JP2023097507A - カーボンヒータ - Google Patents

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Takuzo Imai
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Abstract

Figure 2023097507000001
【課題】発熱部の端部の変形を抑制することができるカーボンヒータを提供することである。
【解決手段】実施形態に係るカーボンヒータは、筒状部と;前記筒状部の両側の端部のそれぞれに設けられた封止部と;それぞれの前記封止部の内部に設けられた導電部と;前記筒状部の内部に設けられ、炭素を含み、コイル部と、前記コイル部の両側の端部のそれぞれに設けられたリード部と、を有する発熱部と;前記筒状部の内部に設けられ、前記リード部に接続された接続部と;前記導電部と、前記接続部と、に接続されたインナーリードと;を具備している。前記コイル部は、前記リード部が設けられ、螺旋状に巻かれた第1の部分と、前記第1の部分が設けられ、螺旋状に巻かれた第2の部分と、を有している。前記筒状部の管軸と、前記第1の部分の外面との間の長さは、前記管軸と、前記第2の部分の外面との間の長さよりも短い。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、カーボンヒータに関する。
輻射熱により対象物を加熱するヒータがある。この様なヒータにおいて、発熱部の材料が変われば、放射される光のスペクトルが変化する。例えば、炭素を含む発熱部を備えたカーボンヒータの場合には、2μmから4μmの波長範囲において、放射される光のエネルギーにピークが生じる。水の吸収スペクトルのピークは3μm付近にあるため、炭素を含む発熱部(カーボンヒータ)を用いれば含水率の高い対象物を効率よく加熱することができる。
一般的に、カーボンヒータは、バルブ、バルブの両側の端部に設けられた封止部、バルブの内部に設けられ、炭素を含む螺旋状の発熱部、発熱部の端部に電気的に接続された接続部、封止部の内部に設けられた薄膜状の導電部、接続部と導電部とに電気的に接続されたインナーリード、および、一端が導電部に電気的に接続され、他端が封止部から露出するアウターリードを備えている。
この様なカーボンヒータを製造する際に、発熱部の端部が、インナーリードを介して封止部に保持された接続部により、引っ張られたり、押されたりする場合がある。炭素を含む発熱部は、金属を含む発熱部などに比べて剛性が小さい。そのため、炭素を含む発熱部の端部に力が加わると、発熱部の端部が変形する場合がある。発熱部の端部が変形した際に、発熱部の、螺旋状に巻かれた部分同士が接触すると、短絡(ピッチショート)が生じて、ヒータの寿命が短くなるおそれがある。
そこで、発熱部の端部の変形を抑制することができるカーボンヒータの開発が望まれていた。
特開2006-040898号公報
本発明が解決しようとする課題は、発熱部の端部の変形を抑制することができるカーボンヒータを提供することである。
実施形態に係るカーボンヒータは、筒状部と;前記筒状部の両側の端部のそれぞれに設けられた封止部と;それぞれの前記封止部の内部に設けられた導電部と;前記筒状部の内部に設けられ、炭素を含み、コイル部と、前記コイル部の両側の端部のそれぞれに設けられたリード部と、を有する発熱部と;前記筒状部の内部に設けられ、前記リード部に接続された接続部と;前記導電部と、前記接続部と、に接続されたインナーリードと;を具備している。前記コイル部は、前記リード部が設けられ、螺旋状に巻かれた第1の部分と、前記第1の部分が設けられ、螺旋状に巻かれた第2の部分と、を有している。前記筒状部の管軸と、前記第1の部分の外面との間の長さは、前記管軸と、前記第2の部分の外面との間の長さよりも短い。
本発明の実施形態によれば、発熱部の端部の変形を抑制することができるカーボンヒータを提供することができる。
本実施の形態に係るヒータ1を例示するための模式図である。 (a)は、比較例に係るコイル部の端部の近傍を例示するための模式図である。(b)は、(a)における比較例に係る発熱部をA-A線方向から見た模式図である。 (a)は、本実施の形態に係るコイル部を例示するための模式図である。(b)は、(a)における発熱部をE-E線方向から見た模式図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係るカーボンヒータ1(以下、単に、ヒータ1と称する)は、対象物や、対象物が置かれている空間を加熱することができる。例えば、ヒータ1は、印刷物などの乾燥工程においてインクなどを乾燥させたり、塗料の乾燥工程において塗料などを乾燥させたりする際に用いることができる。ただし、ヒータ1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図1は、本実施の形態に係るヒータ1を例示するための模式図である。
図1に示すように、ヒータ1には、例えば、バルブ10、発熱部20、導電部30、アウターリード40、インナーリード50、および接続部60が設けられている。
バルブ10は、例えば、筒状部11、封止部12、および突起部13を有する。筒状部11、封止部12、および突起部13は、一体に形成することができる。バルブ10は、例えば、石英ガラスから形成される。この場合、バルブ10は、例えば、透明、すなわち着色されていない石英ガラスから形成することができる。なお、バルブ10は、着色されている石英ガラスから形成することもできる。
筒状部11は、例えば、円筒状を呈している。筒状部11は、筒状部11の外径である管外径Dに比べて全長L(管軸11aの方向の長さ)が長い形態を有する。この場合、筒状部11の内壁の管壁負荷が高くなり過ぎると、筒状部11の温度が高くなり過ぎて、筒状部11が変形したり、筒状部11の耐久性が低下したりするおそれがある。そのため、ヒータ1の電力に応じて、所定の管壁負荷を超えないように、筒状部11の管外径D、および全長Lを適宜決定することができる。
また、筒状部11の外周面に反射膜を設けることもできる。反射膜が設けられていれば、対象物が置かれている方向に向けて赤外線を含む光を反射させることができる。そのため、照射効率を向上させることができる。反射膜は、例えば、金、酸化アルミニウムなどを含むことができる。
筒状部11の内部には、ガスを封入することができる。ガスは、発熱部20において発生した熱が筒状部11に伝わり難くするために封入される。そのため、ガスは、熱伝導率の低いガスとすることが好ましい。ガスは、例えば、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)などのうちの1種類、あるいは複数種類を組み合わせた混合ガスなどとすることができる。
筒状部11の内部の25℃におけるガスの圧力(封入圧力)は、例えば、0.6bar(60kPa)以上、0.9bar(90kPa)以下とすることができる。なお、筒状部11の内部の25℃におけるガスの圧力(封入圧力)は、気体の標準状態(SATP(Standard Ambient Temperature and Pressure):温度25℃、1bar)により求めることができる。
封止部12は、筒状部11の、管軸11aの方向における両側の端部のそれぞれに設けられている。筒状部11の両端に封止部12が設けられていれば、筒状部11の内部を気密に封止することができる。例えば、一対の封止部12は、ピンチシール法やシュリンクシール法を用いて形成することができる。なお、図1に例示をした封止部12は、ピンチシール法を用いて形成された板状の封止部である。
突起部13は、筒状部11の外面に設けられている。突起部13は、ヒータ1を製造する際に、筒状部11の内部を排気したり、筒状部11の内部に前述したガスを導入したりするために設けられる。例えば、突起部13は、排気およびガスの導入後に、石英ガラスから形成された管を焼き切ることで形成されたものである。
発熱部20は、筒状部11の内部に設けられている。発熱部20は、例えば、コイル部21、およびリード部22を有する。リード部22は、コイル部21の両側の端部のそれぞれに設けられている。例えば、コイル部21、およびリード部22は、一体に形成することができる。
発熱部20(コイル部21およびリード部22)は、炭素を含んでいる。炭素を含む発熱部20とすれば、通電時に発熱するとともに赤外線を含む光を放射することができる。この場合、発熱部20から放射される光のエネルギーのピークは、2μmから4μmの波長範囲において生じる。水の吸収スペクトルのピークは3μm付近にあるため、炭素を含む発熱部20を用いれば含水率の高い対象物を効率よく加熱することができる。
コイル部21は、螺旋状を呈している。例えば、コイル部21は、炭素を含む帯状のメッシュ構造体や、炭素繊維を含む線状体を螺旋状に巻くことで形成される。例えば、コイル部21は、筒状部11の内部の中央を筒状部11の管軸11aに沿って延びている。
コイル部21は、リード部22が設けられ、螺旋状に巻かれた第1の部分21a(第1の部分の一例に相当する)と、部分21aが設けられ、螺旋状に巻かれた部分21b(第2の部分の一例に相当する)と、を有している。部分21bは、部分21aと部分21aとの間に設けられている。
なお、部分21a、および部分21bに関する詳細は後述する。
リード部22は、線状を呈し、一対設けられている。一対のリード部22のそれぞれは、コイル部21の部分21aの端部と、接続部60との間を延びている。
導電部30は、それぞれの封止部12の内部に少なくとも1つ設けることができる。図1に例示をした導電部30は、1つの封止部12に対して1つ設けられている。導電部30の平面形状は、例えば、四角形である。導電部30は、薄膜状を呈している。導電部30は、例えば、モリブデン箔から形成される。
アウターリード40は、1つの導電部30に対して少なくとも1つ設けることができる。図1に例示をしたアウターリード40は、1つの導電部30に対して1つ設けられている。アウターリード40は、線状を呈している。それぞれの封止部12において、アウターリード40の一方の端部側は導電部30と接続され、他方の端部側は封止部12から露出している。例えば、アウターリード40は、導電部30にレーザ溶接または抵抗溶接することができる。アウターリード40は、例えば、モリブデンなどを含む線状体とすることができる。
アウターリード40は、例えば、ハーネスなどを介して、ヒータ1の外部に設けられた点灯回路などに電気的に接続される。なお、アウターリード40が電気的に接続される端子、コネクタ、口金などを封止部12の外側に設けることもできる。
ここで、炭素を含む発熱部20のリード部22を、導電部30に直接接続するのは困難である。そのため、発熱部20のリード部22は、インナーリード50と接続部60を介して、導電部30に接続されている。
インナーリード50は、1つの導電部30に対して少なくとも1つ設けることができる。図1に例示をしたインナーリード50は、1つの導電部30に対して1つ設けられている。インナーリード50は、導電部30の、アウターリード40側とは反対側に設けられる。インナーリード50の一方の端部側は導電部30と接続されている。例えば、インナーリード50は、導電部30にレーザ溶接または抵抗溶接することができる。インナーリード50の他方の端部側は筒状部11の内部において接続部60と接続されている。すなわち、インナーリード50は、導電部30と接続部60とに接続されている。インナーリード50は、例えば、モリブデンなどを含む線状体とすることができる。
接続部60は、筒状部11の内部に設けられている。接続部60は、発熱部20のリード部22と、インナーリード50との間に設けられている。接続部60は、例えば、耐熱性と導電性を有する材料から形成される。接続部60は、例えば、ニッケルやニッケル合金などの金属から形成することができる。
例えば、接続部60の一方の端部側は、発熱部20のリード部22と、機械的および電気的に接続される。例えば、発熱部20のリード部22を、接続部60に設けられた板状部分に挟み込むことができる。この様にすれば、炭素を含む発熱部20のリード部22と、接続部60とを接続することができる。
例えば、接続部60の他方の端部側は、インナーリード50と、機械的および電気的に接続される。例えば、インナーリード50を、接続部60に設けられた板状部分に挟み込んだり、接続部60に設けられた孔に引っ掛けたり、接続部60に溶接したりすることができる。
次に、コイル部21の部分21aおよび部分21bについてさらに説明する。
図2(a)は、比較例に係るコイル部121の端部の近傍を例示するための模式図である。
図2(b)は、図2(a)における比較例に係る発熱部120をA-A線方向から見た模式図である。
図2(a)、(b)に示すように、比較例に係る発熱部120は、コイル部121、およびリード部22を有している。発熱部120(コイル部121およびリード部22)は、炭素を含んでいる。コイル部121、およびリード部22は、一体に形成されている。
コイル部121は、螺旋状を呈している。コイル部121は、円筒のコイルである。すなわち、コイル部121の外径D1(筒状部11の管軸11aに直交する方向におけるコイル部121の長さ)は、略一定となっている。
筒状部11の管軸11aに直交する方向において、接続部60は、筒状部11の内部の中央に設けられている。
ここで、例えば、筒状部11の両側の端部を加熱して封止部12を形成する際などに、インナーリード50に接続されている接続部60の位置が変動する場合がある。接続部60の位置が変動すると、接続部60に接続されたリード部22を介して、コイル部121の端部に力が加わる。例えば、接続部60の位置の変動に伴い、リード部22を介して、コイル部121の端部が、引っ張られたり、押されたりする場合がある。
コイル部121は、炭素を含む帯状体や線状体を螺旋状に巻くことで形成されている。そのため、コイル部121の剛性が小さくなるので、外力によるコイル部121の変形が生じ易くなる。
この場合、コイル部121の外径D1が略一定となっていると、コイル部121の端部にある螺旋状に巻かれた部分の長さL1が長くなる。例えば、長さL1は、外径D1とほぼ同じになる。そのため、リード部22を介して、コイル部121の端部に力が加わると、コイル部121の端部にある螺旋状に巻かれた部分に作用するモーメントが大きくなる。また、長さL1が長くなると、コイル部121の端部にある螺旋状に巻かれた部分の剛性が小さくなる。
コイル部121の端部にある螺旋状に巻かれた部分に作用するモーメントが大きくなり、剛性も小さくなると、図2(a)に示すように、コイル部121の端部にある螺旋状に巻かれた部分が、傾き易くなる。そのため、図2(a)のB部に示すように、螺旋状に巻かれた部分同士が接触する場合がある。螺旋状に巻かれた部分同士が接触すると、短絡(ピッチショート)が生じて、ヒータの寿命が短くなるおそれがある。
図3(a)は、本実施の形態に係るコイル部21(部分21aおよび部分21b)を例示するための模式図である。
なお、図3(a)は、図1におけるC部の模式拡大図である。
図3(b)は、図3(a)における発熱部20をE-E線方向から見た模式図である。
図3(a)、(b)に示すように、筒状部11の管軸11aと部分21aの外面との間の長さR1は、筒状部11の管軸11aと部分21bの外面との間の長さR2よりも短い。そのため、部分21aの長さL2を、短くすることができる。例えば、長さL2は、長さR1と長さR2の和とほぼ同じになる。そのため、リード部22を介して、部分21aに力が加わった際に、部分21aに作用するモーメントを小さくすることができる。また、長さL2が短くなると、部分21aの剛性が大きくなる。部分21aに作用するモーメントが小さくなり、剛性も大きくなると、部分21aが傾くのを抑制することができる。すなわち、本実施の形態に係るコイル21とすれば、発熱部21の端部の変形を抑制することができる。そのため、部分21aと部分21bが接触して、短絡(ピッチショート)が生じるのを抑制することができ、ひいては、ヒータ1の寿命が短くなるのを抑制することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 ヒータ、10 バルブ、11 筒状部、11a 管軸、12 封止部、20 発熱部、21 コイル部、21a 部分、21b 部分、22 リード部、30 導電部、40 アウターリード、50 インナーリード、60 接続部

Claims (3)

  1. 筒状部と;
    前記筒状部の両側の端部のそれぞれに設けられた封止部と;
    それぞれの前記封止部の内部に設けられた導電部と;
    前記筒状部の内部に設けられ、炭素を含み、コイル部と、前記コイル部の両側の端部のそれぞれに設けられたリード部と、を有する発熱部と;
    前記筒状部の内部に設けられ、前記リード部に接続された接続部と;
    前記導電部と、前記接続部と、に接続されたインナーリードと;
    を具備し、
    前記コイル部は、前記リード部が設けられ、螺旋状に巻かれた第1の部分と、前記第1の部分が設けられ、螺旋状に巻かれた第2の部分と、を有し、
    前記筒状部の管軸と、前記第1の部分の外面との間の長さは、前記管軸と、前記第2の部分の外面との間の長さよりも短いカーボンヒータ。
  2. 前記第1の部分、前記第2の部分、および前記リード部は、一体に形成されている請求項1記載のカーボンヒータ。
  3. 前記第1の部分、前記第2の部分、および前記リード部は、炭素を含む帯状のメッシュ構造体、または、炭素繊維を含む線状体から構成されている請求項1または2に記載のカーボンヒータ。
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