JP2023098856A - 粉末化粧料 - Google Patents

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JP2023098856A
JP2023098856A JP2022209373A JP2022209373A JP2023098856A JP 2023098856 A JP2023098856 A JP 2023098856A JP 2022209373 A JP2022209373 A JP 2022209373A JP 2022209373 A JP2022209373 A JP 2022209373A JP 2023098856 A JP2023098856 A JP 2023098856A
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孝行 木村
Takayuki Kimura
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Abstract

【解決課題】耐擦れ性、耐汗性、耐皮脂性に優れ、高い分散性および塗布時の伸び広がりを有する粉末化粧料を提供すること。【解決手段】次の成分(A)~(D):(A)油溶性ポリウレタン(B)フェニル変性シリコーン(C)エステルワックス(D)ナイロン粉末を含有することを特徴とする粉末化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末化粧料に関する。
アイシャドウやパウダーファンデーションに代表される粉末化粧料は、粉体を主成分とし、適宜顔料や油剤等を混合した化粧料であり、使用方法が簡便かつ携帯性に優れるため、消費者に広く支持されている。一方で、粉末化粧料に配合される粉体は、無機化合物と有機化合物から構成されており、性質として汗にも皮脂にも馴染みやすい傾向がある。そのため、汗や皮脂の分泌により、粉体が濡れることで、化粧膜の明度が下がり、本来の色調が損なわれてしまう、色くすみ等が課題としてあった。
汗や皮脂による化粧崩れを防ぐ方法として、粉末化粧料にポリウレタンとハイドロキシアパタイトを配合する方法(例えば、特許文献1)や粉末固形化粧料に粉末成分と、結合剤としての油性成分と、フッ素化合物を配合することで、撥水性、撥油性を向上させ、ヨレやテカリに対する化粧もちを向上させる技術(例えば、特許文献2)等が知られている。
特開2018-123087号公報 特開2010-229105号公報
しかしながら、特許文献1においては、汗や皮脂による化粧崩れは起きにくいものの、伸びの良さから、マスクや衣服等による物理的刺激に起因する化粧崩れが発生する場合があった。また、特許文献2においては、フッ素化合物が非フッ素化合物との親和性が低いことから、顔料分散性や油剤分散性に劣る場合があった。
したがって、本発明は、耐擦れ性、耐汗・皮脂性、顔料分散性、油剤分散性に優れ、塗布時のなめらかな伸び広がりに優れる粉末化粧料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、油溶性ポリウレタンとフェニル変性シリコーン油、エステルワックスおよびナイロン粉末を組み合わせた粉末化粧料を製造することにより、こすれや汗・皮脂などの外的因子により化粧崩れしにくくなるとともに、顔料や油剤の分散性に優れ、塗布時のなめらかな伸び広がりに優れたものになることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1]
次の成分(A)~(D):
(A)油溶性ポリウレタン
(B)フェニル変性シリコーン
(C)エステルワックス
(D)ナイロン粉末
を含有する粉末化粧料である。
[2]
前記成分(A)が、(a1)疎水部及び(a2)親水部を有するポリウレタンであって(a1)疎水部が、イソシアネート化合物に由来する構造単位を含み、(a2)親水部が、低分子ジオールに由来する構造単位を含む[1]に記載の粉末化粧料である。
[3]
前記イソシアネート化合物が、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートである[2]に記載の粉末化粧料である。
[4]
前記イソシアネート化合物が、さらに水添ポリオレフィンポリオールに由来する構造単位を含む[2]または[3]に記載の粉末化粧料である。
[5]
前記低分子ジオールが、エチレングリコールまたは1,4-ブチレングリコールである[2]または[3]に記載の粉末化粧料である。
[6]
前記成分(A)の含有量が、0.3~3質量%である[1]または[2]に記載の粉末化粧料である。
[7]
前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が0.2~2.0である[1]または[2]に記載の粉末化粧料である。
[8]
前記成分(C)の含有量が0.05~0.5質量%である[1]または[2]に記載の粉末化粧料である。
[9]
前記成分(D)の含有量が1~5質量%である[1]または[2]に記載の粉末化粧料である。
[10]
前記成分(D)が球状である[1]または[2]に記載の粉末化粧料である。
本発明の粉末化粧料は、パウダリーでなめらかな伸び広がりを示し、良好な使用感を損なうことなく、汗や皮脂による化粧崩れを抑制し、擦れによる化粧崩れも抑制することができ、顔料や油剤の分散性に優れたものとなる。
本明細書において「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。また「~」を用いて数値範囲を表す場合、その範囲は両端の数値を含むものとする。
本発明で用いる成分(A)油溶性ポリウレタンは、油溶性のポリウレタンである。本発明における油溶性とは、80℃にて2-エチルヘキサン酸セチルに少なくとも1質量%以上溶解できるものである。本発明の成分(A)油溶性ポリウレタンは、油溶性のポリウレタンであれば、特に制限されないが、30℃にて2-エチルヘキサン酸セチルに少なくとも1%以上溶解できるものが好適である。
成分(A)油溶性ポリウレタンの構造は特に制限されるものではないが、耐擦れ性、耐汗・皮脂性、顔料分散性、油剤分散性等の観点から(a1)疎水部と(a2)親水部を有するものが好ましい。
(a1)疎水部には、イソシアネート化合物に由来する構造単位を含むものが好ましい。イソシアネート化合物としては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、等を挙げることができるが、これらのうち、1,6-ヘキサメチレンジアソシアネートが好ましい。
また(a1)疎水部には、油剤分散性、顔料分散性等の観点から、さらに水添ポリオレフィンポリオールに由来する構造単位を含むものが好ましい。水添ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水添ポリブタジエンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール等が挙げられ、中でも水添ポリブタジエンジオールが好ましい。
(a1)疎水部として、油剤分散性、顔料分散性、等の観点から、さらにダイマージオールに由来する構造単位を含むことが好ましい。ダイマージオールとしては、例えば、ダイマージリノレイルアルコール、ダイマージオレイルアルコール等が挙げられ、ダイマージリノレイルアルコールが好ましく、特に水添ダイマージリノレイルアルコールが好ましい。
(a2)親水部として、油剤分散性、顔料分散性、等の観点から、低分子ジオールに由来する構造単位を含むものが好ましい。低分子ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ジエチレングルコール、等が挙げられ、エチレングリコール、1,4-ブチレングリコールが好ましい。
成分(A)油溶性ポリウレタンの好適な態様として、以下の(I)及び(II)が挙げられる。なお、本明細書において「末端」とは「両末端」を意味する。
(I)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン
(II)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン
(a)は、末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンであれば、特に限定されない。例えば、下記一般式(1)で示される化合物が示される。
Figure 2023098856000001
(式中、R、Rは各々独立してC1~C6アルキレン基、nは10~100の整数、n、nは各々独立して0又は1を表す)
、Rは、各々独立して同一又は異なって、C1~C6アルキレン基を表し、当該アルキレンは直鎖であっても分岐鎖であってもよい。当該C1~C6アルキレン基として、例えば、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン等が挙げられる。Rのアルキレン基は、好ましくはC1~C2アルキレン基である。Rのアルキレン基は、好ましくはC5~C6アルキレン基である。当該アルキレン基は、好ましくは直鎖である。
nは、10~100の整数を表し、さらにnのより好ましい範囲は15~55である。
、nは、各々独立して同一若しくは異なって、0又は1を表す。
一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(下記一般式(2)における繰り返し単位「C」の構造は、例えば、下記一般式(3a)~(3d)に示すように、様々な種類が存在する。
Figure 2023098856000002
Figure 2023098856000003
末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおける水添ポリブタジエン部分は、上で例示したような繰り返し単位の1種のみからなるものであってもよい、又は、2種以上の繰り返し単位を規則的若しくはランダムに含むものであってもよい。
一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(上記一般式(2))を構成する繰り返し単位「C」の立体構造が同一であっても異なっていてもよく、水添ポリブタジエン部分が一般式(2)で表される構造はすべて本発明に包含される。
一般式(1)で表される末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンとして、例えば、下記一般式(4)で表される化合物が例示される。
Figure 2023098856000004
(ここで、当該式(4)中、nは10~100の整数を表す)
一般式(4)の化合物は、一般式(1)の末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおいて、Rがエチレン基、Rがヘキサメチレン基、n=n=1である場合に相当する。
(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールの例として、例えば、エチレングリコール(HOCHCHOH)、プロピレングリコール(HOCHCH(OH)CH)、1,3-ブチレングリコール(HOCHCHCH(OH)CH)、1,4-ブチレングリコール(HOCHCHCHCHOH)及びジエチレングリコール(HOCHCHOCHCHOH、下記一般式(5))等が挙げられる。
Figure 2023098856000005
(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンは、特に限定されないが、例えば、下記一般式(6)で示される化合物が例示される。
Figure 2023098856000006
(式中、nは10~100の整数を表す)
一般式(6)において、水添ポリブタジエン部分(一般式(2))は、上記と同じ意味を有する。
(d)ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4-トルエンジイソシアネート及び2,6-トルエンジイソシアネート等を挙げることができる。これらのうち、下記一般式(7)で示される1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
Figure 2023098856000007
(i):(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R-OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを重付加してポリウレタンを製造する場合、モル比(a):(b)=1:4~4:1で行うことが好ましく、モル比(a):(b)=2:3~3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5~4:3、よりさらに好ましくは9:10~10:9である。この場合、(a)の重量平均分子量(Mw)は1000~3000であることが好ましい。
(ii):(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R-OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によってポリウレタンを製造する場合、モル比(c):(b)=1:4~4:1で行うことが好ましく、モル比(c):(b)=2:3~3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5~4:3、よりさらに好ましくは9:10~10:9である。
また、前記(i)又は(ii)で得られるポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、10000~150000、より好ましくは15000~130000、さらに好ましくは20000~110000である。
(i)又は(ii)のポリウレタンは、分子内の親水部同士で会合することで複数のリング状のクラスター(房)を形成すると共に、分子内の疎水部で後述する成分(B)の液状油に接触することで、親水基会合性増粘機構を有しており、当該機構に基づき三次元立体構造体を微細に取ることで透明ゲル化され、また分子内の疎水性部が低結晶性の炭化水素であるため柔軟性と油溶性を付与し、分子内の親水部の極性基が相互作用することでゲル化力・復元力を付与しているものと推測される。
成分(A)の市販品としては、Oilkemia 5S polymer(純分30%)(rubrizol社、INCI名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ポリウレタン-79)、Oilkemia 5S CC polymer(純分30%)(rubrizol社、INCI名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、水添ポリオレフィン(C6-20)、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー)等が例示できる。
本発明の粉末化粧料における成分(A)の含有量は特に制限されるものではないが、
0.3%以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。また、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。また、0.3~5%が好ましく、0.5~3%がより好ましい。この範囲であれば、耐擦れ性、油剤分散性、顔料分散性、等により優れるため、より好ましい。
本発明で用いる成分(B)フェニル変性シリコーンは、ポリシロキサンの一部にフェニル基を有するものである。成分(B)は、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されずに用いることができる。具体的には、フェニルメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン等が挙げられ、市販品としてはKF-50-100cs/1000cs、KF-53、KF-54、KF-56A、KF-54HV、(以上、信越化学工業社製)、SH-556 Fluid、PH-1555 HRI Cosmeti Fluid、FZ-3156(以上東レ・ダウコ-ニング社製)、PD M20、PDM100(以上、旭化成ワッカーシリコーン社製)等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の粉末化粧料における成分(B)の含有量は特に制限されるものではないが、1%以上が好ましく、3%以上がより好ましい。また、10%以下が好ましく、7%以下がより好ましい。また、1~10%が好ましく、3~7%がより好ましい。この範囲であれば、耐擦れ性、耐汗・皮脂性、油剤分散性、顔料分散性、等により優れるため、より好ましい。
本発明で用いる成分(B)に対する成分(A)の含有質量割合(A)/(B)は特に限定されないが0.2~2.0が好ましい。この範囲であれば耐擦れ性等の点でより優れるため、より好ましい。
本発明で用いる成分(C)エステルワックスは少なくとも1つのエステル官能基を有するワックスである。通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、水添ホホバ油、水添パーム油、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、ライスワックス、ヒマワリワックス、モクロウ、ゲイロウ、ジロウ、モンタンワックス、ミツロウ等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、耐擦れ性、耐汗性の観点から、水添ホホバ油、水添パーム油、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、ライスワックス、ヒマワリワックス、モクロウ、ミツロウ、シリコーンワックスから選ばれる1種または2種以上が好ましい。市販品としては、NC-1630キャンデリラワックス(セラリカ野田社製)、精製キャンデリラワックスSR-3、高融点キャンデリラワックスFR100、精製キャンデリラワックスMD-21、精製カルナウバワックス1号(日本ナチュラルプロダクツ社製)、WHITE BEES WAX(三木化学社製)、BEES WAX S(クローダ社製)等が挙げられる。これらを1種または2種以上含有することができる。
本発明の粉末化粧料における成分(C)の含有量は特に制限されるものではないが、0.05%以上が好ましく、0,1%以上がより好ましい。また、0.5%以下が好ましく、0.3%以下がより好ましい。また、0.05~0.5%が好ましく、0.1~0.3%がより好ましい。この範囲であれば耐擦れ性、耐汗・皮脂性、油剤分散性、顔料分散性、肌への付着性等により優れるため、より好ましい。
本発明で用いる成分(D)ナイロン粉末としては、通常化粧料に使用されるものであれば 特に限定されず用いることができるが、塗布時のなめらかな伸び広がりの点では、真球状のほか、楕円状や球状表面の一部又は全体に凹凸を有する略球状球で平均粒子径1~30μmのものが好ましい。平均粒子径とは、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。成分(D)は、化粧品の成分表示名称で表すと、ナイロン-12、ナイロン-6などが挙げられ、市販品としては、例えば、SP-500、SP-10(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等が挙げられる。
本発明の粉末化粧料における成分(D)の含有量は特に制限されるものではないが、1%以上が好ましく、2%以上がより好ましい。また、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましい。また、1%~5%が好ましく、2%~4%がより好ましい。この範囲であれば耐擦れ性、耐汗・皮脂性、油剤分散性、顔料分散性等により優れるため、より好ましい。
本発明の粉末化粧料には、上記の成分(A)~(D)の他に、必要に応じ、通常化粧料に使用される任意成分を用いることができる。このような任意成分として、例えば、粉体、油性成分、油ゲル化剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、褪色防止剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
粉体としては、化粧料に通常使用される粉体であれば、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂等のコポリマー樹脂、ステアリン酸亜鉛、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末、デキストリン粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等や、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、ポリエステル、レーヨン、セルロース等の維等が挙げられる。これらはフッ素化合物、シリコ-ン油、粉体、油剤、ゲル化剤、エマルションポリマー、界面活性剤等で表面処理されていてもよい。これらを1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。
油性成分としては、化粧料に通常使用される油性成分であれば、いずれのものも使用でき、具体的に例示すれば、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、アブラナ種子油、アボカド油、アルモンド油、アンズ核油、エゴマ油、オレンジ油、オリーブ油、キウイ種子油、ゴマ油、小麦胚芽油、米胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、セージ油、大豆油、チャ種子油、トウモロコシ油、ナタネ油、月見草油、ツバキ油、パーシック油、ハトムギ油、ピーナッツ油、ひまわり油、ブドウ種子油、メドウフォーム油、ローズマリー油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ラベンダー油、ローズヒップ油、ミンク油、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル(デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10)、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリトリット、炭酸ジアルキル、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、オレイルアルコール、2-オクチルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラトリフロロプロピルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルペンタトリフロロプロピルシクロペンタシロキサン、ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘ キシルなどが挙げられる。
油ゲル化剤としては、化粧料に通常使用される油ゲル化剤であれば、いずれのものも使用でき、具体的に例示すれば、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、水添マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、ミリ スチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2-エチルヘキサン 酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン 、オレイン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリンなどが挙げられる。
界面活性剤としては、化粧料に通常使用される界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系等、例えば、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2-ペンタジオール等が挙げられる。
本発明において粉末化粧料とは、主成分を粉体とするものであり、乾式成型方法、湿式
成型方法等で固形に圧縮成形する固形粉末化粧料と、圧縮成形を行わないルースパウダー
のような非固形粉末化粧料がある。特に限定はされないが、耐擦れ性、耐皮脂性、塗布時のなめらかな伸び広がりの観点から、固形粉末化粧料が好ましい。
本発明の粉末化粧料は、通常公知の方法で製造することができる。特に限定されず、例
えば以下のような方法を挙げることができる。
圧縮成形の方法としては、成分(A)、(B)、(C)、(D)及びその他の任意成分を均一分散した化粧料基剤を、金皿や樹脂皿等の容器に充填し、圧縮成型する乾式成形法。
成分(A)、(B)、(C)、(D)及びその他の任意成分を均一分散した化粧料基剤を、水、エタノール、揮発性油や、非揮発性油等の溶媒と混合し、これを充填成型した後、溶媒の一部または全てを除去して成型する湿式成型法。
本発明の固形粉末化粧料では、特に限定はされないが、耐擦れ性、耐皮脂性、塗布時のなめらかな伸び広がりの観点から、乾式成形方法による圧縮成形による製造方法が好ましい。
本発明の粉末化粧料は、特に限定されないが、アイブロウ、ファンデーション、白粉、アイカラー、チークカラー等のメークアップ化粧料、ボディパウダー、美白パウダー等の基礎化粧料に適用可能である。これらの中でも、本発明の効果が顕著に発揮される点から、メークアップ化粧料に好適に用いられ、さらに好ましくはアイブロウに好適に用いられる。その使用方法としては、直接化粧料を塗布してもよく、指やパフ、スポンジチップ、筆等の小道具を用いて塗布することもできる。
また、本発明は、以下の構成を採用することも可能である。
<1>
次の成分(A)~(D):
(A)油溶性ポリウレタン
(B)フェニル変性シリコーン
(C)エステルワックス
(D)ナイロン粉末
を含有する粉末化粧料である。
<2>
前記成分(A)が、(a1)疎水部及び(a2)親水部を有するポリウレタンであって(a1)疎水部が、イソシアネート化合物に由来する構造単位を含み、(a2)親水部が、低分子ジオールに由来する構造単位を含む<1>に記載の粉末化粧料である。
<3>
前記イソシアネート化合物が、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートである<2>に記載の粉末化粧料である。
<4>
前記イソシアネート化合物が、さらに水添ポリオレフィンポリオールに由来する構造単位を含む<2>または<3>に記載の粉末化粧料である。
<5>
前記低分子ジオールが、エチレングリコールまたは1,4-ブチレングリコールである<2>~<4>に記載の粉末化粧料である。
<6>
前記成分(A)の含有量が、0.3~3質量%である<1>~<5>に記載の粉末化粧料である。
<7>
前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が0.2~2.0である<1>~<6>に記載の粉末化粧料である。
<8>
前記成分(C)の含有量が0.05~0.5質量%である<1>~<7>に記載の粉末化粧料である。
<9>
前記成分(D)の含有量が1~5質量%である<1>~<8>に記載の粉末化粧料である。
<10>
前記成分(D)が球状である粉末化粧料<1>~<9>に記載のである。
以下、本発明を実施例等により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等に何ら限定されるものではない。
製造例1
ポリウレタンゲルの製造:
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で10時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、5Nであった。
(実施例1~14、比較例1~13):粉末化粧料
下記表1~3に示す処方により、以下の製法にしたがって粉末化粧料を調製した。得られた粉末化粧料について、以下の評価方法により、耐擦れ性、耐汗性、耐皮脂性、顔料分散性、油剤分散性、塗布時のなめらかな伸び広がりの各評価項目を評価した。結果を表1~3に併せて示す。
Figure 2023098856000008
※1 Oilkemia 5S CC polymer(rubrizol社製)
※2 D-400(根上工業社製)
※3 アデカノールGT-700(ADEKA社製)
※4 レオパールKL2(千葉製粉社製)
※5 KF-56(信越化学工業社製)
※6 KF-54(信越化学工業社製)
※7 KF-96A(6CS)(信越化学工業社製)
※8 LIPONATE TDTM(LIPO CHEMICAL社製)
※9 WHITE BEES WAX(三木化学社製)
※10 精製キャンデリラワックスSR-3(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※11 LIPWAX A-4(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※12 EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※13 エルデュウPS-306(味の素社製)
※14 PLANDOOL-S(日本精化社製)
※15 オルガソール2002D(アルケマ社製)
※16 KSP-102(信越化学工業社製)
Figure 2023098856000009
Figure 2023098856000010
(製法)
A.成分(1)~(14)を70℃で均一に混合する。
B.Aに成分(15)~(26)を混合し、アトマイザー(LM-05/ダルトン社)にて解砕処理する。
C. 1cm×2cmの金皿容器に2g充填し表面に厚さ0.02mmのセルロース紙1枚を重ねた上から押し型を用いて、80kgf/cmの力でプレスを1回し、粉末化粧料を得た。
(評価項目)
イ.耐擦れ性
(評価方法)
人工皮革(7cm×7cm)に10mgの粉末化粧料を2cm×2cmの範囲に塗布した後、上から人工皮革を重ね、0.1kgf/cmの圧力をかけながら、50回擦る動作を加え、動きを加えた後の塗布膜の状態を化粧品評価専門パネル10名が以下の評価基準に従って5段階評価し評点を付し、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
(評点):(評価)
5 :非常に良い
4 :良い
3 :普通
2 :悪い
1 :非常に悪い
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :4.5点を超える
○ :3.5点を超え、4.5点以下
△ :2.5点を超え、3.5点以下
× :2.5点以下
(評価項目)
ロ.耐汗性
ハ.耐皮脂性
(評価方法)
ロ.耐汗性は、人工皮革に表1~3の粉末化粧料2mg/cmを均一に塗布し、流水中に20分置いた後の塗膜保持性を化粧品評価専門パネル10名が以下の評価基準に従って5段階評価し評点を付し、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。ハ.耐皮脂性は、人工皮革に試料2mg/cmを均一に塗布し、流動パラフィン中に20分置いた後の塗膜保持性を化粧品評価専門パネル10名が以下の評価基準に従って5段階評価し評点を付し、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
(評点):(評価)
5 :非常に良い
4 :良い
3 :普通
2 :悪い
1 :非常に悪い
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :4.5点を超える
○ :3.5点を超え、4.5点以下
△ :2.5点を超え、3.5点以下
× :2.5点以下
(評価項目)
ニ.顔料分散性
各試料を肌に塗布した際、顔料凝集が起きているかどうかについて目視にて観察し、化粧品評価専門パネル10名が以下の評価基準に従って5段階評価し評点を付し、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
(評点):(評価)
5 :顔料凝集がない
4 :ほとんど顔料凝集がない
3 :わずかに顔料凝集がある
2 :顔料凝集がある
1 :顔料凝集が非常にある
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :4.5点を超える
○ :3.5点を超え、4.5点以下
△ :2.5点を超え、3.5点以下
× :2.5点以下
(評価項目)
ホ.油剤分散性
連続使用により試料表面の固化が発生しないかどうかを、各試料を100回ずつ塗布具にて使用し、化粧品評価専門パネル10名が以下の評価基準に従って5段階評価し評点を付し、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
(評点):(評価)
5 :固化が発生しなかった
4 :固化がほとんど発生しなかった
3 :固化がわずかに発生した
2 :固化が発生した
1 :固化がかなり発生した
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :4.5点を超える
○ :3.5点を超え、4.5点以下
△ :2.5点を超え、3.5点以下
× :2.5点以下
(評価項目)
ヘ.塗布時のなめらかな伸び広がり
(評価方法)
化粧料評価専門パネル10名による使用テストを行った。パネル各人が下記評価基準にて「塗布時のなめらかな伸び広がり」について、化粧料の塗布時において5段階に評価し評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定をした。
(評価基準)
(評点):(評価)
5 :非常に良い
4 :良い
3 :普通
2 :悪い
1 :非常に悪い
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :4.5点を超える
○ :3.5点を超え、4.5点以下
△ :2.5点を超え、3.5点以下
× :2.5点以下
表1~3より、実施例1~14の粉末化粧料は耐擦れ性、耐汗性、耐皮脂性、顔料分散性、油剤分散性、塗布時のなめらかな伸び広がりに優れたものであった。
一方、成分(A)を含有しない比較例1、成分(A)が油溶性でなく不溶性の粉末状である比較例2では、耐擦れ性に劣り、耐汗性や耐皮脂性も満足いくものが得られなかった。成分(A)の代わりに水溶性のポリウレタンを用いた比較例3では、耐擦れ性、耐汗性、耐皮脂性、顔料分散性、油剤分散性、塗布時のなめらかな伸び広がりすべてにおいて満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)の代わりに油性ゲル化剤であるパルミチン酸デキストリンを用いた比較例4では、耐擦れ性、耐皮脂性において満足のいくものが得られなかった。成分(B)を含有しない比較例5では、耐擦れ性に劣り、耐汗性や油剤分散性において満足のいくものが得られなかった。成分(B)の代わりにフェニル基を持たないジメチコンを用いた比較例6、フェニル基を有するがシリコーンではないトリメリット酸トリトリデシルを用いた比較例7では、耐擦れ性や塗布時のなめらかな伸び広がりにおいて満足のいくものが得られなかった。成分(C)を含有しない比較例8では、耐擦れ性において満足のいくものが得られなかった。成分(C)の代わりに炭化水素系ワックスであるポリエチレン、(エチレン/プロピレン)コポリマーを用いた比較例9、10では、耐擦れ性、塗布時のなめらかな伸び広がりにおいて満足のいくものが得られなかった。成分(C)の代わりに液状またはペースト状のエステル油であるラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)を用いた比較例11、12では、耐擦れ性、塗布時のなめらかな伸び広がりにおいて満足のいくものが得られなかった。成分(D)を含有しない比較例13では、油剤分散性、塗布時のなめらかな伸び広がりにおいて満足のいくものが得られなかった。成分(D)の代わりに(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーを用いた比較例14では、耐汗性、耐皮脂性、顔料分散性、油剤分散性において満足のいくものが得られなかった。
実施例15: アイシャドウ
下記の処方および製法により固形粉末アイシャドウを製造した。
(成分) (%)
1.硫酸バリウム 3.0
2.パラオキシ安息香酸メチル 2.0
3.カオリン 5.0
4.オキシ塩化ビスマス 1.0
5.麻セルロース 0.5
6.黄酸化鉄 1.0
7.黒酸化鉄 4.5
8.赤酸化鉄 1.0
9.カルミン 1.0
10.タルク 残量
11.マイカ 10.0
12.アミノ変性シリコーン1%処理マイカ 10.0
13.酸化チタン被覆合成金雲母(平均粒子径:40μm) 5.0
14.酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:120μm) 10.0
15.ナイロン粉末 4.0
16.ジフェニルシロキシフェニルジメチコン 5.0
17.カルナウバロウ 0.5
18.油溶性ポリウレタン※1 5.0
(製造方法)
A.1~15を均一に混合する。
B.16~18を70℃に加温し均一に混合する。
C.AにBを加え化粧料基材とし、化粧料基材100質量部に対し、イソプロパノール10質量部を添加して混合混錬する。
D.Cを70℃にて10時間乾燥し、イソプロパノールを除去する。
E.Dをアトマイザー(LM-05/ダルトン社)にて解砕処理する。
F. 1cm×2cmの金皿容器に2g充填し表面に厚さ0.02mmのセルロース紙1枚を重ねた上から押し型を用いて、80kgf/cmの力でプレスを1回し、アイシャドウを得た。
以上のようにして得られたアイシャドウは、耐擦れ性、耐汗性、耐皮脂性、顔料分散性、油剤分散性、塗布時のなめらかな伸び広がりのすべての点で満足のいくものであった。
実施例16:ファンデーション
下記の処方および製法によりファンデーションを製造した。
(成分) (%)
1.ステアロイルグルタミン酸2Na3%処理黄色酸化鉄 2.0
2.ステアロイルグルタミン酸2Na3%処理赤色酸化鉄 0.8
3.酸化チタン被覆ガラス末(平均粒子径:120μm) 3.0
4.ラウロイルリシン 2.0
5.アミノ変性シリコーン1%処理合成金雲母 3.0
6.ラウリン酸亜鉛2%処理タルク 残量
7.酸化チタン被覆合成金雲母(平均粒子径:45μm) 3.0
8.球状シリカ 2.0
9.球状(HDI/PPG/ポリカプロラクタン)クロスポリマー 3.0
10.ジラウロイルグルタミン酸リシンNa2%処理酸化チタン 1.0
11.ナイロン粉末 2.0
12.酸化亜鉛 2.0
13.パラメトキシケイヒ酸エチルヘキシル 6.0
14.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 3.0
15.トリプロピレングリコール 0.5
16.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 8.0
17.スクワラン 8.0
18.メドウフォーム油 5.0
19.ミツロウ 0.2
20.油溶性ポリウレタン※1 2.0
21.水添ポリブテン 2.0
22.ジフェニルジメチコン 1.0
23.パルミチン酸デキストリン 1.0
24.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.2
25.リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
26.ヒアルロン酸Na 0.1
27.トコフェロール 0.1
28.1,3-ブチレングリコール 0.5
29.グリセリン 1.0
30.精製水 1.0
(製造方法)
A.1~12を均一に混合する。
B.13~25を70℃に加温し均一に混合する。
C.26~30を均一に混合する。
D.25℃でAにBとCを添加し万能攪拌機で均一に混合する。
E.Dをスクリューフィーダー付充填機を用いて容器に充填後に花形のレリーフ付きプレス成型し、ファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、耐擦れ性、耐汗性、耐皮脂性、顔料分散性、油剤分散性、塗布時のなめらかな伸び広がりのすべての点で満足のいくものであった。

Claims (10)

  1. 次の成分(A)~(D):
    (A)油溶性ポリウレタン
    (B)フェニル変性シリコーン
    (C)エステルワックス
    (D)ナイロン粉末
    を含有する粉末化粧料。
  2. 前記成分(A)が、(a1)疎水部及び(a2)親水部を有するポリウレタンであって(a1)疎水部が、イソシアネート化合物に由来する構造単位を含み、(a2)親水部が、低分子ジオールに由来する構造単位を含むものである請求項1に記載の粉末化粧料。
  3. 前記イソシアネート化合物が、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートである請求項2に記載の粉末化粧料。
  4. 前記イソシアネート化合物が、さらに水添ポリオレフィンポリオールに由来する構造単位を含むものである請求項2または3に記載の粉末化粧料。
  5. 前記低分子ジオールが、エチレングリコールまたは1,4-ブチレングリコールである請求項2または3に記載の粉末化粧料。
  6. 前記成分(A)の含有量が、0.3~3質量%である請求項1または2のいずれかに記載の粉末化粧料。
  7. 前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が0.2~2.0である請求項1または2のいずれかに記載の粉末化粧料。
  8. 前記成分(C)の含有量が0.05~0.5質量%である請求項1または2のいずれかに記載の粉末化粧料。
  9. 前記成分(D)の含有量が1~5質量%である請求項1または2のいずれかに記載の粉末化粧料。
  10. 前記成分(D)が球状である請求項1または2のいずれかに記載の粉末化粧料。
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