JP2016091627A - 透明導電基材 - Google Patents

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Kenichi Ogawa
健一 小川
坪井 達也
Tatsuya Tsuboi
達也 坪井
本間 聡
Satoshi Honma
聡 本間
健祐 大塚
Kensuke Otsuka
健祐 大塚
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Abstract

【課題】本発明は、金属繊維を用いた透明導電部の非視認性を向上させることが可能な透明導電基材を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に設けられ、少なくとも金属繊維を含む透明導電部と、上記透明基材上の上記透明導電部に隣接して設けられた非導電部と、を有し、上記非導電部上には、複数本のライン状のダミーパターンが形成されており、上記ダミーパターンは、少なくとも金属繊維を含み、非導通となる線幅を有することを特徴とする透明導電基材を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属繊維を含有するパターン状の透明導電部が形成された透明導電基材に関する。
従来、LCD、PDP等のディスプレイ、タッチパネル、太陽電池等の透明電極として、透明かつ導電性の薄膜からなる透明導電層が用いられている。この透明導電層を有する透明導電基材としては、透明基材上に酸化インジウムスズ(ITO)等からなる透明導電層(以下、ITO膜と略する場合がある。)を積層したものが用いられてきた。
しかしながら、このようなITO膜の形成方法としては、スパッタリング等の真空プロセスが必要となり生産コストが高くなるといった問題や、ITO膜に所望の導電性を有するものとするために高温で焼成する必要があることから、透明基材等の材料に大きな制約があるといった問題があった。さらには、ITO膜は割れやすく、フレキシブル性が求められる用途に用いることができないといった問題があった。
このような問題に対して、ITOに代わる導電材料として、透明性、低抵抗、使用金属量の低減の観点から、金属ナノワイヤが提案されている。例えば、特許文献1では、透明樹脂基材上に金属ナノワイヤおよび金属ナノワイヤを固定するバインダ樹脂を含有する透明導電層が形成された透明導電基材が開示されている。このような透明導電層は、例えば、透明樹脂基材上に金属ナノワイヤおよびバインダ樹脂を溶媒に分散させたインク(以下、金属ナノワイヤインクと称する場合がある。)を塗布し、乾燥することで形成される。
国際公開第2010/106899号パンフレット 特表2010−507199号公報 特開2013−12016号公報
ところで、各種デバイスにおいては、透明電極はパターン状に形成されるのが一般的である。しかしながら、金属ナノワイヤを用いた透明導電層をパターニングして透明電極とする場合、透明電極が形成された部分とそれ以外の部分とでは、ヘイズ値に差が生じることから、透明導電基材をデバイスに用いる際に透明電極のパターンが視認される、いわゆるパターン見えが生じるという問題がある。
上述したパターン見えを防止する方法として、特許文献2では、金属ナノワイヤを用いた透明導電層をパターニングする際に、パーシャルエッチングを行うことで、非導電部に相当する部分の金属ナノワイヤの濃度を低下させて、導電部および非導電部間のヘイズ値差を小さくする方法が開示されている。
しかし、上記方法により形成された透明導電基材では、導電部および非導電部における金属ナノワイヤの濃度差を目視や光学検査により判別しにくく非導電部の存在を確認しにくい上、金属ナノワイヤの濃度によっては非導電部においても導通が起こるという問題がある。
また、特許文献3では、透明導電膜からなる導電内に非導通となる孔パターンを形成し、一方、透明導電膜が形成されていない非導電部内に透明導電膜からなる島パターンを形成することで、導電部および非導電部における透明導電膜の被覆率の違いを利用して領域間のヘイズ値差の解消を図る方法が開示されている。
しかし、上記方法の場合、各領域の被覆率を調整してヘイズ値差を解消するためには、孔パターンおよび島パターンの個々の孔および島のサイズをランダムに変化させて配置しなければならない。そのため、電極の線幅やパターン形状等に応じて、孔および島の配置のランダム性や充填密度の最適値を算出しなければならず、製造設計が困難であり、ヘイズ値差を容易に解消できないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、金属繊維を用いた透明導電部の非視認性を向上させることが可能な透明導電基材を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に設けられ、少なくとも金属繊維を含む透明導電部と、上記透明基材上の上記透明導電部に隣接して設けられた非導電部と、を有し、上記非導電部上には、複数本のライン状のダミーパターンが形成されており、上記ダミーパターンは、少なくとも金属繊維を含み、非導通となる線幅を有することを特徴とする透明導電基材を提供する。
本発明によれば、少なくとも金属繊維を含み、非導通となる線幅を有するダミーパターンが非導電部上に複数本形成されていることから、透明導電部および非導電部間のヘイズ値差を小さくすることができ、透明導電基材における透明導電部の非視認性を向上させることができる。また、目視や光学的検査により、ダミーパターンの存在を認識することができるため、ダミーパターンの非導通化を容易に確認することができる。
上記発明においては、上記ダミーパターンが、隣接する上記透明導電部間を連結するように配置されていることが好ましい。非導電部に所望の線幅を有する非導通のダミーパターンが透明導電部間を連結するように形成されていることで、ダミーパターンを配置する面積が向上し、透明導電部の非視認性を向上させることが可能だからである。
上記発明においては、隣接する上記透明導電部間に有する非導電部の幅が、上記金属繊維の平均長以上であることが好ましい。隣接する透明導電部間に位置する非導電部の幅が金属繊維の平均長以下である場合に、非導電部に配置されたダミーパターンにより導通が生じてしまう場合があるからである。
本発明においては、非導電部に所望の線幅を有する非導通のダミーパターンが形成されていることで、透明導電部の非視認性が向上した透明導電基材を提供することができるという効果を奏する。
本発明の透明導電基材の一例を示す概略平面図である。 図1のX−X線断面図である。 本発明におけるダミーパターンの態様の例を説明する概略断面図である。 本発明におけるダミーパターンの配置パターンの例を説明する概略平面図である。
以下、本発明の透明導電基材について詳細に説明する。
本発明の透明導電基材は、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に設けられ、少なくとも金属繊維を含む透明導電部と、上記透明基材上の上記透明導電部に隣接して設けられた非導電部と、を有し、上記非導電部上には、複数本のライン状のダミーパターンが形成されており、上記ダミーパターンは、少なくとも金属繊維を含み、非導通となる線幅を有することを特徴とするものである。
本発明の透明導電基材について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の透明導電基材の一例を示す概略平面図であり、図2は図1のX−X線断面図である。
図1および図2で例示するように、本発明の透明導電基材10は、透明基材1、透明基材1上にパターン状に設けられた透明導電部2、および透明基材1上の透明導電部2に隣接して設けられた非導電部3を有する。また、非導電部3上には、複数本のライン状のダミーパターン4が間隔を開けて配置されている。図1に示す例においては、ダミーパターン4は隣接する透明導電部2間を連結するように配置されている。
透明導電部2およびダミーパターン4はそれぞれ、少なくとも金属繊維11を含む組成から成り、金属繊維11同士が結着して接点を有する。また、ダミーパターン4は、非導通となる線幅Tに設計されている。
本発明によれば、少なくとも金属繊維を含み、非導通となる線幅を有するダミーパターンが非導電部上に複数本形成されていることから、透明導電部および非導電部間のヘイズ値差を小さくすることができ、透明導電基材における透明導電部の非視認性を向上させることができる。
また、本発明によれば、目視や光学的検査によりダミーパターンの存在を認識することができるため、ダミーパターンの非導通化を容易に確認することができる。
以下、本発明の透明導電基材の詳細について説明する。
1.非導電部
本発明における非導電部は、透明基材上の透明導電部に隣接して設けられる。
また、上記非導電部上には、複数本のライン状のダミーパターンが間隔を開けて配置されており、上記ダミーパターンは、少なくとも金属繊維を含み、非導通となる線幅を有する。
(1)ダミーパターン
非導電部におけるダミーパターンは、少なくとも金属繊維を含んでいればよく、上記ダミーパターンは透明導電部と同一の組成で形成されていてもよく、透明導電部と異なる組成で形成されていても良い。
中でもダミーパターンが透明導電部と同一の組成で形成されることが好ましい。金属繊維を含む透明導電層形成用塗工液を透明基材上に塗布し、得られた透明導電層をパターニングして透明導電部を形成する際に、所望の線幅のダミーパターンも同時にパターニングすることができ、本発明の透明導電基材の製造を容易に行うことができるからである。また、ダミーパターンと透明導電部とが同一の組成で形成されることで、ダミーパターンにおける単位面積当たりの金属繊維の含有量が、透明導電部における単位面積当たりの金属繊維の含有量と同等となる。このため、非導電部上に所望の線幅でダミーパターンを形成した場合に、ダミーパターンを含む非導電部と透明導電部とのヘイズ値差を小さくすることができるからである。
ダミーパターンおよび透明導電部における「単位面積当たりの金属繊維の含有量」とは、各領域中の「金属繊維の面密度」で規定することができる。以下の説明においては、各領域中の「金属繊維の面密度」のことを「金属繊維密度」と称して説明する。
ダミーパターンに含まれる金属繊維およびその他の材料についての詳細については、後述する「2.透明導電部」の項で説明する内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。なお、ダミーパターンが透明導電部と同一の組成を有する場合、ダミーパターンに含まれる金属繊維の平均長、平均直径、アスペクト比等は、透明導電部に含まれる金属繊維の平均長、平均直径、アスペクト比等と、通常、同一となる。
本発明においてダミーパターンは、非導通となる線幅を有する。ここで、非導通となるダミーパターンの線幅について説明する。
金属繊維を含む透明導電層においては、金属繊維同士が接点を有することで上記接点を介して電子の移動が可能となるため、接点を有する金属繊維間には導電パスが形成される。そして、上記接点の数が所望の数以上になると、導電パスの増加により透明導電層内全体に金属繊維により形成された無限に大きなクラスターが存在することとなり、導電性が急激に向上する現象が生じる。このような現象を「パーコレーション現象」と称し、透明導電層の導電性が急激に向上するときの金属繊維同士の接点の数を「接点数のパーコレーション閾値」と称する。
しかし、上記透明導電層をパターニングし、そのパターン幅を小さくしていくと、パターン内の金属繊維同士の接点数が減少することとなり、上記パターン幅がある大きさ以下となると、上記パターン中の上記接点数がパーコレーション閾値以下となる。その結果、上記透明導電層のパターンは、導電性が発現されず非導通となる。このときのパターン幅が、非導通となる線幅の閾値となり、上記閾値以下の線幅を有する透明導電層のパターンが、本発明におけるダミーパターンとなる。
すなわち、本発明において、「非導通となるダミーパターンの線幅」とは、ダミーパターン中の金属繊維の接点数がパーコレーション閾値未満となる線幅をいう。
ダミーパターンが非導通となる線幅は、ダミーパターン中の金属繊維密度によって変わる。すなわち、ダミーパターン中の金属繊維密度が高い程、ダミーパターンが非導通となる線幅の閾値値は小さくなり、他方、上記金属繊維密度が低いほど、ダミーパターンが非導通となる線幅の閾値値は大きくなる。これは、金属繊維の接点数のパーコレーション閾値が、ダミーパターン中の金属繊維密度等に応じて設定されるところ、上記金属繊維密度が高い程、金属繊維同士が接点を有しやすくなるため、接点数がパーコレーション閾値未満となるためのダミーパターンの線幅は細幅とする必要があるからである。一方、ダミーパターン中の金属繊維密度が低い程、金属繊維同士は接点を有しにくいことから、ダミーパターンの線幅が大きくても、接点数がパーコレーション閾値未満となるからである。
また、同じ金属繊維密度であっても、金属繊維の平均長および平均直径によっては、金属繊維同士の接点数が異なるため、ダミーパターンが非導通となる線幅が変化する。
すなわち、ダミーパターンが非導通となる線幅は、ダミーパターンに含まれる金属繊維の平均長および平均直径、ならびにダミーパターン中の金属繊維密度により決定することができる。
例えば、金属繊維が平均長約10μm、平均直径30nmの銀ナノワイヤの場合で、金属繊維密度が6mg/mである場合、ダミーパターンの線幅は30μm〜150μmの範囲内、中でも75μm〜150μmの範囲内、特に100μm〜150μmの範囲内が好ましい。また、金属繊維が平均長約10μm、平均直径30nmの銀ナノワイヤの場合で、金属繊維密度が7.2mg/mである場合、ダミーパターンの線幅は30μm〜100μmの範囲内、中でも50μm〜100μmの範囲内、特に75μm〜100μmの範囲内が好ましい。さらに、金属繊維が平均長約10μm、平均直径30nmの銀ナノワイヤの場合で、金属繊維密度が8.8mg/mである場合、ダミーパターンの線幅は30μm〜50μmの範囲内、特に40μm〜50μmの範囲内が好ましい。
金属繊維の平均長および平均直径、ならびにダミーパターン中の金属繊維密度により決定されるダミーパターンの線幅の範囲よりも大きいと、ダミーパターンが導通する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、非導電部と透明導電部とのヘイズ値差が大きくなり、透明導電部が視認されやすくなる場合があるからである。
非導通となるダミーパターンの線幅を決定する方法としては、非導通となる線幅の閾値の特定が可能な方法であればよく、例えば以下の方法により決定される。
まず、透明導電層形成用塗工液に含有する金属繊維の平均長および平均直径を選択する。次に、上記金属繊維を含有する透明導電層形成用塗工液を用いて、所望の金属繊維密度となるように透明導電層を形成し、上記透明導電層に対してエッチングやレーザー加工等により、様々な線幅のパターン(透明導電パターンとする。)を形成する。得られた透明導電パターンについて、4端子法によりパターン両端で抵抗値を測定し、絶縁性を評価する。これにより非導通となるパターンの線幅の閾値を特定することができる。
ダミーパターンの線幅は、特定された閾値以下の範囲内で、非導電部に設けられるダミーパターンの本数や、非導電部と透明導電部とのヘイズ値差等を考慮して決定することができる。
ダミーパターン中の金属繊維密度については、ダミーパターンを非視認性の向上を図ることが可能な線幅とすることが可能な大きさであればよく、例えば、3mg/m〜15mg/mの範囲内、中でも4mg/m〜12mg/mの範囲内、特に5mg/m〜10mg/mの範囲内であることが好ましい。
また、ダミーパターンを含む非導電部と透明導電部とのヘイズ値差を小さくするという観点から、ダミーパターン中の金属繊維密度が後述する透明導電部中の金属繊維密度と同じであることが好ましい。
ダミーパターンの厚さ、屈折率、光透過率およびヘイズ値については、「2.透明導電部」の項で説明する透明導電部の厚さ、屈折率、光透過率およびヘイズ値と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
ダミーパターンにおける抵抗値としては、非導電部が非導通となればよく、例えば1MΩ以上が好ましい。なお、ダミーパターンの抵抗値は、4端子法により測定される値である。
ダミーパターンは、図3(a)で例示するように、金属繊維11の表面が露出した状態で接点が形成された態様であってもよく、図3(b)で例示するように、任意の材料である樹脂12からなる層内に金属繊維11同士が接点を形成して存在する態様であってもよい。なお、図3は本発明におけるダミーパターンの態様の例を説明する説明図であり、図3において説明しない符号については図1と同様とする。
さらに、ダミーパターンは、後述する保護層内にダミーパターンを構成する金属繊維が包含されて成る態様であってもよい。
ダミーパターンはライン状であればよく、ラインの形状については特に限定されないが、例えば直線状、曲線状等が挙げられる。ダミーパターンは少なくとも透明導電部間を接続する長さを有する。
ダミーパターンは、複数本が間隔を開けて非導電部上に配置される。複数本のダミーパターンは、その線幅が全て同じであってもよく、異なる線幅であってもよい。また、複数本のダミーパターンは、等間隔で配置されていてもよく、異なる間隔で配置されていてもよい。中でも、非導電部上において、複数のダミーパターンが異なる線幅で且つ異なる間隔で配置されることが好ましい。非導電部においてモアレ等の発生を防ぐことができるからである。
なお、透明導電部間に配置されるダミーパターンの本数は、透明導電部と非導電部とのヘイズ値差を所望の範囲内とすることが可能な本数であればよく、線幅に応じて適宜設定することができる。
ダミーパターンの具体的な配置間隔としては、特に限定されず、ダミーパターンの線幅等に応じて適宜設定することができる。上記配置間隔が小さい程、非導電部に配置されるダミーパターンの数が多くなるため、非導電部と透明導電部とのヘイズ値差が小さくなり、透明導電基材全体での透明導電部の非視認性を均一に向上させることができる。具体的には、ダミーパターンの配置間隔が、10μm〜100μmの範囲内が好ましく、中でも30μm〜50μmの範囲内が好ましい。ダミーパターンの配置間隔が上記範囲よりも大きいと、非導電部におけるダミーパターン間の領域が容易に視認される場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、エッチングやレーザー加工によるパターニングが困難になる場合がある。
非導電部上における複数のダミーパターンの配置パターンは特に限定されず、例えば、図4(a)で例示するような透明導電部2のパターンと平行となる配置パターン、図1、図4(b)および(c)で例示するような透明導電部2、2A、2Bのパターンと交差する配置パターン等とすることができる。また、各ダミーパターンの長手方向が同一の方向を向く配置パターンであってもよく、各ダミーパターンの長手方向がランダムな方向を向く配置パターンであってもよい。
上記ダミーパターンは、長手方向の少なくとも一方の端部が透明導電部と接続して配置されていてもよく、両方の端部が透明導電部と接続して配置される、すなわちダミーパターンが隣接する透明導電部間を連結するように配置されていてもよい。非導電部に所望の線幅を有する非導通のダミーパターンが透明導電部間を連結するように形成されていることで、ダミーパターンを配置する面積が向上し、透明導電部の非視認性を向上させることが可能だからである。
なお、非導電部において非導通のダミーパターンが、隣接する透明導電部間を連結するように形成されているとは、例えば図4(b)および(c)で示すように、ダミーパターン4が透明導電部2Aおよび2B間を連結することをいう。
(2)その他
本発明における非導電部は、上述のダミーパターンが形成されていればよいが、必要に応じて任意の部材を有していても良い。例えば、透明導電部またはダミーパターンからのマイグレーションを防止するためのマイグレーション防止層が形成されていてもよい。マイグレーション防止層の詳細については、一般に導電基材に用いられるマイグレーション防止層と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
ダミーパターンを含む非導電部の屈折率としては、透明導電部の屈折率と非導電部の屈折率との差を、所望の範囲内とすることができる大きさであれば特に限定されず、例えば1.25〜1.45の範囲内、中でも1.30〜1.45の範囲内、特に1.30〜1.40の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明において「屈折率」とは、特段の断りがない限り、波長550nmの光に対する屈折率をいうものとする。屈折率の測定方法は特に限定されないが、分光反射スペクトルから算出する方法、エリプソメーターを用いて測定する方法、アッベ法等を挙げることができる。エリプソメーターとしては、ジョバンーイーボン社製UVSELが挙げられる。なお、本件の屈折率は、テクノ・シナジー社製DF1030Rにて測定した値である。
ダミーパターンを含む非導電部のヘイズ値としては、透明導電部とのヘイズ値差を所望の範囲内とすることが可能な大きさであればよく、例えば1.0以下、中でも0.8以下、特に0.5以下であることが好ましい。非導電部のヘイズ値が上記範囲よりも大きいと、透明導電部とのヘイズ値差が大きくなり、透明導電部が視認されやすくなるからである。
なお、ヘイズ値は、JIS−K7136に準拠した方法で測定することができ、例えば準積分球を用いて、東洋精機製作所(株)製の直読ヘイズメーターにより測定することができる。以下の説明におけるヘイズ値の測定方法についても同様とする。
非導電部の形状および幅等については透明導電部の形状および配置パターンに応じて適宜設定される。中でも、隣接する透明導電部間に位置する非導電部の幅が、上記金属繊維の平均長以上であることが好ましい。隣接する透明導電部間に位置する非導電部の幅が金属繊維の平均長以下である場合に、非導電部に配置されたダミーパターンにより導通が生じてしまう場合があるからである。
なお、隣接する透明導電部間に位置する非導電部の幅とは、隣接する透明導電部の平面視外形形状のうち、最も近接する部分の幅をいい、例えば図1においてWで示す部分である。
2.透明導電部
本発明における透明導電部は、透明基材上にパターン状に設けられ、少なくとも金属繊維を含む。
(1)金属繊維
透明導電部における金属繊維としては、例えば、金属ナノワイヤ、金属マイクロワイヤ、金属ナノチューブ、金属マイクロチューブ等が挙げられる。中でも、透明性および導電性に優れることから、金属ナノワイヤが好ましい。
金属繊維を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物が挙げられる。具体的には、銀、銅、金、白金、ニッケル、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、錫、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、またはこれらの合金等が挙げられる。また、ZnO等も挙げられる。金属繊維は、1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、金属ナノワイヤおよび金属マイクロワイヤはコアシェル構造を有するものであってもよい。例えば、銀をコア、金や白金をシェルとするものを挙げることができる。この場合、銀が金または白金で覆われているため、銀の酸化を抑制することができ、良好な導電性を得ることができる。シェルとして用いられる金属材料としては、上述した金、白金の他にパラジウムや銅等が挙げられる。さらに、金属繊維を構成する金属の種類にもよるが、金属繊維の表面は酸化されていてもよい。
金属繊維の平均直径としては、金属繊維の形態や透明導電基材の用途等に応じて適宜調整され、例えば0.1nm〜1mmの範囲内、中でも0.1nm〜100μmの範囲内であることが好ましい。金属ナノワイヤの場合、平均直径は1nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、中でも10nm〜80nmの範囲内、特に20nm〜60nmの範囲内、さらには40nm〜60nmの範囲内であることが好ましい。金属繊維の平均直径が上記範囲内であれば、導電性および透明性を確保することができる。
また、金属繊維の平均長としては、金属繊維の平均直径よりも十分に大きければよく、金属繊維の形態や透明導電基材の用途等に応じて適宜調整される。金属ナノワイヤの場合、平均長は50nm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜500μmの範囲内であることが好ましい。金属繊維の長さが長ければ、1本の金属繊維で長い導電パスを形成することができる。
ここで、金属繊維の直径および長さは、例えば透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。
また、金属繊維はアスペクト比(金属繊維の長さ/金属繊維の直径)が大きいことが好ましい。アスペクト比を大きくすることで、効果的に金属繊維同士が結着し、接点を形成することが可能となるからである。また、透明導電部が、高透明性且つ低ヘイズ値を示すことが可能となるからである。
具体的なアスペクト比としては、例えば金属ナノワイヤの場合、100〜5000の範囲内が好ましい。金属ナノワイヤのアスペクト比が上記範囲よりも小さいと、金属ナノワイヤ同士の接点を効果的に形成することができず、透明導電部が高抵抗値を示すこととなる。さらに、得られる透明導電部の光吸収および反射成分が大きくなるため、光透過性が低下する傾向となる。一方、金属ナノワイヤのアスペクト比が上記範囲よりも大きいと、金属ナノワイヤの精製に時間がかかるため、本発明の透明導電基材の生産性が低下する場合がある。アスペクト比は、例えば透過型電子顕微鏡を用いて算出が可能である。
金属繊維の製造方法としては、公知の方法であればよく特に限定されるものではない。
透明導電部における金属繊維の含有量、すなわち透明導電部中の金属繊維密度としては、所望の導電性を付与することができればよく、金属繊維の種類や透明導電基材の用途等に応じて適宜決定することができ、特に限定されない。透明導電部中の金属繊維密度としては、例えば3mg/m〜15mg/mの範囲内、中でも4mg/m〜12mg/mの範囲内、特に5mg/m〜10mg/mの範囲内であることが好ましい。透明導電部の金属繊維密度を上述の範囲内とすることにより、透明導電部の透明性および導電性を良好なものとすることができるからである。
(2)任意の材料
本発明における透明導電部は、金属繊維の他に必要に応じて任意の材料を含んでいてもよい。以下、任意の材料について説明する。
(a)樹脂
透明導電部は、金属繊維同士を結着させるための樹脂を含んでいてもよい。
透明導電部における樹脂としては、絶縁性を有し、バインダとして機能するものであれば特に限定されるものではなく、例えば熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂等が挙げられる。
上記樹脂は、安定剤、分散剤、酸化防止剤、粘度調整剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
透明導電部における樹脂の含有量としては、金属繊維の含有量よりも少ないことが好ましい。具体的には、金属繊維100質量部に対して樹脂の含有量が100質量部以下であることが好ましく、中でも50質量部以下、特に30質量部以下であることが好ましい。金属繊維に対する樹脂の含有量が上記範囲よりも大きいと、上記樹脂は絶縁性を示すことから電気抵抗が高くなり、本発明の透明導電基材の導電性を低下させる場合がある。
(b)その他の任意材料
上記透明導電部は、例えば、界面活性剤、分散剤、増粘剤、導電剤、安定剤、酸化防止剤、粘度調整剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
(3)その他
透明導電部の厚さとしては、所望の導電性を発揮することが可能な大きさであればよく、例えば10nm〜5.0μmの範囲内、中でも20nm〜1.0μmの範囲内、特に30nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。透明導電部が上記範囲よりも薄いと導通が取り難く、製造も困難になる場合があり、一方、透明導電部が上記範囲よりも厚いと製造コストが高くなる場合がある。
透明導電部の表面抵抗率としては、透明導電基材に求められる導電性に応じて適宜設定することができ、例えば10Ω/□〜500Ω/□の範囲内が好ましく、中でも25Ω/□〜400Ω/□の範囲内、特に50Ω/□〜300Ω/□の範囲内が好ましい。なお、表面抵抗率は、例えば(株)三菱化学アナリテック社製の抵抗率計ロレスタ「AX MCP−T370型」、「EP MCP−T360型」を用いて測定することができる。
透明導電部の屈折率としては、透明基材や金属繊維等の種類に応じて適宜決定され、特に限定されないが、1.25〜1.45の範囲内、中でも1.30〜1.45の範囲内、特に1.30〜1.40の範囲内であることが好ましい。透明導電部の屈折率が大きすぎる場合、または小さすぎる場合は、非導電部の屈折率との差を所望の範囲内に調整することが困難となる可能性があるからである。
透明導電部のヘイズ値としては、金属繊維等の種類により適宜決定され、特に限定されないが、例えば、1.0以下、中でも0.8以下、特に0.5以下であることが好ましい。ヘイズ値が上記範囲内であることにより、透明性を良好なものとすることができるからである。
透明導電部の透明性については、厳密な透過率で規定されず、本発明の透明導電基材の用途等に応じて適宜決定することができる。なお、透明導電部の「透明」には、無色透明および視認性を妨げない程度の有色透明を含む。
透明導電部は、透明基材上にパターン状に形成されている。本発明の透明導電基材の平面視上における透明導電部のパターンとしては、所望の導電性を発揮できる形状であれば特に限定されず、例えば一般的なタッチパネルセンサにおけるセンサ電極のパターンと同様とすることができる。また、透明電極部の平面視外形形状についても、同様に一般的なタッチパネルセンサにおけるセンサ電極の平面視外形形状と同様とすることができる。
透明導電部は、図3で例示したダミーパターンの態様と同様に、金属繊維の表面が露出した状態で接点が形成された態様であってもよく、任意の材料である樹脂からなる層内に金属繊維同士が接点を形成して存在する態様であってもよい。
さらに、透明導電部は、後述する保護層内に透明導電部を構成する金属繊維が包含されて成る態様であってもよい。
3.透明基材
本発明における透明基材は、所望の透明性を有し、透明導電部およびダミーパターンを支持することが可能なものであれば特に限定されず、例えば、透明樹脂基材、透明無機基材等を用いることができる。また、透明基材は、剛性を有していてもよく柔軟性を有していてもよい。
透明樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリイミド、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等が挙げられる。
なお、透明基材は、必要に応じて添加剤が含有されていてもよい。添加剤としては、透明基材を構成する樹脂の種類等に応じて適宜選択されるものであり、例えば透明基材を構成する樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合には重合開始剤が挙げられる。
一方、透明基材が透明無機基材である場合の材料としては、例えばソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等のガラス、PLZT等のセラミックス、石英、蛍石等が挙げられる。
透明基材は、透明導電部およびダミーパターンとの密着性を向上させるために表面処理が施されていてもよい。表面処理については一般的な方法を挙げることができる。
透明基材は、単層であってもよく、同一のまたは異なる材質の透明基材を二層積層させたものであってもよい。
透明基材の厚みとしては、本発明の透明導電基材の用途に応じて適宜選択される。例えば、透明導電基材をタッチパネルセンサに用いる場合には、透明基材の厚みは20μm〜1500μm程度で設定することができる。
透明基材は透明性を有するものである。ここで、本発明において「透明」または「透明性」とは、特段の断りがない限り、本発明の透明導電基材が用いられた製品の使用者が、画面または操作面からの視認を妨げない程度の透明性をいう。したがって、本発明における「透明」とは、無色透明および視認性を妨げない程度の有色透明を含み、また厳密な透過率で規定されず、本発明の透明導電基材の用途等に応じて適宜決定することができる。
4.その他
本発明の透明導電基材は、透明基材、透明導電部、非導電部の他に、任意の部材を有していてもよい。任意の部材としては、例えば、透明導電部および非導電部を保護する保護層、透明導電部およびダミーパターンと透明基材との密着性を向上させるためのプライマー層、アンダーコート層等が挙げられる。保護層としては、例えば特表2009―505358号公報で開示されるマトリクス材等が挙げられる。なお、透明導電部およびダミーパターン上に保護層が形成される場合、透明導電部およびダミーパターンの金属繊維が保護層内に包含されていてもよく、さらに金属繊維の一部が保護層の表面から突出していてもよい。
本発明の透明導電基材は、透明導電部と非導電部との屈折率値の差が小さいことが好ましい。具体的には、上記屈折率差の絶対値が0.13以下、中でも0.12以下、特に0.10以下であることが好ましい。透明導電部と非導電部との屈折率差が上記範囲よりも大きいと、透明導電部が視認されやすくなるからである。
本発明の透明導電基材は、透明導電部と非導電部とのヘイズ値の差が小さいことが好ましい。具体的には、透明導電部のヘイズ値と非導電部のヘイズ値との差の絶対値が0.5以下、中でも0.3以下、特に0.1以下であることが好ましい。透明導電部と非導電部とのヘイズ値差が上記範囲よりも大きいと、透明導電部が視認されやすくなるからである。
本発明の透明導電基材は、透明基材の少なくとも一方の表面に透明導電部およびダミーパターンを有する非導電部が形成されていればよく、透明基材の両面に透明導電部およびダミーパターンを有する非導電部が形成されていてもよい。
透明導電基材の両面にダミーパターンを有する場合、一方の表面に有するダミーパターンと他方の表面に有するダミーパターンとの位置関係は特に限定されないが、中でも、平面視上交差していることが好ましい。モアレ等の発生を防ぐことができるからである。
5.製造方法
本発明の透明導電基材の製造方法としては、透明基材上に上述の透明導電部およびダミーパターンを有する非導電部を形成することができ、上記ダミーパターンを所望の線幅で形成可能な方法であれば特に限定されない。
例えば、透明基材上に金属繊維を少なくとも含有する透明導電層形成用塗工液を塗布する塗布工程、透明導電層形成用塗工液の塗布層を乾燥して透明導電層とする乾燥工程、および透明導電層をパターニングして透明導電部およびダミーパターンを形成するパターニング工程を経ることで、本発明の透明導電基材を製造することができる。なお、上記方法により形成される透明導電部およびダミーパターンは同一の組成を有するものとなる。
塗布工程において用いられる透明導電層形成用塗工液は、少なくとも金属繊維を含有するものであれば特に限定されないが、通常は、金属繊維を分散させる溶媒を含む。透明導電層形成用塗工液中に含まれる溶媒については、特に限定されないが、例えば、水や有機溶媒を用いることができる。また、透明導電層形成用塗工液には、樹脂等の上述した透明導電層における任意の材料を含んでいてもよい。
なお、透明導電層形成用塗工液中の金属繊維濃度としては、所望の金属繊維密度を示す透明導電層、および上記透明導電層から非導通となる線幅のダミーパターンを形成することが可能な濃度であればよく、適宜調整することができる。
透明基材上に透明導電層形成用塗工液を塗布する方法としては、本発明における透明導電部およびダミーパターンが所望の膜厚となるように、塗布層を形成することが可能であれば特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ダイコート法、ナイフコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、ブレードコート法等が挙げられる。
乾燥工程において透明導電層形成用塗工液の塗布層を乾燥する方法としては、塗布層中の溶媒を揮発除去させることが可能な方法であれば特に限定されず、例えば、加熱、フラッシュ加熱、真空、減圧、気流等が挙げられる。また、乾燥方法としては、単一の方法に限られず、例えば塗布層中に残留する溶媒量に応じて順次乾燥方式を変化させる等の態様により、複数の乾燥方式を採用してもよい。
パターニング工程において、パターン状の透明導電部およびダミーパターンを形成する方法としては、所望の形状にパターニングできる方法であればよく、例えば乾燥工程を経て形成された透明導電層上に、透明導電部およびダミーパターンに相当するパターンを有するレジストパターンを形成してエッチングする方法、上記透明導電層に強度等の照射条件を変えながらレーザーを照射して、透明導電部のパターンおよびダミーパターンを形成する方法等を用いることができる。
本発明の透明導電基材の製造方法としては、さらに、透明導電部およびダミーパターンを加熱焼成する焼成工程を有していてもよい。本工程により金属繊維同士をより強固に結着させ、透明導電部およびダミーパターンの強度および透明導電部の導電性を向上させることができるからである。焼成温度としては、金属繊維を焼結できる温度であれば特に限定されるものではなく、例えば60℃〜250℃の範囲内で設定することができる。
また、本発明の透明導電基材の他の製造方法として、透明導電部とダミーパターンとを別工程にて形成する方法を用いても良い。すなわち、上述した塗布工程、乾燥工程およびパターニング工程を経て、先に透明導電部のみをパターン形成した後、金属繊維を少なくとも含有するダミーパターン形成用塗工液を用いて、同様に塗布工程、乾燥工程およびパターニング工程を経てダミーパターンを形成してもよい。
6.用途
本発明の透明導電基材の用途としては、例えばタッチパネルセンサ、液晶表示装置やEL表示装置等の表示装置、電子ペーパー、太陽電池等の各種デバイスを挙げることができる。中でも、タッチパネルセンサは視認性が要求されることから、本発明の透明導電基材を好適に用いることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
1.透明導電層の形成
下記組成を示す透明導電層形成用塗工液A〜Cを準備した。
<透明導電層形成用塗工液A>
・金属繊維:銀ナノワイヤ(平均直径30nm、平均長10μm) … 銀ナノワイヤ濃度が1.1mg/透明導電層形成用塗工液1ml中となる量
・溶媒:1−ブタノール(30体積%)とイソプロピルアルコール(70体積%)との混合溶媒
<透明導電層形成用塗工液B>
・金属繊維:銀ナノワイヤ(平均直径30nm、平均長10μm) … 銀ナノワイヤ濃度が0.9mg/透明導電層形成用塗工液1ml中となる量
・溶媒:1−ブタノール(30体積%)とイソプロピルアルコール(70体積%)との混合溶媒
<透明導電層形成用塗工液C>
・金属繊維:銀ナノワイヤ(平均直径30nm、平均長10μm) … 銀ナノワイヤ濃度が0.75mg/透明導電層形成用塗工液1ml中となる量
・溶媒:1−ブタノール(30体積%)とイソプロピルアルコール(70体積%)との混合溶媒
透明基材として、ポリカーボネート基材(帝人化成社製 Panlite 厚さ100μm)を用い、透明基材の片面全面に、各透明導電層形成用塗工液をバーコート(バーギャップ30μm、塗工スピード5mm/sec、塗布液量700μL)にて、塗布膜厚(乾燥前)が約8μmとなるように塗布した。次いで、130℃のオーブンにて30分間加熱して溶媒を揮発させ、透明導電層(膜厚30nm)を形成した。
[評価1]
透明導電層形成用塗工液A〜Cを用いて形成されたパターニング前の各透明導電層について、三菱化学アナリテック社製Loresra−EP MCP−T360を用いて表面抵抗値を測定した。
銀ナノワイヤ濃度が1.1mg/mLの透明導電層形成用塗工液Aを用いて形成された透明導電層は、パターニング前の表面抵抗値が約100Ω/□、銀ナノワイヤ密度(金属繊維密度)が8.8mg/mであった。
銀ナノワイヤ濃度が0.9mg/mLの透明導電層形成用塗工液Bを用いて形成された透明導電層は、パターニング前の表面抵抗値が約200Ω/□、銀ナノワイヤ密度(金属繊維密度)が7.2mg/mであった。
銀ナノワイヤ濃度が0.75mg/mLの透明導電層形成用塗工液Cを用いて形成された透明導電層は、パターニング前の表面抵抗値が約300Ω/□、銀ナノワイヤ密度(金属繊維密度)が6mg/mであった。
2.透明導電層のパターニング
次に、得られた各透明導電層に対し、表1に示すパターン寸法となるように、レーザー加工にてパターニングを行い、透明導電パターンを得た。
[評価2]
各線幅の透明導電パターンについて、Keithley 2000マルチメーターを用いた4端子測定により抵抗値(実測値)を測定し、導通の確認を行った。導通が確認された線幅を○、非導通であった線幅を×とした。
結果を表1に示す。なお、表1中の抵抗値(計算値)とは、パターニング前の透明導電層の表面抵抗値をもとに、各線幅における抵抗値をパターン面積から算出した値である。
表1より、透明導電層形成用塗工液の各濃度水準および金属繊維密度において、透明導電パターンの線幅が小さくなるに従い、抵抗値の実測値が計算値から大きく外れる傾向を示した。これは、銀ナノワイヤの繊維形状が故に、透明導電パターンの抵抗値が線幅に依存するためと推量される。そして、表1の結果から、透明導電層形成用塗工液の濃度および金属繊維密度に応じて、非導通となる線幅に閾値があることが示唆された。
以上より、透明導電層形成用塗工液中の濃度水準および金属繊維密度に応じて、透明導電層のパターン線幅を閾値以下とすることで、透明導電パターンを、非導通なダミーパターンとすることが可能となった(本発明例1〜3)。
また、非導電部上に有するダミーパターンの存在により、パターン状の透明導電部間の非視認性を向上させることが可能であることが示唆された。
1 … 透明基材
2、2A、2B … 透明導電部
3 … 非導電部
4 … ダミーパターン
10 … 透明導電基材
11 … 金属繊維

Claims (3)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上にパターン状に設けられ、少なくとも金属繊維を含む透明導電部と、
    前記透明基材上の前記透明導電部に隣接して設けられた非導電部と、
    を有し、
    前記非導電部上には、複数本のライン状のダミーパターンが形成されており、
    前記ダミーパターンは、少なくとも金属繊維を含み、非導通となる線幅を有することを特徴とする透明導電基材。
  2. 前記ダミーパターンが、隣接する前記透明導電部間を連結するようにして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の透明導電基材。
  3. 隣接する前記透明導電部間に位置する非導電部の幅が、前記金属繊維の平均長以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明導電基材。
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