JP5895120B2 - 紫外線透過キセノン放電管及びこの紫外線透過キセノン放電管を用いた照明装置 - Google Patents
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Description
また、紫外線を発生する紫外線源についても同様に周知であり、紫外線を連続して出力できる水銀ランプや蛍光灯、あるいは閃光発光動作により少ない消費エネルギーで瞬間的に強力な紫外線を出力できる紫外線透過キセノン放電管などが一般的である。
ところで上記の水銀ランプや紫外線透過キセノン放電管の構成についてみてみると、連続、瞬間の違いはあるもののいわゆる放電発光により発生する紫外線をランプや放電管の外部に導出する必要があり、このため放電発光の空間を形成するランプや放電管の器となる外囲器としては紫外線透過機能に優れた石英ガラスが採用されている。
この石英ガラスは、周知のように主に二酸化ケイ素から形成されるガラスであり、上記のように紫外線透過機能に優れている他、熱膨張係数が極めて小さく高耐熱衝撃性を有している。
具体例を述べると、石英ガラスとの熱膨張係数の差が1×10 −6 K −1 未満に制御された第1のガラス材料と、タングステンからなる電極ピンとの熱膨張係数の差が1×10 −6 K −1 未満に制御された第2のガラス材料との間に、さらにこの第1、第2のガラス材料の夫々との熱膨張係数差が1×10 −6 K −1 未満に制御された第3のガラス材料を設けて中間ガラス体を形成し、石英ガラス及び電極ピンを、この中間ガラス体を形成する第1、第2のガラス材料の夫々と加熱溶着することにより石英ガラスと電極ピンの両者の気密封着を間接的に実現している。(例えば、特開2010−232126号公報)
さらに、例えば特開2011−49094号公報に開示されているような電極ピンの一部と溶接した金属箔を、その溶接部を含んで石英ガラスにて直接圧着するピンチシール方法も周知である。
特開2011−32162号公報には、低減されたホウ素含有量を有し、熱膨張係数が特に好ましくは3.8×10 −6 K −1 〜4.5×10 −6 K −1 の範囲にある紫外線透過ランプへの使用が特に好ましい高紫外線透過性ホウケイ酸ガラスが開示されている。
また、本発明は、上記した耐久性にも優れた紫外線透過キセノン放電管を光源として用いることにより、上記放電管の特性を装置に導入して耐久性を向上させた照明装置を提供することを目的とする。
この結果、夫々の熱膨張係数の差が1.0×10 −6 K −1 以上有り、直接の加熱溶着では大きな歪発生によるクラック発生が懸念される外囲器(熱膨張係数が比較的小さく高耐熱衝撃性を有するホウケイ酸ガラス)と電極ピンであるタングステンの両者を、一種類のビードを介して気密封着できることになる。
また、請求項2及び請求項3記載の発明において、請求項1に記載の紫外線透過キセノン放電管を照明用光源とし、さらにこの紫外線透過キセノン放電管と被写体との間に配置され400nm以下の短波長領域の光を遮断する光学部材を備え、先の被写体を必ず光学部材を介した光にて照明することを特徴とする照明装置が構成される。
また、本発明の照射装置によれば、耐久性に優れた照射装置を得ることができる。
図1は、本発明に係る紫外線透過キセノン放電管の一実施形態を示す概略正面図であり、図示のように、紫外線透過キセノン放電管1は、外囲器2の両端に、この外囲器2の内部にキセノンガス5を封入した状態でビード3を介して放電電極A(アノード電極)並びにC(カソード電極)の一部を構成する電極ピン4、4を気密封着して構成されている。
本発明に係る紫外線透過キセノン放電管の外囲器2は、紫外線透過率が高く、かつ熱膨張係数が先に述べたタングステンガラスの熱膨張係数に比して小さい3×10 −6 K −1 〜3.3×10 −6 K −1 のホウケイ酸ガラスにて構成している。(例えば、SCHOTT社Glass8347等)
放電電極Aはアノード電極を示し、図示のようにビード3が溶着される電極ピン4とこの電極ピン4に溶接された接続ピン7で構成されており、さらにこの電極ピン4は熱膨張係数が4.4×10 −6 K −1 〜4.5×10 −6 K −1 であり融点が極めて高いタングステンから構成している。なお、接続ピン7としては例えばニッケルであるニッケル系金属を採用している。
放電電極Cはカソード電極を示し、図示のようにビード3が溶着される電極ピン4とこの電極ピン4にカシメ等の工法にて取付けられた焼結電極6と電極ピン4に溶接された接続ピン7とで構成している。なお、この電極ピン4並びに接続ピン7も、夫々タングステン、ニッケル系金属にて構成している。
本発明に係る紫外線透過キセノン放電管のビード3は、熱膨張係数が外囲器2の熱膨張係数と電極ピン4(タングステン)の熱膨張係数の間となる3.8×10 −6 K −1 〜4.1×10 −6 K −1 のホウケイ酸ガラスを用いて構成している。(例えば、日本電気硝子社キセノンランプ用ガラス管BX−38、SCHOTT社Glass8487、等)
なお、この時、ビード3の熱膨張係数は、外囲器2との間の熱膨張係数の差が電極ピン4との間の熱膨張係数の差より大きくなるように設定されており、加熱加工条件を、タングステンガラスを用いている通常のキセノン放電管の製造条件に比して大きく変更することなく設定できることになる。
放電電極A及びC共に、接続ピン7が溶接された電極ピン4である熱膨張係数が4.4×10 −6 K −1 〜4.5×10 −6 K −1 であるタングステンに、中空円筒形状を呈し熱膨張係数が3.8×10 −6 K −1 〜4.1×10 −6 K −1 のホウケイ酸ガラスからなるビード3を、図2(a)、図2(c)中に矢印で示した方向に移動させて破線で示したように挿通させ、その後、例えば図2(b)、図2(d)に示したようにビード加熱用の第1バーナー8にて加熱することにより電極ピン4に直接加熱溶着している。
この時、電極ピン4とビード3の夫々の熱膨張係数の差を小さく、具体的には両者の熱膨張係数差が1×10 −6 K −1 以下になるように設定していることから、上記直接の加熱溶着による不都合の発生を防止できることになる。
放電電極Cは、図2(d)に示したようにさらに焼結電極6を電極ピン4にカシメ工程を経て取付けている。
その状態で外囲器2の内部に所望量のキセノンガス5を充填しつつ例えば封着バーナー10にて外囲器2の端部2bを加熱して外囲器2の端部2bとビード3とを溶融することにより両者2,3を加熱溶着する。これにより、上記した放電電極Aの場合と同様に外囲器2の一端2bに放電電極Cが封着され、以降、図示はしないが接続ピン7の長さを所望長さにカットする工程や同接続ピン7に予備半田を施す工程等を経て図1に示した本発明に係る紫外線透過キセノン放電管1が完成することになる。
なお、上記した放電電極Cの外囲器2の内部にキセノンガス5を封入しつつの気密封着工程の他例としては、封着バーナー10に代えて例えばカーボンヒータを用い、具体的には封着バーナー10を除く図2(f)に示した放電電極Aが封着された外囲器2と放電電極C及びカーボンヒータとを、内部を真空にできると共に所定圧力のキセノンガスを充填できる作業空間を備えた真空容器内に配置し、この真空容器内にてキセノンガスの充填並びにカーボンヒータによる放電電極Cのビード3と外囲器2の一端2bとの溶着を行う工法を採用することもできる。
この結果、被写体を照明する照明装置11としての耐久性が、紫外線透過キセノン放電管1の外囲器2における上記高耐熱衝撃性を有する特徴により向上することになる。
また、本発明の照射装置は、上記紫外線透過キセノン放電管と被写体との間に短波長領域の光を遮断する光学部材を配置して被写体が必ず光学部材を介した光により照明されるように構成して上記紫外線透過キセノン放電管を照明装置の光源として使用できるようにしたことから、耐久性に優れた照明装置を得ることができる。
2 外囲器
3 ビード
4 電極ピン
5 キセノンガス
6 焼結電極
7 接続ピン
8 第1バーナー
9 第2バーナー
10 封着バーナー
11 照明装置
12 本体
13 反射傘
14 光学部材
15 光学制御手段
16 発光制御手段
17 被写体
Claims (3)
- 透光性の外囲器の両端に、その内部にキセノンガスを封入した状態でビードを介して放電電極を構成する電極ピンを気密封着してなる紫外線透過キセノン放電管であって、外囲器として紫外線透過率が高く、かつ熱膨張係数が3×10 −6 K −1 〜3.3×10 −6 K −1 のホウケイ酸ガラスを用い、電極ピンとして熱膨張係数が4.4×10 −6 K −1 〜4.5×10 −6 K −1 のタングステンを用い、ビードとして熱膨張係数が外囲器の熱膨張係数とタングステンの熱膨張係数の間であり、かつ外囲器との間の熱膨張係数の差がタングステンとの間の熱膨張係数の差より大きくなるように設定された3.8×10 −6 K −1 〜4.1×10 −6 K −1 のホウケイ酸ガラスを用いて構成したことを特徴とする紫外線透過キセノン放電管。
- 請求項1に記載の紫外線透過キセノン放電管から発生・射出される光を被写体に照射する照射装置であって、紫外線透過キセノン放電管と被写体との間に配置されて短波長領域の光を遮断する光学部材を備え、必ず光学部材を介した短波長領域の光が遮断された光にて被写体を照明することを特徴とする照明装置。
- 短波長領域の光は、400nm以下の波長を有する光である請求項2に記載の照明装置。
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