、蒸気、マイクロ波等で行い、熱成形法と
しては、加圧直前にポリウレタンフォーム積層体を所定
温度に加熱しておき、常温または冷却したプレス機でプ
レスする冷間プレス成形法、加圧面が加熱可能な熱プレ
ス機を使用し、加熱と加圧を行う熱プレス成形法等で行
うものである。
【0017】本発明の軟質ポリウレタンフォームの熱成
形体における加熱温度および加圧時間は、フィルムの融
点或いは軟化点と軟質ポリウレタンフォームの熱特性に
よって任意可変するが、熱成形温度は、ウレタンフォー
ムの熱劣化を考慮すると、160〜240℃で5分以
内、好ましくは180〜220℃で3分以内で行うこと
が好ましく、本願の樹脂フィルムを使用することで達成
出来たものである。具体的には、PETフィルムを積層
した軟質ポリウレタンフォームから熱成形体を得る為の
熱成形温度は、次の様な関係があることを見出した。 好ましい熱成形温度℃=[PETの融点−(40〜70
℃)] 又、他の樹脂フィルムにおいては、フィルムの融点より
約10℃以上の低め設定、2層以上の積層フィルムを使
用する場合は、融点の低いフィルムの融点より約10℃
以上の低め設定で熱成形する事で良好な熱成形体が得ら
れるのである。以上によって、樹脂フィルムおよび軟質
ポリウレタンフォームの特性を満足する場合において、
熱成形性と形状保持性および耐久性に優れる軟質ポリウ
レタンフォームの熱成形体が得られるのである。
【0018】次に本発明における材料特性の測定方法に
ついて述べる。 フィルムの融点測定は、DSC(ディファレンシャル
スキャニング カロリーメーター)示差熱分析器にて
測定したものである。測定条件は、昇温速度10℃/分
で行った。 フィルムの軟化点測定は、JIS K 7206に準
じ、ピカット軟化点の測定を行った。測定条件は、昇温
速度50℃/時間で行った。 フィルムの引張り弾性率は、JIS K 7127に
準じ、オリエンテック社製のテンシロン万能試験機を用
い、引張り速度1mm/分で伸長し線形領域における単
位面積当りの荷重の測定を行った。 ポリウレタンフォームの高温下の伸び測定は、JAS
O M304に準じ、ダンベル1号打ち抜き品を150
℃の恒温槽内でテンシロン万能試験機を用い、引張り速
度200mm/分で測定を行った。 ポリウレタンフォームの密度は、JIS K 640
0に準じ測定を行った。
【0019】熱成形体の評価は、形状再現性、形状保
持性、耐熱性について評価を行った。これらの評価方法
は次のとおりである。 i)形状再現性;熱成形体を作製する為に使用した、雄
型または雌型の形状に対する再現性を評価。 ii)形状保持性;熱成形体の剛性を評価。 iii)耐熱性;熱成形体を100℃加熱オーブン中に2
4時間放置後の形状保持性およびフィルムとウレタンフ
ォームの剥離有無等を評価。
【0020】
【実施例及び比較例】以下、本発明を実施例及び比較例
により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。本実施例において、使用し
た軟質ポリウレタンフォームの組成を一例として示す
が、これに限定されるものではない。 プレポリマー 100部:ポリオール(f3、Mw4800、グリセリ ン:PO/EO付加物)/T−80のNCO;12.5% ポリオール 0.5部:低分子量 触 媒 0.5部:アミン触媒/スズ触媒の併用 発泡剤 2.5部:水 整泡剤 1.0部:シリコーン整泡剤 難燃剤 6.0部:リンハロゲン系有機難燃剤 着色剤 1.0部:カーボンブラック系着色剤 熱成形体の作製は、次の様に実施した。 フィルム上で発泡硬化し反応接着された厚さ20mm
のポリウレタンフォームのシート状積層体を作製した
後、寸法;100×150mmに裁断を行った。尚、得
られたウレタンフォームの特性は、密度0.035g/
cm3、150℃における伸びが130%であった。 図1に示す試験金型を使用して熱プレスによる絞り成
形を行い、得られた熱成形体をもとに熱成形性の評価を
行った。これらの結果を表1および表2に示す。
【0021】実施例1 上記の熱成形体の作製方法にしたがって、PETフィル
ム25μm上に前記の配合よりなるポリウレタンフォー
ムを発泡硬化させてフォーム片面にPETフィルム25
μmが積層された厚さ20mmの積層体を得た。次にこ
の積層体を図1に示す幅110mm、奥行き80mm、
深さ30mmの試験金型を使用し、金型の雄型の凸部に
PETフィルムが積層されるように熱成形を行い熱成形
体を製造した。得られた熱成形体の断面図を図2に示
す。この熱成形体は良好な熱成形性と形状保持性を有し
た。
【0022】実施例2 実施例2は、金型の雌型の凹部にPETフィルムが積層
されるようにして熱成形を成形した以外は、実施例1同
様に行ったところ、図3に示した熱成形体が得れた。こ
の熱成形体は良好な熱成形性と形状保持性を有する熱成
形体であった。 比較例1 比較例1は、PETフィルムが積層されない以外は実施
例1及び実施例2同様に熱成形体を作製した。得られた
熱性体の断面図を図4に示す。この熱成形体は、熱成形
性および形状再現性は良好であるもののフィルムが無い
ので剛性が不十分な為、形状保持性が満足するものでは
なかった。
【0023】実施例3、実施例4及び比較例2 実施例3は、PETフィルム50μm、実施例4は、P
ETフィルム100μm、比較例2は、PETフィルム
125μmを使用した以外は、実施例2と同様に熱成形
体を作製した。得られた熱成形体について見るに、フィ
ルム厚みを厚くすると剛性が増し形状保持性は、向上し
た。しかしながら、逆に形状再現性が劣る傾向にあり、
比較例2の様にPETフィルムが125μmと厚物の場
合には、熱成型時のフィルムの軟化が十分でなくなり、
また熱成形温度を220℃に高めて行ったところ、図5
のように凸部が丸くなり、良好な熱成形体は得られなか
った。これらの結果より、フィルム厚みは100μm以
下、好ましくは50μmを使用することで、熱成形性に
優れる熱成形体を得る事が出来る。
【0024】実施例5 実施例5は、PETフィルム25μmをフォーム両面に
積層した以外は、実施例3と同様に熱成形体を作製し
た。この結果は、図6に示すように良好な熱成形性と形
状保持性を有する熱成形体であった。特に形状保持性に
おいては、トータルフィルム厚みが実施例3と同等であ
るが、サンドイッチ構造をとることにより実施例3に比
べ優れていた。 実施例6 実施例6は、PETフィルム25μmの表面にアルミ蒸
着したフィルムを使用した以外は、実施例5同様に熱成
形体を作製したところ、良好な熱成形性と形状保持性を
有する熱成形体を得った。得られた熱成形体は、フィル
ム面が外部に曝される場合、熱や光に対するバリヤー性
が高まり、耐久性が向上する。
【0025】実施例7 実施例7は、ナイロンフィルム15μmを使用し、熱成
形温度180℃に変更した以外は、実施例2と同様に熱
成形体を作製したものであるが、良好な熱成形性と形状
保持性を有する熱成形体であった。 比較例3 比較例3は、ポリエチレンフィルム(PE)25μmを
使用し、フィルムが溶融することのない熱成形温度10
0℃×10分間と長時間の熱成形を行った以外は、実施
例2と同様に熱成形体を実施したものであるが、フォー
ムの成形性即ち、形状再現性が全く得られず満足する熱
成形体は得られなかった。以上の結果を表1及び表2に
纏めた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による効果を
挙げるると、次のとおりである。 1.本願発明は樹脂フィルムが軟質ポリウレタンフォー
ムに積層された構成であり、フィルムの熱特性とウレタ
ンフォームの熱特性が合致しているため、立体的に絞り
成形された熱成形体を得ることが出来、熱成形時間が短
縮できる。更に熱成形体は、剛性が高く形状保持性に優
れている。 2.軟質ポリウレタンフォームは、非常に柔らかいもの
を使用しても、フィルムを積層する事で熱成形体の剛性
があり、形状保持性が向上する。 3.樹脂フィルムが融点或いは軟化点が160℃以上の
ため、100℃を越える高温下でも形状保持性に優れ
る。 4.軟質ポリウレタンフォームの両面に樹脂フィルムを
積層する事で、更に剛性が高まり形状保持性が高まる。 5.軟質ポリウレタンフォームが樹脂フィルムで保護さ
れており、耐水性・耐油性・耐熱性等の耐久性が向上す
る。 6.樹脂フィルムと軟質ポリウレタンフォームは、反応
接着により一体に積層しているので、特に高温下でも両
者は剥離がし難く、耐久性が向上する。 7.樹脂フィルムと軟質ポリウレタンフォームが接着剤
等を介することなく、反応接着で一体に積層されている
ので、フィルム積層型吸音材としては、フィルム積層に
よる吸音性の低下が少ない。 8.樹脂フィルムは、剛性の高いものを使用するので、
フィルム厚みを薄くする事が可能となり、フィルム積層
型吸音材においては吸音性を十分に発揮出来ると同時
に、低周波数域での吸音性も向上する。などの特徴を有
するので、自動車・建設機械・船舶・電車・航空機など
の防音材及び車載・家電等のエアコンなどの断熱材とし
て有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する熱成形用の金型の斜視図
【図2】実施例1の熱成形体の断面図
【図3】実施例2の熱成形体の断面図
【図4】比較例1の熱成形体の断面図
【図5】比較例2の熱成形体の断面図
【図6】実施例5の熱成形体の断面図
【符号の説明】
1 上型(雄型) 2 下型(雌型) a 樹脂フィルム b 軟質ポリウレタンフォーム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 150℃における伸びが70%以上であ
    る軟質ポリウレタンフォームの少なくとも片面に樹脂フ
    ィルムが一体に積層された熱成形体であって、前記樹脂
    フィルムが、厚み100μm以下、融点或いは軟化点が
    160〜300℃、引張り弾性率が、100kg/mm
    2以上であることを特徴とする形状保持性に優れる立体
    的に絞り成形された軟質ポリウレタンフォーム熱成形
    体。
  2. 【請求項2】 樹脂フィルムと軟質ポリウレタンフォー
    ムが一体に反応接着した積層体である請求項1記載の軟
    質ポリウレタンフォーム熱成形体。
  3. 【請求項3】 樹脂フィルムが軟質ポリウレタンフォー
    ムの両面に積層された積層体である請求項1〜2記載の
    軟質ポリウレタンフォーム熱成形体。
  4. 【請求項4】 防音材、断熱材として使用される請求項
    1〜3記載の軟質ポリウレタンフォーム熱成形体。
JP11725298A 1998-04-27 1998-04-27 形状保持性に優れた立体的に成形された軟質ポリウレタンフォーム熱成形体 Pending JPH11309798A (ja)

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