JP2023140384A - 繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みが均一な繊維強化複合材料の製造方法を提供する。【解決手段】加圧体1および加圧体2で繊維強化複合材料前駆体を挟んで加圧する工程を含む繊維強化複合材料の製造方法であって、前記加圧体1の厚み標準偏差、前記加圧体2の厚み標準偏差、加圧体1と加圧体2の加圧時の合計厚み標準偏差がそれぞれ5~35μmとなるように加圧体1、加圧体2、および繊維強化複合材料前駆体を配置して挟む、繊維強化複合材料の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維強化複合材料の製造方法に関する。
航空機部品、自動車部品、電気・電子部品等の様々な分野において、強化繊維基材にマトリックス樹脂組成物を複合化した繊維強化複合材料の成形体が用いられている。
強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、プリプレグ等の中間材料や成形体の製造時に、強化繊維や樹脂層のバラツキを有する繊維強化複合材料前駆体に対し、適切に圧力を掛け、マトリックス樹脂と強化繊維を複合化する必要がある。例えば、特許文献1には、製造前の繊維強化複合材料と負荷圧力の均一性を付与するシートとの間にC/Cコンポジットからなる加圧板を配置し、連続的に熱可塑性樹脂プリプレグを製造する方法が示されている。
特開2003-181832号公報
しかしながら、プリプレグの厚みムラが大きくなってしまい、設計と異なることにより、成形後の部品に必要な強度や剛性が得られない場合があった。本発明は、厚みが均一な繊維強化複合材料の製造方法を提供することを目的とする。
[1]加圧体1および加圧体2で繊維強化複合材料前駆体を挟んで加圧する工程を含む繊維強化複合材料の製造方法であって、前記加圧体1の厚み標準偏差、前記加圧体2の厚み標準偏差、加圧体1と加圧体2の加圧時の合計厚み標準偏差がそれぞれ5~35μmとなるように加圧体1、加圧体2、および繊維強化複合材料前駆体を配置して挟む、繊維強化複合材料の製造方法。
[2]前記加圧体が、C/Cコンポジット、黒鉛、金属、ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる部分を含む加圧体である、[1]に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[3]前記繊維強化複合材料が炭素繊維とマトリクス樹脂とからなる、[1]または[2]に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[4]加圧体1および加圧体2がいずれも板状または円筒状である、[1]~[3]のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[5]前記繊維強化複合材料が平板状である、[1]~[4]のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[6]前記繊維強化複合材料前駆体が、炭素繊維とマトリクス樹脂とからなる中間材に離型紙または離型フィルムが積層された積層体である、[1]~[5]のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[7]前記繊維強化複合材料前駆体が、炭素繊維とマトリクス樹脂とからなる中間材が複数積層され、最表面に離型紙または離型フィルムが積層された積層体である、[1]~[6]のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[8]前記マトリクス樹脂が熱可塑性樹脂からなる、[3]に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[9]前記繊維強化複合材料前駆体を200℃以上に加熱する工程を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[10]連続的または間欠的に加圧する、[1]~[9]のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[11]前記繊維強化複合材料がプリプレグである、[1]~[10]のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
[12][1]~[11]のいずれかに記載の製造方法により製造された繊維強化複合材料を成形した成形体。
[13]熱可塑性樹脂と炭素繊維とからなる厚さ40μm~50000μmの平板状の繊維強化複合材料であって、厚みの変動係数が4%以下である、繊維強化複合材料。
本発明によれば、厚みのバラツキの少ない繊維強化複合材料の製造方法を提供できる。また、繊維強化複合材料の製造方法で得られた繊維強化複合材料を用いて成形することにより強度や剛性が部位によるバラツキの少ない部品を提供できる。
本発明の加圧前の態様を示す図である。 本発明の加圧時の態様を示す図である。
[繊維強化複合材料の製造方法]
繊維強化複合材料(以下、本複合材料と称する場合がある)の製造方法の態様の一つは、加圧体1および加圧体2で繊維強化複合材料前駆体を挟んで加圧する工程を含む繊維強化複合材料の製造方法であって、加圧体1の厚み標準偏差、加圧体2の厚み標準偏差、加圧体1と加圧体2の加圧時の合計厚み標準偏差がそれぞれ5~35μmとなるように加圧体1、加圧体2、および繊維強化複合材料前駆体を配置して挟むものである。図1に示すように、加圧体1と加圧体2とで繊維強化複合材料前駆体3を挟み込んで加圧する。加圧は、加圧体の一方を固定して他方の加圧体を動かして力を加えてもよいし、向かい合う加圧体がお互い近づくように両方から力を加えるようにしてもよい。厚みは、マイクロメーターやキャリパゲージなどの接触法またはレーザーやX線などの非接触法による公知の方法により計測できる。標準偏差は、加圧体の幅方向に10等分以上に等分した位置の厚みを計測することにより算出できる。合計厚み標準偏差は、繊維強化複合材料前駆体を加圧するときの加圧体1と加圧体2の位置を設定して、加圧体1と加圧体2のそれぞれの厚みを計測し、重なり合う特定の位置における厚みの合計を算出し、その標準偏差を求める。図2に示すように、繊維強化複合材料前駆体3aを加圧体1と加圧体2とで挟み込んで加圧した状態の配置を想定する。このときの加圧体1および加圧体2の配置を決めて、合計厚みを算出する。具体的には、重なり合う特定の位置をy、加圧体1と加圧体2のそれぞれyにおける厚みをt1およびt2として、t1にt2を加えて合計厚みとする。yは加圧体の幅方向に10等分以上に等分した位置の一点を例示的に抽出したものである。加圧体1と加圧体2との合計厚みの標準偏差が特定範囲になるように、加圧体1の凹部には加圧体2の凸部が向かい合うように配置されている。加圧体1および加圧体2それぞれの厚みが均一であることにより、挟んで得られる繊維強化複合材料の厚みも均一になる。圧体1および加圧体2が加圧時に重なった時の合計厚みが均一であることにより、より精度高く繊維強化複合材料の厚みも均一にできる。加圧体の圧力分布は、本複合材料の厚みを変動させる一因となる。加圧体1と加圧体2の厚い部分どうしや薄い部分どうしが重なると、加圧体の圧力分布が均一にならない場合がある。加圧体1および加圧体2それぞれの厚みの標準偏差に加えて、加圧体の加圧時の合計厚みの標準偏差を調整することで、加圧体からの繊維強化複合材料前駆体に対する圧力分布を均一にすることができる。合計厚みの標準偏差は、5~35μmの範囲が好ましく、10~35μmの範囲がより好ましい。合計厚み標準偏差は、加工精度を上げて、各加圧体の厚みバラツキを小さくしたり、各加圧体の配置を前後左右に水平移動、左右反転、上下反転させたりすることにより調整できる。
本複合材料がプリプレグである場合には、加圧体1および加圧体2で繊維強化複合材料前駆体を挟んで加圧する加圧工程は、複合化工程として機能する。複合化工程としては、強化繊維基材にマトリックス樹脂を含浸させる含浸工程、または強化繊維基材にマトリックス樹脂から成形したフィルム、不織布、繊維、または粒子を付着させる付着工程が挙げられる。繊維強化複合材料前駆体としてのプリプレグ1枚またはプリプレグ積層体どうしの間に加圧体やシート材をさらに挿入して複数の繊維強化複合材料としてのプリプレグを得ることもできる。複合化工程においては、加温することが好ましく、繊維強化複合材料前駆体の表面温度が100~450℃となるように調整することが好ましく、本複合材料が高耐熱用途の部材に用いられる場合は、200℃以上となるように調整することが好ましい。熱可塑性樹脂繊維又は熱可塑性樹脂粒子を強化繊維基材に付与し、加圧と共に加熱溶融してマトリックス樹脂を含浸させ、繊維間の空気を除去する方法を用いてもよい。マトリックス樹脂に熱可塑性樹脂繊維を用いる場合、樹脂繊維の繊維径は、5~50μmが好ましい。マトリックス樹脂に熱可塑性樹脂粒子を用いる場合、樹脂粒子の平均粒径は、10~100μmが好ましい。その他に、マトリックス樹脂を用いて成形した熱可塑性樹脂フィルムや不織布と強化繊維基材とを重ね、加熱溶融して含浸させ、強化繊維間の空気を除去することもできる。モノマー、または低分子量体を強化繊維基材に含浸させた後、重合させて繊維強化複合材料としてもよい。含浸工程においては、含浸を促進する観点から強化繊維基材の表面温度がマトリックス樹脂の軟化温度以上となるように設定することが好ましい。
プリプレグは、成形性を向上させるため、切込み加工を施した切込みプリプレグとしたり、連続繊維プリプレグをリボン状に切断してスリットテーププリプレグとしたり、長方形もしくは平行四辺形のチョップドストランドとし、前記チョップドストランドを等方的もしくは異方的にランダムに分散させたランダムシートとすることができる。強化繊維束の繊維軸方向が同一または異なるプリプレグを複数枚積層した積層体としてもよい。例えば、各プリプレグの強化繊維束の繊維軸方向が揃えられた一方向性材料、各プリプレグの強化繊維束の繊維軸方向が直交する直交積層材料、各プリプレグの強化繊維束の繊維軸方向が擬似等方となる擬似等方積層材料が挙げられる。積層体におけるプリプレグの積層枚数は、プリプレグの厚さと成形体に求められる厚さに応じて適宜設定できる。
本複合材料が成形体である場合には、加圧体で繊維強化複合材料前駆体を加圧する加圧工程は、成形工程として機能する。本複合材料前駆体を成形することにより成形体を得ることができる。繊維強化複合材料前駆体としてのプリプレグ1枚またはプリプレグ積層体どうしの間にさらに加圧体やシート材を挿入して複数の繊維強化複合材料として成形体を得ることもできる。本複合材料と、本複合材料以外の複合材料とが成形された成形体であってもよい。本複合材料の形状及び寸法は、用途に応じて適宜設定できる。成形工程は、特に限定されず、スタンピングプレス法、ヒートアンドクール法、オートクレーブ法、自動積層法等が挙げられる。
(加圧体)
加圧体1および加圧体2は、目的の繊維強化複合材料の形状に対応した形状とすることができる。プリプレグや積層板等の平らな繊維強化複合材料を製造する場合には、平板形状や円筒形状が適している。加圧体の厚みは、それぞれ標準偏差は5~35μmの範囲が好ましく、10~35μmの範囲がより好ましい。なお、加圧体が円筒形状の場合、その厚みは直径とすることができる。加圧体の厚さは、例えば、平板形状の場合には0.5~10mmが好ましく、1~5mmがより好ましい。円筒形状の場合には、直径が50~500mmが好ましく、100~300mmがより好ましい。加圧体の大きさは、例えば、平板形状(長方形)の場合には短辺は5~1000mmとすることができ、加圧時の繊維強化複合材料の幅に対して0~500mm大きく、長辺は100mm~5000mmとすることができ、加圧時の繊維強化複合材料の長さに対して0~500mm大きくすることが好ましい。加圧体の素材は、加圧時の最高温度により決定することができ、C/Cコンポジット、黒鉛、金属、ゴムが好ましく、加圧時の最高温度が200℃以上の場合は、C/Cコンポジット、黒鉛、鉄鋼、インバー、繊維強化プラスチックからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料からなる部分を含むことが好ましい。圧力分布、温度分布を均一にする観点から、C/Cコンポジットからなる加圧体であることが好ましい。400℃以上の耐熱性があり、成形温度を高くできることからC/Cコンポジットからなる部分を含むことがより好ましい。加圧体と本複合材料の間には、圧力を分散させるための公知のクッション材が挟まれていてもよい。また加圧体と本複合材料を離型させるための離型フィルム、離型紙が挟まれていてもよく、公知の離型剤を塗布してもよい。加圧体の面内方向の線膨張係数は、繊維強化複合材料の成形時の変形を抑制できるため、20×10-6(1/℃)以下が好ましく、5×10-6(1/℃)以下がより好ましい。
(繊維強化複合材料および繊維強化複合材料前駆体)
繊維強化複合材料(以下、本複合材料と称する場合がある)は、強化繊維とマトリックス樹脂とからなる。繊維強化複合材料としては、部品に成形するためのプリプレグ、特定形状に成形された成形体が挙げられる。繊維強化複合材料前駆体としては、強化繊維基材にマトリクス樹脂を含浸させたプリプレグ、および強化繊維基材にマトリクス樹脂シートを積層した積層材等の炭素繊維とマトリクス樹脂とからなる中間材が挙げられる。中間材に離型紙または離型フィルムが積層された積層体としてもよい。中間材が複数積層され、最表面に離型紙または離型フィルムが積層された積層体とすることもできる。離型紙または離型フィルムは、公知の離型処理を施したプラスチック、金属箔やフッ素樹脂などの材料からなるものを使用できるが、耐熱性の観点でポリイミドフィルムが好ましい。
本複合材料の厚さは、プリプレグの場合は、成形体の残留応力の点から、0.015~10.0mmが好ましく、0.04~6.0mmがより好ましい。成形体の場合は、例えば0.1~50mmで成形体の形状により適宜決定できる。本複合材料が成形体である場合のボイド率は、0.1~20体積%が好ましく、0.2~2体積%がより好ましく、0.2~1体積%がさらに好ましい。下限値以上では生産性に優れ、上限値以下では機械特性に優れる。強度の観点から、本複合材料の繊維体積含有率(Vf)は、20~75体積%が好ましく、40~65体積%がより好ましい。繊維強化複合材料前駆体全体の厚さは、成形体の残留応力の点から、0.015~10.0mmが好ましく、0.04~6.0mmがより好ましい。繊維強化複合材料としてプリプレグを製造する場合の繊維強化複合材料前駆体としてのプリプレグの含浸率は、5~98%が好ましく、20~80%がさらに好ましい。この場合の繊維体積含有率(Vf)は、1~74体積%が好ましく、4~60体積%がより好ましい。繊維強化複合材料として成形体を製造する場合の繊維強化複合材料前駆体としてのプリプレグの含浸率は、10~98体積%が好ましく、30~80体積%がより好ましい。この場合のプリプレグのボイド率は、2~90%が好ましく、20~70%がさらに好ましい。この場合の繊維体積含有率(Vf)は、2~74体積%が好ましく、6~60体積%がより好ましい。加工の寸法精度が上がることから、本複合材料の厚みの変動係数が5%以下であることが好ましく、変動係数が4%以下であることがより好ましい。熱可塑性樹脂と炭素繊維とからなり、変動係数が4%以下である繊維強化複合材料とすることが好ましく、厚さ40μm~50000μmの平板状且つ、厚みの変動係数が4%以下である繊維強化複合材料とすることがより好ましい。
(強化繊維)
強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、樹脂繊維等が挙げられ、それらを複数組み合わせてもよい。剛性、強度の点から炭素繊維が好ましい。炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等が挙げられる。強化繊維基材中の強化繊維の割合は、強化繊維基材の総質量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、100質量%が特に好ましい。強化繊維を複数本束ねてサイジング剤を付着させることにより、強化繊維束とすることができる。
(強化繊維束)
強化繊維束としては、工業的規模における生産性及び力学特性に優れる点から、3,000~60,000本からなるトウが好ましい。優れた引張強度を有する成形体を得るには、強化繊維束のストランド強度は、4000MPa以上が好ましく、5000MPa以上がより好ましい。強化繊維束のストランド弾性率は、十分な成形体の剛性が発現しやすいため、200GPa以上であることが好ましく、230GPa以上であることがより好ましい。また、強化繊維の表面及び内部の黒鉛結晶サイズが小さくなり、繊維断面方向の強度及び繊維軸方向の圧縮強度の低下が抑制されやすいことから380GPa以下であることが好ましく、350GPa以下であることがより好ましい。なお、強化繊維束のストランド強度及びストランド弾性率は、ASTM D4018に準拠した方法で測定される。
(強化繊維基材)
強化繊維基材の形態としては、連続した強化繊維束を一方向に引き揃えた一方向連続繊維形態、連続した強化繊維束を用いた平織、綾織、朱子織、ノンクリンプファブリック(NCF)、三次元織物等の織物形態、強化繊維束を用いたコンティニュアスストランドマットやチョップドストランドマット等の繊維形態が挙げられる。織物の配列を保持するため、強化繊維等によるステッチや熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂繊維の溶着等の固定方法を適用することができる。
強化繊維基材のサイジング剤付着率は、0.1~5.0質量%が好ましく、0.2~3.0質量%がより好ましく、0.2~1.5質量%がさらに好ましい。サイジング剤の付着率が前記範囲の下限値以上であれば、強化繊維が十分に収束しプリプレグ製造時に毛羽が発生しにくく、力学特性に優れた成形体が得られやすい。
(マトリックス樹脂)
マトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂等の熱可塑性樹脂や、それらを組み合わせた樹脂を用いることができる。成形サイクルの観点で、熱可塑性樹脂が好ましく、中でもポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、またはポリエーテルケトンケトン樹脂を含むことが好ましい。アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂等の、モノマーや低分子量体を強化繊維基材に含浸させた後、重合可能な樹脂を用いてもよい。マトリックス樹脂には、発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて公知の熱硬化性樹脂、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、難燃剤、顔料などの各種添加剤を含有させてもよい。マトリックス樹脂がフィルム形態の場合、フィルムの厚さは、10~100μmが好ましい。フィルムは、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよく、二次加工性に優れる点から、無延伸フィルムが好ましい。なお、無延伸フィルムには、延伸倍率が2倍未満であるフィルムを含むものとする。プリプレグ用フィルムの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、マトリックス樹脂組成物に用いる材料を溶融混練した後、フィルム状に押出成形し、冷却する方法が挙げられる。溶融混練には、単軸又は二軸押出機等の公知の混練機を用いることができる。押出成形は、例えば、Tダイ等の金型を用いることにより行える。溶融温度は、樹脂の種類や混合比率、添加剤の有無や種類に応じて適宜調整できる。冷却は、例えば、冷却されたキャストロール等の冷却機に接触させる方法が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]
炭素繊維MR50R(三菱ケミカル社製)を使用した一方向性繊維基材と、TダイにてPEEK樹脂(ダイセルエボニック社製 3300G、融点330~340℃)を押出成形した25μm厚みのフィルムを熱融着により張り合わせ、炭素繊維目付(FAW)が64g/mの未含浸繊維が残る繊維強化複合材料前駆体プリプレグを得た。
油圧プレス内の金型を380~420℃に温調し、その中に加圧体1及び加圧体2(約3mm厚さのC/Cコンポジット板)を配置した。次に前記3枚重ねた繊維強化複合材料前駆体プリプレグの両面に離型フィルム(宇部興産社製 ユーピレックス50S)を重ねたものを、前記加圧体1と加圧体2の間に通し、前記油圧プレスにて600MPa・秒加圧後、冷却固化させ、含浸した約0.2mm厚さの一方向性プリプレグを得た。加圧体1、加圧体2の厚み標準偏差はそれぞれ19μm、24μmであり、この時の加圧時の加圧体1と2の厚み合計標準偏差は31μmであった。マイクロメーター(ミツトヨ社製)を使用し、得られたプリプレグの厚みを90か所(繊維方向に6点×繊維直角方向に15点)計測し、その変動係数を計測した。その結果プリプレグ厚みの変動係数は3.4%であった。
[比較例1]
実施例1の加圧体1のC/Cコンポジット板を左右反転させた以外は、実施例1と同様にして、約0.2mm厚さの一方向性プリプレグを得た。この場合の加圧時の加圧体1と2の合計厚み標準偏差は41μmであり、加圧体1と2の厚い部分と薄い部分が近くに位置していると考えられる。その結果プリプレグ厚みの変動係数は4.4%であった。
Figure 2023140384000002

表1に示すように、実施例では加圧体の配置を調整することにより、比較例に比べて本複合材料の厚み精度に優れる繊維強化複合材料を製造できた。
1 加圧体1
2 加圧体2
3 繊維強化複合材料前駆体

Claims (13)

  1. 加圧体1および加圧体2で繊維強化複合材料前駆体を挟んで加圧する工程を含む繊維強化複合材料の製造方法であって、前記加圧体1の厚み標準偏差、前記加圧体2の厚み標準偏差、加圧体1と加圧体2の加圧時の合計厚み標準偏差がそれぞれ5~35μmとなるように加圧体1、加圧体2、および繊維強化複合材料前駆体を配置して挟む、繊維強化複合材料の製造方法。
  2. 前記加圧体が、C/Cコンポジット、黒鉛、金属、ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる部分を含む加圧体である、請求項1に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  3. 前記繊維強化複合材料が炭素繊維とマトリクス樹脂とからなる、請求項1または2に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  4. 加圧体1および加圧体2がいずれも板状または円筒状である、請求項1~3のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  5. 前記繊維強化複合材料が平板状である、請求項1~4のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  6. 前記繊維強化複合材料前駆体が、炭素繊維とマトリクス樹脂とからなる中間材に離型紙または離型フィルムが積層された積層体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  7. 前記繊維強化複合材料前駆体が、炭素繊維とマトリクス樹脂とからなる中間材が複数積層され、最表面に離型紙または離型フィルムが積層された積層体である、請求項1~6のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  8. 前記マトリクス樹脂が熱可塑性樹脂からなる、請求項3に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  9. 前記繊維強化複合材料前駆体を200℃以上に加熱する工程を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  10. 連続的または間欠的に加圧する、請求項1~9のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  11. 前記繊維強化複合材料がプリプレグである、請求項1~10のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の製造方法により製造された繊維強化複合材料を成形した成形体。
  13. 熱可塑性樹脂と炭素繊維とからなる厚さ40μm~50000μmの平板状の繊維強化複合材料であって、厚みの変動係数が4%以下である、繊維強化複合材料。
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