JP2023097476A - 金型及び成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートアンドクール法やコールドプレス法等のプレス成形に適用することができ、品質の低下を抑制しつつ成形品を高い生産性で製造できる金型、及び前記金型を用いた成形品の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】外型10と、外型10の内部に配置される内型20と、を備える多重構造の金型1において、外型10が上外型11と下外型12とを備え、上外型11の下外型12に向いた面11aに凹部13を設け、下外型12の上外型11に向いた面12aに凹部14と凸部15を設け、内型20が備える上内型21を上外型11の凹部13が設けられた面11aに沿った形状とし、下内型22を下外型12の凹部14及び凸部15が設けられた面12aに沿った形状とする。【選択図】図1

Description

本発明は、金型及び成形品の製造方法に関する。
プリプレグ等の強化繊維を含む熱可塑性複合材料を成形して得た成形品は、軽量で優れた機械特性を有するため、スポーツ、レジャー用途から自動車や航空機等の産業用途まで幅広く用いられている。
熱可塑性複合材料の成形方法としては、例えば、加熱された金型に予熱された熱可塑性複合材料を配置し、加圧しながら冷却して成形品を得るヒートアンドクール法や、熱可塑性樹脂の固化温度未満の温度の金型に予熱された熱可塑性複合材料を配置し、加圧しながら冷却して成形品を得るコールドプレス法が知られている。
これらのプレス成形には、一対の上金型と下金型を備え、互いに近接して型締めされることで熱可塑性複合材料を挟み込んで加圧できる金型が用いられる(例えば、特許文献1、2)。
特開2020-163866号公報 国際公開第2017/061047号
ヒートアンドクール法とコールドプレス法のどちらにおいても、予熱された熱可塑性複合材料を金型に速やかに配置して加圧する必要がある。しかし、特許文献1、2のような従来の金型によるプレス成形では、特に三次元の複雑な形状の成形品を製造する場合に、予熱された熱可塑性複合材料を金型の成形面に沿わせて配置するのに時間がかかるため、プレス成形に要する時間が長くなる。また、1つの金型に複数の熱可塑性複合材料を配置し、1度のプレス成形で複数の成形品を同時に製造することも現実的でない。そのため、成形品の品質を確保する必要性から、従来の金型では生産性に限界がある。
本発明は、ヒートアンドクール法やコールドプレス法等のプレス成形に適用することができ、品質の低下を抑制しつつ成形品を高い生産性で製造できる金型、及び前記金型を用いた成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]外型と、前記外型の内部に配置される内型と、を備える多重構造の金型であって、
前記外型が、上外型と下外型とを備え、
前記上外型の前記下外型に向いた面と、前記下外型の前記上外型に向いた面の少なくとも一方に、凹部と凸部の少なくとも一方が設けられており、
前記内型が、前記外型における前記凹部と前記凸部の少なくとも一方が設けられた面に沿った形状を有している、金型。
[2]前記外型が加熱冷却機構を有する、[1]に記載の金型。
[3]前記内型が、上内型と下内型とを備える、[1]又は[2]に記載の金型。
[4]熱可塑性樹脂、又は、強化繊維を含む熱可塑性複合材料の成形用である、[1]~[3]のいずれかに記載の金型。
[5][4]に記載の金型を用いて成形品を製造する方法であって、
熱可塑性樹脂、又は、強化繊維を含む熱可塑性複合材料からなる成形材料を前記内型に配置し、前記内型と前記成形材料を予熱して前記外型内に配置し、加圧して成形品を得る、成形品の製造方法。
[6]前記外型の温度が前記内型の温度より低い状態で加圧する、[5]に記載の成形品の製造方法。
[7]1つの前記外型に対して複数の前記内型を用い、前記成形材料を配置して予熱した後の前記内型を順に前記外型内に配置して加圧し、複数の成形品を連続して製造する、[5]又は[6]に記載の成形品の製造方法。
本発明によれば、ヒートアンドクール法やコールドプレス法等のプレス成形に適用することができ、成形品を高い生産性で製造できる金型、及び前記金型を用いた成形品の製造方法を提供できる。
本発明の金型の一例を示した断面図である。 本発明の金型の他の一例を示した断面図である。 本発明の金型を用いて複数の成形品を連続して製造する態様の一例を示した模式図である。
[金型]
以下、本発明の金型の一例について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1に示すように、本実施形態の金型1は、外型10と、外型10の内部に配置される内型20と、を備える多重構造の金型である。内型は複数重ねて使用することもできる。
外型10は、上外型11と、下外型12と、を備えている。
上外型11と下外型12とは、図示略のプレス機の一対のプレス盤の間に配置されている。プレス機により、上外型11と下外型12とを上下方向で近接させたり、遠ざけたりすることで、外型10の型締めと型開きが行える。外型10においては、下外型12が固定型で上外型11が移動型であってもよく、上外型11が固定型で下外型12が移動型であってもよい。また、上外型11と下外型12の両方が移動型であってもよい。
上外型11の下外型12に向いた面11aには凹部13が設けられている。また、下外型12の上外型11に向いた面12aには凹部14が設けられ、かつ凹部14の底面の中央部から上外型11に向かって突出する凸部15が設けられている。
外型10を上外型11側から見たとき、凹部13が占める領域は凹部14が占める領域よりも小さく、かつ、凹部13は凹部14の内側で完全に重なるように設けられている。また、凸部15が占める領域は凹部13が占める領域よりも小さく、かつ、凸部15は凹部13の内側で完全に重なるように設けられている。外型10が型締めされた状態では、上外型11の凹部13の表面と下外型12の凸部15の表面との間に空間が形成され、該空間が内型収容部16となる。
上外型11に設けられる凹部13の形状及び寸法は、特に限定されず、目的の成形品の形状に応じて適宜設計すればよい。
下外型12に設けられる凹部14及び凸部15の形状及び寸法も、特に限定されず、目的の成形品の形状に応じて適宜設計すればよい。
図1に示す例の外型10は、加熱冷却機構を有している。
図1に示す例では、上外型11の内部に、凹部13の表面に沿うように複数のヒーター30と、冷媒が流される冷媒流路40とが交互に配設されている。同様に、下外型12の内部に、凹部14及び凸部15の表面に沿うように複数のヒーター30と、冷媒が流される冷媒流路40とが交互に配設されている。このように、上外型11と下外型12は、ヒーター30によって加熱したり、冷媒流路40に冷媒を流通させて冷却したりすることができる。
なお、外型10が有する加熱冷却機構は、内型20を介して成形材料Mを加熱又は冷却できるものであればよく、図1に示す態様には限定されない。
内型の予熱は、上記のように金型内のヒーターで実施するだけでなく、加熱炉など外部からの熱で予熱してもよい。加熱炉は内型の目標温度に設定した単一のものでも、目標温度に向けて徐々に温度を変化させた複数のものでもよい。単一の加熱炉を用いると工程の短縮ができる一方、複数の加熱炉を用いることによって内型を均一に予熱することができる。
図1に示す例の内型20は、上内型21と、下内型22と、を備えている。
内型20が外型10内に配置される際には、内型20は外型10の内型収容部16に収容された状態で配置される。
なお、内型20は、上内型21と下内型22を備える態様には限定されず、例えば下内型のみを備えるものであってもよい。
この例の上内型21は、板状になっており、かつ、外型10の上外型11における凹部13が設けられた面11aに沿った形状を有している。すなわち、上内型21は、上外型11における凹部13が設けられた面11aに沿って板金を曲げたような形状を有している。また、この例の下内型22は、板状になっており、かつ、外型10の下外型12における凹部14及び凸部15が設けられた面12aに沿った形状を有している。すなわち、下内型22は、下外型12における凹部14及び凸部15が設けられた面12aに沿って板金を曲げたような形状を有している。
なお、上内型21と下内型22の形状は、板状には限定されない。
外型10の内型収容部16に配置された状態の内型20においては、上内型21と下内型22との間に成形空間Sが形成される。成形空間Sの形状は、目的の成形品の形状と相補的な形状である。金型1を用いたプレス成形では、成形材料Mを内型20の成形空間Sに配置して予熱した後、外型10の内型収容部16に設置してプレス機によって加圧する。これにより、成形材料Mが所望の形状に賦形され、目的の成形品が得られる。
内型20は、内部に加熱冷却機構を有しておらず、予熱が可能な装置もしくは外型10によって温度調節されることが好ましい。
金型1は外型10と内型20の多重構造であるため、成形材料Mを内型20に配置し、予熱する作業をプレス機及び外型10とは別の場所で実施できる。そして、予熱された内型20を外型10の下外型12に設置した後には、速やかに外型10を型締めしてプレス成形を行うことができる。すなわち、内型20は予熱時にはプレス機を占有せず、加圧時にのみプレス機を占有する。これにより、内型20に沿わせて成形材料Mを配置する作業に時間を要する場合であっても、内型20がプレス機を占有する時間を短くできる。そのため、例えば1つの内型20に複数の成形領域Sが形成され、複数個の成形材料Mを配置できるようにすれば、1度のプレス成形で複数個の成形品が得られる。また、1つの外型10に対して複数の内型20を用意すれば、内型20への成形材料Mの配置と予熱はプレス成形と並行して実施でき、予熱された内型20を順次外型10に配置してプレス成形を連続して実施できる。そのため、三次元の複雑な形状の成形品の製造であっても高い生産性で成形品を製造できる。
また、内型20は下内型22が外型10における下外型12の凹部14及び凸部15が設けられた面12aに沿った形状を有するため、下外型12の上外型11側の面12aから下内型22の成形材料Mに接する成形面22aまでの距離を、場所に依らず概ね均一にすることができる。そのため、下外型12から下内型22を介した成形材料Mへの熱の伝達効率を場所に依らず略均一にすることができる。このことは、内型20の上内型21においても同様であり、内型20は上内型21が外型10における上外型11の凹部13が設けられた面11aに沿った形状を有するため、上外型11の下外型12側の面11aから上内型21の成形材料Mに接する成形面21aまでの距離を、場所に依らず概ね均一にすることができる。そのため、上外型11から上内型21を介した成形材料Mへの熱の伝達効率を場所に依らず略均一にすることができる。これらのことから、プレス成形時の成形材料Mの温度を全体的に均一に調整することが容易になり、成形品の表面にシワ等の欠陥が生じにくくなるため、品質低下を抑制しつつ高い生産性で成形品を製造できる。
また、下内型22が外型10における下外型12の凹部14及び凸部15が設けられた面12aに沿った形状を有していることで、内型20を外型10に設置する際には、ピン等の位置決め手段を別途設けなくても内型20を容易に位置決めすることができる。そのため、プレス成形時の内型20の外型10への着脱の作業効率が高いことから、生産性がさらに高くなる。
さらに、内型20が上内型21と下内型22とを備え、成形材料Mが外型10に直接触れないようにすれば、予熱された内型20を外型10に設置する際に外型10の温度が低くても、成形材料Mが急激に冷めることを抑制できる。これにより、成形品の表面にシワ等の欠陥がさらに生じにくくなり、品質低下を抑制する効果がさらに高くなる。
下内型22の厚さは、限定されるものではないが、略均一であることが好ましい。
予熱による内型の変形を抑える点では、下内型22の平均厚さは、0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましい。冷却速度の点では、下内型22の平均厚さは、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。下内型22の平均厚さの下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば1~10mmが好ましい。
なお、下内型22の平均厚さは、下内型22において任意の3箇所で測定した厚さの平均値を意味する。
上内型21の厚さも同様に、限定されるものではないが、略均一であることが好ましい。上内型21の平均厚さの好ましい下限と上限は、下内型22と同様である。
上内型21の平均厚さと下内型22の平均厚さは、同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
金型1の材質としては、特に限定されず、例えば、炭素鋼、炭素の他にクロム、モリブデン、タングステン、バナジウム等を添加した合金工具鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金を例示できる。なかでも、軽量で高熱伝導率である点では、アルミニウム、アルミニウム合金が好ましく、さらに剛性に優れる点から、アルミニウム合金が特に好ましい。
アルミニウム合金の市販品としては、三菱ケミカル社製KN700、大同DMソリューション社製アルミーゴHard、白銅社製7075、2017を例示できる。
金型1の材質としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
外型10から内型20を介して成形材料Mに熱が伝わりやすく、短時間での成形が容易になる点では、金型1を構成する外型10と内型20の熱伝導率は、5W/m・K以上が好ましく、10W/m・K以上がより好ましい。外型10と内型20の熱伝導率の上限は、特に限定されず、例えば400W/m・K以下とすることができる。
なお、熱伝導率は、JIS H7801:95(金属のレーザフラッシュ法による熱拡散率の測定方法)により、100℃において測定した熱拡散率、比熱及び密度から算出した値が採用される。
[成形品の製造方法]
本発明の金型は、熱可塑性樹脂、又は、強化繊維を含む熱可塑性複合材料の成形用として特に有用である。以下、本発明の金型を用いた成形品の製造方法の一例について説明する。
図1に示す例の金型1を用いる成形品の製造方法では、熱可塑性樹脂、又は、強化繊維を含む熱可塑性複合材料からなる成形材料Mを内型20に配置し、内型20と成形材料Mを予熱して外型10内に配置し、加圧して成形品を得る。
より詳細には、下内型22上にその成形面22aにある程度沿うように成形材料Mを配置し、上方から上内型21を被せて成形材料Mを挟み込み、それらを予熱装置で予熱する。下内型22の成形面22aが複雑な形状の場合には、下内型22上に成形材料Mを配置して予熱した後、成形材料Mを下内型22の成形面22aに沿わせる作業を行い、さらに予熱を行ってもよい。
また予熱工程短縮を目的として、成形材料Mを内型に投入する前にあらかじめ予熱しておいてもよい。
本発明では、外型の温度が内型の温度より低くなるように設定することができる。これにより、予熱された内型を外型に設置した後のプレス成形の時間を短縮できるため、生産性がさらに向上する。
予熱後の内型の温度は、成形材料の種類、例えば熱可塑性樹脂が非晶性樹脂であるか結晶性樹脂であるか等に応じて適宜設定することができる。成形性の点では、予熱後の内型の温度は、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度+20℃以上、結晶性樹脂の場合は融点+20℃以上が好ましく、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度+30℃以上、結晶性樹脂の場合は融点+30℃以上がより好ましい。樹脂の劣化防止の点では、予熱後の内型の温度は、樹脂の劣化温度-10℃以下が好ましく、樹脂の劣化温度-20℃以下がより好ましい。予熱後の内型の温度の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば非晶性樹脂の場合はガラス転移温度+20℃以上、結晶性樹脂の場合は融点+20℃以上で、樹脂の劣化温度-20℃以下であることが好ましい。
内型20の予熱後は、型開きされている状態の外型10の下外型12の凹部14内に予熱された内型20を嵌め込み、プレス機によって外型10を型締めすることによって成形材料Mを加圧する。
プレス成形時に成形材料Mに加える面圧は、適宜設定することができ、例えば1~20MPa程度とすることができる。
加圧時間は、適宜設定することができ、採用するプレス成形方式に応じて、成形材料Mが十分に固化して成形品が形成されるように調節すればよい。
金型1を用いたプレス成形としては、ヒートアンドクール法を採用してもよく、コールドプレス法を採用してもよい。
ヒートアンドクール法でプレス成形を行う場合、時間短縮の点では、予熱された内型20を設置する際の外型10の温度は、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度以上、結晶性樹脂の場合は融点以上が好ましく、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度+20℃以上、結晶性樹脂の場合は融点+20℃以上がより好ましい。樹脂の劣化防止の点では、予熱された内型20を設置する際の外型10の温度は、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度+180℃以下、結晶性樹脂の場合は融点+100℃以下が好ましく、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度+150℃以下、結晶性樹脂の場合は融点+60℃以下がより好ましい。ヒートアンドクール法でプレス成形を行う場合の予熱された内型20を設置する際の外型10の温度の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば非晶性樹脂の場合はガラス転移温度以上ガラス転移温度+180℃以下が好ましく、結晶性樹脂の場合は融点以上融点+100℃以下が好ましい。
コールドプレス法でプレス成形を行う場合、急激な冷却によるシワの抑制の点では、予熱された内型20を設置する際の外型10の温度は、非晶性樹脂、結晶性樹脂ともにガラス転移温度以上が好ましく、非晶性樹脂、結晶性樹脂ともにガラス転移温度+20℃以上がより好ましい。時間短縮の点では、予熱された内型20を設置する際の外型10の温度は、非晶性樹脂の場合は流動開始温度+40℃以下、結晶性樹脂の場合は融点+40℃以下が好ましく、非晶性樹脂の場合は流動開始温度以下、結晶性樹脂の場合は融点以下がより好ましい。コールドプレス法でプレス成形を行う場合の予熱された内型20を設置する際の外型10の温度の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば非晶性樹脂の場合はガラス転移温度以上、流動開始温度以下、結晶性樹脂の場合はガラス転移温度以上、融点以下が好ましい。
本発明では、1つの外型に対して複数の内型を備える金型を用い、成形材料を配置して予熱した後の内型を順に外型内に配置して加圧し、複数の成形品を連続して製造することが好ましい。これにより、より高い生産性で成形品を製造することができる。
この場合、例えば図2に示すように、1つの外型10に複数の内型20を配置できる金型2とし、1度のプレス成形で複数の成形品が得られるようにしてもよい。なお、図2における図1と同じ部分には同符号を付して説明を省略する。
また、成形品を連続して製造する態様は、特に限定されないが、例えば図3に示す態様を例示できる。
具体的には、例えば成形材料を内部に配置した複数の内型20を第1ベルトコンベア110上に載せて搬送しながら、予熱炉120で順に予熱する。そして、ロボットアーム130により、プレス機140に設置された外型10に予熱された内型20を順次設置してプレス成形する。プレス成形後の内型20をロボットアーム130によって外型10から取り外して第2ベルトコンベア150上に移し、所定の場所まで搬送してから内型20を開いて成形品を取り出す。
成形材料としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂、強化繊維を含む熱可塑性複合材料を例示できる。熱可塑性複合材料の具体例としては、強化繊維基材に熱可塑性樹脂を含浸させたプリプレグ、強化繊維基材と熱可塑性樹脂フィルムとが積層された積層材を例示できる。
強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、樹脂繊維を例示できる。なかでも、剛性、強度の観点から、炭素繊維が好ましい。強化繊維としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系を例示できる。
強化繊維を複数本束ねてサイジング剤を付着させることにより、強化繊維束とすることができる。
強化繊維束としては、工業的規模における生産性及び力学特性に優れる点から、3,000~60,000本の強化繊維(フィラメント)からなるトウが好ましい。
優れた引張強度を有する成形品が得られやすい点では、強化繊維束のストランド強度は、4000MPa以上が好ましく、5000MPa以上がより好ましい。
成形品に十分な剛性が発現しやすい点では、強化繊維束のストランド弾性率は、200GPa以上が好ましく、230GPa以上がより好ましい。強化繊維の表面及び内部の黒鉛結晶サイズが小さくなり、繊維断面方向の強度及び繊維軸方向の圧縮強度の低下が抑制されやすい点では、強化繊維束のストランド弾性率は、380GPa以下が好ましく、350GPa以下がより好ましい。強化繊維束のストランド弾性率の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば200~380GPaが好ましい。
なお、強化繊維束のストランド強度及びストランド弾性率は、ASTM D4018に準拠した方法で測定される。
強化繊維基材の形態としては、連続した強化繊維束を一方向に引き揃えた一方向連続繊維形態、連続した強化繊維束を用いた平織、綾織、朱子織、ノンクリンプファブリック(NCF)、三次元織物等の織物形態、強化繊維束を用いたコンティニュアスストランドマットやチョップドストランドマット等を例示できる。織物の配列を保持するため、強化繊維等によるステッチや、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂繊維の溶着等の固定方法を適用することができる。
強化繊維基材中の強化繊維の割合は、強化繊維基材の総質量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、100質量%が特に好ましい。
強化繊維が十分に収束して成形材料の製造時に毛羽が発生しにくく、力学特性に優れた成形品が得られやすい点では、強化繊維基材のサイジング剤付着率は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。また、強化繊維基材のサイジング剤付着率は、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。強化繊維基材のサイジング剤付着率の下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば0.1~5.0質量%が好ましく、0.2~3.0質量%がより好ましく、0.2~1.5質量%がさらに好ましい。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂を例示できる。なかでも、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、又はポリエーテルケトンケトン樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、公知の熱硬化性樹脂、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、難燃剤、顔料等の各種添加剤を熱可塑性樹脂に含有させてもよい。
熱可塑性複合材料の製造方法は、特に限定されず、溶融させた熱可塑性樹脂を強化繊維基材に含浸させてもよく、熱可塑性樹脂を形成するモノマーや低分子量体を強化繊維基材に含浸させた後に重合してもよい。
熱可塑性樹脂プレートを用いる場合、プレートの厚さは、0.010~7mmが好ましい。
熱可塑性樹脂プレートのうち、特に薄い0.010~0.50mmの厚みは、フィルムに分類され、そのフィルムは、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよく、二次加工性に優れる点から、無延伸フィルムが好ましい。なお、無延伸フィルムには、延伸倍率が2倍未満であるフィルムを含むものとする。
熱可塑性樹脂プレートの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、射出成型にて任意の厚みのプレートを成形する方法を例示できる。特に薄い熱可塑性樹脂フィルムに用いる材料を溶融混練した後、フィルム状に押出成形し、冷却する方法を例示できる。溶融混練には、単軸又は二軸押出機等の公知の混練機を用いることができる。押出成形は、例えば、Tダイ等の押出用金型を用いることにより行える。溶融温度は、樹脂の種類や混合比率、添加剤の有無や種類に応じて適宜調整できる。冷却は、例えば、冷却されたキャストロール等の冷却機に接触させる方法を例示できる。
熱可塑性複合材料には、離型紙又は離型フィルムが積層されていてもよい。例えばプリプレグや積層材が複数積層され、最表面に離型紙又は離型フィルムが積層された積層体とすることもできる。
離型フィルムとしては、公知の離型処理を施した樹脂フィルム、金属箔、フッ素樹脂フィルムを使用できる。離型紙及び離型フィルムのなかでも、耐熱性の点では、離型処理を施したポリイミドフィルムが好ましい。
取り扱い性の点では、成形材料の厚さは、0.015mm以上が好ましく、0.040mm以上がより好ましい。成形品の残留応力の点では、成形材料の厚さは、10mm以下が好ましく、6.0mm以下がより好ましい。成形材料の厚さの下限と上限は任意に組み合わせることができ、例えば0.015~10.0mmが好ましく、0.040~6.0mmがより好ましい。
成形品の厚さは、用途に応じて適宜設定することができ、例えば0.1~50mmとすことができる。
強度の点から、成形品の繊維体積含有率(Vf)は、20~75体積%が好ましく、40~65体積%がより好ましい。
以上説明したように、本発明では、上外型と下外型の互いに対向する面の少なくとも一方に凹部と凸部の少なくとも一方が設けられた外型と、外型における凹部と凸部の少なくとも一方が設けられた面に沿った形状を有する内型と、を備える多重構造の金型をプレス成形に用いる。これにより、プレス機に設置された外型とは別の場所で内型の予熱を実施し、予熱された内型を外型に短時間で設置してプレス成形できるため、予熱された内型がプレス機を占有する時間が短くなる。また、複数の成形領域を形成できる内型を用いて1度のプレス成形で複数個の成形品を得たり、1つの外型に対して複数の内型を用い、予熱された内型を順次外型に設置して連続的にプレス成形したりすることもできるため、高い生産性で成形品を製造できる。また、プレス成形時の成形材料の温度を全体的に均一に調整でき、成形品の表面にシワ等の欠陥が生じにくいため、品質低下も抑制できる。
なお、本発明は、前記した金型1を用いる態様には限定されない。
例えば、本発明の金型は、内型が下内型のみを備え、下内型と上外型によって成形材料を挟み込んで成形するものであってもよい。
コールドプレス法に用いる金型の場合、外型は冷却機構のみを有し、加熱機構を有していなくてもよい。
例えばプレス機が備えるプレス盤が加熱冷却機構を有している場合には、内型と外側の両方が加熱冷却機構を有していなくてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…金型、10…外型、11…上外型、12…下外型、13…凹部、14…凹部、15…凸部、16…内型収容部、20…内型、21…上内型、21a…成形面、22…下内型、22a…成形面、30…ヒーター、40…冷媒流路、S…成形領域、M…成形材料。

Claims (7)

  1. 外型と、前記外型の内部に配置される内型と、を備える多重構造の金型であって、
    前記外型が、上外型と下外型とを備え、
    前記上外型の前記下外型に向いた面と、前記下外型の前記上外型に向いた面の少なくとも一方に、凹部と凸部の少なくとも一方が設けられており、
    前記内型が、前記外型における前記凹部と前記凸部の少なくとも一方が設けられた面に沿った形状を有している、金型。
  2. 前記外型が加熱冷却機構を有する、請求項1に記載の金型。
  3. 前記内型が、上内型と下内型とを備える、請求項1又は2に記載の金型。
  4. 熱可塑性樹脂、又は、強化繊維を含む熱可塑性複合材料の成形用である、請求項1~3のいずれか一項に記載の金型。
  5. 請求項4に記載の金型を用いて成形品を製造する方法であって、
    熱可塑性樹脂、又は、強化繊維を含む熱可塑性複合材料からなる成形材料を前記内型に配置し、前記内型と前記成形材料を予熱して前記外型内に配置し、加圧して成形品を得る、成形品の製造方法。
  6. 前記外型の温度が前記内型の温度より低い状態で加圧する、請求項5に記載の成形品の製造方法。
  7. 1つの前記外型に対して複数の前記内型を用い、前記成形材料を配置して予熱した後の前記内型を順に前記外型内に配置して加圧し、複数の成形品を連続して製造する、請求項5又は6に記載の成形品の製造方法。
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