JP2023096758A - 赤外線吸収層付導電積層体 - Google Patents

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Qian Zhang
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Abstract

Figure 2023096758000001
【課題】赤外線吸収層の破断、剥離を防止し、センサ部の加熱成形が容易な赤外線吸収層付き導電積層体を提供する。
【解決手段】基材フィルム10と、基材フィルム10の表面に形成された電極層12と、を有するセンサ部14と、電極層12を覆って形成された赤外線吸収層16と、を備え、電極層12は導電性物質とバインダー樹脂とを含み、赤外線吸収層16を構成する樹脂成分は熱可塑性樹脂を含み、赤外線吸収層16の厚みは10μm~200μmであり、電極層12のバインダー樹脂のガラス転移温度Tg2が赤外線吸収層の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg1よりも高いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線吸収層付き導電積層体に関する。
タッチパネル等に使用されるフィルムセンサを立体成形する際には、真空容器内にフィルムセンサを配置し、赤外線で加熱しながら型をフィルムセンサに対して押圧する方法が行われている。この場合、フィルムセンサに形成されている電極層の導電材料として、銅、インジウム、樹脂バインダーが練り込まれた銀粉等のような金属が使用されていると、これらの金属は赤外線の吸収率が低いため、基材であるフィルムに比べて加熱されにくく、成形時に電極層の破断等が生じて立体成形が困難になるという問題があった。
そこで、下記特許文献1には、熱により延伸する基材フィルムと、前記基材フィルムの表面に形成された電極層とを有するセンサ部の表面に前記電極層を覆って赤外線吸収層を形成し、赤外線の吸収率を向上させて立体成形を容易にするフィルムセンサの構成が開示されている。
上記従来の赤外線吸収層を有するフィルムセンサは、基材フィルムと、その上に形成された電極層とによりセンサ部が形成され、センサ部を形成する電極層の上に赤外線吸収層が形成されている。しかし、従来の技術では、成形時に赤外線吸収層が基材フィルムや電極層の延伸に追随できないことがある。このため、赤外線吸収層に破断や剥離等の不具合が生じる恐れがある。赤外線吸収層に破断や剥離が生じると、電極層の加熱が不十分になり、上記成形時に電極層の破断等が生じるという問題を解決できない。
特許第6518639号公報
本発明は、赤外線吸収層の破断、剥離を防止し、センサ部の加熱成形が容易な赤外線吸収層付き導電積層体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の実施態様を含む。
[1]基材フィルムと、前記基材フィルムの表面に形成された電極層と、を有するセンサ部と、前記電極層を覆って形成された赤外線吸収層と、を備え、前記電極層は導電性物質とバインダー樹脂とを含み、前記赤外線吸収層は熱可塑性樹脂を含み、前記赤外線吸収層の厚みは10μm~200μmであり、前記電極層のバインダー樹脂のガラス転移温度Tg2が前記赤外線吸収層の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg1よりも高いことを特徴とする赤外線吸収層付き導電積層体。
[2]前記基材フィルムは基材形成用樹脂からなり、前記基材形成用樹脂のガラス転移温度Tg3が、110℃~150℃である[1]に記載の赤外線吸収層付導電積層体。
[3]前記電極層のバインダー樹脂のガラス転移温度Tg2が150℃以上である、[1]または[2]に記載の赤外線吸収層付き導電積層体。
[4]前記赤外線吸収層の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg1が110℃以下である、[1]から[3]のいずれか一に記載の赤外線吸収層付き導電積層体。
[5]前記電極層のバインダー樹脂がポリ-N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれる少なくとも一種であり、前記赤外線吸収層の熱可塑性樹脂がポリウレタン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも一種である[1]から[4]のいずれか一項に記載の赤外線吸収層付き導電積層体。
本発明によれば、赤外線吸収層の破断、剥離を防止し、センサ部の加熱成形が容易な赤外線吸収層付き導電積層体を提供することができる。
実施形態にかかる赤外線吸収層付き導電積層体の構成例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1には、実施形態にかかる赤外線吸収層付き導電積層体100の構成例が示される。図1において、赤外線吸収層付き導電積層体100は、基材フィルム10と、その表面に形成された電極層12とによりセンサ部14が形成されている。センサ部14を形成する電極層12の上には、電極層12を覆って赤外線吸収層16が形成されている。基材フィルム10は基材形成用樹脂からなる。電極層12は、導電性物質とバインダー樹脂とを含んで構成され、赤外線吸収層16は熱可塑性樹脂を含む。本明細書において、赤外線吸収層16とは、波長0.7~5.0μmの範囲内で、吸収してほしい特定の波長(或いは特定の波長範囲)の赤外線に対して、透過率が50%以下の層をいう。例えば、加熱成形において、吸収してほしい波長が780nm付近の近赤外線である場合、赤外線吸収層16は、波長が780nm付近の近赤外線に対して、透過率が50%以下とされる。ここで、吸収してほしい特定の波長は、例えば、加熱成形時に使用される赤外線ヒータが発生する赤外線の種類により決定することができる。赤外線吸収層16は赤外領域に極大吸収波長を有する赤外線吸収剤を更に含んでもよい。この場合、吸収してほしい特定の波長(或いは特定の波長範囲)に基づいて、赤外線吸収剤を選択すればよい。赤外線吸収層16の熱可塑性樹脂の含有量は40質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。赤外線吸収層16の熱可塑性樹脂の含有量は上記範囲内であれば、熱による赤外線吸収層16の延伸が容易になる。
上記赤外線吸収層付導電積層体100の成形温度は、基材フィルム10の柔軟性と延伸性を実現するために、110℃~150℃が好ましい。上記基材フィルム10としては、ガラス転移温度Tg3が110℃~150℃の基材形成用樹脂からなり、上記成形温度条件下で金型の形状に追従可能な程度の柔軟性及び延伸性を有する透明な非導電性のフィルムから適宜選択することができる。例えば、シクロオレフィンポリマー(COP、Tg3:136℃)、ポリカーボネート(PC、Tg3:150℃)、ポリメチルメタクリレート(PMMA、Tg3:120℃)からなるフィルムより選択でき、又はこれらのフィルムからなる積層体フィルムから選択できる。積層体フィルムとしては、ポリカーボネートフィルムとポリメチルメタクリレートフィルムからなる積層体フィルムが好ましい。また、基材フィルム10は2種以上の基材形成用樹脂を混合して形成されてもよい。2種以上の基材形成用樹脂を使用する場合、それぞれのガラス転移温度Tg3が110℃~150℃であることが好ましい。
電極層12に含まれる導電性物質としては、金属微粒子、カーボン微粒子、導電性酸化物微粒子等が挙げられる。
金属微粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、インジウム、アルミニウム、タングステン、モルブテン、白金等の金属単体微粒子や、銅-ニッケル合金、銀-パラジウム合金、銅-スズ合金、銀-銅合金、銅-マンガン合金などの合金微粒子、上記金属単体微粒子または合金微粒子の表面を、銀などで被覆した金属コート微粒子などが挙げられる。
カーボン微粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
導電性酸化物微粒子としては、酸化銀、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ルテニウムなどが挙げられる。
上記微粒子の形状としては、球状、連鎖球状、樹状、ワイヤー形状などが挙げられる。また、上記微粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、導電性組成物中での分散性や印刷性の保持、成形時の導電性維持の観点から、0.2μm~30.0μmが好ましく、0.5μm~25.0μmがより好ましい。
本実施においては、銀粉、銅粉、銀コート粉、銅合金粉、導電性酸化物粉、およびカーボン微粒子より選択される1種以上の導電性微粒子を含むことが好ましい。
電極層12に含まれるバインダー樹脂としては、モバイル用途や車載用途に必要な耐熱性と信頼性を満たすため、ガラス転移温度Tg2が150℃以上であるものを用いることが好ましい。例えば、ポリ-N-ビニルピロリドン(PVP、Tg2:150℃)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、Tg2:150℃)、ポリ-N-ビニルアセトアミド(PNVA(登録商標)、Tg2:179℃)を用いることができる。ここで、ポリ-N-ビニルアセトアミドは、N-ビニルアセトアミド(NVA)のホモポリマーである。また、N-ビニルアセトアミド(NVA)をモノマー単位として70モル%以上含む共重合体をバインダー樹脂として使用することもできる。ポリ-N-ビニルアセトアミドと共重合できるモノマーとしては、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。2種以上を併用する場合、それぞれのガラス転移温度Tg2が150℃以上であることが好ましい。
赤外線吸収層16に含まれる熱可塑性樹脂としては、加熱成形されるとき、赤外線吸収層16の亀裂、破断及び電極層12との剥離を防ぐために、電極層12及び基材フィルム10の変形に追従可能な程度の柔軟性及び延伸性を持ち、ガラス転移温度Tg1が110℃以下であるものを用いることが好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂(PU、Tg1:100℃)、ポリエステル(PEs、Tg1:108℃)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS、Tg1:100℃)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC、Tg1:80℃)、及びポリスチレン樹脂(PS、Tg1:100℃)等が挙げられる。これらの中では、延伸追従性に優れることから、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が好適である。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。2種以上を併用する場合、それぞれのガラス転移温度Tg1が110℃以下であることが好ましい。
赤外線吸収層16に含有可能な赤外線吸収剤としては、アミニウム系化合物、アントラキノン系化合物、ポリメチン系化合物、ジイモニウム系化合物、シアニン系化合物、ベンゾピリイウム系化合物などの有機系赤外線吸収剤が挙げられる。中でも、吸光係数が2万以上であるものが好ましく、5万以上であるものがより好ましい。吸光係数が2万以上であれば、赤外線吸収層を薄くしても、十分に機能を発揮できるため、好ましい。赤外線吸収剤の配合量は、赤外線吸収層16の熱可塑性樹脂100.0質量部に対して0.1~20.0質量部が好ましく、より好ましくは0.5~10.0質量部である。赤外線吸収剤の配合量は使用する赤外線吸収剤の吸光係数等の特性に応じて適宜決定する。また、酸化鉄、酸化セリウム、酸化錫、酸化アンチモンなどの金属酸化物、インジウム-錫酸化物、六塩化タングステン、塩化錫、硫化第二銅、クロム-コバルト錯塩又はチオール-ニッケル錯体等を赤外線吸収剤として、併用してもよい。
また、赤外線吸収層16の厚みは10μm~200μmである。好ましくは10μm~100μm、より好ましくは10μm~50μmである。上記範囲内であれば、センサ部14の加熱成形を容易にする熱量を十分吸収できると共に、赤外線吸収層付き導電積層体100の良好な光学透明性、フォルダブル用途に適用した際の屈曲耐性等を保つことができる。
本実施形態では、電極層12のバインダー樹脂のガラス転移温度Tg2が、赤外線吸収層16の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg1よりも高くなるように、バインダー樹脂及び熱可塑性樹脂の組み合わせが選択されている。このような組み合わせであると、加熱成形時に赤外線吸収層16の熱可塑性樹脂が電極層12のバインダー樹脂の延伸に充分追随できる。この結果、赤外線吸収層16に亀裂、破断が生じず、電極層12との剥離も生じないので、センサ部14を容易に加熱成形することができる。
本実施形態に係る赤外線吸収層付き導電積層体100の製造工程は、まず上記基材フィルム10の一方の主面に導電性物質とバインダー樹脂とを含む導電性ペーストを任意のパターン状に印刷し、これを乾燥させて厚みが10μm~30μmの電極層12を形成することによりセンサ部14を形成する。次に、熱可塑性樹脂、場合により、赤外線吸収剤を溶剤に溶解又は分散して、適切な粘度の赤外線吸収層用樹脂ペーストを作製する。作製した赤外線吸収層用樹脂ペーストを上記電極層12を覆うように重ね印刷し、乾燥させて、厚みが10μm~200μmの赤外線吸収層16を形成する。
電極層形成用の上記導電性ペーストは、導電性物質とバインダー樹脂と溶剤とをチルド三本ロールミル機等により分散することにより作製される。導電性ペーストに対して、導電性物質の含有率は、40~80質量%である。溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエ-テルアセテート、γ-ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(エチルカルビトールアセテート)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール、1-ヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、乳酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸エチルを用いることができる。これらの溶媒は、単独でもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、上記赤外線吸収層用樹脂ペーストに使用される溶剤としては、例えば、2-プロパノール(イソプロパノール)、1-プロパノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
また、上記導電性ペースト及び上記赤外線吸収層用樹脂ペーストの印刷方法として、スクリーン印刷、グラビア印刷およびそれらのオフセット印刷、バーコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の接触印刷、インクジェット印刷、スプレーコート、ディスペンサー等の非接触印刷が挙げられる
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
<電極層の作製>
導電性物質として銀微粒子粉(福田金属箔粉工業株式会社製、タップ密度2.5g/cm、比表面積0.8m/g、平均粒子径0.8μm)200質量部、バインダー樹脂としてPNVA(登録商標)GE191-103樹脂(昭和電工株式会社製)350質量部、溶剤としてエチルカルビトールアセテート(富士フイルム和光純薬株式会社製)170質量部を配合し、充分プレミックスした後に、チルド三本ロールミル機(井上製造所株式会社製、S-15x35)に3回通して分散し、導電性ペーストを得た。得られた導電性ペーストを使用し、基材フィルム10としてのポリカーボネート(PC)ベースフィルム(三菱ガス化学株式会社製、厚み100μm、Tg3:150℃)の上に、線幅2mm、長さ60mm、直線状のパターン(以後、直線状導電パターンという)をスクリーン印刷した。このパターンを、恒温器HISPEC HS350(楠本化成株式会社製)を用い、130℃で30分間の条件で乾燥させ、厚みが10μmの電極層12を得た。
<赤外線吸収層の作製>
熱可塑性樹脂としてポリウレタン樹脂(荒川化学工業株式会社製 KL564)100.0質量部と、赤外線吸収剤(シアニン系化合物、日本化薬株式会社製、CY-2、極大吸収波長780nm、吸光係数38万)1.0質量部とを、イソプロパノール(富士フィルム和光純薬株式会社製)で希釈し、赤外線吸収層用樹脂ペーストを作製した。この赤外線吸収層用樹脂ペーストは、ポリウレタンと赤外線吸収剤の合計含有量が20質量%であった。
上記赤外線吸収層用樹脂ペーストを、上記直線状導電パターンが幅方向の真ん中に来るように幅方向に10mm、長手方向に70mmでスクリーン印刷機によって直線状導電パターンを覆うように重ね印刷した。次いで、恒温器HISPEC HS350(楠本化成株式会社製)により120℃で30分間加熱することで、厚みが30μmの赤外線吸収層16を得た。
上記により、直線状導電パターンが赤外線吸収層16により被覆された赤外線吸収層付き導電積層体100を得た。
<赤外線吸収層の透過率の測定>
分光光度計(島津製作所社製UV3100)を用いて、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)フィルム(三菱ガス化学株式会社製、厚み25μm)の700~1500nmの波長範囲の透過率を測定した。赤外線吸収層16が吸収する特定の波長の赤外線を波長780nmの赤外線とする場合、PMMAフィルムの波長780nmでの透過率(93%)をblankとした。
次に、上記PMMAフィルムの上に、上記赤外線吸収層用樹脂ペーストをバーコーターを用いて塗布し、恒温器HISPEC HS350(楠本化成株式会社製)で、120℃で30分間加熱して、厚みが30μmの赤外線吸収層16を作製した。これにより、PMMAフィルムと赤外線吸収層からなる赤外線吸収層の透過率測定用の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを分光光度計(島津製作所社製UV3100)で700~1500nmの波長範囲での透過率を測定した。波長780nmでの透過率は10%以下であった。上記blankとの差により、赤外線吸収層16の、波長780nmの赤外線に対する透過率は20%以下と確認できた。
<成形評価>
上記赤外線吸収層付き導電積層体100の赤外線吸収層16が塗工されている部分(幅方向10mm、長手方向70mm)を切り出し、高温真空雰囲気引張試験装置(東京真空株式会社製VEF-1000型、加熱装置:近赤外線ヒータ)に設置し、真空雰囲気で成形温度(赤外線吸収層付導電積層体100の赤外線吸収層16の表面温度)が160℃になるよう、ヒータの温度を設定し、長手方向に引っ張り速度が10mm/分で延伸率ε=20%まで引っ張ることにより成形評価を行った。冷却後に光学顕微鏡を用いて赤外線吸収層付き導電積層体100の表面を観察した。評価結果を表1に示す。
表1において、赤外線吸収層16及び電極層12の状態について、亀裂、破断が生じず、かつ赤外線吸収層16と電極層12との剥離が生じていなかった場合を〇判定とし、赤外線吸収層16または電極層12が亀裂、破断、または赤外線吸収層16と電極層12との剥離が生じている場合を×判定とした。また、成形温度は、成形評価をする前に、表面にサーモラベル(登録商標)が貼り付けられたブランクの基材フィルムを高温真空雰囲気引張試験装置内に設置し、サーモラベル(登録商標)の表示温度が所定の成形温度になるように近赤外線ヒータの温度を調整することにより設定された。
(実施例2~4、比較例1~3)
実施例3、4と比較例2、3に使用される基材フィルム10をシクロオレフィンポリマーフィルム(COP、日本ゼオン株式会社製、ZeonorFilm(登録商標)ZF14-100、厚み:100μm)とし、電極層12に使用されるバインダー樹脂の種類、赤外線吸収層16に使用される熱可塑性樹脂の種類、赤外線吸収層16の厚み及び成形温度として表1に示した組み合わせを用いた以外は、実施例2~4、比較例1~3は実施例1と同様に赤外線吸収層付き導電積層体100を作製し、赤外線吸収層16の透過率の測定及び成形評価を実施した。その結果を表1に纏めた。
なお、表1に示される赤外線吸収層16に使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg1、電極層12に使用するバインダー樹脂のガラス転移温度Tg2、及び基材フィルム10に使用される基材形成用樹脂のガラス転移温度Tg3は、それぞれの樹脂材料5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製の示差走査熱量分析計(DSC)DSC-220を用いて、250℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
Figure 2023096758000002
表1に示される評価結果において、実施例1~4では、成形評価を行う際に赤外線吸収層16が適切な加熱時延伸性を有し、亀裂、破断、または電極層12との剥離が生じないことが確認された。これは、実施例1~4の場合、Tg2>Tg1の関係を満たしているからと考えられる。
一方、比較例1、2では、成形評価を行う際に赤外線吸収層16が適切な加熱時延伸性を有さず、亀裂、破断、または電極層12との剥離が生じた。これは、Tg2<Tg1となっているためと考えられる。
また、比較例3では、Tg2>Tg1の関係は満たされているため、赤外線吸収層16の亀裂破断、及び赤外線吸収層16と電極層12の剥離は生じないが、電極層12に亀裂が生じた。これは、赤外線吸収層16の厚みが5μmで、赤外線透過率が75%以上であるため、赤外線吸収層16における熱量の吸収が不足し、電極層12へ伝導した熱量が不十分のためと考えられる。
10 基材フィルム、12 電極層、14 センサ部、16 赤外線吸収層、100 赤外線吸収層付き導電積層体。

Claims (5)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルムの表面に形成された電極層と、を有するセンサ部と、
    前記電極層を覆って形成された赤外線吸収層と、
    を備え、
    前記電極層は導電性物質とバインダー樹脂とを含み、
    前記赤外線吸収層は熱可塑性樹脂を含み、
    前記赤外線吸収層の厚みは10μm~200μmであり、
    前記電極層のバインダー樹脂のガラス転移温度Tg2が前記赤外線吸収層の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg1よりも高いことを特徴とする赤外線吸収層付き導電積層体。
  2. 前記基材フィルムは基材形成用樹脂からなり、前記基材形成用樹脂のガラス転移温度Tg3が、110℃~150℃である請求項1に記載の赤外線吸収層付導電積層体。
  3. 前記電極層のバインダー樹脂のガラス転移温度Tg2が150℃以上である、請求項1または2に記載の赤外線吸収層付き導電積層体。
  4. 前記赤外線吸収層の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg1が110℃以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の赤外線吸収層付き導電積層体。
  5. 前記電極層のバインダー樹脂がポリ-N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれる少なくとも一種であり、前記赤外線吸収層の熱可塑性樹脂がポリウレタン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも一種である請求項1から4のいずれか一項に記載の赤外線吸収層付き導電積層体。

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